JP4464595B2 - Ceramic materials - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度化、軽量化、質感を改良したセラミックス材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
珪石-長石-粘土系一般磁器の強度を向上させたものとして、次のような磁器が知られている。
1)一般磁器原料組成の珪石-長石-粘土のうち、珪石の一部を弾性率の高いアルミナに置換したものであって、強化磁器という名称で知られている。ところが、この場合、珪石に由来する粗粒石英が素地中に含まれるため、粗粒周辺にクラックが発生し破壊源となりやすい。また、比重の大きいアルミナを素地中に含むため、製品のかさ比重が大きくなり、従来の磁器よりも重くなる。さらに透光性が乏しくなり美観を損ねるなどの不具合があった。
【0003】
2)一般磁器原料組成の珪石分をほぼ全量アルミナに置換し、粘土成分としてカオリンとセリサイトを用い、それら配合物を微粉砕したものであって、高強度磁器という名称で知られている。この場合は、前記強化磁器より強度アップがはかれるものの、かさ比重がさらに大きくなり重くなり、透光性は殆ど失われるという問題があった。
【0004】
3)一般磁器原料組成の長石分と珪石分の一部をアルミナに置換し、原料を微粉砕したもので、素地中にクリストバライトを析出させたクリストバライト磁器という名称で知られている。この場合も、アルミナを含むため前記した不具合があった。なお、素地内部に気孔を発生させ軽量化する方法も提案されているが、実用化に至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、上記の強度向上させた磁器と同程度の強度を維持し、かつ、かさ比重を一般磁器並に小さくでき、質感の高いセラミック材を提供する。特に、学校給食などで使われる従来の強化磁器に代替できる、高強度かつ軽量化が可能で質感の高い磁器材料としてのセラミックス材料を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の問題は、非晶質シリカ、または少なくとも非晶質シリカを含むシリカ質20〜50%、長石質10〜30%およびカオリン質25〜45%を主原料として配合した生素地を成形、焼成し、セラミック燒結素地に非晶質シリカに基づく粒径が1μm以下のナノ粒子状微結晶クリストバライトを10〜40%析出させ、かつ、かさ比重が2.35〜2.4であって、釉薬を備えた透光性セラミック燒結素地からなるとともに、そのクリストバライトの析出量によって熱膨張係数を調節可能としたことを特徴とする本発明の微構造に特徴がある磁器質のセラミックス材料によって、解決することができる。
【0008】
また、この発明は、好ましくは、前記シリカ質30〜40%、長石質10〜25%、カオリン質30〜40%を主原料とする形態、さらに、前記生素地を構成する原料の粒径を30μm以下のものとした形態、さらに前記焼成温度が1250〜1400℃である、好ましくは1300〜1350℃である形態に具体化される。
【0009】
さらに、本発明の磁器質のセラミックス材料は、前記した微構造の特徴と同じく製造過程の特徴とを併せ持ったセラミックス材料として、最も好適に具体化され得るのである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のセラミックス材料に係る実施形態について説明する。
先ず、本発明における析出クリストバライトについて説明する。本発明の特徴的事項は、セラミック燒結素地にクリストバライトを5〜50%、好ましくは10〜40%、析出させた点にあり、好ましくは、析出クリストバライトの粒径が1μm未満であり、かつこのセラミック燒結素地は、かさ比重が2.5を超えない点にもある。
【0011】
また、本発明の他の特徴的事項は、少なくとも非晶質シリカを含むシリカ原料であるシリカ質20〜50%(好ましくは30〜40%)、長石質10〜30%(好ましくは10〜25%)およびカオリン質25〜45%(30〜40%)を主原料として配合した生素地を、好ましくは粒径を30μm以下に粉砕し、成形し、焼成温度1250〜1400℃(好ましくは1300〜1350℃)で焼成し、クリストバライトを析出させた点にある。
そして、最も好ましい本発明のセラミックス材料の形態は、前記の微構造に基づく特徴と同じく製造過程の特徴とを併せ持ったセラミックス材料である。
【0012】
次に、本発明の各要件について作用とともに、詳細に説明する。
先ず、本発明においては、焼結素地中にクリストバライト結晶を析出させた点に最大の特徴がある。本発明では、その析出量は次の手法で求めた値である。標準試料として、平均粒径が0.1〜30μmのシリカ粉末を24〜48時間1400℃で加熱処理し、粉砕した粉末、または市販のクリストバライト粉末(例えば、太平洋セメント(株)製)を用いて、X回折装置(例えば、理学電機製X回折装置RINT−Ultima2200)により得られるX線回折チャートにおける、前記標準試料のクリストバライト第1ピークの面積を100としたとき、測定試料のクリストバライト析出量を同様にして得たX線回折チャートにおける第1ピークの面積の比率(%)で表示している。
【0013】
本発明において、クリストバライト析出量を前記のように限定した理由は、5%未満の場合は、十分な強度が得られないので、本発明の目的が達成できないからであり、また、50%以上は焼成時の形状安定性が劣化し、製品の製造が困難になるからである。
なお、本発明で用いる析出という用語は、結晶が存在しない状態から新たに結晶が生じる意味の他、クリストバライト以外の結晶がクリストバライトに変態する態様をも含むものとして用いている。
【0014】
本発明の作用について述べると、本発明のセラミックス材料の素地中にクリストバライトの微結晶(好ましくは、粒径が1μm以下のナノ粒子状微結晶)を析出させることにより、そのクリストバライトの周囲のガラスに、熱膨張係数差による圧縮応力を発生させることにより、構造中のドメインであるガラス相を強化することができ、その結果、構造全体の強度をアップさせるのである。
【0015】
なお、従来の素地中の石英粒子などの周囲のガラスに圧縮応力を発生させるというプレストレス理論では、結晶粒子が数十ミクロンレベルの粒径であることから、ガラス層と結晶粒子の境界層間に生じる応力が過大となり、このため、結晶粒子の周囲に環状亀裂が発生し、この亀裂が破壊起点となり強度をむしろ低下させてしまう傾向があった。しかし、本発明では、ナノレベルの微粒結晶が析出するため全体に応力分散し、このような破壊起点が生じにくくなり、強度向上に寄与する圧縮応力を発生させることができるのである。
【0016】
さらに、本発明では、如上のように強度を向上できる他、かさ比重が2.5を超えず、通常の珪石−長石−粘土系磁器と同程度であるから、アルミナ強化磁器のように重くはならないという軽量性という利点が保持される。また、従来の強化磁器などが備えていない質感、例えば好ましい透光性を付与することも可能であり、美観にも優れた製品を得ることができるのである。
【0017】
次に、本発明のセラミックス材料の原料構成について説明する。
シリカ質原料は、本発明の最も重要な原料であって、非晶質シリカ、または少なくとも非晶質シリカを含む原料である。ここで、非晶質シリカとしては、シリカガラス、溶融シリカ、合成シリカガラス、溶融石英ガラス、アモルファスシリカ、シリカゲルなど結晶性を有しないすべての非晶質シリカが含まれる。なお、この中でも、合成シリカガラス、溶融石英ガラスが本発明の目的に適合していて最も好ましい。
【0018】
このシリカ質の混合割合は、20%(重量%、以下同様)未満の場合、十分なクリストバライト析出量を得ることができないので、強度アップに寄与しない。また、50%超えの場合、焼成中に軟化しやすく所定の形状を保つことができないので、前記割合が好ましい。そのうちでも、30%〜40%が最も好ましい。
【0019】
次に、長石質原料は、焼結素地内に十分なガラスを生じさせ、セラミックス材料として基本的な強度を発現させる原料であるが、混合量が10%未満の場合、素地が全体に十分に焼結しないため、基本的な強度が得られない。また、30%超えの場合は、前記クリストバライトの析出を妨げる作用が働き、本発明の目的の強度が得られない。そのうちでも、10〜25%が最も好ましい。
【0020】
なお、長石質としてはカリ長石、ソーダ長石の他、セリサイトなどを含み、また高純度の長石以外に石英粒子を混在する品種も応用可能であるが、その場合、石英粒子の混在量は、焼成過程でガラス中に実質的に溶解してしまう程度の割合以下であることが望ましい。
【0021】
次に、カオリン質原料について説明すると、主として可塑性生素地の成形性を発現する原料であり、ここでは、カオリナイト鉱物系のみを意味するものではなく、カオリナイト、ハロイサイトなどを主成分とする、例えば、カオリン粘土、蛙目粘土、木節粘土など粘土類を意味する。
【0022】
その混合量は、25%未満の場合は、生素地の成形性が劣り、かつ内部に気泡が残留して焼結素地表面の平滑度を低下させ外観上好ましくない。また、45%超えの場合には、生地の成形性に悪影響を及ぼすようになり、工場生産上不都合なものとなる。そのうちでも、30〜40%が最も好ましい。
【0023】
なお、本発明における前記主たる原料、すなわちシリカ質、長石質およびカオリン質は、生素地全体の少なくとも80%を占めるよう配合するのが本発明の目的からみて好ましい。その他の原料としては、クリストバライトの析出を促進するためのMgO系原料、例えばタルク、生素地の成形性を増すため陶石、あるいは着色用金属酸化物の粉末等を20%を超えない範囲で添加できる。さらに、成形助剤として、従来から用いられる解膠剤、無機系または有機系バインダが適量、添加できるのは言うまでもない。
【0024】
また、本発明は、アルミナ、ジルコニアのようなガラスに難溶性の酸化物を含まない方がよいが、焼結体のかさ比重や透光性を劣化させない範囲で含まれるのは許容される。
【0025】
さらに、本発明では、成形用素地の調製にあたって、原料の粒度が重要な要件となっている。原料の粒度分布はある程度の広がりを持つが、好ましいクリストバライトの析出のためには、上記原料をボールミルなどで十分に湿式粉砕し、最大粒径が30μm未満となるよう、所定の目開きのスクリーンを通過させるのが好ましい。
【0026】
その理由は、この最大粒径が30μm以上となるような場合には、粒径の大きい粒子と周囲のガラス相との境界付近にマイクロクラックが発生しやすく、強度向上が阻害されるからである。最大粒径の好ましい値は15μm以下とするのがよい。特に、原料が結晶質シリカを含む場合は、その原料については、粒度を最大粒径が30μm未満の細粒とするのがよい。かくして、粒度を細かくすることによりマイクロクラックの発生による強度低下を防止すると同時に、シリカ質粉末の比表面積を大きくし活性化させ、クリストバライトへの転移を容易にする利点が得られる。
【0027】
また、焼結体の焼成温度も重要な要件となる。焼成温度が1250℃未満未満の場合は、シリカ質のクリストバライト化が十分に行われず、十分な強度が得られない。また、1400℃超えの場合は、素地が焼成中に変形を起こしやすく、所定形状の製品が得られない。この焼成温度は、前記目的に対してより好ましくは、1250℃〜1350℃である。
【0028】
かくして、本発明によれば、かさ比重が通常の珪石−長石−粘土系磁器と同程度の比較的軽量であって、アルミナ強化磁器のように重くなく、適度な透光性をそなえた高強度の磁器を、焼成中の変形を抑止しながら、製造できる。さらに、クリストバライトの析出量を調整することにより焼結体の熱膨張係数の調整が可能であり、釉薬との適正なマッチングを図ることもできるという利点が得られる。
【0029】
ここで焼結体の熱膨張係数の調整について、説明する。
一般に、釉薬を備えた焼結体の場合、釉薬の熱膨張係数が素地より大きすぎると釉薬に亀裂(貫入)が生じたり、釉薬の熱膨張係数が素地より小さすぎる釉薬が剥離(シバリング)するなど問題が生じる。このため、それぞれの熱膨張係数の調和を図ることが重要である。
【0030】
本発明では、焼結体本体の熱膨張係数を調整することが可能である。すなわち、焼成体中のクリストバライトの析出量を制御することにより、それが可能となる。クリストバライトは、250℃近辺においてα型〜β型の結晶転移があり、特にβ型は、一般の陶磁器などセラミックス材料に比較して大きな熱膨張係数を持っているので、析出量の多寡によって、素地の熱膨張係数を大きくも小さくもすることができるのである。
【0031】
クリストバライト析出量の制御は、非晶質シリカ質自体、あるいはクリストバライト析出に影響を及ぼす配合成分の配合率を増減させることにより行う。
例えば、非晶質シリカ質は、それ自体がクリストバライトの発生源であるので、その配合率はクリストバライトの析出に大きな影響を及ぼす。また、主原料の長石質は、含有するカリウム、ナトリウムなどアルカリ分により、素地中にシリカ質を取り込んだガラス相を増加させるので、クリストバライトの析出を抑制することになる。さらに、マグネシウム成分を含むタルクを極微量生地に加えると、マグネシウムが焼成段階で生地に生じるガラス相の粘性を低下させるため、ガラス相からのクリストバライトの遊離を容易にする。このため、クリストバライトの析出を増加させ、熱膨張係数を高める方向に働く。かくして、一般に用いられる釉薬の熱膨張係数、4.5〜6.0×10-6/℃に対して、本発明では、3.5〜7.5×10-6/℃の範囲の幅広い熱膨張係数を有する焼結体素地を製作でき、各種の釉薬とのマッチングを図ることができるのである。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
原料として、0.5〜1.0mmに粗粉砕した石英ガラス40%、平均粒径30μmの長石(大平長石SS−150)22%、平均粒径3μmの蛙目粘土10%、NZカオリン28%を混合し、原料と同量の水を加え、ポットミルにて39時間粉砕した。なお、ミル中には径10mmと15mmのアルミナボールを入れ、粉砕を実施した。この場合、解膠剤としてトリポリ燐酸0.6%を水に対し加えた。
【0033】
このようにして得た泥漿を350メッシュの篩を通し、凝集剤として10%のにがり溶液を、水に対し0.38%加え、よく攪拌した後にフィルタープレスにより脱水した。脱水後、鋳込成形により直方体のテストピースを作成し、予め設定した焼成温度で焼成して、測定用試料を得た。この試料について、曲げ強度、かさ比重などを測定した。また、試料の一部には、釉薬を塗布し1300℃で焼成し、施釉状態での強度を測定した。
次の表1に、上記実施例による試料の特性を、市販の強化磁器、高強度磁器、およびクリストバライト磁器を比較例として、併記して示す。
【0034】
【表1】

Figure 0004464595
【0035】
なお、ここで用いた換算強度とは、試料間のかさ比重の差が強度に及ぼす影響を省くために用いられるもので、次式によって求めた。
換算強度=曲げ強度/(かさ比重)2
この換算数値を比較することにより、同一重量での強度を比較することができるのである。なお、透光性は、試料を光源に向け目視で評価した。
この表1の結果によれば、実施例のもには、従来の強度改善した磁器に比べて、顕著に優れた強度を有することがわかる。また、かさ比重も小さく、透光性を備えた特徴が理解されよう。
【0036】
(実施例2)
次の表2に示す各種原料の混合物を、実施例1と同様の成形条件にて素地を作成し、成形、焼成して試料を製作し、その焼結体内部に発生するクリストバライト量の異なる試料を作成した。表2にその物性を示す。
各試料を振動ミルで粉砕した後、X線回折装置(多機能X線回折装置:RINT-Ultima2200(理学電機製)を用い、管電流20mA−管電圧40KV−CuKα1線使用のもとで、X線回折パターンを計測した。この測定結果から、クリストバライト第1ピーク(2θ=22±0.5度に現われるピーク)の面積(X線カウント数の積算による面積への変換)を求め、既述の標準試料の場合の面積比からクリストバライト析出量を算出した。(標準試料クリストバライト第1ピーク面積:183,564)
【0037】
【表2】
Figure 0004464595
【0038】
図1は、各試料のクリストバライトの析出量と曲げ強度の関係を示す。図1と表2によれば、クリストバライト量と曲げ強度はほぼ比例関係にあり、クリストバライト結晶も析出とその量が強度アップに不可欠であることがわかる。
また、一般の陶磁器の強度は100MPa程度であるが、クリストバライトを5%以上析出させることにより、強度は約20%アップし、また40%近く析出させた場合には、強化磁器(曲げ強度:180MPa)並みの強度を示すことがわかる。さらに、この実施例では、かさ比重は2.35〜2.4付近であり、市販の強化磁器・高強度磁器に比較して低い値(表1参照)を示しており、軽量かつ高強度であることが理解されよう。
【0039】
ここで、試料内部の析出クリストバライト粒子の形状観察結果について説明する。実施例2−1の試料を透過型電子顕微鏡で観察した結果を図2(明視野像および制限視野電子線回折像)に示す。
視野の中央に見える塊状の物体がクリストバライト結晶であるが、粒径が1μm以下の微結晶であることがわかる。また、結晶粒子の周囲のコントラストに変化が生じていることが観察されるが、これはガラス層に応力が作用した結果である。
さらに、一般磁器のプレストレス理論で言われるような結晶粒子の周囲に発生する環状亀裂はなく、破壊起点となるような欠陥も見当たらない。このようにして、クリストバライト微小結晶の周囲に発生した圧縮応力が、破壊欠陥を作ることなく作用し、この応力の積算により、全体強度が向上したことを裏づける結果が観察された。
【0040】
この電子顕微鏡における測定概要は以下の通りである。
試料調整:イオン研磨法による薄片化処理、および真空蒸着法によるカーボンコーティングにより試料の帯電防止実施をおこなった。
測定条件:測定機:日本電子製、透過型電子顕微鏡(JEM―2010)、加速電圧:200KV
【0041】
(実施例3)
原料として使用するシリカ質の種類の影響を見るため、表3に示す品種の原料用い、所定の原料組成にて、実施例1と同条件にて試料を作成して、実施例2に同じくクリストバライトの発生量を測定した。その結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
Figure 0004464595
【0043】
本実施例では、4種類のシリカ質原料により、クリストバライトの発生に及ぼす影響を調査したが、表3に示す通り、析出量の差が認められるたものの、いずれの場合も内部にクリストバライトが析出しており、強度アップ効果が認められた。特に、アモルファス単体と結晶シリカを含んだものとの間で顕著な差異は見られず、少なくとも、非晶質シリカがクリストバライト化に際して重要な成分であることがわかる。
【0044】
(実施例4)
表4には、生素地を構成する原料の粒度の影響を示す。
表4に示す原料配合物を実施例1と同様にポットミル粉砕により、試料を作成した。なお、このときに通常よりも粉砕時間を調節して、粒度の異なる試料を準備し、それらの焼結体について実施例2と同様にクリストバライト析出量を測定した。その結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
Figure 0004464595
【0046】
表4に示すように原料粒度の粗い実施例4−1、−2、−3に比較して、粒度の細かい実施例4−4、−5のクリストバライト析出量が大であることがわかる。従って、ほぼ同様の原料組成においても、最大粒径を小さく設定することにより、シリカ質のクリストバライト化を促進し、より強度アップに寄与できることが理解できよう。
【0047】
(実施例5)
次に、表5に原料混合組成の影響について示す。
表5に示す原料混合組成の試料を実施例1と同様に作成した。なお、焼成温度は1300℃であった。なお、このとき、生素地を型成形によって想定形状に作りやすいかの観点から成形性の評価、および焼成時の形状変化の程度により形状安定性の評価を行った。また、これらの試料を実施例2と同様の方法でクリストバライト析出量の測定を行った。
【0048】
【表5】
Figure 0004464595
【0049】
この実施例5の結果によれば、非晶質の石英ガラスの混合量の減少は、クリストバライトの発生量の低下を招くため、20%未満では十分な強度アップが望めない。またその混合量を増大することにより、焼成時の形状安定性が低下し、特に50%を超えた場合、当初予定した製品の形状を維持することが困難になることが確認された。
【0050】
長石質が多い場合、クリストバライトの析出量の低下傾向が認められ、また焼成後の形状安定性も低下することがわかる。特に30%を超えた場合、クリストバライトの析出量、成形性ともに悪化し、十分な強度を得られなくなり、製品形状の維持も困難になる。また反対に混合量が少ない場合には、焼成時の緻密化が妨げられるのが認められた。特に、10%以下のになるとその傾向が顕著に現われた。
【0051】
また、カオリン質の混合量が少ない場合、焼成時の形状安定性が悪化する傾向が見られ、特に、25%より少ないときには製品形状が維持できないこと確認された。また、焼成時の観察によれば、内部気泡が陶磁器表面に現われるブローチング現象が見られ、表面がザラザラした仕上がりとなってしまった。逆に添加量を多くした場合、生素地の成形性が若干低下する傾向が見られた。
【0052】
(実施例6)
実施例1と同様の原材料、手法を用いて、焼成温度を変化させた試料を作成し、焼成時の形状安定性性を確認した。また、得られた試料を実施例2と同様の方法でクリストバライト析出量を測定した。その結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
Figure 0004464595
【0054】
表6によれば、1400℃よりも焼成温度が高いと焼成時の形状安定性が著しく低下し、所期の製品形状の維持が困難になるので工業的な製品化が困難になることがわかる。また、同時に強度アップに必要なクリストバライトの析出も認められなかった。一方、焼成温度が低い場合、クリストバライト析出量は低下してしまい、1200℃ではクリストバライトの析出が確認されなかった。このことから、クリストバライトによる強度アップに効果のある最適温度範囲は、1300℃〜1350℃であることがわかる。また、析出結晶の安定化により、焼成時の寸法安定性は、クリトスバライトの結晶析出により、より好ましく高められているものと考えられる。なお、この実施例では、生素地の成形性に関しては全く問題がなかった。
【0055】
【発明の効果】
本発明のセラミックス材料は、以上説明したように構成されているので、以下に説明するような優れた効果がある。
1)本発明のセラミックス材料では、微細なクリストバライト結晶の析出により、従来の磁器に比べ同重量で最上位の強度を有しているため、陶磁器製品に応用すれば従来の高強度磁器などに比較して顕著な軽量化が可能となる。また、優れた透光性を有する質感にすぐれた製品も提供できるようになる。
【0056】
2)現在の高強度磁器など同様の製造ラインが使用できるため、新たな設備投資がいらない。熱膨張係数を調節できるため、広い範囲の釉薬とのマッチングを図ることが可能となる。さらにかさ比重が小さいので、熱伝導率が小さくなり、熱さを伝えにくいので食器材料として特に有用である。
【0057】
3)本発明のセラミックス材料は、焼成時の寸法安定性も優れていて、変形も少ないから、工業的生産において生産性を高めることができる。
かくして、従来の高強度磁器などの問題点を解消した、新たな磁器製品を商品化するための基本的セラミックス材料として、その技術的価値はきわめて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリストバライトの析出量と曲げ強度の関係を示すグラフ。
【図2】析出クリストバライト粒子の電子顕微鏡写真(明視野像および制限視野電子線回折像)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ceramic material having high strength, light weight, and improved texture.
[0002]
[Prior art]
The following types of porcelain are known to improve the strength of silica-feldspar-clay general porcelain.
1) Of the quartzite-feldspar-clay of general porcelain raw material composition, a part of the quartzite is replaced with alumina having a high elastic modulus, which is known as a strengthened porcelain. However, in this case, since coarse quartz derived from silica is contained in the substrate, cracks are likely to occur around the coarse grains and easily become a source of destruction. Moreover, since alumina with a large specific gravity is included in the substrate, the bulk specific gravity of the product is increased, which is heavier than conventional porcelain. Furthermore, there were problems such as poor translucency and impaired aesthetics.
[0003]
2) Almost all of the silica component of the general porcelain raw material composition is replaced with alumina, kaolin and sericite are used as clay components, and these compounds are finely pulverized, and are known as high-strength porcelain. In this case, although the strength is improved as compared with the reinforced porcelain, the bulk specific gravity becomes larger and heavier, and there is a problem that the translucency is almost lost.
[0004]
3) A part of feldspar and quartzite in a general porcelain raw material composition is replaced with alumina, and the raw material is finely pulverized. This is known as a cristobalite porcelain in which cristobalite is precipitated in the substrate. Also in this case, there was the above-mentioned problem because it contained alumina. A method for reducing the weight by generating pores inside the substrate has also been proposed, but has not yet been put into practical use.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems, and maintains the same strength as the above-described enhanced porcelain, and can reduce the bulk specific gravity to the same level as general porcelain, and has a high texture. Provide ceramic materials. In particular, the present invention provides a ceramic material as a porcelain material that can be replaced with a conventional reinforced porcelain used in school meals, and that has a high strength, a light weight, and a high texture.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The above problem is that the raw material containing amorphous silica or siliceous 20-50% containing at least amorphous silica, 10-30% feldspar, and 25-45% kaolin is used as a main raw material. 10 to 40% of nanoparticulate microcrystalline cristobalite having a particle size of 1 μm or less based on amorphous silica is deposited on the ceramic sintered body , and the bulk specific gravity is 2.35 to 2.4, A ceramic ceramic material characterized by the microstructure of the present invention, characterized in that it comprises a translucent ceramic sintered body provided and the thermal expansion coefficient can be adjusted by the amount of cristobalite deposited. It is Ru can.
[0008]
Moreover, this invention, Preferably, the form which uses the said siliceous 30-40%, feldspar 10-25%, and kaolin 30-30% as a main raw material, Furthermore, the particle size of the raw material which comprises the said raw material base The present invention is embodied in a form having a thickness of 30 μm or less and a form in which the firing temperature is 1250 to 1400 ° C., preferably 1300 to 1350 ° C.
[0009]
Furthermore, the porcelain ceramic material of the present invention can be most preferably embodied as a ceramic material having the characteristics of the manufacturing process as well as the characteristics of the microstructure described above.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment according to the ceramic material of the present invention will be described.
First, the precipitated cristobalite in the present invention will be described. The characteristic feature of the present invention is that cristobalite is deposited on a ceramic sintered body in an amount of 5 to 50%, preferably 10 to 40%. Preferably, the grain size of the deposited cristobalite is less than 1 μm, and the ceramic There is also a point that the bulk specific gravity does not exceed 2.5.
[0011]
In addition, other characteristic matters of the present invention include siliceous 20 to 50% (preferably 30 to 40%) which is a silica raw material containing at least amorphous silica, and feldsparic 10 to 30% (preferably 10 to 25). %) And kaolinic material of 25 to 45% (30 to 40%) as a main raw material, preferably, the green particle size is pulverized to 30 μm or less, molded, and calcined at 1250 to 1400 ° C. (preferably 1300 to 1300). 1350 ° C.) to deposit cristobalite.
The most preferable form of the ceramic material according to the present invention is a ceramic material having both the characteristics based on the microstructure and the characteristics of the manufacturing process.
[0012]
Next, each requirement of the present invention will be described in detail together with the operation.
First, the present invention has the greatest feature in that cristobalite crystals are precipitated in the sintered body. In the present invention, the amount of precipitation is a value determined by the following method. As a standard sample, silica powder having an average particle size of 0.1 to 30 μm was heat-treated for 24 to 48 hours at 1400 ° C. and pulverized, or commercially available cristobalite powder (for example, Taiheiyo Cement Co., Ltd.). When the area of the first peak of cristobalite of the standard sample is 100 in the X-ray diffraction chart obtained by an X diffractometer (for example, X diffractometer RINT-Ultima2200 manufactured by Rigaku Corporation), the cristobalite precipitation amount of the measurement sample is the same. The ratio of the area of the first peak in the X-ray diffraction chart obtained as described above (%).
[0013]
In the present invention, the reason for limiting the amount of cristobalite precipitation as described above is that, if it is less than 5%, sufficient strength cannot be obtained, so the object of the present invention cannot be achieved, and more than 50% This is because the shape stability at the time of firing deteriorates and it becomes difficult to manufacture the product.
In addition, the term “precipitation” used in the present invention is used to include a mode in which crystals other than cristobalite are transformed into cristobalite, in addition to the meaning that crystals are newly generated from a state where no crystals exist.
[0014]
The action of the present invention will be described. The crystal around the cristobalite is precipitated by precipitating cristobalite microcrystals (preferably nanoparticulate microcrystals having a particle size of 1 μm or less) in the ceramic material substrate of the present invention. Furthermore, by generating a compressive stress due to a difference in thermal expansion coefficient, the glass phase that is a domain in the structure can be strengthened, and as a result, the strength of the entire structure is increased.
[0015]
In the pre-stress theory in which compressive stress is generated in the surrounding glass such as quartz particles in the conventional substrate, since the crystal particles have a particle size of several tens of microns, it is between the boundary layer between the glass layer and the crystal particles. The stress generated is excessive, and therefore, there is a tendency that an annular crack is generated around the crystal grain, and this crack becomes a fracture starting point and rather the strength is lowered. However, in the present invention, since nano-sized fine crystals are precipitated, the stress is dispersed throughout, and it becomes difficult to generate such a fracture starting point, and a compressive stress contributing to strength improvement can be generated.
[0016]
Furthermore, in the present invention, the strength can be improved as described above, and the bulk specific gravity does not exceed 2.5 and is comparable to ordinary silica-feldspar-clay-based porcelain. It retains the advantage of being lightweight. In addition, it is possible to impart a texture that is not provided by the conventional reinforced porcelain, for example, preferable translucency, and it is possible to obtain a product that is excellent in aesthetic appearance.
[0017]
Next, the raw material structure of the ceramic material of the present invention will be described.
The siliceous raw material is the most important raw material of the present invention, and is an amorphous silica or a raw material containing at least amorphous silica. Here, the amorphous silica includes all amorphous silicas having no crystallinity, such as silica glass, fused silica, synthetic silica glass, fused silica glass, amorphous silica, and silica gel. Of these, synthetic silica glass and fused silica glass are most preferable because they are suitable for the purpose of the present invention.
[0018]
When the siliceous mixing ratio is less than 20% (% by weight, the same applies hereinafter), a sufficient amount of cristobalite precipitate cannot be obtained, and thus does not contribute to the increase in strength. Moreover, since it is easy to soften during baking and a predetermined shape cannot be maintained when it exceeds 50%, the said ratio is preferable. Among these, 30% to 40% is most preferable.
[0019]
Next, the feldspar raw material is a raw material that produces sufficient glass in the sintered base and exhibits basic strength as a ceramic material. However, if the mixing amount is less than 10%, the base is sufficient on the whole. Since it is not sintered, basic strength cannot be obtained. On the other hand, if it exceeds 30%, the action of preventing the cristobalite from precipitating works, and the intended strength of the present invention cannot be obtained. Among these, 10 to 25% is most preferable.
[0020]
In addition to feldspar, soda feldspar, sericite, etc. as feldspar, varieties that contain quartz particles in addition to high-purity feldspar are also applicable. It is desirable that the ratio be equal to or less than the extent of being substantially dissolved in the glass during the firing process.
[0021]
Next, the kaolinaceous raw material will be described mainly as a raw material that expresses the moldability of the plastic raw material, and does not mean only kaolinite mineral system, but mainly contains kaolinite, halloysite, For example, it means clays such as kaolin clay, lacquered clay and kibushi clay.
[0022]
When the mixing amount is less than 25%, the green substrate has poor moldability, and bubbles remain in the interior, which lowers the smoothness of the sintered substrate surface, which is not preferable in appearance. On the other hand, if it exceeds 45%, the moldability of the dough is adversely affected, which is inconvenient for factory production. Among these, 30 to 40% is most preferable.
[0023]
In view of the object of the present invention, the main raw materials in the present invention, that is, siliceous, feldsparous and kaolinic substances are preferably blended so as to occupy at least 80% of the whole green substrate. Other raw materials include MgO-based raw materials for promoting the precipitation of cristobalite, such as talc, porcelain stones for increasing the green formability, and metal oxide powders for coloring in a range not exceeding 20%. it can. Furthermore, it goes without saying that an appropriate amount of a conventionally used peptizer, inorganic or organic binder can be added as a molding aid.
[0024]
In the present invention, it is better not to include a hardly soluble oxide in a glass such as alumina or zirconia, but it is allowed to be included in a range that does not deteriorate the bulk specific gravity and translucency of the sintered body.
[0025]
Furthermore, in the present invention, the particle size of the raw material is an important requirement in the preparation of the molding substrate. Although the particle size distribution of the raw material has a certain extent, for the preferable precipitation of cristobalite, the above raw material is sufficiently wet pulverized with a ball mill or the like, and a screen with a predetermined opening is provided so that the maximum particle size is less than 30 μm. Passing through is preferred.
[0026]
The reason is that when the maximum particle size is 30 μm or more, microcracks are likely to occur near the boundary between the large particle size and the surrounding glass phase, and the strength improvement is hindered. . A preferable value of the maximum particle size is preferably 15 μm or less. In particular, when the raw material contains crystalline silica, the particle size of the raw material is preferably a fine particle having a maximum particle size of less than 30 μm. Thus, by reducing the particle size, it is possible to prevent the strength from being reduced due to the occurrence of microcracks, and at the same time, increase the specific surface area of the siliceous powder and activate it, thereby facilitating the transition to cristobalite.
[0027]
Also, the firing temperature of the sintered body is an important requirement. When the firing temperature is lower than 1250 ° C., siliceous cristobalite is not sufficiently formed, and sufficient strength cannot be obtained. Moreover, when it exceeds 1400 degreeC, a base material tends to deform | transform during baking and the product of a predetermined shape cannot be obtained. This firing temperature is more preferably 1250 ° C. to 1350 ° C. for the purpose.
[0028]
Thus, according to the present invention, the bulk specific gravity is comparatively light like ordinary silica-feldspar-clay-based porcelain, is not heavy like alumina reinforced porcelain, and has high strength with appropriate translucency. Can be produced while suppressing deformation during firing. Furthermore, by adjusting the amount of cristobalite deposited, it is possible to adjust the thermal expansion coefficient of the sintered body, and there is an advantage that proper matching with the glaze can be achieved.
[0029]
Here, adjustment of the thermal expansion coefficient of the sintered body will be described.
In general, in the case of a sintered body with glaze, if the thermal expansion coefficient of the glaze is too large than the base, the glaze will crack (penetrate), or the glaze whose thermal expansion coefficient is too small than the base will peel (severing) Problems arise. For this reason, it is important to aim at harmony of each thermal expansion coefficient.
[0030]
In the present invention, the thermal expansion coefficient of the sintered body can be adjusted. That is, it becomes possible by controlling the amount of cristobalite deposited in the fired body. Cristobalite has α-type to β-type crystal transitions around 250 ° C. Especially, β-type has a larger coefficient of thermal expansion than ceramic materials such as general ceramics. The coefficient of thermal expansion can be increased or decreased.
[0031]
The amount of cristobalite deposited is controlled by increasing or decreasing the blending ratio of the amorphous siliceous substance itself or the blending component that affects cristobalite deposition.
For example, amorphous siliceous material itself is a source of cristobalite, so its compounding ratio has a great influence on cristobalite precipitation. Further, the feldspar as the main raw material increases the glass phase in which the siliceous material is incorporated into the substrate due to the alkali content such as potassium and sodium contained therein, and thus suppresses the precipitation of cristobalite. Furthermore, when talc containing a magnesium component is added to a very small amount of dough, magnesium reduces the viscosity of the glass phase generated in the dough during the baking step, so that cristobalite is easily released from the glass phase. For this reason, it increases the precipitation of cristobalite and increases the thermal expansion coefficient. Thus, in contrast to the commonly used thermal expansion coefficient of glazes of 4.5 to 6.0 × 10 −6 / ° C., the present invention has a wide range of heat in the range of 3.5 to 7.5 × 10 −6 / ° C. A sintered body having an expansion coefficient can be manufactured, and matching with various glazes can be achieved.
[0032]
【Example】
Example 1
As raw materials, 40% quartz glass coarsely pulverized to 0.5 to 1.0 mm, 22% feldspar with an average particle size of 30 μm (Oohira feldspar SS-150), 10% Sasame clay with an average particle size of 3 μm, 28% NZ kaolin The same amount of water as the raw material was added, and the mixture was pulverized in a pot mill for 39 hours. In the mill, alumina balls having diameters of 10 mm and 15 mm were put and pulverized. In this case, 0.6% tripolyphosphoric acid was added to water as a peptizer.
[0033]
The slurry thus obtained was passed through a 350-mesh sieve, and a 10% bittern solution as a flocculant was added to the water in an amount of 0.38%. After dehydration, a rectangular parallelepiped test piece was produced by casting and fired at a preset firing temperature to obtain a measurement sample. About this sample, bending strength, bulk specific gravity, etc. were measured. Moreover, glaze was apply | coated to one part of the sample, it baked at 1300 degreeC, and the intensity | strength in a glazed state was measured.
In Table 1 below, the characteristics of the samples according to the above-described examples are shown together with commercially available strengthened porcelain, high-strength porcelain, and cristobalite porcelain as comparative examples.
[0034]
[Table 1]
Figure 0004464595
[0035]
The converted strength used here is used to eliminate the influence of the difference in bulk specific gravity between samples on the strength, and was calculated by the following equation.
Converted strength = bending strength / (bulk specific gravity) 2
By comparing the converted numerical values, the strength at the same weight can be compared. The translucency was evaluated visually with the sample facing the light source.
According to the results in Table 1, it can be seen that the example also has a remarkably superior strength as compared with the conventional porcelain with improved strength. In addition, it will be understood that the bulk specific gravity is small and has translucency.
[0036]
(Example 2)
Samples with different amounts of cristobalite generated inside the sintered body are prepared by preparing a green body under the same molding conditions as in Example 1, molding and firing the mixture of various raw materials shown in Table 2 below. It was created. Table 2 shows the physical properties.
After each sample was pulverized with a vibration mill, an X-ray diffractometer (multifunctional X-ray diffractometer: RINT-Ultima2200 (manufactured by Rigaku Corporation) was used, and a tube current of 20 mA and a tube voltage of 40 KV-CuKα1 were used. From the measurement result, the area of the first cristobalite peak (peak appearing at 2θ = 22 ± 0.5 degrees) (conversion to the area by integrating the X-ray counts) was obtained, and The amount of cristobalite deposited was calculated from the area ratio in the case of the standard sample (standard sample cristobalite first peak area: 183,564).
[0037]
[Table 2]
Figure 0004464595
[0038]
FIG. 1 shows the relationship between the amount of cristobalite deposited and the bending strength of each sample. 1 and 2 show that the amount of cristobalite and the bending strength are in a proportional relationship, and cristobalite crystals are precipitated and the amount thereof is indispensable for increasing the strength.
Moreover, the strength of general ceramics is about 100 MPa. However, when 5% or more of cristobalite is deposited, the strength is increased by about 20%, and when nearly 40% is deposited, reinforced porcelain (bending strength: 180 MPa). ) It shows that it shows the same strength. Further, in this example, the bulk specific gravity is in the vicinity of 2.35 to 2.4, indicating a low value (see Table 1) compared to commercially available reinforced porcelain / high-strength porcelain. It will be understood that there is.
[0039]
Here, the shape observation result of the precipitated cristobalite particles inside the sample will be described. The result of observing the sample of Example 2-1 with a transmission electron microscope is shown in FIG. 2 (bright-field image and restricted-field electron diffraction image).
It can be seen that the massive object seen in the center of the field of view is a cristobalite crystal, but is a microcrystal having a particle size of 1 μm or less. Moreover, it is observed that the contrast around the crystal grains is changed, which is a result of the stress acting on the glass layer.
Furthermore, there are no annular cracks that occur around crystal grains as in the prestress theory of general porcelain, and there are no defects that can cause fracture. Thus, it was observed that the compressive stress generated around the cristobalite microcrystals acted without creating a fracture defect, and the total strength was improved by integrating the stress.
[0040]
The outline of measurement in this electron microscope is as follows.
Sample preparation: Antistatic treatment of the sample was performed by thinning treatment by ion polishing and carbon coating by vacuum deposition.
Measurement conditions: Measuring instrument: JEOL Ltd., transmission electron microscope (JEM-2010), acceleration voltage: 200 KV
[0041]
(Example 3)
In order to see the effect of the type of siliceous material used as a raw material, a sample was prepared using the raw materials of the varieties shown in Table 3, with a predetermined raw material composition, under the same conditions as in Example 1, and cristobalite as in Example 2. The generation amount of was measured. The results are shown in Table 3.
[0042]
[Table 3]
Figure 0004464595
[0043]
In this example, the influence on the generation of cristobalite by four types of siliceous raw materials was investigated. As shown in Table 3, although a difference in the amount of precipitation was observed, cristobalite was precipitated in each case. The strength-up effect was recognized. In particular, there is no significant difference between the amorphous simple substance and the one containing crystalline silica, and it can be seen that at least amorphous silica is an important component for cristobalite formation.
[0044]
Example 4
Table 4 shows the influence of the particle size of the raw materials constituting the green substrate.
Samples were prepared from the raw material blends shown in Table 4 by pot mill grinding in the same manner as in Example 1. At this time, the pulverization time was adjusted more than usual to prepare samples having different particle sizes, and the cristobalite precipitation amount of those sintered bodies was measured in the same manner as in Example 2. The results are shown in Table 4.
[0045]
[Table 4]
Figure 0004464595
[0046]
As shown in Table 4, it can be seen that the amount of cristobalite precipitated in Examples 4-4 and -5 having finer particle sizes is larger than those in Examples 4-1, -2 and -3 having coarser raw material particle sizes. Therefore, it can be understood that, even in almost the same raw material composition, by making the maximum particle size small, the formation of siliceous cristobalite can be promoted and the strength can be further increased.
[0047]
(Example 5)
Next, Table 5 shows the influence of the raw material mixture composition.
Samples of the raw material mixture composition shown in Table 5 were prepared in the same manner as in Example 1. The firing temperature was 1300 ° C. At this time, formability was evaluated from the viewpoint of easily forming the green body into an assumed shape by molding, and shape stability was evaluated based on the degree of shape change during firing. Further, the cristobalite precipitation amount of these samples was measured in the same manner as in Example 2.
[0048]
[Table 5]
Figure 0004464595
[0049]
According to the results of Example 5, a decrease in the mixing amount of amorphous quartz glass leads to a decrease in the generation amount of cristobalite. Therefore, if the amount is less than 20%, a sufficient increase in strength cannot be expected. Further, it was confirmed that by increasing the mixing amount, the shape stability at the time of firing was lowered, and in particular when it exceeded 50%, it was difficult to maintain the originally planned shape of the product.
[0050]
It can be seen that when the feldspar is large, a tendency to decrease the amount of cristobalite deposited is observed, and the shape stability after firing also decreases. In particular, when it exceeds 30%, the amount of cristobalite deposited and the formability deteriorate, sufficient strength cannot be obtained, and the product shape becomes difficult to maintain. On the other hand, when the mixing amount was small, it was recognized that densification during firing was hindered. In particular, when the amount was 10% or less, the tendency was prominent.
[0051]
In addition, when the amount of kaolin mixed is small, the shape stability at the time of firing tends to be deteriorated. In particular, when the amount is less than 25%, the product shape cannot be maintained. Moreover, according to observation at the time of firing, a broaching phenomenon in which internal bubbles appeared on the ceramic surface was observed, and the surface was rough. On the contrary, when the amount added was increased, the moldability of the green body tended to decrease slightly.
[0052]
Example 6
Using the same raw materials and methods as in Example 1, samples with different firing temperatures were prepared, and the shape stability during firing was confirmed. Further, the cristobalite precipitation amount of the obtained sample was measured in the same manner as in Example 2. The results are shown in Table 6.
[0053]
[Table 6]
Figure 0004464595
[0054]
According to Table 6, when the firing temperature is higher than 1400 ° C., the shape stability at the time of firing is remarkably lowered and it is difficult to maintain the desired product shape. . At the same time, no cristobalite required for strength improvement was observed. On the other hand, when the firing temperature was low, the amount of cristobalite deposited decreased, and no precipitation of cristobalite was confirmed at 1200 ° C. From this, it can be seen that the optimum temperature range effective in increasing the strength by cristobalite is 1300 ° C to 1350 ° C. In addition, it is considered that the dimensional stability during firing is more preferably enhanced by the crystal precipitation of clitosbarite due to the stabilization of the precipitated crystals. In this example, there was no problem with the green formability.
[0055]
【The invention's effect】
Since the ceramic material of the present invention is configured as described above, it has excellent effects as described below.
1) Since the ceramic material of the present invention has the highest strength with the same weight as conventional porcelain due to the precipitation of fine cristobalite crystals, it can be compared with conventional high-strength porcelain when applied to ceramic products. As a result, significant weight reduction can be achieved. In addition, it is possible to provide a product with excellent light transmission and excellent texture.
[0056]
2) Since a similar production line such as the current high-strength porcelain can be used, no new capital investment is required. Since the thermal expansion coefficient can be adjusted, matching with a wide range of glazes can be achieved. Furthermore, since the bulk specific gravity is small, the thermal conductivity is small, and it is difficult to transmit heat, so it is particularly useful as a tableware material.
[0057]
3) The ceramic material of the present invention is excellent in dimensional stability at the time of firing and is less deformed, so that productivity can be enhanced in industrial production.
Thus, as a basic ceramic material for commercializing a new porcelain product that has solved the problems of conventional high-strength porcelain, its technical value is extremely high.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the amount of cristobalite precipitated and the bending strength of the present invention.
FIG. 2 Electron micrographs of precipitated cristobalite particles (bright-field image and restricted-field electron diffraction image)

Claims (3)

非晶質シリカ、または少なくとも非晶質シリカを含むシリカ質20〜50%、長石質10〜30%およびカオリン質25〜45%を主原料として配合した生素地を成形、焼成し、セラミック燒結素地に非晶質シリカに基づく粒径が1μm以下のナノ粒子状微結晶クリストバライトを10〜40%析出させ、かつ、かさ比重が2.35〜2.4であって、釉薬を備えた透光性セラミック燒結素地からなるとともに、そのクリストバライトの析出量によって熱膨張係数を調節可能としたことを特徴とする磁器質のセラミックス材料。 A green body containing amorphous silica or at least amorphous silica containing siliceous 20-50%, feldspar 10-30% and kaolinic 25-45% as main raw materials is molded and fired to form a ceramic sintered body 10-40% of nanoparticulate microcrystalline cristobalite having a particle size of 1 μm or less based on amorphous silica and a bulk specific gravity of 2.35 to 2.4, and a translucent material with glaze A ceramic ceramic material characterized by comprising a ceramic sintered body and having a coefficient of thermal expansion adjustable by the amount of cristobalite deposited . シリカ質30〜40%、長石質10〜25%、カオリン質30〜40%を主原料とする請求項1に記載の磁器質のセラミックス材料。The porcelain ceramic material according to claim 1, wherein the main material is siliceous 30-40%, feldspar 10-25%, kaolin 30-40%. 前記焼成温度が1250〜1400℃である請求項1または2に記載の磁器質のセラミックス材料。The porcelain ceramic material according to claim 1 or 2, wherein the firing temperature is 1250 to 1400 ° C.
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