JP4458847B2 - インタクトな細胞において受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の補充を観察するための方法およびキット - Google Patents

インタクトな細胞において受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の補充を観察するための方法およびキット Download PDF

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Description

本発明は、インタクトな細胞において受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の補充を観察するための免疫学的方法およびキットに関する。
サイトカインは、その標的細胞上の特異的受容体に結合することによってその効果を仲介する。この相互作用は、最終的に細胞内のシグナルカスケードを誘導する受容体の細胞質部分で構造的変化/修飾を生じさせる。これらのシグナルカスケードは、通常、所定のサイトカインに対する生物学的反応に基づく生物学的および遺伝的変化を仲介するキナーゼ、リパーゼ、またはプロテアーゼなどの酵素を含む。
TNF受容体ファミリーなどの多くのサイトカイン受容体について立証されているように、受容体へのリガンドの結合ののちの最初の事象うちの1つは、活性化した受容体のシグナルドメインへの種々のアダプタータンパク質の補充である(Wallach et al. 1999およびInoue et al. 2000に概説される)。第2段階では、これらのアダプタータンパク質は、種々のシグナルカスケードを構成する重要な酵素の特異的結合および活性化を仲介する。その結果得られる、受容体、および1つまたは種々のシグナルタンパク質からなるマルチ・タンパク質複合体は、「シグナロソーム」と呼ばれる。シグナロソームの組成は、基本的に、シグナル経路のどの組合せが標的細胞で活性化されるかを決定する。したがって、シグナロソームは、サイトカインに対する最終的な生物学的反応を決定する主要な細胞スイッチボードとみなされ得る。
サイトカイン受容体のシグナル伝達のこの分子機構を考慮すると、所定の受容体についてのシグナロソーム組成を理解することは非常に重要になっている。結合アダプタータンパク質の同一性、それらが結合する環境、およびそれらの結合動力学を知ることで、目的の受容体によって開始されるシグナルを推定できる。そのような知識は、生物学的応答に対するシグナルカスケードまたはその組合せにさえも関連させることもできる。
TNF受容体(TNFR)の1つであるCD40は、抗原提示細胞(APC)とTリンパ球とのあいだの相互作用の開始のための主要な切換え点(switch point)として認識される。細胞増殖、活性化およびアポトーシスなどの基本的機能に影響を及ぼすことによって、この受容体は、T細胞のプライミング(priming)、抗体産生B細胞の選択プロセス、および細胞内病原体を排除するためのマクロファージのエフェクター機構の活性化を調整する(Grewal et al. 1998, Schonbeck et al. 2001で概説される)。多様な免疫エフェクター機構の成熟化および活性化にとってのCD40の重要さは、この受容体またはそのリガンドが機能しなくなったときに最も明白になる。哺乳類では、これにより、高IgM症候郡として知られる症状に至る。この重篤な免疫欠乏は、高レベルの血漿IgM、ならびに低レベルのIgA、IgGおよびIgE、胚中心の欠如、ならびに胸腺依存性免疫応答の組込みに対する能力不全により特徴付けられる(Grewal et al. 1998, Ramesh et al. 1994で概説される)。さらに、インビボ研究により、CD40−CD40L受容体−リガンド対が、B細胞増殖の調節、免疫グロブリンの産生、Igクラスのスイッチング、アポトーシスからのB細胞の救出、胚中心の形成、記憶B細胞の産出および炎症の調節において重要な役割を果たすことを示された(Grewal et al. 1998, Schonbeck et al. 2001, Clark et al. 1996およびFoy et al. 1996で概説される)。免疫応答に関するCD40の優れた役割は、望まない免疫応答が、人工的に抑制され得るという種々の治療的構想の開発を導いた(Grewal et al. 1998およびLiu et al. 1996で概説される)。CD40−CD40L相互作用の遮断は、自己免疫の症状、移植拒絶、移植片対宿主反応および動脈硬化症の治療に有用であろうことが分かった(Grewal et al. 1998およびSchonbeck et al. 2001)。CD40は、「デスドメイン」を有しないTNF受容体の群に属する。それらは、TNF受容体関連因子(TRAF)との直接的な相互作用を通してそのシグナルを発生する(Arch et al. 1998およびInoue et al. 2000に概説される)。
TRAFは、キナーゼNIK(Malinin et al. 1997)などの別のシグナル分子を補充することにより、AP−1およびNF−κBなどの重要な下流エフェクターを活性化するアダプターとして作用する遺伝的に保存されたタンパク質のファリミーである。これらの転写因子は、順に、細胞および免疫の機能の種々の局面に関与する膨大な遺伝子を調節することが明らかにされている(Baeurle et al. 1994, Ghosh et al. 1998およびKarin et al. 1997で概説される)。現在6つのTRAFタンパク質が知られている。最初の2つのTRAF1およびTRAF2は、p75TNF受容体結合タンパク質として単離された(Rothe et al. 1994)。全てのTRAFタンパク質は、共通の構造組織に割り当てられる。TRAFドメインと呼ばれるC末端の相互作用ドメインは、TNFRファミリーの種々の受容体への補充を仲介する(Rothe et al. 1995)。このドメインは、ホモおよびヘテロ−オリゴマー化、ならびにデスドメインタンパク質TRADDなどの他のシグナル分子へのに結合をも仲介する(Arch et al. 1998およびInoue et al. 2000に概説される)。TRAFドメインは、様々なTRAFファミリーのメンバー間で最も相同性の高い領域でもある。TRAF1以外の全てのTRAFは、NIKまたはJNKなどのシグナル経路での下流構成要素の活性化に必須であるN末端部分に6個までの反復Znフィンガーモチーフおよび1つのリングフィンガーモチーフ(riNGFinger motif)を有する(Malinin et al. 1997, Takeuchi et al. 1996, Liu et al. 1996およびSong et al. 1997)。さらに、TRAF3およびTRAF5は、これらの2つのTRAFのあいだでホモ−およびヘテロ化を可能にするコイルドコイル構造を含む(Pullen et al. 1998およびLeo et al. 1999)。最近の結晶化研究により、TRAFは、三量体としてのその受容体と相互作用することが示された(McWhirter et al 1999, Park et al 1999, Ye et al 1999およびNi et al 2000)。補充は、リガンド誘導受容体三量体化によって最も達成されるようであり、その結果、相互作用部位に接近でき、三量体TRAFに対して最適な結合部位を形成する(Baud et al 1999, Pullen et al 1999)。TRAFタンパク質を通してそれらのシグナルを発生する多数の受容体を考慮すると、インビボでのTRAF遺伝子の破壊により劇的な結果となることは驚くべきことではない。マウスでは、TRAF2、TRAF3およびTRAF6の欠失は致命的である(Yeh et al 1997、Nguyen et al 1999, Xu et al 1996, Lomaga et al 1999およびNaito et al 1999)。TRAF5の欠失により、CD27、CD30、CD40およびLTJ3受容体を含め複数の受容体にシグナル欠陥が生じる(Nakano et al 1999)。TRAF4欠失マウスは、気管奇形を伴うが、他の明白な欠陥はなく生まれる(Shiels et al2000)。TRAF1遺伝子標的マウスについての記載はない。
62個のアミノ酸のそれの比較的短いシグナルドメインにもかかわらず、CD40は、TRAF4以外の全てのTRAFと相互作用することが示された(Pullen et al. 1998, Hu et al. 1994, Rothe et al. 1995, Mosialos et al. 1995, Cheng et al. 1995, Ishida et al. b 1996, Ishida et al. a 1996およびKrajewska et al. 1998)。TRAF結合受容体間の配列比較に基づいて、2つのアミノ酸配列モチーフが、最小のTRAF結合部位が明確にされた:TRAF1、2および3についてはPxQxT(Pullen et al. 1998, Cheng et al. 1996, Gedrich et al. 1996, Devergne et al. 1996, Boucher et al. 1997, Eliopoulos et al. 1997, Sandberg et al. 1997, Brodeur et al. 1997およびPullen et al. 1999)およびTRAF6については塩基性−QxPxEx−酸性(Pullen et al. 1999, Tsukamoto et al. 1999およびDarnay et al. 1999)。TRAF5は、TRAF3を介して間接的に結合するように思われる(Pullen et al. 1999, Leo et al. 1999)。最小のコンセンサス配列P/S/T/AxQ/EEに対するTRAF2結合モチーフのさらなる解析は、結晶化研究によって達成された(Ye et al. 1999)。どちらのTRAF結合モチーフもCD40に存在し、この受容体へのTRAF補充を仲介することが明らかにされた。CD40−TRAF相互作用において大規模な構造的な研究がなされているのにもかかわらず、CD40−TRAFシグナロソームの組立てに関するいくつかの基本的な疑問は、未解決のままである。全長CD40細胞質ドメインの配列状況(sequence context)が、2つの既知のTRAF結合モチーフの機能に影響を及ぼすかどうか、そしてそれはどのように及ぼすかは、なお不明である。シグナロソーム中の種々の構成要素が、たとえば、他のシグナロソームタンパク質に別の結合部位を提供することによって、受容体に対する結合に相互に影響を及ぼすかどうかも知られていない。これらの疑問の解決は、TRAF結合受容体のシグナル伝達機構を理解するために重要であるだけでなく、TRAF仲介シグナル伝達を特異的に妨げる薬剤の合理的な設計にとっても重要である。
腫瘍壊死因子受容体関連(TRAF)タンパク質に結合できるそのアイソフォーム、類似体、フラグメントまたは誘導体を含めNIKと称されるタンパク質が知られている(Malinin et al. 1997)。したがって、TRAFタンパク質が、あるTNF/NGF受容体およびそのほかのものによって開始される転写因子NF−κBの活性化の仲介の調節に関与する場合、TRAFタンパク質に結合することによって、NIKおよびそのアイソフォームなどは、たとえば、TRAFタンパク質と直接または間接的な相互作用を介するNF−κBの活性化のその調節/仲介などのその受容体への種々のリガンド(たとえば、TNFおよびその他のもの)結合により開始される細胞内シグナル伝達プロセスに影響を及ぼす(調節するか、または仲介する)ことができる。
そのシグナルアダプタータンパク質とのサイトカイン受容体の相互作用は、TNF受容体遺伝子ファミリーについて充分に研究された。ほとんどのアッセイ系は、目的の受容体のシグナルドメインのペプチドフラグメントを使用し、インビトロ条件下で既知のアダプター分子とこのペプチドとの相互作用を試験する(Rothe et al. 1994, Hu et al. 1994, Boldin et al. 1995, Stanger et al. 1995, Chinnaiyan,A. M. et al. 1995, Cheng, G. et al. 1995, Mosialos et al. 1995, Ishida, T. et al., a, 1996, Ishida, T., b, 1996およびFields, S. 1989)。使用された系は、酵母−2−ハイブリッド−システム(Fields et al. 1989)、たとえば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ−タグ付受容体フラグメントを用いる免疫沈降法(Rothe et al. 1994, Boldin et al. 1995, Chinnaiyan et al. 1995およびMosialos et al. 1995)、またはフィルター上にスポットされたペプチド受容体フラグメントへの標的アダプタータンパク質の結合(Boucher et al. 1997, Pullen et al. 1998およびPullen et al. 1999)を含む。これら全ての方法に共通した問題は、シグナロソームの組立てが、その天然の「膜近傍の」細胞環境では起こらないことである。
したがって、シグナロソームの組立てが、従来のインビトロ条件とは対照的にその天然の細胞環境で起こる簡易な定量アッセイが必要とされている。
抗原を定量する免疫学的方法は、優れた感受性および特異性を提供し、研究および臨床適用のどちらにおいても標準技術となった。タンパク質定量の全ての現代の免疫化学的方法は、プラスチックなどの固形表面に結合する指標分子(抗原または抗体)の量を、結合していない該指標を洗い流したのちに測定する簡易かつ正確な方法に基づく。
指標分子が、放射性アイソトープで標識される場合は、そのアッセイは、ラジオイムノアッセイと呼ばれる。その指標分子は、シンチレーション・カウンタで放射性崩壊事象を計数することにより定量される。指標分子が、レポーター基質を切断できる酵素に共有結合される場合は、そのアッセイは、固相酵素免疫検定法(ELISA)と呼ばれ、そしてそれは、比色、化学発光、蛍光、またはホスホメトリック(phosphometric)であり得る。指標分子は、酵素が、中立の基質を、着色または発光産物に変換する初速度を分光光度計で測定することによって定量され得る。
ELISAは、4つの表題:直接、間接、サンドイッチおよび競合の下に分類され得る(Crowther, J.R.(1995)、Methods in Molecular Biology 42巻、35-50頁)。直接標識抗原ELISAでは、抗体を固相に吸着し、抗原を標識する。直接標識抗体ELISAでは、固相に結合された抗原は酵素標識された抗体(たとえば、酵素との共役)と直接反応される。間接ELISAでは、抗体は標識されず、酵素に共役した二次抗種特異的抗体が使用される。
直接サンドイッチELISAでは、一次抗体は固相に結合され、試験抗原が添加され、結合された抗体に捕捉される。酵素に共役した別の二次抗体は、捕らえられた抗原を検出するために使用される。間接サンドイッチELISAでは、二次抗体は標識されず、一次抗体と異なる動物種において産生され、三次抗種特異的標識抗体によって検出される。
競合ELISAは三次抗体と競合する2つの反応体からなる。以下が競合ELISAの例である。
直接標識抗体競合ELISAでは、抗原を固相に吸着し、前滴定された共役抗体を添加するので、該抗原は飽和され、さらなる抗体との結合に利用できる遊離の認識部位はない。標識抗体が、固相に結合された抗原と反応できるほかの抗体(競合抗体)と混合されている場合、抗原と共役抗体との相互作用は混乱する。このような分析は、同一のタンパク質に対するモノクローナル抗体を比較するために使用できる。
直接抗原競合ELISAでは、抗原を固相に吸着し、前滴定された共役抗体を添加するので、該抗原は飽和され、さらなる抗体との結合に利用できる遊離の抗原部位はない。この場合、標識抗体がほかの抗原(競合物)と混合されていれば、抗原と共役抗体との相互作用は混乱する。したがって、競合抗原が交差反応的である場合、標識抗体は固相に結合した抗原との反応に利用することができず、色の減少が観察される。このような分析は、抗原を定量するため、または同一抗体に対する2つの抗原の結合の相対的な親和性を比較するために使用される。
間接抗原/抗体競合ELISAでは、抗体は標識されず、三次抗種特異的標識抗体によって検出される。
現在のところ、インタクトな細胞において、種々のアダプタータンパク質の、活性化受容体のシグナルドメインへの補充を定量できる、一般的で、感受性で、特異的で、行うのが容易で、有効な方法は存在しない。したがって、本発明に記載される免疫学的方法は、シグナル伝達の領域で長期にわたる問題を解決するものである。
本発明は、細胞において、CD40、BCMA、LTβR受容体、TACI、p75TNFR、およびCD27などの受容体の細胞内ドメインへの、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF5、TRAF6、NIKおよびIKKなどのタンパク質の結合を観察する方法であって、
a)細胞でのシグナロソーム形成の誘導、
b)細胞の溶解、
c)シグナロソーム内に受容体を捕捉できる1次抗体で被覆された固相での細胞溶解物のインキュベーション、
d)細胞溶解物からの固相の分離、および
e)タンパク質を検出できる2次抗体を使用する固相に結合したタンパク質の量の検出および測定
を含む方法に関する。
より詳細には、本発明の方法によるシグナロソーム形成は、たとえば、受容体の過剰発現により、受容体特異的リガンドでの処置により、またはたとえば特異的抗体による受容体のクロスリンクにより誘導され得る。受容体は、その細胞外ドメインで、ポリペプチド、たとえば、CD40の細胞外ドメイン、またはタグ(たとえば、ヒスチジン、FLAG、VSV−G、プロテイン−Cおよびc−mycタグ)などのペプチドに融合され得るので、1次抗体は、そのような融合ポリペプチドまたはペプチドに特異的である。また、測定された結合タンパク質またはシグナロソーム構成要素は、ポリペプチドタグに融合され得るので、2次抗体は、そのようなタグに特異的である。
1つの実施態様において、本発明は、細胞において受容体の細胞内ドメインへのアダプタータンパク質および/もしくはシグナルタンパク質の結合を阻害する、またはシグナロソームの組立てを阻害する分子、たとえば合成有機化合物のスクリーニング方法であって、
細胞への個々の分子の接触、受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の結合またはシグナロソームの組立ての観察、ついで受容体へのアダプターおよび/もしくはシグナルタンパク質の結合、またはシグナロソームの組立てを阻害できる分子の選択を含む方法に関する。
本発明は、また、本発明のスクリーニング方法によって選択される分子をも提供する。
本発明は、さらに、細胞において特異的な膜タンパク質へのアダプターおよび/またはシグナルタンパク質の結合を測定および定量するためのキットであって、
a)第1のタグまたはポリペプチドに融合された膜タンパク質を過剰発現するための、および第2のタグに融合されたアダプター/シグナルタンパク質を発現するための発現プラスミド、
b)膜タンパク質に融合された第1のタグまたはポリペプチドに結合できる1次抗体で被覆されたELISAマイクロタイタープレート、
c)アダプター/シグナルタンパク質に融合された第2のタグに結合できる2次抗体、
d)HEK293細胞、
e)トランスフェクション試薬、
f)溶解緩衝液、
g)トランスフェクション反応におけるベクターの濃度、ならびにELISAおよび定量手段における抗体の濃度を記載するプロトコール
を含むキットに関する。
本発明は、インタクトな細胞における目的の受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の補充を観察できる感受性アッセイに関する。用語インタクトな細胞とは、溶解されていない細胞のことを言い、したがって、補充は、従来のアッセイとは対照的に、その本来の細胞環境で行なわれる。
用語、受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の補充、および細胞内受容体に対するタンパク質の結合は、相互に交換可能である。
用語、シグナロソームへのタンパク質の補充、およびシグナロソームに対するタンパク質の結合も、相互に交換可能である。
用語、因子ポリペプチドおよびタンパク質は、相互に交換可能である。
TNF受容体ファミリーなどの多くのサイトカイン受容体について示されるように、受容体に対するリガンド結合ののちの最初の事象の1つは、活性化受容体のシグナルドメインへの種々のアダプタータンパク質の補充である(Wallach et al. 1999およびInoue et al. 2000により概説される)。第2段階では、これらのアダプタータンパク質は、種々のシグナルカスケードを構成する重要な酵素またはシグナルタンパク質への特異的結合および活性化を仲介する。その結果得られる、受容体、および1つまたはそれ以上のアダプター、ならびに1つまたはそれ以上のシグナルタンパク質を含むマルチ・タンパク質複合体は、「シグナロソーム」と呼ばれる。シグナロソームの組成は、基本的に、シグナル経路のどの組合せが、標的細胞中で活性化されるかを決定する。したがって、シグナロソームは、サイトカインに対する最終的な生物学的反応を決定する主要な細胞スイッチボードとみなされ得る。
サイトカイン受容体のシグナル伝達のこの分子機構を考慮すると、所定の受容体についてのシグナロソーム組成を理解することは非常に重要になっている。結合アダプタータンパク質の同一性、それらが結合する環境、およびそれらの結合動力学を知ることで、目的の受容体によって開始されるシグナルを推定できる。そのような知識は、生物学的応答に対するシグナルカスケードまたはその組合せにさえも関連させることもできる。
この方法は、シグナロソームへの所定のタンパク質の組込みを特異的に妨げる化合物(分子)をスクリーニングするのに適する。この方法は、種々のシグナルカスケードを構成する重要な酵素、たとえば、キナーゼ、リパーゼまたはプロテアーゼの、シグナロソームへの組込みを特異的に妨げる化合物のスクリーニングに特に適する。そのような化合物は、同じインタクトな受容体の他の有益な機能をそのままにして、望まない効果を示すただ1つのシグナル経路から目的の受容体を分離する薬剤として非常に有用であり得る。
補充タンパク質は、種々のシグナルカスケードを構築する重要な酵素、たとえば、NIK、IKKなどのアダプタータンパク質またはシグナルタンパク質であり得る。受容体は、タンパク質が補充されるあらゆる受容体であることができ、たとえば、TNF/NGFファミリーの受容体である。
本発明は、全タンパク質に加え、さらに、そのフラグメント、たとえば、全膜貫通タンパク質の代わりに、たとえば、膜貫通および細胞内ドメインを使用し、全アダプター/シグナルタンパク質の代わりに、シグナロソーム結合ドメインのみを使用することも含む。
中でも、このアッセイは、シグナロソームの組成、タンパク質相互作用に関する重要な部位、薬剤ハイスループットスクリーニングなどの分析のために使用され得る。
一般に、本発明によるアッセイは、細胞の内側で生じる受容体の細胞内ドメインへのアダプターまたはシグナルタンパク質の会合または補充を観察するために使用することができ、たとえば、このアッセイは、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF5およびTRAF6またはそのフラグメントなどのあらゆるTNF/NGF受容体関連タンパク質の補充を観察するために使用できる。補充は、多量の受容体および補充タンパク質を発現する細胞において測定できる。
シグナロソーム形成は、CD40などの受容体および/もしくはTRAFなどのアダプターおよび/もしくはNIK、IKKなどのシグナルタンパク質、その等価物もしくはそのフラグメントの過剰発現によるか;またはリガンド誘導もしくは受容体クロスリンクによる受容体の活性化のいずれかにより誘導できる。受容体活性化は、特異的抗体と受容体をクロスリンクすることによって達成され得る(Engelmann et al. 1990を参照)。以下の限定されない実施例では、シグナロソーム形成または補充は、CD40、TRAF、NIKおよび等価物の過剰発現により誘導される。
受容体および補充可能なタンパク質は、前記タンパク質をコードする発現ベクターを用いたトランスフェクションにより過剰発現できる。受容体および補充タンパク質は、様々のプラスミドにコードされ得るか、または1つのプラスミドに連結され得る。受容体および補充タンパク質の増大した発現は、当技術分野で知られる適切な発現系および耐性マーカーを使用することにより一時的または構成的であり得る。
受容体および補充タンパク質の内因性の産生を誘導および/または増強するためのベクターの使用による過剰発現も、本発明に意図される。ベクターは、受容体および/または補充タンパク質を発現することが望まれる細胞において機能的な調節配列を含み、たとえば、そのような調節配列は、プロモーターまたはエンハンサーであり得る。そののち、調節配列は、相同組換えにより、ゲノムの正しい遺伝子座に導入されるので、調節配列を遺伝子と操作可能に連結し、必要な発現が誘導または増強される。その技術は、通常、「内因性遺伝子活性化」(EGA)と呼ばれ、たとえば、国際公開第91/09955号パンフレットで記載される。
プラスミドのトランスフェクションは、たとえば、リン酸カルシウム法によって当技術分野で知られる任意の方法により行なわれることができる(Kingston et al. 1993)。
所定の受容体へのタンパク質の補充の測定は、任意の細胞、たとえば、シグナル伝達の結果が評価され得るHEK293、293T細胞およびB細胞での「インタクトな細胞における補充アッセイ」により試験できる。
アッセイについては、たとえば、2×105細胞を、3.5cm皿に接種し、37℃で、約16時間増殖させ、受容体、たとえば、CD40をコードする発現プラスミド、および1つまたはそれ以上の補充可能なタンパク質/ペプチド、たとえば、TRAF、NIKをコードする発現プラスミドでトランスフェクションできる。約27時間のトランスフェクションののち、細胞を、分離し、洗浄し、ついで、たとえば、プロテアーゼインヒビターカクテル(0.16mM Pefabloc、105IUアプロチニン)、1%トリトンX100および0.1%アジ化Naを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を含む溶解緩衝液を用いて、界面活性剤で抽出する。
溶解物を、微小遠心装置での遠心分離により不要なものを除去し、好ましくは3倍までの一連の希釈まで希釈し、ついで、各希釈サンプルを、受容体の細胞外ドメイン(たとえば、CD40に関してはのRo1)に特異的なmAbで被覆された固相、好ましくはELISAマイクロタイタープレートのウエル中で約2時間(または一晩)インキュベーションする(Schwabe et al. 1997)。アッセイの感受性を増大させるために、抗受容体抗体を、抗種特異的抗体を通して固相に被覆できる。目的の対照として、野生型受容体をコードするプラスミドの代わりに、シグナルドメイン全体または一部を欠く受容体変異体をコードするプラスミドは、トランスフェクションのために使用できる。インキュベーションののち、好ましくは、洗浄が、結合していないタンパク質を除去するために行われ得る。補充タンパク質を検出するために、前記補充タンパク質に対する特異的抗体、たとえば、目的の抗TRAF、抗NIKを、プレートに加え、室温で約3時間インキュベーションしたのち、洗浄して、結合していない抗体を除去する。この抗体は、酵素結合抗体または酵素に結合した第2の抗種IgG抗体またはプロテインA/Gを使用して検出し、着色、蛍光または化学発光に特異的な基質によって可視化できる。また、抗体またはプロテインA/Gは、放射線で標識し得る。さらに、ビオチンは、リシン残基を通して抗体またはプロテインA/Gに化学的に結合され得る。標識ストレプトアビジンは、ビオチンの存在を検出するために使用され得る。
補充タンパク質は、インタクトな細胞で行なわれる補充アッセイを使用して定量的に測定できる。その目的のために、アッセイ条件は、補充タンパク質が、受容体タンパク質よりも明らかに過剰であるように調節される。したがって、細胞において受容体濃度よりも過剰な好ましい補充タンパク質の濃度は、等量または約2倍であるべきである。この比は、受容体をコードするプラスミドの量を越えて補充タンパク質をコードするプラスミドの量を増大してトランスフェクションを行うことにより、および/またはそれぞれのタンパク質の転写を制御するより強力なプロモーターを使用することによって達成され得る。
補充タンパク質の濃度は、各アッセイでの基準として、たとえば、1000U/mlの受容体/補充タンパク質複合体を含む照準細胞抽出物を使用して測定できる。この基純抽出物は、好ましくは、目的の補充タンパク質および目的の受容体をコードするプラスミドで同時トランスフェクションされた細胞からの細胞抽出物の大量のプールからなる。抽出物を、少量に等量に分けて凍結し、さらに使用するまで−80℃で維持する。これらの抽出物と未知のサンプルのレベルを比較することにより、任意のユニットで受容体を補充したタンパク質複合体の濃度を相対的に測定することができる。以下の式は、サンプル対サンプルの偏差を定量および必須の正規化のために使用できる。
受容体発現では:
Figure 0004458847
受容体濃度は、モノクローナルおよびポリクローナル抗受容体抗体(どちらも該受容体の細胞外ドメインに特異的である)を使用するELISAで測定できる。精製された可溶な細胞外ドメインを、基準として使用できる。
限定されない例では、アッセイは、たとえば、アダプタータンパク質(たとえば、TRAF2)を介してサイトカイン受容体(たとえば、CD40)へのシグナルタンパク質(たとえば、NIK(NF−κB経路での下流メディエーター、Malinin et al. 1997))の補充を測定するのに適することが示された。CD40へのNIKの補充は、TRAF2依存性であり、IKKが同時に発現されたとき改善した。
受容体は、受容体の細胞外部分が、ポリペプチドタグ、たとえば、ヒスチジンタグに融合された融合タンパク質として発現できる。この融合タンパク質の使用により、受容体特異的抗体を必要とせずに、固相に受容体を固定するためのタグ特異的抗体、たとえば、抗ヒスチジンタグを使用することによって、任意の受容体への補充を観察することができる。タグ融合タンパク質の産生のために設計された発現ベクターは、商業的に入手可能である。これらのベクターは、クローニング部位の上流または下流に特異的タグをコードする。また、PCRにより、たとえば、目的のDNAの増幅のために使用されるプライマーにタグ配列を含ませることによって、タグを、目的の遺伝子に融合し得る。PCR増幅DNA融合産物は、転写および翻訳のための適切な調節シグナルを含む発現ベクターにクローニングされ得る。
エピトープタグの例は、ヒスチジンタグ(一筋の6個の連続ヒスチジン、Janknecht et al. 1991)、FLAG(8個のアミノ酸エピトープ、ROCHE)、VSV−G(水泡性口内炎ウイルス由来の11個のアミノ酸エピトープ、ROCHE)、プロテイン−C(ヒトプロテイン−Cの重鎖由来の12個のアミノ酸エピトープ、ROCHE)、およびc−myc(ヒトc−myc遺伝子タンパク質由来の10個のアミノ酸エピトープ、ROCHE)である。エピトープタグ付きタンパク質では、その付加される配列は、通常、それ自身機能しない約3〜12アミノ酸の短いペプチドである。エピトープタグの重要な性質は、単独のタグ特異的抗体により認識および結合される能力である。エピトープタグは、たとえば、アミノ末端(N末端)に配置できる。
広範なエピトープは、タグタンパク質に使用されており、その多くのタグ特異的抗体は、商業的に入手可能である。特定の実験系のための最高のエピトープタグは、タグ付きタンパク質の機能または細胞プロセシングを妨げないものであり、さらに免疫蛍光顕微鏡法または定量アッセイでのウエスタンブロットで強力な検出シグナルを発生するものである。
また、CD40などの所定の受容体の細胞外ドメイン、および様々の受容体の細胞内シグナルドメインを含むハイブリッド構築物を、細胞の内側で行なわれる補充アッセイに使用できる。ハイブリッド受容体を、同じ捕捉抗体、たとえば、CD40特異的抗体を使用して、多様な細胞内受容体への補充を比較のに使用できる。限定するものではない記載の実施例では、BCMA、LTβR受容体、TACI、p75TNFRまたはCD27のシグナルドメインへのTRAF補充の測定は、TRAFをコードするプラスミドとともにハイブリッド受容体をコードするプラスミドで293T細胞を同時にトランスフェクションし、TRAF/受容体複合体の測定を同一のELISAサンドイッチを使用して行なった。ここに記載されるアッセイは、まず、所定の郡のシグナル分子、たとえば、TRAFの結合特徴について数種の受容体の直接的な比較を可能にする。これは、所定のTRAF受容体の組合せの生物学的機能を結論づけることができるだろう。得られた結果は、あらゆる受容体へのTRAF補充を観察する補充アッセイの実現可能性を再度証明するものである。
EKなどのポリペプチドタグに融合した補充タンパク質を発現し、抗Xpress抗体などの商業的に入手可能なタグ特異的抗体を用いて補充タンパク質を検出することからなる同じアプローチは、補充タンパク質を検出するために採用できる。
以下の制限するものではない実施例では、EKに特異的な抗体(抗発現抗体)を使用して、補充TRAF6を観察されたことにより、CD40へのタグ付dTRAF6の補充が証明された。
したがって、得られた結果は、このアッセイを使用して、任意の受容体への任意のTRAFの補充が、特異的に観察され得ることを示唆する。
以下の制限するものではない実施例では、細胞内環境における受容体へのタンパク質補充に基づく補充アッセイは、従来の補充アッセイよりいっそう感受性のあることが証明された(図2)。さらに、補充が、受容体自身、またはシグナロソーム中の未だ同定されていない分子のいずれかによって提供される複数の相互作用部位に依存することが示された。たとえば、アッセイは、CD40に対するTRAF結合、たとえば、インタクトなCD40 C末端の必要性を決定する構造的な必要性をより正確に測定することができる。さらに、どのように様々なTRAFが、互いに結合に影響を及ぼすのかを示すことができた。本発明による補充アッセイは、任意の受容体への種々の異なるアダプターおよび/またはシグナルタンパク質の補充を観察するのに定量的な感受性で、かつ適切である。これらの成果を考慮すると、記載されたアッセイ法は、サイトカイン受容体と細胞内のシグナル分子とのあいだの相互作用の理解におおいに貢献するだろう。この知識は、シグナロソームの組立てのレベルで作用する薬剤の合理的な開発に必要不可欠であろう。
したがって、本発明による補充アッセイは、受容体の細胞内ドメインへのアダプターおよび/またはシグナルタンパク質の補充を阻害するか、またはシグナロソーム形成を阻害する治療的におおいに価値のある分子をスクリーニングするために使用できる。細胞を、コンビナトリアルケミストリーによって作製された多様な個々の合成有機化合物に接触し、対照細胞に対する処置細胞での補充を、本発明による補充アッセイにより観察し、定量できる。試験される化合物は、コンビナトリアルケミストリーを通したものだけでなく、他のハイスループット合成法からも得られ得る。自動化技術は、スクリーニングできる、別個の化合物の大きな集合である分子のライブラリーの迅速な合成を可能にする。大量の、そしていっそう多様な化合物ライブラリーを作製することは、ライブラリーに有用な薬剤を発見する見込みを増大させる。ハイスループットスクリーニングについては、ロボットが、数千の化合物によるシグナロソーム形成の補充または破壊の阻害を試験するために使用できる。
本発明は、以下の構成要素を含む、特異的な受容体へのタンパク質の補充を測定および定量するためのキットであって、
a)2つの発現プラスミド(一方は、第1のタグまたはCD40受容体の細胞外ドメインに融合された膜タンパク質を過剰発現するための発現プラスミド、他方は、第2のタグに融合されたアダプター/シグナルタンパク質を発現するための発現プラスミド)、
b)膜タンパク質に融合された第1のタグまたはCD40の細胞外ドメインに結合できる1次抗体で被覆されたELISAマイクロタイタープレート、
c)アダプター/シグナルタンパク質に融合された第2のタグに結合できる2次抗体、
d)トランスフェクション試薬、
e)溶解緩衝液、
f)トランスフェクション反応におけるベクターの濃度、ならびにELISAおよび定量手段における抗体の濃度を記載するプロトコール
を含むキットにも関する。
そのようなキットは、補充もしくは受容体の細胞内ドメインに対する細胞内タンパク質の結合を阻害できる分子、またはシグナロソーム形成を阻害できる分子を選択するために使用できる。たとえば、当技術分野に周知の組換え技術を使用して、受容体をコードするcDNAまたはゲノムDNAを、1つのベクターに導入でき、アダプター/シグナルタンパク質をコードするcDNAまたはゲノムDNAを、キットによって提供される他のベクターに導入できる。キットで提供されるベクターは、一方は、第1のタグまたはCD40の細胞外ドメインに融合したcDNAまたはゲノムDNAによりコードされる膜タンパク質を含む融合タンパク質を発現でき、他方のプラスミドは、第2のタグに融合したアダプターまたはシグナルドメインを発現できるようなものである。細胞、たとえば、HEK293を、提供されたトランスフェクション試薬を使用して、適切な比率(前記参照)の両ベクターの混合物でトランスフェクションし、トランスフェクション細胞を、個々の分子、たとえば、合成有機分子とインキュベーションする。27時間後、細胞を、界面活性剤で溶解し、溶解物を、遠心分離により不要なものを除去し、一連の3倍希釈により希釈し、第1のタグまたは抗CD40吸着マイクロタイタープレートに指向された抗体とインキュベーションする。結合していないタンパク質を除去する集中的な洗浄ののち、結合タンパク質を、第2のタグに対する抗体、および西洋ワサビペルオキシダーゼが共役した第2の抗種抗−IgG抗体で検出できる。補充タンパク質のレベルは、前記のとおり測定でき、この補充についての各単独分子の効果を、対照サンプルの増殖培地または緩衝液のみでインキュベーションした細胞と比較できる。
本発明は、ここで、以下の制限するものでない実施例で例示する。
インタクトな細胞においてCD40へのTRAF補充の観察
インタクトな細胞において、CD40受容体へのTNF受容体関連因子1(TRAF1)の補充を観察するために、CD40およびTRAF1をコードするプラスミド(実施例7に記載されるとおり作製)を、ヒト胚性腎臓293T細胞(HEK293、すなわちT抗原を過剰発現するATTC CRL−1573)を同時にトランスフェクションするために使用した(DuBridge et al. 1987)。2×105細胞を、3.5cm皿に播種し、37℃で、約16時間で増殖させ、ついでリン酸カルシウム法(Kingston et al. 1993)により、1μgのCD40発現プラスミド、およびTRAFをコードする2μgの発現プラスミドでトランスフェクションした。2つの発現プラスミド、TRAF1プラスミドとCD40プラスミドを、産生された全てのCD40分子を飽和するために、それぞれ2:1より大きな比率でトランスフェクションするために使用した。約27時間のトランスフェクションののち、細胞を、分離し、氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、そして180μl溶解緩衝液[プロテアーゼインヒビターカクテル(0.16mM Pefabloc、105IUアプロチニン)、1%トリトンX100および0.1%アジ化Naを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)]を用いて界面活性剤抽出した。高レベルで発現される場合、CD40は、リガンドに独立してシグナル伝達する傾向があるので、溶解の前に、CD40リガンドまたは擬態抗CD40抗体で受容体を活性化する必要はない。この特徴は、TRAF遺伝子ファミリーの種々のメンバーに共通している(Boldin et al. 1995、Siegel et al. 2000およびChan et al. 2000)。
溶解物を、微小遠心装置において、4℃、15000Gで遠心分離により不要なものを除去し、(1%ウシ血清アルブミン含有溶解緩衝液で)一連して3倍に連続希釈し、そののち、各希釈サンプルを、CD40細胞外ドメインに特異的なmAb(Ro1)で被覆したELISAマイクロタイタープレートのウエル中で、室温で約2時間(または一晩)インキュベーションした(Schwabe et al. 1997)。目的の対照として、野生型CD40プラスミドの代わりに、全てのシグナルドメインを欠くCD40変異体をコードするプラスミドを、トランスフェクションおよび一過性発現のために使用した(CD40 1−222、図1B)。インキュベーションののち、徹底的な洗浄を、マイクロタイタープレートで行なって、あらゆる結合していないタンパク質を除去した[0.05% Tween20含有PBS(PBS/Tween)での約10回の洗浄工程]。結合したTRAF1を検出するために、抗TRAF1特異的抗体を、プレートに加え、室温で約3時間インキュベーションし、集中的に洗浄して、結合していない抗体を除去し、HRP共役2次抗体で結合した抗体を検出した。(固相抗体として使用する場合以外の)全ての抗体を、1%BSAをBSA含有PBS/Tweenに希釈した。
図1Aに概要的に表された前記アッセイを使用して得られた結果は、インタクトな細胞で生じるCD40受容体へのTRAF1の補充を検出でき(図1Bの黒丸)、かつ非常に低いタンパク質濃度、すなわち、当初の抽出物の243倍希釈で検出できることを示す。非常に低いタンパク質濃度下でさえ、CD40細胞内ドメインへのTRAF1補充が検出されることから、この補充アッセイは非常に感受性であることを示す。このアッセイの高い特異性は、TRAF1の補充が検出不可能であるシグナルドメイン欠損CD40変異体(CD40 1−222)を用いた実験対照群で示された(図1Bの白丸)。
CD40へのTRAF2、3、5および6の補充は、以下の実施例4および5に、TRAF1の代わりに、それぞれTRAF2、3、5および6のいずれかをコードする様々の発現ベクター(実施例7に記載)を使用して記載される。様々のTRAFの検出のために使用される抗体を、表1に記載する。
補充アッセイで試験された別の代替的抗体を、表2に示す。
Figure 0004458847
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インタクトな細胞および細胞溶解物でのCD40へのTRAF補充の比較
CD40へのTRAF補充を測定するために、多くの研究は、合成ペプチドまたはCD40シグナルドメインの可溶性フラグメントに対するTRAF結合を探査する実験系に依存していた(Rothe et al. 1994, Hu et al. 1994, Cheng et al. 1995, Mosialos et al. 1995, Ishida et al. 1996, Ishida et al. b 1996, Boucher et al. 1997, Pullen et al. 1998およびPullen et al. 1999)。これらの方法の潜在的な問題は、シグナロソームの組立てが、「膜近傍の」環境で起こらないことである。そこで、細胞溶解物に対するCD40インタクトな細胞によるTRAF1およびTRAF2の補充を比較した。実験では、CD40とTRAF1またはTRAF2を、293T細胞中で同時に発現、または個別に発現させた(以下の実施例7に記載される構築物)。プラスミド濃度および比率は、実施例1に記載される実験と同一であった。27時間後、細胞を、実施例1でと同様に界面活性剤で溶解させた。目的のCD40またはTRAFのみを発現する293T細胞からの抽出物を、1:1の比で混合し、4℃で一晩インキュベーションした。目的のCD40とTRAFの両方を発現する抽出物も、同一条件下で維持した。そののち、サンプルを、実施例1に記載されるとおりCD40の細胞外ドメインに対するmAbで被覆したマイクロタイタープレートでインキュベーションした。洗浄工程ののち、CD40結合TRAFを、抗TRAF抗体で検出した(実施例1)。CD40へ補充されたTRAFの定量を、以下の実施例3に記載されるとおり行なった。図2Bに見られるとおり、CD40細胞溶解物に対するTRAF1またはTRAF2結合が、かろうじて検出できたのに対して、インタクトな細胞中でシグナロソームの組立てが起こった、CD40とTRAF1またはTRAF2のあいだの相互作用は、明らかに改善された感受性で測定できた(図2A)。
この結果により、有効なTRAF補充は細胞内環境を必要とすることが示唆される。
CD40へのTRAF補充の定量
CD40へのTRAFの補充は、実施例1に記載されるアッセイを使用して定量的に測定できる。その目的のために、アッセイ条件を、TRAF発現がCD40の発現より明らかに過剰であるような方法に調節した。これは、TRAF発現プラスミドが、CD40発現プラスミドよりも2〜3倍過剰に使用した場合である。CD40結合TRAF濃度を、実施例1で記載されるとおり測定した。CD40/TRAF複合体を含む照準抽出物は、各アッセイで基準としての役割を果たした。この基準抽出物は、CD40/TRAF1、CD40/TRAF2、CD40/TRAF3、CD40/TRAF5およびCD40/TRAF6をコードするプラスミドで同時にトランスフェクションされた細胞からの大量プールの抽出物からなる。抽出物を、CD40/TRAF複合体の存在について試験し、各抽出物中の複合体濃度を、1000U/mlと任意に定義した。抽出物を、少量に等量に分けて凍結し、さらに使用するまで−80℃で維持した。未知のサンプルをこれらの抽出物と比較することによって、任意のユニットでCD40−TRAF複合体の濃度を相対的に決定することができた。CD40発現でのサンプル−対−サンプル偏差に必須の正規化を、以下の式で計算した:
Figure 0004458847
CD40濃度を、ともに受容体の細胞外ドメインに特異的であるモノクローナル抗体(固相)およびポリクローナル抗CD40抗体(検出用)を使用するELISAで測定した。精製された可溶性CD40細胞外ドメインを基準として使用した(Schwabe et al. 1999)。
インタクトな細胞での補充を観察するアッセイによるCD40変異体へのTRAF補充の再評価
配列比較、突然変異分析および結晶化研究は、コンセンサス配列PxQET254およびQxPxE235x−酸性を示すCD40中の2つのTRAF相互作用部位をマッピングした。CD40中の両方のTRAF結合モチーフは、インビトロでのTRAF1、2、3、5および6の補充を仲介することが示された。アラニンの変異が、対応のTRAF結合を完全に消失させたので、いくつかの結合研究により、TRAF6結合は、235位のグルタミン酸(E235)に基本的に依存し(Pullen et al. 1999, Tsukamoto et al. 1999)、TRAF1、2、3および5は、254位のトレオニン(T254)に依存する(Hu et al. 1994, Cheng et al. 1996, Boucher et al. 1997, Pullen et al. 1999, Hanissian et al. 1997)ことが示された。本明細書に記載されるとおり、CD40へのTRAF補充を測定するために、ほとんどの研究は、合成ペプチドまたはCD40シグナルドメインの可溶性フラグメントに対するTRAF結合を探査する実験系に依存していた。
実施例3に記載されるとおりTRAF補充アッセイの定量版は、そのTRAF補充挙動に関して、CD40および種々のCD40変異体を比較するために使用された。TRAF1、2、3、5および6を試験した。強力なTRAF結合部位で欠失または点突然変異を示すCD40変異体を使用した(図3Aは、強力なTRAF結合部位を示す、配列番号:1)。図3Bから分かるように、本明細書に記載されるアッセイにより、試験されたCD40変異体に依存するTRAF補充に特異的差異を検出した。235位のグルタミン酸(E235A)の変異は、TRAF6補充の消失させた。アミノ酸250〜254位のTRAF1/2/3/5結合モチーフPXQXT254の別の欠失は、バックグランドレベルに対して5つ全てのTRAF試験の結合を減少させた(図3Bの1−254EA)。このアッセイにより、CD40のC末端(aa256〜aa277)が、CD40により補充された5つ全てのTRAFの結合にとって重要であるも示された(図3Bの1−255)。さらに、2つのTRAFは、互いの補充に影響を及ぼし得ることが示された。たとえば、TRAF2の結合を低下させる変異がCD40に挿入されたときはいつでも、TRAF6の結合は減少した(たとえば、図3BのT254A、QE263AAまたはQE274AA)。E235A変異によるTRAF6補充の障害も、TRAF3およびTRAF5の補充を減少させた(図3B)。CD40変異体1−245EA(図3B)が、TRAF結合について試験されたとき、興味深い部位態様が生じた。1−254EAでのTRAF2のためのコンセンサス結合モチーフPXQE231が存在するにもかかわらず[結晶学により測定されるとおり(Ye et al. 1999)]、このCD40変異体は、TRAF2を結合しなかった。これは、TRAF結合モチーフが配置される配列状況も、所定のTRAFが補充されるかどうかを決定することを示す。
本明細書に記載されるアッセイは、CD40へのTRAFの補充を検出する従来使用されていた方法より明らかに優れている。本来の膜の環境でのインタクトな受容体の使用により、このアッセイの感受性は、従来記載されていた方法よりも明らかによい(Rothe et al. 1994, Hu et al. 1994, Boldin et al. 1995, Stanger et al. 1995, Chinnaiyan et al. 1995, Cheng et al. 1995, Mosialos et al. 1995, Ishida et al. a 1996, Ishida et al. b. 1996, Boucher et al. 1997, Pullen et al. 1998およびPullen et al. 1999)。したがって、T254A変異体に対するTRAF2の結合(Hu et al. 1994, Boucher et al. 1997, Pullen et al. 1999, Cheng et al. 1996, Hanissian et al. 1997)または結晶化研究で決定されるTRAF結合のためのコンセンサス配列の配列環境の効果(Ye et al. 1999, NcWhirter et al. 1999およびPark et al. 1999)などの、以前に観察できなかったCD40−TRAF相互作用を検出することが可能である。アッセイは、たとえば、インタクトなCD40 C末端の必要性などのCD40に対するTRAF結合を測定する構造的な必要性をより正確な測定することができる。さらに、どのように異なるTRAFが、互いに結合に影響を及ぼすかを示すことができた。これらの結果を考慮すると、記載されたアッセイ法は、サイトカイン受容体と細胞内シグナル分子のあいだの相互作用の理解に大いに貢献することが予測されるだろう。この知識は、シグナロソームの組立てのレベルで作用する薬剤の合理的な開発に必須であろう。
様々の受容体への種々のTRAFの補充
CD40の細胞外ドメイン、および以下の受容体:BCMA(Madry et al. 1998およびHatzoglou et al. 2000)、LTβR受容体(Mosialos et al. 1995, Crowe et al. 1994, Nakano et al. 1996)、TACI(von Bulow et al. 1997, Xia et al. 2000)、p75TNFR(Rothe et al. 1994)およびCD27(Gravestein et al. 1998, Akiba et al. 1998)(構築物の詳細は、実施例7を参照のこと)の内のいずれかの膜貫通および細胞内ドメインを含むハイブリッド受容体をコードする発現プラスミドで細胞を形質転換させることにより、CD40および異なる受容体への種々のTRAFの補充を、実施例1に記載される補充アッセイによって試験した。実施例1に記載されるELISAサンドイッチ、および実施例3に記載される定量を使用して、TRAFをコードするプラスミドとともに前記ハイブリッド受容体のいずれか1つをコードするプラスミドで293T細胞を同時にトランスフェクションし、TRAF/受容体複合体を測定することにより、BCMA、LTβR−受容体、TACI、p75TRAFまたはCD27のシグナルドメインに対するTRAF補充の測定を行なった。ハイブリッド受容体を用いたアッセイは、図4Aに概要的に表される。図4Bに示される結果は、インタクトな細胞での補充を観察するアッセイを使用して、TNF/NGFファミリーの任意のTRAF補充受容体を、実施例1に記載されるのと同じ抗体サンドイッチアッセイで試験でき、TRAF−受容体/CD40ハイブリッド複合体の量を、実施例3に記載されるとおり観察できる。結果は、LTβRおよびp75TNFRへのTRAF1の補充が、CD40へのその補充より25倍高いこと、そしてLTβRおよびp75TNFRへのTRAF2の補充が、CD40へのその補充より約60倍高いことを示す。試験された受容体の全てへのTRAF3の補充は、類似している。TRAF5は、LTβRへ例外的に高く補充され、この受容体への補充は、CD受容体への補充より約152倍高い。TRAF6は、CD40受容体への補充よりも約10倍高くBCMA、TACIおよびp75TNFRに補充される。
この実施例より分かるように、本明細書に記載されるアッセイは、まず、所定の郡のシグナル分子の結合特徴に関して、いくつかの受容体を直接的に比較できる。これにより、所定のTRAF受容体の組合せの生物学的機能を結論づけることができるだろう。得られた結果は、あらゆる受容体へのTRAF補充を観察する補充アッセイの実現可能性を再度証明するものである。
CD40へのNIKの補充
実施例1に記載されるアッセイは、アダプタータンパク質(たとえば、TRAF2)を介したサイトカイン受容体(たとえば、CD40)へのシグナルタンパク質(たとえば、NIK(NF−κB経路での下流メディエーター、Malinin et al. 1997))の補充を測定するために使用できる。CD40、TRAF2、NIK(pcDNA3.1中)およびmycタグ付IKKαをコードする発現プラスミドを、293Tに(それぞれ、1:1.75:1.75:1.75の比率で)同時にトランスフェクションした。空のベクターを、トランスフェクションされたDNAと等量使用した。トランスフェクションを、実施例1に記載されるとおり行なった。27時間後、細胞を、実施例1に記載されるとおり抽出した。溶解物を、抗CD40mAbで被覆したELISAプレートでインキュベーションした(R01、Schwabe et al. 1997)。2時間後、プレートを、PBS/Tweenで洗浄し、そして商業的に入手可能なウサギ抗NIK抗体(サンタクルーズ、1:100希釈、SC−6363)およびHRP標識ヤギ抗ウサギIg抗体(ファルミンゲン)で展開した。NIKについての補充アッセイは、図5Aに概要的に表される。図5BおよびCに示されるとおり、CD40へのNIKの補充は、TRAF2依存性であり、IKKが同時に発現されるとき明らかに改善された。
この結果により、アダプタータンパク質に加えて、CD40ドメインの細胞内ドメインへの、NIKなどの他のシグナロソーム構成要素の補充が測定できることが示された。
cDNAクローニング、CD40変異体の作製および発現構築物
ヒトCD40cDNAを、Hessら(1995)により記載されるとおりクローンニングした。CD40cDNAを、pEF−BOS(プラスミドサイズ6164Bp)に挿入した。
ヒトTRAF2cDNAを、Mullinaxら(1996)により記載されるとおりクローンニングした。他の全てのヒトTRAFcDNAを、公表された配列情報を用いてRT−PCRによりクローンニングした。
TRAF1、TRAF2およびTRAF3の発現のために、個々のcDNAを、pcDNA3(TRAF1、TRAF2およびTRAF3をコードするプラスミドのサイズは、それぞれ、6881、7014、7700bpである)に挿入した(図6)。TRAF5およびTRAF6を、pcDNA3.1His(インビトロゲン、Karlsruhe,Germany)で発現させ、得られたdTRAF5およびdTRAF6をコードするプラスミドのサイズは、それぞれ、6776および6199bpであった。pcDNA3.1Hisベクターは、抗Hisタグまたは抗Xpress抗体で検出できるペプチドタグをコードしている(図7)。
TRAF5(dTRAF5)およびTRAF6(dTRAF6)の欠失変異体をコードするcDNAフラグメントを、酵素的なDNA制限により作製した。そこで、TRAF5のアミノ酸145〜557をコードするNcoI〜XhoIフラグメント、およびTRAF6のアミノ酸300〜524をコードするXmnI〜XhoIフラグメントを使用した(図8)。
CD40変異体を、製造業者の指示にしたがってQuickChangeTM Site directed Mutagenesis Kit(Stratagene、オランダ国)を用いて作製した。発現については、全てのCD40構築物を、pEF−BOSのXba−1部位に挿入し(Mizushima et al. 1990)、配列決定により確認した(図8)。
CD40受容体ハイブリッドを作製するために、pEF−BOSの変異体であるpEGFP−BOS AS MCSを使用した(図9)。pEF−BOS中の2つのXbaI部位のあいだにアンチセンス方向で、商業的に入手可能なpEGFP−N1プラスミド(Clontech)から得られるNheI−XbaIフラグメントを挿入することにより、このプラスミドを作製した。フラグメントは、緑色蛍光タンパク質のコーディング配列、指定の制限部位SalIおよびKpnIを含む。PCR指向突然変異誘導を使用して、CD40cDNAの細胞質ドメイン境界に、細胞外に特徴的なMluI部位を作製した。このことから、1190位のアスパラギン酸(D)をグルタミン酸へ指向された変異も生じた。続いて、LTβR、TACI、p75TNF受容体、CD27(全てSalI/MluIを介する)、およびBCMA(KpnI/MluIを介する)の膜貫通および細胞質ドメインをコードするcDNAフラグメントを、PCRにより作製し、pEGFP−BOS AS MCSにCD40細胞外ドメイン(ECD)をコードするXbaI/MluIフラグメントとともに、挿入した。指定の受容体ドメインをコードするcDNAフラグメント中に指定の制限部位を、PCR指向突然変異誘導により作製し、コードアミノ酸配列を厳密に考慮したところ、対応の野生型受容体と一致した。全ての構築物を、使用前に配列決定により確認した。
シグナロソーム形成を阻害する非ペプチド小型分子の調製およびスクリーニング
コンビナトリアルケミストリーにより、小型非ペプチド分子のライブラリーを調製した。コンビナトリアルケミストリー技術の設計は、当技術分野に周知であり、たとえば、Hermkensら(1996)に記載されている。CD40およびTRAF2を過剰発現する細胞を、個々の合成有機化合物に接触させ、実施例1に記載されるとおり補充を試験し、実施例3のように定量した。
補充またはシグナロソーム形成を阻害できる化合物は、今後試験されるために選択される。
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CD40に関するシグナロソームの組立てを測定する本発明によるアッセイの概要図である。CD40の細胞外ドメインに対する抗体を、固相に吸着した。そののち、CD40およびTRAFアダプター(詳細は、実施例1を参照)を過剰発現する細胞の抽出物から得られるCD40および結合TRAFアダプターからなるマルチ・タンパク質複合体は、抗CD40吸着固相に捕捉される。結合TRAFは、TRAFアダプターに対する特異的西洋ワサビペルオキシダーゼ共役(POX)抗体で検出される。 図1Aで概要的に表わされ、説明されるアッセイによるCD40受容体へのTRAF1の補充を示す。CD40wt(黒丸)またはCD40 1−222(白丸)を、実施例1に記載される通り、HEK293T細胞においてTRAF1とともに同時発現させた。27時間後、細胞を、界面活性剤で溶解し、溶解物を、遠心分離で不要なものを除去し、一連の3倍希釈により希釈し、ついで抗CD40吸着マイクロタイタープレートでインキュベーションした。CD40結合TRAF1を、TRAF1に対する商業的に入手可能な抗体、および西洋ワサビペルオキシドに共役した第2の抗種抗IgG抗体(POX)を用いて、指示された希釈で検出した。(使用された抗体の詳細は、表1を参照)。 細胞抽出物に対するインタクトな細胞でのCD40受容体へのTRAF1およびTRAF2の補充の比較を示す。CD40wt(黒丸)またはシグナルドメイン欠損変異体CD40 1−222(白丸)を、293T細胞において、別々に(A)に発現させるか、またはTRAF1もしくはTRAF2とともに同時に発現させた(B)。27時間後、細胞を、実施例1に記載されるとおり界面活性剤で溶解した。CD40wtまたはCD40 1−222のみを発現する293T細胞からの抽出物と、TRAF1またはTRAF2を発現する293T細胞からの抽出物を1:1の比で混合し、ついで4℃で、一晩インキュベーションした。他の抽出物も全て、同一の条件下で維持した。CD40結合TRAFを、実施例1に記載されるとおりELISAによって細胞抽出物の指示された希釈で測定した。アッセイを、表1に列挙される抗体で行なった。TRAF2の測定のために、モノクローナルラット抗TRAF2(クローン8.F1;Dr, E.Kremmerの好意により提供、GSF, Institut fuer Molekulare Immunologie;Marchioninistr.25,81337 Munchen)を、検出抗体(1:10で希釈されたハイブリドーマ上清)として使用した。 TRAF補充について試験したCD40変異体の概要図である。強力なTRAF結合部位を含むCD40野生型配列を、下線を付した2つの主要なTRAF結合部位とともに中央(hsCD40 配列番号:1)に示す。結晶化研究(Ye et al. 1999)により決定されるとおり、TRAF2結合のコンセンサス配列と一致する第三の配列モチーフ(SVQE)も下線を付す。矢印で印を付けたアミノ酸は、アラニン(A)に置換された。 図3Aに概要的に表されるCD40変異体へのTRAF補充を示す。(同じ実験で測定されたとおり)野生型CD40に対する変異CD40への相対的なTRAF結合を示す。測定は全て、二重に3つの独立した実験で行なった(平均値周辺の平均および偏差を示す)。定量および正規化の詳細は、実施例3を参照のこと。アッセイを、表1に列挙される抗体で行なった。TRAF2の測定については、モノクローナルラット抗TRAF2(クローン8.F1;Dr, E.Kremmerの好意により提供、GSF, Institut fuer Molekulare Immunologie;Marchioninistr.25,81337 Munchen)を、検出抗体(1:10で希釈されたハイブリドーマ上清)として使用した。 TNF受容体ファミリーの様々のメンバーに対するTRAF結合を観察するための本発明のアッセイの概要図である。試験される受容体のCD40細胞外ドメインならびに膜貫通および細胞内ドメインを含む受容体ハイブリッドをコードする発現プラスミドを構築した。TRAFを補充することが知られているCD27、LTβ受容体、p75TNFR、TACIおよびBCMAのシグナルドメインへのTRAF補充を、実施例1と同様のアッセイを使用して行なった。 図4Aに概要的に表され、記載されるアッセイを用いて得られた結果を示す。TRAF補充を、実施例1に記載されるとおり測定した(定量および正規化の詳細は、実施例3を参照のこと)。CD40へのTRAFの補充を、複数の照準CD40として示される他の試験受容体へのTRAF補充と比較するための相対的な基準として使用した。アッセイのバックグランドは、完全なシグナルドメインを欠くCD40変異体を用いて測定した(CD40 1−222、図3も参照)。アッセイは、表1に列挙される抗体を用いて行なった。TRAF2の測定については、モノクローナルラット抗TRAF2(クローン8.F1;Dr, E.Kremmerの好意により提供、GSF, Institut fuer Molekulare Immunologie;Marchioninistr.25,81337 Munchen)を、検出抗体(1:10で希釈されたハイブリドーマ上清)として使用した。 アダプタータンパク質を介して仲介されるシグナルタンパク質の補充を観察するための、本発明によるインタクトな細胞における補充アッセイの概要図である。これは、TRAFを介してCD40に補充されるキナーゼNIKで示される。293TへのCD40、TRAF2(T2)およびNIKをコードする3つの発現プラスミドの同時トランスフェクションののち、細胞を溶解し、ついでCD40結合NIKを、実施例7に記載されるとおり測定した。 図5Aで概要的に表され、記載されるアッセイを用いて得られた結果を示す。指示された発現プラスミドの組合せは、実施例7に記載されるとおり、293T細胞で過剰発現された。細胞を抽出し、CD40結合NIKを、実施例7に記載されるとおり測定した。アッセイのバックグランドは、完全なシグナルドメイン(1−222)を欠くCD40変異体の同時トランスフェクションにより測定した。この図は、NIK補充におけるIKKα過剰発現の影響をも示す。 CD40へのNIK補充は、TRAF2依存性であることを示す。指示されたプラスミドの組合せは、実施例7に記載されるとおりトランスフェクションされた。CD40結合NIKを、実施例7に記載されるとおりELISAによって測定した。 TRAF1、TRAF2およびTRAF3(TRAF1、TRAF2およびTRAF3をコードするプラスミドのサイズは、それぞれ、6881、7014、7700bpである)をコードする発現ベクターを示す。 dTRAF5およびdTRAF6(dTRAF5およびdTRAF6をコードするプラスミドのサイズは、それぞれ、6776および6199bpである)をコードする発現ベクターを示す。この発現ベクターは、抗−His−タグまたは抗Xpress抗体で検出できるペプチドタグをコードする。TRAF5(dTRAF5)およびTRAF6(dTRAF6)の欠失変異体をコードするcDNAフラグメントを、酵素的DNA制限により作製した。したがって、TRAF5のアミノ酸145〜557をコードするNcoI〜XhoIフラグメント、およびTRAF6のアミノ酸300〜524をコードするXmnI〜XhoIフラグメントを使用した。 製造業者の指示にしたがってQuickChange TM Site directed Mutagenesis Kit(Stratagene、オランダ国)で作製したCD40変異体をコードする発現ベクターを示す。CD40構築物を、pEF−BOSのXba−1部位に挿入し(Mizushima et al. 1990)、配列決定によって確認した。 CD40の細胞外ドメイン、ならびにCD27、LTβ受容体、p75TNFR、TACIおよびBCMなどの別の受容体の細胞内および膜貫通ドメインを含むハイブリッド受容体をpUC119にコードするDNA構築物を示す。

Claims (42)

  1. 細胞における受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の結合を観察する方法であって、
    a)受容体の過剰発現または受容体の活性化による、細胞でのシグナロソーム形成の誘導、
    b)細胞の溶解、
    c)シグナロソーム内の受容体を捕捉できる1次抗体で被覆された固相での細胞溶解物のインキュベーション、
    d)固相からの細胞溶解物の分離、および
    e)形成されたシグナロソーム内のタンパク質を検出できる2次抗体を使用する固相に受容体およびその1次抗体を介して結合したタンパク質の量の検出および測定
    を含む方法。
  2. 受容体の活性化が、受容体に対するリガンドで細胞を処置することによって誘導される請求項1記載の方法。
  3. 受容体の活性化が、受容体のクロスリンクによって誘導される請求項2記載の方法。
  4. クロスリンクが、受容体特異的抗体によって誘導される請求項3記載の方法。
  5. 前記受容体が、CD40、BCMA、LTβR受容体、TACI、p75TNFRおよびCD27から選択される請求項1、2、3または4記載の方法。
  6. 受容体およびその1次抗体を介して固相に結合した前記タンパク質が、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF5およびTRAF6から選択されるアダプタータンパク質である請求項1、2、3、4または5記載の方法。
  7. 受容体およびその1次抗体を介して固相に結合した前記タンパク質が、酵素である請求項1、2、3、4または5記載の方法。
  8. 前記酵素が、キナーゼである請求項7記載の方法。
  9. 前記キナーゼが、NIKである請求項8記載の方法。
  10. 受容体およびその1次抗体を介して固相に結合した前記タンパク質が、IKKである請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の方法。
  11. 前記受容体が、その細胞外ドメインでポリペプチドまたはペプチドに融合され、1次抗体が、融合ポリペプチドまたはペプチドに特異的である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の方法。
  12. 前記融合ペプチドが、特異的タグであり、1次抗体がタグに特異的である請求項11記載の方法。
  13. 前記ポリペプチドが、受容体の細胞外ドメインであり、1次抗体が細胞外ドメインに特異的である請求項11記載の方法。
  14. 前記融合ポリペプチドが、CD40の細胞外ドメインである請求項13記載の方法。
  15. 受容体およびその1次抗体を介して固相に結合した前記タンパク質が、タグに融合され、2次抗体がタグに特異的である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の方法。
  16. 前記タグが、ヒスチジン、FLAG(商標)、VSV−G、プロテイン−Cおよびc−mycタグから選択される請求項15記載の方法。
  17. 細胞において受容体の細胞内ドメインへのアダプタータンパク質および/またはシグナルタンパク質の結合を阻害する分子のスクリーニング方法であって、
    細胞への個々の分子の接触、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16記載の方法による、受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の結合の観察、および受容体へのアダプターおよび/またはシグナルタンパク質の結合を阻害できる分子の選択を含む方法。
  18. スクリーニングされる分子が、合成有機化合物である請求項17記載の方法。
  19. 細胞においてシグナロソームの組立てを阻害する分子のスクリーニング方法であって、
    a)細胞でのシグナロソーム形成の誘導、
    b)細胞への個々の生成分子の接触、
    c)細胞の溶解、
    d)シグナロソーム内の受容体を捕捉できる1次抗体で被覆された固相での細胞溶解物のインキュベーション、
    e)固相からの細胞溶解物の分離、
    f)受容体以外のシグナロソーム構成要素のいずれかを検出できる2次抗体を使用する、形成されたシグナロソームの量の検出および測定、および
    g)シグナロソーム形成を阻害できる分子の選択
    を含む方法。
  20. シグナロソーム形成が、いくつかまたは全てのシグナロソーム構成要素の過剰発現によって誘導される請求項19記載の方法。
  21. シグナロソーム形成が、受容体の活性化によって誘導される請求項19記載の方法。
  22. 受容体の活性化が、受容体に対するリガンドで細胞を処置することによって誘導される請求項21記載の方法。
  23. 受容体の活性化が、受容体のクロスリンクによって誘導される請求項21記載の方法。
  24. クロスリンクが、受容体特異的抗体によって誘導される請求項23記載の方法。
  25. シグナロソーム内の受容体が、CD40、BCMA、LTβR受容体、TACI、p75TNFRおよびCD27から選択される請求項19、20、21、22、23または24記載の方法。
  26. 測定される受容体とは異なるシグナロソーム構成要素が、TRAF1、TRAF2、TRAF3、TRAF4、TRAF5、TRAF6から選択されるアダプタータンパク質である請求項19、20、21、22、23、24または25記載の方法。
  27. 受容体とは異なるシグナロソームで観察される構成要素が、酵素である請求項19、20、21、22、23、24、25または26記載の方法。
  28. 前記酵素が、キナーゼである請求項27記載の方法。
  29. 前記キナーゼが、NIKである請求項28記載の方法。
  30. 測定される受容体とは異なるシグナロソーム構成要素が、IKKである請求項19、20、21、22、23、24、25、26、27または28記載の方法。
  31. シグナロソーム内の受容体が、その細胞外ドメインでペプチドまたはポリペプチドに融合され、1次抗体が、融合ペプチドまたはポリペプチドに特異的である請求項19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30記載の方法。
  32. 前記ポリペプチドが、特異的タグである請求項31記載の方法。
  33. 前記融合ポリペプチドが、受容体の細胞外ドメインである請求項31記載の方法。
  34. 前記融合ポリペプチドが、CD40の細胞外ドメインである請求項33記載の方法。
  35. 測定される受容体とは異なるシグナロソーム構成要素が、タグに融合され、2次抗体が、タグに特異的である請求項19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33または34記載の方法。
  36. 前記タグが、ヒスチジン、FLAG(商標)、VSV−G、プロテイン−Cおよびc−mycタグから選択される請求項35記載の方法。
  37. スクリーニングされる分子が、合成有機化合物である請求項19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35または36記載の方法。
  38. 細胞における特異的な膜タンパク質へのアダプターおよび/またはシグナルタンパク質の結合を測定および定量するためのキットであって、
    )第1のタグまたはポリペプチドに融合された膜タンパク質を過剰発現するための発現プラスミド、および第2のタグに融合されたアダプター/シグナルタンパク質を発現するための発現プラスミド、
    b)膜タンパク質に融合された第1のタグまたはポリペプチドに結合できる1次抗体で被覆されたELISAマイクロタイタープレート、
    c)アダプター/シグナルタンパク質に融合された第2のタグに結合できる2次抗体、
    d)トランスフェクション試薬、
    e)溶解緩衝液、
    f)トランスフェクション反応におけるベクターの濃度、ならびにELISAおよび定量手段における抗体の濃度を記載するプロトコール
    を含むキット。
  39. 前記タグが、ヒスチジン、FLAG(商標)、VSV−G、プロテイン−Cおよびc−mycタグから選択される請求項38記載のキット。
  40. 前記融合ポリペプチドが、CD40受容体の細胞外ドメインである請求項38記載のキット。
  41. 細胞において受容体の細胞内ドメインへのアダプタータンパク質および/またはシグナルタンパク質の結合を阻害する分子のスクリーニング方法であって、
    個々の分子が接触されたトランスフェクション細胞での、請求項38または39記載のキットを使用する、受容体の細胞内ドメインへのタンパク質の結合の観察、および受容体へのアダプターおよび/またはシグナルタンパク質の結合を阻害できる分子の選択を含む方法。
  42. スクリーニングされる分子が、合成有機化合物である請求項41記載の方法。
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