このことによって、携帯電話装置の小形化、軽量化および薄型化を進めることができることに加え、発光ダイオードから出射される照明光の減衰量を抑えて透過率を向上させ、発光ダイオードおよび回路基板を視認できにくくして外観上好ましくすることができるとともに、中心部に存在する被写体の照度を向上させることができる。
以下、本発明を図示した実施形態に基づいて説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1であるカメラ付き携帯電話装置の外観形状を示す図である。
同図において、1は、本実施形態のカメラ付き携帯電話装置の全体を示し、11は、携帯電話装置の筐体を示し、12は、高輝度で発光する発光ダイオード(LED)を用いて被写体を連続して照光するライト(ビデオライト)を示す。13は、CCD等の撮像素子と光学レンズを有して静止画に加えて動画も撮影できるカメラである。14は、操作情報、文字情報、あるいは、カメラで撮影された画像を表示するために矩形状に設けられる液晶等のディスプレイ(表示手段)である。15は、電話番号、文字、画像データの指定、選択を実行する入力キー(ボタン)群であり、照明手段12を発光(オン)させる照光スイッチ(スイッチ手段)を含んでいる。16は、無線により音声データおよび画像データの送受信を実施するアンテナであり、17は、携帯電話装置のスピーカ等の音声出力孔であり、18は、マイクロホン等の音声入力孔である。21は、照明手段であるライト12をオン/オフするためのスイッチである。
携帯電話装置の筐体11は、一般的に縦長の箱形状、または、使用時には開き、待機時には2重に折り畳む折り畳み形状であるが、図1では箱形状の場合を示している。箱形状の場合には、前面中央部の上方にディスプレイ14が配置され、折り畳み形状の場合には、折り畳まれる内面の一方にディスプレイ14が配置され、他方に入力キー群15が配置される。
ディスプレイ14の上方には、カメラ13とライト12が近傍になるように横に並んで設けられる。本実施形態ではカメラ13とライト12は、ライト発光時に被写体に不自然な影が発生することを防止するため、近接して設けられる。
図2は、図1のライト12の構成を示す断面図である。
同図において、上記したように、11は、携帯電話装置1の筐体であり、12は、ライトである。31は、電子回路用の回路基板であり、通常は携帯電話装置の主回路基板である。32は、高輝度で発光することで被写体を照光する発光ダイオード(照明手段)であり、発光色としては白色が用いられる。本実施の形態1では、白色光の発光ダイオード32が、回路基板31の上に直接に、かつ、発光ダイオード32の光軸AX1が回路基板31に垂直となるように設置される。
33は、発光ダイオード32から約60度程度に拡散しながら放射される光を、被写体に向けて集光(放射角度を減少させて直進光量を多く)するために凸レンズ形状を有する配光レンズである。配光レンズ33は、発光ダイオード32から拡散しながら放射される光がカメラの撮像範囲内に集まるように、発光ダイオード32の光軸AX1と中心を一致させて、発光ダイオード32の被写体側となる前面側に設けられる。配光レンズ33のレンズ形式は、フレネルレンズ、シリンドリカルレンズ等、任意の形状のレンズを使用することができる。
34は、配光レンズ33や発光ダイオード32等の内部部品を保護するために、筐体11の開口部に設けられる透明カバーである。透明カバー34は、配光レンズ33の外側で、発光ダイオード32から出射されて被写体に向かう光が全て透過されるように配置される。また、透明カバー34は、筐体11の開口部に嵌合あるいは接着剤により固定される。また、透明カバー34は、カメラ付き携帯電話装置の使用者に対して視覚的効果を生ずる部品、例えば、着信表示ライトや、時計、意匠的な装飾部品等の保護カバー、あるいは、被写体の画像又は通信相手の電話装置から受信した画像を表示する液晶表示ウィンドウ等の表示手段の保護カバーと一体の部品として形成しても良い。また、AX1は、発光ダイオード32から放射される白色光の光軸である。
発光ダイオード32は、従来の静止画用に使用されていたキセノン管と比較して小型軽量であることから、携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化が可能である。また、配光レンズ33も、例えば、樹脂レンズ等を用いることで従来のキセノン管の放射光を集光する反射傘よりも小型化、軽量化および薄型化が可能である。従来のキセノン管では、管部の全周囲から光が照射されるため反射傘が用いられるが、発光ダイオード32の場合には、光の放射が約60度程度の放射角度であるので、発光ダイオード32の光軸AX1に中心を一致させて配光レンズ33を配置するのみでよい。
また、発光ダイオード32は、キセノン管のように大型の充電用コンデンサを必要としない。さらに、発光ダイオード32は、キセノン管のように高電流を放電させることによる発熱が無いので、発熱量が少なくなり、配光レンズ33を発光ダイオード32に近づけることが可能であり、発光ダイオード32と配光レンズを接触させても問題はない。従って、本実施の形態に示したカメラ付き携帯電話装置では、さらに小型化、軽量化および薄型化をすすめることが可能になる。
また、本実施の形態の発光ダイオード32を用いたライト12の場合には、被写体を照射可能な距離は50cm程度であるので、光量としては、1〜2m程度の照射可能な距離を有するキセノン管よりも少なくなる。しかし、キセノン管では連続発光不可能であり、使用者自身または使用者と並んだ2〜3人の撮影用としては、充分な照度を得ることができる。
図1に示したライト12が付加されたカメラ付き携帯電話装置1の使用者が、自分自身の画像を撮影して相手に送信する場合には、入力キー群15を操作してカメラ13を動作させて使用者を撮影することで、相手への画像送信が可能になる。その際に、もし、使用者の周囲が暗いことから、送信される画像が暗くなるおそれがある場合には、使用者はライト12のスイッチ21をオンさせることで、ライト12から放射された光が使用者の顔面を照射するので、明るい画像を送信することが可能となる。
なお、本実施の形態では、ライト12を、ディスプレイ14の上方でカメラ13の横に並べたが、ライト12は、カメラ13の近傍に設けられればよく、例えば、カメラ13に対して縦位置の近傍や、斜め位置の近傍であっても良い。また、ライト12、カメラ13と、液晶表示ウィンドウ等の表示手段の位置関係は任意の位置関係で良い。従って、本実施の形態では、ライト12とカメラ13をディスプレイ14と同じ面に設ける場合について示したが、例えば、ディスプレイ14の裏面側に設けても良い。
このように、本実施の形態のカメラ付き携帯電話装置では、回路基板31の上に直接に、かつ、光軸AX1が回路基板31に垂直となるように発光ダイオード32を用いたライト12を設けたので、携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化を進めることができることに加え、カメラ13による動画撮影時に、被写体をライト12で連続的に照明することができる。従って、本実施の形態では、静止画撮影時で周囲が暗い場合に加えて、動画撮影時の周囲が暗い場合であっても、カメラ13により被写体を撮影することが可能である。
また、本実施の形態のカメラ付き携帯電話装置では、発光ダイオード32の前面側に放射される光を被写体に向けて集光させる配光レンズ33を設けたので、発光ダイオード32から照射される光を効率良く被写体に照射することができる。
また、スイッチ21の前段に光センサー等の光量検出手段を設け、その光量検出手段により周囲の光量を検出させ、光量検出手段が光量の不足を検出した場合の出力によりスイッチ21を切り替えることで、ライト12を自動的に点灯させることができる。また、光量検出手段としてカメラ13を用い、カメラ13で撮影した被写体の受信信号レベルから光量を検出し、光量が不足した場合にライト12を自動的に点灯させるように構成しても良い。その場合には、本実施形態のカメラ付き携帯電話装置1の使用者は、周囲の光量を心配することなく、画像送信することができ、光検出手段を別に設置する必要が無くなって光検出手段を削除でき、さらに携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化をさらに進めることができる。
また、透明カバー34を、カメラ付き携帯電話装置1の使用者に対して視覚的効果を生ずる部品の保護カバーと一体の部品として形成するか、被写体の画像又は通信相手の電話装置から受信した画像を表示する表示手段の保護カバーと一体の部品として形成する場合には、他の部品と部品が共用されることになり、部品点数を減らすことができ、小型化、軽量化、薄型化、および、コストダウンを進めることができる。
実施の形態2
上記した実施の形態1では、発光ダイオード32と透明カバー34の間に配光レンズ33を配置したが、配光レンズ33を所定の配置位置に固定するためには、図示しない別部材を使用する必要があった。
以下に説明する実施の形態2では、別部材を不要にするために、配光レンズを発光ダイオード32に固定する場合を説明する。
図3は、本発明の実施の形態2のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態2のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成は、実施の形態1と同様に図1を用いる。
実施の形態1と実施の形態2の相違点は、本実施の形態の配光レンズ39では、レンズ部39aの下部(発光ダイオード32側)に、発光ダイオード32に取り付けて配光レンズ39を支持する支持部(支持手段)39bを有する点である。他の構成については、実施の形態1と同様である。
このように、本実施の形態では、配光レンズ39に発光ダイオード32に取り付けるための支持部39bを設けたので、実施の形態1よりもさらに携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化を進めることができる。また、配光レンズ39の光軸と発光ダイオード32の発光点との位置関係の精度を向上させることができるため、配光角度を小さくさせて、集光効率を向上させるように設計することができる。その結果、位置バラツキによる被写体の照度ムラが減少し、被写体の照度を向上させることができる。
実施の形態3
上記した第1および実施の形態2では、発光ダイオード32と透明カバー34の間に配光レンズ33あるいは配光レンズ39を配置したので、配光レンズ33あるいは39分のスペース、重量および厚みと、透明カバー34分のスペース、重量および厚みが携帯電話装置に必要であった。
以下に説明する実施の形態3では、透明カバーの形状について、配光レンズの集光機能を有するように凸レンズ面を形成することで配光レンズを不要にする場合を説明する。
図4は、本発明の実施の形態3のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態3のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、第1および実施の形態2と同様に図1を用いる。
実施の形態3と実施の形態1の相違点は、本実施の形態では、透明カバー41の少なくとも片面には、配光レンズの機能を有するように凸レンズ形状が形成されている点である。他の構成については、実施の形態1と同様である。
透明カバー41の凸レンズ形状の中心は、発光ダイオード32の光軸AX1と一致され、凸レンズの形状としては、フレネルレンズ、シリンドリカルレンズ等の任意のレンズで良い。また、透明カバー41の凸レンズ形状をカメラ付き携帯電話装置1の外側にのみ形成することで、筐体11の薄型化をさらに進めることができる。
このように、本実施の形態では、透明カバー41に配光レンズの機能を有する凸レンズ部を形成したので、実施の形態1および2よりもさらに小型化、軽量化および薄型化を進めることができる。
実施の形態4
上記した第1〜実施の形態3では、1枚の配光レンズ、または、凸レンズ部を有する1枚の透明カバーを使用していた。ここで、発光ダイオード32から照射される光の照射方向には個体差があり、また、発光ダイオード32は、回路基板31上で光軸AX1が回路基板31に垂直となるように設置されるが、回路基板31上の位置ずれ等が避けられないことから、被写体には照度ムラが発生する場合がある。
以下に説明する実施の形態4では、実施の形態2で説明した発光ダイオード32に取り付ける配光レンズ39を、発光ダイオード32から照射される光の照射方向の調整に利用し、第1または実施の形態3に示した配光レンズを別個に設けることで、配光についての発光ダイオードの個体差、製造時の位置ばらつき等の誤差を吸収する場合を説明する。
実施の形態4と実施の形態3の相違点は、本実施の形態では、図3に示した実施の形態2の配光レンズ39が、図4の実施の形態3の構成に追加されている点である。具体的には、図4の集光機能を有する凸レンズ面が設けられた透明カバー41と、図3の支持部39bを有する配光レンズ39が同時に設けられる点である。他の構成については、実施の形態3と同様である。
また、透明カバー41に設けられる凸レンズ面と、配光レンズ39のレンズ部39aの個々の曲率は、2枚のレンズを使用することで低減させることができるので、2枚使用による光軸AX1方向のトータルの寸法増加は抑えることが可能である。
このように、本実施の形態では、凸レンズ面が設けられた透明カバー41と支持部39bを有する配光レンズ39を同時に設けたので、携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化を進めることができることに加え、配光についての発光ダイオードの個体差、製造時の位置ばらつき等の誤差を吸収することができる。
実施の形態5
従来のカメラ付き携帯電話装置では、ストロボ装置のキセノン管が視認可能であり、外観上好ましくないという問題があったが、上記した各実施の形態でも、携帯電話装置の外部から、透明カバーおよび配光レンズを透過して、筐体11内部の発光ダイオード32および回路基板31を視認することが可能であることから、外観上好ましいとは言えない。
以下に説明する実施の形態5では、実施の形態1で説明したライト12に、例えば、ハーフミラーフィルムのような、光透過率が光の透過方向により異なる膜状体を追加することで、ライト12の照射能力の減少量を抑えつつ、外部から筐体11内部の発光ダイオード32および回路基板31を視認できなくする場合を説明する。
図5は、本発明の実施の形態5のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態5のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
実施の形態5と実施の形態1の相違点は、本実施の形態では、発光ダイオード32と配光レンズ33との間に、前面から後面への光透過率が後面から前面への光透過率よりも少ない膜状体51が設けられている点である。他の構成については、実施の形態1と同様である。
携帯電話装置1の外部から透明カバー34および配光レンズ33を透過した外光OL1は、膜状体51で比較的多く減衰(減光)する。そのため、外光OL1が発光ダイオード32および回路基板31で反射される光も減り、その反射光は携帯電話装置1の外部にほとんど出射しなくなる。従って、発光ダイオード32が消灯している場合には、筐体11の外部から見て発光ダイオード32および回路基板31の周辺は暗くなり、視認することは難しくなる。
一方、発光ダイオード32が点灯している場合、発光ダイオード32から出射した光は、膜状体51では比較的減衰しないため、被写体に対して良好な光量の照射光を供給することができる。
なお、本実施の形態では、膜状体51を、一例として発光ダイオード32と配光レンズ33との間に設けたが、例えば、配光レンズ33と透明カバー34との間に設けても良い。また、膜状体51は、実施の形態1〜4のいずれとも組み合わせることが可能である。
このように、本実施の形態では、前面から後面への光透過率が後面から前面への光透過率よりも少ない膜状体51を設けたので、携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化を進めることができることに加え、発光ダイオード32および回路基板31を視認できにくくして外観上好ましくすることができる。
実施の形態6
上記した実施の形態5では、光透過率が光の透過方向により異なる膜状体を追加することで、発光ダイオード32および回路基板31を視認できにくくして外観上好ましくしたが、膜状体51による発光ダイオードの出力光の減少量がある程度大きくなることは避けられない。これに対して、透明板の表面に凹凸等を形成した光拡散板を利用することによっても、発光ダイオード32および回路基板31を視認できにくくして外観上好ましくすることができ、さらに発光ダイオードの出力光の減少を抑えることができる。
以下に説明する実施の形態6では、実施の形態1で説明したライト12に、片側の表面に凹凸等が形成された光拡散板を追加することで、ライト12の照射能力の減少量を抑えつつ、外部から発光ダイオード32および回路基板31を視認できなくする場合を説明する。
図6は、本発明の実施の形態6のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態6のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
実施の形態6と実施の形態5の相違点は、実施の形態5では光の透過方向により透過率が異なる膜状体51を用いていたが、本実施の形態では、透明材料板の片面(被写体側:拡散面61a)に凹凸形状が形成されることで、光の透過方向により光の反射率が異なる光拡散板61を用い、配光レンズ33と透明カバー34との間に配置している点である。また、光拡散板61の他方の面は平坦な平滑面61bになっている。
また、光拡散板61の配置としては、光拡散面が61aが必ず被写体側になり、平滑面61bは必ず発光ダイオード32側となる。これは、光拡散面61aによる光の反射は平滑面61bより大きいことから、光源である発光ダイオード32側に光拡散板61の光拡散面61aを向けてしまうと、発光ダイオード32の出射光が光拡散板61を透過する透過率が、特に配光レンズ33の中央近辺で低下してしまうためである。他の構成については、実施の形態1と同様である。
光拡散板61の拡散面61aは、表面に細かい凹凸を多数形成する場合、細かい凸レンズ形状を多数形成する場合、細かい直線溝を多数形成する場合、細かいフレネルレンズ状の同心円状の溝を多数形成する場合、細かいビーズ状の透明球体を表面に多数配置する場合等が考えられる。
携帯電話装置1の外部から透明カバー34を透過した外光OL1は、光拡散板61の拡散面61aで比較的多くの光量が反射され、わずかな光量のみが光拡散板61を透過する。そのため、外光OL1が発光ダイオード32および回路基板31で反射される光も減り、その反射光は携帯電話装置1の外部にほとんど出射しなくなる。また、外光OL1は発光ダイオード32および回路基板31で反射され、携帯電話装置1の外部に反射する光は、拡散面61aで再度拡散されるため、筐体11の外部から見て発光ダイオード32および回路基板31等は視認できにくくなる。従って、発光ダイオード32が消灯している場合には、筐体11の外部から見て発光ダイオード32および回路基板31等は見えなくなり、視認することは難しくなる。
一方、発光ダイオード32が点灯している場合、図7に示したように発光ダイオード32から出射した光は、透明な光拡散板61の平滑面61bでは比較的反射する量が少ないため、被写体に対して良好な光量の照射光を供給することができる。
なお、本実施の形態では、光拡散板61を、一例として配光レンズ33と透明カバー34との間に設けたが、例えば、発光ダイオード32と配光レンズ33との間に設けても良い。また、光拡散板61は、実施の形態1〜4のいずれとも組み合わせることが可能である。
このように、本実施の形態では、光を拡散させる面が被写体側になるように光拡散板61を用いて、光拡散板61の前面(光拡散面61a)における光反射率が後面(平滑面61b)における光反射率よりも大きくなるようにし、また、内部から外部に出る透過光を光拡散板で再度拡散するようにしたので、携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化を進めることができることに加え、発光ダイオード32から出射される照明光の減衰量を抑えて透過率を向上させ、発光ダイオード32および回路基板31を視認できにくくして外観上好ましくすることができる。
実施の形態7
上記した実施の形態6では、光反射率が光の透過方向により異なり、また、透過光を拡散する光拡散板を追加することで、発光ダイオード32および回路基板31を視認できにくくして外観上好ましくすると共に、発光ダイオード32から出射される照明光の透過率を向上させたが、光拡散面61aによる発光ダイオードの出力光の拡散は避けられなかった。これは、光拡散面61aにおいて、光軸AX1近辺で拡散した光は比較的被写体に届きやすいのに対して、外周あるいは外縁部に近づくほど、拡散した光は、カメラの撮像範囲外に広がり、比較的被写体に届きにくくなっている。従って、光拡散面61aを、光軸AX1から周辺部に向かって放射角度を減少させるように形成することが、被写体に届く光量を増加させるために有効と考えられる。
以下に説明する実施の形態7では、実施の形態6で説明したライト12の光拡散板で、光軸AX1から周辺部に向かって拡散角度が小さくなるように光拡散面61aを形成することで、外部から発光ダイオード32および回路基板31を視認できなくしつつ、ライト12の照射光が拡散する量を抑える場合を説明する。
図8は、本発明の実施の形態6のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態7のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
実施の形態7と実施の形態6の相違点は、実施の形態6では、光拡散板61の光拡散面61aの表面形状が均一であったものが、本実施の形態では、光軸AX1から周辺部に向かって凹凸形状を徐々に、または、段階的に変化させる点である。また、本実施の形態では、凹凸形状を、細かい球体の配置、または、細かい凸レンズ形状の形成(高分子材料等による成形)により行う。他の構成については、実施の形態6と同様である。
図8では、発光ダイオードの出射光束L0が、光拡散板71に到達した後、光拡散板71の周辺部の光拡散面71aによる拡散光の光束L1よりも、中央部の拡散光の光束L2の方が拡散角度が大きくなっている。従って、光拡散板71の周辺部の光の拡散量は減少することから、撮像範囲外に光が拡散する量を少なくすることができ、撮像範囲内の光量を増加させ、被写体を明るく照らすことが可能になる。
このように、本実施の形態では、光拡散板71の光拡散面71aの表面の拡散角が、光拡散板71の中央から周辺部に向けて小さくなるようにしたので、携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化を進めることができること、発光ダイオード32から出射される照明光の減衰量を抑えて透過率を向上させ、発光ダイオード32および回路基板31を視認できにくくして外観上好ましくすることに加え、撮像範囲内の光量を増加させることができる。
実施の形態8.
上記した各実施の形態では、ライト12を携帯電話装置11の本体に内蔵させる場合を示したが、本発明は、脱着可能な外付けライトとしても適用することができる。
以下に説明する実施の形態8では、上記した各実施の形態で説明したライト12を脱着式の独立した外付けライトとした場合を説明する。
図9は、本発明の実施の形態8であるカメラ付き携帯電話装置の外観形状を示す図である。
実施の形態8と実施の形態1の相違点は、実施の形態1では、カメラ付き携帯電話装置1に内蔵されていたライト12が、本実施の形態では、カメラ付き携帯電話装置2から独立した外付けライト19になっている点である。外付けライト19には、カメラ付き携帯電話装置2と電気的接続及び機械的接続が可能であるプラグ部19aが設けられる点。カメラ付き携帯電話装置2には、外付けライト19のプラグ部19aを脱着可能に接続するジャック部20を有している点である。他の構成については、実施の形態1と同様である。
実施の形態1のカメラ付き携帯電話装置1では、ライト12のオン/オフを撮影者がスイッチ21により切り替えるか、照度センサ等の光量検出手段によりライト12のオン/オフを切り替えていたが、本実施の形態では、例えば、プラグ部19aをジャック部20に挿入することにより、外付けライト19をオンさせ、プラグ部19aをジャック部20から抜き去ることで外付けライト19をオフさせることで、スイッチ21あるいは光量検出手段を不要にすることができ、必要に応じてライトを使用することができる。
従って、本実施の形態では、カメラ付き携帯電話装置にジャック部20を設け、別体のライト19にジャック部20と電気的接続及び機械的接続が可能であるプラグ部19aを設けることで、ライトをカメラ付き携帯電話装置に内蔵しなくなり、ライトのスイッチも不要にできることから、実施の形態1よりもいっそう小型化、軽量化および薄型化を進めることができる。
このように、本実施の形態では、外付けライトをカメラ付き携帯電話装置とは脱着可能な別体としたので、カメラ13による動画撮影時に、被写体をライト12で連続的に照明することができ、静止画撮影に加えて動画撮影時で周囲が暗い場合であっても、カメラ13により被写体を撮影することが可能であることに加え、実施の形態1よりも携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化をさらに進めることができる。
また、照明装置(外付けライト)がカメラ付き携帯電話装置とは脱着可能な別体となり、カメラに内蔵させる必要がなくなるので、カメラ側(携帯電話側)の小型化、軽量化および薄型化を進めることができるだけでなく、照明装置にとってもメンテナンスや取り替えが容易となる。
実施の形態9.
上記した実施の形態6では、光の透過方向により光の反射率が異なるように透明材料板の一方の面(被写体側:拡散面61a)に凹凸形状が形成された光拡散板61を、配光レンズ33と透明カバー34との間に配置したが、光拡散板61の他方の面は平坦な平滑面61bになっている。これは、発光ダイオード32の出射光が光拡散板61を透過する透過率が、特に配光レンズ33の中央近辺で低下してしまうためであった。
これに対して、発光ダイオード32の出射光が光拡散板を透過する透過率が、配光レンズ33の中央近辺と周辺部でより均等になるようにして照度分布差を抑えたい場合には、逆に透明板の表面に凹凸等を形成した光拡散面を、ダイオード側もしくは被写体側とダイオード側の両面に形成することができる。
その場合には、実施の形態6よりも若干ではあるがレベルは低下するものの、実用上は問題なく発光ダイオード32および回路基板31を外部から視認できにくくして外観上を好ましくすることができる。
そこで、以下に説明する実施の形態9では、実施の形態6で説明した光拡散板の凹凸形状が形成される面を、発光ダイオード側とするか、もしくは、発光ダイオード側と被写体側の両面に凹凸形状を形成し、ライト12の照射の光量分布差を抑えつつ、外部から発光ダイオード32および回路基板31を視認できなくする場合を説明する。
図10、図11は、本発明の実施の形態9のライト12または19の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態9のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
図10に示した本実施の形態9のライト12または19と実施の形態6の相違点は、実施の形態6では光拡散板61の光拡散面が61aが被写体側であり、平滑面61bは発光ダイオード32側になっていたが、本実施の形態9のライト12または19では光拡散面が81aが発光ダイオード32側であり、平滑面81bが被写体側になっている点である。
また、図11に示した本実施の形態9のライト12または19と実施の形態6の相違点は、実施の形態6では光拡散板61の光拡散面が61aが被写体側の片面のみであり、平滑面61bは発光ダイオード32側になっていたが、本実施の形態9のライト12または19では光拡散面が91aが発光ダイオード32側であり、平滑面が無く被写体側にも光拡散面が91bを設けている点である。
図12は、実施の形態6の光拡散板61における拡散面が被写体側の場合と、本実施の形態の光拡散板81における拡散面が光源(発光ダイオード32)側の場合の、像高(%:横軸)と照度比(%:縦軸)の関係を示す図である。
なお、図12の横軸で示された像高とは、図13を用いて後述するように撮像される画像の中心から最も遠い距離の位置を像高100%として、中心からの距離の比で示される割合である。また、照度比は、(拡散面有りの照度)/(拡散面無しの照度)である。
図12からは、拡散面が被写体側の場合の線PSは、像高(%)が増加して100%に近づくにつれて、逆に照度比(%)は反比例して顕著に減少している。しかし、拡散面が光源側の場合の線SSでは、線PSと同様に反比例して減少しているが、その程度は緩やかである。図12の線PSは、拡散面が被写体側の場合で、発光ダイオード32の出射光が光拡散板61を透過する透過率は、中央近辺ではあまり低下しないが、周辺部では極端に低下することを示している。逆に、図12の線SSは、拡散面が光源側の場合で、発光ダイオード32の出射光が光拡散板61を透過する透過率は、中央近辺では比較的低下するが、周辺部でも中央部と比較して極端には低下しないことを示している。
図13は、本実施の形態の像高を説明する図である。
例えば、図13に示されるように画像のサイズの縦横を4cm×3cmとした場合、中心Pは像高が0%であり、角部Qは像高が100%になる。また、幅方向の中心の位置Rは像高が80%となり、高さ方向の中心の位置Sは像高が60%になる。これは、図13に一点鎖線で示された各直角三角形の各辺の長さの比が3:4:5となり、比が3の辺が1.5cm、比が4の辺が2cmであるので、斜辺は比が5の2.5cmとなり、この斜辺が100%であるので、比が3の辺が60%、比が4の辺が80%となる。
本実施の形態の光拡散板81のように、拡散面を光源(発光ダイオード32)側の場合、中央近辺と周辺部との照度の差が少なくなり、ライト12の照射の光量分布差を抑えつつ、外部から発光ダイオード32および回路基板31を視認できなくすることができる。
図12からは、実施の形態6のように拡散面61aを被写体側に設けた場合の方が、光拡散板の中心の照度は高く保てることが解るが、周辺部と中心部との照度差は極端になることがわかる。一方、本実施の形態のように、図10に示した拡散面81aを光源側である発光ダイオード32側に設けた場合、中心の照度低下は大きいが、周辺の照度低下は比較的少ないことがわかる。そして、図11に示した光拡散板91の91aと91bの両面に拡散面を設けた場合も、拡散面91aが光源側にあるので、図10の場合と同様の結果が得られる。
従って、図1の照明手段12もしくは図9の照明手段19で、図10の光拡散板81または図11の光拡散板91を用いた場合、中心に対する周辺の照度低下を有効に抑えることができるので、例えば、被写体が中心部のみでなく周辺部にも存在する場合には、周辺の照度低下をより有効に抑えることができ、被写体の撮影を良好に実施できるという利点がある。
また、図11の光拡散板91を用いた場合、拡散面91aが光拡散板91の光源側にあり、拡散面91bが光拡散板91の被写体側にあるので、外部から進入した光は、進入時に拡散面91bで拡散され、反射時に拡散面91aで拡散される。従って、外部光は、進入時と反射時の双方において拡散面で拡散されるため、発光ダイオード32が消灯している場合には、発光ダイオード32等の内部の部品を外部からより視認できにくくできるという効果がある。
なお、実施の形態6のように拡散面61aを被写体側のみに設けて、中心部の照度を向上させるか、本実施の形態のように、中心部と周辺部の照度差を減少させるかは、配光レンズ33の性能や仕様によって適宜選択すればよい。
また、上記した各拡散面は、実施の形態6および本実施の形態では拡散板61、81あるいは91の表面に形成したが、例えば、上記以外の配光レンズ33、あるいは、透明カバー34の表面に形成しても良い。すなわち、発光ダイオードの放射光と直交する面を有して発光ダイオードから放射する光を透過する部品(配光レンズ33、あるいは、透明カバー34等)のうち、その部品中の少なくとも1つの直交する面に、光を拡散させる光拡散部を設けるように構成しても良い。
また、その光拡散面は、実施の形態7に記載したように、発光ダイオード32の光軸近辺よりも周辺部の方が光の拡散角度が小さくなるように形成しても良い。
また、上記した各実施の形態に記載した光を拡散させる光拡散面(あるいは光拡散部)は、上記したように独立した光拡散板に形成する場合のみではなく、例えば、透明カバーの裏側等の、発光ダイオードの放射光と直交する面を有して発光ダイオードから放射する光を透過する部品のうち、その部品中の少なくとも1つの直交する面に設けるように構成しても良い。
実施の形態10
一般的に、上記した各実施の形態で発光ダイオード32を搭載している印刷回路基板31は、ベークライト等の茶色系統の色もしくはガラスエポキシ等の緑色をしており、その表面の光の反射率は良好とは言えない。そこで、以下に説明する本実施の形態では、印刷回路基板31上に反射率の良い表面を有する平板部を設けることで、印刷回路基板の反射率を向上させる場合を説明する。
図14、図15は、本発明の実施の形態10のライト12または19の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態10のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
図14に示した本実施の形態10のライト12または19と実施の形態1の相違点は、実施の形態1では印刷回路基板31上には、発光ダイオード32が、直接に取り付けられているのみで、基板上に反射率を向上させる手段は設けられていなかったが、本実施の形態では印刷回路基板31上の、発光ダイオード32が取り付けられる面の少なくともその発光ダイオード32の周辺部に、高反射率の白色、あるいは、銀色等の平滑表面を有する反射面101を、シルク印刷等の印刷手法により形成する点である。
また、図15では、シルク印刷等の代わりに、例えば、アルミ箔(金属箔)等の高反射率の表面を有するシート状の平板(膜状体)を印刷回路基板31上に接着して、高反射率の白色、あるいは、銀色等の平滑表面を有する反射面102を形成する点である。
図14および図15の構成によれば、発光ダイオード32から放出された光の一部は、配光レンズ33、あるいは、透明カバー34の表面で反射されて、印刷回路基板31の表面に戻るが、その戻った光は、再び反射面101または反射面102で反射されて被写体側(外部)に向かうので、被写体に放射される光量が増加され、被写体の照度が向上する。
また、反射面101あるいは102(反射部)の被写体側の表面には、被写体部での照度分布差を小さくし、発光ダイオードおよび回路基板を視認できにくくして外観上照明装置の配光特性をより良好にすることができるように、光拡散用の凹凸を設けても良い。
このように本実施の形態では、印刷回路基板31の発光ダイオード32が取り付けられる面の少なくともその発光ダイオード32の周辺部に反射率を向上させる平板部を設けたので、配光レンズ33、透明カバー34などの表面で発光ダイオード側に反射した光を再度被写体側に反射することができ、被写体に放射される光量を増加させることができ、被写体の照度を向上させることができる。
また、反射部の被写体側の表面に光拡散用の凹凸を設けた場合には、被写体部での照度分布差を小さくでき、発光ダイオードおよび回路基板を視認できにくくして外観上照明装置の配光特性をより良好にすることができ、光拡散板を薄型化あるいは不要にできるので携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化をさらに進めることができる。
実施の形態11
上記した各実施の形態では、発光ダイオード32を搭載している印刷回路基板31上に、反射率の良い表面を設けることで、印刷回路基板の反射率を向上させたが、発光ダイオード32の印刷回路基板31からの高さ寸法が大きい場合には、発光ダイオード32の光放出面と、印刷回路基板31の表面との距離が大きくなり、印刷回路基板31の表面における反射率が良くならない場合がある。そこで、以下に説明する本実施の形態では、印刷回路基板31上に、印刷回路基板31の表面からの高さ寸法が有り、その被写体側には反射率の良い表面を有する構造体を設けることで、印刷回路基板の反射率を向上させる場合を説明する。
図16は、本発明の実施の形態11のライト12または19の構成を示す断面図であり、図17は、図16の構造体の概略形状の一例を示す斜視図である。なお、本実施の形態11のカメラ付き携帯電話装置1全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
図16および図17に示した本実施の形態11のライト12または19と実施の形態10の相違点は、実施の形態10では印刷回路基板31上には、基板上に反射率を向上させる手段として発光ダイオード32が取り付けられる面の少なくともその発光ダイオード32の周辺部に、高反射率の白色、あるいは、銀色等の平滑表面を有する反射面101を、シルク印刷等の印刷手法により形成していたが、本実施の形態では、構造体111を用いて反射面111aを、印刷回路基板31の表面から配光レンズ33の側に近づけ、発光ダイオードの光放出面との段差を減少させている点である。
なお、構造体111は、例えば、接着剤で印刷回路基板31上に取り付けても良いし、ネジ等の取付治具を用いたり、取り付け用フック部を構造体111に設けても良い。
また、図16および図17では、発光ダイオードが4個の場合を示したが、この数量については、目的とする被写体の照度と発光ダイオード32の光量により任意に変更しても良い。例えば、発光ダイオードの光量が目的とする被写体の照度が得られる場合には上記した各実施の形態と同様に1個でも良いし、2個以上でも良い。
構造体111としては、発光ダイオード32の側面部(周囲)の少なくとも一部を囲む形状に樹脂を成形して設ける。また、構造体111の被写体側の表面111aは高反射率にする必要があるので、樹脂の色としては、例えば、高反射率である白色、黄色、銀色あるいは金色の樹脂を用いて成形する。
また、例えば、構造体111に高反射率の色の樹脂を用いることができない場合には、例えば、少なくとも被写体側の表面を高反射率である白色、黄色、銀色あるいは金色に塗装しても良いし、少なくとも被写体側の表面に金属の皮膜を蒸着または塗着させても良い。
また、反射面111a(反射部)の被写体側の表面には、被写体部での照度分布差を小さくし、発光ダイオードおよび回路基板を視認できにくくして外観上照明装置の配光特性をより良好にすることができるように、光拡散用の凹凸を設けても良い。
図16および図17の構成によれば、発光ダイオード32から放出された光の一部は、配光レンズ33、あるいは、透明カバー34の表面で反射されて、反射面111aの表面に戻るが、その戻った光は、再び反射面111aで反射されて被写体側(外部)に向かう。この反射面111aは、実施の形態10の基板面に設けられた反射面101あるいは102よりも、より配光レンズ33に近く、発光ダイオード32の光放出面との段差が少なくなる、従って、被写体に放射される光量が実施の形態10の場合よりも増加され、被写体の照度が向上する。
このように本実施の形態では、印刷回路基板31の発光ダイオード32が取り付けられる面の少なくともその発光ダイオード32の周辺部に反射率を向上させる構造体を設けたので、配光レンズ33、透明カバー34などの表面で発光ダイオード側に反射した光をより多く再度被写体側に反射することができ、被写体に放射される光量をさらに増加させることができ、被写体の照度もさらに向上させることができる。
また、反射部の被写体側の表面に光拡散用の凹凸を設けた場合には、被写体部での照度分布差を小さくでき、発光ダイオードおよび回路基板をさらに視認できにくくして外観上照明装置の配光特性をより良好にすることができ、光拡散板を薄型化あるいは不要にできるので携帯電話装置の小型化、軽量化および薄型化をさらに進めることができる。
なお、上記した各実施の形態では、発光ダイオードの数が1個又は4個の場合を示したが、本発明に用いられる照明装置はこれに限られるものではなく、例えば、発光ダイオードを2個、3個、あるいは、5個以上用いても良い。
実施の形態12
上記した実施の形態6では、光拡散板61の拡散面61aの表面に細かいビーズ状の透明球体を多数配置する場合があると説明した。また、上記した実施の形態8では、光拡散板61の拡散面61aを被写体側に向けた場合と、光源側に向けた場合とにおける像高と照度比との関係について説明した。
以下に説明する実施の形態12では、光拡散板61の構造について詳しく説明し、拡散面61aを向ける方向についても詳しく説明する。
図18、図19、図20、図21は、本発明の実施の形態12の光拡散板61の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態12のカメラ付き携帯電話装置1の全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
図18に示した本実施の形態12の光拡散板61は、拡散面61aと平滑面61bとから構成され、拡散面61aは、ビーズ状の透明球体61cとバインダー61dとから構成される。また、ビーズ状の透明球体61cの一部が拡散面61aの表面から露出しているので、拡散面61aの表面は凹凸に形成される。拡散面61aの光の拡散作用は、空気とビーズ状の透明球体61cとの間の屈折率差が大きいことにより生じる。したがって、ビーズ状の透明球体61cが拡散面61aから大きく露出し、表面の凹凸の程度が大きくなると、ビーズ状の透明球体61cと空気とが接する面積が大きくなるので光の拡散作用が大きくなり、発光ダイオード32を視認しにくくなる。逆に、凹凸の程度が小さく、表面がより平滑に近い状態になるとビーズ状の透明球体61cと空気とが接する面積が小さくなるので、光の拡散作用は小さくなり、発光ダイオード32を視認し易くなる。
ビーズ状の透明球体61cには、ガラス、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコン系樹脂等、例えば、アクリル、アクリロニトリル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、シリコンゴム等が用いられる。また、その形状としては、球体以外にも立方体状、針状、棒状、紡錘形状、板状、鱗片状、繊維状のものも考えられるが、光の拡散作用を考慮すると球状のビーズがより好ましく、真球状または真球状に近い球状のものが最も好ましい。形状を球状とした場合には、球状の各粒子がそれぞれ微少レンズとして作用することから、光の拡散作用が大きくなるからである。さらに、光の拡散作用と、光源である発光ダイオードを視認できにくくする効果とを両立するためには、平均粒径が1μmから50μmのものが好ましい。
バインダー61dには、アクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂等が用いられる。バインダー61dの厚さは、ビーズ状の透明球体61cの粒径とも関係するが、1μmから30μmのものが好ましい。
また、光拡散板61の基材である平滑面61bは、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂等を用いる。平滑面61bの厚さは特に限定するものではないが、光拡散板61を作る際の作業性等を考慮すると50μmから200μm程度が望ましい。
図12は、実施の形態9で説明したように、光拡散板61の拡散面61aが被写体側の場合と、光拡散面61aが光源(発光ダイオード32)側の場合の、像高(%:横軸)と照度比(%:縦軸)の関係を示す図である。図12の線PSは、拡散面が被写体側の場合で、発光ダイオード32の出射光が光拡散板61を透過する透過率は、中央近辺ではあまり低下しないが、周辺部では極端に低下することを示している。逆に、図12の線SSは、拡散面が光源側の場合で、発光ダイオード32の出射光が光拡散板61を透過する透過率は、中央近辺では比較的低下するが、周辺部でも中央部と比較して極端には低下しないことを示している。
ところで、動画像を撮影するためには、カメラを長時間動作させる必要があり、そのため、カメラを動作させるために必要な電力も大きくなる。ところが、携帯電話では薄型化、小型化の要望があるため、携帯電話に搭載されるバッテリも薄型、小型のものが要求され、また、可能な限りバッテリの数も少なくするよう要求されるので、カメラ専用のバッテリを用いることは難しく、バッテリを他の電子部品用のバッテリと共用することが多い。しかし、この共用バッテリにも当然、薄型化、小型化が要求されるので、バッテリの容量を大きくすることは難しい。したがって、カメラの動作による消費電力を抑制するために、消費電力が小さいカメラを用いる場合がある。しかし、消費電力が小さいカメラは、受光感度が低くなる傾向にある。一方、発光ダイオードを用いたライトの光量は、キセノン管等を用いたライトの光量と比較して非常に小さくなる。従って、受光感度が低いカメラと、光量の小さい発光ダイオードとを用いて画像の撮像を行う場合、絶対的な光量を確保するために、光拡散板61の拡散面61aを被写体側に向けて発光ダイオード32の前面に配置し、ライト12からの出射光が図12の線PSに示すような照度比の分布のもとで被写体の撮影を行うと良好な画像を得ることができる。
このような、消費電力が小さいカメラは、静止画像より動画像の撮影に適している。
一方、カメラの中央部の光量と周辺部の光量との比が大きくならないようにするというカメラの性能向上の要求を満足するためには、カメラに取付けられるレンズの枚数を多くする等の設計を行わなければならない。しかしながら、上記のように薄型化が要求される携帯電話において、レンズを含めたカメラ全体を大きくすることはできない。このような周辺部の光量が大きく低下するカメラを用い、光拡散板61の拡散面61aを被写体側に向けて発光ダイオード32の前面に配置し、ライト12からの出射光が図12の線PSに示すような照度比の分布のもとで被写体の撮影を行うと、画像の周辺部は中央部と比較して非常に暗くなってしまう。このような現象を避けるために、受光感度の高いカメラを用いる場合がある。受光感度の高いカメラは、小さな光量であっても撮像を行うことができるので、絶対的な光量より照度比の分布が重要となる。従って、このようなカメラを用いる場合は、光拡散板61の拡散面61aを光源側に向けて発光ダイオード32の前面に配置し、ライト12からの出射光が図12の線SSに示すような照度比の分布のもとで被写体の撮影を行うと良好な画像を得ることができる。ところで、受光感度が高いカメラは、消費電力が大きくなる傾向にある。したがって、受光感度が高いカメラは、動画像より静止画像の撮影に適している。
このように、光拡散板61の拡散面61aを被写体側に向けるか、光源側に向けるかは、実施の形態9で説明したような配光レンズの性能や仕様だけではなく、カメラの仕様によって選択してもよい。もちろん、カメラの仕様や性能によっては、配光レンズを省略できる。
図19に示した本実施の形態12の光拡散板61は、拡散面61aと平滑面61bとから構成され、拡散面61aは、中空のビーズ状の透明球体61eとバインダー61dとから構成される。図18と相違する点は、拡散面61aを構成するビーズ状の透明球体61eが内部に空間部を有し、中空となっている点である。図18のビーズ状の透明球体61cは、拡散面61aの表面だけで空気と接しており、光の拡散作用が生じるのが拡散面61aの表面だけである。しかし、図19に示した中空のビーズ状の透明球体61eを用いると、中空のビーズ状の透明球体61eの内壁と球体内部の空間部との間においても光の屈折が生じ、光が拡散することから、図18に示した中実のビーズ状の透明球体61cより光の拡散作用が大きくなるので、図18に示した拡散面61aより光の拡散作用が大きくなる。
さらに、図20に示した本実施の形態12の光拡散板61は、拡散面61aと平滑面61bとから構成され、拡散面61aは、ビーズ状の透明球体61fとバインダー61dとから構成される。図18と相違する点は、ビーズ状の透明球体61fの間にあるバインダー61dの表面を波状の凹凸に形成した点である。このように、バインダー61dの表面を波状の凹凸に形成すると、バインダー61dも光の拡散作用を持つことになり、拡散面61aにおける光の拡散作用がより大きくなる。
また、図21に示した本実施の形態12の光拡散板61は、拡散面61aと平滑面61bとから構成され、拡散面61aはビーズ状の透明球体61gとバインダー61dと気泡61hとから構成される。図18と相違する点は、気泡61hが拡散面61aに混入されている点である。ビーズ状の透明球体61gとバインダー61dとの間の屈折率差よりも、気泡61hとバインダー61dとの間の屈折率差が大きいので、気泡61hが拡散面61aに混入されると、気泡61hが無い場合よりも光の拡散作用が大きくなる。また、光の透過、屈折による拡散作用ではなく光の反射による拡散作用を強めるために、気泡ではなく顔料を入れてもよい。顔料には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸鉛、硫化バリウム、炭酸カルシウム等が用いられる。また、ビーズ状の透明球体61gに顔料を入れてもよい。顔料を混入すると、光の透過率は下がるが、発光ダイオードを視認しにくくなる効果は高くなる。
なお、上記では、ビーズ状の透明球体が拡散面61aから露出し、拡散面61aの表面が凹凸に形成される場合について説明したが、実施の形態6で説明したように、拡散面61aの表面を凹凸に形成するのはビーズ状の透明球体に限られるものではなく、バインダー61dにより拡散面61aの表面を凹凸に形成してもよい。
実施の形態13
上記した実施の形態12では、実施の形態6における光拡散板61の構造と、拡散面61aを向ける方向とのそれぞれについて詳しく説明した。
以下に説明する実施の形態13では、実施の形態6とは異なる光拡散板の構造について説明する。
図22は、本発明の実施の形態13のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態13のカメラ付き携帯電話装置1の全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
実施の形態13と実施の形態6の相違点は、本実施の形態の光拡散板121の光拡散面121aの表面が、凹凸でなく平滑である点である。すなわち、図23に示すように、光拡散板121は拡散面121aと平滑面121bとから構成され、拡散面121aは、気泡または顔料121cとバインダー121dとから構成される。上記実施の形態12では、拡散面の表面は凹凸に形成されていたが、本実施の形態では、拡散面121aの内部に気泡または顔料121cを混入し、拡散面の表面を平滑にしたものである。なお、他の構成については、実施の形態6と同様である。なお、気泡または顔料ではなく、中空のビーズ状の透明球体を拡散面121aに混入してもよい。
このように、拡散面121aに気泡または顔料121cを混入し、発光ダイオードを視認しにくくしつつ、かつ光の透過性を確保できれば、拡散面121aの表面は凹凸でなく平滑であってもよい。
実施の形態14
上記した実施の形態13では、実施の形態6とは異なる光拡散板の構造について説明した。
以下に説明する実施の形態14では、さらに実施の形態13とは異なる光拡散板の構造について説明する。
図24は、本発明の実施の形態14のライト12の構成を示す断面図である。なお、本実施の形態14のカメラ付き携帯電話装置1の全体の構成も、他の実施の形態と同様に図1を用いる。
実施の形態14と実施の形態13の相違点は、本実施の形態の光拡散板131が基材のみで構成されているである点である。すなわち、図25に示すように、光拡散板131の表面を凹凸形状とし光の拡散作用を確保できれば、実施の形態13のように、光拡散板を拡散面と平滑面との2層で構成する必要がない。また、図26に示すように、基材131bの内部に気泡または顔料131aを混入し、発光ダイオード32を視認しにくくしてもよい。さらに、気泡または顔料ではなく、中空のビーズ状の透明球体を光拡散板131に混入してもよい。また、図26に示すように、光拡散板131に気泡や顔料、中空のビーズ状の透明球体を混入し、光の拡散作用を確保できれば、光拡散板131の表面は平滑であってもよい。
このように、光拡散板131の表面を凹凸形状とし光の拡散作用を確保できる場合、または、光拡散板131の内部に気泡または顔料131aを混入し、発光ダイオードを視認しにくくしつつ、かつ光の透過性を確保できれば、光拡散板131を2層で構成する必要がない。
また、上記した各実施の形態では、照明装置とカメラ付き携帯電話装置の組み合わせの場合を示したが、本発明に用いられる照明装置はこれに限られるものではなく、例えば、ビデオカメラ装置あるいは入場者監視装置等の他の撮像装置と組み合わせて用いても良い。
また、カメラの仕様や性能によっては、配光レンズを省略できる。