JP4463065B2 - 配水コントロールシステム - Google Patents

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本発明は、複数の配水注入点を有する配水管網の前記配水注入点および配水管網内に配置されたバルブの操作量を、配水計画に基づいて制御する配水コントロールシステムに関する。
配水管網解析及び管網モデルの設計に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
「配水管網の解析と設計」1978年 森北出版発行 高桑哲男著
ファジー推論に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
「制御システム技術の理論と応用」第1版 1992年 電気書院出版発行 角 忠夫監修 広井和男編 4.2章ファジー制御
配水管網への配水注入点の圧力制御方式として、推定末端圧一定制御方式は周知の技術である。この制御方式は、配水注入点の流量が変化しても管網末端での圧力が一定となるようにポンプの吐出圧力を制御するものである。この方式は管網損失水頭が大きい場合や、需要水量の変動が大きい場合に有効である。
この場合の制御演算は、管網末端における動水圧を一定に保つため、流量による管網損失水頭を演算し、これに管網末端の動水位に加算した値をポンプの吐出圧力とするもので、基本式は次のようになる。
Psv=kFn +Pe
ここで、Psv:ポンプの全揚程(m)
Pe :管網末端の動水位(m)
k :管網抵抗係数(エリア係数)
F :配水注入点の流量(m3/s)
n :流量の指数
kFn :管網損失水頭(m)
図7は、複数のエリアに分割され複数の配水注入点を有する配水管網の各配水注入点の圧力制御を、推定末端圧一定制御手法で実行する場合の従来の配水コントロールシステムの構成を示す機能ブロック図である。1は配水管網であり、第1配水エリア11、第2配水エリア12、第3配水エリア13の3エリアに分割されている。
21は第1配水エリア11と第2配水エリア12に跨る融通バルブ、22は第2配水エリア12と第3配水エリア13に跨る融通バルブである。W1,W2,W3は、各配水エリアの配水注入点、Pe1,Pe2,Pe3は各配水エリアの末端圧力点の値である。
31,32,33は、各配水エリアに対応した水源となる浄水場であり、ポンプ41,42,43を介して配水点W1,W2,W3に配水する。5は受水池であり、広域浄水場(図示せず)等からの支援を受けて配水エリア(図示の場合は第3配水エリア13)の管網の内部に配水する。
61,62,63は、配水点W1,W2,W3に対応して設けられた第1推定末端圧一定制御手段,第2推定末端圧一定制御手段,第3推定末端圧一定制御手段であり、上位の個別操作・監視手段7より与えられる圧力設定値Psv1,Psv2,Psv3を取得して各配水エリアの末端圧力Pe1,Pe2,Pe3を一定とする制御を実行する。
第1推定末端圧一定制御手段61を代表として動作を説明する。圧力センサで測定されたポンプの吐出圧力P1及び流量センサで測定された配水流量F1を入力して、
(k1F1n +Pe1)を演算し、この値と圧力設定値Psv1との偏差に基づく操作量M1によりポンプ41の回転数を制御して演算式(Psv1=k1F1n +Pe1)を実現する。第2及び第3推定末端圧一定制御手段62及び63の動作も同様である。
個別操作・監視手段7は、オペレータ8による操作で推定末端圧力Pe1,Pe2,Pe3を個別に設定して各推定末端圧一定制御手段にダウンロードすると共に、受水池5からの配水流量F0の流量設定値、融通ポイントのバルブ21及び22の流量設定値Fsvも個別に設定する。
9は支援装置であり、データベース化された過去の実績情報に基づく需要予測情報をオペレータ8に提供し、オペレータ(又は解析作業担当者)はこの情報と自己の経験に基づいて需要予測を行い、その判断により配水計画を立案し、各制御手段への圧力設定値及び流量設定値を変更操作する。
変動する需要に対して複数の配水注入点の操作量(圧力設定値)の決定をオペレータのスキルに依存する従来の配水コントロールシステムでは、複数配水注入点を有し、エリアで融通を行うシステムにおいては次のような問題点がある。
(1)エリア間での融通が行われた場合には、各エリアの末端圧が変動するだけでなく、想定した末端点も変動するので、これを固定値として推定する配水点の圧力制御では、圧力的ウィークポイント等の発生に対して対処は難しい。
経験範囲内の変動要素に対してはオペレータの判断を介して対応はできるが、それでもいつも監視しているポイントに対しての安全性のみである。ましてや、管の破裂や渇水、火災など異常時の圧力変動に対して、瞬時に対応することは困難である。
(2)配水流量においても、需要によっては水源の負担が大きく振れるところと振れないところが発生し、広域水道受水の利用効率も低く、全体としてのバランスに欠ける。
(3)需要予測を使っていることにより、その誤差に影響されてしまう。
従って本発明が解決しようとする課題は、リアルタイムのプロセスデータにより配水管網の状態をシミュレーションし、各配水注入点を含む操作点に対して最適な操作量を自動的に算出して設定可能な配水コントロールシステムを実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明の構成は次の通りである。
(1)複数の配水注入点を有する配水管網の前記複数の配水注入点の操作量を配水計画に基づいて制御する配水コントロールシステムにおいて、
前記配水管網のデータに基づいて構築された管網モデルに、前記配水管網より測定されるプロセスデータを入力して前記配水管網の状態をシミュレーションする管網解析手段と、前記管網解析手段の解析結果と、前記配水計画に基づいて設定される判定条件とを比較する判定手段と、
前記判定手段の判定結果が前記判定条件を満たしていない場合に、前記操作量の変更情報を前記管網解析手段に与えるファジー推論手段と、
前記判定手段の判定結果が前記判定条件を満足する場合には、前記複数の配水注入点の操作量を決定する操作量決定手段と、
を備え、
前記操作量決定手段は、前記操作量として、前記複数の配水注入点毎に設けられた推定末端圧一定制御手段の圧力設定値、前記配水管網内に配水される受水の流量設定値、前記配水注入点より配水される配水エリアを跨いで前記配水管網内に配置されたバルブの開度設定値、前記配水管網のエリア係数の補正値のすくなくともいずれかを決定することを特徴とする配水コントロールシステム。
)前記操作量決定手段により決定された前記圧力設定値を、前記複数の配水注入点毎に設けられた推定末端圧一定制御手段における瞬時流量制御の圧力設定値に変換する瞬時流量制御変換手段を備えたことを特徴とする(1)に記載の配水コントロールシステム。
)前記瞬時流量制御変換手段は、前記決定された圧力設定値で算出される想定末端圧に基づき、前記瞬時流量制御の圧力設定値を算出することを特徴とする(2)に記載の配水コントロールシステム。
)前記瞬時流量制御変換手段は、変換された圧力設定値と現在の圧力設定値を比較し、前記推定末端圧一定制御手段に推定末端圧の補正値を算出して渡すことを特徴とする(2)又は(3)に記載の配水コントロールシステム。
)前記配水管網のプロセスデータと前記管網解析手段の解析結果を入力して前記判定条件に与えられる配水計画を補正する解析誤差補正手段を備えたことを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の配水コントロールシステム。
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果がある。
(1)特定地域需要変動過多時の複数水源でのバックアップによる個別水源の局所的負荷変動を抑制でき、圧力ウィークポイントの発生を防止できる。
(2)負荷変動抑制により各浄水場の各種の処理制御が安定し、その結果水質も安定する。
(3)負荷配分はあらかじめ計画するものであり、原単位抑制が可能である。
(4)配水計画に基づいて、仮想の配水エリアをリアルタイム、かつダイナミックに変更できる。
(5)センサの無いポイント(管網構築で指定された交点)でも圧力及び流量が監視できる。
(6)各エリアの需要変動(季節、および一日)に対して、水源間の相互融通を積極的、且つ計画的に運用することにより、限られた浄水場の施設能力の範囲内で、最適な運転が可能となる。また、水源や配水管網での事故や災害時にも、この相互融通手段により、応援給水が可能となる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。図1は本発明を適用した配水コントロールシステムの基本構成の一例を示す機能ブロック図である。鎖線の下側領域Xは、図7で説明した従来システムを簡略的に示したものであり、同一要素には同一符号を付し、説明を省略する。以下、本発明の特徴部につき説明する。
図1において、鎖線の上側領域Yが本発明の適用領域である。この領域において、ブロック100は本発明の主要部をなす配水コントロール手段、200は配水計画手段、300は瞬時流量制御変換手段である。
配水コントロール手段100において、101は管網解析手段であり、配水管網1内で指定された交点の情報に基づいて構築された管網モデルを有し、これに対して配水管網のプロセスデータ(各配水注入点及び受水点流量、エリア外への流出点流量、各水源水頭等)PVを入力し管網内の状態をシミュレーションする。
管網のモデル構築及び解析の手法は、非特許文献1等により周知の汎用的な手法を利用することができる。又、モデル構築を支援するアプリケーションソフトウェアも市販されているので、これを利用することも容易である。
構築された管網モデルでは、配水管網中で指定された複数の交点での統計的な需要量データに基づいて管網全体の流量に対する比率が貼り付けられているので、配水管網に流入出する流量が決定されると、指定交点や管路の圧力,流量はセンサがなくても精度よく測定可能となる。
102は判定手段であり、管網解析手段101の解析結果と配水計画手段200からダウンロードされる情報に基づいて設定される判定条件を比較する。解析結果の一つでも判定条件を満足しない場合にはNG、すべて満足する場合はOKを出力する。
103はファジー推論手段であり、判定手段102の出力がNGの場合に管網解析手段101の解析データをファジー推論の入力データとして取得し、各入力項目が操作量に及ぼす影響を演算して操作量の変更情報を出力し、これを管網解析手段101に与えて再度の管網解析を実行させる。

この再分析のループは、解析結果の全てが判定条件を満足するまで実行される。管網の制御では配水注入点や融通ポイントが互いに影響を及ぼし合う特性があり、ファジー推論の得意とする多変数制御が有効である。
ファジー推論手段103は、入力データの項目に対応して設けられた複数のファジーコントローラを備えており、各コントローラはメンバーシップ関数と制御則に基づいて出力データ(操作量)への適合度を算出し、各コントローラの出力を反映するメンバーシップ関数により重心点を代表値として算出する。
ファジー推論の手法は、非特許文献2等により周知の汎用的な手法を利用することができる。プロセス制御分野では、ファジー推論手段をエンジンとするエキスパートシステムは周知であり、本発明でこの手法を利用することにおいて技術的な困難性はない。
104は、判定手段102の出力がOK、即ち解析結果の全てが判定条件を満足する情報を受けたときにファジー推論手段で算出されている操作量を配水コントロールの最適操作量として決定し、下位の瞬時流量制御変換手段に渡す。
300は瞬時流量制御変換手段である。通常下位の推定末端圧一定制御手段は1分程度の制御周期(短周期)で制御されているが、配水コントロール手段100による最適操作量の決定はコンピュータの処理速度やプログラムの規模に依存するが、5〜30分(長周期)の更新周期をもつ。
瞬時流量制御変換手段300は、この制御周期の差を補完するものであり、配水コントロール手段100により決定される長周期の操作量を、推定末端圧一定制御手段で必要な短周期の操作量に変換するための補正演算を実行する。
配水コントロール手段100の演算周期が十分早い場合には、瞬時流量制御変換手段300を介さないで操作量決定手段104の出力で直接推定末端圧一定制御手段に操作量を設定することが可能であり、さらに配水コントロール手段100で配水管網1の配水点や融通点の操作をダイレクトに制御することも可能である。
図2は、図1で説明した基本構成を有する配水コントロールシステムの一実施形態を示す機能ブロック図である。Xで示した鎖線下部の領域は図7で説明した推定末端圧一定制御手段の構成と同一であるが、各制御手段の演算式にエリア係数補正項k1´,k2´,k3´を含む点、及び末端圧の値が固定値ではなく演算された補正値H1,H2,H3である点が相違する。
配水コントロール手段100における管網解析手段101、判定手段102、ファジー推論手段103、操作量決定手段104の構成及び動作は図1と同一である。管網解析手段101は、解析条件設定手段101a及びこの設定手段から与えられるデータが入力される管網モデル101bを有する。
105は判定条件設定手段であり、基本的には図1で説明したように配水計画手段200より判定条件が与えられる。106はプロセスデータPVの収集処理手段であり、収集したプロセスデータを、解析条件設定手段101a及び解析誤差補正手段107に供給する。
解析誤差補正手段107は、配水計画値とプロセスデータとを比較し、差が生じている場合には判定条件設定手段105に与えられる配水計画を段階的に補正する。この補正に関しては図6で説明する。
108は管網モデル構築手段であり、管網の変更、交点データの変更等を取得して管網モデルを常に現状の管網が反映された状態に維持するためのメンテナンスを実行する。109は知識ベース構築手段であり、ファジー推論手段のメンバーシップ関数や制御則が適正に設定されるようにチューニングする。
ファジー推論手段103において、103aは複数のファジーコントローラであり、この実施形態では3個の配水点の圧力設定値及び2個のエリア間融通バルブの開度設定値に対応してファジーコントローラは5台である。
操作量決定手段104で決定される操作量は、3個の推定末端圧一定制御手段61,62,63に対する配水注入点の圧力設定値P´sv、融通バルブ21,22の開度設定値Zsv、受水池5からの受水流量設定値Fsv、3個の配水エリアのエリア係数補正値k´である。
301,302,303は、第1瞬時流量制御変換手段,第2瞬時流量制御変換手段,第3瞬時流量制御変換手段であり、第1推定末端圧一定制御手段61,第2推定末端圧一定制御手段62,第3推定末端圧一定制御手段63に夫々対応して設けられている。
第1瞬時流量制御変換手段301を代用としてその構成を説明する。301aは瞬時流量制御圧力設定値算出手段であり、配水コントロール手段100で決定された圧力設定値P´sv1を瞬時流量制御圧力設定値P”sv1に変換する。
301bは補正値演算手段であり、変換された圧力設定値P狽唐魔Pと現在の圧力設定値Psv1を比較し、末端圧の補正値H1を演算する。301cは送信手段であり、演算された補正値H1を第1推定末端圧一定制御手段61に送信する。第2瞬時流量制御変換手段302及び第3瞬時流量制御変換手段303の構成及び動作も同様である。
エリア係数の補正値k´は、操作量決定手段104より各推定末端圧一定制御手段に直接ダウンロードされる。融通バルブ21,22の開度設定値Zsv及び受水流量設定値Fsvも直接配水管網1側に直接ダウンロードされる。
図3は、図2の構成における信号の処理手順を示すフローチャートである。ステップS1ではプロセスデータがリアルタイムに収集されている。処理が開始されると、ステップS2で配水計画がおこなわれ、この情報に基づいてステップS3では判定条件が決定される。
ステップS4では管網解析の解析条件が決定される。この条件には収集されたプロセスデータ並びにファジー推論手段より与えられる操作量が反映される。この解析条件に基づいてステップS5では管網モデルを使用したシミュレーションによる管網解析が実行される。
ステップS6では、管網解析結果がステップS3の判定条件を全て満足するか否かが判定される。判定結果がNGであればステップS7のファジー推論手段に解析結果を渡して操作量変更を実行しステップS4に戻り再度の解析が実行される。このループは解析結果が全ての判定条件を満足するまで実行される。
ステップS6での判定結果がOKとなれば、ステップS8で配水注入点の圧力設定値P´sv、受水流量設定値Fsv、管網内の融通ポイントのバルブ開度設定値Zsv、エリア係数の補正値k´を決定する。
ステップS9では、決定された圧力設定値P´svより瞬時流量制御変換手段の瞬時流量制御圧力設定値P”svを算出する。ステップS10では算出されたP”svと現在の圧力設定値Psvを比較して適性制御が実行される末端圧の補正値Hαを演算する。
ステップS11では、ステップS8で決定されているFsv、Zsv、k´にステップS10で演算された補正値Hαを追加して下位の制御手段に送信して処理の1周期を終了する。
Hα及びk´は各推定末端圧一定制御手段に送信され、各配水注入点の圧力を制御する。Fsvは受水流量制御手段の設定値として、Zsvは管網内の融通点のバルブ開度制御手段の設定値として送信される。
図4は、配水コントロール手段100及び配水計画手段200で扱われる具体的なデータの例を表示した機能ブロック図である。プロセスデータ収集手段106は、収集したプロセスデータPVの処理を行い、管網内全交点需要量、水源の水頭固定点圧力、流量設定ポンプ及びバルブの流量、開度設定バルブの開度情報を管網解析手段101の解析条件に設定する。
プロセスデータ収集手段106は、更に瞬時全体需要量を演算して判定条件設定手段105に与える。
管網解析手段101の解析対象項目は、水源流出流量、指定交点圧力、指定配管の流量,流速,流向である。この解析結果が管網の状態を管網モデルによりシミュレーションした管網状態データとして判定手段102に入力され、判定条件を満足するか否かが判定される。
計画手段200での計画内容は、自己水源による配水計画と広域受水による配水計画を反映するものであり、計画負荷配分率、水源流量許容偏差、指定交点圧力上下限、指定配管の流量及び流速の上下限、流向不可配管指定、受水配水の流量設定値等である。
このような計画情報に基づく判定条件は、瞬時全体需要量に計画配分率を乗算した水源計画流量、水源流量許容偏差、指定交点圧力上下限、指定配管の流量及び流速の上下限、流向不可配管指定である。
管網解析結果による管網状態データがこの判定条件を1つでもクリアしない場合(NG)には、水源流出流量の偏差(計画流量−解析流量)に加えて指定交点圧力、指定配管の流量,流速,流向の解析結果がそのままファジー推論手段103の入力データとして与えられる。
ファジー推論手段103は、これらの入力項目に対してファジー推論により水源吐出圧力及び管網内バルブの開度設定値に関する操作量変更情報を出力して管網解析手段101に与え、再度の管網解析を実行させる。
判定手段の判定結果がOKである場合には、操作量決定手段104により、水源吐出圧力の設定値P´sv及び管網内バルブ開度の設定値Zsvを決定し、これを下位の配水管網制御手段にダウンロードする。
図5は、本発明を実現するためのハードウェア的な装置構成と各装置が有する処理機能を表した模式図である。ブロック内の詳細は図1乃至図4の説明と重複するので処理機能の概要のみを説明する。ブロックAは管網解析処理装置であり、本発明主要部の管網解析、判定、ファジー推論に関連する処理を実行する。
ブロックBは入出力装置であり、決定された設定値出力と判定値の手動操作を実行する。ブロックCは知識ベース構築手段であり、プロセスデータを入力してファジー推論のための知識ベースの構築と配水量計画を支援する各種演算を実行する。
ブロックDは管網モデル構築手段であり、解析結果に基づくデータと管網構築ソフトウェアで処理した情報に基づいて管網情報のメンテナンスを実行する。管網構築ソフトウェアは、市販されている汎用ソフトウェアを利用することができる。
次に、瞬時流量制御変換手段300における想定端末圧力の算出手順について説明する。シミュレーションにより操作量決定手段104で決定された配水注入点の圧力設定値P´svは、計画量と各配水注入点の配水量がバランスする値であるが、現状では更新周期が長い(5〜30分)という問題点がある。
実際のプロセスでは時々刻々と需要量が変化しており、その変化に合わせ配水圧力も変更する必要があり、更新周期を1分程度に早くする必要がある。そこで本システムでは、シミュレーションで求めた配水点圧力設定値をもとに、浄水場で実施している推定末端圧一定制御への設定を調整する。
第一段階として、推定末端圧一定制御の関係から、(1)式により計画配水量とシミュレーションで求めた配水圧力設定値から想定末端圧力Pαを計算する。
Pα=P´sv−kQ ‥(1)
ここで、 Pα :想定末端圧力
P´sv:シミュレーションで求めた配水圧力設定値
k :エリア係数
Q :配水注入点計画流量
n :流量係数
需要量が短時間で大幅に変化しても、前記想定末端圧力が保持される条件として、(2)式により給水点の想定配水圧力P''svを短周期で求める。qは短周期毎の瞬時需要量と配水注入点の計画配分率から求める。
P''sv=kq+Pα ・・(2)
ここで、 P''sv :想定配水圧力
q :短周期毎の配水点分担量
Pα :(1)式で求めた想定末端圧力
k、n :(1)式と同じ
浄水場の推定末端圧一定制御において用いる推定末端圧補正値Hαを(式3)により計算する。
Hα=P''sv−Psv+Hα´ ‥(3)
ここで、 Hα :推定末端圧補正値
P''sv :(2)式で求めた想定配水圧力
Psv :現在の浄水場の配水圧力設定値
Hα´ :前回の推定末端圧補正値
各浄水場は、(4)式により計算する配水圧力を用いて推定末端圧一定制御を実行する。
Psv=kF+Pe+Hα ‥(4)
ここで Psv :浄水場の配水圧力設定値
F :浄水場の配水流量
Pe :推定末端圧力
Hα :推定末端圧補正値
k、n :(1)式と同じ
本システムでは、エリア係数kに補正項k´を導入し、(4)式を(5)式の形態として推定末端圧一定制御を実行している。
Psv=k(1+k´)F+Pe+Hα‥(5)
エリア係数を固定値としないで適正バランスのための変数とすることにより、配水エリアを仮想的に変更することが可能となり、制御性の向上に貢献することができる。
次に計画配分率の補正について説明する。水源間の配分率(配水バランス計画)は水源毎に1時間単位で時刻別にプログラム設定されるが、計画配分率に対して実績配分率はずれることがある。これは管網解析の誤差に起因する。
そこで、次の日は少しでも計画配分率に近づくように補正する。この補正処理は、図2に示した解析誤差補正手段107で実行される。この解析誤差補正手段107は、配水計画値とプロセスデータより得られる実績配分率の差に基づいて配水計画手段200より判定条件設定手段105に与える配分率を修正する。
配分率修正の手法の一例を説明する。当日の毎時の配分率は、前日同時刻の計画配分率と実績配分率の差にゲインを掛け(=当日補正量)、前日の実績配分率(=前々日の実績配分率+前日の補正値)に加減算する。
更に翌日の実績配分率は、当日同時刻の計画配分率と実績配分率の差にゲインを掛けて、当日実績配分率に加減算する。こうすることによって、急激な変動を与えないで徐々に収束する補正を実行する。補正は毎時実行する。
図6は、前日の誤差に対して一定比率を掛けた補正値で当日の配分率を、毎時補正する手法による補正値の推移を示したイメージ図である。このような段階的な補正は計画配分率が変更されるまで継続される。誤差は収斂されて行くがゼロにはならない。
図1乃至図6で説明した実施形態は、各配水エリアの制御手段として現在汎用的に採用されている推定末端圧一定制御手段に本発明を適用した実施例である。本発明を更に進化させた実施態様としては、配水コントロール手段100の演算周期が十分早い場合には、前記したように配水コントロール手段100で配水管網1の配水点や融通点の操作をダイレクトに制御する実施形態も可能である。
図2において、配水コントロール手段100内に示した点線のブロック110は、判断手段102の結果を受けてダイレクトに配水管網を制御するための機能を備えた配水管網制御手段である。ダイレクト制御では、従来下位の各推定末端圧一定制御手段で実行していた制御のアルゴリズムはすべて上位の配水コントロール手段に集約されることになる。
以上説明したように、本発明の配水コントロールシステムによれば、熟練経験オペレータのスキルによっても適正なバランスを実現することが困難であった複数の配水注入点並びに管網内にエリア間の融通バルブを持つ配水管網のエリア間バランスを、リアルタイムに最適制御することが可能となる。
更に、本発明の主要構成要素として採用される管網モデルを備えた管網解析手段並びにファジー推論手段は、確立された周知技術を利用することができ、システム開発の技術的なボトルネックとはならないので、容易にシステムを構築することが可能である。
本発明を適用した配水コントロールシステムの基本構成を示す機能ブロック図である。 図1の基本構成を有する配水コントロールシステムの一実施形態を示す機能ブロック図である。 図2の構成における信号の処理手順を示すフローチャートである。 配水コントロール手段及び配水計画手段で扱われる具体的なデータの例を表示した機能ブロック図である。 本発明を実現するためのハードウェア的な装置構成と各装置が有する処理機能を表した模式図である。 前日計画配分率誤差に対して一定比率を掛けた補正値で当日の配分率を毎時補正する手法による補正値の推移を示したイメージ図である。 従来の配水コントロールシステムの構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 配水管網
11 第1配水エリア
12 第2配水エリア
13 第3配水エリア
W1,W2,W3 配水点
21,22 融通バルブ
31,32,33 浄水場
41,42,43 ポンプ
61,62,63 推定末端圧一定制御手段
100 配水コントロール手段
101 管網解析手段
102 判定手段
103 ファジー推論手段
104 操作量決定手段
200 配水計画手段

Claims (5)

  1. 複数の配水注入点を有する配水管網の前記複数の配水注入点の操作量を配水計画に基づいて制御する配水コントロールシステムにおいて、
    前記配水管網のデータに基づいて構築された管網モデルに、前記配水管網より測定されるプロセスデータを入力して前記配水管網の状態をシミュレーションする管網解析手段と、前記管網解析手段の解析結果と、前記配水計画に基づいて設定される判定条件とを比較する判定手段と、
    前記判定手段の判定結果が前記判定条件を満たしていない場合に、前記操作量の変更情報を前記管網解析手段に与えるファジー推論手段と、
    前記判定手段の判定結果が前記判定条件を満足する場合には、前記複数の配水注入点の操作量を決定する操作量決定手段と、
    を備え、
    前記操作量決定手段は、前記操作量として、前記複数の配水注入点毎に設けられた推定末端圧一定制御手段の圧力設定値、前記配水管網内に配水される受水の流量設定値、前記配水注入点より配水される配水エリアを跨いで前記配水管網内に配置されたバルブの開度設定値、前記配水管網のエリア係数の補正値のすくなくともいずれかを決定することを特徴とする配水コントロールシステム。
  2. 前記操作量決定手段により決定された前記圧力設定値を、前記複数の配水注入点毎に設けられた推定末端圧一定制御手段における瞬時流量制御の圧力設定値に変換する瞬時流量制御変換手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の配水コントロールシステム。
  3. 前記瞬時流量制御変換手段は、前記決定された圧力設定値で算出される想定末端圧に基づき、前記瞬時流量制御の圧力設定値を算出することを特徴とする請求項2に記載の配水コントロールシステム。
  4. 前記瞬時流量制御変換手段は、変換された圧力設定値と現在の圧力設定値を比較し、前記推定末端圧一定制御手段に推定末端圧の補正値を算出して渡すことを特徴とする請求項2又は3に記載の配水コントロールシステム。
  5. 前記配水管網のプロセスデータと前記管網解析手段の解析結果を入力して前記判定条件に与えられる配水計画を補正する解析誤差補正手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の配水コントロールシステム。
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