JP4467189B2 - 重合触媒 - Google Patents
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Description
本発明は、遷移金属化合物およびこれらを用いる重合触媒に関するものである。
【0002】
1−オレフィン(たとえばエチレン)を重合させる或る種の遷移金属化合物の使用は従来技術にて充分確立されている。チーグラー・ナッタ触媒(たとえばチタンハロゲン化物をたとえばトリエチルアルミニウムのような有機金属化合物で活性化させることにより作成されるような触媒)の使用が、ポリオレフィンを製造するための多くの産業的方法に基本的である。過去20年間もしくは30年間にわたり技術の進歩は、極めて低濃度の残留触媒を含有するオレフィンポリマーおよびコポリマーを産業的重合法にて直接製造しうるような高活性を有するチーグラー・ナッタ触媒の開発をもたらしている。生成ポリマーに残留する残留触媒の量は、大抵の産業用途につき分離および除去を不必要にするほど少ない。この種の方法は、気相または液体炭化水素希釈剤における溶液もしくは懸濁液にてモノマーを重合させることにより操作することができる。モノマーの重合は気相(「気相法」)にて行うことができ、たとえば重合条件下に標的ポリオレフィン粉末と所望触媒の粒子とからなる床を気体モノマーからなる流動化ガス流により流動化させて行われる。いわゆる「溶液法」においては、モノマーを液体炭化水素希釈剤における触媒の溶液もしくは懸濁液に、生成ポリオレフィンが炭化水素希釈剤における溶液として生成するような温度および圧力の条件下で導入して行われる。「スラリー法」においては希釈剤の温度、圧力および選択は、生成ポリマーが液体炭化水素希釈剤における懸濁物として生成するようにする。これら方法は一般に比較的低い圧力(たとえば10〜50バール)および低温度(たとえば50〜150℃)にて操作される。
【0003】
商品ポリエチレンは種々異なる種類および等級にて産業的に製造される。遷移金属系触媒でのエチレンの単独重合は、いわゆる「高密度」級のポリエチレンの生成をもたらす。これらポリマーは比較的高い剛性を有すると共に、固有の剛性が必要とされる物品を作成するのに有用である。エチレンと高級1−オレフィン(たとえばブテン、ヘキセンもしくはオクテン)との共重合は、密度および他の重要な物理的性質が異なる広範な種類のコポリマーを供給すべく産業的に用いられる。遷移金属系触媒を用いてエチレンを高級1−オレフィンと共重合させることにより作成される特に重要なコポリマーは0.91〜0.93の範囲の密度を有するコポリマーである。一般に当業界で「線状低密度ポリエチレン」と呼ばれるこれらコポリマーは多くの点で、エチレンの高圧フリーラジカル触媒重合により製造されるいわゆる「低密度」ポリエチレンと類似する。この種のポリマーおよびコポリマーは軟質吹込フィルムの製造に広範に使用される。
【0004】
エチレンと高級1−オレフィンとのコポリマーの微小構造の重要な特徴は、重合コモノマー単位が重合エチレン単位の「骨格」鎖に沿って分配されるようなものである。慣用のチーグラー・ナッタ触媒は、重合コモノマー単位が連鎖に沿って互いにクランプするコポリマーを生成する傾向を有した。この種のコポリマーから特に望ましいフィルム特性を得るには、各コポリマー分子におけるコモノマー単位を好ましくは互いにクランプさせずに、各線状ポリエチレン鎖の長さに沿って充分離間させる。近年、或る種のメタロセン触媒(たとえばアルモキサンで活性化されたビシクロペンタジエニルジルコニウム・ジクロライド)の使用は、極めて高活性を有すると共にコモノマー単位の改良分布を与えうる触媒をもたらしている。しかしながら、この種のメタロセン触媒は多くの欠点、たとえば市販入手しうるモノマー、希釈剤およびプロセスガス流と共に使用する際の不純物に対する高感受性、高活性を得るため多量の高価なアルモキサンを使用する必要性、並びに触媒を適する支持体に付着させる困難性を有する。
【0005】
WO98/27124号は、エチレンを選択2,6−ピリジンカルボキシアルデヒドビス(イミン)および2,6−ジアシルピリジンビス(イミン)の或る種の鉄もしくはコバルト錯体と接触させてエチレンを重合させうることを開示している。これら錯体はエチレンのホモポリマーを作成するのに適すると開示されている。重合法において錯体はたとえばメチルアルモキサン(MAO)のような中性ルイス酸と一緒に使用しうることが開示されている。MAOにおけるアルミニウムと例示錯体におけるFeもしくはCoとの比は31:1〜2485:1の範囲である。
【0006】
本発明者等は、本出願人に係る同時出願WO GB98/2638号に開示された上記と同様な錯体を用いる新規な触媒を開発した。これは、シリカ上に支持された2,6−ジアシルピリジンビス(イミン)の遷移金属塩からなる触媒とMAO助触媒とを用いるエチレンの重合を開示している。MAOにおけるアルミニウムと錯体における遷移金属との比は0.1〜20000:1、好ましくは1〜2000:1、典型的には少なくとも500:1の範囲であると言われる。各例における比は31:1より上方の範囲である。
【0007】
驚くことに今回、1−オレフィンの重合にて上記化合物とMAOとからなる触媒の活性はMAOにおけるアルミニウムと遷移金属との比を減少させて維持することができ或いは向上さえしうることが突き止められた。従って第1面において本発明は、
(1)式(I):
【化3】
[式中、MはFe[II]、Fe[III]、Co[I]、Co[II]、Co[III]、Mn[I]、Mn[II]、Mn[III]、Mn[IV]、Ru[II]、Ru[III]もしくはRu[IV]であり;Xは金属Mに共有結合もしくはイオン結合した原子もしくは基を示し;Tは金属の酸化状態であり;bは原子もしくは基Xの原子価であり;R1〜R7はそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビルもしくはSiR′3(ここで各R′は独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビル、置換ヘテロヒドロカルビルから選択される)から選択され;R1〜R7の2つもしくはそれ以上がヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルであれば前記2つもしくはそれ以上は結合して1個もしくはそれ以上の環式置換基を形成することができる]
を有する錯体と;
(2)アルキルアルモキサンである活性化剤と;
(3)支持体材料と
からなり、アルキルアルモキサン(2)におけるアルミニウムと成分(1)における遷移金属Mとの原子比が6:1〜25:1であることを特徴とするオレフィンの重合触媒を提供する。
【0008】
アルキルアルモキサンは触媒にその活性を向上させるべく添加されるので、本発明は特に驚異的である。アルキルアルモキサンは比較的高価であり、さらに安全性の観点からも望ましくなく、重合活性を維持もしくは向上させながら一層少量を使用しうる可能性は特に有利である。アルミニウムと遷移金属Mとの原子比は8:1〜22:1、より好ましくは12:1〜18:1であることが好ましい。
【0009】
活性化剤(2)は好ましくは(C1−C4)アルキルアルモキサンであり、アルキル基は一般にメチル、エチル、プロピルもしくはイソブチルである。メチルアルモキサン(メチルアルミノキサンもしくはMAOとしても知られる)または改変メチルアルモキサン(MMAO)が好適であり、これはさらにイソブチルアルモキサンをも含有する。本明細書にて用いる「アルキルアルモキサン」という用語は市販入手しうるアルキルアルモキサンを包含し、これらは典型的には約10重量%であるが必要に応じ50重量%までの比率の対応トリアルキルアルミニウムを含有することができる。たとえば市販MAOは一般に約10%のトリメチルアルミニウム(TMA)を含有する一方、市販MMAOはTMAおよびトリイソブチルアルミニウム(TIBA)の両者を含有する。ここに挙げたアルキルアルモキサンの量はこの種のトリアルキルアルミニウム不純物を包含し、従って本発明にて上記の比を計算すべく使用されるアルミニウムの量はアルキルアルモキサンの全「成分」に存在する量に基づいている。
【0010】
式(I)の好適錯体において、R5は基「P」により示されると共にR7は基「Q」により次のように示される:
【化4】
[式中、R19〜R28は独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルから選択され;R1〜R4、R6およびR19〜R28の2つもしくはそれ以上がヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルであれば前記2つもしくはそれ以上は結合して1個もしくはそれ以上の環式置換基を形成することができる]。
【0011】
環系PおよびQは好ましくは独立して2,6−ヒドロカルビルフェニルまたは融合環ポリ芳香族、たとえば1−ナフチル、2−ナフチル、1−フェナンスレニルおよび8−キノリニルである。
【0012】
好ましくはR19、R20、R21およびR22の少なくとも1つはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルである。より好ましくはR19およびR20の少なくとも1つ並びにR21およびR22の少なくとも1つはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルである。特に好ましくはR19、R20、R21およびR22は全て独立してヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルから選択される。好ましくはR19、R20、R21およびR22は独立してメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチルフェニル、n−オクチル、フェニルおよびベンジルから選択される。
【0013】
R1、R2、R3、R4、R6、R19、R20、R21、R22、R23、R25、R26およびR28は好ましくは独立して水素およびC1〜C8ヒドロカルビル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、フェニルおよびベンジルから選択される。
【0014】
好ましくはR24およびR27はそれぞれ独立してエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチルフェニル、n−オクチル、フェニルおよびベンジルから選択され、或いは代案としてそれぞれ独立して弗素、塩素、臭素もしくは沃素であり、必要に応じ両者とも弗素である。
【0015】
代案具体例において、R5は式−NR29R30を有する基であると共にR7は式−NR31R32を有する基であり、ここでR29〜R32は独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルから選択され;R1〜R4、R6およびR29〜R32の2つもしくはそれ以上がヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルであれば前記2つもしくはそれ以上は結合して1個もしくはそれ以上の環式置換基を形成することができる。
【0016】
各窒素原子は「デイティブ」結合(すなわち窒素原子からの単独対の電子の供与により形成される結合)により金属に配位される。これら原子のそれぞれにおける残余の結合は、上記金属錯体につき上記式で示されるように各原子と有機リガンドとの間に介在する電子により形成された共有結合である。
【0017】
好ましくは上記式BにおいてMはFe[II]、Fe[III]、Ru[II]、Mn[II]、Co[II]、Ru[III]もしくはRu[IV]である。
【0018】
本発明の触媒系に適するさらに他の化合物は式T:
【化5】
[式中、MはFe[II]、Fe[III]、Co[I]、Co[II]、Co[III]、Mn[I]、Mn[II]、Mn[III]、Mn[IV]、Ru[II]、Ru[III]もしくはRu[IV]であり;Xは遷移金属Mに共有結合もしくはイオン結合した原子もしくは基を示し;Tは遷移金属Mの酸化状態であると共にbは原子もしくは基Xの原子価であり;R1〜R4、R6およびR29〜R32は独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルから選択され;R1〜R4、R6およびR29〜R32の2つもしくはそれ以上がヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルであれば前記2つもしくはそれ以上は結合して1個もしくはそれ以上の環式置換基を形成することができる]
に示される骨格単位を含むものである。
【0019】
式(I)およびTの化合物にてXにより示される原子もしくは基はたとえばハライド、サルフェート、ナイトレート、チオレート、チオカルボキシレート、BF4 −、PF6 −、ハイドライド、ヒドロカルビルオキシド、カルボキシレート、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルおよびヘテロヒドロカルビルまたはβ−ジケトネートから選択することができる。この種の原子もしくは基の例はクロライド、ブロマイド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、フェニル、ベンジル、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、トシレート、トリフレート、ホルメート、アセテート、フェノキシドおよびベンゾエートである。式(I)の化合物にて原子もしくは基Xの好適例はハライド、たとえばクロライド、ブロマイド;ハイドライド;ヒドロカルビルオキシド、たとえばメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド;カルボキシレート、たとえばホルメート、アセテート、ベンゾエート;ヒドロカルビル、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、フェニル、ベンジル;置換ヒドロカルビル;ヘテロヒドロカルビル;トシレート;およびトリフレートである。好ましくはXはハライド、ハイドライドおよびヒドロカルビルから選択される。クロライドが特に好適である。
【0020】
本発明の式(I)の化合物においてMは好ましくはFe[II]である。本発明の式Tの化合物においてMは好ましくはFe[II]、Mn[II]もしくはCo[II]である。
【0021】
次のものが、本発明の触媒に用いうる窒素含有遷移金属錯体の例である:
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジイソプロピルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジン(2,6−ジイソプロピルアニル)MnCl2
2,6−ジアセチルピリジン(2,6−ジイソプロピルアニル)CoCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2−t−ブチルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,3−ジメチルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2−メチルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4−ジメチルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルアニル)FeCl2
2,6−ジアルジミンピリジンビス(2,6−ジメチルアニル)FeCl2
2,6−ジアルジミンピリジンビス(2,6−ジエチルアニル)FeCl2
2,6−ジアルジミンピリジンビス(2,6−ジイソプロピルアニル)FeCl2
2,6−ジアルジミンピリジンビス(1−ナフチル)FeCl2および
2,6−ビス(1,1−ジフェニルヒドラゾン)ピリジン・FeCl2
【0022】
本発明の好適錯体は2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルアニル)FeCl2である。
本発明の重合触媒系はさらに(3)中性ルイス塩基をも含むことができる。中性ルイス塩基はチーグラー・ナッタ触媒重合技術の分野で周知されている。本発明にて好適に用いられる種類の中性ルイス塩基の例は不飽和炭化水素、たとえばアルケン(1−オレフィン以外)もしくはアルキン、第一、第二および第三アミン、アミド、ホスホルアミド、ホスフィン、ホスファイト、エーテル、チオエーテル、ニトリル、カルボニル化合物、たとえばエステル、ケトン、アルデヒド、一酸化炭素および二酸化炭素、スルホキシド、スルホンおよびボロキシンである。1−オレフィンは中性ルイス塩基として作用しうるが、本発明の目的につきこれらはモノマーもしくはコモノマー1−オレフィンと見なされ、中性ルイス塩基自身とは見なされない。しかしながら、内部オレフィン(たとえば2−ブテンおよびシクロヘキセン)であるアルケンは本発明にて中性ルイス塩基と見なされる。好適ルイス塩基は第三アミンおよび芳香族エステル、たとえばジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリブチルアミン、エチルベンゾエートおよびベンジルベンゾエートである。本発明のこの特定面において、触媒系の成分(1)、(2)および(3)は同時的または任意所望の順序で互いに合することができる。しかしながら、成分(2)および(3)が互いに強力に相互作用してたとえば互いに安定な化合物を形成する化合物であれば、成分(1)および(2)または成分(1)および(3)のいずれかを初期工程で合した後に最終規定成分を導入することが好ましい。好ましくは成分(1)および(3)を成分(2)の導入前に互いに接触させる。この触媒系の作成に用いられる成分(1)および(2)の量は、好適には本発明の触媒に関し上記した通りである。中性ルイス塩基[成分(3)]の量は好ましくは100:1〜1:1000、特に好ましくは1:1〜1:20の範囲の成分(1):成分(3)の比を与えるようにする。触媒系の成分(1)、(2)および(3)はたとえば純物質として、適する希釈剤もしくは溶剤(たとえば液体炭化水素)における物質の懸濁液もしくは溶液として、或いは各成分の少なくとも1種が揮発性であればこの成分の蒸気を用いて合することができる。各成分は任意所望の温度で合することができる。室温における各成分の混合にて一般に充分である。より高温度(たとえば120℃)までの加熱を所望に応じ行って、たとえば各成分の一層良好な混合を達成することができる。不活性雰囲気(たとえば乾燥窒素)における或いは減圧下での各成分(1)、(2)および(3)の合体を行うのが好適である。支持体材料(下記参照)における触媒を使用することが望ましければ、これはたとえば成分(1)、(2)および(3)からなる触媒系を予備生成させると共に、好ましくは支持体材料にその溶液を含浸させ、或いは支持体材料に1種もしくはそれ以上の成分を同時的または順次に導入して達成することができる。所望ならば、支持体材料自身は中性ルイス塩基の性質を有することができ、成分(3)として或いはその代わりに用いることができる。中性ルイス塩基の性質を有する支持体材料の例はポリ(アミノスチレン)またはスチレンとアミノスチレン(すなわちビニルアニリン)とのコポリマーである。
【0023】
本発明の触媒は所望ならば2種以上の規定化合物を含むことができる。代案として、本発明の触媒は1種もしくはそれ以上の他の種類の遷移金属化合物または触媒(たとえば本出願人による同時出願PCT/GB98/02638号もしくはGB 9903402.7号に記載されたような窒素含有触媒)をも含むことができる。この種の他の触媒の例は2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルアニル)FeCl2を包含する。
【0024】
本発明の触媒はさらに1種もしくはそれ以上の他の種類の触媒、たとえば慣用のチーグラー・ナッタ触媒系、メタロセン系触媒、モノシクロペンタジエニルもしくは拘束配置に基づく触媒または熱活性化支持酸化クロム触媒(たとえばフィリップス型触媒)にて使用される種類のものを含むこともできる。
【0025】
本発明の触媒は未支持または支持体材料、たとえばシリカ、アルミナ、MgCl2もしくはジルコニアに或いはたとえばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンもしくはポリ(アミノスチレン)のようなポリマーもしくはプレポリマーに支持することができる。
【0026】
所望ならば、触媒は支持体材料の存在下にその場で形成させることができ、或いは支持体材料を1種もしくはそれ以上の触媒成分で同時的または順次に予備含浸もしくは予備混合することができる。本発明の触媒は所望ならば不均質触媒、たとえばハロゲン化マグネシウム支持チーグラー・ナッタ触媒、フィリップス型(酸化クロム)支持触媒もしくは支持メタロセン触媒に支持することもできる。支持触媒の生成は、たとえば本発明の遷移金属化合物を適する不活性希釈剤(たとえば揮発性炭化水素)におけるアルモキサンで処理し、微粒子支持体材料を生成物でスラリー化させ、次いで揮発性希釈物を蒸発させて達成することができる。生成した支持触媒は好ましくは自由流動性粉末の形態である。用いる支持体材料の量は広範囲、たとえば遷移金属化合物中に存在する金属1g当たり100,000〜1gの範囲で変化することができる。
【0027】
本発明はさらに1−オレフィンの重合および共重合方法をも提供し、この方法はモノマーオレフィンを重合条件下に本発明の重合触媒もしくは触媒系と接触させることからなっている。好適方法は
(a)1種もしくはそれ以上の1−オレフィンを触媒系と接触させることによりプレポリマー系触媒を作成し、
(b)プレポリマー系触媒を1種もしくはそれ以上の1−オレフィンと接触させる
工程からなり、ここで触媒系は上記した通りである。
【0028】
以下、明細書において「触媒」という用語は上記したような「触媒系」および上記したような「プレポリマー系触媒」を包含することを意図する。
【0029】
重合条件はたとえば溶液相、スラリー相、気相またはバルク相とすることができ、重合温度は−100℃〜+300℃の範囲および大気圧およびそれ以上、特に140〜4100kPaの圧力とすることができる。所望ならば触媒を用いてエチレンを高圧力/高温度プロセス条件の下で重合させることができ、ここでポリマー材料は超臨界エチレンにおける溶融物として生成する。好ましくは重合は気相流動床もしくは撹拌床の条件下で行われる。
【0030】
重合に先立ち、式MR3(ここで各Rは独立してC1−C12アルキルもしくはハロであり、MはAl、Li、B、MgもしくはZnである)の化合物で含浸された他の支持体材料を反応容器に添加することができる。これは毒物掃去剤として作用する。Al:M比の上記計算はこの追加支持体材料に含浸されたAlを含まない。
【0031】
必要に応じ式AlR3(ここで各Rは独立してC1−C12アルキルもしくはハロである)の化合物を別途に反応器に添加することもできる。この場合も、添加されるアルミニウムは上記比の計算に含まれない。式AlR3の化合物における3個の置換基R(これらは同一でも異なってもよい)は好ましくは水素、メチル、エチル、ブチルもしくはクロルである。好適化合物AlR3はトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−オクチルアルミニウム、エチルアルミニウム・ジクロライドおよびジエチルアルミニウム・クロライドを包含する。TMAおよびTIBAが特に好適である。
【0032】
本発明の重合法に使用するのに適するモノマーはたとえばエチレンおよびC2−20α−オレフィン、特にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセンおよび1−エイコセンである。他のモノマーはメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニルおよびスチレンを包含する。単独重合法に好適なモノマーはエチレンおよびプロピレンである。
【0033】
本発明の触媒および方法はエチレンもしくはプロピレンを互いに或いは他のたとえば1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1およびオクテンのような他の1−オレフィンと、或いはたとえばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニルおよびスチレンのような他のモノマー物質と共重合させるべく使用することもできる。
【0034】
用いる重合もしくは共重合技術とは無関係に、重合もしくは共重合は典型的には実質的に酸素と水と触媒毒物として作用する他の物質とを排除する条件下で行われる。さらに、重合もしくは共重合はポリマーもしくはコポリマーの分子量を調節する添加剤の存在下に行うこともできる。
【0035】
ポリマーもしくはコポリマーの平均分子量を調節する手段としての水素ガスの使用が一般に本発明の重合法に適用される。たとえば水素を用いて気相、スラリー相、バルク相もしくは溶液相重合条件により作成されるポリマーもしくはコポリマーの平均分子量を減少させることができる。所望の平均分子量を与えるべく用いられる水素ガスの量は簡単な「試行錯誤」の重合試験により判定することができる。
【0036】
本発明の重合法は顕著に高い生産性(触媒系で用いられる錯体の単位重量当たりに生成されるポリマーもしくはコポリマーの量に基づく)にてポリマーおよびコポリマー(特にエチレンポリマー)を与える。このことは、相対的に極めて少量の遷移金属錯体が本発明の方法を用いる産業過程にて消費されることを意味する。さらに、これは本発明の重合法を触媒分離工程を用いずに触媒またはその残渣をポリマー(たとえば大抵の産業的スラリーおよび気相重合法にて生ずる)に残すポリマー回収条件で操作する際に生成ポリマーにおける遷移金属錯体の量が極めて少なくなりうることをも意味する。
【0037】
スラリー相重合条件または気相重合条件は高密度級もしくは低密度級のポリエチレンおよびポリプロピレンの製造につき特に有用である。これら方法において重合条件はバッチ式、連続式または半連続式とすることができる。さらに、1つもしくはそれ以上の反応器、たとえば2〜5個の反応器を直列にて用いることができる。たとえば異なる温度もしくは水素濃度のような異なる反応条件を、異なる反応器にて用いることができる。スラリー相プロセスおよび気相プロセスにおいて触媒は一般に、乾燥粉末(たとえば不活性ガスでの)として或いはスラリーとして微粒子固体の形態で重合帯域に秤量および移送される。この固体は、たとえば本発明の1種もしくはそれ以上の錯体と活性化剤とから他の種類の触媒と共に或いはそれなしに形成された固体触媒系とすることができ、或いは他の種類の触媒を含み或いは含まない固体触媒単独とすることもできる。後者の場合、活性化剤を重合帯域に、たとえば溶液として固体触媒とは別途に或いはそれと一緒に供給することができる。好ましくはスラリー重合および気相重合にて用いる触媒系または触媒系の遷移金属錯体成分は1種もしくはそれ以上の支持体材料に支持される。特に好ましくは触媒系は重合帯域に導入する前に支持体材料に支持される。適する支持体材料はたとえばシリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、珪藻土またはマグネシアである。支持体材料の含浸は慣用技術により、たとえば適する希釈剤もしくは溶剤における触媒成分の溶液もしくは懸濁液を形成させ、次いで支持体材料を一緒にスラリー化させて行うことができる。このように触媒で含浸された支持体材料を次いで、たとえば濾過もしくは蒸発技術により希釈剤から分離することができる。ポリマー生成物が反応器から放出された後、結合および吸収された炭化水素をたとえば圧力低下または新鮮もしくは循環流の窒素もしくは軽質炭化水素(たとえばエチレン)を用いるガスパージによりポリマーから実質的に除去または脱ガスする。回収された気体もしくは液体炭化水素は重合帯域に循環することができる。
【0038】
スラリー相重合法においては、触媒の固体粒子または支持触媒を乾燥粉末として或いは重合希釈剤におけるスラリーとして重合帯域へ供給する。重合希釈剤はポリマーおよび触媒に対し適合性であり、たとえばヘキサン、ヘプタン、イソブタンのようなアルカンまたは炭化水素もしくはパラフィンの混合物とすることができる。好ましくは各粒子を重合希釈剤における懸濁物として重合帯域に供給する。重合帯域はたとえばオートクレーブもしくは同様な反応容器、またはたとえばフィリップス法によるポリエチレンの製造にて周知された種類の連続ループ反応器とすることができる。本発明の重合法をスラリー条件下で行う場合、重合は好ましくは0℃より高い温度、特に好ましくは15℃より高い温度にて行われる。重合温度は好ましくはポリマーが重合希釈剤の存在下に軟化もしくは焼結し始める温度より低く維持される。温度をこの温度よりも高く上昇させれば、反応器の汚染が生じうる。これら規定温度範囲内の重合の調整は、生成ポリマーの平均分子量を調節する有用な手段を与えることができる。分子量を調節するさらに有用な手段は、重合を連鎖移動剤として作用する水素ガスの存在下に行うことである。一般に、用いる水素の濃度が高いほど、生成ポリマーの平均分子量は低くなる。
【0039】
バルク重合法においては、プロピレンのような液体モノマーを重合媒体として使用する。
【0040】
気相重合法の操作方法は当業界にて周知されている。この種の方法は一般に触媒の床または標的ポリマー(重合法にて作成することが望ましいものと同じもしくは同様な物理的性質を有するポリマー)の触媒を含有する床を撹拌し(たとえば掻き混ぜ、振動もしくは流動化による)、次いでこれにモノマーの流れを少なくとも部分的に気相にて、モノマーの少なくとも1部が床における触媒と接触しながら重合するような条件下で供給することを含む。床は一般に冷却剤(たとえば循環気体モノマー)および/または揮発性液(たとえば揮発性の不活性炭化水素または凝縮して液体を生成する気体モノマー)の添加により冷却される。気相法で生成されて単離されたポリマーは重合帯域にて固体を直接生成し、液体を含まず或いは実質的に含まない。当業者には周知されるように、液体を気相重合法の重合帯域に流入させれば、重合帯域における液体の量は存在するポリマーの量に比べ少なくなる。これは、ポリマーが溶剤に溶解して生成される「溶液相」プロセスおよびポリマーが液体希釈剤における懸濁物として生成する「スラリー相」プロセスとは異なる。
【0041】
気相法はバッチ式、半バッチ式、またはいわゆる「連続式」条件の下で操作することができる。モノマーを重合触媒を含有する撹拌重合帯域に連続循環させるような条件下で操作し、補充モノマーを供給して重合モノマーを補充し、さらに生成ポリマーを重合帯域からポリマーの生成速度に匹敵する速度にて連続的または間歇的に抜き取り、新鮮触媒を重合帯域に添加して生成ポリマーと共に重合帯域から抜き取られた触媒を補充することが好ましい。
【0042】
耐衝撃コポリマーの典型的製造については、第1反応器にて第1モノマーから生成されたホモポリマーを第2反応器にて第2モノマーと反応させる。気相法におけるプロピレン/エチレン耐衝撃性コポリマーの製造については、プロピレンを第1反応器にて重合させ、反応性ポリマーを第2反応器に移してここでエチレンもしくは他のコモノマーを添加する。その結果、ランダムプロピレン/エチレンコポリマーの連鎖とのアイソタクチックポリプロピレン連鎖の緊密混合物が生ずる。典型的にはランダムコポリマーは、少量のコモノマー(典型的にはエチレン)をプロピレンの重合重鎖に添加する単一反応器で生成される。
【0043】
ポリエチレン、エチレンコポリマーおよびポリプロピレンを作成する気相流動床法の操作方法は当業界で周知されている。この方法は、たとえば床を支持すると共に床を介し流入する流動化用ガス流を分配させる有孔分配プレートが装着された垂直円筒反応器にて操作することができる。床を介し循環する流動化用ガスは、重合熱を床から除去すると共に床における重合用モノマーを供給するよう作用する。かくして流動化用ガスは一般にモノマーを通常或る程度の不活性ガス(たとえば窒素またはメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタンもしくはヘキサンのような不活性炭化水素)と一緒に、および必要に応じ分子量改変剤としての水素と一緒に含む。床の頂部から流出する熱流動化用ガスを必要に応じ減速帯域(これはより幅広な直径を有する反応器の円筒部分とすることができる)に導き、所望ならばサイクロンおよび/またはフィルタに流過させて微細固体粒子をガス流から除去する。次いで熱ガスを熱交換器に導入して、重合熱の少なくとも1部を除去する。触媒は好ましくは床に連続的または定期的間隔で供給される。プロセスの始動時点で、床は好ましくは標的ポリマーと同様である流動性ポリマーを含む。ポリマーは床内でモノマーの重合により連続的に生成される。好ましくはポリマーを床から連続的に或いは定期的間隔で放出させる手段を設けて、流動床を所望高さに維持する。この方法は一般に比較的低圧力(たとえば10〜50バール)および温度(たとえば50〜120℃)にて操作される。床の温度は流動化ポリマーの焼結温度よりも低く維持されて、凝集の問題を回避する。
【0044】
オレフィンを重合させる気相流動床法においては、発熱性重合反応により発生した熱を重合帯域(すなわち流動床)から上記したような流動化ガス流により一般に除去する。床の頂部から流出する熱反応器ガスを1個もしくはそれ以上の熱交換器に通して、ここでガスを冷却する。冷却反応器ガスを次いで補充ガスと一緒に床の底部に循環させる。本発明の気相流動床重合法においては、液体が床で蒸発することにより追加重合熱を床から「蒸発の潜熱」作用により吸収するような条件下で、揮発性液を床に供給することにより床の追加冷却(および、これによりプロセスの空時収率を向上させる)ことが望ましい。床からの熱循環ガスが熱交換器に流入する際、揮発性液が凝縮しうる。本発明の1具体例においては、揮発性液を循環ガスから分離して別途に床に再導入する。たとえば揮発性液を分離して床に噴霧することができる。本発明の他の具体例においては、揮発性液を循環ガスと共に床に循環させる。かくして揮発性液は反応器から流出する流動化用ガス流から凝縮することができ、これを循環ガスと共に床に循環させることができ、或いは循環ガスから分離し、次いで床に戻すこともできる。
【0045】
循環ガス流における液体を凝縮させると共にガスと同伴液との混合物を床に戻す方法はEP−A−0089691号およびEP−A−0241947号に記載されている。凝縮液を循環ガスとは別途に床中へ本出願人の米国特許第5541270号(その教示を参考のため本明細書中に引用する)を用いて床中へ再導入することが好ましい。
【0046】
気相重合条件下で本発明の触媒を用いる場合、触媒または触媒を生成させるべく用いる各成分の1種もしくはそれ以上は、たとえば重合反応帯域中へ液状で、たとえば不活性液体希釈剤における溶液として導入することができる。たとえば繊維金属成分もしくは活性化剤成分またはこれら成分の両者を液体希釈剤に溶解もしくはスラリー化させ、次いで重合帯域に供給することができる。これら状況下で、成分を含有する液体は重合帯域中へ微細液滴として噴霧することが好ましい。液滴直径は好ましくは1〜1000μmの範囲である。EP−A−0593083号(その教示を参考のため本明細書に引用する)は、重合触媒を気相重合に導入する方法を開示している。EP−A−0593083号に開示された方法を所望ならば本発明の重合法に好適に用いることができる。
【0047】
通常必要ではないが、重合もしくは共重合の終了後または重合もしくは共重合を終了させ或いは少なくとも一時的に本発明の触媒もしくは触媒成分を失活させることが望ましい場合、触媒を水、アルコール、アセトンまたは他の適する触媒失活剤と当業者に知られたように接触させることもできる。
【0048】
本発明の触媒によるエチレンの単独重合はいわゆる「高密度」級のポリエチレンを生成することができる。これらポリマーは比較的高い剛性を有し、固有の剛性が必要とされる物品を作成するのに有用である。エチレンと高級1−オレフィン(たとえばブテン、ヘキセンもしくはオクテン)との共重合は、密度および他の重要な物理的性質にて相違する広範な種類のコポリマーを生成することができる。エチレンを本発明の触媒により高級1−オレフィンと共重合させて作成される特に重要なコポリマーは0.91〜0.93の範囲の密度を有するコポリマーである。一般に当業界で線状低密度ポリエチレンと呼ばれるこれらコポリマーは多くの点で、エチレンの高圧フリーラジカル触媒重合により製造される低密度ポリエチレンに類似する。この種のポリマーおよびコポリマーは軟質吹込フィルムの製造に広範に使用される。
【0049】
本発明の方法により製造されるプロピレンポリマーはプロピレンホモポリマーおよびプロピレンと50モル%未満のエチレンもしくは他のα−オレフィン、たとえばブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1もしくはヘキセン−1またはその混合物とのコポリマーを包含する。プロピレンポリマーはプロピレンと少量の共重合性モノマーとのコポリマーをも包含しうる。典型的にはポリプロピレン結晶性を有するプロピレンの通常固体のポリマー、プロピレンと約10重量%までのエチレンとのランダムコポリマーおよび約20重量%までのエチレンもしくは他のα−オレフィンを含有する耐衝撃性コポリマーが特に有用である。ポリプロピレンホモポリマーは少量(典型的には2重量%未満)の他のモノマーをホモポリマーの性質が顕著に影響されない程度まで含有することができる。
【0050】
主としてアイソタクチックの通常固体のポリα−オレフィンであるプロピレンポリマーを製造することもできる。ステレオランダム副生物のレベルは、有用な生成物がその分離なしに得られるよう充分低い。典型的には、有用なプロピレンホモポリマーはポリプロピレン結晶性を示すと共に、90より高いアイソタクチック指数を有し、多くの場合は95より高い。コポリマーは典型的にはより低いアイソタクチック指数、典型的には80〜85より高い指数を有する。
【0051】
当業界で知られた重合条件に応じ、1未満〜1000以上のメルトフローレートを有するプロピレンポリマーを反応器にて製造することができる。多くの用途につき、2〜100のMFRを有するポリプロピレンが典型的である。たとえばスパンボンジングのような或る種の用途は500〜2000のMFRを有するポリマーを使用することができる。
【0052】
ペルオキシド化合物をエチレンもしくはプロピリンポリマーに添加することができる。エチレン系ポリマーにつき、ペルオキシドを使用してポリマーに架橋を与えることができる。高MFRプロピレンポリマーの製造につきペルオキシド化合物は調節流動性のため押し出しに際し添加して、ポリマーのメルトフローレートを増大させることができる。ペルオキシドは長ポリマー鎖を破壊するよう作用すると共に、MFRを増大させかつ分子量分布(Mw/Mn)もしくは多分散性を狭くする作用を有する。2g/10minのMFRを有する典型的な反応器ポリプロピレン粉末は、押出器におけるペルオキシドでの調節レオロジー処理により、20〜40のMFRを有するポリマーを生成することができる。ペルオキシドの種類、量および処理条件を変化させて、最終ポリマーのMFRを当業界で知られるように調節することができる。
【0053】
ポリマー生成物の使用に応じ、少量の添加剤(たとえば酸掃去剤、酸化防止剤、安定化剤など)をポリマー処方物に混入する。一般に、これら添加剤はポリマーに基づき約25〜2000ppm、典型的には約50〜約1000ppm、より典型的には400〜1000ppmのレベルにて混入される。
【0054】
使用に際し、粉末の形態で本発明により作成されたポリマーもしくはコポリマーはペレットに常法で配合される。本発明により作成されるポリマー組成物の使用例は繊維、押出フィルム、テープ、スパンボンドウェブ、成形もしくは熱成形製品などを形成するための使用を包含する。ポリマーはフィルムまで吹き込むことができ、或いは各種の成形もしくは押出物品(たとえばパイプ並びに容器、たとえば瓶もしくはドラム)を作成すべく使用することができる。各用途につき特定の添加剤パッケージを当業界で知られるように選択することができる。補助添加剤の例はスリップ剤、固化防止剤、靜電気防止剤、離型剤、第一および第二酸化防止剤、清澄剤、核形成剤、UV安定化剤などを包含する。添加剤の種類は当業界で周知され、ホスファイト酸化防止剤、ヒドロキシルアミン(たとえばN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン)およびアミン酸化物(たとえばジアルキルメチルアミン酸化物)酸化防止剤、ヒンダードアミン光(uv)安定化剤、フェノール安定化剤、ベンゾフラノン安定化剤などを包含する。各種のオレフィンポリマー添加剤が米国特許第4,318,845号、第4,325,863号、第4,590,231号、第4,668,721号、第4,876,300号、第5,175,312号、第5,276,076号、第5,326,802号、第5,344,860号、第5,596,033号および第5,625,090号に記載されている。
【0055】
たとえばシリカ、ガラス繊維、タルクなど、核形成剤および着色料などの充填剤をも、当業界で知られるようにポリマー組成物に添加することができる。
【0056】
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
実施例
実施例1a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)FeCl 3 錯体の作成
4gの2,6−ジアセチルピリジンと10.32mlの2,4,6−トリメチルアニリンと0.1gのp−トルエンスルホン酸一水塩とを500mlの丸底フラスコにおける300mlの乾燥トルエンに添加した。20mlディーン・スターク重質フラクションカラムと凝縮器とを取り付け、混合物を160℃まで撹拌しながら加熱した。反応は約3時間にて完結したと思われた。次いで溶液を減圧すると共に、200mlのメタノールを添加した。2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)が沈殿し、これを濾過により単離すると共に20mlのメタノールで3回洗浄した。
【0057】
3.19gの塩化鉄(II)を半リットルのシュレンク管に秤量して入れ、400mlのn−ブタノールを添加した。この懸濁物を90℃まで加温すると共に3時間撹拌した。10gの2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)を固体として80℃で添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで25℃にて3日間にわたり撹拌した。得られた青色懸濁物を沈降させると共に、上澄液をデカントした。沈殿物を200mlずつのトルエンで2回洗浄し、次いで100mlのn−ペンタンで1回洗浄した。残留する青色固体を減圧下に6時間にわたり乾燥するまでポンピングした。これを窒素雰囲気下に貯蔵すると共に取り扱った。
【0058】
実施例1b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実質的に垂直石英シリンダ(高さ75cmおよび直径5cm)で構成し、その上に脱着帯域を設置した。この焼成器には多孔質石英から作成された流動化グリッドを装着し、石英シリンダの下部に位置せしめた。さらに、これには電気抵抗ヒータおよび流動化窒素の供給部も装着した。
【0059】
60℃に維持すると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量にて供給された焼成器に、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から600℃まで100℃/hの速度にて加熱した。次いでシリカを流動状態にて600℃で16時間にわたり維持した。次いでシリカを25℃まで冷却すると共に乾燥窒素下で貯蔵した。
【0060】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された12.5gのシリカを11.1gのトルエンにおける0.66gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁された。懸濁物を25℃にて2時間にわたり撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄した。処理シリカを次いで減圧下に乾燥させた。
2.89gの処理シリカを20mlのとトルエンに懸濁させ、トルエンの10mlにおける0.1932gの上記鉄錯体(1a参照)を添加した。懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄し、次いで減圧乾燥させた。
【0061】
このように作成された触媒は0.419重量%の鉄と2.88重量%のアルミニウムとを含有した。これは14.3の原子比Al/Feに相当する。
【0062】
実施例1c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.6リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を100℃まで加熱し、50rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.1025gの上記触媒(1b参照)を添加した。次いで水素を導入して反応器を0.1MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンが生産された後に撹拌速度をさらに150rpmまで上昇させ、100gのポリエチレンが生産された後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0063】
重合を1時間18分にわたり持続させ、その間に223gのポリエチレンが生成された。これは3372g/ミリモルFe/h/バールの平均活性に相当する。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いてポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収されたポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)=3.74g/10min
−メルトインデックス(5kg荷重)=14.0g/10min
−メルトインデックス(21.6kg荷重)=163g/10min
−密度=>960kg/m3
−微細物<125μm=0.83重量%
−残留鉄レベル=1.9ppm
【0064】
実施例2a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)FeCl 2 錯体の作成
同じ鉄錯体を実施例1の場合と同様に実施例2につき使用した。
【0065】
実施例2b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置、実質的に垂直石英シリンダ(高さ75cmおよび直径5cm)で構成し、その上に脱着帯域を設置した。この焼成器には多孔質石英から作成された流動化グリッドを装着すると共に、石英シリンダの下部に位置せしめた。さらに、これには電気抵抗ヒータおよび流動化用窒素の供給部をも装着した。
【0066】
60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量にて供給される焼成器には、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から600℃まで100℃/hの速度にて加熱した。次いでシリカを流動状態にて16時間にわたり600℃に維持した。次いでシリカを25℃まで冷却すると共に乾燥窒素下で貯蔵した。
【0067】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された12.5gのシリカを11.1gのトルエンにおける0.66gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。懸濁物を25℃にて2時間撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄した。処理シリカを次いで減圧下に乾燥させた。
2.89gの処理シリカを20mlのトルエンに懸濁させ、10mlのトルエンにおける0.088gの上記鉄錯体(1a参照)を添加した。この懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0068】
このように作成された触媒は0.255重量%の鉄と2.88重量%のアルミニウムとを含有した。これは23.4の原子比Al/Feに相当する。
【0069】
実施例2c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.6リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を100℃まで加熱し、50rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.1082gの上記触媒(2b参照)を添加した。次いで水素を導入して反応器を0.1MPaまで加圧した。最後にエチレンを、0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまでさせ、さらに100gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0070】
重合を1時間57分にわたり持続させ、その間に224gのポリエチレンが生成した。これは3424g/ミリモルFe/h/バールの平均活性に相当する。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)=0.8g/10min
−メルトインデックス(5kg荷重)=3.0g/10min
−メルトインデックス(21.6kg荷重)=47g/10min
−密度=>962kg/m3
−微細物<125μm=0.34重量%
−残留鉄レベル=1.2ppm
【0071】
例3:比較例
例3a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)FeCl 2 錯体の作成
実施例1の場合と同じ鉄錯体を例3につき使用した。
【0072】
例3b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実質的に垂直石英シリンダ(高さ75cmおよび直径5cm)で構成し、その上に脱着帯域を設置した。この焼成器には多孔質石英から作成された流動化グリッドを装着すると共に、石英シリンダの下部に位置せしめた。さらに、これには電気抵抗ヒータと流動化用窒素の供給部もも装着した。
【0073】
60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量で供給される焼成器には、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から600℃まで100℃/hの速度で加熱した。次いでシリカを600℃に16時間にわたり流動状態にて維持した。次いでシリカを25℃まで冷却すると共に乾燥窒素下で貯蔵した。
【0074】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された5.30gのシリカを17.07gのトルエンにおける1.19gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。懸濁物を2時間にわたり25℃にて撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄し、次いで減圧下に乾燥させた。1.62gの処理シリカを20mlのトルエンに懸濁させ、10mlのトルエンにおける0.045gの上記鉄錯体(1a参照)を添加した。懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0075】
このように処理された触媒は0.226重量%の鉄と4.6重量%のアルミニウムとを含有した。これは42.3の原子比Al/Feに相当する。
【0076】
例3c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.6リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を100℃まで加熱し、50rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.131gの上記触媒(3b参照)を添加した。次いで水素を導入して反応器を0.2MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまで増大させ、100gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0077】
重合を4時間28分にわたり持続させ、その間に132gのポリエチレンが生成した。この時間にわたる平均活性は1077g/ミリモルFe/h/バールであった。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)=3.17
−メルトインデックス(5kg荷重)=12.3
−メルトインデックス(8.5kg荷重)=32.5
−残留鉄レベル=2.2ppm
【0078】
例4:比較例
例4a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)FeCl 2 錯体の作成
実施例1の場合と同じ鉄錯体を例4につき使用した。
【0079】
例4b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実質的に垂直石英シリンダ(高さ75cmおよび直径5cm)で構成し、その上に脱着帯域を設置した。この焼成器には多孔質石英から作成された流動化グリッドを装着すると共に、石英シリンダの下部に位置せしめた。さらに、これには電気抵抗ヒータおよび流動化用窒素の供給部をも装着した。
【0080】
60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量で供給される焼成器には、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から600℃まで100℃/hの速度で加熱した。次いでシリカを流動状態にて16時間にわたり600℃に維持した。次いでシリカを25℃まで冷却すると共に乾燥窒素下で貯蔵した。
【0081】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された5.14gのシリカを8.99gのトルエンにおける0.63gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。この懸濁物を25℃にて2時間撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄し、次いで減圧乾燥させた。2.14gの処理シリカを20mlのトルエンに懸濁させ、10mlのトルエンにおける0.074gの上記鉄錯体(1a参照)を添加した。この懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0082】
このように作成された触媒は0.237重量%の鉄と5.94重量%のアルミニウムとを含有した。これは52.0の原子比Al/Feに相当する。
【0083】
例4c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.6リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を100℃まで加熱し、50rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.1038gの上記触媒(4b参照)を添加した。次いで水素を導入して、反応器を0.2MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまで増大させ、100gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0084】
重合を3時間58分にわたり持続させ、その間に212gのポリエチレンが生成した。この時間にわたる平均活性は2047g/ミリモルFe/h/バールであった。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)=1.29
−メルトインデックス(5kg荷重)=4.66
−メルトインデックス(8.5kg荷重)=11.57
−残留鉄レベル=1.2ppm
【0085】
実施例5a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)FeCl 2 錯体の作成
4gの2,6−ジアセチルピリジンと10.32mlの2,4,6−トリメチルアニリンと0.2gのp−トルエンスルホン酸一水塩とを250mlの丸底フラスコにおける150mlの乾燥トルエンに添加した。20mlのディーン・スターク重質フラクションカラムと凝縮器とを取り付け、混合物を撹拌しながら160℃まで加熱した。反応は約3時間にて完結したと思われた。次いで溶液を減圧し、100mlのメタノールを添加した。2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)が沈殿し、濾過により単離し、次いで10mlのメタノールで3回洗浄した。
【0086】
3.19gの塩化鉄(II)を半リットルのシュレンク管に秤量して入れ、400mlのn−ブタノールを添加した。懸濁物を90℃まで加温し、3時間撹拌した。10gの2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)を固体として80℃で添加した。反応物を1時間にわたり撹拌し、次いで25℃にて3日間にわたり撹拌した。得られた青色懸濁物を沈降させ、上澄液をデカントした。200mlずつのトルエンによる沈殿物の2回の洗浄を行い、次いで100mlのn−ペンタンで1回洗浄した。残留青色固体を減圧下に6時間にわたり乾燥するまでポンピングした。これを窒素下で貯蔵すると共に取り扱った。
【0087】
実施例5b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実質的に垂直石英シリンダ(高さ75cmおよび直径5cm)で構成し、その上に脱着帯域を設置した。この焼成器には多孔質石英から作成された流動化グリッドを装着すると共に、石英シリンダの下部に位置せしめた。さらに、これには電気抵抗ヒータと流動化用窒素の供給部とを装着した。
【0088】
60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量で供給される焼成器には、30gのクロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売されるシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から600℃まで100℃/hの速度で加熱した。次いでシリカを600℃に16時間にわたり流動状態にて維持した。次いでシリカを25℃まで冷却し、乾燥窒素下で貯蔵した。
【0089】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された4.06gのシリカを17gのトルエンにおける0.35gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。懸濁物を25℃にて2時間撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄した。処理シリカを次いで減圧乾燥させた。このように処理されたシリカを20mlのトルエンに懸濁させ、0.1492gの上記鉄錯体(5a参照)を添加した。この懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0090】
このように作成された触媒は0.39重量%の鉄と4.01重量%のアルミニウムとを含有した。これは21.3の原子比Al/Feに相当する。
【0091】
実施例5c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.5リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を98℃まで加熱し、25rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.0825gの上記触媒(5b参照)を添加した。次いで水素を導入して、反応器を0.05MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまで増大させ、100gのポリエチレンが生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0092】
重合を1時間15分にわたり持続させ、その間に175gのポリエチレンが生成した。これは2121gポリマー/g触媒の触媒収率に相当する。この重合の際の平均活性は2689g/mM.h.b.であった。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)(MI)=1.50
−メルトインデックス(2.16kg荷重)(HLMI)=82.27
−メルトインデックス比(HLMI/MI)=54.8
−残留鉄レベル=2.2ppm
【0093】
実施例6a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニ ルアミン)FeCl 2 錯体の作成
これは実施例5aに記載したように正確に行った。
【0094】
実施例6b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実施例5bの場合と同様にした。60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量で供給される焼成器に、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から700℃まで100℃/hの速度で加熱した。次いでシリカを流動状態にて16時間にわたり700℃に維持した。次いでシリカを25℃まで冷却すると共に乾燥窒素下で貯蔵した。
【0095】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された4.0gのシリカを17gのトルエンにおける0.44gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。この懸濁物を25℃にて2時間撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで処理シリカを減圧乾燥させた。
このように処理されたシリカを20mlのトルエンに懸濁させ、0.155gの上記鉄錯体(5a参照)を添加した。この懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0096】
このように作成された触媒は0.41重量%の鉄と3.61重量%のアルミニウムとを含有した。これは18.0の原子比Al/Feに相当する。
【0097】
実施例6c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.5リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を99.5℃まで加熱し、25rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.1184gの上記触媒(6b参照)を添加した。次いで水素を導入して、反応器を0.1MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまで増大させ、100gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0098】
重合を1時間47分にわたり持続させ、その間に244gのポリエチレンが生成した。これは2061gポリマー/g触媒の触媒収率に相当する。この重合の際の平均活性は2238g/mM.h.b.であった。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)(MI)=1.77
−メルトインデックス(21.6kg荷重)(HLMI)=95.9
−メルトインデックス比(HLMI/MI)=54.2
−残留鉄レベル=2.0ppm
【0099】
実施例7a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,4,6−トリメチルフェニルアミン)FeCl 2 錯体の作成
これは実施例5aに記載したように正確に行った。
【0100】
実施例7b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実施例5bの場合と同様にした。60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量で供給される焼成器に、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から800℃まで100℃/hの速度にて加熱した。次いでシリカを流動状態にて16時間にわたり800℃に維持した。次いでシリカを25℃まで冷却し、乾燥窒素下で貯蔵した。
【0101】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。4.0gのこのように乾燥されたシリカを17gのトルエンにおける0.317gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。この懸濁物を25℃にて2時間撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで処理シリカを減圧乾燥させた。
このように処理されたシリカを20mlのトルエンに懸濁させ、0.077gの上記鉄錯体(5a参照)を添加した。この懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄した。次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0102】
このように作成された触媒は0.206重量%の鉄と2.58重量%のアルミニウムとを含有した。これは26.0の原子比Al/Feに相当する。
【0103】
実施例7c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.5リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を99.8℃まで加熱し、25rpmにて撹拌し、次いで1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.1150gの上記触媒(7b参照)を添加した。次いで水素を導入して、反応器を0.1MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまで増大させ、100gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0104】
重合を1時間23分にわたり持続させ、その間に124gのポリエチレンが生成した。これは1078gポリマー/g触媒の触媒収率に相当する。この重合の際の平均活性は3302g/mM.h.b.であった。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)(MI)=1.42
−メルトインデックス(21.6kg荷重)(HLMI)=73.3
−メルトインデックス比(HLMI/MI)=51.6
−残留鉄レベル=1.8ppm
【0105】
実施例8a:2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェニルアミン)FeCl 2 錯体の作成
4gの2,6−ジアセチルピリジンと13.5mlの2,6−ジメチル−4−t−ブチル−アニリンと0.2gのp−トルエンスルホン酸一水塩とを250mlの丸底フラスコにおける150mlの乾燥トルエンに添加した。20mlのディーン・スターク重質フラクションカラムと凝縮器とを取り付け、混合物を撹拌しながら160℃まで加熱した。反応は約3時間にて完結したと思われた。次いで溶液を減圧すると共に、100mlのメタノールを添加した。2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェニルアミン)が沈殿し、これを濾過により単離すると共に10mlのメタノールで3回洗浄した。
【0106】
3.19gの塩化鉄(II)を半リットルのシュレンク管に秤量して入れ、400mlのn−ブタノールを添加した。この懸濁物を90℃まで加温し、3時間撹拌した。12.2gの2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェニルアミン)を固体として80℃で添加した。反応物を1時間撹拌し、次いで25℃にて3日間にわたり撹拌した。得られた青色懸濁物を沈降させると共に上澄液をデカントした。200mlずつのトルエンによる2回の沈殿物の洗浄を行い、次いで100mlのn−ペンタンで1回洗浄した。残留青色固体を減圧下に6時間にわたり乾燥するまでポンピングした。これを窒素雰囲気下で貯蔵すると共に取り扱った。
【0107】
実施例8b:触媒の作成
シリカ支持体を焼成すべく使用した装置は実施例5bの場合と同様にした。60℃に維持されると共に2vpm未満の水蒸気を含有する窒素が4.7ml/sの流量で供給される焼成器に、クロスフィールド・キャタリスツ社(ワーリントン、英国)によりES70Xの商品名で販売される30gのシリカを充填した。次いで焼成器を60℃から600℃まで100℃/hの速度にて加熱した。次いでシリカを流動状態にて16時間にわたり600℃に維持した。次いでシリカを25℃まで冷却し、乾燥窒素下で貯蔵した。
【0108】
その後の操作は全て窒素雰囲気下に行った。このように乾燥された5.27gのシリカを17.1gのトルエンにおける0.33gのメチルアルミノキサン(ウィトコ社、ベルグカメン、ドイツ国)の溶液に懸濁させた。この懸濁物を25℃にて2時間撹拌した。このように処理されたシリカを20mlのトルエンで5回洗浄した。処理シリカを次いで減圧乾燥させた。
1.46gの処理シリカを20mlのトルエンに懸濁させると共に、0.077gの上記鉄錯体(4a参照)を添加した。この懸濁物を25℃にて17時間撹拌した。このように作成された触媒を20mlのトルエンで5回洗浄し、次いで触媒を減圧乾燥させた。
【0109】
このように作成された触媒は0.2重量%の鉄と3重量%のアルミニウムとを含有した。これは31の原子比Al/Feに相当する。
【0110】
実施例8c:気相におけるエチレン重合
400gのポリエチレンペレットを、撹拌器が装着されると共に窒素雰囲気下に維持された容積2.5リットルのステンレス鋼反応器に導入した。反応器を100℃まで加熱し、25rpmにて撹拌し、1.5ミリモル/gのトリエチルアルミニウムで予め処理された0.7gのシリカを毒物掃去剤として添加した。次いで0.1214gの上記触媒(8b参照)を添加した。次いで水素を導入して、反応器を0.1MPaまで加圧した。最後にエチレンを0.8MPaの全圧力が得られるまで供給した。エチレンを供給して、この圧力を反応全体にわたり維持した。触媒1g当たり50gのポリエチレンに相当する生産の後に撹拌速度を100rpmまで増大させ、50gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに150rpmまで増大させ、100gのポリエチレンの生産後に撹拌速度をさらに200rpmまで増大させた。
【0111】
重合を1時間23分にわたり持続させ、その間に252gのポリエチレンが生成した。これは2076gポリマー/g触媒の触媒収率に相当する。反応器内容物を25℃まで冷却し、次いで反応器から回収した。直径2mmメッシュを有する篩を用いて、ポリエチレンペレットを反応に際し生成した粉末から分離した。回収ポリマー粉末は次の性質を有した:
−メルトインデックス(2.16kg荷重)(MI)=2.64
−メルトインデックス(5kg荷重)=9.60
−メルトインデックス(8.5kg荷重)=23.7
−メルトインデックス(21.6kg荷重)(HLMI)=156
−メルトインデックス比(HLMI/MI)=59.1
−残留鉄レベル=1.2ppm
Claims (25)
- (1)の式(I):
を有する錯体と;
(2)アルキルアルモキサンである活性化剤と;
(3)支持体材料と
からなり、アルキルアルモキサン(2)におけるアルミニウムの成分(1)における遷移金属Mに対する原子比が6:1〜25:1であることを特徴とするオレフィンの重合触媒。 - アルミニウムの遷移金属Mに対する原子比が8:1〜22:1である請求項1に記載の触媒。
- アルミニウムの遷移金属Mに対する原子比が12:1〜18:1である請求項2に記載の触媒。
- 活性化剤(2)が(C1−C4)アルキルアルモキサンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒。
- 活性化剤(2)が(C 1 −C 4 )アルキルアルモキサンであり、アルキル基がメチル、エチル、プロピルもしくはイソブチルである請求項4に記載の触媒。
- 活性化剤(2)がメチルアルモキサン(MAO)または改変メチルアルモキサン(MMAO)である請求項5に記載の触媒。
- R1、R2、R3、R4、R6、R19、R20、R21、R22、R23、R25、R26およびR28が独立して水素およびC1〜C8ヒドロカルビルから選択される請求項7に記載の触媒。
- R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 6 、R 19 、R 20 、R 21 、R 22 、R 23 、R 25 、R 26 およびR 28 が独立して水素およびメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、フェニルおよびベンジルから選択される請求項8に記載の触媒。
- R5が式−NR29R30を有する基であると共にR7が式−NR31R32を有する基であり、ここでR29〜R32は独立して水素、ハロゲン、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルから選択され;R1〜R4、R6およびR29〜R32の2つもしくはそれ以上がヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヘテロヒドロカルビルもしくは置換ヘテロヒドロカルビルであれば前記2つもしくはそれ以上は結合して1個もしくはそれ以上の環式置換基を形成することができる請求項1〜6のいずれか一項に記載の触媒。
- R24およびR27がそれぞれ独立して弗素、塩素、臭素もしくは沃素であり、またはそれぞれ独立してエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−メチルフェニル、n−オクチル、フェニルおよびベンジルから選択される請求項7〜10のいずれか一項に記載の触媒。
- 遷移金属MがFe(II)、Fe(III)もしくはCo(II)である請求項1〜11のいずれか一項に記載の触媒。
- Xがハライド、サルフェート、ナイトレート、チオレート、チオカルボキシレート、BF4 −、PF6 −、ハイドライド、ヒドロカルビルオキシド、カルボキシレート、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルおよびヘテロヒドロカルビル、並びにβ−ジケトネートから選択される請求項1〜12のいずれか一項に記載の触媒。
- Xがクロライド、ブロマイド、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、フェニル、ベンジル、メトキシド、エトキシド、イソプロポキシド、トシレート、トリフレート、ホルメート、アセテート、フェノキシドおよびベンゾエートから選択される請求項13に記載の触媒。
- 2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル4,t−ブチルアニル)FeCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル4,t−ブチルアニル)CoCl2
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル4,t−ブチルアニル)FeBr2
2,6−ジアセチルピリジンビス(4,t−ブチルアニル)FeCl2および
2,6−ジアセチルピリジンビス(2,6−ジメチル4−フェニルアニル)FeCl2または
2,6−ジアセチルピリジンビス(2−メチル,4−フルオロアニル)FeCl2
からなる請求項1〜14のいずれか一項に記載の触媒。 - 中性ルイス塩基をさらに含む請求項1〜15のいずれか一項に記載の触媒。
- 中性ルイス塩基がアルケン(1−オレフィン以外)もしくはアルキン、第一、第二および第三アミン、アミド、ホスホルアミド、ホスフィン、ホスファイト、エーテル、チオエーテル、ニトリル、エステル、ケトン、アルデヒド、一酸化炭素および二酸化炭素、スルホキシド、スルホンおよびボロキシンから選択される請求項16に記載の触媒。
- 支持体材料がシリカ、アルミナ、MgCl2もしくはジルコニア、またはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンもしくはポリ(アミノスチレン)からなるポリマーもしくはプレポリマーからなる請求項1〜17のいずれか一項に記載の触媒。
- モノマーオレフィンを重合条件下に請求項1〜18のいずれか一項に記載の触媒と接触させることを特徴とする1−オレフィンの重合もしくは共重合方法。
- (a)1種もしくはそれ以上の1−オレフィンを触媒と接触させることによりプレポリマー系触媒を作成し、
(b)プレポリマー系触媒を1種もしくはそれ以上の1−オレフィンと接触させる
工程からなり、触媒が請求項1〜18のいずれか一項に記載の意味を有する請求項19に記載の方法。 - 重合をトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−オクチルアルミニウム、メチルアルミニウム・ジクロライド、エチルアルミニウム・ジクロライド、ジメチルアルミニウム・クロライド、ジエチルアルミニウム・クロライド、エチルアルミニウム・セスキクロライドもしくはメチルアルミニウム・セスキクロライドの存在下に行う請求項19または20に記載の方法。
- 重合を分子量改変剤としての水素の存在下に行う請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
- 重合条件が溶液相、スラリー相もしくは気相である請求項19〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 重合を気相流動床条件下に行う請求項23に記載の方法。
- 重合をオートクレーブまたは連続ループ反応器にてスラリー相で行う請求項23に記載の方法。
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