JP4463273B2 - 電力線通信装置及び方法 - Google Patents
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Description
まず、伝送路特性の変動周期と通信システムのフレーム周期とを同期させて、この変動周期を複数の区間に分割する。次に、1つのフレーム周期内で、分割した複数の区間について区間毎の伝送路評価を連続して行う。そして、伝送路評価の結果、最も通信効率の優れた区間で得られた通信パラメータを選択して通信を行う。図12は、この従来の伝送路評価手法の処理シーケンス図である。
通信制御部は、通信周期を(L×m/n)(Lは伝送路特性の変動周期、nは2以上の整数、mはn以上かつnとの最大公約数が1となる整数)に設定して通信を行う。伝送路評価部は、通信周期の開始から一定のオフセット時間(L×k/n)(但し、kは0以上の実数)経過後に、時間(L/n)内で伝送路の特性を評価する。通信パラメータ決定部は、伝送路評価部による評価結果に基づいて、通信制御部が使用する通信パラメータを決定する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信装置1を用いた通信ネットワークシステムの構成例を示す図である。図1において、本発明の通信ネットワークシステムは、複数の通信装置1が伝送路2を介して接続されている。伝送路2は、無線/有線を問わない。本実施形態では、複数の通信装置1のいずれか1つが親機となり、この親機が周期的にビーコンを発信することで、残る通信装置1(子機)の通信を制御する通信ネットワークシステムを一例に挙げて説明する。
なお、電灯線に接続される家電機器等の電源回路の影響によって、電灯線上のノイズパターンの周期が、商用電源(50Hz又は60Hz)の半周期と等しくなる場合がある。従って、電灯線を利用した通信ネットワークシステムを想定する場合に、上記商用電源の半周期と同期した伝送路特性を考慮する必要がある(図2の正弦波を参照)。
子機の通信装置1(以下、装置Aと記す)は、電源投入等の初期起動時又は伝送路特性の変化を検出すると、親機の通信装置1(以下、装置Cと記す)に対して、伝送路評価時間割当を要求する(ステップ1)。装置Cは、装置Aから伝送路評価時間割当の要求を受けると、次のビーコン送信時間に、伝送路評価時間割当情報を付加したビーコンを送信する(ステップ2)。この伝送路評価時間割当情報とは、伝送路評価に使用して良い区間を与える情報であり、典型的には、ビーコン周期開始時間からのオフセット時間として与えられる。
なお、各伝送路評価区間のトーンマップを全て取得しなくても、所定のタイムアウト時間に到達した時点で取得しているトーンマップの中から、最適なトーンマップを選定してもよい。
なお、上記第1の実施形態では、整数n及びmを固定値として説明しているが、伝送路評価結果に基づく伝送路変化や、PHYレートの値、又はそのPHYレートの変動度等に応じて、動的に変更するようにしてもよい。
図8を参照して、装置Cから送信されるビーコンには、伝送路評価時間割当情報が付加されている。伝送路評価時間割当情報は、装置Aに対して装置Bへ伝送路評価を要求できる期間を指示するだけでなく、装置B、装置C及びその他の装置に対してデータ転送の禁止を指示する。このように、伝送路評価を要求する期間(図8中の網掛け期間)は、この要求を行う装置以外の装置からの送信を禁止することで、伝送路評価の要求とデータ等との衝突を回避することができる。
なお、上記のように、受信側の装置Bが送信側の装置Aへ伝送路評価を都度応答する代わりに、まとめて複数個の伝送路評価を応答してもよいし、また、複数個の伝送路評価を基に受信側の装置Bでトーンマップを選定し、送信側の装置Aにその選定トーンマップを通知してもよい。どちらの場合でも、本発明の効果は失われない。
上記第1の実施形態は、伝送路特性の変動周期が事前にわかっていることを前提にした技術である。そこで、次の第2の実施形態では、伝送路特性の変動周期が事前にわからなくても、最適なビーコン周期を自動的に設定できる技術を説明する。
この結果、ビーコン周期T1における伝送路特性の変動周期Lの方が、図中の実際の商用電源周波数(60Hz)に同期するノイズと同期がとれている(図9)。よって、伝送路評価区間2の各伝送路特性はほぼ同様であり、各トーンマップの通信パラメータ(PHYレート)も、取得した複数のトーンマップで同様の値が得られ、ノイズに関してビーコン周期T1と変動周期Lとの相関が高いと判断できる。
一方、ビーコン周期T2における伝送路特性の変動周期Lは、図中の実際の商用電源周波数(60Hz)に同期するノイズと同期がとれていない(図10)。よって、伝送路評価区間2の各伝送路特性はそれぞれ異なり、各トーンマップの通信パラメータ(PHYレート)も、取得した複数のトーンマップでそれぞれ異なる。従って、ノイズに関してビーコン周期T2と変動周期Lとの相関が低いと判断できる。
上記第2の実施形態によるビーコン周期の設定後に、上記第1の実施形態による処理が行われることで、ノイズに強い最適な通信パラメータが選択される。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
Claims (10)
- 伝送路を介して他の通信装置と周期的な通信を行う通信装置であって、
通信周期を(L×m/n)(Lは伝送路特性の変動周期、nは2以上の整数、mはn以上かつnとの最大公約数が1となる整数)に設定して通信を行う通信制御部と、
前記通信周期の開始から一定のオフセット時間経過後に、時間(L/n)内で前記伝送路の特性を評価する伝送路評価部と、
前記伝送路評価部による評価結果に基づいて、前記通信制御部が使用する通信パラメータを決定する通信パラメータ決定部とを備える、通信装置。 - 前記オフセット時間が(L×k/n)(kは0≦k<mの実数)であることを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
- 前記伝送路評価部は、前記伝送路の特性を少なくともn回評価することを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
- 初期起動時及び伝送路状態の変化を検出した場合に、伝送路特性の評価を行うことを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信周期は、親機の通信装置から送信されるビーコンの周期であることを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
- 前記親機の通信装置に、伝送路特性の評価を行うための時間割当を要求することを特徴とする、請求項5に記載の通信装置。
- 前記親機の通信装置から伝送路特性の評価を行うための時間割当をビーコンフレーム又はポーリングフレームを用いて通知されると、許可された時間に伝送路特性の評価を行うことを特徴とする、請求項6に記載の通信装置。
- 前記伝送路特性の変動周期Lは、商用電源周期の半周期であることを特徴とする、請求項1に記載の通信装置。
- 伝送路を介して他の通信装置と周期的な通信を行う通信装置が実行する伝送路評価方法であって、
通信周期を(L×m/n)(Lは伝送路特性の変動周期、nは2以上の整数、mはn以上かつnとの最大公約数が1となる整数)に設定して通信を行うステップと、
前記通信周期の開始から一定のオフセット時間経過後に、時間(L/n)内で前記伝送路の特性を評価するステップと、
前記評価するステップによる評価結果に基づいて、前記通信するステップが使用する通信パラメータを決定するステップとを備える、伝送路評価方法。 - 伝送路を介して他の通信装置と周期的な通信を行う通信装置に用いられる集積回路であって、
通信周期を(L×m/n)(Lは伝送路特性の変動周期、nは2以上の整数、mはn以上かつnとの最大公約数が1となる整数)に設定して通信を行う通信制御部、
前記通信周期の開始から一定のオフセット時間経過後に、時間(L/n)内で前記伝送路の特性を評価する伝送路評価部、及び
前記伝送路評価部による評価結果に基づいて、前記通信制御部が使用する通信パラメータを決定する通信パラメータ決定部として機能する回路を集積した、集積回路。
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