JP4454163B2 - 施工中トンネル内の換気方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、施工中のトンネル内における換気方法に関し、特に、切羽で発生する粉塵等の有害物質の除去を目的とする換気方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
施工中のトンネル内の換気方法として、従来、送気方式と排気方式とが知られていた。また、本発明者等は先に、集塵機を用いた施工中トンネル内の換気方法に係る発明を提案した。この方法は、図2に示すように、施工中トンネル10の坑道に坑口11から切羽12に向けて風管14を配設し、この風管14を介して外部の新鮮な空気を強制導入する一方、切羽12近傍に集塵機20を設置し、切羽12で発生する粉塵等を集塵機20によって捕集すると共に集塵機20を通過した空気を坑道内に流し、坑口から排出するものである(特開平9−151700号)。
更に、本発明者等はこの発明を改良して、集塵機20による補集を効果的に行うことのできる施工中トンネル内の換気方法に係る発明も提案している(特開平10−252400号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記本発明者等による集塵機を用いる換気方法によれば、坑道内に粉塵を拡散させることがないので、坑道内の空気を常時清浄に保つことができ、換気性能は勿論のこと、設備費やランニングコスト等の点でも従来の送気方式または排気方式による換気方法より優れている。
しかしながら、集塵機から後方の坑道内は清浄に保たれるものの、粉塵濃度が最も高い切羽から集塵機までの坑道内の環境は十分に浄化された状態にあるとは言い難く、例え、集塵機を切羽にできるだけ近づけたとしても、切羽付近における坑道内空気の浄化には自ずと限界がある。
本発明は、上記集塵機を用いる換気方法の改良に係るものであり、切羽から坑口に至る全坑道内の空気を清浄化することのできるトンネル内の換気方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る施工中トンネル内の換気方法は、切羽で発生する粉塵等を切羽近傍に設置した集塵機により捕集し、該集塵機にて浄化した空気の一部とトンネル外部から導入した新鮮な空気とを切羽に向けて送風することにより集塵機・切羽間を清浄化すると共に、前記集塵機にて浄化した空気の残部を坑道を経て坑口から排出することを特徴とするものである。
前記切羽に向けた送風は横型軸流送風機で行うことが好ましい。
前記集塵機の排気量を前記横型軸流送風機の送風量より大きくすると共に、該集塵機の排気側に風管を接続し排気口を坑口側へ向けて所定長さ延長することにより坑道内にエアーカーテン帯域を形成することが好ましい。
【0005】
【作用】
坑道内にエアーカーテン帯域が形成されることにより、切羽において発生した粉塵等は該エアーカーテン帯域により遮断され、集塵機に確実に捕集される。従って、坑道内には常時、浄化された空気が流れるようになり、また、坑道内のディーゼル機関による排ガスなどもこの浄化空気により換気される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は、本発明方法を説明するためのトンネル断面図であり、施工中のトンネル10の坑道内には坑口11から切羽12に向けて風管14が配設され、風管14から外部の新鮮な空気が供給される。当該空気は、坑内作業において消費される、内燃機関のための燃焼用の酸素と、作業員のための呼吸用の酸素を補充するためのものであり、長距離の送風に要する消費電力の点からも必要最少量とされている。
【0007】
切羽12の手前には集塵機20を設置し、切羽12で発生する粉塵やヒュームを補集する。
集塵機20の定格風量は、切羽から生じる粉塵等の混在した汚染空気を十分に捕捉し得る容量のものを選定することが必要である。また、集塵機20の排気量は、後述する送風機30による浄化空気の送風量よりも大きくなるようにすることが好ましく、トンネルの規模にもよるが、例えば、トンネル断面が80m2 程度の場合には、最大風量3500m3 /分程度のものが用いられる。
また、集塵機20は、フィルタの目詰まり防止対策を考慮した、連続自動再生機能を保有するものが好ましい。
【0008】
集塵機20の排気口には坑口11側へ向けて風管24を接続しておくことが好ましい。風管24には風管14と同様、合成樹脂製のダクトを使用することができる。集塵機20の排気量が送風機30の送風量よりも大きければ、集塵機20の吸気口から風管24の坑口11側先端部までの間の坑道には、後述するエアーカーテン帯域Aが形成される。風管24の長さは、トンネル10の断面積等を考慮して決定する。
【0009】
前記エアーカーテン帯域Aには送風機30を設置する。送風機30の定格風量は、切羽から生じる粉塵等を、新鮮な空気および浄化された空気によって十分に希釈して、目標とする粉塵濃度以下にすることができるものとする。このような送風機30としては、吐出風量が大きく低圧のものを用いることが好ましく、例えば、ジェットファン等と呼ばれる横型軸流送風機を挙げることができる。
【0010】
上記実施形態において、切羽12近傍には坑内作業に必要とされる新鮮な空気(空気量Q1 )が風管14より供給される。切羽12において発生した粉塵等は大容量の集塵機20に全て捕捉され、浄化された空気(空気量Q2 )が風管24を通って坑道内を坑口11に向けて流される。
送風機30は風管14より供給される新鮮な空気(空気量Q1 )と、集塵機20で浄化した空気の一部(空気量Q3 )との合計空気量Q1 +Q3 を切羽12に向けて送風する。従って、切羽12において発生した粉塵等はこの合計空気量Q1 +Q3 によって希釈される。なお、集塵機20で浄化した空気の残り(空気量Q2 −Q3 )は、坑道を経て坑口11から排出される。
【0011】
本実施形態において、集塵機20の風管24から流れる浄化空気量Q2 を、切羽12に供給される合計空気量Q1 +Q3 より大きく設定しておけば、風量のバランスからQ2 −(Q1 +Q3 )に相当する坑内空気が坑道から切羽12に向かって流入することになり、この空気流は坑道内において風管24の坑口11側先端部から集塵機20に向かう層流となり、この間にエアーカーテン帯域Aが形成される。
従って、切羽12において発生した粉塵等はエアーカーテン帯域Aにより遮断され、集塵機20に確実に捕集されるので、坑道内には常時、浄化された空気が流れるようになる。また、坑道内のディーゼル機関による排ガスなどもこの浄化空気により換気され、排ガスの濃縮化の虞もない。
【0012】
【実施例】
1.トンネル施工
トンネル延長2000m、トンネル掘削断面積80m2 のトンネル施工例により、本発明の換気方法を詳述する。工事は片側片押し施工で、6ブームガントリージャンボと大型機械により行った。
【0013】
2.換気計画
トンネル吹付作業時に発生する平均粉塵量は、8000mg/分程度である。本実施例では、施工中トンネルの粉塵濃度を、機械掘削、穿孔、発破、ずり処理、コンクリート吹付の各工種、作業を通じて3mg/m3 以下とするように計画した。また、その他の坑内作業や坑内通路は1mg/m3 以下となるように管理する。粉塵濃度は切羽12の後方50m地点で測定した。
【0014】
3.実施例
図1に示すように、切羽12の後方80mに定格風量3500m3 /分の集塵機20を設置し、この集塵機20により、切羽12で生する発破の後ガス、煤煙、吹付作業、ずり積み込み作業の粉塵、排ガスなどの有害物質を除去し、浄化空気を得た。
送気用の風管14には1600mmφのビニール軟管を用い、新鮮な空気を風量1200m3 /分で供給し、集塵機20からは浄化空気量3000m3 /分を排気した。
【0015】
本実施例では、新鮮な空気量1200m3 /分と、集塵機20によって浄化された空気量3000m3 /分の一部である空気量1800m3 /分、即ち、合計空気量3000m3 /分が送風機30によって切羽12に送られる。よって、切羽12から集塵機20に至る坑道内の粉塵濃度は2.7mg/m3 に希釈される。なお、集塵機20の後方の坑道内には、浄化空気1200m3 /分が坑口に向かって流れ、粉塵濃度は0.5mg/m3 となった。
【0016】
4.比較例
図2に示した集塵機20を併用した送気方式により、前記換気計画を実施した。そこで、坑口に換気ファンを設置し、風管14から切羽12に向けて新鮮な空気を風量3000m3 /分で供給した。このため、換気ファンとして、220kw×2機と180kw×2機の2系列必要となった。また、集塵機20からは浄化した空気を風量3500m3 /分で排気した。
【0017】
上記実施例と比較例の各換気設備の運転に必要な消費電力を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、施工中トンネルの切羽で生する各種粉塵を集塵機により捕捉した上で、集塵機の後方は勿論、切羽から坑口に至る全坑道内の空気を清浄化することができる。しかも、トンネルの換気に要する設備費、電気料金等の換気コストも低廉に抑えることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の発明によれば、上記トンネルの換気に要する設備費、運転コストをより一層低下させることができる。
請求項3記載の発明によれば、坑道内に粉塵を拡散させることがなく、全体として坑道内の空気環境を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の換気方法を説明するためのトンネル断面図である。
【図2】従来例である集塵機を用いた換気方法を説明するためのトンネル断面図である。
【符号の説明】
10 トンネル
11 坑口
12 切羽
14 風管
20 集塵機
24 風管
30 送風機
A エアーカーテン帯域
Claims (2)
- 切羽で発生する粉塵等の有害物質を切羽近傍に設置した集塵機により捕集し、該集塵機にて浄化した空気の一部とトンネル外部から導入した新鮮な空気とを切羽に向けて送風することにより集塵機・切羽間を清浄化すると共に、前記集塵機にて浄化した空気の残部を坑道を経て坑口から排出する施工中トンネル内の換気方法において、前記切羽に向けた送風を横型軸流送風機で行うことを特徴とする施工中トンネル内の換気方法。
- 前記集塵機の排気量を前記横型軸流送風機の送風量より大きくし、該集塵機の排気側に風管を接続し排気口を坑口側へ向けて所定長さ延長することにより坑道内にエアーカーテン帯域を形成する請求項1記載の施工中トンネル内の換気方法。
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