JP4459651B2 - 光ピックアップ装置および光情報記録再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置に関するものであり、特に、円盤(ディスク)状記録媒体に対して光学的に情報を記録または再生する光ピックアップ装置であって、対物レンズアクチュエータの可動部に搭載される液晶素子によって収差を補正できる光ピックアップ装置に関する。
従来、例えばDVD(digital video disc)やCD(compact disc)等の光ディスク(光記録媒体、光情報記録媒体)から記録情報を読み取り可能な光学式ディスクプレーヤ(光学式記録再生装置)が広く用いられている。また、近年、さらに高密度な光ディスク(次世代高密度光ディスク)が求められており、その実現に向けた検討が進んでいる。
一般に、光ディスクにおける記録密度の向上には、読み取りに使用する光の短波長化および対物レンズの高開口数(NA;numerical aperture)化が有効であることが、よく知られている。
現在、次世代高密度光ディスクを記録再生するための光ピックアップ装置では、使用する光の波長を従来のDVDにおける650nmから405nmに短波長化し、対物レンズの開口数を従来のDVDにおける0.6から0.85に高NA化することによって絞り込みスポットを微小化し、高記録密度化が図られている。
ところが、使用する波長の短波長化や、対物レンズの高NA化を図るためには、光ディスクにおける透過層厚さのばらつきによる球面収差が問題となる。
また、光ディスクの情報記録面を多層化して記録容量を増大させる場合には、各記録層までの透過層の違いによる球面収差が問題となる。
このような球面収差の影響を低減するために、従来、収差補正用の液晶素子が提案されている。すなわち、液晶のように、印加する電圧に応じて屈折率が変化する材料を用いて、透過光の位相を制御する光学素子(収差補正素子)が提案されている。さらに、対物レンズがトラッキング追従のためにトラック方向に移動した時の液晶素子の補正パターンと、対物レンズの光軸との位置ずれを回避するために、液晶素子と対物レンズとを一体駆動する手法が提案されている。この場合、対物レンズと収差補正用の液晶素子とを、フォーカシング駆動およびトラッキング駆動のためのアクチュエータにおける可動部の保持機構に組み込むことになる。
通常、収差補正用の液晶素子は、複数の領域に分割された制御電極と、各領域について共通の共通電極(基準電極)とを備えている。そして、各領域に印加する電圧を調整することによって透過するレーザ光の位相差を加減して収差を補正するようになっている。このため、制御電極の複数の領域に与える電位と共通電極に与える電位とを供給するため、液晶素子には少なくとも3本の給電線が必要である。
一方、アクチュエータにおける可動部は、導電性の弾性支持部材によって支持し、この弾性支持部材に給電線としての機能を兼ねさせることができる。このように、可動部を支持する弾性支持部材に、給電線としての機能を兼ねさせる場合、液晶素子を可動部に組み込むと、弾性支持部材の本数が増加する。このため、材料コスト、組立作業コスト、不良品の発生率が増大する。また、各弾性支持部材の性能のばらつきや、組立精度のばらつきなどによって可動体の姿勢がばらつき、液晶素子で補正できないチルトが発生する可能性もある。
そこで、例えば、特許文献1には、フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルを駆動するための信号と、液晶素子を駆動するための信号とを、同一の金属線(弾性支持部材)を用いて供給する対物レンズ駆動装置が記載されている。
すなわち、特許文献1に記載の光ピックアップ装置では、液晶素子に接続する少なくとも3本の給電線と、アクチュエータをフォーカシングおよびトラッキング駆動するためのコイルへの給電線とを兼用することにより、アクチュエータ部への配線本数(弾性支持部材数)を低減している。
特開2001−266394号公報(公開日:2001年9月28日)
しかしながら、特許文献1に開示されている光ピックアップ装置のように、液晶素子に接続する給電線と、アクチュエータのフォーカシングコイルおよびトラッキングコイルへの給電線とを兼用する場合には、コイルと液晶素子という2つの負荷が同一信号線に接続されることになる。このため、液晶素子に接続する給電線が、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系に対して、電気的に影響を及ぼす。
また、液晶素子に変わる収差補正素子として、例えばPLZT(酸化鉛、ランタン、酸化ジルコニウム、酸化チタンのペブロスカイト構造の透過結晶体)のように、印加する電圧に応じて厚みが変化する素子を用いて、透過光の位相を制御する光学素子(収差補正素子)が考えられる。
しかしながら、このような印加する電圧に応じて厚みが変化する光学素子を用いて、透過光の位相を制御する場合であっても、光学素子に接続する給電線と、アクチュエータのフォーカシングコイルおよびトラッキングコイルへの給電線とを兼用する場合には、コイルと光学素子という2つの負荷が同一信号線に接続されることになる。このため、液晶素子を用いる場合と同様、このような光学素子に接続する給電線が、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系に対して、電気的に影響を及ぼす。
特に、フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルは定電流駆動するのが一般的であるが、これらのコイルを定電流駆動する場合には、収差補正素子の基準電極に印加する基準電位をフォーカシングコイルやトラッキングコイルへの給電線に直接接続することができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、アクチュエータにおけるフォーカシング駆動およびトラッキング駆動のための可動部に収差補正素子を搭載し、フォーカシングコイル、トラッキングコイル、収差補正素子への給電線としての機能を兼ねる導電性の弾性支持部材によって上記可動部を支持する光ピックアップ装置において、収差補正素子へ供給する制御信号のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに対する影響を低減し、かつ、弾性支持部材の数が少ない光ピックアップ装置を提供することにある。
本発明の光ピックアップ装置は、上記の課題を解決するために、光学的情報記録媒体に光ビームを照射して情報の記録または再生を行う装置に用いられ、対物レンズと、前記対物レンズに入射する光ビームの収差を補正する収差補正素子と、フォーカシングコイルと、トラッキングコイルとを備えた、導電性の弾性支持部材によって移動可能に支持される可動部を有し、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号と上記収差補正素子の制御信号とを、上記弾性支持部材を介して供給する光ピックアップ装置において、上記収差補正素子は、複数の制御電極からなる電極と、前記電極に対向する基準電極とを備え、上記各制御電極に対する制御信号を、他の信号と重畳させることによって、上記重畳させた他の信号と共通の弾性支持部材を介して供給し、上記基準電極に対する制御信号を、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号、および、上記各制御電極に対する制御信号、を供給するための弾性支持部材とは異なる弾性支持部材を介して供給することを特徴としている。
上記の構成によれば、収差補正素子の基準電極に対して電気的に専用の経路で制御信号を供給することができる。したがって、フォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく、収差補正素子に対して基準電極の電位を与えることができる。このため、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系、収差補正素子の駆動を安定化させられる。
また、上記の構成によれば、上記各制御電極に対する制御信号を、他の信号と重畳させることによって、上記重畳させた他の信号と共通の弾性支持部材を介して供給する。このため、上記各制御電極に対する制御信号を、それぞれ別々の弾性支持部材を介して供給する場合に比べて、弾性支持部材の数を少なくできる。
したがって、上記の構成によれば、収差補正素子へ供給する制御信号のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに対する影響を低減し、かつ、弾性支持部材の数が少ない光ピックアップ装置を提供できる。
なお、上記収差補正素子は、印加する電圧に応じて屈折率が変化するものであってもよい。例えば、上記収差補正素子は、液晶素子であってもよい。
このように、印加する電圧に応じて屈折率が変化する収差補正素子を用いることにより、透過光の位相を制御し、収差の補正を行うことができる。
あるいは、上記収差補正素子は、印加する電圧に応じて厚さが変化するものであってもよい。例えば、上記収差補正素子は、PLZT素子であってもよい。なお、PLZTとは、酸化鉛、ランタン、酸化ジルコニウム、酸化チタンのペブロスカイト構造の透明結晶体からなる無機物質の基板であり、電圧に応じて厚みが変化する材料である。
このように、印加する電圧に応じて厚さが変化する収差補正素子を用いても、透過光の位相を制御し、収差の補正を行うことができる。また、PLZT素子を用いる場合、PLZT上に電極を直接形成できるので、構成を簡略化できる。
また、上記各制御電極に対する制御信号を互いに重畳させ、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号を供給する弾性支持部材とは異なる、1本の弾性支持部材を介して供給するようにしてもよい。すなわち、上記他の信号とは、他の制御電極に対する制御信号であってもよい。
それゆえ、液晶素子の制御電極に供給する制御信号によって、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系の周波数特性に影響を与えることがなく、サーボ帯域の低下を回避できる。
また、液晶素子の各制御電極に対する制御信号を、1本の弾性支持部材で供給するので、液晶素子の制御のために追加する弾性支持部材の本数が少ない。したがって、弾性支持部材の取り付け状態のばらつきによる対物レンズのチルト発生を抑制でき、良好な記録再生信号を得ることができる。
また、上記重畳させた上記各制御電極に対する制御信号を、上記基準電極に供給する制御信号に基づいて分離し、上記各制御電極に供給する駆動回路を、上記可動部に備えてもよい。
この場合、上記重畳させた上記各制御電極に対する制御信号は分離が容易なので、上記可動部に搭載する駆動回路を簡単な構成にできる。
また、上記各制御電極に対する制御信号を、上記フォーカシングコイルおよび/またはトラッキングコイルの駆動信号に重畳させ、上記重畳させた駆動信号と共通の弾性支持部材を介して供給するようにしてもよい。すなわち、上記他の信号とは、フォーカシングコイルおよび/またはトラッキングコイルの駆動信号であってもよい。
それゆえ、液晶素子の制御のために追加する弾性支持部材の本数を少なくできる。したがって、弾性支持部材の取り付けのばらつきによる対物レンズのチルト発生を抑制できる。
また、上記の構成において、上記可動部に上記液晶素子を加熱するための加熱手段を備え、上記加熱手段に対して、上記基準電極に制御信号を供給するための弾性支持部材、および、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号を供給するための弾性支持部材とは異なる弾性支持部材を介して給電するようにしてもよい。
それゆえ、消費電力の大きい加熱手段に対して、フォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく給電でき、サーボ系の安定化を図れる。
また、本発明の光ピックアップ装置は、上記可動部が、5本の上記弾性支持部材によって支持されていてもよい。あるいは、上記可動部が、6本の上記弾性支持部材によって支持されていてもよい。
それゆえ、弾性支持部材の本数が少なく、弾性支持部材の取り付けのばらつきによる対物レンズのチルト発生を抑制できる。
本発明の光学式記録再生装置は、上記の課題を解決するために、上記の光ピックアップ装置を備えてなる。
上記の構成によれば、液晶素子へ供給する制御信号のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに対する影響を低減し、かつ、弾性支持部材の数が少ない光ピックアップ装置を備えた光学式記録再生装置を提供できる。
以上のように、本発明の光ピックアップ装置は、上記収差補正素子が、複数の制御電極からなる電極と、前記電極に対向する基準電極とを備え、上記各制御電極に対する制御信号を、他の信号と重畳させることによって、上記重畳させた他の信号と共通の弾性支持部材を介して供給し、上記基準電極に対する制御信号を、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号、および、上記各制御電極に対する制御信号を供給するための弾性支持部材とは異なる弾性支持部材を介して供給する。
それゆえ、収差補正素子の基準電極に対して電気的に専用の経路で制御信号を供給することができるので、フォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく、収差補正素子に対して基準電極の電位を与えることができる。したがって、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系、収差補正素子の駆動を安定化させられる。
また、上記各制御電極に対する制御信号を、他の信号と重畳させることによって、上記重畳させた他の信号と共通の弾性支持部材を介して供給するので、弾性支持部材の数を少なくできる。
したがって、収差補正素子へ供給する制御信号のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに対する影響を低減し、かつ、弾性支持部材の数が少ない光ピックアップ装置を提供できる。
本発明の光学式記録再生装置は、上記いずれかの光ピックアップ装置を備えてなる。
それゆえ、液晶素子へ供給する制御信号のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに対する影響を低減し、かつ、弾性支持部材の数が少ない光ピックアップ装置を備えた光学式記録再生装置を提供できる。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について、図1〜図4、図7を用いて説明する。
本実施の形態にかかる光ピックアップ装置(本光ピックアップ装置)は、光学式ディスクプレーヤ(光学式記録再生装置)に搭載され、光ディスクに対して光ビームを照射することによって情報を記録し、また、光ディスクに対して光ビームを照射し、その反射光を検出することによって光ディスクに記録された情報を再生するためのものである。
図7は、本光ピックアップ装置を備えてなる光学式ディスクプレーヤの概略構成図である。この図に示すように、上記の光学式ディスクプレーヤは、光ディスク30をスピンドルモータ31にて回転駆動し、本光ピックアップ装置にて、光ディスク30への情報の書き込みまたは読み出しを行う。また、本光ピックアップ装置およびスピンドルモータ31の制御は制御部32で行われる。制御部32は、本光ピックアップ装置から光ディスク30への情報の書き込みまたは読み出しを行うための信号を制御する信号制御部32aや、スピンドルモータ31および本光ピックアップ装置30のサーボ系等の駆動を制御する駆動制御部32b等を含む。
図1は、本光ピックアップ装置の原理構成を示す概略構成図である。
この図に示すように、本光ピックアップ装置は、対物レンズ10、1/4波長板11、液晶素子(収差補正素子、収差補正機構)12、アクチュエータ13、ビームスプリッタ14、回折格子16、コリメータレンズ17、半導体レーザ(光源)18、集光レンズ19、円柱レンズ20、光検出器21、駆動回路22を備えている。また、本光ピックアップ装置は、光ディスク30に対して情報を記録あるいは再生するものとする。
半導体レーザ18は、波長λ=405nmの光ビームを出射する。この半導体レーザ18から出射された光ビームは、コリメータレンズ17によって平行光ビームとされる。そして、この平行光ビームは、回折格子16でメインビームとトラッキング用の2つのサブビームとの3つの光ビームに分割される。
また、回折格子16で分割された3つの光ビームは、ビームスプリッタ14、液晶素子12、1/4波長板11をそれぞれ通過し、対物レンズ10によって光ディスク30の記録面(図示せず)上に集光される。
液晶素子12は、駆動回路22とアクチュエータ13内部で電気配線されている。すなわち、液晶素子12はアクチュエータ13を介して駆動回路22に電気的に接続されている。そして、駆動回路22によって液晶素子12の電極に印加する電圧を制御することで、本光ピックアップ装置は光ディスク30の基板厚み誤差によって発生する球面収差を補正するようになっている。つまり、本光ピックアップ装置は、液晶素子12によって、半導体レーザ18から出射された光ビームの位相を制御して球面収差を補正するようになっている。なお、液晶素子12の構成については後述する。
1/4波長板11は、半導体レーザ18から出射された光ビームを、直線偏光から円偏光に変換する。すなわち、半導体レーザ18から出射された光ビームは直線偏光であるが、1/4波長板11を通過することによって円偏光に変換される。これにより、光ディスク30上に集光される光ビームは円偏光となっている。
対物レンズ10としては、開口数NA=0.85のものが使用される。なお、本実施の形態では対物レンズ10が一枚のレンズで構成されているが、これに限らず、複数(例えば2枚)のレンズを組合せて構成されたものを用いてもよい。
また、液晶素子12、1/4波長板11、対物レンズ10は、アクチュエータ13に備えられた保持機構に一体的に保持されており、磁石やコイルを用いてフォーカシング方向およびトラッキング方向の2方向に一体駆動されるようになっている。すなわち、対物レンズ10は、アクチュエータ13によってフォーカシングサーボ、トラッキングサーボがかけられており、光ディスク30の面ぶれや外乱などがある場合でも、光ディスク30との位置関係が一定に保たれるようになっている。なお、アクチュエータ13の構造については後述する。
一方、光ディスク30で反射された光ビームは、再び対物レンズ10に入射して、1/4波長板11および液晶素子12を通過し、ビームスプリッタ14で反射される。このビームスプリッタ14で反射された光ビームは、集光レンズ19および円柱レンズ20を通過して、光検出器21に入射する。そして、この光検出器21において、フォーカシング誤差信号、トラッキング誤差信号、および、情報再生信号が検出される。
ここで、光ディスク30から反射した光ビームは円偏光であるが、1/4波長板11を通過することにより、再び、直線偏光に変換される。ただし、1/4波長板11を通過した反射光ビームの偏光方向は、半導体レーザ18から1/4波長板11に至る往路における光ビームの偏光方向と直交している。
また、光検出器21には、低ノイズ化のためにアンプが内蔵されており、光検出器21に入射した光ビームは光電変換後に電流電圧変換がなされて出力される。また、本実施の形態では、フォーカシング誤差信号は非点収差法、トラッキング誤差信号は差動プッシュプル法を用いて検出するようになっている。
次に、液晶素子12の構成について、図2(a)および図2(b)を用いて説明する。図2(a)は、液晶素子12の概略構成を示す断面図である。図2(b)は電極引出部108の構成を説明するための平面図である。
図2(a)に示すように、液晶素子12には、ガラス基板(基板)100a,100b,100cが、それぞれ略平行となるようにシール材101によって接着されており、液晶セルを形成している。なお、3枚のガラス基板のうち、中央に備えられるガラス基板100cは、一端部が他の基板よりも基板面内方向に突き出した電極引出部108を備えている。電極引出部108において、ガラス基板100cのガラス基板100aと対向する表面と、ガラス基板100cのガラス基板100bと対向する表面に、液晶素子12と駆動回路22を電気的に接続するための接続線(図示せず)を配線するための電極端子部111が形成されている。
シール材101は、エポキシ系樹脂を主成分とし、ガラス製のスペーサと、樹脂の表面に金などを被膜した導電性スペーサとを含んでいる。
ガラス基板100cにおけるガラス基板100aと対向する表面には、ガラス基板100cの表面側から順に、電極102a、配向膜104aが形成されている。また、ガラス基板100cにおけるガラス基板100bと対向する表面には、ガラス基板100cの表面側から順に、電極102b、配向膜104bが形成されている。なお、電極102aおよび102bは、後述する複数の給電部(制御電極)を備えている。
また、ガラス基板100aにおけるガラス基板100cとの対向面には、ガラス基板100a側から順に、電極(基準電極)105a、配向膜107aが被膜されている。また、ガラス基板100bにおけるガラス基板100cとの対向面には、ガラス基板100b側から順に、電極(基準電極)105b、配向膜107bが被膜されている。なお、液晶セルの外側表面、すなわち、ガラス基板100aおよび100bにおける、ガラス基板100cとの対向面とは反対側の面には、反射防止膜(図示せず)が被膜されていてもよい。
電極102aおよび102bは、ガラス基板100cにおける電極引出部108で、接続線(図示せず)によって駆動回路22と電気的に接続できるようにパターン配線されている。また、電極105aおよび105bは、上述の金などを被膜した導電性スペーサを介して、ガラス基板100c上に形成された電極102aおよび102bと電気的に接続されている。したがって、電極105a,105bは電極引出部108で接続線によって駆動回路22と接続できる。
ガラス基板100aと100cとの間(配向膜107aと104aとの間)に形成される液晶セル内部の領域には、液晶110aが充填されている。また、ガラス基板100bと100cとの間(配向膜107bと104bとの間)に形成される液晶セル内部の領域には、液晶110bが充填されている。なお、液晶100aおよび100bは、それぞれ、液晶分子(図示せず)が一方向に配向したホモジニアス配向の状態にある。ただし、液晶110aおよび液晶110bにおける液晶分子は、互いに直交する方向に配向している。例えば、液晶110aは半導体レーザ18から1/4波長板11に至る往路の光ビームに作用し、液晶110bは光ディスク30からの反射光ビームに作用するように、それぞれの光ビームの偏光方向に配向方向を一致させている。すなわち、液晶110aは、電圧印加時と電圧無印加時とで、半導体レーザ18から1/4波長板11に至る往路の光ビームに対する透過状態が変化するようになっている。また、液晶110bは、電圧印加時と電圧無印加時とで、光ディスク30からの反射光ビームに対する透過状態が変化するようになっている。
また、液晶素子12では、電極102aおよび102bにおける面内の異なる位置に、異なる電位を供給する2つ以上の給電部(制御電極)が形成されている。また、電極105aおよび105bは面内に一様な電位を供給する基準電極となっている。なお、これらの電極の構成については、後で詳しく述べる。
配向膜104a,104b,107a,107bの材料は特に限定されるものではなく、配向膜材料として従来公知の材料を用いることができる。例えば、ポリイミド膜をラビングしたものや、シリカ膜を斜め蒸着したものなどを用いることができる。なお、液晶分子のプレチルト角が2〜10゜となる材料を用いることが好ましい。
また、図1に示したように、本光ピックアップ装置では、光ビームが液晶素子12を透過するようになっている。このため、ガラス基板100a,100b,100c、および、電極102a,102b,105a,105bは透明であることが好ましい。すなわち、基板100a,100b,100cはガラス基板に限るものではないが、透明な材質であることが好ましい。また、電極102a,102b,105a,105bの材質は、特に限定されるものではないが、透過率が高い透明導電膜であることが好ましく、例えばITO(インジウム−錫−酸化物合金)、酸化亜鉛膜などを使用できる。
図2(b)を用いて、電極引出部108の構成を説明する。液晶素子12はガラス基板100cのガラス基板100aと対向する側と、ガラス基板100cのガラス基板100bと対向する側で対称な構成となっている。したがって、ここではガラス基板100cのガラス基板100aと対向する側に簡略化して説明する。
電極102aは3つの給電部(制御電極)を備えており、それぞれが電極端子部111a,111b,111cにパターン配線されている。また、電極105aは導電性スペーサを介して電極102aに接続された後、電極端子部111dにパターン配線されている。したがって、液晶素子12は電極端子部111a,111b,111c,111dにおいて、駆動回路22と電気的に接続するための接続線(図示せず)を配線できる。
次に、アクチュエータ13の構成について、図3を用いて説明する。図3は、アクチュエータ13の概略構成を示す斜視図である。この図に示すように、アクチュエータ13は、ベース基板54、ホルダー56、可動部40などを備えている。
可動部40は、対物レンズ10、保持機構50、支持基板51、フォーカシングコイル52、トラッキングコイル53、1/4波長板11(図3では図示せず)、液晶素子12(図3では図示せず)、駆動回路22(図3では図示せず)からなる。
対物レンズ10は、略直方体形状からなる保持機構50によって、可動部40の略中央に保持されている。支持基板51は、保持機構50における対向する一対の側面に備えられている。フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53は、保持機構50における、支持基板51が備えられる側面とは異なる、対向する一対の側面に設けられた凹部に固着されている。1/4波長板11、液晶素子12、駆動回路22は、保持機構50の下部(ベース基板54側)に取り付けられている。
保持機構50の対向する一対の側面に設けられた支持基板51の一方における側方には、保持機構50をベース基板54に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動可能に支持するための弾性支持部材55a,55b,55cの一端が、半田によって固着されている。また、他方の支持基板51における側方には、保持機構50をベース基板54に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に移動可能に支持するための弾性支持部材55d,55e,55fの一端が、半田によって固着されている。なお、弾性支持部材55a〜55fは、導電性を示す材料からなる。
また、弾性支持部材55a〜55fの他端は、ベース基板54に対して固定されたホルダー56に固着されている。なお、ベース基板54の一端部には、基板面に略垂直に突き出した立設部59が設けられており、この立設部59にホルダー56が固定されている。
また、ベース基板54上における保持機構50の凹部には、略U字形の溝部を有するヨーク57が載置されている。より詳細には、ヨーク57の略U字形の溝部における対向する壁面が、保持機構50の側面(凹部の底面)に対向するように載置されている。また、ヨーク57における、保持機構50から遠い側の内壁面には永久磁石58が固着されている。また、ヨーク57と永久磁石58により形成された磁気回路の磁気ギャップ中に、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53が配置されている。
フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の端子は、駆動回路22および導線群60を介して、支持基板51に固着された導電性の弾性支持部材55a,55b,55d,55eに電気的に接続されている。
また、液晶素子12における電極102a,102b,105a,105bは、駆動回路22および導線群60を介して、支持基板51に固着された導電性の弾性支持部材55c,55fに電気的に接続されている。
このような構成からなるアクチュエータ13において、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53に、弾性支持部材55a,55b,55d,55eを介して駆動電流を流すことにより、可動部40を、フォーカシング方向およびトラッキングコイル方向にそれぞれ独立して駆動することができる。なお、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動電流は、本光ピックアップ装置が備えられる光学式ディスクプレーヤにおける制御部32によって供給される。
また、駆動回路22に、弾性支持部材55c,55fを介して制御信号を給電することにより、駆動回路22は液晶素子12を駆動するための駆動電圧を生成し、生成した駆動電圧を液晶素子12における電極102a,102b,105a,105b(制御電極200a〜200cおよび基準電極201)に供給できる。なお、液晶素子12に供給される制御信号は、本光ピックアップ装置が備えられる光学式ディスクプレーヤにおける制御部32によって供給される。
次に、図4を用いて駆動回路22および液晶素子12における各電極の構成について説明する。図4は、駆動回路22の回路構成および液晶素子12における各電極の電極パターンを説明するための説明図である。なお、図4において、電極パターン200は液晶素子12における電極102a,102bの電極パターンを模式的に示しており、電極パターン201は液晶素子12における電極105a,105bの電極パターンを模式的に示している。
電極パターン200に示すように、液晶素子12の電極102a,102bは、光束(光ビーム)が通過する領域をほぼ円環状の複数の領域に分割されている。なお、電極パターン200では、円環状に分割された複数の領域の一部同士が結合されている。すなわち、複数の円環形状からなる領域のうち最外周となる領域と、最内周(電極パターン200がなす円の中心部)の領域とにおける一部同士が結合されて、制御電極200aを形成している。また、最外周から2番目の領域と、最内周から2番目の領域とにおける一部同士が結合されて、制御電極200cを形成している。また、制御電極200cにおける、一部同士が結合される2つの領域に挟まれた領域には、制御電極200bが形成されている。なお、制御電極200a,200b,200cは、それぞれ他の制御電極と電気的に分離されている。
一方、電極パターン201に示すように、液晶素子12の電極105aおよび105bは、光束を通過する領域に一様な電位を与えるための電極パターンとなっている。
液晶素子12では、電極パターン201(電極105aおよび105b)の電位に対する電極102aおよび102bにおける制御電極200a,200b,200cの電位として、制御電極200aに最低電位または最高電位を与え、制御電極200bに最高電位または最低電位を与え、制御電極200cにそれらの中間電位を与える。これにより、光束の位相を階段状に変化させることができる。また、制御電極200a,200b,200cに印加する電位を変化させることによって、光束の位相を制御することができ、これを用いて基板厚み誤差で発生する球面収差などの収差を補正することができる。
駆動回路22は、図4に示すように、検波回路210、ハイパスフィルタ(HPF)211,212、分圧抵抗213,214を備えている。
駆動回路22における入力端子220は、導線群60を介して弾性支持部材55aに接続されている。すなわち、フォーカシングコイル52の一方の端子が、入力端子220および導線群60を介して弾性支持部材55aに電気的に接続されている。また、フォーカシングコイル52の他方の端子が、入力端子221および導線群60を介して弾性支持部材55dに電気的に接続されている。また、トラッキングコイル53の一方の端子が、入力端子222および導線群60を介して弾性支持部材55bに電気的に接続され、トラッキングコイル53の他方の端子が、入力端子223および導線群60を介して弾性支持部材55eに電気的に接続されている。
駆動回路22の入力端子224には、基準電位(基準電圧)Voに対して正側波高値Va、負側波高値Vbの波高値を有する単一周波数の矩形波信号が入力される。なお、入力端子224に入力された矩形波信号は、検波回路210に入力される。
また、入力端子225には基準電位Voが入力される。そして、入力端子225に入力された信号(基準電位Vo)は、検波回路210、HPF211,212、基準電極201に供給される。
検波回路210は、入力端子224に入力された単一周波数の矩形波信号の正側検波および負側検波(分離)を行い、それぞれの検波信号を出力する。そして、HPF211は検波回路210の出力である正側検波信号の低域成分を除去する。一方、HPF212は検波回路210の出力である負側検波信号の低域成分を除去する。すなわち、上記HPF211および212の出力信号は、振幅VaおよびVbであり、互いに同位相の単一周波数の矩形信号に変換される。
HPF211の出力は、分圧抵抗213の一方の端子に接続されるとともに、液晶素子12の電極102aおよび102bにおける制御電極200bに接続される。また、HPF212の出力は、分圧抵抗214の一方の端子に接続されるとともに、液晶素子12の電極102aおよび102bにおける制御電極200aに接続される。また、分圧抵抗213および214の他方の端子同士は、互いに接続されるとともに、液晶素子12の電極102aおよび102bにおける制御電極200cに接続される。なお、上記したように、入力端子225に入力された信号は、そのまま液晶素子12の電極パターン201(電極105aおよび105b)にも供給される。
このような構成により、液晶素子12の制御電極200bには振幅Vaの単一周波数の矩形波信号(交流信号)が、また、制御電極200aには振幅Vbの単一周波数の矩形波信号(交流信号)が印加(供給)される。また、分圧抵抗213および214の抵抗値をそれぞれRa,Rbとすると、液晶素子12の制御電極200cには、振幅VaとVbとの差を分圧抵抗213および分圧抵抗214により分圧された中間電位(中間電圧)(RaVb+RbVa)/(Ra+Rb)が印加される。なお、フォーカシングコイル52には入力端子220,221が接続され、トラッキングコイル53には入力端子222および223が接続されており、各入力端子に入力された駆動電圧が、両コイルにそのまま供給される。
以上のように、本光ピックアップ装置では、液晶素子12の基準電極105aおよび105bに供給する基準電位Voを、1本の弾性支持部材(弾性支持部材55f)によって供給している。このため、アクチュエータ13のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく、基準電極201に基準電位Voを与えることができる。したがって、サーボ系および液晶素子12の駆動を安定化させることができる。
また、従来、フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルへの駆動信号と液晶素子への制御信号とを、周波数的に分離し、互いに重畳させて給電線に供給する場合には、アクチュエータ部に設けられる、コイル駆動信号と液晶素子の制御信号とを分離するためのフィルター回路により、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系の位相変化が引き起こされ、確保可能なサーボ帯域が低下するといった問題があった。
これに対して、本光ピックアップ装置では、液晶素子12の電極102aおよび102bにおける複数の給電部(制御電極200a,200b,200c)に供給する制御信号を合成して(重畳させて)、1本の弾性支持部材(弾性支持部材55c)により供給している。このため、アクチュエータ13のフォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系の周波数特性に影響を与えることがなく、サーボ帯域の低下を回避できる。
また、従来、一般に液晶素子は交流駆動されるが、液晶素子の制御信号を、フォーカシングサーボ帯域およびトラッキングサーボ帯域に必要な周波数帯域外の高周波数領域に変換して供給するために、アクチュエータの保持機構に搭載する駆動回路において信号分離が必要で有り、駆動回路が複雑になるという問題があった。
これに対して、本光ピックアップ装置では、フォーカシング駆動信号やトラッキング駆動信号と液晶素子の制御信号とを周波数的に分離する必要がない。このため、アクチュエータ13の保持機構50に搭載される駆動回路22を簡単な構成にできる。すなわち、上記のように合成した制御電極200a,200b,200cに供給する制御信号は、分離が容易なので、アクチュエータ13の保持機構に搭載する駆動回路を簡単な構成にできる。
また、従来、フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動電圧を供給する弾性支持部材(給電線)と液晶素子の制御信号とを別々の弾性支持部材を介して供給する場合、フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルに駆動電圧を供給するために4本、液晶素子の複数の給電部を有する電極に最高電圧および最低電圧を供給するために少なくとも2本、基準電極に基準電圧を供給するために1本の合計7本以上の弾性支持部材が必要であった。このため、各弾性支持部材の取り付け状態のばらつきによって対物レンズのチルトが発生する、あるいは、アクチュエータ13の組立て性が低下する、といった問題があった。
これに対して、本光ピックアップ装置では、液晶素子12の電極102aおよび102bにおける制御電極200a〜200cのそれぞれに対して、1本の弾性支持部材を用いて制御信号を供給する。すなわち、本光ピックアップ装置では、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動電圧を供給する弾性支持部材55a,55b,55d,55eと、液晶素子12の制御信号を供給する弾性支持部材55c,55fの、合計6本の弾性支持部材を備えるだけでよい。このため、各弾性支持部材の取り付け状態のばらつきによって対物レンズ10のチルトが発生することを抑制できる。また、アクチュエータ13の組立て性の低下を抑えられる。
なお、本光ピックアップ装置は、液晶素子12の電極102a,102bの電極パターン200は、光束を通過する領域をほぼ円環状の5つの領域に分割し、分割した領域における一部同士を結合して制御電極200aおよび200cを構成しているが、これに限るものではない。例えば、光束を通過する領域の円環状の分割数を、さらに多くとってもよい。この場合には、電気的に分離される制御電極の数が多くなるが、駆動回路22に備える分圧抵抗の数を多くすることで、最高電位と最低電位との間の中間電位を複数得ることができる。
また、本光ピックアップ装置では、駆動回路22の分圧抵抗213,214が駆動回路22内に設けられているが、これに限らず、例えば、薄膜抵抗の形態で液晶素子12に組み込んでもよい。
また、本光ピックアップ装置では、液晶素子12における電極102aおよび102bの電極パターン200を、球面収差を補正するためのパターンとしたが、これに限るものではない。すなわち、球面収差用に限らず、如何なる種類の収差補正に対応した電極パターンであっても、同様の効果を得ることができる。
また、本光ピックアップ装置では、シール材101について、エポキシ系樹脂を主成分とし、ガラス製のスペーサと、樹脂の表面に金などを被膜した導電性スペーサとを含んでいるものを用いたが、これに限るものではない。例えば、他の樹脂を主成分とするものであってもよい。また、ガラス製のスペーサに限らず、例えばプラスチック製のスペーサを含んでもよい。また、導電性スペーサについても、金を被膜したものに限らず、例えば他の金属を被膜してもよい。あるいは、導電性スペーサに代えて、電極105a,105bを駆動回路22と電気的に接続するための他の手段を備えるようにしてもよい。
また、本光ピックアップ装置では、液晶110a,110bについて、液晶分子が一方向に配向したホモジニアス配向の状態にあるものとしたが、これに限るものではなく、印加する電圧に応じて、光ビームに対する透過状態を変化させられるものであればよい。
また、本実施の形態では、印加する電圧に応じて屈折率が変化する収差補正素子として、液晶素子12を用いる構成について説明したが、本光ピックアップ装置に適用可能な収差補正素子はこれに限るものではなく、印加する電圧に応じて透過光の位相を制御できるものであればよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図5および図6を用いて説明する。なお、説明の便宜上、実施の形態1にかかる光ピックアップ装置と同じ部材および同じ製造方法については、その説明を一部省略する。また、説明を省略する部材には、実施の形態1と同じ符号を用いる。
本実施の形態にかかる光ピックアップ装置は、実施の形態1にかかる光ピックアップ装置と同様、光学式ディスクプレーヤ(光学式記録再生装置)に搭載されるものである。
ただし、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置は、液晶素子の低温での応答時間を速くするために、液晶素子を加熱するためのヒーター部(加熱手段)を備えている。
なお、このようにヒーター部を備える場合、通常、フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルへの駆動信号とヒーターへの給電信号とを重畳させると、ヒーターへの給電は消費電力が大きいので、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系に対して電気的な影響を及ぼすことが懸念される。しかしながら、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置では、後述するように、ヒーターへの給電が、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系に対して電気的な影響を与えないようになっている。
図5は、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられる液晶素子12aの原理構成を示す概略構成図である。この図に示すように、液晶素子12aは、実施の形態1における液晶素子12に加えて、液晶110aおよび110bを加熱するためのヒーター部120aおよび120bを備えている。
なお、このヒーター部120aおよび120bは、基板100aおよび基板100bの外側(基板100cとの対向面とは反対側)の面にITO(インジウム−錫−酸化物合金)膜が蒸着されてなる。また、ヒーター部120aおよび120bは、光束の通過を妨げない領域に備えられており、電流を通電することで発熱するようになっている。
図6は、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられる駆動回路22aの回路構成を説明するための説明図である。
この図に示すように、駆動回路22aは、ハイパスフィルタ(HPF)215,216、分圧抵抗213,214から構成される。なお、駆動回路22aは、実施の形態1にかかる駆動回路22と異なり、検波回路210が備えられていない。
駆動回路22aにおける入力端子220,221は、フォーカシングコイル52に接続されている。また、入力端子222,223は、トラッキングコイル53に接続されている。すなわち、フォーカシングコイル52の一方の端子が、入力端子220および導線群60を介して弾性支持部材55aに電気的に接続され、フォーカシングコイル52の他方の端子が、入力端子221および導線群60を介して弾性支持部材55dに電気的に接続されている。また、トラッキングコイル53の一方の端子が、入力端子222および導線群60を介して弾性支持部材55bに電気的に接続され、トラッキングコイル53の他方の端子が、入力端子223および導線群60を介して弾性支持部材55eに電気的に接続されている。
また、入力端子220および222は、HPF215および216にもそれぞれ接続されている。
入力端子226は、ヒーター部120(ヒーター部120aおよびヒーター部120b)の一端に接続されている。すなわち、ヒーター部120の一端が、入力端子226および導線群60を介して、弾性支持部材55fに電気的に接続されている。
入力端子227は、ヒーター部120の他端に接続されている。なお、入力端子227は、HPF215、HPF216、電極パターン201(電極(基準電極)105a,105b)にも接続されている。すなわち、ヒーター部120の他端、HPF215、HPF216、電極105aおよび105bが、入力端子227および導線群60を介して、弾性支持部材55cに電気的に接続されている。
HPF215の出力部は、分圧抵抗213の一方の端子に接続されるとともに、液晶素子12aの制御電極200bに接続されている。また、HPF216の出力部は、分圧抵抗214の一方の端子に接続されるとともに、液晶素子12aの制御電極200aに接続される。また、分圧抵抗213および214の他方の端子同士は互いに接続されるとともに、液晶素子12aの制御電極200cに接続されている。
このような構成からなる駆動回路22aにおいて、入力端子220には、フォーカシングコイル52の駆動信号に、液晶素子12aの制御電極200bに与える単一周波数の矩形波信号を重畳した信号が入力される。ここで、液晶素子12aの制御電極200aに与える矩形波信号は、振幅Vaをもち、その周波数はフォーカシングサーボ帯域に影響を与えないように、数十KHzとされている。
また、入力端子222にはトラッキングコイル53の駆動信号に、液晶素子12aの制御電極200aに与える単一周波数の矩形波信号を重畳した信号が入力される。ここで、液晶素子12aの制御電極200aに与える矩形波信号は、制御電極200bに与える矩形波信号と同一周波数、同位相で、振幅Vbである。すなわち、液晶素子12aの制御電極200aに与える電位がトラッキングコイル駆動信号と重畳され、制御電極200bに与える電位がフォーカシングコイル駆動信号に重畳される。
入力端子226および227には、ヒーター部120を加熱するための駆動信号が入力される。また、入力端子227には、液晶素子12aの基準電位Voが与えられる。
HPF215は、入力端子220への入力信号から、矩形波信号のみをフィルタリングして、液晶素子12aの制御電極200bに与える単一周波数として出力する。また、HPF216は、入力端子222の入力信号から、矩形波信号のみをフィルタリングして、液晶素子12aの制御電極200aに与える単一周波数として出力する。すなわち、HPF215,216の出力信号は、振幅VaおよびVbを持ち、互いに同位相の単一周波数の矩形信号に変換される。
これにより、液晶素子12aの制御電極200bには振幅Vaの単一周波数の矩形波信号(交流信号)が入力される。また、制御電極200aには振幅Vbの単一周波数の矩形波信号(交流信号)が入力(印加)される。さらに、分圧抵抗213および214の抵抗値をそれぞれRa,Rbとすると、液晶素子12aの制御電極200cには振幅VaおよびVbの差を分圧抵抗213と分圧抵抗214により分圧した中間電位(RaVb+RbVa)/(Ra+Rb)が入力される。
以上のように、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置では、液晶素子12aを加熱するためのヒーター部120aおよび120bへの給電を、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動信号とは異なる弾性支持部材を介して行っている。このため、消費電力の大きいヒーター120aおよび120bに対して、アクチュエータ13のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく給電でき、サーボ系の安定化を図れる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置では、液晶素子12aの基準電極105aおよび105b(電極パターン201)に供給する基準電位Voを、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動信号とは異なる弾性支持部材(弾性支持部材55f)によって供給している。このため、アクチュエータ13のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく、基準電極105aおよび105bに基準電位Voを与えることができる。したがって、サーボ系および液晶素子12の駆動を安定化させることができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置では、液晶素子12aの電極パターン200(電極102aおよび電極102b)における複数の給電部(制御電極200a,200b,200c)に対する制御信号を、フォーカシングコイル52またはトラッキングコイル53の駆動信号に重畳させることにより、両コイルに対する駆動信号と共通の弾性支持部材を介して入力している。
このため、液晶素子12aの制御のために追加する弾性支持部材の本数が少ない。すなわち、本光ピックアップ装置では、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動電圧と液晶素子12の制御電極200a,200b,200cに対する制御信号とを供給する弾性支持部材55a,55b,55d,55eと、液晶素子12の基準電極105a,105bに対する制御信号を供給する弾性支持部材55c,ヒーター部120に給電するための弾性支持部材55fの、合計6本の弾性支持部材を備えるだけでよい。このため、弾性支持部材の取り付けのばらつきによる対物レンズ10のチルト発生が抑制できる。また、アクチュエータ13の組立て性の低下を抑えられる。
なお、アクチュエータ部(アクチュエータ13)でのコイル駆動信号(フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動信号)と、液晶素子12aの制御信号とを分離するためのフィルター回路(HPF215および216)により、フォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系の位相変化が発生するが、確保する必要があるサーボ帯域が低い場合には問題とならない。
なお、液晶素子12aの電極パターン200における複数の給電部(制御電極200a,200b)に与える制御信号と、フォーカシングコイル駆動信号およびトラッキングコイル駆動信号との重畳は、上記の構成に限定されるものではなく、その他の組み合せ方でもよい。例えば、入力端子220をHPF216に接続し、入力端子222をHPF215に接続してもよい。あるいは、入力端子221および223を、HPF215および216にそれぞれ接続してもよい。また、HPF215を制御電極200aに接続し、HPF216を制御電極200bに接続してもよい。また、制御電極に与える制御信号を、フォーカシングコイル駆動信号またはトラッキングコイル駆動信号のいずれか一方にのみ重畳させてもよい。
また、本実施の形態では、液晶素子12aに設けるヒーター部120aおよび120bは、ガラス基板100a,100bにITO膜を蒸着して形成するとしたが、これに限らず、他の発熱体、例えば、ヒーターコイル等を装着してもよい。また、ITO膜、あるいは、他の発熱体などからなるヒーター部120aおよび120bを、ガラス基板100aとガラス基板100cの間、および、ガラス基板100bとガラス基板100cの間に設けてもよい。
また、本実施の形態では、液晶素子12aにおける電極102a,102bの電極パターンである電極パターン200は、光束を通過する領域をほぼ円環状の5つの領域に分割し、その一部同士を結合した電気的に分離された3つの制御電極200a,200b,200cからなるが、これに限るものではない。例えば、光束を通過する領域の円環状の分割数をさらに多くとってもよい。この場合には、電気的に分離される制御電極の数も多くなるが、駆動回路22aの分圧抵抗の数を多くすることで、最高電位と最低電位との間の中間電位を複数得ることができる。
また、本実施の形態では、駆動回路22aの分圧抵抗213および214は、液晶素子12aと別に設けているが、これに限らず、例えば、薄膜抵抗の形態で液晶素子12aに組み込んでもよい。
また、本実施の形態では、液晶素子12aにおける電極102aおよび102bの電極パターン200は、球面収差を補正するためのパターンとしたが、球面収差用に限らず、如何なる種類の収差補正に対応した電極パターンであっても同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置において、ヒーター部120aおよび120bを設けない構成としてもよい。この場合、入力端子226および弾性支持部材55cは不要となる。すなわち、弾性支持部材の数を、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動電圧を供給する弾性支持部材4本と、液晶素子12における基準電極105a,105bの制御信号を供給する弾性支持部材の計5本とすることができる。なお、弾性支持部材の数を偶数とすることによって、支持機構としての対称性を得たい場合には、信号入力に用いないダミーの弾性支持部材を備えるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、印加する電圧に応じて屈折率が変化する収差補正素子として、液晶素子12aを用いる構成について説明したが、本光ピックアップ装置に適用可能な収差補正素子はこれに限るものではなく、印加する電圧に応じて透過光の位相を制御できるものであればよい。
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について、図8(a)および図8(b)を用いて説明する。
本実施の形態にかかる光ピックアップ装置は、実施の形態1および2にかかる光ピックアップ装置と同様、光学式ディスクプレーヤに搭載され、光ディスクに対して光ビームを照射することによって情報を記録し、また、光ディスクに対して光ビームを照射し、その反射光を検出することによって光ディスクに記録された情報を再生するためのものである。
ただし、本実施の形態に係る光ピックアップ装置は、収差補正素子として、液晶のように印加する電圧に応じて屈折率が変化する材料ではなく、印加する電圧に応じて厚みが変化する光学素子を用いて透過光の位相を制御する点が実施の形態1および2とは異なる。
なお、本実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成は、実施の形態1および2のいずれの構成にも適用できるが、本実施の形態では、実施の形態1の構成に適用する場合について説明する。また、説明の便宜上、実施の形態1にかかる光ピックアップ装置と同じ部材および同じ製造方法については、その説明を省略する。また、説明を省略する部材には、実施の形態1と同じ符号を用いる。
本実施の形態にかかる収差補正素子であるPLZT素子の構成について説明する。なお、PLZTは、酸化鉛、ランタン、酸化ジルコニウム、酸化チタンのペブロスカイト構造の透明結晶体からなる無機物質の基板であり、電圧に応じて厚みが変化する材料である。すなわち、本実施の形態に係る光ピックアップ装置では、PLZT基板に印加する電圧を変化させることによって、このPLZT基板の厚さを変化させ、透過光の位相を制御するようになっている。
本実施の形態に係る光ピックアップ装置に備えられる光学素子(収差補正素子)であるPLZT素子12bは、実施の形態1にかかる液晶素子12と同様、駆動回路22とアクチュエータ13内部で電気配線されている。すなわち、PLZT素子12bはアクチュエータ13を介して駆動回路22に電気的に接続されている。そして、駆動回路22によってPLZT素子12bの電極に印加する電圧を制御することで、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置は光ディスク30の基板厚み誤差によって発生する球面収差を補正するようになっている。つまり、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置は、PLZT素子12bによって、半導体レーザ18から出射された光ビームの位相を制御して球面収差を補正するようになっている。
図8(a)は、PLZT素子12bの概略構成を示す断面図である。図8(b)は電極引出部108の構成を説明するための平面図である。
図8(a)に示すように、PLZT素子12bは、2枚のPLZT基板302aおよび302bを備えている。また、PLZT基板302aの両表面には、複数の給電部(制御電極)を備えた電極102aと電極(基準電極)105aとがそれぞれ被膜されている。同様に、PLZT基板302bの両表面には、複数の給電部(制御電極)を備えた電極102bと電極(基準電極)105bとがそれぞれ被膜されている。
そして、PLZT基板302aの電極102aが形成された面が、ガラス基板300の一方の面に導電性接着剤によって接着されており、PLZT基板302bの電極102bが形成された面が、ガラス基板300の他方の面に導電性接着剤によって接着されている。
なお、ガラス基板300の一端部は、PLZT基板302aおよび302bが貼りあわされた部分よりも、基板面内方向に突き出した電極引出部108を備えている。そして、電極引出部108における両表面に、PLZT素子12bと駆動回路22を電気的に接続するための接続線(図示せず)を配線するための電極端子部111が形成されている。
すなわち、ガラス基板300の表面に形成されたパターン配線(図示せず)により電極102a,102bは電極端子部111と電気的に接続されている。また、電極105a,105bは接続線303a,303bにより電極端子部111に配線されている。
また、電極105a,105bの上面(PLZT基板302a,302bと反対側の面)には、絶縁膜301a,301bがそれぞれ被膜されている。なお、絶縁膜301a,302bの上面に、反射防止膜(図示せず)をさらに被膜してもよい。
このように、PLZT素子12bでは、PLZT基板上に電極を直接形成できるので、液晶素子12と比較して、ガラス基板100a,100bとシール材101とが不要になる。また、PLZT素子12bでは、配向処理も不要なため、配向膜104a,104b,107a,107bも不要である。したがって、PLZT素子12bでは、液晶素子12よりも構成を簡略化できる。
図8(b)を用いて、電極引出部108の構成を説明する。PLZT素子12bはガラス基板300の両面において対称な構成となっている。したがって、ここではPLZT302a側に簡略化して説明する。
電極102aは3つの給電部(制御電極)を備えており、それぞれが電極端子部111a,111b,111cにパターン配線されている。また、電極105aは接続線303aを介して電極102aに接続された後、電極端子部111dにパターン配線されている。したがって、PLZT素子12bは電極端子部111a,111b,111c,111dにおいて、駆動回路22と電気的に接続するための接続線(図示せず)を配線できる。
なお、本実施の形態にかかるその他の構成については、実施の形態1にかかる光ピックアップ装置と同様であるので、説明を省略する。
以上のような構成からなるPLZT素子12bでは、電極パターン201(電極105aおよび105b)の電位に対する電極102aおよび102bにおける制御電極200a,200b,200cの電位として、制御電極200aに最低電位または最高電位を与え、制御電極200bに最高電位または最低電位を与え、制御電極200cにそれらの中間電位を与える。これにより、PLZT基板302a,302bの厚さを変化させ、光束の位相を階段状に変化させることができる。また、制御電極200a,200b,200cに印加する電位を変化させることによって、PLZT基板302a,302bの厚さを制御し、光束の位相を制御することができる。したがって、基板厚み誤差で発生する球面収差などの収差を補正することができる。
また、実施の形態1と同様、PLZT素子12bの基準電極105aおよび105bに供給する基準電位Voを、1本の弾性支持部材(弾性支持部材55f)によって供給しているので、アクチュエータ13のフォーカシングサーボあるいはトラッキングサーボに影響を与えることなく、基準電極201に基準電位Voを与えることができる。したがって、サーボ系およびPLZT素子12bの駆動を安定化させることができる。
また、PLZT素子12bの電極102aおよび102bにおける複数の給電部(制御電極200a,200b,200c)に供給する制御信号を合成して(重畳させて)、1本の弾性支持部材(弾性支持部材55c)により供給している。このため、アクチュエータ13のフォーカシングサーボ系およびトラッキングサーボ系の周波数特性に影響を与えることがなく、サーボ帯域の低下を回避できる。
また、フォーカシング駆動信号やトラッキング駆動信号とPLZT素子12bの制御信号とを周波数的に分離する必要がないので、アクチュエータ13の保持機構50に搭載される駆動回路22を簡単な構成にできる。すなわち、上記のように合成した制御電極200a,200b,200cに供給する制御信号は、分離が容易なので、アクチュエータ13の保持機構に搭載する駆動回路を簡単な構成にできる。
また、本実施の形態では、PLZT素子12bの電極102aおよび102bにおける制御電極200a〜200cのそれぞれに対して、1本の弾性支持部材を用いて制御信号を供給している。このため、フォーカシングコイル52およびトラッキングコイル53の駆動電圧を供給する弾性支持部材55a,55b,55d,55eと、PLZT素子12bの制御信号を供給する弾性支持部材55c,55fの、合計6本の弾性支持部材を備えるだけでよい。したがって、各弾性支持部材の取り付け状態のばらつきによって対物レンズ10のチルトが発生することを抑制できる。また、アクチュエータ13の組立て性の低下を抑えられる。
また、上記したように、実施の形態2において、液晶素子12aに代えてPLZT素子12bを備えるようにしてもよい。この場合、実施の形態2の構成と略同様の効果を奏する。ただし、ヒーター部120a,120bは必ずしも備える必要はない。
また、本実施の形態では、印加する電圧に応じて厚さが変化する収差補正素子の一例としてPLZT素子12bを用いる構成について説明したが、PLZT素子12bに限らず、印加する電圧に応じて厚さが変化する収差補正素子であればよい。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、光情報記録媒体に対して光学的に情報を記録または再生する光ピックアップ装置であって、対物レンズアクチュエータの可動部に搭載される液晶素子によって収差を補正できる光ピックアップ装置に適用できる。
本発明の一実施の形態にかかる光ピックアップ装置の概略構成図である。 (a)は、本発明の一実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられる液晶素子の断面図である。(b)は、上記液晶素子における電極引出部の構成を説明するための平面図である。 本発明の一実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられるアクチュエータの斜視図である。 本発明の一実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられる駆動回路の回路図である。 本発明の他の実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられる液晶素子の断面図である。 本発明の他の実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられる駆動回路の回路図である。 本発明の光ピックアップ装置を搭載した光学式ディスクプレーヤの構成例を示す概略構成図である。 (a)は、本発明のさらに他の実施の形態にかかる光ピックアップ装置に備えられるPLZT素子の断面図である。(b)は、上記PLZT素子における電極引出部の構成を説明するための平面図である。
符号の説明
12、12a 液晶素子
12b PLZT素子
13 アクチュエータ
22、22a 駆動回路
52 フォーカシングコイル
53 トラッキングコイル
55a〜55f 弾性支持部材
100a〜100c ガラス基板(基板)
102a、102b 電極
105a、105b 電極(基準電極)
111 接続端子部
120、120a、120b ヒーター部
220〜227 入力端子
211、212、215、216 ハイパスフィルタ(HPF)
213、214 分圧抵抗
200、201 電極パターン
200a,200b,200c 制御電極
300 ガラス基板
301a,301b 絶縁膜
302a,302b PLZT基板
303a,303b 接続線

Claims (12)

  1. 光学的情報記録媒体に光ビームを照射して情報の記録または再生を行う装置に用いられる、対物レンズと、前記対物レンズに入射する光ビームの収差を補正する収差補正素子と、フォーカシングコイルと、トラッキングコイルとを備えた、導電性の弾性支持部材によって移動可能に支持される可動部を有し、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号と上記収差補正素子の制御信号とを、上記弾性支持部材を介して供給する光ピックアップ装置において、
    上記収差補正素子は、矩形波信号を印加される複数の制御電極と、前記制御電極に対向するように配置され、基準電位を印加される基準電極とを備え、
    上記各制御電極に印加する矩形波信号の電位を制御するための制御信号を、他の信号と重畳させることによって、上記重畳させた他の信号と共通の弾性支持部材を介して供給し、
    上記基準電極に印加する基準電位を、上記フォーカシングコイルの駆動信号、トラッキングコイルの駆動信号、および上記各制御電極に対する制御信号を供給するための弾性支持部材とは異なる弾性支持部材を介して供給することを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 上記収差補正素子は、印加する電圧に応じて屈折率が変化することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 上記収差補正素子は、液晶素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 上記収差補正素子は、印加する電圧に応じて厚さが変化することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  5. 上記収差補正素子は、PLZT素子であることを特徴とする請求項1または4に記載の光ピックアップ装置。
  6. 上記各制御電極に対する制御信号を互いに重畳させ、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号を供給する弾性支持部材とは異なる、1本の弾性支持部材を介して供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  7. 上記重畳させた上記各制御電極に対する制御信号を上記基準電極に供給する基準電位に基づいて分離し上記各制御電極に供給する駆動回路を、上記可動部に備えていることを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
  8. 上記各制御電極に対する制御信号を、上記フォーカシングコイルおよび/またはトラッキングコイルの駆動信号に重畳させ、上記重畳させた駆動信号と共通の弾性支持部材を介して供給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  9. 上記可動部に、上記液晶素子を加熱するための加熱手段を備え、
    上記加熱手段に対して、上記基準電極に基準電位を供給するための弾性支持部材、および、上記フォーカシングコイルおよびトラッキングコイルの駆動信号を供給するための弾性支持部材とは異なる弾性支持部材を介して給電することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  10. 上記可動部が、5本の上記弾性支持部材によって支持されていることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  11. 上記可動部が、6本の上記弾性支持部材によって支持されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置を備えてなる光学式記録再生装置。
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