JP4455896B2 - めっき液 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、装飾品、防食製品または機械部品、電子部品などの表面にニッケルめっきを施す場合等に使用されるめっき液に関するものである。
この種のニッケルめっきを施すためのめっき液としては、例えば、硫酸ニッケルまたは塩化ニッケルが知られており、これらめっき液にpH緩衝作用を行わせてpHを安定させるためと、めっき皮膜の品質を改善させるために所要量のホウ酸を加えたワット液として使用することが不可欠なものとなっており、そのこと自体はこの種めっき業界において周知の事項になっている。
そして、この種のめっき工程においては、めっき処理工程と、そのめっき処理工程後の洗浄処理工程とがあり、ホウ酸を加えためっき液でめっき処理をした製品または部品は水洗により洗浄処理される。この洗浄処理において使用された洗浄水は排水する際には有害成分の除去処理を一応行っているが、めっき液の他の成分と違ってホウ酸の除去は困難であって、その除去のためには更に余分な設備を付加する必要があり、それがめっきのコストに跳ね返ってくることから、完全に除去されない状態で排水されていた。
ところで、排水中にホウ酸またはホウ素が含まれた状態で自然界に放出した場合に、環境ホルモンに影響を与え、特に、排水された洗浄水が川から海に流出することから、その流出領域に生息する水生動物のホルモンに悪影響(例えば、雌化する等)を及ぼすという問題点を有している。
そのために、pH緩衝材料としてホウ酸を使用しないめっき液の開発が強く要望されており、ホウ酸の代わりにクエン酸ニッケルまたはクエン酸を含有させるめっき液が出現した。このクエン酸を使用しためっき液は、クエン酸ニッケルの含有量が24〜42g/Lとするか、またはクエン酸の含有量が12〜21g/Lであるとし、pHが3〜5であることを開示している。
特許第3261676号公報
しかしながら、クエン酸ニッケルまたはクエン酸を使用しためっき液は、環境ホルモンに影響を与えない点では好ましいものであるが、めっき液としてpHの安定性が悪いばかりでなく、pH3〜5の間でも僅かなpHの変化によって電流効率が変化するので、その電流効率の変化はめっき処理工程における皮膜形成に好ましくないのである。要するに、電流効率の安定性が悪いという問題点を有している。
従来例のpH緩衝材料としてホウ酸を使用しないめっき液において、解決しようとする課題は、めっき処理工程においてpHの安定性と電流効率の安定性とを向上させためっき液を提供することである。
本発明は、硫酸ニッケルまたはスルファミン酸ニッケルを主成分とし、塩化ニッケルを副成分とし、pH緩衝材料を混入して構成されためっき液であって、pH緩衝材料として、リンゴ酸またはリンゴ酸塩を使用し、pH調整剤として、硫酸、スルファミン酸、水酸化ニッケルまたは炭酸ニッケルを使用し、純水1リットルに対して、硫酸ニッケルの含有量は200〜300gであり、塩化ニッケルの含有量は20〜80gであり、pH調整剤によってpH3.5〜5 に調整され、リンゴ酸は3〜10g混入されており、複合剤としてダイヤモンド砥粒、CBN砥粒、GC砥粒のいずれかが混入されているめっき液である。
本発明に係るめっき液においては、pH緩衝材料として、リンゴ酸またはリンゴ酸塩が使用されることによって、環境汚染の問題を解消すると共に、めっき液のpHが設定された2.5〜5.7の範囲で安定し、しかも、その範囲においてめっき処理工程での電流効率が高い位置で安定し、良質な皮膜の形成が可能になるのである。
本発明は、めっき液のpH緩衝材料として、環境ホルモンに悪影響を与えるホウ酸またはホウ酸塩を使用しないで、リンゴ酸またはリンゴ酸塩を使用するものであって、硫酸、スルファミン酸、水酸化ニッケルまたは炭酸ニッケルなどのpH調整剤を使用してめっき液のpHを2.5〜5.7の範囲に調整するものである。
この場合に、めっき液としては、例えば、純水1リットルに対して、硫酸ニッケルの含有量は100〜400gで、塩化ニッケルの含有量は5〜80gで、リンゴ酸は3〜20g混入させていることで、環境汚染の問題を完全にクリヤーし、しかも、めっき液のpHが設定された範囲で安定すると共に、その範囲においてめっき処理工程での電流効率が高い位置で安定し、良質な皮膜の形成が可能になること、実現化したものである。
更に、このめっき液に、ダイヤモンド砥粒、CBN砥粒、GC砥粒などの複合材のいずれかを含むようにしたことにより、例えば、ダイシング装置に使用されるブレードの製造を容易にしたものである。
なお、本発明で言うリンゴ酸塩としては、例えば、リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウムなどであり、要するにリンゴ酸が主体となる化合物である。そして、以下の実施例ではリンゴ酸を使用した例を挙げて説明するが、リンゴ酸塩を使用した場合でも、実質的にほぼ同様の効果が得られるのである。
本発明に係るめっき液は、pH緩衝材料が使用されている全てのめっき液に対応できるものであるが、一例としてニッケルめっき用のめっき液について説明する。
基本的には、純水1リットルに対して、結晶状態で100〜400gの硫酸ニッケルを溶解含有させると共に、結晶状態で5〜80gの塩化ニッケルを溶解含有させ、pH調整剤として結晶状態の1〜4gの水酸化ニッケルを溶解含有させてpHが2.5〜5.7の範囲に調整され、これにpH緩衝材料として結晶状態の3〜20gのリンゴ酸を溶解混入させてニッケルめっき用のめっき液が得られる。
めっき液の主成分である硫酸ニッケルの含有量は、純水1リットルに対して100g以下であると、陰極側となる被めっき部材面に充分なニッケルイオンを供給することができず、結果的には電流効率が低下し焦げ現象や条跡(縞模様)の発生が生じて均一な皮膜が形成できない。また、400g以上であると、めっき液の濃度が高くなるのでピットまたはピンホールが生じ易くなり均一で良好な皮膜が形成できない。従って、硫酸ニッケルの含有量は100〜400gの範囲で使用可能である。
また、めっき液の副成分である塩化ニッケルの含有量は、純水1リットルに対して5g以下であると、前記硫酸ニッケルの含有量にもよるが、電流効率が低下し陽極側となるニッケル板の溶解が不十分で陰極側に充分なニッケルイオンを供給することができない。また、80g以上では、やはり前記硫酸ニッケルの含有量にもよるが、めっき液の濃度が高くなると共に、陽極側の溶解効率が高くなってストレスのある皮膜が形成されるようになるのである。従って、塩化ニッケルの含有量は5〜80gの範囲で使用可能なのである。なお、硫酸ニッケルの含有量を考慮して、例えば、硫酸ニッケルの含有量が上限側にある時には塩化ニッケルの含有量を下限側にし、硫酸ニッケルの含有量が下限側にある時には塩化ニッケルの含有量を上限側にするように配慮して調整すれば、好ましいめっき液となるのである。
更に、pH調整剤として使用される水酸化ニッケルは、めっき液のpHが2.5〜5.7の範囲になるように、1〜4gの間で含有させるものであるが、pHが2.5以下になると、陰極側、即ち、被めっき部材面に水素発生反応が多くなってピットやピンホールが生じやすくなる。pHが5.7以上になると、焦げ現象が生ずる場合がある。従って、好ましくはpHが3.5〜5の範囲になるように含有量を選択した方が良い。また、水酸化ニッケル以外に、例えば、硫酸、スルファミン酸または炭酸ニッケルなどもpH調整剤として使用することができる。
pH緩衝材料として溶解混入させるリンゴ酸は、3〜20gの範囲であって、めっき液のpHを緩衝する作用を有し、調整したpHが変動しないように抑制するものである。そして、3g以下であると緩衝作用が低下してpHが変動するという不都合が生じ、20g以上になるとpHの変動は抑制されるもののめっき液の電流効率が徐々に低下するという不都合が生ずるのである。
次に、本発明に係るめっき液について幾つかの実験例を挙げて検証する。
[実験1]
(1)純水1リットルに対して硫酸ニッケル240gと、塩化ニッケル45gと、pH調整剤として水酸化ニッケルとを混入して、pHを4.2に調整した基本成分のめっき液を準備する。
(2)この基本成分のめっき液中にリンゴ酸の結晶を2g、4g、6g、10g、20g、40g、60g、80gをそれぞれ混入した8種類のめっき液を作成する。
(3)各めっき液にそれぞれニッケル板を浸漬すると共に、10cm角の銅板を浸漬し、ニッケル板にプラスの電極、銅板にマイナスの電極を接続して1Aの電流を5分間通電して銅板にニッケルめっきを施す。
(4)5分後にそれぞれのめっき液のpHを測定しグラフを作成した(グラフ1)。
(5)リンゴ酸の量を1gづつ増やしながら1g/リットル間隔で電流効率を計測してグラフを作成した(グラフ2)。
(考察)
グラフ1から理解できるように、リンゴ酸を3g混入したところからめっき液のpHが安定し、好ましくは6g混入から更に安定する。また、電流効率が低いとめっき層に欠陥が生じることが周知であり、グラフ2から解るように、電流効率が100〜99.4%を示す3〜20gの範囲の混入まで使用でき、更に好ましくは、電流効率が100%を示す3〜10gの混入が好ましい範囲である。
[実験2]
(1)めっき液は、上記実験1の(1)(2)で作成した8種類のめっき液を準備する。(2)めっき層の状態を検出するために銅板を所定の角度に傾斜させて各めっき液中に浸漬し、垂直に立設させて浸漬したニッケル板と非平行に且つ両板の間隔が下から上に拡がるように位置付けし、ニッケル板にプラス電極を銅板にマイナス電極を接続して1Aの電流を5分間通電してハルセル試験を実施した。
(3)各めっき液から銅板を取り出して電流密度の変化とめっきの状態を横軸に表し、リンゴ酸の含有量を縦軸にしてグラフを作成した(グラフ3)。
(考察)
グラフ3から理解できるように、リンゴ酸の含有量が80gを越えると鈍い光沢と半光沢の比率が安定する。従って、リンゴ酸を80g以上混入する必要はない。
[実験3]
(1)純水1リットルに対して硫酸ニッケル240gと、塩化ニッケル45gとを溶解した基本成分のめっき液を準備する。
a.上記基本成分のめっき液中に、リンゴ酸の結晶を6g溶解混入してリンゴ酸浴を作成する。
b.比較例1として、上記基本成分のめっき液中に、ホウ酸を30g混入してワット浴を形成する。
c.比較例2として、上記基本成分のめっき液中に、クエン酸を15g混入してクエン酸浴を形成する。
(2)上記リンゴ酸浴、ワット浴、クエン酸浴のそれぞれの浴に水酸化ニッケルを混入してpH2.3と、pH2.7と、pH3.3と、pH3.7と、pH4.3と、pH5.1と、pH5.7との7種類のリンゴ酸浴、ワット浴、クエン酸浴をそれぞれ作成する。(3)pHを横軸にし電流効率を縦軸にしてpHごとの電流効率を検出してグラフを作成した(グラフ4)。
(考察)
グラフ4から明らかなように、pHが2.3では、ワット浴の電流効率は95%を超えておりめっき液として使用に耐えられるが、リンゴ酸浴とクエン酸浴は電流効率が90%以下であって、めっき液として使用に耐えられないと認められる。
リンゴ酸浴の場合、pH2.5あたりから電流効率が90%に達し、めっき液として使用に耐え得ると認められる。また、pH3.5あたりで電流効率が97%に達し、pH5においては電流効率が略100%に達する。
しかしながら、pH5.7を超えたあたりから水酸化ニッケルの結晶が析出し、りんごさん浴中に沈殿する現象が見られ、めっき液のバランスが崩れ始めるので、リンゴ酸浴におけるpHは2.5〜5.7の範囲が使用可能であり、好ましくはpH3.5〜5の範囲に調整することが望ましい。
[実験4]
更に、リンゴ酸に代えてマレイン酸を使用した場合について上記実験2と同様の実験を行った。即ち、
(1)純水1リットルに対して硫酸ニッケル240gと、塩化ニッケル45gと、pH調整剤として水酸化ニッケルとを混入して、pHを4.2に調整した基本成分のめっき液を準備する。
(2)この基本成分のめっき液中にマレイン酸の結晶を6g、12g、24g、40g、48g、64g、88gをそれぞれ混入した7種類のめっき液を作成する。
(3)めっき層の状態を検出するために銅板を所定の角度に傾斜させて各めっき液中に浸漬し、垂直に立設させて浸漬したニッケル板と非平行に且つ両板の間隔が下から上に拡がるように位置付けし、ニッケル板にプラス電極を銅板にマイナス電極を接続して1Aの電流を5分間通電してハルセル試験を実施した。
(4)各めっき液から銅板を取り出して電流密度の変化とめっきの状態を横軸に表し、マレイン酸の含有量を縦軸にしてグラフを作成した(グラフ5)。
(考察)
グラフ5から解るように、マレイン酸の含有量6〜40gでもまだ焦げ現象が残っている。また、含有量が40gを超えると焦げ現象は見られなくなるが、マレイン酸浴の電流効率が低下し、めっき液として使用に耐えられないものと認められる。従って、マレイン酸の使用はリンゴ酸に比べて劣ることは明らかである。
[実験5]
また、リンゴ酸に代えてフマル酸を使用した場合について上記実験2と同様の実験を行った。即ち、
(1)純水1リットルに対して硫酸ニッケル240gと、塩化ニッケル45gと、pH調整剤として水酸化ニッケルとを混入して、pHを4.2に調整した基本成分のめっき液を準備する。
(2)この基本成分のめっき液中にフマル酸の結晶を2g、4g、6g、10g、14g、20g、24gをそれぞれ混入した7種類のめっき液を作成する。
(3)めっき層の状態を検出するために銅板を所定の角度に傾斜させて各めっき液中に浸漬し、垂直に立設させて浸漬したニッケル板と非平行に且つ両板の間隔が下から上に拡がるように位置付けし、ニッケル板にプラス電極を銅板にマイナス電極を接続して1Aの電流を5分間通電してハルセル試験を実施した。
(4)各めっき液から銅板を取り出して電流密度の変化とめっきの状態を横軸に表し、フマル酸の含有量を縦軸にしてグラフを作成した(グラフ6)。
(考察)
グラフ6から解るように、フマル酸の含有量が2〜10gでもまた20g以上に増やしても焦げ現象が残っている。従って、その焦げ現象を解消させるためにフマル酸の含有量を多くすることでフマル酸浴は電流効率が低下し、めっき液として使用に耐えられないものと認められ、また、フマル酸の使用はリンゴ酸に比べて劣ることは明らかである。
[実験6]
更にまた、リンゴ酸に代えてグリコール酸を使用した場合について上記実験2と同様の実験を行った。即ち、
(1)純水1リットルに対して硫酸ニッケル240gと、塩化ニッケル45gと、pH調整剤として水酸化ニッケルとを混入して、pHを4.2に調整した基本成分のめっき液を準備する。
(2)この基本成分のめっき液中にフマル酸の結晶を2g、4g、6g、10g、12g、14g、20g、30g、40gをそれぞれ混入した9種類のめっき液を作成する。
(3)めっき層の状態を検出するために銅板を所定の角度に傾斜させて各めっき液中に浸漬し、垂直に立設させて浸漬したニッケル板と非平行に且つ両板の間隔が下から上に拡がるように位置付けし、ニッケル板にプラス電極を銅板にマイナス電極を接続して1Aの電流を5分間通電してハルセル試験を実施した。
(4)各めっき液から銅板を取り出して電流密度の変化とめっきの状態を横軸に表し、フマル酸の含有量を縦軸にしてグラフを作成した(グラフ7)。
(考察)
グラフ7から解るように、グリコール酸の含有量が2〜14gでもまだ焦げ現象と条跡が見られ、20gを超えても焦げ現象が残っている。従って、その焦げ現象を解消させるためにグリコール酸の含有量を多くすることでグリコール酸浴は電流効率が低下し、めっき液として使用に耐えられないものと認められ、また、グリコール酸の使用はリンゴ酸に比べて劣ることは明らかである。
次に、本発明に係るめっき液を使用してダイヤモンド砥石の製造例について説明する。
まず、純水1リットルに対して硫酸ニッケル240gと、塩化ニッケル45gと、pH調整剤として水酸化ニッケルとを混入して、pHを4.2に調整した基本成分のめっき液を準備し、この基本成分のめっき液中にリンゴ酸の結晶を6g溶解混入してリンゴ酸浴を作成する。
このように作成されたリンゴ酸浴は、図8に示したように、所要の大きさのめっき槽1内に収納すると共に、そのリンゴ酸浴2リットルに対して粒径2〜4μmのダイヤモンド砥粒3を約50g混入する。そして、リンゴ酸浴2中にニッケル板4を略垂直状態に浸漬すると共に、円盤状のアルミ基台(被めっき材)5を水平に浸漬する。このアルミ基台5は、ニッケルめっき層を成長させる外周部分5aを残して他の部分は全てマスキング6が施され、ニッケルめっき層を成長させる部分5aを上向きにして水平に浸漬する。
そして、めっき槽1の外部に設けた電源7から、ニッケル板4にはプラスの電極を接続し、アルミ基台5にはマイナスの電極を接続し、攪拌手段8によりリンゴ酸浴2を攪拌しながら電源7から1Aの直流電流を印加し、アルミ基台5のマスキング6が施されていない外周部分5aにダイヤモンド砥粒を少しづつ堆積させニッケルめっきで固定しながら約1時間に渡ってニッケルめっき層9を電鋳成長させる。従って、ニッケルめっき層9は、要するに電鋳物と言うことができる。
ニッケルめっき層9の成長が終了した後に、めっき槽1からアルミ基板5を取り出し、図9に示したように、マスキング6を除去し、アルミ基板5の外周を仮想線aで示した位置までエッチングすることにより、外周に成長したニッケルめっき層9、即ち、電鋳物9の一部を突出させ、その電鋳物9がいわゆる「切削刃」と称される、図10に示すような、ハブブレードが製造できるのである。
使用済みのリンゴ酸浴2は、内部に混入したダイヤモンド砥粒3を濾過した後に、中和して廃棄するが、リンゴ酸は果実酸であるからホウ酸のように環境を汚染する虞は全くないのである。
本発明に係るめっき液は、めっき液のpH緩衝材料として、環境ホルモンに悪影響を与えるホウ酸またはホウ酸塩を使用しないで、リンゴ酸またはリンゴ酸塩を使用するものであって、硫酸、スルファミン酸、水酸化ニッケルまたは炭酸ニッケルなどのpH調整剤を使用してめっき液のpHを2.5〜5.7の範囲に調整する。この場合に、めっき液としては、例えば、純水1リットルに対して、硫酸ニッケルの含有量は100〜400gで、塩化ニッケルの含有量は5〜80gで、リンゴ酸は3〜20g混入させていることで、環境汚染の問題を完全にクリヤーし、しかも、めっき液のpHが設定された範囲で安定すると共に、その範囲においてめっき処理工程での電流効率が高い位置で安定し、良質な皮膜の形成が可能になるのであって、pH緩衝材料を混入して使用される全てのめっき液に広く利用することができるのである。
本発明に係るめっき液において、りんご酸の混入量とpHとの関係を実験した結果のグラフである。 同実験において、りんご酸の混入量と電流効率との関係を測定して示したグラフである。 同実験において、りんご酸の混入量と銅板へのめっき層の形成状態を検出して示したグラフである。 本発明に係るめっき液と、公知の2種類のめっき液を比較例1、2とし、各めっき液のpHと電流効率との関係を実験した結果のグラフである。 本発明に係る基本成分のめっき液に対して、りんご酸の代わりにマレイン酸を混入した場合の銅板へのめっき層の形成状態を検出して示したグラフである。 本発明に係る基本成分のめっき液に対して、りんご酸の代わりにフマル酸を混入した場合の銅板へのめっき層の形成状態を検出して示したグラフである。 本発明に係る基本成分のめっき液に対して、りんご酸の代わりにグリコール酸を混入した場合の銅板へのめっき層の形成状態を検出して示したグラフである。 本発明に係るめっき液を使用して、ダイヤモンド砥石を製造する基本原理の製造方法を説明するための説明図である。 同製造方法によってめっき層を形成した後の被めっき物であるアルミ基台を示す側面図である。 同アルミ基台の外周をエッチングしてめっき層の一部を突出させて製造したハブブレードを示す斜視図である。
1 めっき槽; 2 リンゴ酸浴; 3 ダイヤモンド砥粒
4 ニッケル板; 5 アルミ基台; 6 マスキング
7 電源(直流) 8 攪拌手段; 9 ニッケルめっき層(電鋳物)。

Claims (1)

  1. 硫酸ニッケルまたはスルファミン酸ニッケルを主成分とし、塩化ニッケルを副成分とし、pH緩衝材料を混入して構成されためっき液であって、
    前記pH緩衝材料として、リンゴ酸またはリンゴ酸塩を使用し、pH調整剤として、硫酸、スルファミン酸、水酸化ニッケルまたは炭酸ニッケルを使用し、
    純水1リットルに対して、硫酸ニッケルの含有量は200〜300gであり、塩化ニッケルの含有量は20〜80gであり、pH調整剤によってpH3.5〜5 に調整され、リンゴ酸は3〜10g混入されており、
    複合剤としてダイヤモンド砥粒、CBN砥粒、GC砥粒のいずれかが混入されているめっき液。
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