JP4457489B2 - もたれバー付きキッチン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キッチンに関し、特にキャビネットの前面上部に、スイッチ付きのもたれバーを備えたキッチンに関する。
【0002】
【従来の技術】
キッチンでの洗い作業や、調理作業は、比較的時間がかかる場合が多いから、身体、特に足腰への負担が大きく、疲れや、足腰の病気を引き起こしやすい。このようなことから、近年、キッチンでの洗い作業や、調理作業における身体、特に足腰への負担を軽減し、疲れや足腰の病気を防止し、作業能率をアップするために、流し台の前面上部に、身体を支承(身体をもたれかけさせて支持)する、もたれバーが開発されている(特開平7−204038号、特許第3077875号参照。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のキッチン用のもたれバーにおいては、体を支えるためだけのものであり、他の機能を発揮させて使用するようなことがなかった。
【0004】
ところで、キッチンでの食器類の洗い作業や調理作業は、比較的長い作業時間を要するが、この作業中、キッチンの構成機器又は周辺機器、例えば、照明、換気扇、水栓、給湯器、電磁調理器、食器洗い器、食器乾燥機及び浄水用水栓等のスイッチを操作しなくてはならないことが生じる。
【0005】
近年、システムキッチンが普及し、キッチン関連機器類の電化が著しい状況では、このようなスイッチ操作の頻度はきわめて多くなっており、それぞれの機器のところまで頻繁に移動してスイッチ操作をしなくてはならず、煩わしいだけでなく、その移動距離は累積するとかなりの歩行距離となっている。
【0006】
本発明は、上記キッチン用のもたれバーの従来の問題、及びキッチンでの食器類の洗い作業や調理作業中のスイッチ操作のための労働や煩わしさを解決することを目的とするものである。本発明者らは、もたれバーが、比較的長い間作業する流し台の前面において、作業者の手元に取り付けられている点に着目し、このもたれバーにスイッチを取り付けるという、きわめて斬新かつユニークな発想を得た。
【0007】
従って、本発明は、キッチンでの食器類の洗い作業や業調理作業において、作業者がスイッチ操作のために移動等する手間が省け、手元で一ヶ所で集中的に操作できるスイッチ手段を実現することが基本的な課題であり、その具体的課題は、身体を支えるだけでなく、スイッチ機能を備え、より多機能なもたれバーを備えたキッチンを実現することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は上記課題を解決するために、キャビネットの前面に使用者の身体を支承するもたれバーを備え、キッチンで使用される機器を操作するスイッチ装置を、前記もたれバーに設けたキッチンであって、前記もたれバーは水平方向に配置されており、前記もたれバーにスイッチ取付孔が形成されているとともに、前記スイッチ装置は、前記スイッチ取付孔に装入され、本体とスイッチを備えており、前記スイッチと前記もたれバーの上面が略同一高さに形成されていることを特徴とするキッチンを提供する。
【0009】
前記スイッチ装置は、複数の機器を操作する複数のスイッチを設けてもよい。
【0010】
前記スイッチ装置は、前記もたれバーの端部に配置してもよい。
【0011】
本願発明は上記課題を解決するために、キャビネットの前面に使用者の身体を支承するもたれバーを備え、キッチンで使用される機器を操作するスイッチ装置が、前記もたれバーに着脱自在に取り付けられたキッチンであって、前記もたれバーは水平方向に配置されており、前記スイッチ装置は、ワイヤレスレスタイプのリモートスイッチであり、前記機器に前記リモートスイッチの操作信号を受信して動作する制御器が設けられていることを特徴とするキッチンを提供する。
【0012】
前記機器は、照明、換気扇、水栓、給湯器、電磁調理器、食器洗い器、食器乾燥機及び浄水用水栓等である。
【0013】
前記スイッチ装置は、前記キッチンで使用される機器に加えて、前記キッチン以外で使用される電気洗濯機や浴室の換気扇等の機器を操作するスイッチを有する構成としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係るキッチンの実施の形態を、実施例に基づいて図面を参照して以下説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のキッチンを示す図である。この実施例1のキッチン1は、下部の本体として設けられているキャビネット2と、上部の壁付きアッパーキャビネット3とから構成される。
【0017】
キャビネット2は、前面の扉(例えば扉4)を開いて収納できる各種の収納部や引き出し5等が設けられている。そして、キャビネット2の天板6には、シンク7及びガスコンロ8が設けられ、さらにシンク7に面して水栓9が設けられている。水栓9は、キャビネット2内に設けられた開閉制御弁10を介して給水・給湯源に連通されている。
【0018】
アッパーキャビネット3には、扉11を開いて収納できる収納部が設けられ、端部には換気扇12が配設されている。さらに、アッパーキャビネット3の下面には照明13が取付られている。
【0019】
このようなキッチン1において、シンク7のほぼ前方であって、キャビネット2の前面化粧板18に、もたれバー14(使用者が寄りかかることのできる棒状体)が取り付けられている。本発明に係るキッチン1の特徴的な構成は、このもたれバー14にスイッチ装置15を一体に設けた(内蔵した)点である。
【0020】
図2は、もたれバー14及びこれに設けられたスイッチ装置15を詳細に説明する図である。図2(a)は、もたれバー14及びスイッチ装置15の斜視図を示す図である。もたれバー14は、プラスチック、スチール等の円筒形部材から形成されており、右端において右側の支持ブラケット16、左端において左側の支持ブラケット17にボルト等により固定されている。左右の支持ブラケット16、17は、キャビネット2の前面化粧板18にボルト19等により固定されている。スイッチ装置15をもたれバー14の端部に配置したので、もたれながらのスイッチの操作が可能となり、スイッチの操作性が向上する。
【0021】
図2(b)は、図2(a)のA−A断面を示す図であり、図2(c)は、図2(a)を支持ブラケット16の右側方から見た図である。これらの図2(a)〜(c)において、円筒形のもたれバー14に長方形のスイッチ取付孔20が形成されている。このスイッチ取付孔20は、その内縁に段部21が形成されている。さらに円筒形のもたれバー14の端部には、スイッチ装置に接続された3本の電線28〜30を取り出す電線取出口22が形成されている。
【0022】
スイッチ装置15は、その本体23の上部周縁にフランジ24が形成されている。スイッチ装置15は、3つのスイッチ25〜27を備えており、これに対応して3本の電線28〜30が接続されている。この実施例1では、3つのスイッチ25〜27は、それぞれ水栓9(開閉制御弁10を制御することにより水栓9が開閉される。)、換気扇12、照明13のスイッチである。スイッチ25〜27の構成は、例えば、押しボタン式、指タッチ式、指センサ式等が採用される。
【0023】
なお、スイッチは、単なる機器の電源回路の開閉による機器の動作又は停止の操作だけでなく、機器の動作態様(例.水栓9の水量、照明13の照度、換気扇12のタイマ動作等)を制御をするような機能を有するものでもよい。
【0024】
支持ブラケット16には、電線28〜30を挿通する案内孔31が形成されている。又、キャビネット2の前面化粧板18の上部には、電線28〜30を挿通する挿入孔32が形成されている。この左右の支持ブラケット16、17は、もたれバー14と樹脂材で一体成形されたものでもよい。
【0025】
スイッチ装置15は、スイッチ取付孔20内にフランジ24が段部21に当接するようにして装入され、適宜、ビス止め、あるいは接着剤で固定される。そして、もたれバー14内から3本の電線28〜30は、電線取出口22、支持ブラケット16の案内孔31及びキャビネット2の前面化粧板18の挿入孔32を通してキャビネット2内に案内されている。そして3本の電線28〜30は、それぞれ水栓9の開閉制御弁10、換気扇12、照明13に接続されている。
【0026】
以上のような構成のキッチン1の作用を説明する。キッチン1の使用者は、シンク7で食器洗いや調理作業を行うが、もたれバー14に足腰をもたれかけさせることができるから、足腰への負担が少なくなり、疲労が軽減される。そして、このような作業をしながら、必要に応じて、もたれバー14に設けられたスイッチ25〜27を選択的に押して、照明13、換気扇12、水栓9のいずれかを選択的に操作することができる。
【0027】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2を示すキッチン1の、特にもたれバー33の構成を示す図である。図3(a)は斜視図、図3(b)は図3(a)の要部(スイッチ装置の取り付け部)の断面図である。この実施例2のキッチンは、実施例1とはほぼ同じであるが、スイッチ装置34がもたれバー33に別体で着脱可能に取り付けられた構成において異なる。もたれバーは、中空材でも中実材でもどちれでもよいが、この実施例では、図3(b)に示すように中実材で形成したもたれバー33を示した。
【0028】
実施例2のスイッチ装置34は、実施例1同様に、3つのスイッチ35〜37を有し、このスイッチ装置34の本体38には、左右一対湾曲状の取付片39が付設されている。この取付片39は、弾力的な部材で構成されている。
【0029】
3つのスイッチ35〜37は、実施例1同様に、それぞれ水栓9、換気扇12、照明13に接続されている。これら3つのスイッチ35〜37に接続される3本の電線(図示せず)は、結束されて結束電線40となっており、その端部にはプラグ41が取り付けられている。
【0030】
一方、キャビネット2の前面化粧版18の上部には、プラグ41を挿入するコンセント42が設けられている。そして、このコンセント42から、キャビネット内に導入された結束電線40を構成する3つの電線は、実施例1同様に、それぞれ水栓9の開閉制御弁10、換気扇12、照明13に接続されている。
【0031】
この実施例2のキッチン1の使用に際しスイッチ装置34を利用する場合は、スイッチ装置34の本体38を取付片39でキッチン1のもたれバー33に引っ掛けて弾力的に装着する。そして、結束電線40のプラグ41をコンセント42に挿入する。これにより、実施例1同様に、シンク7を利用した作業をしながら、必要に応じてスイッチ34を押して、水栓9、換気扇12、照明13の操作をすることができる。
【0032】
この実施例2では、実施例1のように、もたれバー33にスイッチを内蔵する必要がなく、その構造は簡単となる。そして、キャビネット2内に上記コンセントと機器間の配線をしておけば、スイッチ装置34をもたれバー33に着脱自在に簡単に取り付けるだけで、スイッチ装置34を手元から操作可能となる。
【0033】
このような着脱自在のスイッチ装置を利用する場合は、スイッチ装置34をワイヤレスタイプのリモートスイッチにすれば、制御される機器側(水栓9の開閉制御弁10、換気扇12、照明13)の既存の配線中にこのリモートスイッチの操作信号を受信して動作する制御器を設ければ、キャビネット2内の新たに配線工事をすることなく、既存のもたれバー33にスイッチ装置34を取り付けるだけで、本発明は適用可能である。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を実施例1、2に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例1、2に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、以下に示すようにいろいろな実施の形態があることは言うまでもない。
【0035】
実施例1及び2では、スイッチで操作される機器として、キッチンで使用される水栓9、換気扇12、照明13について説明したが、これらの機器に限らず、その他の給湯器、電磁調理器、食器洗い器、食器乾燥機及び浄水用水栓等のキッチンを構成する各種の機器、周辺機器類に適用可能である。
【0036】
さらに、本発明に係るキッチンのスイッチ装置は、キッチンで使用される機器だけでなく、キッチン以外で使用される機器、例えば電気洗濯機等キッチン以外の場所で使用される機器等の操作を行うスイッチに適用してもよい。
【0037】
実施例1及び2では、スイッチ装置15、34の3つのスイッチを、それぞれ水栓9の開閉制御弁10、換気扇12、照明13の開閉制御弁10に接続したが、これらの機器とは別に、キッチンの電源装置に配線を介して接続される電力取出用コンセント(コンセント42とは異なる。)をキッチンに付設し、この配線中に開閉制御装置を設け、この開閉制御装置に接続され、開閉制御装置を操作するスイッチを、もたれバーに取り付けたスイッチ装置に設ける構成としてもよい。
【0038】
このような構成とすれば、この電力取出用コンセントに接続されて、キッチンにおいてオプション的に使用される機器を、もたれバーのスイッチ装置によって、手元で一括して集中的に操作することが可能となる。
【0039】
シンク7での洗い作業、調理作業は、立ったまま行われ、しかもキッチンでの他の作業に比べて比較的長くかかることから、これら作業では身体、特に足腰への負担が大きく、そのために、図1に示すように、もたれバーをシンクの前方に設けられることが多い。
【0040】
しかし、特にシンクの前方だけでなく、もたれバー取付位置や長さは、例えば、キャビネットのほぼ横幅方向にわたって、シンクだけでなく、ガスコンロの前方まで伸びるようにしたものでもよい。又、もたれバーは、スイッチの配線さえ付設できれば、円筒部材でなくても中実円柱状部材でもよい。
【0041】
なお、このように各種機器のスイッチを備えたもたれバーは、キッチンのもたれバーだけでなく、身体を支承するもたれバーであればどのようなものにでもスイッチを取り付ける技術思想を適用することはできる。例えば、建物の各所に付設される身障者、老人等の支承用のバーが利用されているが、これらにも本発明同様にスイッチを取り付けることにより、緊急連絡用の呼び出しスイッチとしての機能を発揮することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上の構成から成る本発明に係るキッチンによれば、次のような効果が生じる。
(1)キッチン用のもたれバーに、キッチンを構成する機器や周辺機器を操作するスイッチ装置を設ける構成としたので、使用者は、もたれバーに寄りかかりながらキッチンでの洗い作業、調理作業ができるから、長時間の作業に起因する身体、特に足腰の疲労や病気を防止することができるだけでなく、各種機器のスイッチ装置を、夫々の機器のところまで移動することなく、手元で集中・一括して操作することができる。従って、使用者にとっては、機器の操作のために一々移動してスイッチ操作をするような負担や煩わしさがなくなる。
【0043】
(2)スイッチ操作の対象の機器は、例えば、照明、換気扇、水栓、給湯器、電磁調理器、食器洗い器、食器乾燥機及び浄水用水栓等のキッチンの構成機器や周辺関連機器はもとより、それだけでなく、電気洗濯機、浴室換気扇等、キッチン以外の各種機器のスイッチをキッチンでの作業をしながら操作することができる。
【0044】
(3)キッチン用のもたれバーに、スイッチ装置を一体に組み込む(内蔵する)構成だけでなく、スイッチ装置をもたれバーに着脱自在に取り付ける構成とすることにより、既存のもたれバーにも簡単スイッチ装置を取り付けて利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動排水栓の実施例1のキッチンの全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る自動排水栓の実施例1のキッチンの要部を示す図である。
【図3】本発明に係る自動排水栓の実施例2のキッチンの要部を示す図である。
【符号の説明】
1 キッチン
2 キャビネット
3 アッパーキャビネット
6 天板
7 シンク
8 ガスコンロ
9 水栓
10 (水栓用)開閉制御弁
12 換気扇
13 照明
14、33 もたれバー
15、34 スイッチ装置
16、17 支持ブラケット
18 前面化粧板
20 スイッチ取付孔
25、26、27、35、36、37 スイッチ
28、29、30 電線
39 (スイッチ装置の)取付片
40 結束電線
Claims (6)
- キャビネットの前面に使用者の身体を支承するもたれバーを備え、キッチンで使用される機器を操作するスイッチ装置を、前記もたれバーに設けたキッチンであって、前記もたれバーは水平方向に配置されており、前記もたれバーにスイッチ取付孔が形成されているとともに、前記スイッチ装置は、前記スイッチ取付孔に装入され、本体とスイッチを備えており、前記スイッチと前記もたれバーの上面が略同一高さに形成されていることを特徴とするキッチン。
- 前記スイッチ装置は、複数の機器を操作する複数のスイッチを有することを特徴とする請求項1記載のキッチン。
- 前記スイッチ装置は、前記もたれバーの端部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のキッチン。
- キャビネットの前面に使用者の身体を支承するもたれバーを備え、キッチンで使用される機器を操作するスイッチ装置が、前記もたれバーに着脱自在に取り付けられたキッチンであって、前記もたれバーは水平方向に配置されており、前記スイッチ装置は、ワイヤレスレスタイプのリモートスイッチであり、前記機器に前記リモートスイッチの操作信号を受信して動作する制御器が設けられていることを特徴とするキッチン。
- 前記機器は、照明、換気扇、水栓、給湯器、電磁調理器、食器洗い器、食器乾燥機及び浄水用水栓を含む群から選択される1又は2以上の機器であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のキッチン。
- 前記スイッチ装置は、前記キッチンで使用される機器に加えて、前記キッチン以外で使用される機器を操作するスイッチを有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のキッチン。
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