JP4465383B2 - アレーアンテナ制御方法、受信アンテナ装置、および無線通信システム - Google Patents

アレーアンテナ制御方法、受信アンテナ装置、および無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、給電アンテナ素子と、終端インピーダンスが可変に調整できる無給電アンテナ素子からなるアレーアンテナ装置において、終端インピーダンスを制御し所望のアレーアンテナ指向性を実現する上で、試行回数と演算量を低減化し短時間に所望の指向性を実現するアレーアンテナ制御技術に関するものである。
給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子からなるアレーアンテナにおいて、無給電のアンテナ素子を可変容量素子であるバラクタダイオードによって終端したアンテナが検討されている。そして、そのようなアンテナにおける、従来のアレーアンテナ制御方法の技術が非特許文献1に開示されており、また、図11は、その従来のアレーアンテナ制御方法を説明するための図である。ここで、従来における第一の制御方法例としては、アレーアンテナA4と、アレーアンテナの制御を行う信号処理回路A81を備えている。アレーアンテナA4は、1本の給電アンテナ素子A1と、6本の無給電アンテナ素子A21〜A26と、接地導体と、6個のバラクタダイオードからなる。なお、図11中においては、6個のバラクタダイオードのうちの2つのみを示し、他の4個のバラクタダイオードは省略している。
そして、給電アンテナ素子A1は、無給電アンテナ素子A21〜A26に囲まれるように配置されている。給電アンテナ素子A1は、給電手段A61を介して送受信器A71に接続されており、さらに、信号処理回路A81に接続される。信号処理回路A81は、入出力ポートA62を備えており、通信信号はA62を介して入出力される。無給電アンテナ素子全ては、A51やA52で示すようなバラクタダイオードを介して接地されている。バラクタダイオードA51,A52は、信号処理回路A81より出力される制御電圧に応答して、そのリアクタンス値を変化させる。
そして、従来における第一の制御方法例では、受信信号と既知である参照信号を比較し、これらの相関係数が最大となるように最急勾配法を利用して、信号処理回路A81より出力される制御電圧を最適化する。給電素子と無給電素子の結合を表すインピーダンス行列を事前に調べておき、かつ所望波と干渉波の到来方向が全て既知である場合は、実際に信号を受信しなくても最適な放射パターンを与えるバラクタダイオードへの印加電圧を求めることができる。
また、従来における第二の制御方法例としては、無給電のアンテナ素子の終端素子の摂動のみによりアレーアンテナを制御する方法がある(非特許文献2)。図12にそのアンテナ構成を示す。図12において、B11とB12の給電アンテナ素子とB21とB22の無給電アンテナ素子からなり、無給電のアンテナ素子B21、B22はそれぞれ、可変である終端素子(可変容量素子)B51、B52に接続されている。全てのアンテナはxy平面内に配置されている。終端素子のインピーダンス値を摂動させるごとに受信特性を測定し、所望の受信特性が得られるまで摂動と測定を繰り返す。終端素子の制御には最急勾配法を用いている。異なる複数の終端条件を試行し量も受信特性の良好な終端条件を初期値とすることによって、収束を早める工夫がなされているが、デジタル制御も含めて所望の試行特性を得るまでに数10回以上のトレーニング信号の送受信が必要となっている。
J.Cheng,Y.Kamiya,T.Ohira,"Adaptive Beamforming of ESPAR Antenna Based on Steepest Gradient Algorithm",IEICE Trans. Commun.,Vol..E84-B, No. 7, pp. 1790-1800, July2001. 森下、山田他,「複数給電型パラサイトアレーにおける適応指向性制御の高速化」,電子情報通信学会2007年ソサイエティ大会、平成19年8月29日、通信講演論文集1,p.184
しかし、従来のアレーアンテナ制御法では、全ての到来波の到来方向が既知である必要があり、実際の屋内環境等では、所望波や干渉波も含めて様々な方向より多数の到来波(マルチパス波)が受信される。そのような複雑な伝搬環境においてアレーアンテナを制御するためには、全てのマルチパス波の到来方向を分解する必要があるため、受信アンテナにおいて何度も受信電力を測定したり、複雑な演算を繰り返す必要が生ずる。さらに各アンテナ素子の放射パターンを予め知っておく必要があり、周辺の構造物等により放射パターンが歪む場合は正確に適切な制御電圧を決定することができない。そのため、実際の通
信システムへの適用は難しい。
さらに実際は無線局の移動や周辺の人物の移動等により環境変動が発生するために、頻繁に伝搬環境を推定する必要が生じる。また、従来の第2の例で示す方法では、所望の受信特性を得るためには、何度もトレーニング信号を受信する必要があり、制御が完了するまでに多くの時間が必要となり、結果的に無線通信のスループットが劣化する。さらに、周囲環境が変動する場合は、その変動に追従できず、大きく通信特性が劣化するという課題があった。
本発明は、斯かる実情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、給電アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電アンテナ素子とからなるアレーアンテナにおいて、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなく、通信容量が最大となる所望の放射特性を実現する終端条件を算出することができる、アレーアンテナ制御方法、受信アンテナ装置、および無線通信システムを提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のアレーアンテナ制御方法は、アンテナ毎に個別の受信機が接続された受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子とを有する受信側のアレーアンテナと、前記アレーアンテナと通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子とを備えると共に、前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列が既知である無線通信システムにおけるアレーアンテナ制御方法であって、前記無線通信システム内の信号処理回路により、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させ、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップと、前記測定された伝達関数と前記インピーダンス行列とを基に前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算するステップと、前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するステップと、が行われることを特徴とする。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法は、アンテナ毎に個別の送信機が接続された送信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子とを有する送信側のアレーアンテナと、前記アレーアンテナと通信を行う受信機が接続された受信アンテナ素子とを備えると共に、前記送信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記送信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列が既知である無線通信システムにおけるアレーアンテナ制御方法であって、前記無線通信システム内の信号処理回路により、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させ、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップと、前記測定された伝達関数と前記インピーダンス行列とを基に前記無給電アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を計算するステップと、前記計算された無給電アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するステップと、が行われることを特徴とする。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法は、前記測定した伝達関数行列を基に、送信側のアンテナ素子と受信側のアンテナ素子との間の散乱行列を算出するステップと、前記散乱行列を基に、任意の終端条件における伝達関数行列を推定する伝達関数行列生成ステップと、前記任意の終端条件における伝達関数行列を基にチャネル容量を算出するチャネル容量算出ステップと、前記終端条件を変化させて前記伝達関数行列生成ステップと前記チャネル容量算出ステップを実行し、チャネル容量が最大になるように前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するステップと、が行われることを特徴とする。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法は、前記アレーアンテナ中の受信機が接続された受信アンテナ素子または前記アレーアンテナ中の送信機が接続された送信アンテナ素子の数がMr、前記アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrと等しいかまたはMpがMr未満である場合に、前記無給電アンテナ素子の終端条件を変化させ、各終端条件に対して送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップは、2通りの終端条件に対して伝達関数を測定すること、を特徴とする。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法は、前記アレーアンテナ中の受信機が接続された受信アンテナ素子または前記アレーアンテナ中の送信機が接続された送信アンテナ素子の数がMr、前記アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrより大きい場合に、前記無給電アンテナ素子の終端条件を変化させ、各終端条件に対して送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップは、Mp/Mr≦K<Mp/Mr+1、となるような(K+1)通りの終端条件に対して伝達関数を測定すること、を特徴とする。
また、本発明の受信アンテナ装置は、アンテナ毎に個別の受信機が接続された受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、前記受信アンテナ装置と通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子を有する送信アンテナ装置と、を備える無線通信システムにおける前記受信アンテナ装置であって、前記受信アンテナ装置内の信号処理回路には、前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列の情報を予め保持する手段と、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、前記インピーダンス行列と各終端条件に対して測定された伝達関数とを基に、前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算する手段と、前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信アンテナ装置は、アンテナ毎に個別の受信機が接続されたMr本の受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整されるMp本(Mp≦Mr)の無給電のアンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、前記受信アンテナ装置と通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子を有する送信アンテナ装置と、を備える無線通信システムにおける前記受信アンテナ装置であって、前記受信アンテナ装置内の信号処理回路は、前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスからなるインピーダンス行列の情報を予め保持する手段と、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、2通りの異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、前記インピーダンス行列と各終端条件に対して測定された伝達関数とを基に、前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算する手段と、前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信アンテナ装置は、アンテナ毎に個別の受信機が接続されたMr本の受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整されるMp本(Mp>Mr)の無給電のアンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、前記受信アンテナ装置と通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子を有する送信アンテナ装置と、を備える無線通信システムにおける前記受信アンテナ装置であって、前記受信アンテナ装置内の信号処理回路は、前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列の情報を予め保持する手段と、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、Mp/Mr≦K<Mp/Mr+1、となるような(K+1)通りの異なる終端条件下におけるに前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、前記インピーダンス行列と各終端条件に対して測定された伝達関数とを基に、前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算する手段と、前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の無線通信システムは、アンテナ毎に個別の送信機が接続された送信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子とを有する送信アンテナ装置と、前記送信アンテナ装置と通信を行う受信機と接続された受信アンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、を備えると共に、前記送信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記送信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列が既知である無線通信システムであって、前記送信アンテナ装置内の信号処理回路は、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて、複数の異なる終端条件下において前記受信アンテナ装置に信号を送信する手段と、前記受信アンテナ装置から終端インピーダンスの情報を受信して前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを設定する手段と、を備え、前記受信アンテナ装置内の信号処理回路は、前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、前記測定された伝達関数と前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、前記算出した終端インピーダンスを前記送信アンテナ装置に送信する手段と、を備えることを特徴とする。
本発明のアレーアンテナ制御方法においては、給電アンテナ素子と終端インピーダンスが可変である無給電アンテナ素子からなるアレーアンテナにおいて、無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させることにより、いくつかの異なる終端条件下における送信側の給電アンテナ素子と受信側の給電アンテナ素子との間の伝達関数を測定し、測定した伝達関数とアレーアンテナのインピーダンス行列とを基に、無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する。
これにより、給電アンテナ素子および終端インピーダンスが可変に調整される無給電素子からなるアレーアンテナにおいて、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数のみを測定することによって、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなく、通信容量が最大となる所望の放射特性を実現する終端インピーダンスを算出することができる。特に、無給電のアンテナ素子数と給電アンテナ素子数が等しい場合は、最低2回の測定だけで終端条件を決定できる。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法においては、受信機が接続された給電アンテナ素子である受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変である無給電アンテナ素子からなる受信側のアレーアンテナにおいて、アレーアンテナのインピーダンス行列が既知である場合に、いくつかの異なる終端条件下において送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の伝達関数を測定し、測定した伝達関数とインピーダンス行列とを基に、無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するようにしたので、これにより、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数のみを測定することによって、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなしに、所望の放射特性を実現する終端インピーダンスを算出することができる。特にアレーアンテナにおいて、無給電のアンテナ素子数と給電アンテナ素子数が等しい場合は、最低2回の測定だけで終端条件を決定できる。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法においては、送信機が接続された給電アンテナ素子である送信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変である無給電アンテナ素子からなる送信側のアレーアンテナにおいて、アレーアンテナのインピーダンス行列が既知である場合に、いくつかの異なる終端条件に対して、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の伝達関数を測定し、測定した伝達関数とインピーダンス行列とを基に、無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するようにしたので、これにより、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数のみを測定することによって、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなしに、所望の放射特性を実現する終端条件を算出することができる。特にアレーアンテナにおいて、無給電のアンテナ素子数と給電アンテナ素子数が等しい場合は、最低2回の測定だけで終端条件を決定できる。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法においては、測定した伝達関数行列を基に送信側のアンテナ素子と受信側のアンテナ素子との間の散乱行列を算出し、この散乱行列を基に、任意の終端条件における伝達関数行列を推定し、この伝達関数行列を基にチャネル容量を算出する。そして、終端条件を変化させてチャネル容量が最大になるように無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するようにしたので、これにより、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数の測定結果を基に、通信容量が最大となる所望の放射特性を実現する終端インピーダンスを算出することができる。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法においては、アレーアンテナ中の給電アンテナ素子の数がMr、アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrと等しいかまたはMpがMr未満である場合に、最低2回の伝達関数の測定だけで終端インピーダンスを算出するようにしたので、これにより、所望の放射特性を得るために何度も信号を受信する必要が無くなり、より少ない回数で所望の指向性を実現できる。
また、本発明のアレーアンテナ制御方法においては、アレーアンテ中の給電アンテナ素子の数がMr、アレーアンテ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrより大きい場合に、Mp/Mr≦K<Mp/Mr+1、となるような(K+1)通りの終端条件に対して伝達関数を測定するようにしたので、これにより、所望の放射特性を得るために何度も信号を受信する必要が無くなり、より少ない回数で所望の指向性を実現できる。
また、本発明の受信アンテナ装置においては、アレーアンテナ中の受信機が接続された受信アンテナ素子のインピーダンスと、無給電アンテナ素子のインピーダンスと、受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列の情報を予め保持しておく。そして、無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させ、いくつかの異なる終端条件下において送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の伝達関数を測定し、この伝達関数とアレーアンテナのインピーダンス行列とを基に、無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する。
これにより、受信アンテナ装置において、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数のみを測定することによって、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなしに、所望の放射特性を実現する終端インピーダンスを算出することができる。特にアレーアンテナにおいて、無給電のアンテナ素子数と給電アンテナ素子数が等しい場合は、最低2回の測定だけで終端条件を決定できる。
また、本発明の受信アンテナ装置においては、アレーアンテナ中の給電アンテナ素子の数がMr、アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrと等しいかまたはMpがMr未満である場合に、最低2回の伝達関数の測定だけで終端インピーダンスを算出するようにしたので、これにより、所望の放射特性を得るために何度も信号を受信する必要が無くなり、より少ない回数で所望の指向性を実現できる。
また、本発明の受信アンテナ装置においては、アレーアンテナ中の給電アンテナ素子の数がMr、アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrより大きい場合に、Mp/Mr≦K<Mp/Mr+1、となるような(K+1)通りの終端条件に対して伝達関数を測定するようにしたので、これにより、所望の放射特性を得るために何度も信号を受信する必要が無くなり、より少ない回数で所望の指向性を実現できる。
また、本発明の無線通信システムにおいては、送信アンテナ装置ではいくつかの異なる終端条件を無給電アンテナ素子に設定し、受信アンテナ装置に伝達関数を測定するための信号を送信する。受信アンテナ装置は、各終端条件に対する伝達関数を推定し、この伝達関数を基に、チャネル容量が最大となる終端条件を求め、この終端条件の情報を送信アンテナに伝達する。送信アンテナ装置では、受信アンテナ装置から受信した終端条件を無給電のアンテナ素子に設定する。
これにより、アレーアンテナを使用した無線通信システムにおいて、送信側のアンテナ素子と受信側のアンテナ素子との間で、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数のみを測定することによって、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなしに、所望の放射特性を実現する終端インピーダンスを算出することができる。特にアレーアンテナにおいて、無給電のアンテナ素子数と給電アンテナ素子数が等しい場合は、最低2回の測定だけで終端条件を決定できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明に使用される4素子のアレーアンテナの構成例を示す図であり、本発明の第1の実施の形態を説明するためのものである。図1(A)は平面図、図1(B)は断面図(A−A’における断面図)を示す。
アレーアンテナ4は、2素子の給電アンテナ素子11と12、2素子の無給電のアンテナ素子21と22からなるアレーアンテナであり、これらは誘電体基板3の上に構成されたマイクロストリップアンテナである。31は誘電体基板背面のグランド板、61と62は同軸線路による給電線路、51と52はそれぞれ、無給電のアンテナ素子21と22にスルーホール7を介して接続される可変容量素子であり、他方の端はグラウンド板31に接続されている。2つの無給電のアンテナ素子は2つの給電アンテナ素子の間に配置されており、かつ給電素子に十分近接しており、隣接素子と高い相互結合が生ずるよう構成されている。
これによって、給電アンテナ素子11、12を励振すると相互結合によって無給電のアンテナ素子21、22が間接的に励振され、さらに可変容量素子51、52を制御することによって、無給電アンテナ素子21、22の励振位相や振幅が変化する。それによって、可変容量素子51、52の容量値(リアクタンス値)を変えることによって放射パターンを制御することができる。ここで、無給電のアンテナ素子21、22の両端に給電アンテナ素子11、12を配置することによって、無給電のアンテナ素子21、22は両側から励振されることができ、アレーアンテナ全体の電流分布が均一になるため、アレーアンテナ全体で高い開口効率を実現できる。なお、前述の無給電アンテナ素子の終端インピーダンスは、可変容量素子51、52が相当する。
ここで、このアレーアンテナの反射・結合特性を表現する散乱行列(Sパラメータ)が既知であるものとして以下説明を行う。散乱行列は、給電アンテナ素子間の特性だけではなく、無給電のアンテナ素子の特性も含めて表現されており、これは予め測定あるいは計算しておくものと仮定する。また、散乱行列はインピーダンス行列から求めることが可能であり、散乱行列からインピーダンス行列を求めることも可能である。従って、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子の電気特性を表すインピーダンス行列を事前に求めておいでも良い。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる無線通信システムの構成を示す図であり、図1に示すアレーアンテナを受信アンテナ装置1に用いた無線通信システムの構成例である。この無線通信システムでは、信号処理回路91と送信機(1)〜(4)とアレーアンテナ92からなる送信アンテナ装置9から信号を送信し、受信アンテナ装置1で受信する。
受信アンテナ装置1は、図1に示したアレーアンテナ4に受信機(1)、(2)と信号処理回路81を接続して構成される。また、受信アンテナ装置1は、受信した信号をもとに、制御電圧信号を可変容量素子51、52に伝送し、受信アレーアンテナ4の放射パターンを制御する。ここで、図中、送信アンテナ数は4である。
送信側の信号処理回路91は、入力信号を各アンテナから送信できるよう変換し変調信号を生成する信号処理回路であり、送信アレーアンテナ92において複数の異なる信号を同時に送信するよう処理を行う。受信側の信号処理回路81は、アレーアンテナ4の各アンテナから受信機(1)、(2)経由で到達する信号について、複数の信号を分離・復調し所望の信号を抽出する処理を行う。それと同時に、後述の式(1)〜(13)の手順を用いて可変容量素子51、52に与える制御電圧信号を決定する。
図3は、図1に示すアレーアンテナと図2に示すアンテナ装置とを用いて、所望の放射特性を実現する方法を示すフローチャートである。以下、図3を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、受信アンテナ装置1の信号処理回路81では可変容量素子51、52に任意の値の制御電圧信号を与え、これを終端条件(1)と定義する(ステップS1)。
そのとき、送信アンテナ装置9は、トレーニング信号を送信する(ステップS2)。トレーニング信号は各送信アンテナと各受信アンテナの間の伝達関数を推定可能であるトレーニング信号であるものとし、例えば各アンテナから直交するトレーニング信号を送信するか、各送信アンテナから時間をずらしながらトレーニング信号を送信しても良い。
これによって、受信アンテナ装置1の信号処理回路81は、伝達関数行列Hを推定する(ステップS3)。この伝達関数は、送信機数が4、受信機数が2であるため、4×2の行列として取り扱うことができる。
次に、受信アンテナ装置1の信号処理回路81は、終端条件(1)と異なる制御電圧信号を可変容量素子51、52に与え、これを保持させる。これを終端条件(2)と定義する(ステップS4)。終端条件(1)および(2)は互いに放射パターンが大きく異なるよう与えた方が望ましい。
次に、送信アンテナ装置9は、終端条件(2)の状態で、送信アレーアンテナからトレーニング信号を送信し(ステップS5)、受信アンテナ装置1の信号処理回路81は、伝達関数行列Hを推定する。これも4×2の行列となる(ステップS6)。
そして、受信アンテナ装置1の信号処理回路81は、伝達関数行列HとHを用いて、全送信アレーアンテナと、無給電アンテナ素子を含む全受信アレーアンテナの伝達関数行列を後述の方法で計算する。これをHと定義し、この場合、両者とも4素子のアレーアンテナであるからHは4×4の伝達関数行列となる。
さらに、受信アンテナ装置1の信号処理回路81は、全受信アレーアンテナの伝達関数行列Hと受信アンテナの反射・結合特性を求めることによって(ステップS7)、後述の方法によってチャネル容量が最大となる終端条件を求め、これを設定する(ステップS8)。この終端条件をZPとする。ここで、終端条件は前述の2回の測定結果のみにもとづいて決定可能であり、逐次的に何度も測定する必要は無い。これでアレーアンテナの終端条件(制御電圧)の制御は完了し、データ伝送を開始する。
次に、具体的な伝達関数行列Hの計算手順を以下に示す。ここで、受信機と接続される給電アンテナ素子数と無給電のアンテナ素子数が等しいまたは、無給電のアンテナ素子数が少なく、かつ給電アンテナ素子数が2以外でも成立するよう一般化して説明する。
図4は、図2に示す無線通信システムにおいてアンテナ部分のみを説明する模式図である。ここで、送信アレーアンテナ数はMtとしている。
受信アレーアンテナは、受信機と接続されるMr本の給電アンテナ素子と、可変容量素子に接続されるM本の無給電アンテナ素子に分けて記述されており、便宜上無給電のアンテナ素子は全て基準インピーダンスZ0に接続されているものと仮定する。送信アンテナ素子と送信機間の給電線路、および受信アンテナ素子と受信機間の給電線路の特性インピーダンスは、基準インピーダンスZ0と等しいものと仮定する。
すると、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナは一つの回路系として見ることが可能であり、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナを含む散乱行列Sを定義することが可能である。図5は、これを等価回路として示した図である。送信ポートに参照面T、受信ポートに参照面R、無給電のアンテナに参照面Pを定義すると、この回路系の散乱行列は、
Figure 0004465383
と定義できる。これをシステム散乱行列と呼ぶものとする。ここで、SXYは行列であり、XとYにはT、R、Pの何れかが入るものとする。また、Sは対称行列であるため、SXY=SYX (‘’は転置を意味する)である。従って、下三角成分についてのみ説明する。
TTは送信アンテナの散乱行列、SRRは受信側の給電アンテナの散乱行列、SPPは無給電アンテナの散乱行列である。SPRは受信側の給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互結合を意味する散乱行列である。ここで、既知である成分は、STT、SRR、SPP、SPRであり、これらはアンテナのSパラメータを事前に測定しておくことによって得られる。一方、未知の成分はSRT,SPTであり、これは前述の無給電のアンテナ素子を含む伝達関数行列Hと一致し、
Figure 0004465383
と書ける。次に、式(1)の散乱行列について、無給電アンテナ素子のポートを終端した場合の応答を考える。受信アレーアンテナにおける終端条件を、Z=[z1,2,...zMP]と定義すると、終端条件を表す散乱行列を次のように定義する。
Figure 0004465383
ここで、1≦i≦Mすると、
Figure 0004465383
である。
無給電アンテナのポートを(3)の条件で終端した場合、図5のシステム散乱行列、S’は次のように表される。
Figure 0004465383
ここで、
Figure 0004465383
である。式(5)より、式(1)の散乱行列の全ての成分が求められていれば、無給電アンテナ素子の様々な終端条件に対応するシステム散乱行列を推定することができる。ここで、SRT+S PRΨSPTは実際に観測され得る送信アレーアンテナと、受信アレーアンテナの給電アンテナの間の伝達関数行列である。
次に、未知である成分、SRT、SPTを求める方法について明らかにする。受信アレーアンテナにおいて終端条件(1)と(2)に対応する終端条件を示す散乱行列をそれぞれ、ΓとΓと定義する。すると、式(6)よりそれぞれの終端条件に対するΨをそれぞれ、Ψ、Ψと定義する。従って、終端条件(1)と(2)を与えた場合に給電アンテナ素子で観測される伝達関数行列をそれぞれH、Hとすると、これらは、次のように表される。
Figure 0004465383
Figure 0004465383
式(7)、(8)より、未知数は次のように求められる。
Figure 0004465383
Figure 0004465383
ここで、(SPR =SRP はSRP =(SRP RP−1RP で定義される擬似逆行列で、図1のアンテナの場合のように、Mr=Mp(受信アレーアンテナにおける給電アンテナ素子数と無給電アンテナ素子数が等しい)場合は正方行列となるため、SRP =SRP −1となる。以上の手順によって全ての未知数を求めることができる。よって、任意の終端条件に対する伝達関数行列は、
Figure 0004465383
と求められる。ここで、式(9)、(10)から、伝達関数行列を推定するにあたって、送信アンテナの散乱行列は不要であり、受信側のアレーアンテナのみの散乱行列を事前に調べておく必要があることがわかる。さらに、チャネル容量を最大化するためには。式(11)から、
Figure 0004465383
によりチャネル容量Cを求めることができる。ここで、Iは単位行列、Pは受信電力σはノイズ電力であり、Mtは送信アンテナ素子数である。従って、
Figure 0004465383
によりチャネル容量Cが最大になるように終端条件を選択することによって、伝送速度を向上させることができる。様々な終端条件に対する伝達関数行列は式(11)により、実際に各終端条件に対する受信特性を測定しなくても、それを推定することができる。この手法は、干渉波が存在する場合に、干渉波を最も低減するよう終端条件を与えることにも適用可能である。最適な終端条件は様々な最適化法、例えば遺伝的アルゴリズム(GA:Genetic Algorithm)等を用いて求めることができる。
以上の方法によって、受信機と接続される給電アンテナ素子数と無給電のアンテナ素子数が等しいまたは、給電アンテナ素子数が無給電のアンテナ素子数より多い場合は、2回の伝達関数行列の測定のみによって、無給電のアンテナ素子の所望の終端条件を求めることが可能となる。これによって、実際に多数の終端条件を与え伝達関数行列を測定する必要がなくなるため、高速に所望の指向性を与えることができるようになる。また、信号処理回路が十分高速であれば、終端条件の制御に関わる処理時間を大幡に短縮可能であり、例えば、屋外環境のように電波伝搬環境の変動が早い場合でも高速に環境に追従することが可能である。従って、本アレーアンテナ制御法を用いることによって、アレーアンテナ素子数よりも受信機数が少ない場合でも、少ない演算量と少ない測定回数で高い受信特性を得ることができる。
なお、図2に示した例では、受信アンテナ装置1が、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子とで構成されるアレーアンテナ4を備え、送信アンテナ装置9が給電アンテナ素子で構成されるアレーアンテナ92を備える例を示したが、勿論、送信アンテナ装置9も、給電アンテナ素子と無給電アンテナ素子とで構成されるアレーアンテナ4を備えるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係わる無線通信システムの構成を示す図である。図6に示す例は、図1に示す無給電のアンテナ素子を持つアレーアンテナ4を送信アンテナ装置1Aに用いる場合の無線通信システムの構成例を示すものである。
図6において、送信側となる送信アンテナ装置1Aの信号処理回路82は、入力信号をアレーアンテナ4の各アンテナから送信できるよう変換し変調信号を生成する信号処理回路である。信号処理回路82は、送受信機(1)、(2)を経由して送信アレーアンテナ4から複数の異なる信号を同時に送信するよう処理を行う。また、受信アンテナ装置9Aの信号処理回路91Aは、各アンテナ92から受信機(1)〜(4)経由で到達する信号について、複数の信号を分離・復調し所望の信号を抽出する処理を行う。また、式(1)〜(13)の手順を用いて可変容量素子のインピーダンスを決定して、送信アンテナ装置1Aに伝達する処理を行なう。
上記構成において、アレーアンテナ4に送受信機(1)と(2)と信号処理回路82を接続した送信側の送信アンテナ装置1Aは、制御電圧信号を可変容量素子51、52に伝送し送信アレーアンテナ4の放射パターンを制御する。ここで、図6において、送信アンテナ数は2である。
図7は、図1に示すアレーアンテナと図6に示すアンテナ装置とを用いて、所望の放射特性を実現する方法を示すフローチャートである。以下、図7を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、送信アンテナ装置1Aの信号処理回路82では任意の値の制御電圧信号を与え、これを終端条件(1)と定義する(ステップS21)。そのとき、送信アンテナ装置1Aよりトレーニング信号を送信し、受信アンテナ装置9Aではそれを受信する(ステップS22)。
これによって受信アンテナ装置9Aの信号処理回路91Aにて伝達関数行列Hを推定する(ステップS23)。この伝達関数は、送信機数が2、受信機数が4であるため、2×4の行列として取り扱うことができる。
次に、送信アンテナ装置1Aの信号処理回路82において、終端条件(1)と異なる制御電圧信号を可変容量素子51、52に与え、これを保持させる。これを終端条件(2)と定義する(ステップS24)。終端条件(1)および(2)は互いに放射パターンが大きく異なるよう与えた方が望ましい。
次に、送信アンテナ装置1Aがトレーニング信号を送信し(ステップS25)、受信アンテナ装置9Aの信号処理回路91Aは終端条件(2)の状態で伝達関数行列Hを推定する(ステップS26)。これも2×4の行列となる。
受信アンテナ装置9Aの信号処理回路91Aは、伝達関数行列HとHを用いて全受信アレーアンテナと無給電アンテナ素子を含む全送信アレーアンテナの散乱行列Sを第1の実施の形態と同様の方法で計算する(ステップS27)
さらに、第1の実施の形態と同様に、チャネル容量が最大となる終端条件(終端インピーダンスZ)を求める(ステップS28)。ここで、終端条件は前述の2回の測定結果のみにもとづいて決定可能であり、逐次的に何度も測定する必要は無い。このようにして求められた終端条件(Z)を送信アンテナ装置1Aに伝達し(ステップS29)、送信アンテナ装置1Aでは、この終端条件をアレーアンテナ4の無給電のアンテナ素子21、22の可変容量素子51、52に設定する(ステップS30)。これで送信アンテナ装置1Aのアレーアンテナ4の終端条件(制御電圧)の制御は完了し、データ伝送を開始する。
[第3の実施の形態]
図8は、本発明の第3の実施の形態で使用されるアレーアンテナの例である。図8(A)は平面図、図8(B)は断面図(A−A’における断面図)を示している。このアレーアンテナは素子数が(M+2)素子のアレーアンテナであり、本発明における第3の実施の形態を説明するためのものである。
図8に示すアレーアンテナ4Aが図1に示すアレーアンテナ4と構成上異なるのは、図8に示すアレーアンテナ4AがMp素子の無給電のアンテナ素子により構成された点であり、他の構成は図1に示すアレーアンテナ4と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付している。
図8に示すように、アレーアンテナ4Aは、2素子の給電アンテナ素子11と12、Mp素子の無給電のアンテナ素子20からなるアレーアンテナである。無給電のアンテナ素子20はスルーホール7を介して可変容量素子50に接続されている。無給電のアンテナ素子20は2つの給電アンテナ素子11、12の間に配置されており、かつ隣接素子に十分近接しており、隣接素子と高い相互結合が生ずるよう構成されている。
これによって、給電アンテナ素子11、12を励振すると相互結合によって無給電のアンテナ素子20が間接的に励接され、さらに可変容量素子50を制御することによって、無給電アンテナ素子20の励振位相や振幅が変化する。それによって、可変容量素子50の容量値(リアクタンス値)を変えることによって放射パターンを制御することができる。なお、前述の無給電アンテナ素子の終端インピーダンスは、可変容量素子50が相当する。
ここで、無給電のアンテナ素子20の両端に給電アンテナ素子11、12を配置することによって、無給電のアンテナ素子20は両側から励振されることができ、アレーアンテナ全体の電流分布が均一になるため、アレーアンテナ全体で高い開口効率を実現できる。ここで、このアレーアンテナの反射・結合特性を表現する散乱行列(Sパラメータ)が既知であるものとして以下説明を行う。
図9は、本発明の第3の実施の形態に係わる無線通信システムの構成を示す図であり、図8に示すアレーアンテナ4Aを受信アンテナ装置1Bに用いた無線通信システムの構成例である。図9に示すシステムでは、信号処理回路91と送信機(1)〜(4)とアレーアンテナ92からなる送信アンテナ装置9から信号を送信する。図8に示すアレーアンテナ4Aに受信機(1)、(2)と信号処理回路83を接続した受信アンテナ装置1Bは、受信した信号をもとに、制御電圧信号を可変容量素子50に伝送し受信アレーアンテナ4Aの放射パターンを制御する。ここで、図中、送信アンテナ装置9の送信アンテナ数は4である。
送信側となる送信アンテナ装置9の信号処理回路91は、入力信号を各アンテナから送信できるよう変換し変調信号を生成する信号処理回路であり、アレーアンテナ92において複教の異なる信号を同時に送信するよう処理を行う。受信側となる受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83は、各アンテナから受信機(1)、(2)経由で到達する信号について、複数の信号を分離・復調し所望の信号を抽出する処理を行う。それと同時に、式(1)〜(13)の手順を用いて可変容量素子50に与える制御電圧信号を決定する。
図10は、図8に示すアレーアンテナと図9に示すアンテナ装置とを用いて、所望の放射特性を実現する方法を示すフローチャートである。以下、図10を参照して、その手順について説明する。
まず、受信アンテナ装置1Bに、初期条件として、k=0と与え(ステップS41)、受信アンテナ装置1Bでは可変容量素子50に任意の値の制御電圧信号を与える。受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83は、このときの終端条件を終端条件(k)と定義する(ステップS42)。そのとき、送信アンテナ装置9はトレーニング信号を送信する(ステップS43)。
トレーニング信号は各送信アンテナと各受信アンテナの間の伝達関数を推定可能であるトレーニング信号であるものとし、例えば各アンテナから直交するトレーニング信号を送信するか、各送信アンテナから時間をずらしながらトレーニング信号を送信しても良い。これによって、受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83では伝達関数行列Hを推定する(ステップS44)。この伝達関数は、送信機数が4、受信機数が2であるため、4×2の行列として取り扱うことができる。
次に、受信アンテナ装置1Bと送信アンテナ装置9において、kの値を1つ増加させ(ステップS45)、「k<Mp/Mr+1」である場合は、受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83は、新たな終端条件を与え、上記の手順を繰り返す(ステップS46:No)。
受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83は、「Mp/Mr+1≦k」となった場合に本ループ処理を終了し(ステップS46:Yes)、その時のループ回数がK+1回であったとする。これより、H,H,..Hの伝達関数行列が得られる。受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83は、伝達関数行列H,H,..Hを用いて全送信アレーアンテナと無給電アンテナ素子を含む全受信アレーアンテナの伝達関数行列を後述の方法で計算する(ステップS47)。
これと受信アンテナの反射・結合特性を求めることによって、受信アンテナ装置1Bの信号処理回路83は、後述の方法によってチャネル容量が最大となる終端条件(終端インピーダンスZ)を求める(ステップS48)。ここで、終端条件は前述のK+1回の測定結果のみにもとづいて決定可能であり、逐次的に何度も測定する必要は無い。これでアレーアンテナの終端条件(制御電圧)の制御は完了し、データ伝送を開始する。
次に具体的な最適な終端条件の推定方法について説明する。式(6)より、各終端条件に対応するΨをそれぞれ、Ψ,Ψ,...Ψと定義すると、終端条件ごとの伝達関数行列は、次のように表される。
Figure 0004465383
式(14)より、SRTを消去すると、
Figure 0004465383
となるから、これらをまとめて、
Figure 0004465383
となる。SPR はMr×Mpの行列であるから、kMr≧Mpであるから、
Figure 0004465383
のように求めることができる。SRTについても式(15)と(17)より、
Figure 0004465383
のように解くことができる。
以上から分かるように、式(17)の
Figure 0004465383
の行列のサイズは、kMr≧Mpであるから、式(17)が成立するためには、
Figure 0004465383
である必要がある。これが必要な測定回数(異なる終端条件の組合せ数)の条件であり、送信アンテナ数には依存しない。伝達関数行列はk=0,1,...Kだけ測定するため、最小限の測定回数はK+1回である。従って、給電アンテナ素子数が無給電アンテナ素子数より少ない場合は、その分K(測定回数=K+1)を増やす必要があることが分かる。また推定精度を向上させるためには、(19)の行列式の値が大きくなるよう、各測定におけるリアクタンス値の値が異なるように適切に与える必要がある。
以上の手順によって式(1)のシステム散乱行列が求められ、任意の終端条件に対する受信特性を式(11)により推定できる。ここで、式(17)、(18)から、伝達関数行列を推定するにあたって、送信アンテナの散乱行列は不要であり、受信側のアレーアンテナのみの散乱行列を事前に調べておく必要があることがわかる。
これによって、チャネル容量が最大になるように終端条件を選択することによって、伝送速度を向上させることができる。様々な終端条件に対する伝達関数行列は式(11)により、実際に各終端条件に対する受信特性を卿定しなくても、それを推定することができる。この手法は、干渉波が存在する場合に、干渉波を最も低減するよう終端条件を与えることにも適用可能である。最適な終端条件は様々な最適化法、例えば遺伝的アルゴリズ(GA:Genetic Algorithm)等を用いて求めることができる。
以上の方法によって、受信機と接続される給電アンテナ素子数より無給電のアンテナ素子数が多い場合でも、必要最低限の測定のみによって、無給電のアンテナ素子の所望の終端条件を求めることが可能となる。
これによって、実際に多数の終端条件を与え伝達関数行列を測定する必要がなくなるため、高速に所望の指向性を与えることができるようになる。また、信号処理回路が十分高速であれば、終端条件の制御に関わる処理時間を大幅に短縮可能であり、例えば、屋外環境のように電波伝搬環境の変動が早い場合でも高速に環境に追従することが可能である。従って、本アレーアンテナ制御法を用いることによって、アレーアンテナ素子数よりも受信機数が少ない場合でも、少ない演算量と少ない測定回数で高い受信特性を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明によれば、給電アンテナ素子と終端条件が可変である無給電アンテナ素子からなるアレーアンテナにおいて、アレーアンテナのインピーダンス行列もしくは散乱行列もしくはこれらを変換して得られるアレーアンテナ相互結合情報が既知である場合、いくつかの異なる終端条件に対する伝達関数のみを測定することによって、逐次的に指向性を変化させて何度も受信特性を測定することなしに、所望の放射特性を実現する終端条件を算出することができる。
特にアレーアンテナにおいて、無給電のアンテナ素子数と給電アンテナ素子数が等しい場合は、最低2回の測定だけで終端条件を決定できる。このように、所望の放射特性を得るために何度も所望信号を受信する必要が無くなり、より少ない回数で所望指向性を実現できるため、受信特性を推定するためのトレーニング信号の送受信回数を削減し、早期に通信を開始できるため、無線通信における通信速度を向上することができる。
また、環境変動が早い場合でも少ないトレーニング信号の送受信回数で指向性を決定できるため、環境変動に対して素早く追従し所望の指向特性を実現することができる。
また、到来波の数や方向の情報が必要ないため、複雑な到来方向推定演算を行うこと無しに指向性を決定することができる。また屋内環境のように多数のマルチパス波が到来するような到来方向推定が困難である環境においても、少ない測定回数と少ない演算量で所望の指向性を実現することができる。
また、無給電アンテナ素子における受信特性を推定できるため、例えばアレーアンテナ数に比べて送受信機数が少ない場合でも、無給電のアンテナ素子全てまたは一部に送受信機を取り付けた場合のアレーアンテナの特性を推定することができる。これはアンテナ素子数に対して少ない送受信機を用いた電波伝搬特性の測定装置に利用可能であり、測定装置の簡易化・低コスト化を実現できるという利点がある。特に、信号波の到来方向推定の高精度化等に利用できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の受信アンテナ装置、および受信アンテナ装置と送信アンテナ装置から構成される無線通信システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の実施の形態で使用される4素子のアレーアンテナの構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係わる無線通信システムの構成を示す図である。 図1に示すアレーアンテナと図2に示すアンテナ装置とを用いて所望の放射特性を実現する方法を示すフローチャートである。 図2に示す無線通信システムにおいてアンテナ部分のみを説明する模式図である。 図4に示すアレーアンテナ部分を等価回路として示した図である 本発明の第2の実施の形態に係わる無線通信システムの構成を示す図である。 図1に示すアレーアンテナと図6に示すアンテナ装置とを用いて所望の放射特性を実現する方法を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態で使用される(Mp+2)素子のアレーアンテナの構成例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係わる無線通信システムの構成を示す図である。 図8に示すアレーアンテナと図9に示すアンテナ装置とを用いて所望の放射特性を実現する方法を示すフローチャートである。 従来技術の例を示す第1の図である。 従来技術の例を示す第2の図である。
符号の説明
1、1B 受信アンテナ装置
1A 送信アンテナ装置
11、12 給電アンテナ素子
20、21、22 無給電アンテナ素子
3 誘電体基板
31 誘電体基板背面のグランド板
4、4A アレーアンテナ
50、51、52 可変容量素子(可変リアクタンス素子)
61、62 給電線路
7 スルーホール
81、82、83 信号処理回路
9 送信アンテナ装置
9A 受信アンテナ装置
91、91A 信号処理回路
92 アレーアンテナ

Claims (9)

  1. アンテナ毎に個別の受信機が接続された受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子とを有する受信側のアレーアンテナと、前記アレーアンテナと通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子とを備えると共に、前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列が既知である無線通信システムにおけるアレーアンテナ制御方法であって、
    前記無線通信システム内の信号処理回路により、
    前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させ、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップと、
    前記測定された伝達関数と前記インピーダンス行列とを基に前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算するステップと、
    前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するステップと、
    が行われることを特徴とするアレーアンテナ制御方法。
  2. アンテナ毎に個別の送信機が接続された送信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子とを有する送信側のアレーアンテナと、前記アレーアンテナと通信を行う受信機が接続された受信アンテナ素子とを備えると共に、前記送信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記送信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列が既知である無線通信システムにおけるアレーアンテナ制御方法であって、
    前記無線通信システム内の信号処理回路により、
    前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させ、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップと、
    前記測定された伝達関数と前記インピーダンス行列とを基に前記無給電アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を計算するステップと、
    前記計算された無給電アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するステップと、
    が行われることを特徴とするアレーアンテナ制御方法。
  3. 前記測定した伝達関数行列を基に、送信側のアンテナ素子と受信側のアンテナ素子との間の散乱行列を算出するステップと、
    前記散乱行列を基に、任意の終端条件における伝達関数行列を推定する伝達関数行列生成ステップと、
    前記任意の終端条件における伝達関数行列を基にチャネル容量を算出するチャネル容量算出ステップと、
    前記終端条件を変化させて前記伝達関数行列生成ステップと前記チャネル容量算出ステップを実行し、チャネル容量が最大になるように前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出するステップと、
    が行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアレーアンテナ制御方法。
  4. 前記アレーアンテナ中の受信機が接続された受信アンテナ素子または前記アレーアンテナ中の送信機が接続された送信アンテナ素子の数がMr、前記アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrと等しいかまたはMpがMr未満である場合に、
    前記無給電アンテナ素子の終端条件を変化させ、各終端条件に対して送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップは、
    2通りの終端条件に対して伝達関数を測定すること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアレーアンテナ制御方法。
  5. 前記アレーアンテナ中の受信機が接続された受信アンテナ素子または前記アレーアンテナ中の送信機が接続された送信アンテナ素子の数がMr、前記アレーアンテナ中の無給電アンテナ素子の数がMpであり、MpがMrより大きい場合に、
    前記無給電アンテナ素子の終端条件を変化させ、各終端条件に対して送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定するステップは、
    Mp/Mr≦K<Mp/Mr+1、となるような(K+1)通りの終端条件に対して伝達関数を測定すること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のアレーアンテナ制御方法。
  6. アンテナ毎に個別の受信機が接続された受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、前記受信アンテナ装置と通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子を有する送信アンテナ装置と、を備える無線通信システムにおける前記受信アンテナ装置であって、
    前記受信アンテナ装置内の信号処理回路には、
    前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列の情報を予め保持する手段と、
    前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、
    前記インピーダンス行列と各終端条件に対して測定された伝達関数とを基に、前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算する手段と、
    前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、
    を備えることを特徴とする受信アンテナ装置。
  7. アンテナ毎に個別の受信機が接続されたMr本の受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整されるMp本(Mp≦Mr)の無給電のアンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、前記受信アンテナ装置と通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子を有する送信アンテナ装置と、を備える無線通信システムにおける前記受信アンテナ装置であって、
    前記受信アンテナ装置内の信号処理回路は、
    前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスからなるインピーダンス行列の情報を予め保持する手段と、
    前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、2通りの異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、
    前記インピーダンス行列と各終端条件に対して測定された伝達関数とを基に、前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算する手段と、
    前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、
    を備えることを特徴とする受信アンテナ装置。
  8. アンテナ毎に個別の受信機が接続されたMr本の受信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整されるMp本(Mp>Mr)の無給電のアンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、前記受信アンテナ装置と通信を行う送信機と接続された送信アンテナ素子を有する送信アンテナ装置と、を備える無線通信システムにおける前記受信アンテナ装置であって、
    前記受信アンテナ装置内の信号処理回路は、
    前記受信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記受信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列の情報を予め保持する手段と、
    前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、Mp/Mr≦K<Mp/Mr+1、となるような(K+1)通りの異なる終端条件下におけるに前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、
    前記インピーダンス行列と各終端条件に対して測定された伝達関数とを基に、前記無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数を計算する手段と、
    前記計算された無給電アンテナ素子と送信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数と、前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、
    を備えることを特徴とする受信アンテナ装置。
  9. アンテナ毎に個別の送信機が接続された送信アンテナ素子と終端インピーダンスが可変に調整される無給電のアンテナ素子とを有する送信アンテナ装置と、前記送信アンテナ装置と通信を行う受信機と接続された受信アンテナ素子を有する受信アンテナ装置と、を備えると共に、前記送信アンテナ素子のインピーダンスと、前記無給電アンテナ素子のインピーダンスと、前記送信アンテナ素子と無給電アンテナ素子の相互インピーダンスとからなるインピーダンス行列が既知である無線通信システムであって、
    前記送信アンテナ装置内の信号処理回路は、
    前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを変化させて、複数の異なる終端条件下において前記受信アンテナ装置に信号を送信する手段と、
    前記受信アンテナ装置から終端インピーダンスの情報を受信して前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを設定する手段と、
    を備え、
    前記受信アンテナ装置内の信号処理回路は、
    前記送信アンテナ装置から送信される信号を受信し、複数の異なる終端条件下における前記送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の間の伝達関数を測定する手段と、
    前記測定された伝達関数と前記インピーダンス行列とを基に、前記無給電アンテナ素子の終端インピーダンスを算出する手段と、
    前記算出した終端インピーダンスを前記送信アンテナ装置に送信する手段と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
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