JP4462202B2 - 被覆線状体の製造方法 - Google Patents
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Description
この種の樹脂によって被覆されたケーブルを製造するには、ニップルによって導かれた線状体をダイスの孔に通すことにより、ダイスとニップルとの間に充填された樹脂を線状部材に被覆する押出成形を行っている。
しかし、このようにケーブルの線速を調整しながら2本のケーブルを製造すると、それぞれのケーブルにおける時間当たりの押し出し長さが異なるため、例えば、樹脂を変更する色替え、心線変更、型変更あるいは押出終了等の実施タイミングにずれが生じ、実施タイミングが早い側のケーブルでは、実施タイミングの遅い側のケーブルのタイミングに達するまで、次のケーブルの製造を開始することができないため、その分の無駄が生じてしまう。
各前記分岐供給路に設けられた流量調整機構により各前記分岐供給路から各前記樹脂供給流路に供給される前記樹脂の量をそれぞれ調整して、各前記線状体をその線速を合わせて走行させつつ各前記被覆線状体の外径を目標外径となるようにして同時に製造することを特徴とする。
図1は本実施形態にて製造する被覆線状体であるケーブルの製造装置を示す概略構成図、図2は製造装置を構成する押出成形機を示すケーブルの走行方向に直交する断面図、図3は図2の押出成形機のX−X断面図、図4は図2の押出成形機のY−Y断面図、図5は、押出成形機に設けられた流量調整機構を説明する断面図である。
なお、本実施形態では、被覆線状体として、導線あるいは光ファイバ等の心線に樹脂を被覆したケーブルを例にとって説明する。
この製造装置11によりケーブル1を製造するには、2つの心線供給リール16から心線2を樹脂被覆部13へそれぞれ送り込み、これら心線2を、予熱装置14にて予熱し、押出成形機12にて押出成形することにより樹脂を被覆し、冷却装置15にて冷却して送り出す。
そして、この樹脂被覆部13にて樹脂によって被覆された2本のケーブル1は、引取装置17により引き取られ、それぞれ巻取リール18に巻き取られる。
図2及び図3に示すように、押出成形機12は、押出機31及びクロスヘッド32から構成されている。押出機31は、加熱シリンダ33とスクリュ34とを備えており、スクリュ34を回転させて加熱シリンダ33内の圧力を高め、樹脂Rを加圧して溶融させ、この樹脂Rを、供給路35を介してクロスヘッド32の内部へと送り出す。
それぞれの押出成形部40のホルダ孔41には、後方側から円筒状のニップルホルダ43が挿入されている。これらニップルホルダ43には、その先端近傍部分に、後端側を大径とすることにより係止段部43aが形成されており、ダイスホルダ42のホルダ孔41へ挿入した際に、この係止段部43aが、ホルダ孔41の内周面に形成された係止突起42aに係止し、軸方向の位置決めが行われる。
図5に示すように、この流量調整機構55は、分岐路52bを形成する壁部56に形成されたネジ孔57と、このネジ孔57にねじ込まれた流量調整ボルト58とから構成されている。そして、この流量調整機構55では、このネジ孔57へ流量調整ボルト58をねじ込むことにより、流量調整ボルト58の先端側が分岐路52bに出没され、そのねじ込み量を調整することにより、分岐路52bにおける流路断面積が増減される構造を備えている。
なお、流量調整機構としては、ボルト方式をピン方式として、油圧機構により出入りを調整して流量を調整する機構とすることもできる。
このニップル61は、その後端部に、周方向へ沿って外周側へ突出した係止突条61bが形成されている。また、ニップルホルダ43には、その先端部における内径を小径とすることにより係合段部43bが形成されている。そして、このニップル61をニップルホルダ43の後端側から挿入すると、ニップル61の係止突条61bがニップルホルダ43の係合段部43bに係合し、ニップルホルダ43に対してニップル61が軸方向へ位置決めされる。
ダイス62には、成形するケーブル1の外径に合わせて形成されたダイス孔62aが形成されている。このダイス孔62aには、平面視にて、ニップル61の心線導入孔61aが中心に配置されている。これにより、心線導入孔61aから導き出された心線2が、樹脂導入間隙63へ導入される樹脂Rとともにダイス孔62aから押し出される。
そして、これら分岐路52bにそれぞれ送り込まれた樹脂Rは、それぞれの押出成形部40の円筒状の樹脂供給流路51へ供給され、さらに、この樹脂供給流路51から樹脂導入間隙63へ導入され、ニップル61の心線導入孔61aに挿通された心線2とともにダイス62のダイス孔62aから押し出される。これにより、中心に心線2が配置され、心線2の外周が樹脂Rによって被覆されたケーブル1が、各押出成形部40からそれぞれ押出成形される。
そして、それぞれの押出成形部40から押し出されるケーブル1の線速を合わせながら、外径測定器による測定値に基づいて、流量調整機構55によって押出機31から各押出成形部40へ供給する樹脂Rの供給量をそれぞれ調整する。
これにより、各押出成形部40から押出成形される2本のケーブル1を、互いの線速を合わせつつ、それぞれの外径を目標外径とすることができる。
例えば、外径φ0.92±0.025mmの2本のケーブルを線速400m/分で製造しようとしたときに、一方のケーブル外径がφ0.97mm、他方のケーブル外径がφ0.87mmであった場合、線速を制御する方式では、一方の線速を425.8m/分に上げ、他方の線速を373.1m/分に下げる必要がある。
この場合、20000mの製造後に、樹脂の色替え、心線変更、型変更あるいは押出終了などを実施しなければならないとすると、この実施タイミングとしては、一方のケーブルでは、46.85分(20000/425.8)後となり、他方のケーブルでは、53.6分(20000/373.1)後となる。
このため、樹脂の色替え、心線変更、型変更あるいは押出終了の実施タイミングのずれをなくすことができる。これにより、これらの実施タイミングのずれによって生じる不要な押し出しをなくすことができ、製造時における無駄を極力なくしつつ2本のケーブル1を同時に製造して生産性を向上させることができる。
なお、流量調整ボルト58のねじ込み量の調整及び油圧機構によるピンの出入り量の調整は、流量調整ボルト58を回動させる駆動手段及び油圧ポンプによる駆動手段を設け、外径測定器からの検出結果に基づいて制御手段によって駆動手段の駆動を制御することにより行うのが好ましい。
2 心線(線状体)
12 押出成形機
31 押出機
32 クロスヘッド
40 押出成形部
52 分岐供給路
55 流量調整機構
61 ニップル
62 ダイス
62a ダイス孔(孔)
R 樹脂
Claims (1)
- 押出機で樹脂を溶融させて、クロスヘッドに設けたダイスとニップルからなる複数の押出成形部へ、複数の分岐供給路および各前記分岐供給路と連通する円筒状の樹脂供給流路を介して前記樹脂を供給し、各前記ダイスの孔に線状体をそれぞれ通して各前記線状体の外周に同時に前記樹脂を塗布して複数本の被覆線状体を製造する際、
各前記分岐供給路に設けられた流量調整機構により各前記分岐供給路から各前記樹脂供給流路に供給される前記樹脂の量をそれぞれ調整して、各前記線状体をその線速を合わせて走行させつつ各前記被覆線状体の外径を目標外径となるようにして同時に製造することを特徴とする被覆線状体の製造方法。
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