JP4465579B2 - Nib material, multicolor writing instrument using the same, and method for manufacturing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、サインペン、マーキングペン、さらには化粧料の塗布具としても用いられるペン先素材とその製造方法、ならびにこのペン先素材を用いた多色筆記具とその製造方法に関するものである。
より詳しくは、ペン先を有する多色筆記具において、1本で多色の筆記を可能とするペン先とその製造方法に関するもので、筆記具製造技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
ペン先を取り替えることなく、1本で多色の筆記が可能な多色筆記具についての提案は、従来から種々の提案がなされ、具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
1)繊維製ペン体の外周を樹脂皮膜で覆い、偶数本並べて外周部で結合してペン先とし、先端被覆部を斜めに切除して各繊維製ペン体の先端外周部を露出させて多色マーキングペンとしたもの(特許文献1参照)。
2)ペン軸に、表面はインクを浸透しないが内部は液浸透性を有する少なくとも2つのペン先を取付け、それぞれのペン先の後端部にはインク溜を接続し、ペン先の先端部を凸曲面形状にした多色インクペン(特許文献2参照)。
【0003】
また、それらの多色筆記具に用いられるペン先に関しても、次のような提案がなされている。
3)外郭部材内の隔壁部材で隔てられた複数の独立空間に、それぞれフェルト状筆先部材を結着状に一体的に有している構造の横断面形状を有するペン先(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公昭49−32171号公報(実用新案登録請求の範囲)
【特許文献2】
特開平3−227699号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平10−166778号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかるペンあるいはペン先を用いた筆記具は、ペン先を傾けてペン先を紙面に当てながら筆記すれば、ペン先に接続されたインキによって筆記できる。
また、ペン軸を回転させて紙面に対する向きを変え、紙面に接触するペン先の部位を代えれば、接続したインキの色が変わるので、筆記の色を簡単に代えることができ、任意に色の使い分けを可能とするもので、重宝なものである。
【0006】
しかしながら、これら公知の筆記具は、特許文献1で明らかなように、細い繊維製のペン先の外周を樹脂皮膜で被覆したのち、偶数本並べて外周部で結合するか、あるいは、特許文献2のように、表面はインクを浸透しないが、内部は液浸透性を有するペン先の複数を、先端部分を互いに緊密に接触させ管状物に密嵌させて調製されるものである。
また、そのような筆記具に用いられるペン先として、例えば、所定の横断面形状に成形してある、複数のフェルト状筆先部材を押出し成形の成形ダイスに通し、隔壁部材と外郭部材を被覆成形する方法で調製されるものが挙げられる(特許文献3参照)。
【0007】
このように、微細な繊維製のペン体の外周を樹脂皮膜で覆う方法は、例えば、上記のような押出成形によるものも含め、細かい作業や工程を必要とする。
また、多色筆記具の調製のために、複数の微細なペン先を結合するにも繁雑な作業を必要とするばかりでなく、生産コスト的にも問題の多いものである。
そのため、多色筆記具用のペン先の簡易な調製方法、さらには、筆記具調製の際に、ペン先の結合(集束)を不要とするペン先が強く求められている。
【0008】
このような現状に鑑み、発明者らは、上記課題を解決するために、繊維束製のペン先の製造方法として採用されている、集束された繊維束に樹脂溶液を含浸させた後、加熱して溶剤を除去して得た棒状のペン芯を切削加工し、ペン先とする従来方法が応用できないか検討した。
【0009】
その結果、前記方法で調製された繊維束の表面に、集束体を構成する熱可塑性繊維を熔融して、インク非透過性の熱可塑性樹脂層を形成することにより、表面はインクを透過させず、内部は液浸透性を有する繊維束製のペン先が得られることを見出した。
【0010】
さらに、かくして得られたペン先素材の複数を集成し、再度表面を加熱して、表面を熔融させて一体化させて棒状体とすることによって、多色筆記具が得られることを見出して、この発明を完成させた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に記載の発明は、
熱可塑性繊維からなる集束体を、熱硬化性樹脂溶液によって一体化させ、外周部に熱硬化性樹脂層を有し、かつ内部は液浸透性を有する繊維束からなる棒状のペン芯を形成するとともに、
前記ペン芯の表面を加熱して、当該ペン芯の外周部全面に、前記熱可塑性繊維の溶融によるインク非透過性の熱可塑性樹脂層を、均一に形成したこと
を特徴とするペン先素材である。
【0012】
また、この発明の請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のペン先素材において、
前記熱可塑性樹脂層は、
直接又は間接的な加熱によって、ペン芯を構成する熱可塑性繊維を熔融させたものであること
を特徴とするものである。
【0013】
また、この発明の請求項3に記載の発明は、
請求項1又は2に記載のペン先素材において、
前記熱可塑性樹脂層は、
その厚みが平均70μm以上であること
を特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載のペン先素材において、
前記熱可塑性樹脂層は、
その厚みが、前記熱硬化性樹脂層の厚みとの総計で400μm以下であること
を特徴とするものである。
【0015】
さらに、この発明の請求項5に記載の発明は、
熱可塑性繊維からなる集束体を、樹脂濃度2〜17質量%の熱硬化性樹脂溶液に含浸させて棒状に一体化させたのち、溶媒を除去し、
ついで、熱硬化樹脂を硬化させてペン芯を形成し、
得た棒状のペン芯を加熱して、その外周部全面に前記熱可塑性繊維を熔融させて熱可塑性樹脂層を均一に形成させること
を特徴とするペン先素材の製造方法である。
【0016】
また、この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載のペン先素材の複数を、集成して一体化させて棒状に形成し、各ペン先素材から異なる色のインクを吐出させるよう構成したこと
を特徴とする多色筆記具である。
【0017】
また、この発明の請求項7に記載の発明は、
請求項6に記載の多色筆記具において、
前記複数のペン先素材は、
集成した各ペン先素材の表面の熱可塑性樹脂層を、加熱熔融させて一体化させたものであること
を特徴とするものである。
【0018】
また、この発明の請求項8に記載の発明は、
表面にインク非透過性の熱可塑性樹脂層を有し、内部の熱可塑性繊維の集束体が熱硬化性樹脂で一体化されたペン先素材の複数を集成し、
加熱によって表面の熱可塑性樹脂層を、溶融させてペン先素材同士を結合一体化させたのち、
各ペン先素材から異なる色のインクを吐出させるように加工すること
を特徴とする多色筆記具の製造方法である。
【0019】
また、この発明は請求項9に記載の発明は、
請求項8に記載の多色筆記具の製造方法において、
前記加熱は、
加圧を伴うものであること
を特徴とするものである。
【0020】
さらに、この発明は請求項10に記載の発明は、
請求項9に記載の多色筆記具の製造方法において、
前記加圧は、
加熱前における複数のペン先素材の総和断面積を、80〜95%に圧縮するものであること
を特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
この発明のペン先素材は、図1に示すように、熱可塑性繊維からなる集束体2を加熱成形して所望の形状としたのち、熱硬化性樹脂の溶液を、含浸などの手段によって付着せしめ、加熱により熱硬化性樹脂を硬化させ、外周部に熱硬化性樹脂の層3が、部分的又は全体的に形成されたペン芯とし、得たペン芯の表面を再加熱し、集束体2を構成する熱可塑性繊維を溶融させて、当該熱硬化性樹脂層3のさらに表面に、インクを透過しない熱可塑性樹脂層4を均一に形成し、内部は、液浸透性を有する繊維束からなる細径で棒状のペン先素材1としたものである。
【0022】
また、この発明の多色筆記具20は、図2に示すように、前記のペン先素材1a,1b,1cの複数を集成し、図3で明らかなように、各ペン先素材1a,1b,1cの熱可塑性樹脂層4をさらに加熱熔融させて、ペン先素材1a,1b,1cの同士を一体化させて多色筆記具用のペン先素材10とし、各ペン先素材1a,1b,1cから異なる色のインクを吐出させるように加工したもので、以下にその製法について具体的に説明する。
【0023】
この発明において、ペン先素材1を構成する熱可塑性繊維として、アクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド系の合成繊維をはじめ、レイヨン、アセテートなどの化学繊維、及びそれらに絹、羊毛、綿などの動植物繊維、ガラス繊維などの無機繊維を混紡した各種の繊維状物質を挙げることができる。
【0024】
これらの熱可塑性繊維は、使用目的に合うものが選択される。
合成繊維のあるものは摩擦強度に優れ、無機繊維には剛性に優っているものがある。
天然ないし化学繊維は安価に供給し得るので、使用する目的により単独で、また、それぞれの特徴を生かすように混用される場合もある。
【0025】
混用される一例としては、ポリエステル系合成繊維等の比較的熔融温度の高いものと、ポリ塩化ビニール繊維等の熔融温度の低いものとの組み合わせがある。
この場合は、熔融温度の低い繊維が、加熱中に熔融して接着材の役をなす。
【0026】
この熱可塑性繊維の集束体2を、棒状のペン芯とするために用いられる熱硬化性樹脂としては、硬化後安定であり、インキで変化せず、接着力の大きいものが挙げられる。
具体的には、不飽和ポリエステル、尿素ホルマリン、フェノール、エポキシ、ポリウレタン樹脂などである。
【0027】
これらの熱硬化性樹脂は、トリクロルエチレン、塩化メチレンなどの溶剤に溶解させて溶液として用いられる。
溶液における樹脂濃度としては、これらの熱硬化性樹脂を硬化させて棒状のペン芯を得たのち、当該ペン芯の表面を加熱し、熱可塑性繊維を熔融させて、表面にインクを透過しない熱可塑性樹脂層4を形成するためには、棒状体の径にも大きく依存するが、通常2〜17質量%、好ましく2〜16質量%、より好ましくは2〜12質量%である。
【0028】
この樹脂濃度範囲にある樹脂溶液を用いると、きわめて良好な熱可塑性樹脂層4を形成することができる。
この量が2質量%未満であると、集束体2の固定が満足できる状態で、棒状のペン芯を得ることが難しい。
また、17質量%を越えると、熱硬化性樹脂が相対的に多すぎるために、集束体2の外側に厚く、かつ不均一な熱硬化性樹脂層3を形成するため、その表面に良好な熱可塑性樹脂層4を形成することが困難になる。
【0029】
この溶剤は、次工程における加熱によって蒸発し、液体を流通せしめる平行繊維間への毛細管状間隙を形成する。
【0030】
樹脂溶液には、製品の剛性を増し、寸法の安定性や耐磨耗性を向上させるためにシリカ、炭酸カルシウムなどの充填剤を添加してもよい。
かかる充填剤として、ブロンズパウダー、アルミパウダーなどの熱伝導がよい金属粉末も用いることができ、この使用によって内部まで均一に加熱し、製品の品質を向上することができる。
【0031】
樹脂溶液には、ポリオキシエチレンアリルエーテルの如き公知の界面活性剤、ポリエチレングリコールの如き公知の湿潤剤や、樹脂硬化用触媒を1種又は2種以上を添加して用いることができる。
【0032】
この発明においては、以上のような熱可塑性繊維と熱硬化性樹脂の溶液を用いてペン先素材1を調製するものである。
まず、熱可塑性繊維を集束合糸したのち、加熱ブロックにより加熱されたパイプ又はダイ中に導入させて、熱可塑性繊維の集束体2を所望の形状に成形することが第一の工程となる。
【0033】
前記の第一の工程において、所望の形状に成形された熱可塑性繊維の集束体2に、第二の工程として、熱硬化性樹脂の溶液を含浸などの手段によって付着させる。
【0034】
前記集束体2に熱硬化性樹脂の溶液を付着させるには、溶液槽に集束体2を浸漬して行うものであるが、スプレーにより連続する集束体に噴霧し、吹き附ける等の方法によって行うこともできる。
【0035】
溶液が適当量付着した熱可塑性繊維の集束体2は、第三の工程として、所要温度に加温された乾燥炉を通過せしめる等して加熱乾燥させる。
これによって、溶液中の溶剤が蒸発し、熱硬化性樹脂が硬化することにより、棒状のペン芯とされるもので、この加熱は、1段階又は数段階で行われる。
【0036】
熱硬化性樹脂の硬化によって、表面に熱硬化性樹脂層3が形成されたペン芯は、第四の工程の加熱細孔による加熱が施される。
【0037】
この加熱細孔は、通常、熱可塑性繊維の集束体2を直接又は間接に加熱するようにし、かつペン芯の断面積よりも小なる断面積とテーパーを有するノズルであって、この細孔を通過すると、ペン芯を構成する集束体2は、軟化ないし熔融し、棒状のペン芯の表面にインク非透過性の熱可塑性樹脂層4が形成され、それにより、この発明の棒状のペン先素材1が得られる。
【0038】
かくして得られたペン先素材1は、その表面にインク非透過性の熱可塑性樹脂層4が形成されたものである。
この熱可塑性樹脂層4は全面が均一で、その平均厚みは70μm以上、特に80μm以上の厚みを有することが好ましい。
さらに好ましくは、この熱可塑性樹脂層4の内側に形成された、熱硬化性樹脂層3の厚みとの合計が最大でも400μm、特には300μm以下である。
【0039】
熱可塑性樹脂層4の厚みが平均70μm未満の場合には、インクが外に滲み出して実用に耐えない。
さらに、集束体2の外側に形成される熱硬化性樹脂層3と、この熱硬化性樹脂層3のさらに外側に形成される平均70μm以上の熱可塑性樹脂層4との合計が、最も厚い部分で400μm以上にすると、厚い熱硬化性樹脂層3の内部に熱可塑性繊維が閉じ込められる形になる。
【0040】
したがって、加熱細孔を用いて外部から加熱しても、熱可塑性繊維が溶融して相互に結着する作用を、熱硬化性樹脂が妨害する働きをするため、インク非透過性を有する均一な熱可塑性樹脂層4が形成されにくく、インク漏れが生ずるおそれがあるので、好ましくは、熱可塑性樹脂層4が平均80μm以上で、熱硬化性樹脂層3との合計が、最も厚い部分でも300μm以下であることが望ましい。
【0041】
前記熱硬化性樹脂層3は、ペン先素材1の強度が保てる範囲で薄くしても構わない。
その際、最大部分の厚みが70μm以下になると、この発明においては、加熱細孔により溶融した熱可塑性樹脂層4と熱硬化性樹脂層3とが混じり合い、熱硬化性樹脂層3が視認できなくなるため、調製する上からは避けるのが望ましい。
その際、インクの滲み出しやペン先の強度が損なわれない範囲で、薄くすることも可能である。
【0042】
ペン先素材1のインク非透過性を有する熱可塑性樹脂層4を厚くするには、加熱細孔の温度を上げることや、加熱細孔への通過時間を長くすることが有効に作用する。
なお、ペン先素材の材質や、その外径などの条件によっても厚みが異なるので、熱可塑性樹脂層4の厚みを平均70μm以上にすることができる、加熱細孔の形状、温度、通過時間などは、あらかじめ実験的に求めておくことが望ましい。
【0043】
前記熱可塑性樹脂層4の厚みを平均70μm以上にし、かつ熱硬化性樹脂層3との合計が、最も厚い部分でも400μm以下にするためには、前記したように集束体2に含浸させる熱硬化性樹脂溶液の濃度を2〜17質量%の範囲に調整することが、特に効果的である。
また、マイクロ波などの内部加熱により、瞬時に熱硬化性樹脂溶液の乾燥および硬化を行って、外周部への熱硬化性樹脂の偏在を防ぐなど、公知の手段を用いることもできる。
【0044】
かかる棒状のペン先素材1は、ペン先の素材として優れたもので、これらの複数1a,1b,1cを集成して一体化すること、すなわち、径の細いペン先素材1a,1b,1cの複数を集成して、径の太い多色筆記具用ペン先を構成し、各多色筆記具用ペン先を任意の寸法に切断し、その先端を例えば砲弾状に研摩して多色筆記具用ペン先10とする。
【0045】
その際、前記ペン先素材1a,1b,1cは、任意の寸法に切断した後、多色筆記具用ペン先の調製時に一体化し、しかる後に先端を研摩することも可能である。
【0046】
複数のペン先素材1a,1b,1cを一体化する方法としては、接着剤を用いたり、管状の結合具を用いたり、合成樹脂膜で被覆する方法も挙げられる。
しかしながら、前記したように、加圧しながら加熱できる加熱細孔を用いて、ペン先素材1a,1b,1cの表面に形成された熱可塑性樹脂層4の、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して、図3に示すように、ペン先素材1a,1b,1cの表面を熔融一体化し、細いペン先素材の複数から構成される、径の太い多色筆記具用ペン先10とすることが好ましい。
【0047】
一体化する際の加圧は、加熱前のペン先素材の実断面積を80〜95%、特には85〜90%に圧縮できる、孔径面積の細孔を用いて行うのが好ましい。
【0048】
このようにして調製された棒状体の多色筆記具用ペン先10は、複数の独立通路を持ったものである。
例えば、その先端を砲弾状などに研摩し、複数あるペン先素材1a,1b,1cの各々の後端を、それぞれ異なる色のインクが充填された中綿に差し込めば、それぞれの通路から異なったインクが供給され、混ざり合うこと無く、独立に筆記することが可能な多色筆記具20となる。
【0049】
その際、図4に示すように、多色筆記具用ペン先10の、後端部近傍の外周を削り落としてしまえば、複数のペン先素材1a,1b,1c同士を接着していた溶融部分が除去される。
したがって、それぞれのペン先素材1a,1b,1cが後端部近傍でのみ分離し易くなり、それぞれのペン先素材1a,1b,1cを異なる中綿2a,2b,2cに差し込み易くすることができる。
【0050】
さらに、図5に示すように、ペン軸本体5の軸心部に、ペン先挿入孔5aに向けた矢尻状の突起6を配置し、この突起6の周囲を取囲むように、各ペン先素材1a,1b,1cに対応する複数の中綿2a,2b,2cを配置すれば、この発明の多色筆記具用ペン先10を、前記ペン先挿入孔5aに挿入するだけで、複数のペン先素材1a,1b,1c同士が分離する。
また、前記中綿2a,2b,2cに、各ペン先素材1a,1b,1cの後端部を差し込むこともでき、複数の中綿に各ペン先素材の後端部を差し込む組立て作業を簡易化することができる。
【0051】
複数のペン先素材を一体化するに際し、ペン先素材の並べ方については特段の制限はない。
例えば、3本のペン先素材を、断面正三角形状に整列させて一体化した場合には、先端を砲弾状に研磨してペン先としたとき、120度回転させる毎に、異なる色の筆記線が筆記できる多色筆記具を得ることができる。
【0052】
また、4本のペン先素材を断面正方形状に整列させて一体化した場合には、90度回転させる毎に、異なる色の筆記線が筆記できる多色筆記具を得ることができる。
さらに、3本のペン先素材を、直列に整列させて一体化した場合には、一度に3色のラインが筆記できる多色筆記具を得ることができるので、用途に応じてペン先素材の並べ方を適宜設定すればよい。
【0053】
また、一体化された複数のペン先素材に供給されるインクについては、通常、異なる色や成分のインクを用いるが、それぞれ同じ色のインクを供給することも当然に可能なものである。
【0054】
さらに、複数のペン先素材1a,1b,1cは、図3に示すように多色筆記具用ペン先の外周部では密着しているが、ペン先素材1a,1b,1c同士の間には、僅かな隙間Cを設けることも可能である。
したがって、この隙間Cを、ペン軸本体内部と外気を通じる空気孔として利用することができ、ペン軸本体に空気孔がない場合でも問題なく使用できる。
【0055】
【実施例】
以下、この発明のペン先の実施例について説明する。
<実施例1>
従来の方法で外径φ3.6mmのポリエステル繊維束をウレタン樹脂溶液(濃度10質量%、溶媒;塩化メチレン)で固化して棒状体とする。
得た棒状体を、ポリエステル繊維の融点以上である270℃に加熱した細孔ダイス(孔径φ3.2mm)を通すことにより、外周部を融着させながら外径をφ3.4mmとし、表面はインクを浸透しない熱可塑性樹脂層が、その内部は、液浸透性を有する繊維束からなる棒状のペン先素材を得た。
得られたペン先素材の切断面の顕微鏡写真を図6、及びその一部を拡大したものを図7に示す。また、その概念図を図8に示した。
図6及び図7において、黒色の部分は、液浸透性を有する繊維束2及び繊維束2を固定する熱硬化性樹脂層3からなる部分である。
図8に示したように、表面の白色部はインクを透過しない熱可塑性樹脂層4で、その樹脂層が平均厚み122μmで均一に形成されている。
また、この熱可塑性樹脂層4と熱硬化性樹脂層3の厚みの合計は、最大部で225μmであった。
この棒状体の3本のペン先素材を、断面正三角形状に整列させて、再度、ポリエステル繊維の融点以上である、温度310℃に加熱した細孔ダイス(孔径5.3mm)を通し、3本の棒状体の表面を変形融着させて、φ5.5mmの棒状体状の多色筆記具用ペン先を得た。
この棒状体状の多色筆記具用ペン先は、3つの独立したインク通路を持つもので、先端を砲弾研摩し、後端部ではそれぞれのペン先素材を、異なる色のインクを充填した3本の中綿にそれぞれ差し込むことにより、多色筆記具として組み込んだところ、120度回転するごとに、異なる色の筆記線を筆記できる、優れたものであった。
【0056】
<比較例1>
樹脂溶液として、濃度20質量%のウレタン樹脂溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして棒状体状のペン先素材を得た。
得られたペン先素材の切断面の顕微鏡写真を図9、及びその一部を拡大したものを図10に、その概念図を図11に示す。
このペン先素材の熱可塑性樹脂層4の平均厚みは117μmで、熱可塑性樹脂層4と熱硬化性樹脂層3の合計は、最大部で600μmであった。
図10から明らかなように、このペン先素材においては、繊維束2を固定する熱硬化性樹脂層3が均一でなく、表面に均一な熱可塑性樹脂層4の形成を阻害し、インクを透過しないという特性を有する熱可塑性樹脂層が形成されていない。
当然のことであるが、このようなペン先素材を用いて、実施例1と同様にして多色筆記具用ペン先を調製しても、各インクが混色してしまい、良好なものを得ることができない。
【0057】
【発明の効果】
この発明のペン先素材は、熱可塑性繊維からなる集束体を熱硬化性樹脂で一体化させ、表面に熱硬化性樹脂層を有する棒状のペン芯を形成するとともに、このペン芯の前記熱硬化性樹脂層の全表面に、前記熱可塑性樹脂の溶融によるインク非透過性の熱可塑性樹脂層を均一に形成しているので、集束体に付着したインクが表面に浸み出すことがない。
【0058】
また、この発明のペン先素材の製造方法は、熱可塑性繊維からなる集束体を、一旦熱硬化性樹脂で一体化させて、表面に熱硬化性樹脂層を有するペン芯としたのち、得たペン芯をさらに加圧加熱しながら、内部の熱可塑性繊維を溶融させ、ペン芯の表面に熱可塑性樹脂層を形成するという簡単な方法で、インクが表面に浸み出すことのないペン先素材を簡単かつ容易に量産することができる。
【0059】
さらに、この発明の多色筆記具は、前記したペン先素材の複数を一体化させたもので、それぞれの表面にはインク非透過性層が形成され、それぞれのインク流路は完全に独立しているので、混色することなく、種々の色の筆記を、1本の筆記具で行うことを可能とした。
しかも、繊維束製のペン先の有する特性、すなわち、繊維束によって形成された毛細管状間隙により、インク等の液体の円滑流動、筆記の持続性、剛性耐磨耗性などに優れるものである。
【0060】
また、この発明の多色筆記具の製造方法は、前記のペン先素材の複数を一体化することにより、特にそれらの表面を加熱溶融して太い棒状体の多色筆記用ペン先に一体化するという単純な工程で、連続的に製造することが可能なものである。
かくして得られた多色筆記具に使用するペン先素材は、所要寸法に切断し先端を研摩するだけで所望のペン先になるものである。
【0061】
しかも、それらの寸法、形状は常に一定であって、品質、大きさ共製品にバラツキの生ずるおそれがない。
また、その製造装置も複雑なものではなく、製造工程を非常に簡素化することが可能で、容易に所要寸法、形状の多色筆記用ペン先を調製することができ、容易に多色筆記具を作ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のペン先素材の一例を示す斜視図である。
【図2】 この発明の多色筆記具の一例を示す側面図である。
【図3】 図1に示すペン先素材の複数を集成し、一体化させた多色筆記具のペン先の一例を示す要部の断面図である。
【図4】 多色筆記具のペン先の製法を示す説明図である。
【図5】 この発明の多色筆記具の組立て法を示す説明図である。
【図6】 この発明にかかるペン先素材の切断面の顕微鏡写真である。
【図7】 図6の一部の拡大顕微鏡写真である。
【図8】 図7の概念図である。
【図9】 比較例としての、ペン先素材の切断面の顕微鏡写真である。
【図10】 図9の一部の拡大顕微鏡写真である。
【図11】 図10の概念図である。
【符号の説明】
1 ペン先素材
2 熱可塑性繊維の集束体
3 熱硬化性樹脂層
4 熱可塑性樹脂層
10 多色筆記具用のペン先素材
20 多色筆記具[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
This invention is a felt-tip pen, a marking pen, further methods nib materials and their preparation for use as applicator of cosmetic and Ru der those multicolor writing instrument and its manufacturing method using this nib material.
More specifically, in a multicolor writing instrument having a nib, the present invention relates to a nib that enables multicolor writing with a single pen and a method for manufacturing the same, and belongs to the writing instrument manufacturing technology.
[0002]
[Prior art]
Various proposals have been made for multi-color writing instruments that allow multi-color writing with a single pen without changing the nib. Specific examples include the following.
1) Cover the outer periphery of the fiber pen body with a resin film, arrange even numbers and join them at the outer periphery to form a pen tip, and cut the tip covering portion diagonally to expose the outer periphery of each fiber pen body. A color marking pen (see Patent Document 1).
2) At least two pen tips whose surface does not permeate ink but whose inside is liquid permeable are attached to the pen shaft, an ink reservoir is connected to the rear end of each pen tip, and the tip of the pen tip is attached. A multicolor ink pen having a convex curved surface (see Patent Document 2).
[0003]
In addition, the following proposals have also been made regarding the nibs used in these multicolor writing instruments.
3) a plurality of independent spaces separated by the partition wall member in the outer member, the nib having a transverse cross-sectional shape of the structure integrally has a felt-like brush tip member in a binder shaped respectively (see Patent Document 3) .
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Publication No. 49-32171 (Scope of claims for utility model registration)
[Patent Document 2]
JP-A-3-227699 (Claims)
[Patent Document 3]
JP-A-10-166778 (Claims)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Writing instrument using such pen or nib, if writing while applying the pen tip on paper by tilting the nib, Ru can written by the connected ink nib.
Also, if you change the orientation of the pen axis by rotating the pen shaft and changing the part of the pen tip that contacts the paper surface, the color of the connected ink will change, so you can easily change the color of the writing, and arbitrarily change the color It can be used properly and is useful.
[0006]
However, as is clear from
Further, as a nib used in such a writing instrument, for example, a plurality of felt-shaped nib members formed in a predetermined cross-sectional shape are passed through an extrusion molding die to coat and form the partition wall member and the outer member. What is prepared by a method is mentioned (refer patent document 3).
[0007]
As described above, the method of covering the outer periphery of the fine fiber pen body with the resin film requires fine operations and processes including those by extrusion molding as described above .
Further, for the preparation of multi-color writing instrument not only requires a troublesome work to combine multiple fine nib, production cost to be Ru der those problematic.
For this reason, there is a strong demand for a nib that does not require a nib coupling (bundling) in a simple method for preparing a nib for a multicolor writing instrument, and also in the preparation of a writing instrument.
[0008]
In view of such a current situation, the inventors have adopted a method of manufacturing a nib made of a fiber bundle, in order to solve the above problems, impregnating a bundled fiber bundle with a resin solution, and then heating Then, a rod-shaped pen core obtained by removing the solvent was cut to examine whether a conventional method using a pen tip could be applied.
[0009]
As a result, the surface of the fiber bundle prepared by the above method is melted with the thermoplastic fibers constituting the bundling body to form an ink-impermeable thermoplastic resin layer, so that the surface does not transmit ink. It was found that a nib made of a fiber bundle having liquid permeability was obtained inside.
[0010]
Furthermore, it was found that a multicolor writing instrument can be obtained by assembling a plurality of nib materials thus obtained, heating the surface again, and fusing the surface to integrate them into a rod-like body. Completed the invention.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention,
Focusing body made of thermoplastic fibers, are integrated by the thermosetting resin solution has a thermosetting resin layer on an outer peripheral portion, and the interior forms a pen core rod-shaped made of a fiber bundle having a liquid permeable And
A pen nib material in which the surface of the pen core is heated to uniformly form an ink-impermeable thermoplastic resin layer by melting the thermoplastic fibers over the entire outer periphery of the pen core. is there.
[0012]
The invention according to
The nib material according to
The thermoplastic resin layer is
It is characterized in that thermoplastic fibers constituting the pen core are melted by direct or indirect heating.
[0013]
The invention according to
In the nib material according to
The thermoplastic resin layer is
The average thickness is 70 μm or more.
[0014]
The invention according to
In the nib material according to
The thermoplastic resin layer is
Its thickness, and is characterized in that a total of the thickness of the thermosetting resin layer is 400μm or less.
[0015]
Further, the invention according to
After the bundling body made of thermoplastic fibers is impregnated with a thermosetting resin solution having a resin concentration of 2 to 17% by mass and integrated into a rod shape, the solvent is removed,
Next , the thermosetting resin is cured to form a pen core,
It is a method for producing a nib material, characterized in that the obtained rod-shaped pen core is heated to melt the thermoplastic fiber over the entire outer peripheral portion thereof to uniformly form a thermoplastic resin layer.
[0016]
The invention according to claim 6 of the present invention provides
A plurality of the nib materials according to any one of
[0017]
The invention according to claim 7 of the present invention provides
The multicolor writing instrument according to claim 6 ,
The plurality of nib materials are:
The thermoplastic resin layers on the surfaces of the assembled nib materials are integrated by heat-melting.
[0018]
The invention according to claim 8 of the present invention provides
A plurality of nib materials having a thermoplastic resin layer that is impermeable to ink on the surface and integrated with a thermosetting resin bundle of thermoplastic fibers inside are assembled.
After melting the thermoplastic resin layer on the surface by heating and combining the nib materials together ,
A method for manufacturing a multicolor writing instrument, wherein processing is performed so that different colors of ink are ejected from each nib material.
[0019]
Further, the present invention is the invention according to claim 9,
In the manufacturing method of the multicolor writing instrument of Claim 8,
The heating is
It is characterized by being accompanied by pressurization.
[0020]
Furthermore, the invention according to
In the manufacturing method of the multicolor writing instrument according to claim 9,
The pressure is
The total cross-sectional area of a plurality of nib materials before heating is compressed to 80 to 95%.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As shown in FIG. 1, the nib material of the present invention is formed by thermoforming the
[0022]
In addition, as shown in FIG. 2, the
[0023]
In the present invention, the thermoplastic fibers constituting the
[0024]
These thermoplastic fibers, Ru is selected to fit the intended use.
Some of the synthetic fibers is excellent in frictional strength, Ru Monogaa the inorganic fibers are superior to rigid.
Since natural or chemical fibers can be supplied at a low cost, they may be used alone or in combination so as to take advantage of their characteristics.
[0025]
Mixing An example is, as a relatively high melting temperature, such as polyester synthetic fiber, Ru Kumiawasegaa between having a low melting temperature such as polyvinyl chloride fibers.
In this case, the fiber having a low melting temperature melts during heating and serves as an adhesive.
[0026]
The bundle of the second thermoplastic fibers, the thermosetting resin used to the pen core rod-shaped, are stable after curing, does not change in the ink, Ru include those adhesion large.
Specifically, unsaturated polyester, urea formalin, phenol, epoxy, polyurethane resin and the like .
[0027]
These thermosetting resins are used as a solution by being dissolved in a solvent such as trichloroethylene or methylene chloride.
The resin concentration in the solution is such that these thermosetting resins are cured to obtain a rod-shaped pen core, the surface of the pen core is heated, the thermoplastic fibers are melted, and the surface does not transmit ink. In order to form the
[0028]
When a resin solution in this resin concentration range is used, a very good
If the amount is less than 2 wt%, in a state where the fixed bundle of 2 is satisfactory, it is not difficult to obtain the pen core rod-shaped.
On the other hand, if it exceeds 17% by mass, the thermosetting resin is relatively too much, so that a thick and non-uniform
[0029]
This solvent evaporates by heating in the next step and forms a capillary gap between parallel fibers through which the liquid flows.
[0030]
A filler such as silica or calcium carbonate may be added to the resin solution in order to increase the rigidity of the product and improve the dimensional stability and wear resistance .
As such fillers, bronze powder, the thermal conductivity is good metal powder such as aluminum powder may also be used to uniformly heat the inside by the use, it is possible to improve the quality of the product.
[0031]
The resin solution can be used by adding one or more known surfactants such as polyoxyethylene allyl ether, known wetting agents such as polyethylene glycol, and resin curing catalysts.
[0032]
In the present invention, the
First, the first step is to form the thermoplastic
[0033]
In the first step of the, to the focusing
[0034]
The thermosetting resin solution is attached to the
[0035]
Focusing
As a result, the solvent in the solution evaporates and the thermosetting resin is cured to form a rod-shaped pen core, and this heating is performed in one or several stages.
[0036]
The pen core having the
[0037]
This heating pore is usually a nozzle that directly or indirectly heats the thermoplastic
[0038]
The
The
More preferably , the total sum of the thickness of the
[0039]
When the thickness of the
Further , the thickest part is the sum of the
[0040]
Therefore, even when heated from the outside using the heating pores, the thermosetting resin acts to obstruct the action of the thermoplastic fibers to melt and bind to each other. Since the
[0041]
The
At this time, when the thickness of the maximum portion is 70 μm or less, in the present invention, the
At that time, the thickness can be reduced as long as ink bleeding and the strength of the pen tip are not impaired.
[0042]
In order to increase the thickness of the non-ink-permeable
The material and the nib material, since the thickness by conditions such as the outside diameter is different, the thickness of the
[0043]
In order to set the thickness of the
Also, known means such as instant drying and curing of the thermosetting resin solution by internal heating such as microwaves can be used to prevent uneven distribution of the thermosetting resin on the outer peripheral portion.
[0044]
The rod-shaped
[0045]
At that time, the
[0046]
Examples of a method for integrating the plurality of
However , as described above, the heating pores that can be heated while being pressurized are used to heat the
[0047]
The pressurization for the integration is preferably performed using pores having a pore diameter area that can compress the actual cross-sectional area of the nib material before heating to 80 to 95%, particularly 85 to 90%.
[0048]
The bar-shaped multi-color
For example, if the tip is polished into a bullet shape and the rear ends of a plurality of
[0049]
At that time, as shown in FIG. 4, if the outer periphery in the vicinity of the rear end portion of the
Accordingly, the
[0050]
Further, as shown in FIG. 5, an arrowhead-shaped projection 6 directed toward the pen
Moreover, the rear end part of each
[0051]
When integrating a plurality of nib materials, there is no particular restriction on how to arrange the nib materials .
For example, if three nib materials are aligned and integrated into a regular triangular cross section, the tip of the tip is polished into a cannonball shape, and each pen is rotated 120 degrees to write a different color. A multicolor writing instrument capable of writing a line can be obtained.
[0052]
Further, when the integrated four pen tip material are aligned in the cross-sectional square shape, each of rotating 90 degrees, it is possible to obtain a multi-color writing instrument writing lines of different colors can be written.
Furthermore, when three nib materials are aligned and integrated in series, a multicolor writing instrument that can write three color lines at a time can be obtained, so how to arrange nib materials according to the application. May be set as appropriate.
[0053]
In addition, for ink supplied to a plurality of integrated nib materials, inks of different colors and components are usually used, but it is naturally possible to supply inks of the same color.
[0054]
Further, the plurality of
Therefore , the gap C can be used as an air hole through which the inside of the pen shaft main body and the outside air pass, and can be used without any problem even when the pen shaft main body has no air hole.
[0055]
【Example】
Examples of the nib of the present invention will be described below.
<Example 1>
A polyester fiber bundle having an outer diameter of 3.6 mm is solidified with a urethane resin solution (concentration: 10% by mass, solvent: methylene chloride) by a conventional method to obtain a rod-like body .
The obtained rod-shaped body is passed through a pore die (pore diameter φ3.2 mm) heated to 270 ° C., which is equal to or higher than the melting point of the polyester fiber, so that the outer diameter is φ3.4 mm while the outer peripheral portion is fused, and the surface is ink. the thermoplastic resin layer not penetrate, but its interior, to give the pen tip material of the rod-like formed of fiber bundles having a liquid permeable.
FIG. 6 shows a micrograph of the cut surface of the obtained nib material, and FIG. 7 shows an enlarged part thereof. Moreover, the conceptual diagram was shown in FIG.
6 and 7, portions of the black, Ru Oh in part made of a
As shown in FIG. 8, the white portion on the surface is the
The total of the
Three nib material of the rod-like body, are aligned in the cross-section an equilateral triangle, again, is more polyester fiber melting, through the pores die heated to a temperature 310 ° C. (pore diameter 5.3 mm), 3 The surface of the rod-shaped body of the book was deformed and fused to obtain a pen-shaped nib for a multicolor writing instrument having a rod-shaped body of φ5.5 mm.
The rod-like body shaped multicolor writing instrument nib, those having three independent ink path, the tip and ammunition polishing, three in the rear part respectively of the nib material, filled with ink of a different color When it was incorporated as a multicolor writing instrument by being inserted into each padding, it was excellent in that writing lines of different colors could be written every time it rotated 120 degrees.
[0056]
<Comparative Example 1>
A rod-shaped nib material was obtained in the same manner as in Example 1 except that a urethane resin solution having a concentration of 20% by mass was used as the resin solution.
FIG. 9 shows a micrograph of the cut surface of the obtained nib material, FIG. 10 shows an enlarged view thereof , and FIG. 11 shows a conceptual diagram thereof.
The average thickness of the
As is apparent from FIG. 10 , in this nib material, the
As a matter of course, even if a nib for a multicolor writing instrument is prepared in the same manner as in Example 1 using such a nib material, each ink is mixed and a good one is obtained. I can't.
[0057]
【The invention's effect】
Nib material of the present invention, the focusing body made of thermoplastic fibers are integrated with a thermosetting resin, to form a pen core rod-shaped with a thermosetting resin layer on the surface, the thermal curing of the pen core Since the non-ink-permeable thermoplastic resin layer by melting the thermoplastic resin is uniformly formed on the entire surface of the adhesive resin layer, the ink attached to the bundling body does not ooze out on the surface.
[0058]
The nib material manufacturing method of the present invention was obtained by once integrating a bundle of thermoplastic fibers with a thermosetting resin to form a pen core having a thermosetting resin layer on the surface . A nib material that prevents ink from leaching to the surface by a simple method of melting the internal thermoplastic fibers and forming a thermoplastic resin layer on the surface of the pen core while further heating the pen core under pressure. Can be easily and easily mass-produced.
[0059]
Furthermore, the multi-color writing instrument of the present invention is an integrated unit of a plurality of the nib materials described above, and an ink non-permeable layer is formed on each surface, and each ink flow path is completely independent. Therefore, it is possible to perform writing of various colors with one writing instrument without mixing colors .
Moreover, the characteristics of the fiber bundle pen tip, that is, the smooth flow of the liquid such as ink, the sustainability of writing, and the rigid wear resistance are excellent due to the capillary gap formed by the fiber bundle.
[0060]
In addition, the method for producing a multicolor writing instrument of the present invention integrates a plurality of the above nib materials, and in particular, heats and melts the surfaces thereof to integrate it into a thick bar-shaped multicolor writing nib. In this simple process, it can be continuously manufactured .
The nib material used for the multicolor writing instrument thus obtained becomes a desired nib simply by cutting to the required dimensions and polishing the tip.
[0061]
In addition, their dimensions and shapes are always constant, and there is no risk of variations in quality and size.
In addition , the manufacturing apparatus is not complicated, the manufacturing process can be greatly simplified, a multicolor writing nib having a required size and shape can be easily prepared, and a multicolor writing instrument can be easily prepared. Is something that can be made.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example of a nib material of the present invention.
FIG. 2 is a side view showing an example of the multicolor writing instrument of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a main part showing an example of a nib of a multicolor writing instrument in which a plurality of nib materials shown in FIG. 1 are assembled and integrated.
FIG. 4 is an explanatory diagram showing a method of manufacturing a nib of a multicolor writing instrument.
FIG. 5 is an explanatory view showing an assembling method of the multicolor writing instrument of the present invention.
FIG. 6 is a micrograph of a cut surface of a nib material according to the present invention.
7 is an enlarged micrograph of a part of FIG.
FIG. 8 is a conceptual diagram of FIG.
FIG. 9 is a micrograph of a cut surface of a nib material as a comparative example.
FIG. 10 is an enlarged micrograph of a part of FIG.
FIG. 11 is a conceptual diagram of FIG.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (10)
前記ペン芯の表面を加熱して、当該ペン芯の外周部全面に、前記熱可塑性繊維の溶融によるインク非透過性の熱可塑性樹脂層を、均一に形成したこと
を特徴とするペン先素材。Focusing body made of thermoplastic fibers, are integrated by the thermosetting resin solution has a thermosetting resin layer on an outer peripheral portion, and the interior forms a pen core rod-shaped made of a fiber bundle having a liquid permeable And
A pen nib material characterized in that the surface of the pen core is heated to uniformly form an ink-impermeable thermoplastic resin layer by melting the thermoplastic fibers over the entire outer periphery of the pen core.
直接又は間接的な加熱によって、ペン芯を構成する熱可塑性繊維を熔融させたものであること
を特徴とする請求項1に記載のペン先素材。The thermoplastic resin layer is
The nib material according to claim 1, wherein a thermoplastic fiber constituting the pen core is melted by direct or indirect heating.
その厚みが平均70μm以上であること
を特徴とする請求項1又は2に記載のペン先素材。The thermoplastic resin layer is
3. The nib material according to claim 1, wherein the average thickness is 70 μm or more.
その厚みが、前記熱硬化性樹脂層の厚みとの総計で400μm以下であること
を特徴とする請求項3に記載のペン先素材。The thermoplastic resin layer is
4. The nib material according to claim 3, wherein the thickness is 400 μm or less in total with the thickness of the thermosetting resin layer. 5.
ついで、熱硬化樹脂を硬化させてペン芯を形成し、
得た棒状のペン芯を加熱して、その外周部全面に前記熱可塑性繊維を熔融させて熱可塑性樹脂層を均一に形成させること
を特徴とするペン先素材の製造方法。After the bundling body made of thermoplastic fibers is impregnated with a thermosetting resin solution having a resin concentration of 2 to 17% by mass and integrated into a rod shape, the solvent is removed,
Next , the thermosetting resin is cured to form a pen core,
A method for producing a nib material, characterized in that the obtained rod-shaped pen core is heated and the thermoplastic fiber is melted on the entire outer periphery to uniformly form a thermoplastic resin layer.
を特徴とする多色筆記具。A plurality of the nib materials according to any one of claims 1 to 4 are assembled and integrated into a rod shape, and inks of different colors are ejected from the nib materials. Multicolor writing instrument.
集成した各ペン先素材の表面の熱可塑性樹脂層を、加熱熔融させて一体化させたものであること
を特徴とする請求項6に記載の多色筆記具。The plurality of nib materials are:
The multicolor writing instrument according to claim 6, wherein the thermoplastic resin layer on the surface of each assembled nib material is integrated by heat-melting.
加熱によって表面の熱可塑性樹脂層を、溶融させてペン先素材同士を結合一体化させたのち、
各ペン先素材から異なる色のインクを吐出させるように加工すること
を特徴とする多色筆記具の製造方法。A plurality of nib materials having a thermoplastic resin layer that is impermeable to ink on the surface and integrated with a thermosetting resin bundle of thermoplastic fibers inside are assembled.
After melting the thermoplastic resin layer on the surface by heating and combining the nib materials together ,
A method for producing a multicolor writing instrument, wherein processing is performed so that different colors of ink are ejected from each nib material.
加圧を伴うものであること
を特徴とする請求項8に記載の多色筆記具の製造方法。The heating is
The method for producing a multicolor writing instrument according to claim 8, wherein the method involves pressurization.
加熱前における複数のペン先素材の総和断面積を、80〜95%に圧縮するものであること
を特徴とする請求項9に記載の多色筆記具の製造方法。The pressure is
The method for producing a multicolor writing instrument according to claim 9, wherein the total cross-sectional area of the plurality of nib materials before heating is compressed to 80 to 95%.
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