JP4461029B2 - 連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法に関し、詳しくは、多条のストランドで鋳造されるビレット鋳片を一定の周期で切断する切断方法に関するものである。
連続鋳造機においては、鋳型で凝固を開始して鋳片支持ロールに支持されつつ引き抜かれ、内部まで完全に凝固した鋳片を、鋳片支持ロールの下流に設置した鋳片切断機によって所定の長さに切断している。この鋳片の切断は、スラブ鋳片特に厚鋼板向けのスラブ鋳片のように、客先の注文に応じて切断長さを設定する場合と、主にブルーム鋳片及びビレット鋳片のように、次工程の熱間圧延工程で最適な長さとなる一定の長さで切断する場合との2通りの方法で行なわれている。但し、一定の長さで切断する場合でも、鋳造終了時にストランド内に残留する未切断の鋳片の総長さを求め、所定の長さの鋳片が得られない場合には各鋳片に余剰分を振り分けて切断することが行なわれている(例えば特許文献1参照)。
このように、従来、連続鋳造機における鋳片の切断方法は、鋳片の長さに基づいて、換言すれば鋳片の長さが所定の範囲内になるようにして行なわれていた。
特開2001−96348号公報
ところで、近年、省エネルギーを目的として、連続鋳造機で鋳造されたビレット鋳片を熱間状態のまま、ビレット溶接設備を備えた熱間圧延工程に搬送し、ビレット溶接設備でビレット鋳片を溶接しながら連続して複数のビレット鋳片を熱間圧延する方法(以下、「熱片連続圧延プロセス」と記す)が行われるようになった。
しかしながら、一定長さでビレット鋳片を切断しながら熱片連続圧延プロセスを実施した場合には、以下に示す2つの点で問題があった。
(1)通常、多条ストランドのビレット連続鋳造機では、タンディッシュから鋳型への溶鋼注入量を制御するための装置は設置されておらず、鋳型内湯面の制御は鋳片引き抜き速度の調整によって行われている。このような多条ストランドのビレット連続鋳造機では、鋳片引き抜き速度は、タンディッシュ内における溶鋼湯面位置即ちヘッド差と、タンディッシュノズルの内径とによって決まってくる。但し、タンディッシュノズルの内壁では、当該ノズルを通過する際の溶鋼の冷却・凝固により地金付着が発生することがあり、溶鋼の通過することのできる実質的なタンディッシュノズルの内径は、各ストランドで変化する。しかも、タンディッシュ内の溶鋼温度は、中央部のストランドで高く、端部のストランドで低くなることから、溶鋼温度の異なる全てのストランドを一定速度で鋳造することは非常に困難となる。各ストランドの鋳片引き抜き速度がばらつき、所定の速度に達しないストランドが発生した場合には、下流側の搬送設備にビレット鋳片を保熱するための保熱機能の備えられた保持炉などが設置されていない設備では、所定サイクルでビレット鋳片をビレット溶接設備に搬送できなくなり、連続圧延は途絶えてしまう。
(2)各ストランドの鋳片引き抜き速度がばらばらの状態で、切断長さを一定とした場合には、ビレット鋳片の切断タイミングは各ストランドでばらばらになってしまい、或る時には一度に切断されて搬送待ちが発生して鋳片の温度低下が問題になり、或る時には搬送すべきビレット鋳片が途切れてビレット溶接設備へのビレット鋳片の供給が間に合わなくなるという問題が発生する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、熱片連続圧延プロセスを適用して多条のストランドで鋳造されるビレット鋳片から鋼材を製造するに当たり、各ストランドにおける鋳片引き抜き速度が異なっていても、所定のサイクルでビレット鋳片を次工程に搬送することができ、その結果、安定して熱片連続圧延プロセスを実施することのできる、連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法は、複数のストランドを有する連続鋳造機で鋳造されたビレット鋳片を熱間状態のまま、ビレット溶接設備を備えた熱間圧延工程に搬送し、ビレット溶接設備で前記ビレット鋳片を溶接しながら連続して複数のビレット鋳片を熱間圧延するに際し、連続鋳造機では、鋳造されるビレット鋳片を、各ストランドとも下記の(1)式により求められる切断設定時間T0 の間隔で切断するとともに、各ストランドの切断間隔を、下記の(2)式により求められる時間間隔ti の均等な間隔で切断することを特徴とするものである。但し、(1)式及び(2)式において、T0 は切断設定時間(秒)、Lはビレット鋳片の目標切断長さ(m)、Vavは全てのストランドの鋳片引き抜き速度の平均値(m/分)、ti は時間間隔(秒)、nはストランドの設置数である。
Figure 0004461029
第2の発明に係る連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法は、第1の発明において、各ストランドの鋳造開始時期を、前記(2)式により求められる時間間隔ti に相当するだけの時間づつずらして開始することを特徴とするものである。
第3の発明に係る連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法は、第1または第2の発明において、前記連続鋳造機は、タンディッシュから鋳型への溶鋼注入量を制御するための装置が設置されておらず、鋳型内湯面の制御は鋳片引き抜き速度の調整によって行われている連続鋳造機であって、前記鋳片引き抜き速度の平均値Vavが熱間圧延工程の圧延能力とつりあう範囲内になるように、タンディッシュ内の溶鋼湯面位置を調整することを特徴とするものである。
本発明によれば、熱片連続圧延プロセスにおいて、連続鋳造機では所定の設定時間毎に且つ各ストランドで所定の均等な時間間隔でビレット鋳片を切断するので、切断したビレット鋳片の搬出タイムサイクルが一定間隔になり、ビレット鋳片の搬送待ちのバッファー設備を設置しなくても、下流設備におけるビレット鋳片の搬送待ち及び搬送の途切れを防止することができる上に、待ち時間に起因する鋳片の温度降下も防ぐことができる。また、一定タイムサイクルで切断するので、切断タイミングが一時期に集中することも或いは切断間隔に間があくこともなく、そのため、搬送タイミングのばらつきに起因する搬送待ち及び溶接の中断が抑えられ、安定した連続溶接が可能になる。更に、連続鋳造機の生産能力を圧延処理量に近づけた操業もできるため、余剰となるビレット鋳片の発生量も最低限に抑えることができ、また各ストランドの鋳片引き抜き速度を個々に制御するのでなく、全ストランドの鋳片引き抜き速度を平均して上げ下げするので、圧延処理量と連続鋳造機の能力とを容易に一致させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明を実施する際に用いたビレット連続鋳造機の概略図である。
図1に示すように、ビレット連続鋳造機1には、溶鋼19を冷却して凝固させ、ビレット鋳片20の外殻形状を形成するための鋳型2が設置され、この鋳型2の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼19を鋳型2に中継供給するためのタンディッシュ3が設置されており、一方、鋳型2の下方には、鋳型2から引き抜かれるビレット鋳片20を支持しながら下方に案内するための複数の鋳片支持ロール5と、ビレット鋳片20を引き抜くための複数のピンチロール6とが設置され、更に、ピンチロール6の下流側には、鋳造されたビレット鋳片20を搬送するための複数の搬送ロール7が設置されている。タンディッシュ3の底部には、溶鋼19を鋳型2に注入するための耐火物製のタンディッシュノズル4が設置されている。ピンチロール6と搬送ロール7との間には、通過するビレット鋳片20の長さを測定するためのメジャーロール8が設置され、また、搬送ロール7の上方には、鋳造されるビレット鋳片20を所定の長さに切断するための鋳片切断機9が配置されている。鋳片切断装置9としては、ガス切断機や熱鋸切断機などの慣用の切断機を用いることができる。
鋳型2には、鋳型2における溶鋼湯面の位置を計測するための湯面位置計測器15が設置され、タンディッシュ3には、タンディッシュ3に滞留する溶鋼19の質量を計測するための質量測定器16が設置されている。湯面位置計測器15としては、放射線の透過強度から湯面位置を求める装置や、渦流距離計によって直接湯面位置を求める装置などを使用すればよい。これら湯面位置計測器15及び質量測定器16の計測値は、制御装置10に入力されている。また、鋳片切断機9の下流側には切断されたビレット鋳片20の表面温度を計測するための温度計17が設置されており、温度計17による計測値は制御装置10に入力されている。温度計17としては、二色温度計や赤外線温度計などの温度計を使用すればよい。
ピンチロール6はモーター12によって駆動し、モーター12の回転数即ちピンチロール6の回転数はモーター駆動装置11によって制御されており、このモーター駆動装置11は、制御装置10から入力される信号によってピンチロール6の回転数を設定している。即ち、制御装置10は、湯面位置計測器15から入力される鋳型内湯面位置の計測値に基づき、鋳型内湯面位置が一定位置になるようにピンチロール6の回転数即ち鋳片引き抜き速度を制御している。モーター12の回転数は、モーター12に取り付けられた回転数計測器13によって計測され、計測された回転数は、モーター駆動装置11及び制御装置10に入力されている。モーター12の回転数は、モーター駆動装置11に入力された回転数の計測値に基づきモーター駆動装置11によってフィードバック制御されている。尚、図1では、1つのピンチロールのみがモーター12に連結されているが、全てのピンチロール6がそれぞれモーター12に接続しており、それぞれのモーター12によって駆動されるようになっている。
制御装置10には、ビレット長さ設定器18からビレット鋳片20の目標切断長さ(L)が入力されるようになっており、制御装置10は、入力された目標切断長さ(L)と、回転数計測器13から入力される回転数即ち鋳片引き抜き速度とに基づき、ビレット鋳片20の切断指令を切断制御器14に送信する。切断制御器14は送信された切断指令に基づいて鋳片切断機9を作動させ、ビレット鋳片20が切断される。また、制御装置10には、メジャーロール8によるビレット鋳片20の長さの計測値が入力されるようになっており、回転数計測器13から入力されるデータとメジャーロール8によるデータとが照らし合わされ、お互いの計測精度がチェックされる。
切断されたビレット鋳片20Aは搬送ロール7によってビレット連続鋳造機1から搬出され、搬送台車などの適宜の搬送手段によって次工程の熱間圧延工程に搬送される。この熱間圧延工程にはビレット溶接設備が備えられており、熱間状態のまま搬出されたビレット鋳片20Aは、ビレット溶接設備で溶接されながら連続して熱間圧延される。尚、図1は、ビレット連続鋳造機1の1つのストランドのみを表示しているが、ビレット連続鋳造機1には同一構造のストランドが2以上設置されている。但し、タンディッシュ3、制御装置10及びビレット長さ設定器18は、ビレット連続鋳造機1に1基のみ設置され、それ以外はストランド毎に設置されている。制御装置10は全てのストランドの情報が入力され、且つ、全てのストランドの制御が可能となっている。
このように構成されるビレット連続鋳造機1において、以下のようにして本発明を実施する。
先ず、溶鋼19の鋳造に先立ち、ダミーバー(図示せず)を、ビレット連続鋳造機1の機端であるピンチロール6の出口側から対向する鋳片支持ロール5の間に挿入し、ダミーバーの上端部が鋳型2の所定の位置になるように配置する。ダミーバーとは、鋳造開始時にダミーバーの上端部が鋳型2の内壁空間の所定位置になるように連続鋳造機に挿入され、鋳造開始時に鋳型2の内壁空間に注入された溶鋼19の漏洩を防止するとともに、ダミーバーの上端で溶鋼19を凝固させて鋳片を嵌合させ、鋳片を引き抜き方向下流側に引き抜くためのものである。
ダミーバーを所定の位置に配置した状態で、タンディッシュ3の上方所定位置に溶鋼19を収容した取鍋を配置し、取鍋からタンディッシュ3に溶鋼19を注入する。タンディッシュ3に注入された溶鋼19は、タンディッシュノズル4を介して鋳型2に注入される。この場合、タンディッシュ3に所定量の溶鋼19を滞留させるために、或いは、各ストランドの鋳造開始時期を調整するために、タンディッシュノズル4の内部に詰砂などを充填させておき、所定時間の経過後に各ストランド毎に詰砂を下方側に除去させて鋳造を開始するようにしてもよい。
鋳型2の内壁空間に注入された溶鋼19は、鋳鉄製或いは鋳鋼製のダミーバーと接触して冷却され凝固を開始する。また、溶鋼19は鋳型2と接触して冷却され、鋳型2と接触する部位に凝固シェル21を形成する。鋳型2の内壁空間に所定量の溶鋼19が注入されたなら、ピンチロール6を駆動させて、ダミーバーの引き抜きを開始する。ダミーバーの引き抜きに伴い、表層を凝固シェル21とし内部を未凝固相22とするビレット鋳片20は、鋳片支持ロール5に支持されながらダミーバーとともに鋳型2の下方側へ引き抜かれる。
湯面位置計測器15で計測される鋳型内湯面位置がほぼ一定位置になるように、制御装置10によってピンチロール6の回転数を制御しながら、ダミーバーを連続的に引き抜き、溶鋼19の連続鋳造が行なわれる。鋳型2の下方に引き抜かれたビレット鋳片20は、鋳片支持ロール5の間隙に配置されたスプレーノズルから噴霧される冷却水或いはエアーミストによって冷却され、やがて中心部まで凝固する。
尚、図1に示すビレット連続鋳造機1のように、タンディッシュ3から鋳型2への溶鋼19の注入量を調整する装置が設置されていない連続鋳造機では、タンディッシュ3から鋳型2への溶鋼19の注入量は、タンディッシュ3における溶鋼19の湯面位置とタンディッシュノズル4の内径とによって決まる。タンディッシュノズル4の内径は各ストランドではほぼ一定と考えると、タンディッシュ3における溶鋼19の湯面位置によって鋳片引き抜き速度が決まることになる。従って、ビレット鋳片20がビレット連続鋳造機1の内部で完全に凝固する鋳片引き抜き速度の範囲内になるように、タンディッシュ3における溶鋼湯面位置を制御する必要がある。これは、質量測定器16の測定値に基づいて取鍋からの注入量を調整することによって行われる。
各ストランドのダミーバーの先端部位が、それぞれの鋳片切断機9の所定位置まで引き抜かれたなら、ダミーバーとビレット鋳片20との継ぎ目を鋳片切断機9によって切断する。継ぎ目の切断後、鋳造される各ストランドのビレット鋳片20を以下に示す方法によってそれぞれの鋳片切断機9によって切断し、ビレット鋳片20Aを得る。
先ず、ビレット長さ設定器18にビレット鋳片20Aの目標切断長さ(L[単位:m])を入力する。ビレット鋳片20Aの目標切断長さ(L)は、ビレット連続鋳造機1から次工程の熱間圧延工程までのビレット搬送ラインにおける搬送可能な長さ範囲内で且つビレット溶接設備のタイムサイクル可能な任意の長さを、目標切断長さ(L)として設定する。また、制御装置10は、回転数計測器13から入力される各ストランドのピンチロール6の回転数即ち各ストランドの鋳片引き抜き速度から、下記の(3)式によって鋳片引き抜き速度の平均値(Vav[単位:m/分])を演算する。但し、(3)式におけるVn は、n番目のストランドの鋳片引き抜き速度(m/分)で、nは、ビレット連続鋳造機のストランドの設置数である。
Figure 0004461029
制御装置10は、ビレット長さ設定器18から入力された目標切断長さ(L)と、演算して求めた鋳片引き抜き速度の平均値(Vav)とに基づき、下記の(1)式を用いて切断設定時間(T0 [単位:秒])を算出するとともに、下記の(2)式を用いて時間間隔(ti [単位:秒])を算出する。
Figure 0004461029
そして、求めた切断設定時間(T0 )及び時間間隔(ti )に基づき、各ストランドの切断制御器14に切断指令を送信する。切断指令が入力された切断制御器14は鋳片切断機9を作動させてビレット鋳片20の切断を実施する。即ち、各ストランドともに切断設定時間(T0 )の間隔で切断し、且つ、各ストランドの切断間隔が時間間隔(ti )の均等な間隔になるように切断指令が各ストランドの切断制御器14に送信される。
各ストランドの切断間隔を時間間隔(ti )の均等間隔にした場合、各ストランドの鋳造開始時期を同一時期にすると、切断順序の遅れるストランドでは最初に切断されるビレット鋳片20Aの長さが長くなり過ぎ、ビレット搬送ラインにおける搬送可能な長さ範囲を超える場合も発生する。従って、これを防止するために、各ストランドの鋳造開始時期を時間間隔(ti )に相当する時間だけ遅らせることが好ましい。但し、鋳造開始前には鋳片引き抜き速度の平均値Vavを特定することができないので、(2)式からは時間間隔(ti )を求めることができない。そこで、使用するタンディッシュノズル4の内径に基づいて予定される鋳片引き抜き速度を予測し、予測される鋳片引き抜き速度を鋳片引き抜き速度の平均値Vavの代わりに(2)式に代入し、このようにして計算された時間だけずらして鋳造を開始することが好ましい。このようにすることで、各ストランドにおけるダミーバーとビレット鋳片20との継ぎ目を時間間隔(ti )と同等の間隔で切断することが可能となり、各ストランドで最初に切断されるビレット鋳片20Aの長さが目標切断長さ(L)に近い長さとなる。
このように時間間隔(ti )だけ鋳造開始時期をずらして切断する際の切断模式図を図2に示す。図2において、Vn はn番目のストランドの鋳片引き抜き速度(m/分)で、Ln はn番目のストランドの切断長さで、DBはダミーバーである。
各ストランドとも図2に示すように切断設定時間(T0 )の間隔で切断するので、ビレット鋳片20Aの切断長さは各ストランドの鋳片引き抜き速度に応じた長さになり、V1 〜Vn が全て異なる場合にはL1 〜Ln が全て異なることになる。従って、ビレット連続鋳造機1の下流側の設備は、この長さのバラつきに対応できる設備で計画されなければならない。同時に、ビレット溶接設備のタイムサイクルもこれらバラつきを吸収できる余裕が必要である。しかしながら、目標切断長さ(L)を前述した許容範囲の中央値としておけば、十分に対処することができる。また、ダミーバーとの継ぎ目の切断時にこれらの時間差がずれている場合には、切断時間を少しづつ補正して所定時間サイクルで切断するよう調整する。
鋳造の初期、中期、末期でタンディッシュ3に滞留する溶鋼19の温度は変化し、これに応じて鋳片引き抜き速度も変化する。従って、1ヒートの鋳造の間に少なくとも3回は鋳片引き抜き速度の平均値(Vav)を演算し、切断設定時間(T0 )及び時間間隔(ti )を設定し直すことが好ましい。また、設定し直すタイミングは間隔が短いほど安定した操業が達成されることから、10分以内の間隔、望ましくは1分以内の間隔で設定し直すことが好ましい。
また、ビレット連続鋳造機1の鋳造能力が次工程である熱間圧延工程の圧延能力とつりあわない場合には、タンディッシュ3に滞留する溶鋼19の湯面高さを変更することで、調整することができる。タンディッシュ3の湯面高さを高くすれば鋳片引き抜き速度の平均値Vavが増加して鋳造能力が高まり、逆に、タンディッシュ3の湯面高さを低くすれば鋳片引き抜き速度の平均値Vavが低下して鋳造能力が低くなる。このようにして調整することで、個々のストランドの鋳片引き抜き速度を調整して鋳造能力を調整する場合に比べて極めて容易に圧延能力とマッチングさせることができる。
尚、タンディッシュノズル4の詰まりなどによって鋳片引き抜き速度が低下し、ビレット搬送ラインにおける搬送可能な長さ範囲の下限値或いはビレット溶接設備のタイムサイクルを満足する長さ範囲の下限値のビレット鋳片20Aを確保できなくなったストランドが発生した場合には、連続搬送は不可と判断し、熱片連続圧延プロセスを中止して1本毎の圧延に切替える。
熱片連続圧延プロセスを実施するに当たり、このようにしてビレット鋳片20を切断することで、切断したビレット鋳片20Aの搬出タイムサイクルが一定間隔になり、ビレット鋳片20Aの搬送待ちのバッファー設備を設置しなくても、下流設備におけるビレット鋳片20Aの搬送待ち及び搬送の途切れを防止することができるとともに、待ち時間に起因する鋳片の温度降下も防ぐことができる。また、一定タイムサイクルで切断するので、切断タイミングが一時期に集中することも或いは切断間隔が開くこともなく、そのため、搬送タイミングのばらつきに起因する搬送待ち及び溶接の中断が抑えられ、安定した連続溶接が可能になる。
本発明を実施する際に用いたビレット連続鋳造機の概略図である。 本発明によってビレット鋳片を切断する際の切断模式図を示す図である。
符号の説明
1 ビレット連続鋳造機
2 鋳型
3 タンディッシュ
4 タンディッシュノズル
5 鋳片支持ロール
6 ピンチロール
7 搬送ロール
8 メジャーロール
9 鋳片切断機
10 制御装置
11 モーター駆動装置
12 モーター
13 回転数計測器
14 切断制御器
15 湯面位置計測器
16 質量測定器
17 温度計
18 ビレット長さ設定器
19 溶鋼
20 ビレット鋳片
21 凝固シェル
22 未凝固相

Claims (3)

  1. 複数のストランドを有する連続鋳造機で鋳造されたビレット鋳片を熱間状態のまま、ビレット溶接設備を備えた熱間圧延工程に搬送し、ビレット溶接設備で前記ビレット鋳片を溶接しながら連続して複数のビレット鋳片を熱間圧延するに際し、連続鋳造機では、鋳造されるビレット鋳片を、各ストランドとも下記の(1)式により求められる切断設定時間T0 の間隔で切断するとともに、各ストランドの切断間隔を、下記の(2)式により求められる時間間隔ti の均等な間隔で切断することを特徴とする、連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法。
    T0 = (L×60)/Vav …(1)
    ti = T0/n = (L×60)/(Vav×n) …(2)
    但し、(1)式及び(2)式において、T0 は切断設定時間(秒)、Lはビレット鋳片の目標切断長さ(m)、Vavは全てのストランドの鋳片引き抜き速度の平均値(m/分)、ti は時間間隔(秒)、nはストランドの設置数である。
  2. 各ストランドの鋳造開始時期を、前記(2)式により求められる時間間隔ti に相当するだけの時間づつずらして開始することを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法。
  3. 前記連続鋳造機は、タンディッシュから鋳型への溶鋼注入量を制御するための装置が設置されておらず、鋳型内湯面の制御は鋳片引き抜き速度の調整によって行われている連続鋳造機であって、前記鋳片引き抜き速度の平均値Vavが熱間圧延工程の圧延能力とつりあう範囲内になるように、タンディッシュ内の溶鋼湯面位置を調整することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の連続鋳造機におけるビレット鋳片の切断方法。
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