JP4461084B2 - 複数の待機電力モードを有するテレビジョン受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の待機電力モードを有するテレビジョン受信機に関する。
従来、テレビジョン受信機においては、待機電力を少なくするため、電源オフ期間はユーザからのリモコン操作等のみ受け付けるために必要となる必要最低限のハードのみに電源を供給する待機電力モード（以下、「完全スタンバイモード」という。）、モニターへの電源供給のみ停止する待機電力モード（以下、「擬似スタンバイモード」という。）を状況によって使い分けている。
また、北米におけるデジタルケーブル受信機能付きのテレビジョン受信機には、ケーブルテレビ番組のスクランブルを解除するためにＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールと呼ばれるセキュリティカードとのＩ／Ｆ（Ｉｎｔｅｒｆａｃｅ）が必須である。受信機は、電源オフ期間も含めて常時ＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールに電源を供給し、ＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールが電源オフ期間中もＥＭＭ（Ｅｎｔｉｔｌｅｍｅｎｔ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ Ｍｅｓｓａｇｅ）等を取得できるようにＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールとの通信を維持することが規格上必須となっている。このため、北米では、上記のユーザからのリモコン操作等のみ受け付けるために必要となる最低限のハードと共に、ＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールとの通信に必要なハードにも電源を供給する電力待機モード（以下、「部分スタンバイモード」という。）を備えたものがある。
また、テレビジョン放送を受信して録画再生する録画再生装置の電源制御装置および電源制御方法の従来技術としては、例えば、特許文献１に示されているように、ユーザが入力を行った場合に現在時刻を取得して、電源投入の予約時間及び待機終了時刻を算出してメモリに保存して、予約時間まで装置の所定の部分のみに電源を供給して待機させる電源制御方法が知られている。
特開２００３−１５０２８２号公報
しかしながら、例えば、テレビジョン受信機に電子番組表が搭載されており、電源オン時には自動的に電子番組表を表示するようにユーザが設定している場合、さらに、電源オンで最初に表示するチャンネルがＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールによるスクランブル解除処理が必要であった場合、上記の完全スタンバイ、あるいは、部分スタンバイからの起動では、ソフト的には再起動を行う必要がある。このため、完全スタンバイ、部分スタンバイともに起動後の番組表や番組の表示までに時間がかかってしまい、待機電力は削減できるがユーザに不便を感じさせてしまう。
デジタル放送のスクランブルを解除するためのセキュリティモジュール装着部を有するテレビジョン受像機において、リモコン受信部などのハードのみ電源供給する待機電力モード（完全スタンバイ）、完全スタンバイで電源供給するハード以外にセキュリティモジュールにも電源を供給する待機電力モード（部分スタンバイ）、最低モニターへの電源供給のみ停止する待機電力モード（擬似スタンバイ）を少なくとも備え、起動時のユーザに対する映像や電子番組表の提示が遅くなり過ぎないように待機電力モードの判定部を有する。
また、待機電力モード判定部においては、次回起動時には前記電子番組表を自動的に表示しなければならない場合には擬似スタンバイを選択する。
さらに、待機電力モード判定部において、次回起動時には前記電子番組表を自動的に表示せず、且つ、前記セキュリティモジュールが装着されており、次回起動時にユーザに提示するチャンネルの視聴にセキュリティモジュールでのスクランブル解除処理が必要であれば擬似スタンバイを選択し、必要でなければ部分スタンバイを選択する。
起動時のユーザに対する映像や電子番組表の提示が遅くなり過ぎないように待機電力モードを判定するため、待機電力を抑えるためにユーザの使い勝手が犠牲になってしまうという欠点が無くなり、待機電力とユーザの使い勝手をバランス良く両立できる。
また、電子番組表の自動表示が有効になっている場合、電源オンで電子番組表を瞬時に表示できるように擬似スタンバイに落とすのは電子番組表を直ちに確認したいというユーザの意思を尊重しており、待機電力が大きくなってしまうデメリットより使い勝手の向上が大きい。
さらに、電子番組表の自動表示が無効になっている場合、次回起動時にユーザに提示するチャンネルの視聴にセキュリティモジュールでのスクランブル解除処理が必要であるか否かによって適応的に擬似スタンバイ、部分スタンバイを選択するので、直ちにユーザに所望する映像を提示できるように使い勝手を最優先した上で、待機電力も極力抑えることが出来る。
以下に、この発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図１は、本発明のテレビジョン受信機のブロック構成図を示している。
デジタルＴＶ信号チューナ部１０２は、ＶＳＢ（Ｖｅｓｔｉｇｉｔａｌ Ｓｉｄｅ Ｂａｎｄ）復調部やＱＡＭ（Ｑｕａｄｒａｔｕｒｅ Ａｍｐｌｉｔｕｄｅ Ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ）復調部を有し、ユーザの選局指示に従って、地上波デジタル放送、ケーブルテレビ放送のどちらかの信号を受信して、所望するＭＰＥＧ（Ｍｏｖｉｎｇ Ｐｉｃｔｕｒｅ Ｅｘｐｅｒｔｓ Ｇｒｏｕｐ）トランスポートストリームを取り出す。
セキュリティモジュールＩ／Ｆ部１０９は、セキュリティモジュール１１０へのＭＰＥＧトランスポートストリーム入出力等の制御を行う。セキュリティモジュール１１０は北米ではＣａｂｌｅＣＡＲＤ モジュールと呼ばれるケーブルテレビ放送の限定受信処理に用いられるＰＣカードである。
ケーブルテレビ放送のデジタル番組が選局された場合、セキュリティモジュール１１０が装着されていれば、セキュリティモジュールＩ／Ｆ部１０９を経由してＭＰＥＧトランスポートストリームをセキュリティモジュール１１０に送出する。セキュリティモジュール１１０が挿入されていない場合や地上波デジタル放送が選局されている場合にはデスクランブル部１０３に直接送り出す。
セキュリティモジュール１１０は、ケーブル局から送信されるＥＭＭ内のユーザ契約情報に従って、選局されたケーブルテレビ番組の視聴可否を判定して、デスクランブル可能ならば入力されているＭＰＥＧトランスポートストリームに対して該当番組のスクランブルを解除する。
コピー制御が必要な番組の場合、さらに生のＭＰＥＧトランスポートストリームがセキュリティモジュール１１０からデスクランブル部１０３の間で不正に盗まれないように、セキュリティモジュール１１０がＭＰＥＧトランスポートストリームに新たにスクランブルを施す。このように処理した後、ＭＰＥＧトランスポートストリームはセキュリティモジュールＩ／Ｆ１０９を経由してデスクランブル部１０３に送り出される。
デスクランブル部１０３は、前述したセキュリティモジュール１１０によるＭＰＥＧトランスポートストリームのコピー制御用のスクランブルを解除し、ＭＰＥＧデコード部１０４はデマルチプレクス処理やＭＰＥＧのＡＶデコード処理を行う。
アナログＴＶ信号チューナ部１０５は、地上波アナログ放送、又は、ケーブルテレビ放送のアナログ放送番組をユーザの選局指示に従って復調する。
ＡＶエンコード部１０６は、ＭＰＥＧデコード部１０４、アナログＴＶ信号チューナ部１０５からのＡＶ復調信号に対して映像・音声を出力するためのＡＶエンコード処理を行い、モニター１０７とスピーカー１０８に送り出し、モニター１０７とスピーカー１０８で映像と音声が出る。
ＣＰＵ１１１は、メモリ１１２に記憶したプログラムやデータを利用して全体の制御を行う。
リモコン受光部１１３は、リモコン信号を受信し、サブＣＰＵ１１４は、リモコン信号を解析し、電源回路１１５の制御やＣＰＵ１１１との通信を行う。
電源回路１１５では、電源オフ時に以下の３つの待機電力モードを持つようにハードウェアへの電力供給／停止を行う。
（ａ）完全スタンバイ：リモコン受信部等の必要最低限のハードのみに電源供給（点線１１６で囲ったハードへの電源供給停止）。
（ｂ）部分スタンバイ：リモコン受信部等の必要最低限のハードに加えて、セキュリティモジュール１１１との通信に必要なハードにも電源供給（破線１１７で囲ったハードへの電源供給停止）。
（ｃ）擬似スタンバイ：モニターとスピーカーのみ電源供給停止（一点鎖線１１８で囲ったハードへの電源供給停止）。
受信機１０１には、電子番組表が搭載されており、電源オン時に自動的に電子番組表を表示する機能（以下、自動ガイド表示機能）があり、メニューで機能を有効にするか否かを設定できる。
リモコン電源オフ時の待機電力モードの選択は、図２のフローチャートに従う。
Ｓ２０１で自動ガイド表示機能が有効に設定されていれば、擬似スタンバイを選択する。これは、擬似スタンバイは待機電力がもっとも大きいが、完全スタンバイや部分スタンバイから起動してガイドを表示するまでに相当の時間がかかることによるユーザの不便さは計り知れず、直ちにガイドを表示できる擬似スタンバイが望ましいと言えるからである。
Ｓ２０１で自動ガイド表示機能が無効に設定されていれば、Ｓ２０２でセキュリティカードが装着されているか否かを判定する。もし、セキュリティカードが装着されていなければ、完全スタンバイを選択する。これによって待機電力がもっとも小さくなり、起動時もガイド表示とスクランブル解除処理が必要ないため、直ちにユーザに映像・音声を提示することが出来るため、ユーザに不便さは感じさせない。
Ｓ２０２でセキュリティカードが装着されていれば、部分スタンバイを選択する。これは、セキュリティカードに電源オフ時も常に電源を供給するという規格上の制約を満たすとともに消費電力も小さく抑え、また、起動時も自動ガイド表示機能にＣＰＵパワーを奪われることがないため、起動後のチャンネルがケーブルテレビのスクランブル番組であっても少ない時間でスクランブルを解除してユーザに提示できる。
リモコン電源オフ時の待機電力モードの選択は、図３のフローチャートに従っても良い。図２と同じステップには同じ番号を付けた。
Ｓ２０２でセキュリティカードを装着している場合、Ｓ３０１で次回起動時のチャンネルを視聴するのにセキュリティモジュールが必要か否かを判定する。もし、地上波デジタル放送、地上波やケーブルテレビのアナログ放送の場合にはセキュリティモジュールが無くても視聴できるので、部分スタンバイを選択し、ケーブルテレビのデジタル放送の場にはセキュリティモジュールが必要なので擬似スタンバイを選択する。
これによって、待機電力は大きくなってしまうが、起動後はケーブルテレビのスクランブルされたデジタル放送を含めて、全ての番組を直ぐに表示できるようになりユーザの不便さは無くなる。
なお、ケーブルテレビのデジタル放送であってもスクランブル無しで放送している番組はセキュリティモジュール無しでも視聴できるので、Ｓ３０１にこの条件を入れて部分スタンバイとなるように判定しても良い。
また、図１に示した１１６で囲ったハードは、例えば、ＣＰＵ１１２とデスクランブラ部１０３、ＭＰＥＧデコード部１０４が１つのチップに組み込まれている場合もあるので、実際のハード構成によって変化する。
図１は、本発明の複数待機電力モードを有するテレビ受信機のブロック構成図である。 図２は、本発明の待機電力モード選択を示すフローチャートである。 図３は、本発明の待機電力モード選択を示すフローチャートである。
符号の説明
１０１ テレビジョン受信機
１０２ デジタルＴＶ信号チューナ部
１０３ デスクランブル部
１０４ ＭＰＥＧデコード部
１０５ アナログＴＶ信号チューナ部
１０６ ＡＶエンコード部
１０７ モニター
１０８ スピーカー
１０９ セキュリティモジュールＩ／Ｆ部
１１０ セキュリティモジュール
１１１ ＣＰＵ
１１２ メモリ
１１３ リモコン受光部
１１４ サブＣＰＵ
１１５ 電源回路
１１６ 完全スタンバイでの電源供給停止部
１１７ 部分スタンバイでの電源供給停止部
１１８ 擬似スタンバイでの電源供給停止部

Claims (3)

  1. デジタル放送のスクランブルを解除するためのセキュリティモジュール装着部を有する
    テレビジョン受像機において、
    電源オフ期間中にユーザの電源操作を受け付けるために欠かすことのできないリモコン受信部等の必要最低限のハードのみに電源を供給する完全待機電力モードと、前記必要最低限のハードに加えて、前記セキュリティモジュール装着部に装着されたセキュリティモジュールとの通信に必要なハードにも電源を供給する部分待機電力モードと、モニターやスピーカー等の映像・音声出力装置への電源供給を停止する擬似待機電力モードとを備え、
    待機電力モード判定部が、起動時の電子番組表の自動表示機能の設定やスクランブル解除処理の必要性等を判定して特定の待機電力モードを選択し、異なる待機電力モードで電源の供給を行って待機することを特徴とするテレビジョン受信機。
  2. 前記待機電力モード判定部において、自動ガイド表示の有効・無効の設定の判定時に前記電子番組表を自動的に表示する機能が設定されている場合には、前記擬似待機電力モードを選択することを特徴とする請求項１に記載のテレビジョン受信機。
  3. 前記待機電力モード判定部において、次回起動時に前記電子番組表を自動的に表示せず、且つ、前記セキュリティモジュールが装着されており、次回起動時にユーザに提示するチャンネルの視聴に前記セキュリティモジュールでのスクランブル解除処理が必要な場合には前記擬似電力待機モードを選択し、必要でなければ前記部分電力待機モードを選択することを特徴とする請求項１または請求項２に記載のテレビジョン受信機。
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