JP4454725B2 - ガス混合装置およびガス混合ブロック - Google Patents

ガス混合装置およびガス混合ブロック Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガス混合装置に関し、特に、成分を高精度に制御した混合ガスを得るためのガス混合装置および前記ガス混合装置で使用するガス混合ブロックに関する。
前記ガス混合装置は、半導体製品の製造過程において、シリコンウエハ表面に数種の成分の混合ガスを使用して蒸着膜を形成する際等に使用される。
【0002】
【従来の技術】
半導体製品の製造工程において使用されるガス混合装置は、キャリアガスに1種以上の反応ガスを混合した混合ガスを蒸着装置に供給する。前記混合ガスを供給してシリコンウエハ表面に数種の成分の混合ガスにより蒸着膜を形成する作業が終了した後、前記反応ガスの供給を停止した状態で待機し、次の作業のための反応ガスをガス混合装置で混合する。その際、先に使用した反応ガスがガス供給路に未使用で残留している場合があり、その残留ガスが不純物として次の作業のための反応ガス中に混入することになる。
【0003】
前記各種ガスを混合させる時に理想的な混合比を実現して、前の作業の未使用ガスの残留成分の影響を無くすることができれば、不純物の混合が低減され、飛躍的な製品の高品質化、良品率の向上が可能となる。
また、今後のプロセス上の方向性として生成膜の形成条件は、減圧下、少量流量の方向へと移行している。このため、前記残留ガス成分の影響は大きくクローズアップされてきている。
【0004】
従来、前記種類のガス混合装置において、例えば、次の図17に示すような装置が知られている。
図17は従来のガス混合装置の説明図である。
図17に示すガス混合装置は、キャリアガスG0が流れるキャリアガス流路01に複数(例えば4種類)の反応ガスG1,G2,G3,G4を流入させる際、キャリアガス流路の中心線に沿って、第1混合位置P1および第2混合位置P2を設定し、設定された前記第1混合位置P1においてキャリアガスG0に反応ガスG1およびG2を混合し、前記第2混合位置P2において反応ガスG3,G4を混合する。なお、図17においてプロセスバルブV1およびベルトバルブV2は、いずれかが一方が開、他方が閉の状態で使用され、V1開、V2閉の場合は反応ガスがキャリアガス流路01に流れて混合され、V1閉、V2開の場合は反応ガスはベントバルブV2を通って回収装置(図示せず)に回収される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のガス混合装置では、次の問題点がある。
(a)前記4種の反応ガスG1〜G4を同時に混合する場合、G1およびG2の混合位置P1とG3,G4の混合位置P2とがキャリアガス流路に沿って位置が異なるため、各ガス(キャリアガスおよび反応ガス)が混合されながら流れる距離が異なるため、混合位置が異なる反応ガスを均一な混合比で混合しようとしても、混合開始時から均一な混合ガスを得ることは不可能である。したがって、混合位置が異なる反応ガスの均一な混合ガスを、混合開始時から蒸着室に供給することは不可能である。
(b)前記キャリアガス流路への前記各反応ガスG1〜G4の供給/遮断を行うための各プロセスバルブV1の位置から前記混合位置P1またはP2までの反応ガス流路(デッドゾーン)の長さが異なる場合には、前の作業で使用した反応ガスの残留ガス(デッドゾーンの残留ガス)が次の作業の時に混入して不純物が混入する。このため、ガス純度の再現性にバラツキを生じ高品質の製品(均一な蒸着膜)が製作できない。
(c)前記デッドゾーンの長さを一定にしても、その長さが長い程、残留ガスが不純物として混入する期間が長くなる。
【0006】
また、従来、円盤状のガス混合室の円周面に複数の反応ガスを供給して混合する装置が知られている。
この従来技術は複数の各反応ガスをキャリアガス流路に沿った同一の混合位置に同時に流入させて混合することが可能であるが、前記混合位置(円盤状のガス混合室)の範囲が広いため、均一な混合比が得られ難い。また、この従来技術では前記デッドゾーンの残留ガスに対する考慮がなされていない。
【0007】
本発明は前記問題点に鑑み、次の記載内容(O01)〜(O03)を課題とする。
(O01)キャリアガスに複数の反応ガスを均一に混合させること。
(O02)キャリアガス流路に反応ガスを流入させる反応ガス連通路に設けたプロセスバルブからキャリアガス流路までの前記反応ガス連通路であるデッドゾーンの残留ガスによる不純物の混入を少なくすること。
(O03)残留ガスの生じるデッドゾーンを無くすること。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明するが、本発明の要素には、後述の実施例の要素との対応を容易にするため、実施例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
【0009】
(第1発明)
前記課題を解決するために、第1発明のガス混合装置は、次の要件(A01)〜(A07)を備えたことを特徴とする、
(A01)キャリアガスが流れるキャリアガス流路(1a)、
(A02)前記キャリアガス流路(1a)に複数の異なる反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路(1f)、
(A03)前記複数の各反応ガス供給路(1f)から供給される異なる複数の反応ガスをそれぞれ前記キャリアガス流路(1a)に流入させる複数の各反応ガス連通路(1b)、
(A04)前記各反応ガス供給路(1f)と各反応ガス連通路(1b)との間にそれぞれ設けられ、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ(V1)、
(A05)前記キャリアガス流路(1a)の中心線上に設定された1つの混合位置(P)に向けて反応ガスを流入させるように前記キャリアガス流路(1a)に接続されると共に、前記キャリアガス流路(1a)に接続される端がキャリアガス流路(1a)内に突出しない前記複数の各反応ガス連通路(1b)、
(A06)前記各反応ガス連通路(1b)に沿った前記プロセスバルブ(V1)および前記混合位置(P)間の流路の長さが等しくなるように配置された前記プロセスバルブ(V1)、
(A07)一体構造のブロックの上流側および下流側の側面を貫通して形成された前記キャリアガス流路(1a)と、前記混合位置(P)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)と、前記混合位置(P)から放射状に延びる直線に沿って前記キャリアガス流路よりも細く形成され且つ前記複数の各バルブ装着面(1c)にそれぞれ開口する複数の前記各反応ガス連通路(1b)とを有するガス混合ブロック(1)。
【0010】
(第1発明の作用)
前記構成を備えた第1発明のガス混合装置では、キャリアガスはキャリアガス流路(1a)を流れる。前記キャリアガス流路(1a)に供給される複数の異なる反応ガスは、複数の反応ガス供給路(1f)から供給される。複数の各反応ガス連通路(1b)は、前記複数の反応ガス供給路(1f)から供給される異なる複数の反応ガスをそれぞれ前記キャリアガス流路(1a)に流入させる。
前記各反応ガス供給路(1f)と反応ガス連通路(1b)との間にそれぞれ設けられたプロセスバルブ(V1)は、連通位置と遮断位置との間で移動可能であり、前記連通位置では、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させ、前記遮断位置では前記反応ガスの流れを遮断する。
【0011】
前記複数の各反応ガス連通路(1b)は前記キャリアガス流路(1a)に接続され、前記キャリアガス流路(1a)の中心線上に設定された1つの混合位置(P)に向けて反応ガスを流入させる。
前記プロセスバルブ(V1)は前記各反応ガス連通路(1b)に沿った前記プロセスバルブ(V1)および前記混合位置(P)間の流路の長さが等しくなるように配置される。
第1発明のガス混合装置Uの前記各反応ガス連通路(1b)は前記キャリアガス流路(1a)の中心線上に設定された混合位置(P)に向かって流入すると共に、前記キャリアガス流路(1a)に接続される端がキャリアガス流路(1a)内に突出しない。したがって、各反応ガスはキャリアガス流路(1a)の同じ位置(混合位置P)で混合されるので、均一な混合が行われる。
また、前記複数の各反応ガス連通路(1b)の外端の前記開口から前記混合位置(P)までの距離(流路の長さ)は同一に設定されているので、前記複数の各反応ガス連通路(1b)の外端の開口を遮断、連通するプロセスバルブ(V1)を同時に開閉することにより、前記複数の各反応ガスを最初から均一に混合することができる。
さらに、前記構成を備えた第1発明のガス混合装置では、ガス混合ブロック(1)は、一体構造のブロックの上流側および下流側の側面を貫通して形成された前記キャリアガス流路(1a)と、前記混合位置(P)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)と、前記混合位置(P)から放射状に延びる直線に沿って前記キャリアガス流路よりも細く形成され且つ前記複数の各バルブ装着面(1c)にそれぞれ開口する複数の前記各反応ガス連通路(1b)とを有する。
前述のように一体構造のガス混合ブロック(1)に、キャリアガス流路(1a)および複数の各反応ガス連通路(1b)を形成することにより前記反応ガス連通路(1b)に設けた前記プロセスバルブ(V1)からキャリアガス流路(1a)までの反応ガス連通路(1b)(すなわち、デッドゾーン)の長さを短く形成することが可能となる。
【0012】
(第2発明)
前記課題を解決するために、第2発明のガス混合装置は、次の要件(B01)〜(B05)を備えたことを特徴とする、
(B01)一本のキャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐され且つ合流点(Q2)で合流する複数の分岐流路(1a1)を有し、前記分岐点(Q1)で分流したキャリアガスが前記合流点(Q2)で合流するように構成された前記キャリアガス流路(1a)、
(B02)前記複数の各分岐流路(1a1)にそれぞれ異なる反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路(1f)、
(B03)前記複数の各反応ガス供給路(1f)から供給される異なる複数の反応ガスをそれぞれ前記分岐流路(1a1)に流入させる複数の各反応ガス連通路(1b)、
(B04)前記各反応ガス供給路(1f)と各反応ガス連通路(1b)との間にそれぞれ設けられ、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記分岐流路(1a1)に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ(V1)、
(B05)前記複数の各分岐流路(1a1)に設定された混合位置(P)に向けて反応ガスを流入させるように前記分岐流路(1a1)に接続された前記複数の各反応ガス連通路(1b)。
【0013】
(第2発明の作用)
前記構成を備えた第2発明のガス混合装置では、一本のキャリアガス流路(1a)を流れるキャリアガスは、キャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐され、複数の分岐流路(1a1)を流れて合流点(Q2)で合流する。
前記各反応ガス供給路(1f)と各反応ガス連通路(1b)との間にそれぞれ設けられたプロセスバルブ(V1)は、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記分岐流路(1a1)に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能である。
前記プロセスバルブ(V1)が連通位置にあるときは、反応ガス供給路(1f)は反応ガス連通路(1b)と連通し、反応ガス供給路(1f)の反応ガスは反応ガス連通路(1b)から分岐流路(1a1)に設定された混合位置(P)に流入する。
【0014】
前述のようにキャリアガス流路(1a)に複数の分岐流路(1a1)を設けて、各分岐流路(1a1)にそれぞれ反応ガスを供給してから合流させることにより、複数の反応ガスをキャリアガスに同時に均等に混合することが可能となる。また、複数の分岐流路(1a1)にそれぞれ設定した各混合位置(P)は互いに離れた位置に配置されるので、各混合位置(P)への反応ガスの供給、遮断を行うプロセスバルブ(V1)を離れた位置に配置することができる。このため、プロセスバルブ(V1)から前記混合位置(P)までの反応ガス連通路(1b)を短くすることが容易となる。反応ガス連通路(1b)は反応ガスの供給を停止した場合には反応ガスが残留ガスとして滞留するデッドゾーンとなる領域であるが、前記デッドゾーンを短くすることができるので、残留ガスのキャリアガスへ不純物として混入する期間を短くすることができる。
【0015】
(第3発明)
前記課題を解決するために、第3発明のガス混合装置は、次の要件(C01)〜(C04)を備えたことを特徴とする、
(C01)一本のキャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐され且つ合流点(Q2)で合流する複数の分岐流路(1a1)を有し、前記分岐点(Q1)で分流したキャリアガスが前記合流点(Q2)で合流するように構成された前記キャリアガス流路(1a)、
(C02)前記複数の各分岐流路(1a1)にそれぞれ異なる反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路(1f)、
(C03)前記複数の各分岐流路(1a1)に設定された混合位置(P)において前記分岐流路(1a1)と接続する前記各反応ガス供給路(1f)、
(C04)前記各分岐流路(1a1)と各反応ガス供給路(1f)とが接続する前記混合位置(P)にそれぞれ設けられ、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記分岐流路(1a1)に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ(V1)。
【0016】
(第3発明の作用)
前記構成を備えた第3発明のガス混合装置では、一本のキャリアガス流路(1a)を流れるキャリガスは、その途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐され、複数の分岐流路(1a1)を流れて合流点(Q2)で合流する。
前記複数の各分岐流路(1a1)にそれぞれ異なる反応ガスを供給するための複数の各反応ガス供給路(1f)と前記各分岐流路(1a1)とが接続する前記混合位置(P)にそれぞれ設けられたプロセスバルブ(V1)が遮断位置に移動した状態では、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスは前記分岐流路(1a1)への流入が遮断される。前記プロセスバルブ(V1)が連通位置に移動した状態では、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスは、前記分岐流路(1a1)に流入する。
【0017】
前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスは、前記複数の各分岐流路(1a1)に設定された混合位置(P)において前記分岐流路(1a1)へ流入する。すなわち、前記混合位置(P)は常時キャリアガスが流れている位置に設定されているので、前記混合位置(P)のプロセスバルブ(V1)が遮断位置に移動した場合、反応ガスが残留ガスとして滞留するデッドゾーンが存在しない。このため、デッドゾーンの残留ガスがキャリアガスに不純物として混入することが無くなるので、純度の高いガスを半導体製造装置等に供給することができる。
【0018】
(第4発明)
前記課題を解決するために、第4発明のガス混合ブロックは、次の要件(D01)〜(D04)を備えたことを特徴とする、
(D01)一体構造の前記ガス混合ブロックの上流側および下流側の側面を貫通して形成され、且つ、キャリアガスが流入する上流側側面と前記流入したキャリアガスが流出する下流側側面間に形成されたキャリアガス流路(1a)、
(D02)前記キャリアガス流路(1a)の途中に設定された1つの混合位置(P)から放射方向に同一距離離れた位置に形成された複数のバルブ装着面(1c)、
(D03)前記混合位置(P)から放射方向に延びるとともに前記各バルブ装着面(1c)に開口する同一長さ且つ前記キャリアガス流路よりも細い複数の反応ガス連通路(1b)、
(D04)反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口すると共に、前記キャリアガス流路(1a)に接続される端がキャリアガス流路(1a)内に突出しない複数の各反応ガス供給路(1f)。
【0019】
(第4発明の作用)
前記構成を備えた第4発明のガス混合ブロックでは、ガス混合ブロック(1)の上流側側面から流入したキャリアガスは、キャリアガス流路(1a)を通って、下流側側面から流出する。
第4発明のガス混合ブロック(1)は、複数の各バルブ装着面(1c)に開口する反応ガス供給路(1f)の下流端および反応ガス連通路(1b)を連通させる連通位置と遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ(V1)を装着して使用される。
前記反応ガス供給路(1f)の下流端および反応ガス連通路(1b)が連通した状態では、ガス混合ブロック(1)の反応ガス流入側面に開口する反応ガス供給路(1f)の上流端に供給された反応ガスは、反応ガス供給路(1f)の下流端(バルブ装着面(1c)の開口)から、反応ガス連通路(1b)に流入する。
【0020】
前記反応ガス連通路(1b)に流入した反応ガスは、前記キャリアガス流路(1a)の途中に設定された混合位置(P)でキャリアガスと混合される。複数設けられ且つ前記キャリアガス流路よりも細い各反応ガス連通路(1b)は、1つの混合位置(P)から放射方向に同一距離離れた位置に形成された複数のバルブ装着面(1c)との間に形成されると共に、前記キャリアガス流路(1a)に接続される端がキャリアガス流路(1a)内に突出しない。したがって、複数の各バルブ装着面(1c)に設けたプロセスバルブ(V1)を同時に連通位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を通った反応ガスは前記混合位置(P)に同時に到達する。また、複数の各バルブ装着面(1c)に設けたプロセスバルブ(V1)を同時に連通位置から遮断位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を最後に通った反応ガスは前記混合位置(P)に同時に到達する。
すなわち、キャリアガス流路(1a)の各混合位置(P)への各反応ガスの供給、遮断を時間遅れを伴うことなく、同時に行うことができる。また混合位置(P)から合流点(Q2)までの距離を同一にすることにより、複数の反応ガスを合流点(Q2)で同時に混合することができる。
また、前記構成を備えた第4発明のガス混合ブロック(1)は、一体構造のブロックの上流側および下流側の側面を貫通して形成された前記キャリアガス流路(1a)を有しする。
前述のように一体構造のガス混合ブロック(1)に、キャリアガス流路(1a)および複数の各反応ガス連通路(1b)を形成することにより前記反応ガス連通路(1b)に設けた前記プロセスバルブ(V1)からキャリアガス流路(1a)までの反応ガス連通路(1b)(すなわち、デッドゾーン)の長さを短く形成することが可能となる。
【0021】
(第5発明)
前記課題を解決するために、第5発明のガス混合ブロックは、次の要件(E01)〜(E05)を備えたことを特徴とする、
(E01)キャリアガスが流入する上流側側面と前記流入したキャリアガスが流出する下流側側面間に形成されたキャリアガス流路(1a)であって、前記キャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐され且つ合流点(Q2)で合流する複数の分岐流路(1a1)を有し、前記分岐点(Q1)で分流したキャリアガスが前記合流点(Q2)で合流するように構成された前記キャリアガス流路(1a)、
(E02)前記各分岐流路の途中に設定された混合位置(P)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)、
(E03)上流端が前記分岐点に接続し且つ下流端が前記混合位置(P)に接続する分岐流路上流部(1a2+1a3)と、上流端が前記混合位置(P)に接続し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a4)とを有する前記分岐流路(1a1)、
(E04)前記混合位置(P)から放射状に延びる直線に沿って形成され且つ前記複数の各バルブ装着面(1c)にそれぞれ開口する複数の各反応ガス連通路(1b)、
(E05)反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)。
【0022】
(第5発明の作用)
前記構成を備えた第5発明のガス混合ブロックでは、ガス混合ブロック(1)の上流側側面から流入したキャリアガスは、前記キャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐されて複数の各分岐流路(1a1)を流れる。前記分岐流路(1a1)は分岐流路(1a1)の途中に設定された混合位置(P)の上流側部分である分岐流路上流部(1a2+1a3)と、下流側部分である分岐流路下流部(1a4)とを有する。
したがって、前記分岐点(Q1)で分流したキャリアガスは、分岐点(Q1)から混合位置(P)までの分岐流路上流部(1a2+1a3)を流れた後、混合位置(P)から合流点(Q2)までの分岐流路下流部(1a4)を流れて、合流点(Q2)で合流する。
【0023】
第5発明のガス混合ブロック(1)は、複数の各バルブ装着面(1c)に開口する反応ガス供給路(1f)の下流端および反応ガス連通路(1b)を連通させる連通位置と遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ(V1)を装着して使用される。
前記反応ガス供給路(1f)の下流端および反応ガス連通路(1b)が連通した状態では、ガス混合ブロック(1)の反応ガス流入側面に開口する反応ガス供給路(1f)の上流端に供給された反応ガスは、反応ガス供給路(1f)の下流端(バルブ装着面(1c)の開口)から、反応ガス連通路(1b)に流入する。
【0024】
前記反応ガス連通路(1b)に流入した反応ガスは、前記混合位置(P)でキャリアガスと混合される。複数設けられた各反応ガス連通路(1b)は、混合位置(P)から放射方向に同一距離離れた位置に形成された複数のバルブ装着面(1c)との間に形成されている。したがって、複数の各バルブ装着面(1c)に設けたプロセスバルブ(V1)を同時に連通位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を通った反応ガスは前記各混合位置(P)に同時に到達する。また、複数の各バルブ装着面(1c)に設けたプロセスバルブ(V1)を同時に連通位置から遮断位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を最後に通った反応ガスは前記混合位置(P)に同時に到達する。
したがって、前記各分岐流路(1a1)に設定した混合位置(P)と前記合流点(Q2)との距離を一定にすることにより、複数の反応ガスのキャリアガスへの供給(混合)、遮断を時間遅れを伴うことなく、同時に行うことができる。
【0025】
(第6発明)
前記課題を解決するために、第6発明のガス混合ブロックは、次の要件(F01)〜(F04)を備えたことを特徴とする、
(F01)キャリアガスが流入する上流側側面と前記流入したキャリアガスが流出する下流側側面間に形成されたキャリアガス流路(1a)であって、前記キャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐され且つ合流点(Q2)で合流する複数の分岐流路(1a1)を有し、前記分岐点(Q1)で分流したキャリアガスが前記合流点(Q2)で合流するように構成された前記キャリアガス流路(1a)、
(F02)前記合流点(Q2)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)、
(F03)上流端が前記分岐点に接続し且つ下流端が前記バルブ装着面(1c)に開口する分岐流路上流部(1a2+1a3+1a5+1a6)と、上流端が前記バルブ装着面(1c)に開口し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a6+1a4)とを有する前記分岐流路(1a1)、
(F04)反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)。
【0026】
(第6発明の作用)
前記構成を備えた第6発明のガス混合ブロックでは、ガス混合ブロック(1)の上流側側面から流入したキャリアガスは、前記キャリアガス流路(1a)の途中に設定された分岐点(Q1)で複数に分岐されて複数の各分岐流路(1a1)を流れる。前記分岐流路(1a1)は、上流端が分岐点(Q1)に接続し且つ下流端が前記バルブ装着面(1c)に開口する分岐流路上流部(1a2+1a3+1a5+1a6)と、上流端が前記バルブ装着面(1c)に開口し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a6+1a4)とを有する。
したがって、複数の前記分岐点(Q1)で分流したキャリアガスは、分岐点(Q1)からバブル装着面(1c)までの分岐流路上流部(1a2+1a3+1a5+1a6)を流れた後、バブル装着面(1c)から合流点(Q2)までの分岐流路下流部(1a6+1a4)を流れて、合流点(Q2)で合流する。
【0027】
第6発明のガス混合ブロック(1)は、複数の各バルブ装着面(1c)に開口する反応ガス供給路(1f)の下流端と、分岐流路(1a1)(すなわち、分岐流路上流側部分(1a2+1a3+1a5+1a6)の下流端および分岐流路下流側部分(1a6+1a4)との接続部)とを連通させる連通位置と、遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ(V1)を装着して使用される。
前記反応ガス供給路(1f)の下流端および分岐流路(1a1)が連通した状態では、ガス混合ブロック(1)の反応ガス流入側面に開口する反応ガス供給路(1f)の上流端に供給された反応ガスは、反応ガス供給路(1f)の下流端(バルブ装着面(1c)の開口)から、分岐流路(1a1)に流入する。
【0028】
前記分岐流路(1a1)に流入した反応ガスは、キャリアガスと混合される。したがって、複数の各バルブ装着面(1c)に設けたプロセスバルブ(V1)を連通位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を通った反応ガスはキャリアガスと混合されてから、前記各合流点(Q2)に到達する。また、複数の各バルブ装着面(1c)に設けたプロセスバルブ(V1)を連通位置から遮断位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を最後に通った反応ガスはキャリアガスと混合されて前記合流点(Q2)に到達する。
前記第6発明ではプロセスバルブ(V1)を遮断したときに反応ガスが残留ガスとして滞留するデッドゾーンが無いので、残留ガスが不純物としてキャリアガスに混入することが無い。このため常時、高純度のガスを半導体製造装置等に供給することができる。
また、前記各分岐流路(1a1)に設定した混合位置(P)と前記合流点(Q2)との距離を一定にすることにより、複数の反応ガスのキャリアガスへの供給(混合)、遮断を時間遅れを伴うことなく、同時に行うことも可能である。
【0031】
(第1発明の実施の形態2)
第1発明の実施の形態2のガス混合装置は、前記第1発明の実施の形態1において次の要件(A08),(A09)を備えたことを特徴とする、
(A08)上流端に反応ガスが供給され且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)が形成された前記ガス混合ブロック(1)、
(A09)前記各バルブ装着面(1c)に着脱可能に装着され、前記各バルブ装着面(1c)にそれぞれ形成された前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を連通させて前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる連通位置と前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を遮断して前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能な前記プロセスバルブ(V1)。
【0032】
(第1発明の実施の形態2の作用)
前記構成を備えた第1発明の実施の形態2のガス混合装置では、前記ガス混合ブロック(1)は、一端に反応ガスが供給され且つ他端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)が形成される。前記各バルブ装着面(1c)に着脱可能に装着され且つ連通位置と遮断位置との間で移動可能な前記プロセスバルブ(V1)は、連通位置においては、前記各バルブ装着面(1c)にそれぞれ形成された前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を連通させて、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる。また、遮断位置においては、前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を遮断して前記反応ガスの流れを遮断する。
前述のように、バルブ装着面(1c)に開口する反応ガス連通路(1b)の前記開口を連通または遮断することにより、市販のバルブを前記バルブ装着面(1c)に接続する場合に比べて、前記デッドゾーンをさらに短くすることが可能となる。
【0033】
(第1発明の実施の形態3)
第1発明の実施の形態3のガス混合装置は、前記第1発明の実施の形態2において次の要件(A010),(A011)を備えたことを特徴とする、
(A010)前記一体構造ブロックの上流側または下流側の側面に形成された反応ガス供給ブロック装着面(1g)を有し、前記反応ガス供給ブロック装着面(1g)に前記各反応ガス供給路(1f)の上流端が開口する前記ガス混合ブロック(1)、
(A011)前記反応ガス供給ブロック装着面(1g)に着脱可能に装着され、装着時に前記反応ガス供給路(1f)の上流端の開口に接続する供給側接続口(12b)と、反応ガスが供給される流入側接続口(12c)と、反応ガスを排出する排出側接続口(12d)と、前記流入側接続口(12c)を前記供給側接続口(12b)および排出側接続口(12d)に連通させる接続流路(12a)とを有する反応ガス供給用接続ブロック(12)。
【0034】
(第1発明の実施の形態3の作用)
前記構成を備えた第1発明の実施の形態3のガス混合装置では、前記ガス混合ブロック(1)は、前記一体構造ブロックの上流側または下流側の側面に形成された反応ガス供給ブロック装着面(1g)を有し、前記反応ガス供給ブロック装着面(1g)には前記各反応ガス供給路(1f)の上流端が開口する。
反応ガス供給用接続ブロック(12)は、流入側接続口(12c)、供給側接続口(12b)、排出側接続口(12d)および前記各接続口(12b,12c,12d)を連通させる接続流路(12a)とを有し、前記反応ガス供給ブロック装着面(1g)に着脱可能に装着される。前記装着時、反応ガス供給用接続ブロック(12)の供給側接続口(12b)はガス混合ブロック(1)の反応ガス供給路(1f)の上流端の開口と接続する。この状態では、前記流入側接続口(12c)から入流した反応ガスは前記供給側接続口(12b)または排出側接続口(12d)に流れる。前記供給側接続口(12b)に流れた反応ガスは前記ガス混合ブロック(1)の反応ガス供給路(1f)に供給される。
【0035】
(第2発明の実施の形態1)
第2発明の実施の形態1のガス混合装置は、前記第2発明において次の要件(B06)を備えたことを特徴とする、
(B06)前記各反応ガス連通路(1b)に沿った前記プロセスバルブ(V1)および前記混合位置(P)間の流路の長さ(反応ガス連通路(1b)の長さ)が等しくなるように配置された前記プロセスバルブ(V1)。
【0036】
(第2発明の実施の形態1の作用)
前記構成を備えた第2発明の実施の形態1のガス混合装置では、前記プロセスバルブ(V1)は、前記各反応ガス連通路(1b)に沿った前記プロセスバルブ(V1)および前記混合位置(P)間の流路の長さ(反応ガス連通路(1b)の長さ)が等しくなるように配置される。
したがって、複数のプロセスバルブ(V1)を同時に連通位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を通った反応ガスは前記混合位置(P)に同時に到達する。また、複数の各プロセスバルブ(V1)を同時に連通位置から遮断位置に移動させた場合、各プロセスバルブ(V1)を最後に通った反応ガスは前記混合位置(P)に同時に到達する。
すなわち、キャリアガス流路(1a)の各混合位置(P)への各反応ガスの供給、遮断を時間遅れを伴うことなく、同時に行うことができる。また混合位置(P)から合流点(Q2)までの距離を同一にすることにより、複数の反応ガスを合流点(Q2)で同時に混合することができる。
【0037】
(第2発明の実施の形態2)
第2発明の実施の形態2のガス混合装置は、前記第2発明または第2発明の実施の形態1において次の要件(B07)を備えたことを特徴とする、
(B07)前記各分岐流路(1a1)に沿った前記混合位置(P)および前記合流点(Q2)間の流路の長さが等しくなるように設定された前記混合位置(P)。
【0038】
(第2発明の実施の形態2の作用)
前記構成を備えた第2発明の実施の形態2のガス混合装置では、前記混合位置(P)は、前記各分岐流路(1a1)に沿った前記混合位置(P)および前記合流点(Q2)間の流路の長さが等しくなるように設定される。
このため、キャリアガス流路(1a)の分岐流路(1a1)の各混合位置(P)に同時に流入した複数の反応ガスを合流点(Q2)で同時に混合することができる。
【0039】
(第2発明の実施の形態3)
第2発明の実施の形態3のガス混合装置は、前記第2発明または第2発明の実施の形態1もしくは2において次の要件(B08)を備えたことを特徴とする、
(B08)前記各分岐流路(1a1)の途中に設定された混合位置(P)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)と、上流端が前記分岐点(Q1)に接続し且つ下流端が前記混合位置(P)に接続する分岐流路上流部(1a2+1a3)および上流端が前記混合位置(P)に接続し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a4)とを有する前記分岐流路(1a1)と、前記混合位置(P)から放射状に延びる直線に沿って形成され且つ前記複数の各バルブ装着面(1c)にそれぞれ開口する複数の前記各反応ガス連通路(1b)と、反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する前記複数の各反応ガス供給路(1f)とが形成されたガス混合ブロック(1)。
【0040】
(第2発明の実施の形態3の作用)
前記構成を備えた第2発明の実施の形態3のガス混合装置では、ガス混合ブロック(1)を使用しており、前記ガス混合ブロック(1)は、前記各分岐流路(1a1)の途中に設定された混合位置(P)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)と、前記分岐流路(1a1)と、前記各反応ガス連通路(1b)と、前記複数の各反応ガス供給路(1f)とが形成されている。
前記分岐流路(1a1)は、上流端が前記分岐点(Q1)に接続し且つ下流端が前記混合位置(P)に接続する分岐流路上流部(1a2+1a3)および上流端が前記混合位置(P)に接続し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a4)とを有し、複数の前記各反応ガス連通路(1b)は前記混合位置(P)から放射状に延びる直線に沿って形成され且つ前記複数の各バルブ装着面(1c)にそれぞれ開口する。前記複数の各反応ガス供給路(1f)は反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口している。
前記複数の分岐流路(1a1)と、複数のバルブ装着面(1c)と、前記各反応ガス連通路(1b)と、前記複数の各反応ガス供給路(1f)とをガス混合ブロック(1)に形成することにより、ガス混合装置をコンパクトに製作することができる。
【0041】
(第2発明の実施の形態4)
第2発明の実施の形態4のガス混合装置は、前記第2発明の実施の形態3において次の要件(B09)を備えたことを特徴とする、
(B09)前記各バルブ装着面(1c)に着脱可能に装着され、前記各バルブ装着面(1c)にそれぞれ形成された前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を連通させて前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる連通位置と前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を遮断して前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能な前記プロセスバルブ(V1)。
【0042】
(第2発明の実施の形態4の作用)
前記構成を備えた第2発明の実施の形態4のガス混合装置では、前記ガス混合ブロック(1)は、一端に反応ガスが供給され且つ他端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)が形成される。前記各バルブ装着面(1c)に着脱可能に装着され且つ連通位置と遮断位置との間で移動可能な前記プロセスバルブ(V1)は、連通位置においては、前記各バルブ装着面(1c)にそれぞれ形成された前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を連通させて、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる。また、遮断位置においては、前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を遮断して前記反応ガスの流れを遮断する。
前述のように、バルブ装着面(1c)に開口する反応ガス連通路(1b)の前記開口を連通または遮断することにより、市販のバルブを前記バルブ装着面(1c)に接続する場合に比べて、前記デッドゾーンをさらに短くすることが可能となる。
【0043】
(第3発明の実施の形態1)
第3発明の実施の形態1は前記第3発明において、下記の要件(C05)を備えたことを特徴とする、
(C05)前記合流点(Q2)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)と、反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)と、上流端が前記分岐点(Q1)に接続し且つ下流端が前記バルブ装着面(1c)に開口する分岐流路上流部(1a2+1a3+1a5+1a6)および上流端が前記バルブ装着面(1c)に開口し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a6+1a4)により形成された複数の前記分岐流路(1a1)を有し、前記バルブ装着面(1c)に混合位置(P)が設定された前記ガス混合ブロック(1)。
【0044】
(第3発明の実施の形態1の作用)
前記構成を備えた第3発明の実施の形態1では、ガス混合ブロック(1)を使用しており、前記ガス混合ブロック(1)は、合流点(Q2)から等距離に形成された複数のバルブ装着面(1c)と、前記分岐流路(1a1)と、前記複数の各反応ガス供給路(1f)とが形成されている。
前記分岐流路(1a1)は、上流端が前記分岐点に接続し且つ下流端が前記混合位置(P)が設定されたバルブ装着面(1c)に開口する分岐流路上流部(1a2+1a3+1a5+1a6)および上流端が前記バルブ装着面(1c)に開口し且つ下流端が前記合流点(Q2)に接続する分岐流路下流部(1a6+1a4)とを有し、前記複数の各反応ガス供給路(1f)は上流端が反応ガス流入側面に開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面(1c)に開口している。
前記複数の分岐流路(1a1)と、複数のバルブ装着面(1c)と、前記複数の各反応ガス供給路(1f)とをガス混合ブロック(1)に形成することにより、ガス混合装置をコンパクトに製作することができる。
【0045】
(第3発明の実施の形態2)
第3発明の実施の形態2は前記第3発明の実施の形態1において、下記の要件(C06)を備えたことを特徴とする、
(C06)前記各バルブ装着面(1c)に着脱可能に装着され、前記各バルブ装着面(1c)にそれぞれ形成された前記分岐流路(1a1)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を連通させて前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる連通位置と前記反応ガス連通路(1b)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を遮断して前記反応ガスのキャリアガス流路(1a)への流入遮断する遮断位置との間で移動可能な前記プロセスバルブ(V1)。
【0046】
(第3発明の実施の形態2の作用)
前記構成を備えた第3発明の実施の形態2のガス混合装置では、前記ガス混合ブロック(1)は、一端に反応ガスが供給され且つ他端が前記各バルブ装着面(1c)に開口する複数の各反応ガス供給路(1f)が形成される。前記各バルブ装着面(1c)に着脱可能に装着され且つ連通位置と遮断位置との間で移動可能な前記プロセスバルブ(V1)は、連通位置においては、前記各バルブ装着面(1c)にそれぞれ形成された前記キャリアガス流路(1a)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を連通させて、前記反応ガス供給路(1f)から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路(1a)に流入させる。また、遮断位置においては、前記キャリアガス流路(1a)の開口および反応ガス供給路(1f)の開口を遮断して前記反応ガスのキャリアガス流路(1a)への流入を遮断する。
前述のように、バルブ装着面(1c)に開口するキャリアガス流路(1a)および反応ガス供給路(1f)の前記開口を連通または遮断することにより、残留ガスが滞留するデッドゾーンを無くすることができる。
【0047】
【実施例】
次に図面を参照しながら、本発明のガス混合装置の実施の形態の例(すなわち、実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、右左方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
【0048】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1のガス混合装置の全体斜視図である。図2は同実施例1の要部分解斜視図である。図3は同実施例1で使用する常閉プロセスバルブの説明図で、図3Aは閉状態を示す図、図3Bは開状態を示す図である。図4は同実施例1で使用する常開ベントバルブの説明図で、図4Aは開状態を示す図、図4Bは閉状態を示す図である。
【0049】
図5は同実施例1のガス混合装置の正面図(前面図)である。図6は同実施例1のガス混合装置の部分断面正面図である。図7は同実施例1のガス混合装置の上流端側の側面図(図5の矢印VIIから見た図)である。図8は同実施例1のガス混合装置の下流端側の側面図(図5の矢印VIIIから見た図)である。
図9は反応ガスの供給または遮断を切り替えるプロセスバルブからキャリアガス流路までの反応ガス流路の長さ(デッドゾーン)とガスの流量と、経過時間と残存不純物濃度との関係を示す図で、図9Aは経過時間が1秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Bは経過時間が10秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Cは経過時間が100秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Aは経過時間が1000秒のときの残存不純物濃度を示す図、である。
【0050】
図1、図2において、ガス混合装置Uは、ガス混合ブロック1を有している。ガス混合ブロック1は、一体構造のブロックにより構成されており、上流側(右側、すなわち、Y側)および下流側(左側、すなわち、−Y側)の側面を貫通して形成されたキャリアガス流路1aを有している。前記キャリアガス流路1aの中心線に沿って設定された混合位置Pから上下方向(Z軸方向)および前後方向(X軸方向)に放射状に延びる4本の反応ガス連通路1b(図6参照)が形成されている。前記4本の反応ガス連通路1bはそれぞれ異なる反応ガスを前記キャリアガス流路1aに供給するための流路であり、前記キャリアガス流路1aの中心線に垂直な方向に延びている。
前記流路1aの上流端にはキャリアガス供給パイプT1が接続され、下流端には混合ガス移送パイプT2が接続されている。
【0051】
前記ガス混合ブロック1の上下方向(Z軸方向)および前後方向(X軸方向)の端部にはそれぞれバルブ装着面1cが形成されている。前記各バルブ装着面1cには突出部1dが形成されており、突出部1dの円筒状外周面にはバルブ装着用オスネジ1eが形成されている。前記各バルブ装着面1cの突出部1dには前記反応ガス連通路1bの外端が開口している。前記4本の反応ガス連通路1bの外端の前記開口から前記混合位置Pまでの距離は同一に設定されている。
また、前記4個の各突出部1dにはそれぞれ反応ガス供給路1fの一端(下流端)が開口しており、その他端(上流端)はガス混合ブロック1の右側面(すなわち、反応ガス供給ブロック装着面)1gに開口している。
図2、図6において、前記反応ガス供給ブロック装着面1gには前記4個の反応ガス供給路1fの上流端が開口している。前記反応ガス供給ブロック装着面1gには前記各反応ガス供給路1fの開口部(上流端開口部)の周囲にリング状のガスケット装着孔1hが形成されている。
【0052】
図3において、前記バルブ装着用オスネジ1eには連結用ナット2が螺合しており、連結用ナット2にはスライダ支持ナット3が螺合している。前記スライダ支持ナット3の外端部には円筒状突出部3aが設けられており、前記円筒状突出部3aの周側面にはキャップ装着用オスネジ3bが形成されている。
前記スライダ支持ナット3の内端と前記バルブ装着面1cとの間には弾性を有する円盤状のバルブ切替プレート4の外周縁が配置されている。
【0053】
前記キャップ装着用オスネジ3bには円筒状キャップ6が螺合している。円筒状キャップ6の外端にはエアパイプ7が固定されている。エアパイプ7の外端は前記円筒状キャップ6の外端よりも外方に突出しており、内端部は円筒状キャップ6の内部を内方に延びている。
前記円筒状キャップ6の内孔6aおよび前記スライダ支持ナット3の内孔にはスライダ8がスライド可能に支持されている。前記スライダ8の外端部には大径フランジ8aが設けられており、大径フランジ8aは前記内孔6aにスライド可能に嵌合している。前記スライダ8にはパイプガイド孔8bが形成されており、パイプガイド孔8bは前記エアパイプ7の内端部とスライド移動可能に嵌合している。前記スライダ8には前記パイプラインガイド孔8bと前記大径フランジ8aの下側の空間とを連結するエア連通孔8cが形成されている。
【0054】
前記スライダ8の大径フランジ8aの外端に形成された凹部の底面8dと前記円筒状キャップ6の外端部内面との間には圧縮バネ9が配置されており、前記スライダ8を常時内方(図3で下方、すなわち、キャリアガス流路1a(図6参照)の方向)に押圧している。このスライダ8により前記バルブ切替プレート4は常時図3Aの位置(前記反応ガス供給路1fおよび反応ガス連通路1bを遮断する遮断位置)に保持される。
また、前記エアパイプ7の外端からエアが供給されると、エアはスライダ8のパイプラインガイド孔8bから前記エア連通孔8cを通って前記大径フランジ8aの下側の空間に流入し、前記大径フランジ8aを上方に移動させる。このとき、スライダ8は上昇し、前記バルブ切替プレート4はその弾性力により図3Bの位置(前記反応ガス供給路1fおよび反応ガス連通路1bを連通させる連通位置)に保持される。
前記図3に示す符号2〜9で示された要素により常閉プロセスバルブV1が構成されている。
【0055】
図2、図6において、前記反応ガス供給ブロック装着面1gに形成されたリング状のガスケット装着孔1hにはガスケット11が装着されており、前記ガスケット11を挟んで反応ガス供給用接続ブロック12が4本のネジ13により着脱可能に装着される。前記反応ガス供給用接続ブロック12は、接続流路12aを有している。
前記接続流路12aは、前記反応ガス供給用接続ブロック12が前記反応ガス供給ブロック装着面1gに装着された時に前記反応ガス供給路1fの開口に接続する供給側接続口12bと、反応ガスが供給される流入側接続口12cと、前記供給側接続口12bと、排出側接続口12dとを有している。
前記流入側接続口12c(図1、図2、図6参照)には反応ガス流入管14が接続されており、前記反応ガス流入管14の外端部の接続部14aに連結される反応ガス供給管(図示せず)から反応ガスが供給される。
【0056】
前記排出側接続口12dはベントバルブ装着面12eに開口しており、前記ベントバルブ装着面12eには前記排出側接続口12dに隣接して排出路12fの上流端が開口している。前記排出路12fの下流端には反応ガス排出管15が接続されている。
図4において前記ベントバルブ装着面12eには、前記常閉プロセスバルブV1と類似したベントバルブV2が装着されている。ベントバルブV2は、常開切替バルブV2である。
前記常開のベントバルブV2は、前記常閉プロセスバルブV1と同様の連結用ナット2、スライダ支持ナット3、バルブ切替プレート4および円筒状キャップ6を有している。
円筒状キャップ6の外端に固定されたエアパイプ7′の外端は前記円筒状キャップ6の外端よりも外方に突出しており、内端部は円筒状キャップ6の内部に延びている。
【0057】
前記円筒状キャップ6の内孔6aおよび前記スライダ支持ナット3の内孔にはスライダ8′がスライド可能に支持されている。前記スライダ8′の外端部には大径フランジ8a′が設けられており、大径フランジ8a′の下面と前記スライダ支持ナット3の外端面との間には圧縮バネ9′が配置されており、前記スライダ8を常時外方(図4で上方、すなわち、キャリアガス流路1a(図6参照)から離れる方向)に押圧している。このスライダ8′により前記バルブ切替プレート4は常時図4Aの位置(前記接続流路12aおよび排出路12fを連通させる連通位置)に保持される。
また、前記エアパイプ7′の外端からエアが供給されると、エアはスライダ8′の凹部底面8d′を下方に押圧して前記スライダ8′を下方に移動させる。このとき、スライダ8′下面により前記バルブ切替プレート4は図4Bの位置(前記接続流路12aおよび排出路12fを遮断する遮断位置)に保持される。
前記図4に示す符号2〜6、7′,8′,9′で示された要素により常開のベントバルブV2が構成されている。
【0058】
前記反応ガス供給用接続ブロック12に連結された反応ガス流入管14およびベントバルブV2は、反応ガス排出管15が延びるY軸方向から見た場合、90°異なる方向に延びて配置されている。これは、断面形状4角形の反応ガス供給用接続ブロック12の側面に反応ガス流入管14およびベントバルブV2が装着されているからである。
本実施例1では常閉プロセスバルブV1および反応ガス供給用接続ブロック12もそれぞれ4個配置されているため、前述のように、反応ガス流入管14およびベントバルブV2は90°異なる方向に延びて配置することができる。
仮に、常閉プロセスバルブV1および反応ガス供給用接続ブロック12をそれぞれ6個配置する場合は、前記反応ガス流入管14およびベントバルブV2の延びる方向のなす角度は60°とすると、それらの部品の配置がスッキリと整理される。また、常閉プロセスバルブV1および反応ガス供給用接続ブロック12をそれぞれ8個配置する場合は、前記反応ガス流入管14およびベントバルブV2の延びる方向のなす角度は45°とすると、それらの部品の配置がスッキリと整理される。
【0059】
図1において、左右に並んだ一対の常閉プロセスバルブV1およびベントバルブV2の各エアパイプ7および7′は同一の電磁切替バルブVaを介してエア供給源Aに接続されている。図1の状態では、各エアパイプ7,7′にエア供給源Aの圧縮エアが供給されていない。この状態では、常閉プロセスバルブV1は図3Aの位置(遮断位置)に保持され、ベントバルブV2は図4Aの位置(連通位置)に保持される。
また、図1において電磁バルブVaが切り替えられると、常閉プロセスバルブV1は図3Bの位置(連通位置)に保持され、ベントバルブV2は図4Bの位置(遮断位置)に保持される。
【0060】
(実施例1の作用)
キャリアガスは、キャリアガス供給パイプT1からキャリアガス流路1aを通って混合ガス移送パイプT2に移送される。
前記キャリアガスに混合するための反応ガスは、前記反応ガス流入管14の外端部の接続部14aに連結される反応ガス供給管(図示せず)から供給される。前記電磁バルブVaがオフのときは、図6に示す常閉プロセスバルブV1は図3Aの位置(遮断位置)に保持され、ベントバルブV2は図4Aの位置(連通位置)に保持される。このとき図6において、前記接続部14aから供給された反応ガスは流入側接続口12c(図1、図6参照)から排出側接続口12d、ベントバルブV2、排出路12fを通って反応ガス排出管15から図示しない回収タンクに排出される。
【0061】
前記電磁バルブVaがオンになると、図6に示す常閉プロセスバルブV1は図3Bの位置(連通位置)に保持され、ベントバルブV2は図4Bの位置(遮断位置)に保持される。このとき図6において、前記接続部14aから供給された反応ガスは流入側接続口12c(図1、図6参照)から供給側接続口12b、反応ガス供給路1f、常閉プロセスバルブV1、反応ガス連通路1bを通ってキャリアガス流路1aの中心線上に設定された混合位置Pに向かって流入する。
【0062】
本実施例のガス混合装置Uは、前記4本の各反応ガス連通路1bは前記キャリアガス流路1aの中心線に垂直な方向からキャリアガス流路1aの中心線上に設定された混合位置Pに向かって流入する。したがって、各反応ガスはキャリアガス流路1aの同じ位置(混合位置P)で混合されるので、均一な混合が行われる。
また、前記4本の反応ガス連通路1bの外端の前記開口から前記混合位置Pまでの距離は同一に設定されているので、前記複数の各反応ガス連通路1bの外端の開口を遮断、連通する常閉プロセスバルブV1を同時に開閉することにより、前記複数の各反応ガスを最初から均一に混合することができる。
また、キャリアガス流路1aおよび前記キャリアガス流路1aに接続する複数の反応ガス連通路1bを1体構造のガス混合ブロック1に形成したので、反応ガス連通路1bの長さ、すなわち、前記常閉プロセスバルブV1からキャリアガス流路1aまでの距離(デッドゾーン)を短く形成することができる。
したがって、デッドゾーンの残留ガスを少なくすることができる。
【0063】
図9は反応ガスの供給または遮断を切り替えるプロセスバルブからキャリアガス流路までの反応ガス流路(反応ガス連通路)の長さ(デッドゾーン)とガスの流量と、経過時間と残存不純物濃度との関係を示す図で、図9Aは経過時間が1秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Bは経過時間が10秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Cは経過時間が100秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Dは経過時間が1000秒のときの残存不純物濃度を示す図、である。図9において例えば、デッドゾーン長さが100mmのとき、キャリアガス流路1aのキャリアガスの流速が100ml/minの場合、常閉プロセスバルブV1を遮断してから1秒後のキャリアガス中の不純物濃度は図9Aに示すように1(=100%)であり、10秒後は図9Bに示すように10-1より高く、100秒後は図9Cに示すように10-3より高く、1000秒後は図9Dに示すように10-9以下となる。
【0064】
図9から分かるように、反応ガス連通路の前記常閉プロセスバルブV1を遮断してから、前記反応ガスがキャリアガス流路1aに不純物として混入しなくなるまでの時間はデッドゾーン長さが短い程短くなる。
前記本実施例1では、前述したように、キャリアガス流路1aおよび前記キャリアガス流路1aに接続する複数の反応ガス連通路1bを1体構造のガス混合ブロック1に形成したので、反応ガス連通路1bの長さ、すなわち、前記常閉プロセスバルブV1からキャリアガス流路1aまでの距離(デッドゾーン)を短く形成することができる。このため、前記デッドゾーンの残留ガスを少なくすることができるとともに、常閉プロセスバルブV1により供給を遮断した反応ガスがキャリアガス中に不純物として混入しなくなるまでの時間が短くなる。すなわち、ガス置換特性に優れるため、タクトタイム(着膜される材料を着膜作業室に入れてから出すまでの所要時間)を短縮することが可能となる。
ガスを混合するためのガス混合ブロック1とプロセスバルブとを一体的に連結する構成としたことにより、混合装置が小型化し、着膜室の直近に配置可能なため、理想的なプロセスガス経路の配置が可能となる。
【0065】
(実施例2)
図10は本発明の実施例2のガス混合装置の部分断面正面図で、前記実施例1の図6に対応する図である。図11は同実施例2で使用する常閉プロセスバルブの説明図で、図11Aは閉状態を示す図、図11Bは開状態を示す図である。
なお、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記実施例1のガス混合装置Uでは図6に示すように、キャリアガス供給パイプT1が右側(Y側)に配置され、混合ガス移送パイプT2は左側(−Y側)に配置されて、キャリアガスは右から左に流れるように構成されている。これに対して、図10に示す本実施例2のガス混合装置Uではキャリアガス供給パイプT1は左側(−Y側)に配置され、混合ガス移送パイプT2は右側(Y側)に配置されており、キャリアガスは左から右に流れるように構成されている。
また、前記ガス混合ブロック1には、その左側面を被覆するカバープレート21が連結されている。前記キャリアガス供給パイプT1の下流端部は前記カバープレート21の中央部に溶接されている。
【0066】
前記ガス混合ブロック1および前記カバープレート21により形成されるキャリアガス流路1aは、前記キャリアガス供給パイプT1に接続する上流端部と混合ガス移送パイプT2に接続する下流端部とを接続する4本の分岐流路1a1を有している。前記4本の分岐流路1a1は、同一の構成を有し、ガス混合ブロック1の外側面の4個のバルブ装着面1cに接近するように形成されている。4本の各分岐流路1a1は、カバープレート21との間に放射状(半径方向)に延びる外向きキャリアガス流路1a2と、その外端からそれぞれ右方に延びる平行キャリアガス流路1a3と、その右端(下流端)から半径方向内向きに延びる内向きキャリアガス流路1a4とを有している。前記4本の各分岐流路1a1はその下流端(内向きキャリアガス流路1a4の下流端)で一本のキャリアガス流路1aの下流端部に接続している。
【0067】
前記外向きキャリアガス流路1a2の上流端には分岐点Q1が設定され、内向きキャリアガス流路1a4の下流端には合流点Q2が設定されている。また、前記平行キャリアガス流路1a3と内向きキャリアガス流路1a4との接続位置はキャリアガスと反応ガスとが混合される混合位置Pが設定されている。
前記分岐点Q1から混合位置Pまでのキャリアガス流路である外向きキャリアガス流路1a2および平行キャリアガス流路1a3により分岐路上流部(1a2+1a3)が構成されている。また、前記混合位置Pから合流点Q2までのキャリアガス流路である内向きキャリアガス流路1a4により分岐路下流部(1a4)が構成されている。
反応ガス連通路1bは前記内向きキャリアガス流路1a4の上流端(前記混合位置P)とバルブ装着面1cとの間を接続するように形成されている。前記内向きキャリアガス流路1a4の上流端(前記混合位置P)は前記バルブ装着面1cと接近した位置に形成されている。このため、前記反応ガス連通路1bの長さは短くなっている。
本実施例2のその他の構成は前記実施例1と同様である。
【0068】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のガス混合装置でUは、キャリアガス供給パイプT1から供給されたキャリアガスは、4本の分岐流路1a1を通ってからキャリアガス流路1aの下流端部の合流点Q2で合流して、前記混合ガス移送パイプT2に流れる。
前記4本の分岐流路1a1を有するキャリアガス流路1aをキャリアガスが流れているとき、常閉プロセスバルブV1が図11Aの状態(閉状態、オフ状態)では反応ガス供給路1fの反応ガスはキャリアガス流路1aに供給されないが、常閉プロセスバルブV1が図11Bの状態(開状態、オン状態)では反応ガスが供給される。
【0069】
前記常閉プロセスバルブV1を図11Bの状態(開状態)から図11Aの状態(閉状態)とすると、前記反応ガスの供給は停止されるが、反応ガス連通路1b(デッドゾーン)には反応ガスが残る。前記デッドゾーンの残留ガスは、キャリアガス流路1aを流れるキャリアガス中に不純物として混入し、前記混入した不純物は半導体製造工程での膜形成に好ましくない影響を与える。しかし、前記反応ガス連通路1b(デッドゾーン)が前記実施例1に比べて短いため、実施例1に比べて比較的短期間で前記残留ガスによる影響が無くなる。
【0070】
(実施例3)
図12は本発明の実施例3のガス混合装置の説明図で、前記実施例2の図11に対応する図であり、図12Aは実施例3のガス混合装置で使用する常開プロセスバルブの開状態を示す図、図12Bは閉状態を示す図である。
なお、この実施例3の説明において、前記実施例2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記実施例2のガス混合装置では前記図11に示すようにプロセスバルブV1として常閉プロセスバルブV1を使用していたのに対し、この実施例3のガス混合装置では図12に示す常開プロセスバルブV1を使用している点で相違しているが、その他の構成は前記実施例2と同一である。
この実施例3も前記実施例2と同様に、前記反応ガス連通路1b(デッドゾーン)が前記実施例1に比べて短いため、実施例1に比べて比較的短期間で前記残留ガスによる影響が無くなる。
【0071】
(実施例4)
図13は本発明の実施例4のガス混合装置の部分断面正面図で、前記実施例2の図10に対応する図である。図14は前記図13のXIV−XIV線断面図である。図15は同実施例4で使用する常閉プロセスバルブの説明図で、図15Aは閉状態を示す図、図15Bは開状態を示す図である。
なお、この実施例4の説明において、前記実施例2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記ガス混合ブロック1および前記カバープレート21により形成されるキャリアガス流路1aは、前記キャリアガス供給パイプT1に接続する上流端部と混合ガス移送パイプT2に接続する下流端部とを接続する4本の分岐流路1a1を有している。前記4本の分岐流路1a1は、同一の構成を有し、分岐流路1a1の中途の部分はガス混合ブロック1の外側面の4個のバルブ装着面1cに開口している。
【0072】
図15において、4本の各分岐流路1a1は、カバープレート21との間に放射状(半径方向)に延びる外向きキャリアガス流路1a2と、その外端からそれぞれ右方に延びる平行キャリアガス流路1a3と、バルブ装着面1cから半径方向内向きに延びる内向きキャリアガス流路1a4と、前記平行キャリアガス流路1a3の右端(下流端)から半径方向外向きに延びて前記バルブ装着面1cに開口する外向きキャリアガス流路1a5と、バルブ装着面1cに形成されたリング状の接続流路1a6とを有している。
前記4本の各分岐流路1a1はその下流端(内向きキャリアガス流路1a4の下流端)で一本のキャリアガス流路1aの下流端部に接続している。したがって、本実施例4では前記実施例2の反応ガス連通路1bは設けられていない。
【0073】
前記外向きキャリアガス流路1a2の上流端には分岐点Q1が設定され、内向きキャリアガス流路1a4の下流端には合流点Q2が設定されている。また、前記平行キャリアガス流路1a3の下流側に接続する外向きキャリアガス流路1a5は、バルブ装着面1cに開口する接続流路1a6に接続している。前記接続流路1a6にキャリアガスと反応ガスとが混合される混合位置Pが設定されている。
前記分岐点Q1から混合位置Pまでのキャリアガス流路である外向きキャリアガス流路1a2、平行キャリアガス流路1a3、外向きキャリアガス流路1a5、および前記接続流路1a6の一部により分岐路上流部(1a2+1a3+1a5+1a6)が構成されている。また、前記混合位置Pから合流点Q2までのキャリアガス流路である前記接続流路1a6の一部および内向きキャリアガス流路1a4により分岐路下流部(1a6+1a4)が構成されている。
【0074】
図14、図15において、反応ガス供給路1fの上流端は、反応ガス供給用接続ブロック12の接続路12aに接続しており下流端はバルブ装着面1cに開口している。前記反応ガス供給路1fは、図14に示すように、内向きキャリアガス流路1a4と交差しないように形成されている。
本実施例2のその他の構成は前記実施例1と同様である。
【0075】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4のガス混合装置Uでは、キャリアガス供給パイプT1から供給されたキャリアガスは、4本の分岐流路1a1を通ってからキャリアガス流路1aの下流端部の合流点Q2で合流して、前記混合ガス移送パイプT2に流れる。
図15から分かるように、キャリアガス流路1aを流れるキャリアガスは、常閉プロセスバルブV1の開閉に関係なく、接続流路1a6を通って流れる。常閉プロセスバルブV1が図15Aの状態(閉状態、オフ状態)では反応ガス供給路1fの反応ガスはキャリアガス流路1aに供給されないが、常閉プロセスバルブV1が図15Bの状態(開状態、オン状態)では反応ガスが分岐流路1a1の接続流路1a6に供給される。
【0076】
キャリアガス流路1aと反応ガス供給路1fとの接続、遮断は、キャリアガスが常時流れている分岐流路1a1の接続流路1a6と反応ガス供給路1fとの接続部分に設けた常閉プロセスバルブV1により行われる。前記常閉プロセスバルブV1を図15Bの状態(開状態)から図11Aの状態(閉状態)とすると、前記反応ガスの供給は停止されるが、分岐流路1a1の接続流路1a6は常時キャリアガスが流れているので、前記実施例2の反応ガス連通路1b(デッドゾーン)のように残留ガスが生じる空間が無い。したがって、キャリアガス流路1aを流れるキャリアガス中にデッドゾーンの残留ガスが不純物として混入することがなくなる。このため、実施例2に比べて高純度のガスを半導体製造装置に供給することができる。
【0077】
(実施例5)
図16は本発明の実施例5のガス混合装置の説明図で、前記実施例4の図15に対応する図であり、図16Aは実施例5のガス混合装置で使用する常開プロセスバルブの開状態を示す図、図16Bは閉状態を示す図である。
なお、この実施例5の説明において、前記実施例4の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記実施例4のガス混合装置では前記図15に示すようにプロセスバルブV1として常閉プロセスバルブV1を使用していたのに対し、この実施例5のガス混合装置では図16に示す常開プロセスバルブV1を使用している点で相違しているが、その他の構成は前記実施例4と同一である。
この実施例5も、前記反応ガス連通路1b(デッドゾーン)が前記実施例4と同様に高純度のガスを半導体製造装置に供給することができる。
【0078】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)本発明は各種のガスを混合して薄膜を形成する各種の装置に適用可能であり、例えば次の装置に適用可能である。
(a)CVD等の各種半導体製造装置。
(b)LCD(液晶表示パネル)製造装置。
(c)HD(ハードディスク)に代表される各種の記憶媒体の薄膜を形成する装置。
(H02)実施例2〜実施例5において、分岐点Q1と合流点Q2とを直接接続する直線状のキャリアガス流路を設けることが可能である。
【0079】
【発明の効果】
前述の本発明のガス混合装置およびガス混合ブロックは、下記の効果を奏する。
(E01)キャリアガスに複数の反応ガスを均一に混合させることができる。
(E02)キャリアガス流路に反応ガスを流入させる反応ガス連通路に設けたプロセスバルブからキャリアガス流路までの前記反応ガス連通路であるデッドゾーンに残留する残留ガスによる不純物の混入を少なくすることができる。
(E03)残留ガスの生じるデッドゾーンを無くすことができる。
(E04)高純度のプロセスガスの混合比が得られるので、高品質の製品(薄膜等)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例1のガス混合装置の全体斜視図である。
【図2】 図2は同実施例1の要部分解斜視図である。
【図3】 図3は同実施例1で使用する常閉プロセスバルブの説明図で、図3Aは閉状態を示す図、図3Bは開状態を示す図である。
【図4】 図4は同実施例1で使用する常開ベントバルブの説明図で、図4Aは開状態を示す図、図4Bは閉状態を示す図である。
【図5】 図5は同実施例1のガス混合装置の正面図(前面図)である。
【図6】 図6は同実施例1のガス混合装置の部分断面正面図である。
【図7】 図7は同実施例1のガス混合装置の上流端側の側面図(図5の矢印VIIから見た図)である。
【図8】 図8は同実施例1のガス混合装置の下流端側の側面図(図5の矢印VIIIから見た図)である。
【図9】 図9は反応ガスの供給または遮断を切り替えるプロセスバルブからキャリアガス流路までの反応ガス流路の長さ(デッドゾーン)とガスの流量と、経過時間と残存不純物濃度との関係を示す図で、図9Aは経過時間が1秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Bは経過時間が10秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Cは経過時間が100秒のときの残存不純物濃度を示す図、図9Dは経過時間が1000秒のときの残存不純物濃度を示す図、である。
【図10】 図10は本発明の実施例2のガス混合装置の部分断面正面図で、前記実施例1の図6に対応する図である。
【図11】 図11は同実施例2で使用する常閉プロセスバルブの説明図で、図11Aは閉状態を示す図、図11Bは開状態を示す図である。
【図12】 図12は本発明の実施例3のガス混合装置の説明図で、前記実施例2の図11に対応する図であり、図12Aは実施例3のガス混合装置で使用する常開プロセスバルブの開状態を示す図、図12Bは閉状態を示す図である。
【図13】 図13は本発明の実施例4のガス混合装置の部分断面正面図で、前記実施例2の図10に対応する図である。
【図14】 図14は前記図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】 図15は同実施例4で使用する常閉プロセスバルブの説明図で、図15Aは閉状態を示す図、図15Bは開状態を示す図である。
【図16】 図16は本発明の実施例5のガス混合装置の説明図で、前記実施例4の図15に対応する図であり、図16Aは実施例5のガス混合装置で使用する常開プロセスバルブの開状態を示す図、図16Bは閉状態を示す図である。
【図17】 図17は従来のガス混合装置の説明図である。
【符号の説明】
P…混合位置、Q1…分岐点、Q2…合流点、V1…プロセスバルブ、
1…ガス混合ブロック、1a…キャリアガス流路、1b…反応ガス連通路、1c…バルブ装着面、1f…反応ガス供給路、1g…反応ガス供給ブロック装着面、12…反応ガス供給用接続ブロック、12a…接続流路、12b…供給側接続口、12c…流入側接続口、12d…排出側接続口。
1a1…分岐流路
(1a2+1a3),(1a2+1a3+1a5+1a6)…分岐流路上流部
(1a4),(1a6+1a4)…分岐流路下流部

Claims (6)

  1. 次の要件(A01)〜(A07)を備えたガス混合装置、
    (A01)キャリアガスが流れるキャリアガス流路、
    (A02)前記キャリアガス流路に複数の異なる反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路、
    (A03)前記複数の各反応ガス供給路から供給される異なる複数の反応ガスをそれぞれ前記キャリアガス流路に流入させる複数の各反応ガス連通路、
    (A04)前記各反応ガス供給路と各反応ガス連通路との間にそれぞれ設けられ、前記反応ガス供給路から供給される反応ガスを前記キャリアガス流路に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ、
    (A05)前記キャリアガス流路の中心線上に設定された1つの混合位置に向けて反応ガスを流入させるように前記キャリアガス流路に接続されると共に、前記キャリアガス流路に接続される端がキャリアガス流路内に突出しない前記複数の各反応ガス連通路、
    (A06)前記各反応ガス連通路に沿った前記プロセスバルブおよび前記混合位置間の流路長さが等しくなるように配置された前記プロセスバルブ、
    (A07)一体構造のブロックの上流側および下流側の側面を貫通して形成された前記キャリアガス流路と、前記混合位置から等距離に形成された複数のバルブ装着面と、前記混合位置から放射状に延びる直線に沿って前記キャリアガス流路よりも細く形成され且つ前記複数の各バルブ装着面にそれぞれ開口する複数の前記各反応ガス連通路とを有するガス混合ブロック。
  2. 次の要件(B01)〜(B05)を備えたガス混合装置、
    (B01)一本のキャリアガス流路の途中に設定された分岐点で複数に分岐され且つ合流点で合流する複数の分岐流路を有し、前記分岐点で分流したキャリアガスが前記合流点で合流するように構成された前記キャリアガス流路、
    (B02)前記複数の各分岐流路にそれぞれ異なる反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路、
    (B03)前記複数の各反応ガス供給路から供給される異なる複数の反応ガスをそれぞれ前記分岐流路に流入させる複数の各反応ガス連通路、
    (B04)前記各反応ガス供給路と各反応ガス連通路との間にそれぞれ設けられ、前記反応ガス供給路から供給される反応ガスを前記分岐流路に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ、
    (B05)前記複数の各分岐流路に設定された混合位置に向けて反応ガスを流入させるように前記分岐流路に接続された前記複数の各反応ガス連通路。
  3. 次の要件(C01)〜(C04)を備えたガス混合装置、
    (C01)一本のキャリアガス流路の途中に設定された分岐点で複数に分岐され且つ合流点で合流する複数の分岐流路を有し、前記分岐点で分流したキャリアガスが前記合流点で合流するように構成された前記キャリアガス流路、
    (C02)前記複数の各分岐流路にそれぞれ異なる反応ガスを供給するための複数の反応ガス供給路、
    (C03)前記複数の各分岐流路に設定された混合位置において前記分岐流路と接続する前記各反応ガス供給路、
    (C04)前記各分岐流路と各反応ガス供給路とが接続する前記混合位置にそれぞれ設けられ、前記反応ガス供給路から供給される反応ガスを前記分岐流路に流入させる連通位置と前記反応ガスの流れを遮断する遮断位置との間で移動可能なプロセスバルブ。
  4. 次の要件(D01)〜(D04)を備えたガス混合ブロック、
    (D01)一体構造の前記ガス混合ブロックの上流側および下流側の側面を貫通して形成され、且つ、キャリアガスが流入する上流側側面と前記流入したキャリアガスが流出する下流側側面間に形成されたキャリアガス流路、
    (D02)前記キャリアガス流路の途中に設定された1つの混合位置から放射方向に同一距離離れた位置に形成された複数のバルブ装着面、
    (D03)前記混合位置から放射方向に延びるとともに前記各バルブ装着面に開口する同一長さ且つ前記キャリアガス流路よりも細い複数の反応ガス連通路、
    (D04)反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面に開口すると共に、前記キャリアガス流路に接続される端がキャリアガス流路内に突出しない複数の各反応ガス供給路。
  5. 次の要件(E01)〜(E05)を備えたガス混合ブロック、
    (E01)キャリアガスが流入する上流側側面と前記流入したキャリアガスが流出する下流側側面間に形成されたキャリアガス流路であって、前記キャリアガス流路の途中に設定された分岐点で複数に分岐され且つ合流点で合流する複数の分岐流路を有し、前記分岐点で分流したキャリアガスが前記合流点で合流するように構成された前記キャリアガス流路、
    (E02)前記各分岐流路の途中に設定された混合位置から等距離に形成された複数のバルブ装着面、
    (E03)上流端が前記分岐点に接続し且つ下流端が前記混合位置に接続する分岐流路上流部と、上流端が前記混合位置に接続し且つ下流端が前記合流点に接続する分岐流路下流部とを有する前記分岐流路、
    (E04)前記混合位置から放射状に延びる直線に沿って形成され且つ前記複数の各バルブ装着面にそれぞれ開口する複数の各反応ガス連通路、
    (E05)反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面に開口する複数の各反応ガス供給路。
  6. 次の要件(F01)〜(F04)を備えたガス混合ブロック、
    (F01)キャリアガスが流入する上流側側面と前記流入したキャリアガスが流出する下流側側面間に形成されたキャリアガス流路であって、前記キャリアガス流路の途中に設定された分岐点で複数に分岐され且つ合流点で合流する複数の分岐流路を有し、前記分岐点で分流したキャリアガスが前記合流点で合流するように構成された前記キャリアガス流路、
    (F02)前記合流点から等距離に形成された複数のバルブ装着面、
    (F03)上流端が前記分岐点に接続し且つ下流端が前記バルブ装着面に開口する分岐流路上流部と、上流端が前記バルブ装着面に開口し且つ下流端が前記合流点に接続する分岐流路下流部とを有する前記分岐流路、
    (F04)反応ガス流入側面に上流端が開口し且つ下流端が前記各バルブ装着面に開口する複数の各反応ガス供給路。
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