以下、本発明の各実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下では、複数個の移動局それぞれが基地局と一対一で無線通信を行うための無線リソースとして主にFDM(OFDMを含む)におけるサブキャリアを用いた場合を例にとり説明するが、無線リソースは、FDMにおけるサブキャリアに限らず、例えばTDMにおけるタイムスロットや、CDMAにおけるコードであってもよい。
(実施の形態1)
図1〜2は、実施の形態1に係る無線通信システムの動作(無線通信方法)を示す模式図である。図1には、サブキャリアf1〜f8がFDM方式における周波数帯域である場合が示されている。このサブキャリアf1〜f8は、1個の基地局により、この基地局に従属する複数個の移動局に割当てられる。なお、本明細書では、サブキャリアfn(n:整数)は、それぞれ、固有のサブキャリア番号nを有するものとし、サブキャリア番号は、周波数領域において低周波数から高周波数へ昇順に付されるものとする。
図2には、複数個の移動局が2種類のユーザ群A,Bへ分類された場合において、ユーザ群A,Bそれぞれへサブキャリアf1〜f8を割当てる優先度が示されている。ユーザ群A,Bへの分類は、移動局固有のユーザIDや電話番号等の情報により行われる。図2に示される優先度は、数字が小さいほど高いものとする。図2において、ユーザ群Aへの割当て優先度はサブキャリアf1〜f8の順に(すなわち周波数が高くなるにつれて)低くなっており、ユーザ群Bへの割当て優先度はサブキャリアf1〜f8の順に高くなっている。このように、ユーザ群A,Bの優先度が異なるようにサブキャリアf1〜f8を割当てることにより、各移動局からコンテンションデータを送信するときに生じるコンテンションチャネルの衝突率を低減することが可能となる。
例えば、1個のコンテンションデータの送信に3個の無線リソース(サブキャリア)を使用する(言い換えれば、1個のコンテンションチャネルが3個の無線リソースを占有する)場合には、ユーザ群Aに属する1個の移動局とユーザ群Bに属する1個の移動局とが1個の基地局に対して通信を行おうとしても、ユーザ群Aに属する移動局はサブキャリアf1〜f3を使用しユーザ群Bに属する移動局はサブキャリアf6〜f8を使用するので、コンテンションチャネルの衝突は生じない。このように、一方のユーザ群に属する移動局と他方のユーザ群に属する移動局とでサブキャリアの割当て優先度を変えることにより、コンテンションチャネルの衝突を防ぎ衝突に伴うコンテンションデータの再送信を不要とすることが可能となる。図2においては、1個のコンテンションチャネルが占有する無線リソースの個数が8/2=4個以下であれば、衝突は生じない。
なお、上述においては、サブキャリアf1〜f8が、図1に示されるようにFDM方式で定められる場合について説明したが、これに限らず、例えば図3に示されるようにOFDM方式で定められてもよい。OFDM方式においては、隣接するサブキャリア同士は、互いに直交しているので重なってもよい。サブキャリアf1〜f8それぞれの周波数帯域をどのように定めるかは、報知チャネル等を用いて基地局から移動局へ通知される。すなわち、移動局は、基地局から通知される報知チャネルおよび割当て優先度に基づき、どの周波数帯域を使用しコンテンションデータを送信するかを決定する。
図4は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける基地局100の機能を示すブロック図である。図5は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける移動局200の機能を示すブロック図である。
図4に示されるように、基地局100は、ユーザ振分け部10と、割当て優先度指示部20と、制御情報生成部30と、変調部40と、RF部50と、アンテナ60と、復調部70と、有線I/F80とを備える。図5に示されるように、移動局200は、アンテナ110と、RF部120と、復調部130と、メッセージ解析部140と、アプリケーション部150と、データ量決定部160と、無線リソース割当て部170と変調部180とを備える。
図4に示される基地局100において、ユーザ振分け部10は、各ユーザ(すなわち各移動局200)の分類を行う。割当て優先度指示部20は、ユーザ振分け部10において分類されたユーザ群A,Bに対して、各無線リソースをどのような優先度で割り当てるかを決定し優先度情報として制御情報生成部30へ通知する。制御情報生成部30は、割当て優先度指示部20から通知された優先度情報を無線フォーマットで制御情報として生成し、変調部40へ入力させる。変調部40は、制御情報生成部30から入力された制御情報に所定の変調処理(DA変換等)を施し、RF部50へ入力させる。RF部50は、変調部40から入力された制御情報を、内蔵するアップコンバート部(図4では示さない)で無線周波数へアップコンバートした後に、アンテナ60から移動局200へ送信する。
図5に示される移動局200において、アプリケーション部150は、メール、音声、画像等の、基地局100へ送信すべきアプリケーションデータを生成する。データ量決定部160は、アプリケーション部150で生成されたアプリケーションデータのデータ量に応じて、コンテンションチャネルで基地局100へ送信すべきコンテンションデータのデータ量を決定し、コンテンションデータを無線リソース割当て部170へ入力させる。なお、一般に、多くのデータを送信するためには、より多くの電力が必要となるので、移動局200においては、使用可能な電力量を考慮して送信すべきデータ量の上限を定めておくことが好ましい。
RF部120は、基地局100から送信された制御情報をアンテナ110から受信し、アナログベースバンド信号にダウンコンバートした後に、復調部130へ入力させる。復調部130は、RF部120から入力された制御情報に所定の復調処理(AD変換等)を施し、メッセージ解析部140へ入力させる。メッセージ解析部140は、復調部130から入力された制御情報を解析することにより、優先度情報を抽出し、無線リソース割当て部170へ入力させる。無線リソース割当て部170は、メッセージ解析部140から入力された優先度情報に基づき、データ量決定部160から入力されたコンテンションデータを、コンテンションチャネルとしての所定の無線リソースへ割当て、変調部180へ入力させる。変調部180は、無線リソース割当て部170から入力されたコンテンションデータに所定の変調処理(DA変換等)を施し、RF部120へ入力させる。RF部120は、変調部180から入力されたコンテンションデータを無線周波数へアップコンバートした後に、アンテナ110から基地局100へ送信する。
図4に示される基地局100において、RF部50は、移動局200から送信されたコンテンションデータをアンテナ60から受信し、内蔵するダウンコンバート部(図4では示さない)でアナログベースバンド信号にダウンコンバートした後に、復調部70へ入力させる。復調部70は、RF部50から入力されたコンテンションデータに所定の復調処理(AD変換等)を施し、有線I/F80から、基地局100を制御している上位装置へ入力させる。
図6は、無線リソースとしてOFDM方式におけるサブキャリアを用いる場合の復調部70の機能を示すブロック図である。図6に示されるように、直列/並列変換部71へ入力された直列データは、並列データに変換され、FFT(高速フーリエ変換)部72へ入力される。FFT部72は、直列/並列変換部71から入力された並列データにFFTを施することにより所定の復調処理を施し複数個の無線リソースR(1)〜R(N)として出力する。なお、所定の復調処理は、FFTに限らず、あるいはDFT(離散フーリエ変換)であってもよい。
このように構成することにより、非特許文献1に示されるW−CDMA方式等に比べて、制御を簡易にすることができるので、装置構成を簡易にすることが可能となる。すなわち、移動局200は、コンテンションチャネルをプリアンブル部とメッセージ部とに分け基地局100からプリアンブル部に対するACKを受信した後に初めてメッセージ部を送信するというやり取りを省略することができる。言い換えれば、コンテンションチャネルにおいて、プリアンブル部を省略しメッセージ部のみから構成させることが可能となる。なお、W−CDMA方式においては、コンテンションチャネルをRACH(プリアンブル)とRACH(メッセージ)とに分け、移動局200は、基地局100の無線リソースが空いていることをRACH(プリアンブル)で確認してから、RACH(メッセージ)を送信している。
また、コンテンションチャネルの衝突率を低減することにより、移動局100からコンテンションデータを送信するときのタイミングおよびデータに関する制約が低減する。すなわち、さまざまな大きさのデータをコンテンションチャネルで送信することが可能となるので、遅延を低減することが可能となる。また、一般にコンテンションデータは固定長であるが、可変長とすることが可能となるので、無線リソースを有効に使用することができる。
上述においては、複数個の移動局が2種類のユーザ群A,Bへ分類された場合について説明したが、本実施の形態は、2種類に限らず任意の種類のユーザ群へ分類された場合について適用可能である。以下では、図7を用いて、複数個の移動局200が4種類のユーザ群A〜Dへ分類された場合におけるサブキャリア1〜8の割当て優先度について説明する。
まず、1個のコンテンションデータの送信に使用できる(言い換えれば、1個のコンテンションチャネルが占有できる)サブキャリアの個数を算出する。この個数は、(サブキャリアの個数/ユーザ群の個数)の商として算出され、図7においては、8/4=2となる。
次に、ユーザ群A〜Dそれぞれへ、(上記の商として算出された)2個ずつのサブキャリアが最優先(優先度が1〜2)となるように割り当てる。すなわち、サブキャリア1〜2においてはユーザ群Aが、サブキャリア3〜4においてはユーザ群Bが、サブキャリア5〜6においてはユーザ群Cが、サブキャリア7〜8においてはユーザ群Dが、最優先となる。
次に、ユーザ群Aが最優先であるサブキャリア1〜2においてユーザ群B〜Dの優先度を定める。このとき、ユーザ群Aの優先度が1と比較的に高いサブキャリア1におけるユーザ群B〜Dの優先度(6〜8)を、ユーザ群Aの優先度が2と比較的に低いサブキャリア2におけるユーザ群B〜Dの優先度(3〜5)より低く設定する。このように設定することにより、例えば、ユーザ群Aにおいて1個のコンテンションチャネルが1個のサブキャリア(1)を占有しユーザ群Bにおいて1個のコンテンションチャネルが5個のサブキャリア(3,4,6,8,2)を占有するような場合においても、コンテンションチャネルの衝突を防ぐことができる。
同様に、ユーザ群Bが最優先であるサブキャリア3〜4においてユーザ群A,C〜Dの優先度を定め、ユーザ群Cが最優先であるサブキャリア5〜6においてユーザ群A〜B,Dの優先度を定め、ユーザ群Dが最優先であるサブキャリア7〜8においてユーザ群A〜Cの優先度を定める。
ユーザ群B〜D同士の優先度は、全体で平等になるように所定の規則に基づき定められる。図7では、サブキャリア1〜2においてはユーザ群B,C,Dの順に優先度が高くなるように定め、サブキャリア3〜4においてはユーザ群C,D,Aの順に優先度が高くなるように定め、サブキャリア5〜6においてはユーザ群D,A,Bの順に優先度が高くなるように定め、サブキャリア7〜8においてはユーザ群A,B,Cの順に優先度が高くなるように定めている。
以上のようなアルゴリズムで、ユーザ群A〜Dの優先度が互いに異なるように割当てを行うことにより、例えばユーザ群A〜Dにそれぞれ属する4個の移動局200が、2個のサブキャリアを占有する1個のコンテンションデータを、同時に送信した場合においても、コンテンションチャネルの衝突を防ぐことが可能となる。
なお、上述においては、図7を用いて、無線リソースがサブキャリアである場合すなわちFDM方式(OFDM方式を含む)の場合について説明したが、TDMA方式やCDMA方式においても、本実施の形態は適用可能である。すなわち、図7に示されるサブキャリア番号は、TDMA方式においてはタイムスロット番号にCDMA方式においてはコード番号にそれぞれ置き換えることにより、本実施の形態を適用することが可能となる。あるいは、図8に示されるように、複数の方式(図8ではFDM方式およびCDMA方式)を組み合わせてもよい。
また、上述においては、図7を用いて、任意のユーザ群において、優先度1〜2を、周波数領域で互いに隣接するサブキャリアに割当てる(例えばユーザ群Aにおいては、周波数領域で互いに隣接するサブキャリア1,2に、それぞれ、優先度1,2が割当てられる)場合について説明したが、これに限らず、例えば図9に示されるように、優先度1〜2は、周波数領域で互いに隣接しないサブキャリアに割当てられてもよい(例えばユーザ群Aにおいては、周波数領域で互いに隣接しないサブキャリア1,5に、それぞれ、優先度1,2が割当てられる)。各ユーザ群において、優先度1〜2が割当てられたサブキャリアは、そのユーザ群が1個のコンテンションデータを送信する場合に占有されるが、互いに隣接しない離れた周波数帯域を割り当てることにより、マルチキャリア方式を有効に利用し周波数フェージングを低減することが可能となる。
また、上述においては、図4〜5を用いて、移動局200においてアプリケーション部150で生成されたアプリケーションデータのデータ量に応じてデータ量決定部160が基地局100へ送信すべきコンテンションデータのデータ量を決定する場合について説明した。しかし、これに限らず、以下で説明するように、移動局200から基地局100へ送信すべきコンテンションデータのデータ量は、基地局100がコンテンションチャネルを測定することによりコンテンションチャネルの空き状況を確認し移動局200へ通知してもよい。
図10は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける基地局100aの機能を示すブロック図である。図10は、図4において、制御情報生成部30と復調部70との間にコンテンションチャネル測定部90を設けたものである。コンテンションチャネル測定部90は、復調部70から入力されるコンテンションデータにおいて、伝送路の通信品質等の測定を行うことにより空き状況を確認し空き情報として制御情報生成部30へ通知する。
コンテンションチャネルの測定は、次のような手法で行うことが可能である。CDMA方式の場合には、同一周波数を複数の移動局200が使用するので、電界強度(RSSI)を測定してもよく、あるいは、コード番号の使用状況を測定してもよい。TDMA方式の場合には、コンテンションチャネルとして割当てられている総タイムスロット数に対してコンテンションチャネルとしてとして使用されているタイムスロット数の割合を測定してもよく、あるいはタイムスロット番号の空き状況を測定してもよい。マルチキャリア方式(FDM方式あるいはOFDM方式)の場合には、コンテンションチャネルとして割当てられている総サブキャリア数に対してコンテンションチャネルとしてとして使用されているサブキャリア数の割合を測定してもよく、あるいはサブキャリア番号の空き状況を測定してもよい。
制御情報生成部30は、コンテンションチャネル測定部90から通知された空き情報を無線フォーマットで制御情報として生成し、変調部40へ入力させる。なお、この制御情報は、移動局200への送信を行うときに、必要に応じ、誤り訂正符号化を施したり繰り返し送信を行ったりすることにより、品質向上を図ることができる。また、この制御情報は、最も近い離散値で代表させることにより、送信すべきデータの量を低減することが可能となる。
また、CDMA方式の場合には、コンテンションチャネルを使用する各移動局200において共通に用いられる所定のコードに上記の制御情報を割当てることにより、移動局200における復調処理を簡易とすることができる。また、この制御情報をレイヤ1(物理層)のデータとして伝送することにより、遅延を小さくすることができる。TDMA方式の場合には上記の所定のコードに代えて所定のタイムスロットに、マルチキャリア方式(FDM方式あるいはOFDM方式)の場合には上記の所定のコードに代えて所定のサブキャリアに、それぞれ制御情報を割当てることにより、移動局200における復調処理を簡易とするとともに遅延を小さくすることができる。
図5に示される移動局200では、メッセージ解析部140において、制御情報を解析することにより、空き情報を抽出し、無線リソース割当て部170へ入力させる。無線リソース割当て部170は、メッセージ解析部140から入力された空き情報に基づき、データ量決定部160から入力されたコンテンションデータを、コンテンションチャネルとしての所定の無線リソースへ割当てる。
このとき、無線リソース割当て部170は、空き情報を参照することにより、送信すべきコンテンションデータにおいて、そのデータ量を調節しつつ、空き状態の無線リソースへ割当てる。これにより、コンテンションチャネルの衝突率を低減することが可能となる。
上記のデータ量の調節は、次のような手法で行うことが可能である。CDMA方式において電界強度が通知される場合には、基地局100の受信能力を考慮して、最大データ量を定めればよい。TDMA方式の場合には、コンテンションチャネルとして割当てられている総タイムスロット数に対してコンテンションチャネルとしてとして使用されているタイムスロット数の割合を考慮して最大データ量を定めればよい。マルチキャリア方式(FDM方式あるいはOFDM方式)の場合には、コンテンションチャネルとして割当てられている総サブキャリア数に対してコンテンションチャネルとしてとして使用されているサブキャリア数の割合を考慮して最大データ量を定めればよい。なお、上記のデータ量を調節を行った後においても無線リソースへの割当てが困難である場合には、送信を取りやめることにより、さらにコンテンションチャネルの衝突率を低減することが可能となる。
このように、本実施の形態に係る無線通信システムおよび無線通信方法においては、複数個のユーザ群へ優先度が互いに異なるように複数個のサブキャリアを割当てる。従って、コンテンションチャネルの衝突率を低減することができる。これにより、W−CDMA方式に比較して、コンテンションデータをプリアンブル部とメッセージ部とに分けたり、基地局基準のタイムスロットで受信したりする必要をなくすことができるので、装置構成を簡易とすることができる。
一般に、1個の基地局と複数個の移動局との間でさまざまなメディアのデータを無線パケットで送受信するときには、Webブラウジングのパケットデータのように時間に依ってデータ量が変化する場合や、互いにデータサイズが異なる複数種類のパケットを扱う場合がある。このような無線通信を行う場合には、各移動局へ一定量の無線リソースを割当てると無駄に周波数を占有することとなるので、これを避けるためのコンテンションチャネルを使用することが好ましい。W−CDMA方式において、移動局は、DPCCHを用いて、プリアンブル部からなる信号を復調や送信電力の最適化のために常に送信し続けているが、本実施の形態によれば、このような信号の送信を不要とすることができるので、移動局において使用される電力を低減することができる。
なお、上述においては、マルチキャリア方式(FDM方式あるいはOFDM方式)や、CDMA方式、TDMA方式を単独で用いる場合について説明したが、これに限らず、これらを併用してもよく、その場合には、上述したような手法を併用すればよい。
また、上述したようなユーザ群へ割当てる無線リソースの優先度の設定は、基地局100がマルチキャリア方式を用いる場合に限らず、移動局200がマルチキャリア方式を用いる場合にも適用可能である(実施の形態2以降についても同様)。
また、上述においては、コンテンションチャネルにおいて無線リソースの優先度を割当てる場合について説明したが、コンテンションチャネルに限らず、それ以外のチャネルに適用してもよい(実施の形態2以降についても同様)。
(実施の形態2)
一般に、マルチキャリア方式(FDM方式あるいはOFDM方式)におけるサブキャリアは、周波数に依存した伝送路特性を有する。従って、サブキャリアを無線リソースとして割当てるときに、このような伝送路特性を考慮してもよい。
図11は、実施の形態2に係る無線通信システムにおけるサブキャリアの割当てを示す図である。図11において、帯域310,330は、通信品質(受信感度)が高く、帯域320は、通信品質が低い。このとき、帯域310,330を、帯域320に比較して優先的に無線リソースとして使用する(サブキャリア列340,350をそれぞれ割り当てる)ことにより、通信品質を向上させることが可能となる。なお、本明細書においては、複数個のサブキャリアを周波数領域で等間隔に配列したものを(単に)サブキャリア列と呼ぶ。
上記の伝送路特性は、例えば、基地局100においては、所定幅の帯域毎に、移動局200から受信される全コンテンションチャネルの平均値を使い通信品質を測定することで、推定できる。あるいは、例えば同期検波(準同期検波)方式であれば、上記の伝送路特性は、基地局100において、コンテンションデータに含まれている既知系列信号(例えば、W−CDMA方式におけるPilot信号に相当)と実測された既知系列信号との位相の差分を搬送波再生回路において求めることなどでも推定できる。この伝送路特性は、基地局100から移動局200へ通知される。以下では、図5,10を用いて、本実施の形態に係るサブキャリアの割当てについて説明する。
図10に示される基地局100aにおいて、コンテンションチャネル測定部90は、復調部70から入力されるコンテンションデータにおいて、上述した電界強度の測定等により、品質を測定する。そして、この測定結果において、所定幅の帯域毎に平均値を求めることにより、各帯域の品質が測定できる。測定された各帯域の品質は、品質情報として制御情報生成部30へ通知する。
制御情報生成部30は、コンテンションチャネル測定部90から通知された品質情報を、割当て優先度指示部20へ通知する。割当て優先度指示部20は、制御情報生成部30から通知された品質情報に基づき、通信品質の高い帯域310,330のみにおいて、それぞれ、各ユーザ群に対して、各無線リソースをどのような優先度で割り当てるかを決定し優先度情報として制御情報生成部30へ通知する。
図5に示される移動局200では、実施の形態1と同様に、無線リソース割当て部170は、メッセージ解析部140から入力された優先度情報に基づき、データ量決定部160から入力されたコンテンションデータを、コンテンションチャネルとしての所定の無線リソースへ割当て、変調部180へ入力させる。変調部180は、無線リソース割当て部170から入力されたコンテンションデータに所定の変調処理(DA変換等)を施し、RF部120へ入力させる。RF部120は、変調部180から入力されたコンテンションデータを無線周波数へアップコンバートした後に、アンテナ110から基地局100へ送信する。
なお、上述においては、基地局100aは、各帯域の通信品質に基づき優先度を決定し優先度情報として移動局200へ送信する場合について説明したが、これに限らず、例えば、基地局100aは、測定された各帯域の通信品質である品質情報のみを移動局200へ送信してもよい。この場合には、移動局200が、受信した品質情報に基づき、帯域310,330のみを用いてコンテンションデータを送信すればよい。
図12は、本実施の形態に係る無線通信システムにおけるサブキャリアの割当てを示す図である。図12においては、9個のサブキャリア1〜9を3種類のユーザ群A〜Cに割当てる場合が示されている。サブキャリア1〜3は通信品質が高い帯域310に属し、サブキャリア4〜6は通信品質が低い帯域320に属し、サブキャリア7〜9は通信品質が高い帯域330に属している。このとき、図12に示されるように、サブキャリア1〜3,7〜9は優先度を1〜6と比較的に高く設定し、サブキャリア4〜6は優先度を7〜9と比較的に低く設定する。そして通信品質が高い帯域(サブキャリア310,330)および通信品質が低い帯域(サブキャリア320)それぞれにおいて、図7に準じて、ユーザ群A〜C同士の優先度を、全体で平等になるように所定の規則に基づき定める。
以上のようなアルゴリズムで、ユーザ群A〜Cの優先度が互いに異なるように割当てを行うことにより、例えば、ユーザ群A〜Cにそれぞれ属する3個の移動局200が同時にコンテンションデータを送信した場合においても、1個のコンテンションデータの送信に2個以下のサブキャリアを使用する(言い換えれば、1個のコンテンションチャネルが2個以下のサブキャリアを占有する)ときには、コンテンションチャネルの衝突を防ぐことが可能となる。なお、この場合においては、1個のコンテンションデータの送信にユーザAが3個のサブキャリアを使用しユーザBが2個のサブキャリアを使用しユーザCが1個のサブキャリアを使用するときには、コンテンションチャネルの衝突は生じない。また、この場合において、1個のコンテンションデータの送信にユーザAが3個のサブキャリアを使用しユーザBが2個のサブキャリアを使用しユーザCが2個のサブキャリアを使用するときには、サブキャリア9において、ユーザAのコンテンションチャネルとユーザCのコンテンションチャネルとの衝突が生じる。
図13は、図12において、通信品質が周波数のみならずユーザ群に依って異なる場合におけるサブキャリアの割当てを示す図である。図13では、サブキャリア1〜3(すなわち帯域310)においてはユーザ群A,Cは通信品質が高くユーザ群Bは通信品質が低く、サブキャリア4〜6(すなわち帯域320)においてはユーザ群Bは通信品質が高くユーザ群A,Cは通信品質が低く、サブキャリア7〜9(すなわち帯域330)においてはユーザ群A〜Cは通信品質が高い。このとき、図13に示されるように、サブキャリア4〜6はユーザB群の優先度を1〜3と比較的に高くユーザA,C群の優先度を7〜9と比較的に低く設定するとともに、サブキャリア1〜3はユーザ群Bの優先度を7〜9と比較的に低く設定する。そして、ユーザA,C群にとって通信品質が高い帯域310,330およびユーザA,C群にとって通信品質が低い帯域320それぞれにおいて、図7に準じて、ユーザ群A〜C同士の優先度を、全体で平等になるように所定の規則に基づき定める。
以上のようなアルゴリズムで、ユーザ群A〜Cの優先度が互いに異なるように割当てを行うことにより、例えば、ユーザ群A〜Cにそれぞれ属する3個の移動局200が同時にコンテンションデータを送信した場合においても、1個のコンテンションデータの送信に3個以下のサブキャリアを使用する(言い換えれば、1個のコンテンションチャネルが3個以下の無線リソースを占有する)ときには、コンテンションチャネルの衝突を防ぐことが可能となる。
上述においては、図10を用いて、所定幅の帯域毎に平均値を求めることにより各帯域の品質を測定する場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、サブキャリア毎に通信品質を測定してもよい。
図14は、OFDMにおけるサブキャリアを無線リソースとして用いる場合の基地局100bの機能を示すブロック図である。図14は、図10において、復調部70と変調部40との間に、伝送路推定部91および無線リソース割当て部92を介在させたものである(図示の都合上、一部を省略している)。
図14において、RF部50は、アンテナ60から受信されたコンテンションデータをアナログベースバンド信号にダウンコンバートした後に復調部70へ入力させるためのダウンコンバート部51と変調部40から入力された制御情報を無線周波数へアップコンバートした後にアンテナ60から送信するためのアップコンバート部52とを有している。
また、復調部70は、RF部50から出力されたアナログデータをデジタルデータ(直列データ)に変換する図示しないAD変換器と、AD変換器から出力された直列データを並列データに変換し出力する直列/並列変換部71と、直列/並列変換部71から出力された並列データにFFTを施すことにより所定の復調処理を施し複数個の無線リソースR(1)〜R(N)として出力するためのFFT部72とを有する。また、変調部40は、無線リソース割当て部92から出力された複数個の無線リソースR(1)〜R(N)にIFFT(高速逆フーリエ変換)を施すことにより所定の変調処理を施し並列データとして出力するためのIFFT部42と、IFFT部42から出力された並列データを直列データに変換し出力する直列/並列変換部41と、直列/並列変換部41から出力された直列データ(デジタルデータ)をアナログデータに変換する図示しないDA変換器とを有している。なお、所定の変調処理は、IFFTに限らず、あるいはIDFT(離散逆フーリエ変換)であってもよい。また、所定の復調処理は、FFTに限らず、あるいはDFTであってもよい。
FFT部72は、直列/並列変換部71から入力された並列データにFFTを施することによりOFDM復調処理を施し複数個の無線リソースR(1)〜R(N)として出力する。FFT部72から出力された無線リソースR(1)〜R(N)は、伝送路推定部91へ入力される。伝送路推定部91は、入力された無線リソースR(1)〜R(N)それぞれから、各サブキャリアの伝送路特性を推定し、無線リソース割当て部92へ通知する。この伝送路特性の推定は、上述したように、既知系列信号を用いて位相の差分を求めることなどにより行われる。無線リソース割当て部92は、伝送路推定部91から通知された各サブキャリアの伝送路特性に基づき、例えば図12〜13に示されるような無線リソースの割当てを行う。
図15は、図14に示される基地局100bの動作を示すフローチャートである。
ステップS1においては、図12で説明したような周波数に依って異なる伝送路特性および図13で説明したようなユーザ群に依って異なる伝送路特性のいずれも考慮せずに、サブキャリアの優先度を決定する。これにより、例えば図7に示されるようにサブキャリアの優先度が決定される。そして、ステップS2に進む。
ステップS2においては、ステップS1で決定された優先度でコンテンションデータを送信した場合に同じサブキャリアにおいて複数個のコンテンションデータが衝突するかどうかを判定する。衝突が生じる場合にはステップS1で決定された優先度を修正する必要があるのでステップS3に進み、衝突が生じない場合にはステップS1で決定された優先度を修正する必要がないので動作を終了する。
ステップS3においては、ステップS2で衝突が生じなかったサブキャリアを除いて、図12で説明したような周波数に依って異なる伝送路特性を考慮し図13で説明したようなユーザ群に依って異なる伝送路特性を考慮せずに、サブキャリアの優先度を決定する。すなわち、無線リソース割当て部92は、全サブキャリアを含む帯域を3個の帯域310〜330に分け、通信品質が高い帯域310〜330は優先度を比較的に高く設定し通信品質が低い帯域320は優先度を比較的に低く設定する。そして、無線リソース割当て部92は、送信すべきデータが直列データである場合には並列データに変換して(送信すべきデータが並列データである場合には並列のまま)、IFFT部42へ入力させる。これにより、図12に示されるようにサブキャリアの優先度が決定される。そして、ステップS4に進む。
ステップS4においては、ステップS3で決定された優先度でコンテンションデータを送信した場合に同じサブキャリアにおいて複数個のコンテンションデータが衝突するかどうかを判定する。衝突が生じる場合にはステップS3で決定された優先度を修正する必要があるのでステップS5に進み、衝突が生じない場合にはステップS3で決定された優先度を修正する必要がないので動作を終了する。
ステップS5において、ステップS4で衝突が生じなかったサブキャリアを除いて、図12で説明したような周波数に依って異なる伝送路特性および図13で説明したようなユーザ群に依って異なる伝送路特性のいずれも考慮して、サブキャリアの優先度を決定する。すなわち、各サブキャリアについて通信品質を測定し、例えばある帯域において優先度が1に割当てられたユーザ群がコンテンションチャネルの衝突が生じなかったにも拘わらずコンテンションデータの復調処理に失敗するような場合には、そのユーザ群が他の帯域のサブキャリアで優先度1に割当てられるように変更する。また、ユーザ群A〜Cそれぞれは、ステップS3において(すなわち図12において)通信品質が低いと判定されている帯域320についても、ユーザ群に依って異なる伝送路特性を測定するためにコンテンションデータの一部を送信する。例えば、ユーザ群A,B,Cは、それぞれ、帯域320において自ユーザ群の優先度が最も高いサブキャリアf4,f5,f6で、コンテンションデータを送信する。これを繰り返すことにより、図13に示されるようにサブキャリアの優先度が変更される。また、コンテンションチャネルの衝突が生じた場合においても、衝突しなかったサブキャリアの伝送路推定を行うとともに帯域毎およびユーザ群毎に通信品質を測定することで、図12に示されるような優先度を図13に示されるような優先度に変更することが可能となる。そして、ステップS4に進む。
以上のようなアルゴリズムで割当てを行うことにより、周波数およびユーザ群に依って異なる伝送路特性を考慮した適切な優先度をサブキャリアに割当てることが可能となる。
このように、本実施の形態に係る無線通信システムおよび無線通信方法においては、周波数およびユーザ群に依って異なる伝送路特性を考慮した適切なサブキャリアに割当てるので、簡易にコンテンションチャネルの衝突を低減することができる。
(実施の形態3)
無線リソースとして用いられるサブキャリアは、周波数領域で等間隔に配列された複数個のサブキャリア(サブキャリア列)に低周波数から高周波数へ昇順に割り付られたサブキャリア番号そのもので指定されてもよく、あるいは、所定のパラメータ等を含むサブキャリア割当て情報で指定されてもよい。
図16は、実施の形態3に係る無線通信システムにおける基地局100cの機能を示すブロック図である。図16は、図4において、変調部40へサブキャリア割当て情報を入力させるサブキャリア割当て情報格納部93を設けたものである(図示の都合上、一部を省略している)。サブキャリア割当て情報格納部93は、無線リソースとして用いるサブキャリアを指定するための所定のパラメータ等を含むサブキャリア割当て情報を格納している。サブキャリア割当て情報格納部93から入力されたサブキャリア割当て情報は、変調部40において、所定の変調処理を施され、RF部50へ入力される。RF部50は、変調部40から入力されたサブキャリア割当て情報を、内蔵するアップコンバート部(図16では示さない)で無線周波数へアップコンバートした後に、アンテナ60から移動局200へ送信する。
図5に示される移動局200において、RF部120は、基地局100cから送信されたサブキャリア割当て情報をアンテナ110から受信し、アナログベースバンド信号にダウンコンバートした後に、復調部130へ入力させる。復調部130は、RF部120から入力されたサブキャリア割当て情報に所定の復調処理(AD変換等)を施し、メッセージ解析部140へ入力させる。メッセージ解析部140は、復調部130から入力されたサブキャリア割当て情報を解析することにより、サブキャリア割当て情報に含まれる所定のパラメータ等を抽出する。そして、この所定のパラメータ等に基づき、無線リソースとして用いるサブキャリア番号そのものを算出し、無線リソース割当て部170へ入力させる。図17に示されるように、サブキャリア割当て情報は、データチャネルに付随する制御チャネルを用いればよい。すなわち、I−chを、報知情報(移動局200が待ち状態となっている場合に基地局100から受信する)や同期情報等を収容するデータチャネルとして使用するとともに、Q−chを、サブキャリア割当て情報等を収容する制御チャネルとして使用する。これは、W−CDMA方式において、I−chをデータチャネルとして使用する場合に、I−chをDPDCHとして使用するとともにQ−chをDPCCHとして使用することに類似している。あるいは、これに限らず、サブキャリア割当て情報は、上記の報知情報としてI−chに収容されてもよい。
図18は、本実施の形態に係る無線通信システムにおけるサブキャリアの指定の第一の態様を示す図である。
図18において、サブキャリア割当て情報は、先頭のサブキャリア番号Sa=1(周波数でもよい)と、サブキャリアの総数Sb=8と、隣接するサブキャリア間の間隔Sc=4(サブキャリア番号による差分であっても帯域幅であってもよい)と、演算式S=Sa+Sc×n(n=0〜(Sb−1))とを含んで構成される。移動局200に内蔵されるメッセージ解析部140は、これらのパラメータおよび演算式を用いて、サブキャリア番号S=1+4×n(n=0〜7)=1,5,9,13,17,21,25,29を導出する。
すなわち、図18においては、サブキャリアf1〜f32が本発明に係るサブキャリア列を構成する。また、サブキャリアf1,f5,f9,f13,f17,f21,f25,f29は、本発明に係るリソースサブキャリアであり、リソースサブキャリア列を構成する。
なお、上記の間隔Scを帯域幅で記述する場合には、例えば、図18においてサブキャリアf1とサブキャリアf2との時間距離がシンボル時間Tsの1/2であった(すなわち時間距離がTs/2であった)とすると、帯域幅で表現された間隔Scは、(1/(Ts/2))/4=1/(2Ts)となる。また、上記の条件において、Sa=2とすることにより、サブキャリア番号S=2+4×n(n=0〜7)=2,6,10,14,18,22,26,30を導出することが可能となる。同様に、Sa=3あるいはSa=4とすることにより、他のサブキャリア番号を導出することが可能となる。
図18に示される第一の態様に係る無線リソースの指定においては、サブキャリアを4種類のユーザ群に割当てる場合には、それぞれ、Sa=1,2,3,4に対応するサブキャリアを割当てることにより、コンテンションチャネルの衝突を防ぐことができる。ユーザ群の種類が5種類以上である場合には、実施の形態1と同様に、サブキャリアの割当ての優先度を設定することにより、コンテンションチャネルの衝突を低減することができる。すなわち、例えば、図18に示されるS=1,5,9,13,17,21,25,29を、それぞれ、図5に示されるS=1〜8に置き換えればよい。
また、第一の態様に係る無線リソースの指定においては、無線リソースとして用いるべきサブキャリアを、サブキャリア番号そのものではなく所定のパラメータを含むサブキャリア割当て情報で指定するので、情報量を低減できる。例えば、図18においては、サブキャリアを、サブキャリア番号そのもので指定すると8個(S=1,S=5,S=9,S=13,S=17,S=21,S=25,S=29)の情報が必要となるが、サブキャリア割当て情報で指定すると3個(Sa=1,Sb=8,Sc=4)、の情報のみが必要となる。従って、基地局100から移動局200へ送信すべきデータ量を低減することが可能となる。
図19は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける無線リソースの指定の第二の態様を示す図である。
図19において、サブキャリア割当て情報は、先頭のサブキャリア番号Sa=1(周波数でもよい)と、サブキャリアの総数Sb=5と、演算式S=n2(n=Sa〜Sa+(Sb−1))とを含んで構成される。移動局200に内蔵されるメッセージ解析部140は、これらのパラメータおよび演算式を用いて、サブキャリア番号S=n2(n=1〜5)=1,4,9,16,25を導出する。なお、第二の態様においては、パラメータおよび演算式以外は、第一の態様と同様の動作を行い、同様の効果を奏する。また、第二の態様においても、実施の形態1と同様に、サブキャリアの割当ての優先度を設定することにより、コンテンションチャネルの衝突を低減することができる。
図20は、本実施の形態に係る無線通信システムにおける無線リソースの指定の第三の態様を示す図である。第三の態様は、第一の態様において、サブキャリアを、複数個の組から構成させることを特徴とする。
図20において、サブキャリアは、S=1,5,9,13からなる第1組とS=26,28,30,32からなる第2組とから構成される。従って、サブキャリア割当て情報は、第1組においては、先頭のサブキャリア番号Sa1=1と、サブキャリアの総数Sb1=4と、隣接するサブキャリア間の間隔Sc1=4と、演算式S1=Sa1+Sc1×n(n=0〜(Sb1−1))とを含んで構成され、第2組においては、先頭のサブキャリア番号Sa2=26と、サブキャリアの総数Sb2=4と、隣接するサブキャリア間のサブキャリア間隔Sc2=2と、演算式S2=Sa2+Sc2×n(n=0〜(Sb2−1))とを含んで構成される。第三の態様においては、サブキャリアが複数個の組から構成されること以外は、第一の態様と同様の動作を行い、同様の効果を奏する。また、第三の態様においても、実施の形態1と同様に、サブキャリアの割当ての優先度を設定することにより、コンテンションチャネルの衝突を低減することができる。すなわち、例えば、図20に示されるS=1,5,9,13,26,28,30,32を、図5に示されるS=1〜8に置き換えればよい。
すなわち、図20においては、サブキャリアf1〜f32は、本発明に係るサブキャリア列を構成する。また、サブキャリアf1,f5,f9,f13,f26,f28,f30,f32は、本発明に係るリソースサブキャリアであり、リソースサブキャリア列を構成する。また、サブキャリアf1,f5,f9,f13およびサブキャリアf26,f28,f30,f32は、それぞれ、本発明に係る第1リソースサブキャリア列を構成する。
なお、上述においては、組数が2であり、第1組と第2組とが離れている場合について説明したが、組数は2に限らず3以上であってもよく、組同士が部分的に重なっていてもよい。これにより、より多様なサブキャリア列を演算式で指定することができる。
また、リソースサブキャリア列で必要とされる周波数帯域(リソースサブキャリア列に含まれる全リソースサブキャリアの最高周波数と最低周波数との差)が広くなると、マルチパスフェージングが発生する頻度が高くなるが、このような場合においても、組数を増やし一組あたりのサブキャリア数を少なくすることにより、一組あたりの周波数帯域を狭くしマルチパスフェージングの影響を低減することが可能となる。
また、サブキャリア列の周波数(リソースサブキャリア列に含まれる全リソースサブキャリアの平均の周波数)が高くなると、マルチパスフェージングが発生する周波数が、同一の移動速度で高くなるが、このような場合においても、組数を増やし一組あたりのサブキャリア数を少なくすることにより、一組あたりの周波数帯域を狭くしマルチパスフェージングの影響を低減することが可能となる。
また、サブキャリア番号そのもので指定した場合には不規則に並んでいるように認識されるサブキャリア列であっても、所定の規則(演算式)に従う複数個の組に分けることによって、これらを組毎に規則的に認識しFFTやIFFTを一括して行うことが可能となる。これにより、処理を容易とすることができる。
また、上述においては、全サブキャリアを演算式で(すなわちサブキャリア割当て情報で)指定する場合について説明したが、サブキャリア列の一部のみをサブキャリア割当て情報で指定し、残りをサブキャリア番号そのもので指定してもよい。
このように、本実施の形態に係る無線通信システムおよび無線通信方法においては、無線リソースとして用いるべきサブキャリアを、サブキャリア番号そのものではなく、所定のパラメータ等を含むサブキャリア割当て情報で指定する。従って、送信すべき、割当てる無線リソースの組み合わせに関する情報量を低減することができる。よって、基地局100から移動局200へ送信すべきデータ量を低減することが可能となる。
なお、上述においては、基地局100から移動局200へサブキャリア番号を通知する場合について説明したが、これに限らず、移動局200から基地局100へサブキャリア番号を通知する場合に本実施の形態を適用してもよい。
また、本実施の形態において用いられる演算式は、上述したものに限らず、無線リソースとして用いるサブキャリア列のサブキャリア番号を表現できるものであればよい。
(実施の形態4)
無線リソースとして用いるべきサブキャリアは、全てが等しい帯域幅を有していてもよく、あるいは、部分的に異なる帯域幅を有していてもよい。
図21は、実施の形態4に係る無線通信システムにおけるサブキャリアの指定を示す図である。
図21に示されるように、サブキャリアf1〜f26は、比較的に狭い帯域幅を有するサブキャリアf1〜f14からなる第1組と、比較的に広い帯域幅を有するサブキャリアf15〜f18からなる第2組と、比較的に狭い帯域幅を有するサブキャリアf19〜f26からなる第3組とに分けられる。各組内において、各サブキャリアは、同じ帯域幅を有している。また、サブキャリアf1〜f14の帯域幅とサブキャリアf19〜f26の帯域幅とは、同じであってもよく、あるいは異なっていてもよい。図21においては、第1組のサブキャリアf1〜f14のうちサブキャリアf1,f5,f9,f13が無線リソースとして用いられ、第2組のサブキャリアf15〜f18のうちサブキャリアf15〜f18全てが無線リソースとして用いられ、第3組のサブキャリアf19〜f26のうちサブキャリアf20,f22,f24,f26が無線リソースとして用いられる。
すなわち、図21においては、例えば、サブキャリアf1,f5,f9,f13およびサブキャリアf20,f22,f24,f26は、それぞれ、本発明に係る第2リソースサブキャリア列を構成し、サブキャリアf15〜f18は、本発明に係る第3リソースサブキャリア列を構成する。
図22は、実施の形態4に係る無線通信システムにおける基地局100dの機能を示すブロック図である。図22は、図4において、制御情報生成部30へサブキャリア分割情報を入力させるサブキャリア分割情報格納部94を設けるとともに、復調部70の機能をさらに詳しく示したものである(図示の都合上、一部を省略している)。図22において、復調部70は、図示しないAD変換器と、AD変換器に接続された1個の直列/並列変換部71と直列/並列変換部71に接続された3個のFFT部72a,72b,72cとから構成される。サブキャリア分割情報格納部94は、無線リソースとして用いるサブキャリアを複数個の組に分割するためのサブキャリア分割情報を格納している。このサブキャリア分割情報は、各組のサブキャリアの帯域幅と、各組の先頭のサブキャリア番号と、各組のサブキャリアの総数とを含んでいる。制御情報生成部30は、サブキャリア分割情報格納部94から入力されたサブキャリア分割情報を無線フォーマットで制御情報として生成し、変調部40へ入力させる。変調部40は、制御情報生成部30から入力された制御情報に所定の変調処理を施し、RF部50へ入力させる。RF部50は、変調部40から入力された制御情報を、内蔵するアップコンバート部(図22では示さない)で無線周波数へアップコンバートした後に、アンテナ60から移動局200へ送信する。
図5に示される移動局200において、RF部120は、基地局100から送信された制御情報をアンテナ110から受信し、アナログベースバンド信号にダウンコンバートした後に、復調部130へ入力させる。復調部130は、RF部120から入力された制御情報に所定の復調処理(AD変換等)を施し、メッセージ解析部140へ入力させる。メッセージ解析部140は、復調部130から入力された制御情報を解析することにより、サブキャリア分割情報を抽出し、実施の形態3において説明したような手法を用いて、サブキャリアf1〜f26において無線リソースとして用いられるサブキャリア番号および第1〜3組それぞれの帯域幅を含む第2サブキャリア分割情報を生成し、無線リソース割当て部170へ入力させる。無線リソース割当て部170は、メッセージ解析部140から入力された第2サブキャリア分割情報に基づき、データ量決定部160から入力されたコンテンションデータを、コンテンションチャネルとしての所定のサブキャリアへ割当て、変調部180へ入力させる。変調部180は、無線リソース割当て部170から入力されたコンテンションデータに所定の変調処理(DA変換等)を施し、RF部120へ入力させる。RF部120は、変調部180から入力されたコンテンションデータを無線周波数へアップコンバートした後に、アンテナ110から基地局100へ送信する。
図22に示される基地局100dにおいて、RF部50は、移動局200から送信されたコンテンションデータをアンテナ60から受信し、内蔵するダウンコンバート部(図22では示さない)でアナログベースバンド信号にダウンコンバートした後に、復調部70へ入力させる。復調部70は、RF部50から入力されたコンテンションデータに図示しないAD変換器を用いて所定の復調処理(AD変換等)を施しデジタルデータ(直列データ)に変換し直列/並列変換部71へ入力させる。直列/並列変換部71は、第2サブキャリア分割情報に基づき、サブキャリアf1,f5,f9,f13からなる第1組に関するコンテンションデータをFFT部72aへ、サブキャリアf15〜f18からなる第2組に関するコンテンションデータをFFT部72bへ、サブキャリアf20,f22,f24,f26からなる第3組に関するコンテンションデータをFFT部72cへ、それぞれ入力させる。
一般に、帯域幅が広い場合には、信号の伝送速度を遅くし符号化率を低減することにより他の基地局からの干渉を受けにくくすることができる。従って、他の基地局からの干渉が大きい周波数帯においては、サブキャリアf15〜f18のように帯域幅を広くすればよい。
また、第1組と第2組との境界に位置するサブキャリアf14および第2組と第3組との境界に位置するサブキャリアf19を無線リソースとして用いないことにより、異なる周波数を有する組間にセンター周波数差を設けている。これにより、組間における干渉を低減することが可能となる。
なお、上述においては、広い帯域幅を有するサブキャリアf15〜f18において他の基地局からの干渉を受けにくくするために信号の伝送速度を遅くし符号化率を低減する場合について説明したが、これに限らず、拡散率を増加させてもよく、あるいは、変調率を低減させてもよい。
図23は、OFDMにおけるサブキャリアを無線リソースとして用いる場合の復調部70aの機能を示すブロック図である。図23は、図22に示される復調部70において、FFT部72a〜72cそれぞれに、逆拡散部73a〜73cを接続させたものである(図示の都合上、一部を省略している)。拡散率を増加させることは逆拡散部73a〜73cで乗算する拡散符号を長くすることであるので、第2サブキャリア分割情報に基づき、狭帯域のサブキャリアf1,f5,f9,f13に対応する逆拡散部73aは拡散符号を短くし、広帯域のサブキャリアf15〜f18に対応する逆拡散部73bは拡散符号を長くし、狭帯域のサブキャリアf20,f22,f24,f26に対応する逆拡散部73cは拡散符号を長くする。なお、逆拡散部73a〜73cにおける拡散率は、報知チャネル等を用いて基地局100から移動局200へ通知される。移動局200は、拡散率およびサブキャリア分割情報を受信した後に、これらに基づきコンテンションチャネルを基地局100へOFDM送信する。
また、図23においては、図22と同様に、直列/並列変換部71は、第2サブキャリア分割情報に基づき、サブキャリアf1,f5,f9,f13からなる第1組に関するコンテンションデータをFFT部72aへ、サブキャリアf15〜f18からなる第2組に関するコンテンションデータをFFT部72bへ、サブキャリアf20,f22,f24,f26からなる第3組に関するコンテンションデータをFFT部72cへ、それぞれ入力させる。これにより、第1組と第2組との境界に位置するサブキャリアf14および第2組と第3組との境界に位置するサブキャリアf19を無線リソースとして用いることを避け組間における干渉を低減することが可能となる。また、干渉が大きい周波数帯域の信号の伝送速度を遅くすることができるので、他の基地局からの干渉を受けにくくすることができる。
このように、本実施の形態に係る無線通信システムおよび無線通信方法によれば、サブキャリア列を、帯域幅によって複数個の組に分割する。従って、他の基地局からの干渉が大きい周波数帯において、帯域幅を拡げ、符号化率の低減または拡散率の増加を行うことにより、1個の基地局100と互いに異なる帯域幅を用いる複数個の移動局200との間においても干渉を低減しつつ通信を行うことが可能となる。従って、干渉による位相のずれを測定するために送信されるPilot信号等のプリアンブル信号のデータ量の送信回数を低減することができる。よって、使用される電力を低減することができる。また、互いに異なる帯域幅のサブキャリアを用いる互いに異なるOFDM方式を組み合わせることができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、サブキャリアの割当ての優先度を設定することにより、コンテンションチャネルの衝突を低減することができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。