JP4472931B2 - 光ビームに試料全体を走査させるためのシステムおよび方法 - Google Patents

光ビームに試料全体を走査させるためのシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4472931B2
JP4472931B2 JP2002588257A JP2002588257A JP4472931B2 JP 4472931 B2 JP4472931 B2 JP 4472931B2 JP 2002588257 A JP2002588257 A JP 2002588257A JP 2002588257 A JP2002588257 A JP 2002588257A JP 4472931 B2 JP4472931 B2 JP 4472931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aod
scan
light
acousto
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2002588257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004535596A (ja
Inventor
サリバン,ジェイミイ
ギブソン,ジョン
リ,ミンガン
ベラ,エリック
ジョンソン,ラルフ・トーマス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KLA Corp
Original Assignee
KLA Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KLA Corp filed Critical KLA Corp
Publication of JP2004535596A publication Critical patent/JP2004535596A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4472931B2 publication Critical patent/JP4472931B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70605Workpiece metrology
    • G03F7/70616Monitoring the printed patterns
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/95Investigating the presence of flaws or contamination characterised by the material or shape of the object to be examined
    • G01N21/956Inspecting patterns on the surface of objects
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/10Scanning systems
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/29Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
    • G02F1/33Acousto-optical deflection devices

Description

本発明は一般に光ビームに試料全体を走査させるためのシステムおよび方法に関する。特定の実施態様は、光ビームを様々な角度で偏向させるように構成された音響光学偏向器を備えたシステムおよび方法に関する。
論理デバイスおよびメモリ・デバイスなどの半導体デバイスの製造には、通常、様々なフィーチャおよび多重レベルの半導体デバイスを形成すべく、半導体ウェハなどの試料を多くの半導体製造プロセスを使用して処理するステップが含まれている。例えば、リソグラフィは、通常、半導体ウェハ上に配置されたレジストへのパターンの転写を必要とする半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのその他の例としては、それらに限定されないが、化学機械研磨やエッチング、堆積、イオン注入などがある。複数の半導体デバイスを一定の配列で半導体ウェハ上に製造し、それらを個々の半導体デバイスに分割することもできる。
各半導体デバイス製造プロセスの間に、パーティクル汚染およびパターン欠陥などの欠陥が半導体デバイス中に導入される。このような欠陥は、数百個の半導体デバイスを含んだ半導体ウェハ上の1個の半導体デバイスに隔離されている。例えば、隔離された欠陥は、製造環境におけるパーティクル汚染の不測の増加あるいは半導体デバイスの製造に使用される化学薬品の処理中における汚染の不測の増加などのランダムな事象によるものである。あるいは、欠陥は、半導体ウェハ全体にわたって形成される各半導体デバイスに繰り返される。一例として、レチクル上の汚染あるいは欠陥による反復欠陥は系統的である。レチクルすなわちマスクは、レジストに転写される一定のパターンで配列された実質的に透明な領域および実質的に不透明な領域を有しており、半導体ウェハの上に配置される。したがって、レチクル上の汚染あるいは欠陥は、レジストに転写されるパターン中に再現し、後続する処理において半導体ウェハ全体にわたって形成される各半導体デバイスのフィーチャに望ましくない影響を及ぼしている。
リソグラフィ・プロセスの間に生成される欠陥の多くは裸眼で見ることができるため、通常、半導体ウェハ上の欠陥は、とりわけリソグラフィ・プロセスの中で目視検査によって手動でモニタされている。このような欠陥には、リソグラフィ・プロセス時における不良処理に起因するマクロ欠陥も含まれている。人間の目で見ることができる欠陥は、通常、約100μm以上の幅を有しているが、半導体ウェハの非パターン化領域では約10μm程度の幅の欠陥も目視可能である。参照によりそのすべてを示したものとして本明細書に組み込まれている、Addiegoに対する米国特許第5,917,588号およびRosengausらに対する米国特許第6,020,957号に示されているシステムなどの自動欠陥検査システムが市販される以前は、手動検査が最も一般的であり、手動検査は依然としてリソグラフィ技術者が使用している最も優勢な検査方法である。
半導体ウェハを手動検査するための方法には、明るい光の下で半導体ウェハを半自動傾斜テーブル上に配置し、かつ、半導体ウェハを様々な角度で回転させるステップが含まれている。半自動傾斜テーブルは、半導体ウェハを中心軸に対して直角をなす平面に対して異なる傾きで位置決めしつつ、半導体ウェハを中心軸の周りに回転させている。この方法によれば、オペレータは、半導体ウェハの回転に応じて半導体ウェハの欠陥を目視検査し、半導体ウェハ上に存在している欠陥が、半導体ウェハ上の欠陥の許容限度内であるかどうかを決定することができる。参照によりそのすべてを示したものとして本明細書に組み込まれている、Scottに対する米国特許第5,096,291号に、目視検査方法の一例が示されている。
自動検査システムは、ウェハ表面の検査に要する時間を短縮するために開発されたものである。通常、自動検査システムには、照明システムおよび収集−検出システムなどの2つの主要なコンポーネントが含まれている。照明システムには、光ビームを生成するレーザなどの光源および光ビームを集束させ、かつ、走査させるための装置が含まれている。ウェハ表面に存在する欠陥によって入射光が散乱する。検出システムは、散乱した光を検出し、かつ、測定し、カウントし、オシロスコープまたは他のモニタに表示することができる電気信号にその検出した光を変換する。検出された信号は、ウェハ上の欠陥の位置を特定し、かつ、識別すべく、コンピュータ・プログラムによって解析される。すべて参照によりそのすべてを示したものとして本明細書に組み込まれている、Steigmeierらに対する米国特許第4,391,524号、Heebnerらに対する米国特許第4,441,124号、Koizumiらに対する米国特許第4,614,427号、Hayanoらに対する米国特許第4,889,998号、およびAllemandに対する米国特許第5,317,380号に、このような検査システムの例が示されている。
音響光学偏向は、一般に、固体材料を通して音波を伝搬させる、光ビームの光路を変化させるための技法とされている。固体材料を通って伝搬する音波によって、その固体材料の屈折率などの特性が変化する。固体材料を通して音波を伝搬させることにより、結果として、固体材料を通過する光ビームを様々な角度で偏向させることができる。技術的応用例においては、一般に音響光学スキャナとも呼ばれている音響光学偏向器(「AOD」)を集束光学系と共に使用して、試料の表面を横切って集束した光のスポットを走査させることができる。このような技術応用には、例えば半導体ウェハなどの試料の検査が含まれている。
参照によりそのすべてを示したものとして本明細書に組み込まれている、Porterらに対する米国特許第4,912,487号に、AODを備えたシステムの一例が示されている。このシステムには、試料の表面を照射するアルゴン・イオン・レーザ・ビームが含まれている。音響光学偏向器は、チャープ信号を使用して駆動され、ビームにラスタ走査線を掃引させるように、ビームの光路に置かれている。ターゲットは、双方向に移動することができるXY移行ステージ上に置かれている。ビームの入射角は、ターゲットおよびステージの移動に対して直角をなしており、したがってビームは、隣接する同一幅の連続ストリップに沿って走査される。参照によりそのすべてを示したものとして本明細書に組み込まれている、Nikoonahadに対する米国特許第5,633,747号、Nikoonahadらに対する米国特許第5,833,710号、Jordan,IIIらに対する米国特許第5,864,394号、およびLeslieらに対する米国特許第6,081,325号に、AODを備えたシステムの他の例が示されている。
半導体デバイスの製造における、より高いスループットおよびより低いコストに対する要求の増加は、偏に、現在市販されているシステムより精度が高く、かつ、速度の速い処理および検査システムが必要であることを意味している。このような検査システムにはAODが含まれている。リーディング・エッジAOD走査検査システムには、実質的により単純なXY移行ステージを備えた、実質的にスループットがより高いシステムを提供すべく、帯域幅が広く、かつ、音響伝搬時間の長いAODが含まれている。また、このシステムは、全走査にわたって実質的に一定の感度を維持するために、サイズが実質的に一様なスポット・サイズ及び走査線の両端間で実質的に一様な輝度を生成することが必要である。このようなシステムの感度が走査線の両端間で一致しない場合、多重マシン・システム・応用と同様のシステム間整合および環境が問題になる。また、より長い走査線の両端間でサイズが実質的に一定のスポットを生成することにより、試料のより広い部分を1回の走査で走査することができるため、システムのデータ収集速度が速くなる。この方法によれば、さらに、このようなシステムのスループットが向上する。
一実施態様では、システムは、集束した光のスポットが試料の表面全体を走査するように構成されている。このシステムには、光ビームを微小スポットに集束させ、かつ、集束した微小スポットに、このスポットのサイズより著しく長い線の両端間を走査させるように構成されたAODおよび光学系が含まれている。AODは、その全体が、ほぼ一定の角度でビームを偏向させるほぼ一定の周波数の音波で満たされた「偏向モード」で動作している。このモードでは、AODの周波数を時間の関数として変化させることによって走査線が生成される。別法としては、ビームを微小スポットに集束させる、周波数が急激に変化する音波(チャープ・パケット)でAODの一部が満たされた「チャープ・モード」でAODを動作させることもできる。このモードでは、チャープ・パケットをAODの長さの両端間で伝搬させることによって走査線が生成される。
また、このシステムにはリレー・レンズが含まれている。リレー・レンズは、チャープ・モードで動作しているAODによって生成される走査線からの光を平行にするように構成されている。リレー・レンズの光軸は、AODによって生成される走査線に実質的に芯合わせされている。また、リレー・レンズの光軸は、AODによって生成される走査線に対して実質的に直角をなしているが、AODによって生成される主光線に対して平行ではない。また、このシステムには対物レンズが含まれている。対物レンズの光軸は、リレー・レンズの光軸と実質的に平行であるが、リレー・レンズの光軸に対して実質的に偏心している。しかし、平行光線は、実質的に対物レンズに芯合わせされている。
また、このシステムには、リレー・レンズと対物レンズの間に配置されたプリズム・アセンブリまたはミラー・アセンブリが含まれている。プリズム・アセンブリまたはミラー・アセンブリは、対物レンズをリレー・レンズの軸から偏心させる必要性を回避すべく、平行光線を再び対物レンズに向けるように構成されている。
対物レンズは、平行光線を焦点面に集束させるように構成されている。対物レンズは、焦点面に実質的に平行に向けられている。また、対物レンズの光軸は、実質的に焦点面に芯合わせされ、かつ、焦点面に対して直角をなしている。焦点面は、試料の表面に実質的に平行である。したがって、このようなシステムは、システムの視野傾斜を小さくし、さらには実質的に除去している。視野傾斜は、一般に、システムの焦点面が試料の表面に対して配置される角度とされている。このような視野傾斜は、例えば、リレー光学系が中央に置かれたAODをチャープ・モードで使用することによるものである。
視野傾斜は、視野のサイズが視野内の光のスポット・サイズに対して大きくない場合は問題にはならないが、比較的小さいサイズの視野にはいくつかの欠点がある。例えば、視野のサイズが比較的小さいシステムは、視野のサイズが比較的大きいシステムと比較すると、スループットが比較的小さく、また、複雑な高性能XY移行ステージが必要である。しかしながら視野のサイズが大きくなると、視野傾斜のために、視野全体にわたるスポット・サイズの一様性が損なわれることになる。例えば、焦点面が傾斜しているため、視野の中心から遠ざかるほどスポット・サイズが大きくなり、焦点がぼけることになる。視野が傾斜したシステムの焦点外れの量は、走査線の中心からの距離の二乗として測定される。この方法の場合、このようなシステムの感度も視野全体にわたって変化することになる。また、システムの感度が変化すると、複数のこのようなシステムの性能がシステム毎に変化することになり、したがって視野傾斜は、リーディング・エッジ検査システムではますます問題になる。
本明細書において説明するシステムの視野傾斜は小さく、さらには実質的に除去されているため、試料表面の光ビームのスポット・サイズとその位置は、実質的に互いに独立している。したがって、このようなシステムは比較的視野サイズが大きくなっている。その結果、システムは、スループットが比較的高く、かつ、単純で、XY移行ステージが比較的安価になっている。また、スポットは、このようなシステムの実質的に視野全体を通してそのサイズおよび焦点が実質的に一定になっている。したがって、システムの感度と試料表面の光ビームの位置は、実質的に互いに独立している。この方法の場合、システムの感度が実質的に一様であるため、複数のこのようなシステムの性能がシステム毎に実質的に一様であり、それによりシステム間の整合の改善を可能にしている。
一実施態様では、システムは、光ビームが試料の表面全体を走査するように構成されている。このシステムには、第1のAODおよび第2のAODが含まれている。第1のAODは、光学系を通して様々な角度で光ビームを第2のAODに導くように構成されている。第1のAODによって生成される光ビームの輝度は、実質的に一様な散乱特性を使用して較正される。
第1のAODは、駆動信号の持続期間が、光ビームを横切る音波の伝搬時間より長い偏向モードで動作している。また、このシステムには、第1のAODによって生成される光ビームを拡大し、かつ、角度走査を実質的に平行走査に変換するように構成されたレンズが含まれている。第2のAODは、駆動信号の持続期間と光ビームを横切る音波の伝搬時間がほぼ等しいチャープ・モードで動作している。第2のAODは、走査ビームを集束させるためのトラベリング・レンズとして機能するように構成されている。第2のAOD内を移動するチャープ・パケットの長さは、第2のAODの長さよりはるかに短くなっている。この方法によれば、第2のAODによって導かれる光に試料の表面を走査させることができる。
第1のAODに印加される駆動信号の振幅は偏向したビームの輝度を制御するために変調される。この強度変調を使用して、第2のAODの長さ全体または検査システム全体にわたる伝送損失が補償される。AODの「伝送損失」は、一般に、AODによって偏向される光の強度変化とされている。伝送損失は、チャープ・パケットがAODの固体媒体を通って伝搬する際の音響チャープ・パケットの減衰によるものである。「チャープ・パケット」は、一般に、変換器を介してAODに結合された発生器からの無線周波数信号などの励起によって生成される、AODを通って伝搬する音波と呼ばれている。伝送損失により、AODによってAODの長さ全体にわたって偏向される光の強度が変化する。また、偏向した光の強度は、AODの長さが長くなるほど、その一様性が損なわれる。
一実施態様では、第1のAODに印加される駆動信号の振幅は、第2のAODの長さ全体にわたる伝送損失の増加に伴って、第1のAODの走査線全体の光の強度が増加するように変調されている。したがって、このようなシステムは、第2のAODの長さ全体にわたる音響減衰を補償している。また、このメカニズムを使用して、光学系における他の損失が補償されている。この方法の場合、第2のAODによって導かれる光の強度と試料の表面に導かれる光ビームの位置は、実質的に互いに独立している。したがって、システムの感度と試料の表面に導かれる光ビームの位置は、実質的に互いに独立している。したがって、上で説明したように、複数のこのようなシステムの性能は、システム毎に実質的に一様であり、それによりシステム間の整合を可能にしている。
他の実施態様では、システムは、光ビームに試料の表面全体を走査させるように構成されている。このシステムには、チャープ・モードで動作するAODが含まれている。AODには、複数のチャープ・パケットが同時に含まれている。第1のチャープ・パケットがAODを通って伝搬して照射され、それにより走査線を形成している間、次の走査線を開始すべく第2のチャープ・パケットが準備される。「予備充填」と呼ばれるこの構造は、各走査線の開始時におけるチャープ・パケットの充填に関わる逸失時間を除去している。
また、このシステムには視野絞りが含まれている。視野絞りは、一回につき1つのチャープ・パケットにのみ試料の走査を可能にするように構成されている。例えば、第1のチャープ・パケットが試料を走査している間、視野絞りは、第2のチャープ・パケットから偏向した光をブロックし、逆に、第2のチャープ・パケットの準備が完了して試料の走査を開始すると、視野絞りは、第1のチャープ・パケットからの光をブロックしている。
このようなシステムの平均データ転送速度は、システムのピーク・データ転送速度にほぼ等しくなっている。この方法でAODに予備充填を施すことにより、音響セルの充填に要する時間をシステムの処理時間から実質的に除去することができる。また、このようなシステムは、光に試料の表面全体を実質的に連続的に走査させている。例えば、このようなシステムの処理時間には、試料の走査に要する時間、前置スキャナAODの充填時間およびエレクトロニクスのリセット時間しか含まれていない。したがって、このようなシステムのデータ転送速度は、前置スキャナの充填時間およびエレクトロニクスのリセット時間によってのみ制限されている。また、このようなシステムのスループットは、システムのデータ転送速度に依存しているため、このようなシステムのスループットも向上している。
本発明のその他の利点については、好ましい実施形態についての以下の詳細な説明および添付の図面を参照することにより、当分野の技術者には明らかになるであろう。
本発明には様々な改変および代替形態が可能であるが、本発明の特定の実施形態について、実施例として図面に示し、かつ、本明細書において詳細に説明する。図面の尺度はスケール通りではないが、図面および図面についての詳細な説明が、開示する特定の形態に本発明を制限することを意図したものではなく、それどころか、その意図が、特許請求の範囲の各請求項によって定義される本発明の精神および範囲に帰するすべての改変、等価物および代替物を包含することにあることを理解すべきである。
図1を参照すると、光ビームに試料の表面全体を走査させるように構成されたシステムの一実施形態が示されている。このシステムは、AOD8を備えている。また、このシステムは、光16をAOD8に導くように構成された光源(図示せず)を備えている。適切な光源には、それらに限定されないが、例えばヘリウム・ネオン・レーザ、アルゴン・イオン・レーザ、固体レーザ・ダイオード、キセノン・アーク燈、白熱電球、発光ダイオード、光ファイバ光源、または当分野で知られている他の光源がある。この方法の場合、光16には、単色光または多重波長の光が含まれている。単一波長または多重波長の光16には、紫外波長、可視波長および/または赤外波長が含まれている。
AOD8は、固体媒体10でできている。固体媒体10には、それらに限定されないが、TeO2、石英、石英ガラス、サファイアなどの結晶材料、他のガラス状材料、または当分野で知られている他の任意の適切な材料がある。音響変換器12は固体媒体10の表面に結合されている。変換器12は、固体媒体10を介したチャープ・パケット14の伝搬を開始させるように構成されている。例えば、信号発生器(図示せず)は、無線周波数信号を発生し、かつ、変換器12に提供するように構成されている。このような信号は、一般に「駆動信号」と呼ばれている。音波の波長は、駆動信号の周波数および固体媒体10中の音速によって決まる。また、駆動信号の持続期間は、固体媒体10を通って移動するチャープ・パケットの移動時間より短くなっている。したがって、図1に示すように、多重音波チャープ・パケット14はAOD8を通って実質的に同時に伝搬している。上で説明したように、このようなAOD駆動構成は、一般に「チャープ・モード」と呼ばれている。
固体媒体10を通って伝搬するチャープ・パケット14は、超音波領域の周波数を有している。固体媒体10を通って伝搬するチャープ・パケット14により、結晶の格子構造あるいは屈折率などの固体媒体10の特性が変化する。この方法の場合、固体媒体10に入射した光ビーム16は、固体媒体を通って伝搬し、超音波チャープ・パケットが結晶を通って伝搬する際に、その超音波チャープ・パケットによって変化した結晶格子の一部によって回折する。そのために、固体媒体10を出る光16の一部には、偏向したビーム18が含まれているが、固体媒体10を出る光16の一部には、実質的に偏向されないビーム17も含まれている。チャープ・パケット14には、一般に「周波数ランプ」と呼ばれている、パケットの開始からチャープ・パケットの終了まで直線的に変化する複数の周波数が含まれている。
ビーム18が偏向する角度は、固体媒体10内部の光と超音波の相対波長にのみ依存している。この方法によれば、固体媒体10を出るビームの偏向角度は、固体媒体10に入射する光の波長および固体媒体10の内部に誘導される超音波の波長によって決定され、かつ、制御される。駆動周波数がチャープ・パケット14全体にわたって直線的に変化するチャープ・モードの場合、入射ビーム16は、チャープ・パケット内の周波数に比例した異なる角度で回折する。周波数を低周波数から高周波数へランプさせることにより、チャープ・パケット14の部分20の周波数は、部分22の周波数より高くなる。部分20の方が周波数が高いため、回折ビーム21で示すように、入射する光ビーム16の一部が部分20によってより鋭い角度で回折する。また、部分22の周波数が比較的低いため、回折ビーム23で示すように、入射する光ビーム16の一部が部分22によってより浅い角度で回折する。この方法によれば、チャープ・パケット14を使用して、走査線30で示すように、ビーム16を平面内に集束させることができる。チャープ・パケット14は、媒体10を通って伝搬する際に、トラベリング円柱レンズとして作用している。追加円柱レンズ37を使用して、ビーム16を反対側の平面に集束させることができる。チャープ・パケット14が変換器12から媒体10を通ってベクトル方向25に沿って伝搬する際に、チャープ・パケット14を追跡し、あるいはチャープ・パケット14に追従するように光ビーム16を掃引させるように光源および光学系(図示せず)を構成させることができる。この方法によれば、走査スポットは、走査線30に生成される。
チャープ・モードに構成されたAODは、上で定義したように、約1オクターブ未満の帯域幅すなわち周波数領域を有するように制限されている。このような帯域幅制限により、AODによって偏向される2次光ビームが最小化され、あるいはAODによって偏向される1次光ビームによる試料表面の走査の際の、2次光ビームによる試料表面の同時走査が実質的に除去される。しかしながら、このようなAOD構成により、AOD8によって生成される走査線30に直角でない主光線28が生成される。
図1に示すように、システムは、走査線30に生成される走査スポットを試料27の表面24に中継するための光学系をさらに備えている。この光学系には、リレー・レンズ36が含まれている。リレー・レンズ36は、AOD8および円柱レンズ37によって集束した光を平行にするように構成されている。リレー・レンズ36は、当分野で知られている適切な任意のレンズを備えることができる。リレー・レンズ36の光軸35は、AOD8によって生成される走査線30に芯合わせされている。光軸35はAOD8の主光線28に平行している。また、システムは、対物レンズ26を備えている。対物レンズ26は、リレー・レンズ36によって平行にされた光を焦点面34に集束させるように構成されている。対物レンズ26は、当分野で知られている任意の集光レンズとすることができる。図1に示すように、対物レンズ26の光軸33は、リレー・レンズ36の光軸35と一致している。このような構造の場合、対物レンズ26と焦点面34は平行ではない。例えば、焦点面34は、試料27の表面24に対して角度32をなして配置されている。上で説明したように、焦点面が試料の表面に対して配向される角度32は、一般に「視野傾斜」と呼ばれている。システムの焦点面と試料の表面が実質的に平行でない場合、試料27の表面24の光ビームのサイズ(スポット・サイズ)が、表面全体にわたって変化する。また、光の輝度が表面34全体にわたって変化するため、システムの感度も表面34全体にわたって変化する。
図2は、あるシステムの好ましい一実施形態を示したもので、リレー・レンズの光軸は、チャープ・モードで動作しているAODによって生成される走査線に芯合わせされているが、リレー・レンズと対物レンズの光軸は、チャープ・モードで動作しているAODによって生成される主光線に対して平行でない。また、リレー・レンズは、対物レンズに対して実質的に偏心している。このシステムは、視野傾斜のないテレセントリック走査スポットを生成している点で、図1に示すシステムと異なっている。
このシステムもAOD8を備えており、AOD8は、本明細書において説明するすべての実施形態と同様に構成されている。例えば、AOD8は、変換器12によってAOD8に供給される駆動信号が、AODの固体媒体10を通してチャープ・パケット14を伝搬させるように構成されている。光16は、光源(図示せず)からAOD8に導かれている。光源は、本明細書において説明するすべての実施形態と同様に構成されている。AOD8によって様々な角度で偏向した光16は、本明細書において説明するように、走査線30に集束する。また、このシステムもリレー・レンズ36を備えている。リレー・レンズ36は、AOD8と円柱レンズ37によって偏向し、かつ、集束した光を平行にするように構成されている。図2に示すように、リレー・レンズ36の光軸38は、AOD8によって生成される走査線30に芯合わせされている。また、リレー・レンズ36の光軸38は、AOD8によって生成される走査線30に対して直角をなしている。リレー・レンズ36の光軸38とAOD8によって生成される主光線28は、実質的に平行ではない。
また、このシステムも対物レンズ26を備えている。対物レンズ26は、リレー・レンズ36によって平行にされた光を焦点面44に集束させるように構成されている。対物レンズ26の光軸40は、リレー・レンズ36の光軸38に対して実質的に偏心している。対物レンズ26の光軸40とリレー・レンズ36の光軸38は実質的に平行であるが、リレー・レンズ36によって平行にされ、かつ、形成される光のひとみは、実質的に対物レンズ26に芯合わせされている。また、対物レンズ26と焦点面44は実質的に平行である。この方法によれば、対物レンズ26は、実質的に焦点面44に向けることができる。したがって、この光学系により、図2に示すように、AOD8によって偏向した主光線28を、焦点面44に対して実質的に直角をなす角度で中継することができる。また、焦点面44と試料27の表面24は、実質的に平行である。この方法によれば、焦点面が試料の表面に対して配置される角度をほぼ0度にすることができる。したがって、対物レンズの光軸とリレー・レンズの光軸がオフセットしたシステムによって、AODのチャープ・モードに関連する視野傾斜を修正することができる。
また、図2に示すシステムは、追加光コンポーネント(図示せず)を備えている。追加光コンポーネントには、それらに限定されないが、例えばビーム・スプリッタ、4分の1波長板、線形偏光子および円形偏光子などの偏光子、回転偏光子、回転検光子、コリメータ、集光レンズ、ミラー、ダイクロイック・ミラー、部分透過ミラー、スペクトル・フィルタまたは偏光フィルタなどのフィルタ、空間フィルタ、反射板および変調器がある。これらの追加光コンポーネントの各々は、システムの内部に配置し、あるいは本明細書において説明するシステムの任意のコンポーネントに結合することができる。
一代替実施形態では、リレー・レンズ36の光軸38は、上で説明したように、AOD8によって生成される走査線30に芯合わせされている。AOD8によって生成される主光線28と光軸38は、実質的に平行でない。リレー・レンズ36の光軸38は、AOD8によって生成される走査線30に対して直角である。リレー・レンズ36は、前述の実施形態で説明したように、AODおよび円柱レンズによって偏向し、かつ、集束した光を平行にするように構成されている。したがって、このような実施形態では、リレー・レンズ36によって平行にされた光は、対物レンズ26には芯合わせされていない。図2aに示す他の実施形態では、システムは、さらに、リレー・レンズと対物レンズの間に配置されたプリズム・アセンブリあるいはミラー系などの光学機構39を備えている。ミラー系またはプリズム・アセンブリは、リレー・レンズ36によって平行にされた光のひとみを再び対物レンズ26に集中させるように構成されている。図2aに示す、図2に関連して説明した構成と同様に構成されている他のエレメントは、同じ参照数表示で示されている。
平らな視野を有するシステムの場合、試料表面のスポット・サイズは、視野傾斜が修正されていないシステムのスポット・サイズより、実質的に視野全体にわたってより一様である。レーザ走査システムの感度は、システムのスポット・サイズに逆比例している。スポット・サイズが走査線の位置を関数として変化すると、システムの感度も走査線の位置を関数として変化する。したがって、上で説明したシステムのスポット・サイズは実質的に一定であり、したがって光ビームの強度は、このようなシステムの焦点面の長さの両端間で一定である。したがって、本明細書において説明するシステムの感度は、視野傾斜が修正されていないシステムより良好である。この方法によれば、このようなシステムのシステム間整合も、視野傾斜が修正されていないシステムより良好である。
また、例えば本明細書において説明する偏心レンズを使用して視野傾斜を修正することにより、より長いAOD(すなわち、音響伝搬距離がより長いAOD)を利用することができる。より長いAODを利用したシステムにより、所与のスポット・サイズに対して、より長い走査線が生成される。所与のスポット・サイズに対する走査線の長さを長くすることにより、高精度XY移行ステージの必要性が実質的に除去される。このようなステージは本質的に高価であるため、本明細書において説明するシステムのコストが実質的に低減される。逆に、走査線の長さがより短い場合、より高速のステージが必要であり、また、走査中におけるより多くの反転が必要である。さらに、ステージを振動からより良好に分離しなければならない。また、このようなステージに対する動的直線性の要求は、その達成がより困難であり、また、オン・ザ・フライ電子位置決めが必要である。
チャープ・モードで動作するAODは、AODを通って伝搬する際のチャープ・パケットの減衰による相当な伝送損失を有している。音波の振幅が小さくなるとチャープ・パケットの偏向能率が低下し、それによりチャープ・パケットがAODを通って移動する際の偏向ビームの輝度が低下する。このような伝送損失により、試料の表面全体を走査する際のビームの輝度が大きく変化し、このような輝度変化が、システムの一様性の低下をもたらし、かつ、システム間の整合を困難にしている。
AOD内の音波の強度をモニタし、かつ、このモニタ信号を使用して、試料から検出した信号を正規化することは可能であるが、この種の修正は、走査線の両端間の輝度変化を部分的に補償するに過ぎない。検査システムの総合感度は、とりわけ試料から検出した信号が小さい場合、ビームの輝度によって依然として変化するため、光子統計が重要になってくる。したがって、試料全体を走査する際のビームの実際の輝度が等しくなることが好ましい。
図3は、AODを通って伝搬する短チャープ・パケットに関連する伝送損失が実質的に修正される一実施形態を示したものである。図3に示すように、光ビームに試料全体を走査させるように構成されたシステムは、第1のAOD44を備えている。第1のAOD44は偏向モードで動作し、本明細書においては「予備走査」AODと呼んでいる。AOD44に取り付けられた変換器46は、AOD44に音波を充填する駆動信号を発生するように構成されている。音波の周波数は、音波がAOD44を通って伝搬する時間と比較すると、穏やかに変化している。AOD44内の音波の周波数を変化させることにより、偏向したビームが位置62から位置64へ走査される。
また、このシステムは、ビームを拡大し、かつ、AOD44からの微小角度走査を、AOD54部分における長い線形走査に変換するように構成されたレンズ52を備えている。このレンズは、本明細書におけるすべての実施形態で説明したように構成されている。例えば、このレンズは、望遠鏡、リレー・レンズ、集光レンズ、対物レンズ、ミラー、または当分野で知られている他の任意の適切な光コンポーネントを備えることができる。
また、このシステムは、チャープ・モードで動作する第2のAOD54を備えている。AOD54に取り付けられた変換器58は、AOD54の全長さを位置59から位置60へ伝搬するチャープ・パケットを生成する駆動信号を発生するように構成されている。AOD54を通って伝搬するチャープ・パケットは、走査ビームを集束させるためのトラベリング・レンズとして機能するように構成されている。チャープ・パケットの長さは、光ビーム63および65のサイズにほぼ等しく、第2のAOD54の長さよりはるかに短くなっている。
チャープ・パケット59は、第2のAOD54を通って変換器58から遠ざかる方向56に伝搬すると、その振幅が減衰する。したがって、位置54のチャープ・パケットによって走査線上に集束する光は、位置60のチャープ・パケットによって走査線上に集束する光より明るい。走査線におけるこの非一様な輝度は、検査システムの性能あるいは多重システムの整合に有害な影響を及ぼしている。
第2のAOD54を通って伝搬する際のチャープ・パケットの減衰を補償するために、チャープ・パケットを照射するビームの輝度を変化させることができる。この輝度の変化は、変換器46によって第1のAOD44に印加される駆動信号の振幅を変化させることによって達成される。ビーム掃引の開始時点では、明るさに欠けるビーム62を生成すべく、AOD44はより小さい振幅信号で駆動され、その明るさに欠けるビーム62が、変換器58に近い第2のAOD54内のチャープ・パケット59に照射される。また、ビーム掃引の終了時点では、より明るいビーム64を生成すべく、AOD44はより大きい振幅信号で駆動され、そのより明るいビーム64が、AOD54の末端のチャープ・パケット60に照射される。したがって、このAOD44の振幅変調によってAOD54内の減衰が補償され、実質的に一様な輝度の最終走査線が生成される。
上で記述したように、システムによって生成される走査線の輝度は、反射率が一様な試料を走査することによって較正される。最終走査線に沿った異なる位置で散乱する光が収集され、測定される。次に、その試料で測定した一様な輝度の走査線を生成する必要がある場合は、第1のAODに印加される駆動信号の振幅が変調される。この較正により、第2のAOD内の減衰が補償されるだけでなく、走査システムにおける他のあらゆる非一様性が補償される。
図4aおよび4bは、光ビームに試料の表面全体を、1つの掃引の終了と次の掃引の開始の間にほとんど遅延のない、あるいは全く遅延のない多重掃引で走査させるように構成されたシステムの実施形態を示したものである。このシステムは、チャープ・モードで動作するように構成されたAOD66を備えている。AOD66は、複数のチャープ・パケットを同時に備えている。チャープ・パケットの各々は、AODの長さより実質的に短くなっている。例えば、AOD66は、第1のチャープ・パケット68および第2のチャープ・パケット70を備えている。
光源(図示せず)は、図4aに示すように、AOD66を通って伝搬する単一チャープ・パケットを照射すべく、光72を導くように構成されている。本明細書においては、光源およびAODのこのような構成を「予備走査」構成と呼んでいる。このような構成の実施形態については、図3に示し、かつ、説明した通りである。
光源は、別法として、図4bに示すように、実質的にAOD66の長さ全体にわたって光72を導くように構成することもできる。本明細書においては、光源およびAODのこのような構成を「フラッド・モード」構成と呼んでいる。この方法によれば、AODの長さに沿って、第1のチャープ・パケット68および第2のチャープ・パケット70、あるいは任意の数のチャープ・パケットに、実質的に同時に光を導くことができる。
AOD66は変換器74に結合されている。変換器74は、AOD66を通って伝搬するチャープ・パケットを生成する駆動信号を発生するように構成されている。チャープ・パケットの形成には、チャープ・パケットの所望の長さおよびAOD内の音響速度で決まる有限の時間が必要である。本明細書においては、このチャープ・パケット生成時間を「充填時間」と呼んでいる。
図4aに示すように、変換器74を使用してチャープ・パケット68が充填されている。一定の時間が経過すると、このチャープ・パケットは、AODを通って第2のチャープ・パケット70で示す位置に向かって伝搬する。その間に、変換器は、新しいチャープ・パケット68に再び充填し、両方のチャープ・パケットがAODを通って同時に伝搬する。したがって、両方のチャープ・パケットが、フラッド・モードで動作している光源によってAOD66に提供される光72を偏向させている。
また、このシステムは、AOD66の焦点面に配置された視野絞り76を備えている。視野絞り76には、開口、シャッタ、空間フィルタすなわち格子、あるいは当分野で知られている他の任意の視野絞りが含まれている。視野絞り76は、視野絞り76に入射するほとんどすべての光72を吸収する光学特性を有する材料でできている。例えば光72に可視光が含まれている場合、視野絞り76は、実質的に不透明な材料を使用して構築される。
チャープ・パケットのタイミングおよび視野絞りのサイズは、一度に1つのチャープ・パケットからの光のみを試料に照射するように構成されている。例えば、図4aに示すように、視野絞り76は、第1のチャープ・パケット68によって偏向した光がブロックされている間、第2のチャープ・パケット70によって偏向した光が試料を走査するように構成されている。この構成により、第2のチャープ・パケット70が試料を走査している間に、第1のチャープ・パケット68を充填することができる。充填が完了したチャープ・パケット68は、チャープ・パケット70が視野絞りに当たって試料の走査を停止すると、直ちに視野絞りを通過して伝搬し、試料の走査を開始する。本明細書において記述したように、一方のチャープ・パケットを使用して走査している間にもう一方のチャープ・パケットを充填することを、一般に「予備充填」と呼んでいる。
本明細書において説明したチャープAODの予備充填を使用したシステムは、連続するビーム掃引間の時間遅延をほとんど、あるいは全く伴うことなく、光に試料の表面全体を実質的に連続的に走査させている。予備走査AOD構成の場合、予備走査AODを充填している間、掃引間に遅延が存在しているが、この充填時間は、走査AODにおけるチャープ・パケットの充填時間より短くすることができるため、システムのスループットが向上している。
以上の説明に鑑みて、当分野の技術者には、本発明の様々な態様に対する他の改変および代替実施形態が明らかであろう。例えば、光ビームに試料の表面全体を走査させるように構成されたシステムは、システムの視野傾斜を小さくするように構成された偏心レンズ、偏向モードAODに提供される光の強度を減衰させるように構成された変調AOD、および/または偏向モードAODの音響セルを予備充填するように構成された前置スキャナを備えることができる。したがって、以上の説明は、単に例証を目的とし、かつ、本発明を実践するための一般的な方法を当分野の技術者に教示することを目的としたものとして解釈すべきである。現時点における好ましい実施形態として、本明細書において示し、かつ、説明した本発明の形態を捕らえるべきであることを理解されたい。本発明についての以上の説明の利点を知り得た当分野の技術者にはすべて明らかであると思われるが、エレメントおよび材料は、本明細書において示し、かつ、説明したエレメントおよび材料以外のものを代用することができ、また、部品およびプロセスは逆にすることが可能である。また、本発明の特定の特徴は、個々に利用することができる。特許請求の範囲の各請求項に記述されている本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本明細書において記述したエレメントに変更を加えることができる。
実質的に対物レンズに向けられたリレー・レンズを備えたシステムの一実施形態の略図である。 実質的に対物レンズから偏心したリレー・レンズを備えたシステムの一実施形態の略図である。 リレー・レンズによって平行にされた光のひとみを再び対物レンズに向けるべく、リレー・レンズと対物レンズの間に配置された光学機構を備えたシステムの一実施形態の略図である。 偏向モードで動作する第1のAOD前置スキャナおよびチャープ・モードで動作する第2のAODスキャナを備えたシステムの一実施形態の略図である。 予備走査モード構成およびフラッド・モード構成におけるAODの視野絞りおよび予備充填を備えたシステムの実施形態の略図である。

Claims (2)

  1. 光ビームに試料の表面全体を走査させるように構成されたシステムであって、
    光ビームを角度走査に沿って様々な角度で導くように構成された第1の音響光学偏向器と、
    導かれる光ビームを拡大し、かつ、角度走査を線形走査に変換するように構成されたレンズと、
    前記レンズにより線形走査に変換された光ビームを走査線上に集束させるように構成された第2の音響光学偏向器と
    を備え、
    第2のチャープ・パケットが前記第2の音響光学偏向器を通って伝搬し、光ビームを走査線上に集束させている間、第1の音響光学偏向器の第1のチャープ・パケットを音響信号で充填することができ、前記第1の音響光学偏向器に印加される駆動信号の振幅の変化により、前記第2の音響光学偏向器を通って伝搬する第2のチャープ・パケットの減衰が補償されることを特徴とするシステム。
  2. 光ビームに試料の表面全体を走査させる方法であって、
    第1の音響光学偏向器を使用して、光ビームを角度走査に沿って様々な角度で導くステップと、
    導かれるビームを拡大し、かつ、レンズを使用して、角度走査を線形走査に変換するステップと、
    第2の音響光学偏向器を使用して、前記レンズにより線形走査に変換されたビームを走査線に集束させるステップとを含み、
    第2の音響光学偏向器を通って伝搬している第2のチャープ・パケットを使用して光ビームを走査線上に集束させている間、第1の音響光学偏向器の第1のチャープ・パケットに音響信号を充填するステップを含み、前記第1の音響光学偏向器に印加される駆動信号の振幅の変化により、前記第2の音響光学偏向器を通って伝搬する第2のチャープ・パケットの減衰が補償されることを特徴とする方法。
JP2002588257A 2001-05-03 2002-05-03 光ビームに試料全体を走査させるためのシステムおよび方法 Expired - Lifetime JP4472931B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US28863201P 2001-05-03 2001-05-03
PCT/US2002/014132 WO2002091057A1 (en) 2001-05-03 2002-05-03 Systems and methods for scanning a beam of light across a specimen

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004535596A JP2004535596A (ja) 2004-11-25
JP4472931B2 true JP4472931B2 (ja) 2010-06-02

Family

ID=23107966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002588257A Expired - Lifetime JP4472931B2 (ja) 2001-05-03 2002-05-03 光ビームに試料全体を走査させるためのシステムおよび方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6775051B2 (ja)
EP (2) EP1393115B1 (ja)
JP (1) JP4472931B2 (ja)
AT (1) ATE535834T1 (ja)
WO (1) WO2002091057A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6809808B2 (en) * 2002-03-22 2004-10-26 Applied Materials, Inc. Wafer defect detection system with traveling lens multi-beam scanner
US6943898B2 (en) * 2002-05-07 2005-09-13 Applied Materials Israel, Ltd. Apparatus and method for dual spot inspection of repetitive patterns
US7002695B2 (en) * 2002-05-07 2006-02-21 Applied Materials Inc. Dual-spot phase-sensitive detection
US7466466B2 (en) * 2005-05-11 2008-12-16 Gsi Group Corporation Optical scanning method and system and method for correcting optical aberrations introduced into the system by a beam deflector
DE102005046755A1 (de) * 2005-09-29 2007-04-19 Carl Zeiss Jena Gmbh Vorrichtung und Verfahren zum Erzeugen eines Bildes eines Objektes
GB0617945D0 (en) * 2006-09-12 2006-10-18 Ucl Business Plc Imaging apparatus and methods
TWI523720B (zh) * 2009-05-28 2016-03-01 伊雷克托科學工業股份有限公司 應用於雷射處理工件中的特徵的聲光偏轉器及相關雷射處理方法
GB201006679D0 (en) 2010-04-21 2010-06-09 Ucl Business Plc Methods and apparatus to control acousto-optic deflectors
GB201106787D0 (en) 2011-04-20 2011-06-01 Ucl Business Plc Methods and apparatus to control acousto-optic deflectors
US8995746B2 (en) 2013-03-15 2015-03-31 KLA—Tencor Corporation Image synchronization of scanning wafer inspection system
US9395340B2 (en) 2013-03-15 2016-07-19 Kla-Tencor Corporation Interleaved acousto-optical device scanning for suppression of optical crosstalk
US9546962B2 (en) * 2014-02-12 2017-01-17 Kla-Tencor Corporation Multi-spot scanning collection optics
US9970873B1 (en) 2014-11-12 2018-05-15 Kla-Tencor Corporation System and method for luminescent tag based wafer inspection
US9864173B2 (en) 2015-04-21 2018-01-09 Kla-Tencor Corporation Systems and methods for run-time alignment of a spot scanning wafer inspection system
US9891175B2 (en) 2015-05-08 2018-02-13 Kla-Tencor Corporation System and method for oblique incidence scanning with 2D array of spots
JP6561290B2 (ja) * 2015-11-02 2019-08-21 株式会社Joled 表示パネルの製造方法および表示パネル
US11927873B2 (en) * 2018-08-14 2024-03-12 Femtonics Kft. Method of scanning an optical beam using an acousto-optic deflector driven by chirped acoustic signals
EP3933499A1 (en) * 2020-07-03 2022-01-05 Mycronic Ab Device and method for controlling focus of a laser beam

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5793907U (ja) * 1980-11-26 1982-06-09
US4391524A (en) 1981-03-16 1983-07-05 Rca Corporation Method for determining the quality of light scattering material
US4441124A (en) 1981-11-05 1984-04-03 Western Electric Company, Inc. Technique for inspecting semiconductor wafers for particulate contamination
JPS60220940A (ja) 1983-05-20 1985-11-05 Hitachi Ltd 異物自動検査装置
JPS60121423A (ja) * 1984-10-31 1985-06-28 Hitachi Ltd レ−ザビ−ム偏向装置
US4889998A (en) 1987-01-29 1989-12-26 Nikon Corporation Apparatus with four light detectors for checking surface of mask with pellicle
US4827125A (en) * 1987-04-29 1989-05-02 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services Confocal scanning laser microscope having no moving parts
US4971413A (en) * 1987-05-13 1990-11-20 Nikon Corporation Laser beam depicting apparatus
US4912487A (en) 1988-03-25 1990-03-27 Texas Instruments Incorporated Laser scanner using focusing acousto-optic device
JPH01316724A (ja) * 1988-06-17 1989-12-21 Sony Corp 音響光学偏向器の広帯域駆動方式
US4907863A (en) * 1988-09-22 1990-03-13 Chesapeake Laser Systems, Inc. Digital frequency synthesizer for use with precision AO scanning and positioning
US4992880A (en) * 1989-05-24 1991-02-12 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy High definition video-rate laser-addressed liquid-crystal light-valve projection display
US5096291A (en) 1990-05-16 1992-03-17 Irvine Optical Corporation Inspection systems having rotating motion
US5317380A (en) 1991-02-19 1994-05-31 Inspex, Inc. Particle detection method and apparatus
JPH05203878A (ja) * 1992-01-27 1993-08-13 Jeol Ltd 走査型レーザー顕微鏡
US5321683A (en) * 1992-12-28 1994-06-14 Eastman Kodak Company Digital optical tape read system
FR2708860B1 (fr) 1993-08-11 1995-10-13 Ela Medical Sa Circuit de protection pour dispositif électronique implantable.
US5864394A (en) * 1994-06-20 1999-01-26 Kla-Tencor Corporation Surface inspection system
US5633747A (en) 1994-12-21 1997-05-27 Tencor Instruments Variable spot-size scanning apparatus
US5635883A (en) * 1995-08-28 1997-06-03 Motorola, Inc. Acoustic wave filter with filter-shaping element and method
JPH09146129A (ja) * 1995-11-16 1997-06-06 Fuji Xerox Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
US6081325A (en) 1996-06-04 2000-06-27 Kla-Tencor Corporation Optical scanning system for surface inspection
US5917588A (en) 1996-11-04 1999-06-29 Kla-Tencor Corporation Automated specimen inspection system for and method of distinguishing features or anomalies under either bright field or dark field illumination
JP3132419B2 (ja) * 1997-05-20 2001-02-05 日本電気株式会社 ビーム偏向装置
US6020957A (en) 1998-04-30 2000-02-01 Kla-Tencor Corporation System and method for inspecting semiconductor wafers

Also Published As

Publication number Publication date
ATE535834T1 (de) 2011-12-15
EP1393115A4 (en) 2010-03-17
WO2002091057A1 (en) 2002-11-14
US20020181119A1 (en) 2002-12-05
EP1393115B1 (en) 2011-11-30
JP2004535596A (ja) 2004-11-25
US6775051B2 (en) 2004-08-10
EP2490064B1 (en) 2013-09-18
EP1393115A1 (en) 2004-03-03
EP2490064A1 (en) 2012-08-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4472931B2 (ja) 光ビームに試料全体を走査させるためのシステムおよび方法
US9208553B2 (en) Image synchronization of scanning wafer inspection system
US7791725B2 (en) Method and equipment for detecting pattern defect
US9970883B2 (en) Multi-spot scanning collection optics
US7378201B2 (en) Method for repairing a photomask, method for inspecting a photomask, method for manufacturing a photomask, and method for manufacturing a semiconductor device
EP1102058B1 (en) Method and apparatus for inspecting articles
US10060884B2 (en) Interleaved acousto-optical device scanning for suppression of optical crosstalk
KR19990082646A (ko) 단파로 펄스된 레이저 스캐너
TW201303258A (zh) 照射控制
JP6488298B2 (ja) 改善した検出感度のマルチスポット照明
JPH11304715A (ja) パターン欠陥検査装置及びレーザ顕微鏡
JPS62231924A (ja) 投影露光方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050407

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080919

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091217

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20091224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100304

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4472931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130312

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140312

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term