JP4453346B2 - 微小流路構造体及びそれを用いた化学操作方法 - Google Patents

微小流路構造体及びそれを用いた化学操作方法 Download PDF

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Description

本発明は、化学反応や液滴生成、分析などを行なう微小流路を有する微小流路構造体において、微小流路に導入した流体の混合や溶媒抽出、化学反応、分離等を行なうに好適な微小流路構造体とそれを用いた化学操作方法に関する。
近年、数cm角のガラス基板上に長さが数cm程度で、幅と深さがサブμmから数百μmの微小流路を有する微小流路構造体を用い、流体を微小流路へ導入することにより化学反応を行う研究が注目されている。このような微小流路では、微小空間での短い物質拡散距離および大きな比界面積の効果によるすみやかな物質拡散により、特別な攪拌操作を行なわなくとも効率の良い溶媒抽出や化学反応を行なうことができることや、化学反応によって生じた反応生成物が反応相から抽出相へすばやく溶媒抽出、分離されることによって、引き続いて起こる副反応が抑えられることが示唆されている(例えば、非特許文献1参照)。
ここで微小流路とは上記微小空間の特徴が現れる空間であれば特に流路の幅や、流路の深さは限定されないが、一般に流路の幅が50〜300μm、流路の深さが10〜100μmの大きさの流路を意味する。また、溶媒抽出とは、抽出溶媒に抽出対象物質を被抽出溶媒から抽出することを意味しており、本明細書では、液体からなる液相を蒸発させて隣接する気体からなる気相に取り込むことも溶媒抽出のひとつに含まれる。
上記の例等では、図1に示すようにY字状の微小流路に原材料を溶かした水相(1)と有機相(2)を導入し、Y字の合流部分で形成される有機相と水相の流体境界(3)で溶媒抽出や化学反応を実施している。
一般的に、マイクロスケールの流路内ではレイノルズ数が1より小さいケースがほとんどであり、よほど流速を大きくしない限りは図1に示すような層流の状態となる。また、物質の拡散時間は微小流路の幅(9)の2乗に比例するので、微小流路の幅(9)を小さくするほど反応液を能動的に混合しなくとも物質の拡散によって混合が進み、溶媒抽出や化学反応が起こりやすくなる。なお、流体境界は層流界面といわれることもある。
また、図2に示すように、微小流路の流体排出口(12)をY字にしておくことで、水相と有機相を分離することができるということが一般的に言われている。このように流体排出口で導入した流体を完全に分離して排出することは、微小流路内で流体が接触することによって生じる溶媒抽出や化学反応を微小流路の分岐部(4)において完全に停止させたり、一度微小流路に導入した流体を再利用する上でも非常に重要な機能である。
ここで通常図1のような微小流路を用いた場合、溶媒抽出や化学反応の進行は、主に流体境界(3)における隣接する流体間に含有している物質の濃度差から生じる拡散で進行し、一般に流体を供給する流速(以下、送液速度と称する)が遅いほど、あるいは流路長が長いほど、溶媒抽出や化学反応がより進行する。すなわち、隣接する流体同士の接触時間が長いほど溶媒抽出や化学反応がより進行するといわれている(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、送液速度を遅くすることにより隣接する流体同士の接触時間を長くすると、微小流路内での溶媒抽出や化学反応の進行の度合いは高くなるが、単位時間あたりの収量は減ってしまうという問題があった。
また送液速度一定で流路長を長くすることで隣接する流体同士の接触時間を長くすると、微小流路内での溶媒抽出や化学反応の進行の度合いは高くなるが、流路長が長くなるほど圧力損失が大きくなり、流体を送液することが難しくなるという問題があった。
さらに、流体境界で溶媒抽出や化学反応が進行するため、抽出物質や反応生成物が流体境界の近傍に蓄積され、微小流路内で抽出物質や反応生成物の濃度分布が生じ、流体境界の近傍で抽出物質や反応生成物の濃度が最も高くなる。このため、流体境界の近傍では溶媒抽出や化学反応が飽和状態となるため、流体境界の近傍での溶媒抽出や化学反応の進行が遅くなる。従って、前述した微小空間での化学反応の特徴である効率の良い化学反応、すばやい溶媒抽出、分離および副反応の抑制といった効果を十分に得ることができなかった。前述したように微小流路の幅(9)を狭くすればさらに物質の拡散時間を短くでき、流体境界の近傍での反応生成物の蓄積を抑えることはできるが、微小流路の幅が狭いほど圧力損失が大きくなるため流体を送液することが難しくなり現実的ではない。また、能動的に流体境界を崩して混合すれば、反応生成物は流路内に均一に分布させることができるので溶媒抽出や化学反応の効率は向上する可能性はあるが、流体は懸濁状になり反応生成物を反応相から容易に分離することができず、溶媒抽出、分離の効果や副反応の抑制効果が十分得られなかった。
H.Hisamoto et.al.(H.ひさもと ら著)「Fast and high conversion phase−transfer synthesis exploiting the liquid−liquid interface formed in a microchannel chip」, Chem.Commun., 2001年発行, 2662−2663頁
藤井、「集積型マイクロリアクターチップ」、ながれ20巻、2001年発行、99〜105頁
本発明の目的は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであり、2種以上の流体を微小流路に導入し、多相の層流状態を維持したまま、隣接する2種の流体間における溶媒抽出や化学反応を、より速い流体の送液速度であっても、より短い微小流路の流路長で十分に進行させ、かつ現実的に送液可能な微小流路の幅で実施することができる、微小流路構造体とそれを用いた高効率な化学反応および/または溶媒抽出等の化学操作方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するものとして、流体を導入するための2以上の導入口及びそれらに連通する導入流路と、前記導入流路が合流する合流部と連通しかつ導入された流体を流すための微小流路と、前記微小流路に連通しかつ所定の流体を排出する排出流路及びそれらに連通する排出口と、を有した微小流路構造体であって、2種以上の流体により形成される境界近傍の流体の線速度が流路内壁近傍以外の部分での流体の線速度よりも遅くなるように、2種以上の流体により形成される境界近傍に沿って、流体進行方向に複数の不連続な仕切壁が形成した微小流路構造体、殊に、流体進行方向の前記不連続な仕切り壁と仕切り壁の間隔をL、微小流路の幅をdとしたときに、0<L/d<8となることを特徴とする微小流路構造体を用いることにより、2種の流体間で化学反応および/または溶媒抽出を高効率に実施できることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
なお本発明においては、「2種以上の流体により形成される境界」という表現を、本発明では「流体境界」という表現と同意語で使用している。また、流体を排出する排出流路とそれに連通する排出口は1組でも良いし、導入した各々の流体を分離して排出できるように導入した流体と同数の排出流路とそれに連通する排出口を有していても良いし、導入した各々の流体の数によらず複数の排出流路とそれに連通する排出口を有していても良い。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、通常、水、有機溶媒等の媒体に目的とする反応物、あるいは抽出対象となる物質を溶解した2種以上の流体を微小流路構造体に形成されている微小流路に導入し、導入された流体を微小流路空間内で多相の層流を維持したまま送液することができる微小流路構造体であり、この微小流路構造体を用いて、隣接して接触する流体間で物質の拡散により化学反応および/または溶媒抽出を行う化学操作の実施方法である。
このため、本発明に用いる微小流路構造体には、流体を導入するための2以上の導入口及びそれらに連通する導入流路と、前記導入流路が合流する合流部と連通しかつ導入された流体を流すための微小流路と、前記微小流路に連通しかつ所定の流体を排出する排出流路及びそれらに連通する排出口と、を有した微小流路構造体であって、2種以上の流体により形成される境界近傍の流体の線速度が流路内壁近傍以外の部分での流体の線速度よりも遅くなるように、2種以上の流体により形成される境界近傍に沿って、流体進行方向に複数の不連続な仕切壁が形成されている微小流路構造体である必要がある。
ここで、上記の微小流路とは、微小空間の特徴が現れる空間であれば特に流路の幅や、流路の深さは限定されないが、一般的に幅500μm以下、深さ300μm以下のサイズの流路であり、好ましくは、流路の幅が50〜300μm、流路の深さが10〜100μmの大きさの流路を意味する。また、導入流路と排出流路の幅と深さは特に制限はないが、微小流路と同様の幅と深さであっても良い。また、導入口と排出口の大きさも特に制限はないが、一般的に直径約0.1mm〜数mm程度の大きさであれば良い。
さらに、微小流路内に前記仕切り壁を設けることにより、本発明の主たる効果である化学反応や溶媒抽出を高効率に実施することができるという効果だけでなく、導入された2種以上の流体のうち、隣接する流体が互いに混入することはなく、安定した多相の層流を維持したまま、所定の排出流路に各々の流体を互いに隣接する流体の混入しないで排出することも可能としている。ここで『混入することなく』あるいは『混入しない』とは、前記微小流路において隣接する流体の混入が無いことを意味する。また以下では、この『混入することなく』あるいは『混入しない』を『多層相流分離が可能』、逆に『混入する』を『多層相流分離が不可能』ということもある。
ここで発明者らが行った実験では、仕切り壁と仕切り壁の間隔があまり大きくなりすぎると、流体境界が不安定になり、2相以上の流体で形成された層流の流体境界が安定に形成されず、多層相流分離が不可能になる。例えば流路幅が100μmの場合、仕切り壁と仕切り壁の間隔が800μmを超えると多層相流分離が不可能になってくる。
またこの仕切り壁の高さは、流路の深さに対してあまり低いと本発明による効果を得ることができないことがある。このため、仕切壁の高さは流路の深さに対して20%以上の高さであることが好ましく、さらには隣接する流体が微小流路内で確実に互いに混入しないようにするためには、その仕切壁の高さが流体が仕切り壁を越えて隣接する他の流体の相へ移動することができない程度の高さが好ましく、さらには微小流路深さと実質的に等しいことがより好ましい。
以上のことから本発明では、『多層相流分離が可能』なことが前提条件である。
以下、本発明の微小流路構造体について図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
本発明に示したような、微小流路内に流体進行方向に不連続な仕切り壁を流体境界の近傍に沿って形成することにより、流体境界を安定に保ちながらその流体境界で化学反応や溶媒抽出を行った場合、仕切り壁がない単純な構造の微小流路と比較して溶媒抽出や化学反応の効率は飛躍的に高まる。その原理を図3および図4を用いて以下に説明する。
図3および図4は、2流体が層流を形成した場合の流体境界付近の流体の線速度を示した図である。図3は仕切り壁の無い場合を示し、図4は仕切り壁がある場合を示す。図中の微小流路内に描かれた矢印は、流体の線速度ベクトル(15)であり、矢印の長さが長いほど、線速度が速いことを示している。
図3に示すように、仕切り壁が無い場合は、流体の線速度は、2流体間の境界付近で最も速くなる。これに対し、溶媒抽出や化学反応の効率に直接影響するそれぞれの流体に含有する物質の流体間の拡散運動は、流体進行方向に対して垂直な方向であるために、流体進行方向の線速度が最も速い流体境界で流体進行方向に対して垂直な方向の拡散運動は最も妨げられてしまう。
一方、図4に示すように、2流体間の境界付近あるいはその近傍に不連続な仕切り壁がある場合、その仕切り壁と仕切り壁の間隔がある程度狭くなると、流体の線速度は流体境界付近で流路内壁近傍以外の部分よりも遅くなる。これは、不連続な仕切り壁が存在することで、その仕切り壁の近傍では線速度がほぼゼロとなり、仕切り壁が途切れると、流体を送液する送液圧の力により生じる加速度で線速度は次第に速くなるが、仕切り壁が無い場合の線速度に達する前に再び仕切り壁が存在するため、仕切り壁のせん断応力により線速度が再びほぼゼロになる。
この現象を円管内層流における流体の内部摩擦にもとづく圧力損失を表す理論式であるハーゲン−ポアズイユの式及び仕切り壁によって生じるせん断応力の式を用いて説明する。図18に示すように、直径d[m](38)の水平円管内(39)を流体が線速度u[m/s](40)で層流を形成して流れている場合、両方の円管端面(41)に作用する圧力P1とP2の差である圧力損失ΔP[Pa]は、
ΔP=P2−P1=32μLu/d (式1)
となる。これをハーゲン−ポアズイユの式という。ここで、μ[Pa・sあるいはkg/(m・s)]は粘性係数、L[m]は流路長(42)である。今、図19に示すように微小流路に密度と粘性係数の等しい2つの流体A(13)と流体B(14)が層流となって層流界面を形成して流れている場合、その層流界面に一定の長さJ(43)と一定に間隔L(42)を有する仕切り壁(22)が存在するとき、流体進行方向の仕切り壁仕と切り壁の間に生じる2流体間に働くせん断応力τ[Pa]は、
τ=fρu/2 (式2)
となる。ここで、fはファニングの管摩擦係数、ρ[kg/m]は流体の密度、u[m/s]は流体の線速度u[m/s]である。一般に管内が層流の場合、ファニングの管摩擦係数fは、無次元の係数であるレイノルズ数Reを用いると、
f=16/Re (式3)
また、レイノルズ数Reは
Re=ρuL/μ (式4)
で表される。(式3)と(式4)から(式2)のせん断応力τは以下のようになる。
τ=8μu/L (式5)
仕切り壁での流体の線速度はゼロであり、仕切り壁と仕切り壁の間は流体の進行方向に働く力ΔPと、流体進行方向の仕切り壁仕と切り壁の間に生じる2流体間に働くせん断応力τの差による力によって、流体に加速度a[m/s]が生じることから、以下の式が成立する。
Ma=(ΔP−τ)・S (式6)
ここで、M[kg]は微小流路の流路長L内に存在する流体の質量、S[m]は微小流路の断面積であり、
ρ=M/L・S (式7)
(式1)、(式5)、(式6)、(式7)から加速度aは、
a=(8μu/ρL)・(4L/d−1/L) (式8)
となる。
ただし、図18の管径は図8(b)の流路幅と等価であると考え、微小流路の幅はdとし、図8(a)の流路長Lと図19の仕切り壁と仕切り壁の間隔は等価でわると考え、仕切り壁と仕切り壁の間隔はLとした。(式8)から加速度微aが正の値の場合、一般的に知られる速度v、時間t、加速度a、距離Lに関する以下の関係式(式9)、(式10)から、微小流路の仕切り壁と仕切り壁の間隔Lの間で時間とともに流体の線速度がが大きくなる。
v=a・t (式9)
L=0.5・a・t (式10)
ここで、(式9)から仕切り壁と仕切り壁の間隔Lが短いほど流体の接触時間tが短くなり、流体境界の流体の線速度は遅くなり、流体境界での高効率な溶媒抽出及び/または化学反応が可能となるが、仕切り壁と仕切り壁の間隔Lが0、すなわちt=0では、流体と流体の接触時間が0、すなわち流体と流体は接触することがなくなり、流体間での物質移動が生じないため、本発明として意味をなさなくなる。従って、少なくとも仕切り壁と仕切り壁の間隔Lは0より大きくしなければならず、本発明における、仕切り壁と仕切り壁の間隔Lを微小流路の幅dで割ったL/dの値は0より大きいことが条件となる。
逆に、(式9)から仕切り壁と仕切り壁の間隔Lが大きいほど流体の接触時間流tが長くなるので、体境界での流体の線速度は次第に速くなり、流体境界での高効率な溶媒抽出及び/または化学反応の効果が小さくなっていく。それと同時に仕切り壁と仕切り壁の間隔Lがあまり大きくなりすぎると、流体境界が不安定になり、2相以上の流体で形成された層流の流体境界が安定に形成されず、多層相流分離が不可能になる。発明者らの行った実験経験から、前述したように、例えば微小流路の幅dが100μmの場合、仕切り壁と仕切り壁の間隔Lが800μmになると多層相流分離が不可能になってくる。従って、2相以上の流体で形成された層流の流体境界が安定に形成されて多層相流分離が可能であることが前提である本発明においては、微小流路の幅dが100μm、仕切り壁と仕切り壁の間隔Lが800μmの微小流路の幅dと仕切り壁と仕切り壁の間隔Lの条件では意味が無くなる。よって、本発明における、仕切り壁と仕切り壁の間隔Lを微小流路の幅dで割ったL/dの値は8を超えないことが条件となる。
さらに本発明における最適な条件は、流体境界の流体の線速度が実質的にゼロになれば良く、(式9)における加速度aが実質的にゼロであればよい。(式8)からaがゼロとなる条件を導くと、
L/d=0.5 (式11)
となる。従って、微小流路の幅dに対する不連続な仕切り壁の間隔Lの比を0.5に設計することにより、理論的に流体境界での流体の加速度を実質上ゼロにすること、すなわち、流体境界での流体の線速度を実質的にゼロにすることができ、流体境界での高効率な溶媒抽出及び/または化学反応に対して、より理想的な微小流路構造体を設計することができる。
以上のことから、現実的に送液可能な微小流路の構造としては、流体進行方向の前記不連続な仕切り壁と仕切り壁の間隔をL、微小流路の幅をdとしたときに、0<L/d<8とすればよく、より好ましい範囲として0<L/d≦0.5とすればさらによく、このように設計された微小流路構造体は、本願発明の効果を奏することができる。
以下では、流体境界での流体の線速度が遅くなると流体境界での高効率な溶媒抽出及び/または化学反応が実現できることをさらに詳しく説明する。
本発明においては、流体境界での流体の線速度を実質的にゼロあるいは非常に遅い状態が仕切り壁と仕切り壁の間で常に繰り返される。これにより、化学反応や溶媒抽出の効率に直接影響し、流体進行方向に対して垂直な方向であるそれぞれの流体に含有する物質の流体間の拡散運動は、隣接する流体境界の流体進行方向の線速度が非常に遅いために妨げられることがなくなり、速やかに流体間を物質が移動することが可能となる。またこの場合、送液速度は同じであることから、仕切り壁の近傍以外かつ流路内壁近傍以外の部分の流体の線速度は、仕切り壁がない微小流路の場合よりも逆に速くなる。従って、ある程度の距離まで他方の流体に拡散した物質は、流体境界付近から少し離れたところで速やかに流体進行方向に流体の線速度に従って流されていくために、流体境界付近に溶媒抽出した物質や化学反応した反応生成物が蓄積することによる流体境界付近のみで溶媒抽出や化学反応の平衡状態あるいは飽和状態を回避することが可能である。従って、仕切り壁と仕切り壁の間では、常に物質拡散が速やかに行われ、仕切り壁から微小流路の外側に向かって少し離れたところでは拡散した物質が速やかに流体進行方向に排出されていく状態が実現されている。よって、流体境界の近傍に沿って形成された流体進行方向に不連続な仕切り壁により、流体境界を安定に保ちながらその流体境界で化学反応や溶媒抽出を実施した場合は、仕切り壁がない単純な構造の微小流路と比較して溶媒抽出や化学反応の効率は飛躍的に高まる。
本発明における微小流路の態様のいくつかを図5〜図8に示した。なお本発明は、これらの態様に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。図5に示すように仕切り壁(22)を合流部(37)および分岐部(4)から離れた位置に形成することが基本的な態様であるが、図6に示すように微小流路の分岐部に最も近い仕切り壁が、微小流路の分岐部と連通していてもよい。このようにすることで、隣接する流体をゆるやかに分離し、各々の流体が混入しないようにすることができる。また、仕切り壁が、導入流路の合流部近傍(5)と排出流路の分岐部近傍(6)を除いて、存在しない箇所が1箇所以上ある、すなわち、図7に示すように、流体境界の近傍に沿って形成された流体進行方向の仕切り壁と仕切り壁の間隔が微小流路における導入流路近傍及び/または排出流路近傍以外の部分との流体進行方向の仕切り壁と仕切り壁の間隔より短くなるように、合流部近傍と分岐部近傍には合流部から連続した仕切り壁および分岐部から連続した仕切り壁を形成すること、あるいは、図8に示すように、合流部近傍と分岐部近傍の部分において、合流部から流体境界の近傍に沿って流体進行方向に連続して仕切り壁および分岐部から連続した仕切り壁を形成してもよい。この仕切り壁が流体進行方向に存在しない箇所が排出流路の分岐部近傍を除いて1箇所以上存在するということは、すなわち仕切り壁が少なくとも流体進行方向に1以上形成されていることを意味する。
また、仕切り壁の流体進行方向における最長の長さが、すべて同じ長さになるように複数の仕切り壁を設けてもよいが、異なる長さの仕切り壁であっても差し支えない。また、流体進行方向の仕切り壁と仕切り壁の間隔も、同じ間隔であってもよいし異なる間隔であってもよい。
また、図17に示すように本発明における微小流路(19)の直線以外の形状の部分において、前記仕切り壁(22)が前記微小流路の直線以外の形状の部分の直前の近傍付近(7)から前記微小流路の直線以外の形状の部分の直後の近傍付近(7)まで連続していることが望ましい。ここでいう近傍とは、特に制限はないが好ましくは5000μm以内を意味する。例えば、曲線状の微小流路に流体を流した場合、微小流路の曲線状の部分において遠心力が働くことで、曲線状の微小流路の内側の流体が外側の流体に向かって押し出されるような形状になり、流体進行方向の仕切り壁と仕切り壁の間に流体の流れが生じ、前述した流体間の物質の移動を妨げてしまう。しかしながら、微小流路の直線以外の形状の部分において、前記仕切り壁が前記微小流路の直線以外の形状の部分の直前の近傍付近から前記微小流路の直線以外の形状の部分の直後の近傍付近まで連続して仕切り壁を形成することで、この様な現象を防ぐことができる。
ここで、微小流路の幅方向に対する仕切り壁の位置は、特に制限されず、送液する流量や流速、粘性などの溶液の性質に応じて変更することができる。当然、化学反応や溶媒抽出より隣接する流体の粘性が変化して流体境界の位置が流体進行方向に従って徐々に変化する場合でも、予め粘性の変化をシミュレーション等により計算し予測しておけば、予測した流体境界の近傍に沿って仕切り壁を設ければ良い。逆に、仕切り壁を流路の幅方向に対して中央付近に形成した微小流路に粘性が異なる流体を流した場合は、流体の粘性に逆比例した送液速度で流体を送液すれば流体境界を仕切り壁付近に形成することができる。また、仕切り壁の厚さ(23)は特に限定されないが、送液自体を妨げないように流路幅の3〜10%程度が好ましい。また、流体境界の近傍に沿って形成された流体進行方向における仕切り壁と仕切り壁の最短の間隔(25)の最小値は、仕切り壁(22)が不連続であれば特に制限はないが、約50[μm]程度が好ましい。
以上のような微小流路構造体を構成している微小流路を有する微小流路基板は、例えばガラスや石英、セラミック、シリコン、あるいは金属や樹脂等の基板材料を、機械加工やレーザー加工、エッチングなどにより直接加工することによって製作できる。また、基板材料がセラミックや樹脂の場合は、流路形状を有する金属等の鋳型を用いて成形することで製作することもできる。なお一般的に、前記微小流路基板は、流体導入口、流体排出口、および各微小流路の排出口に対応する位置に直径数mm程度の小穴を設けたカバー体と積層一体化させた微小流路構造体として使用する。カバー体と微小流路基板をの接合方法としては、基板材料がセラミックスや金属の場合は、ハンダ付けや接着剤を用いたり、基板材料がガラスや石英、樹脂の場合は、百度〜千数百度の高温下で荷重をかけて熱接合させたり、基板材料がシリコンの場合は洗浄により表面を活性化させて常温で接合させるなどそれぞれの基板材料に適した接合方法が用いられる。
本発明の化学操作の実施方法によれば、流体を導入するための2以上の導入口及びそれらに連通する導入流路と、前記導入流路が合流する合流部と連通しかつ導入された流体を流すための微小流路と、前記微小流路に連通しかつ所定の流体を排出する排出流路及びそれらに連通する排出口と、を有した微小流路構造体であって、2種以上の流体により形成される境界近傍の流体の線速度が流路内壁近傍以外の部分での流体の線速度よりも遅くなるように、2種以上の流体により形成される境界近傍に沿って、流体進行方向に複数の不連続な仕切壁が形成されていることにより非常に高効率な溶媒抽出及び/または化学反応を実施することが可能となり、より短い流体の接触時間で高効率な溶媒抽出や化学反応を実施することができるため、流体進行方向に不連続な仕切壁のない単純な構造の微小流路よりも送液速度を速くすることが可能となる。従って、隣接する流体同士の接触時間を長くするために送液速度を遅くすることにより単位時間あたりの収量は減ってしまうという従来の問題を解決し、より速い送液速度でも十分な溶媒抽出及び/または化学反応の実施が可能となり、単位時間あたりの収量を高くすることが可能となる。
また本発明の微小流路構造体において、流体進行方向の前記不連続な仕切り壁と仕切り壁の間隔をL、微小流路の幅をdとしたときに、0<L/d<8と設定することで、2相以上の流体で形成された層流が安定に形成されて多層相流分離が可能でありかつ流体境界での流体の線速度を、流体内部より遅くすることができ、高効率な溶媒抽出及び/または化学反応に対して、理想的な微小流路構造体とすることができる。さらにより好ましくは、0<L/d≦0.5と設定することにより、理論的に流体境界での流体の加速度を実質上ゼロにすることができ、流体境界での流体の線速度を実質的にゼロにすることができ、高効率な溶媒抽出及び/または化学反応に対して、より理想的な微小流路構造体とすることができる。
また本発明の化学操作の実施方法によれば、より短い流体の接触時間でも十分に高効率な溶媒抽出や化学反応を実施することができるため、流体進行方向に不連続な仕切壁のない単純な構造の微小流路よりも流路長を短くすることが可能となる。従って、隣接する流体同士の接触時間を長くするために流路長を長くすることで圧力損失が大きくなり、流体を送液することが難しくなるという従来の問題を解決し、より短い流路長で高効率な化学反応かつ/または溶媒抽出の実施が可能となる。これにより、微小流路の集積化による大量な化学的処理(化学反応かつ/または溶媒抽出)を行う場合、単位面積あたりの微小流路の本数を増やすことが可能となり、微小流路をより高密度に微小流路基板に実装することが可能となる。
さらに本発明の化学操作の実施方法によれば、隣接する流体間で速やかに物質移動が行われ、他の相に移動した物質は速やかに流体進行方向に流されるため、流体境界で溶媒抽出や化学反応が進行することによる、反応生成物や抽出物質が流体境界の近傍に蓄積されることが無くなる。これにより、流体境界で化学反応や溶媒抽出が進行することによる、反応生成物や抽出物質が流体境界の近傍に蓄積され、微小流路内で濃度分布が生じ、流体境界で反応生成物や抽出物質の濃度が最も高くなり、流体境界の近傍において化学反応や溶媒抽出が飽和状態となるため、流体境界での化学反応や溶媒抽出の進行が遅くなり、微小空間での化学反応の特徴である効率の良い溶媒抽出や化学反応、多相層流分離および副反応の抑制といった効果を十分に得ることができないという従来の問題を解決することができ、本発明の化学反応及び/または溶媒抽出の実施方法により高効率な化学反応及び/または溶媒抽出の実現と同時に、副反応の抑制効果を実現することが可能となる。また、流体境界の近傍に沿って流体進行方向に不連続な仕切り壁を形成することで流体境界が非常に安定となるため、隣接する流体間において、流体を混入しないようにすることが可能となり高い多相層流分離能を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
実施例1として、図14に示すような微小流路構造体を製作した。微小流路(19)の形状は、導入口a(28)と導入口b(29)に連通する導入流路と排出口c(30)と排出口d(31)に連通する、排出流路がそれぞれY字状に2本に分岐している微小流路(19)を用いた。形成した微小流路の幅は100μm、深さは25μm(図14におけるC−C’断面を示す図15、D−D’断面を示す図16に認められる)、長さは30mmである。また、微小流路内部の構造として、微小流路の中央付近には、図13に示したような流体進行方向に不連続な高さ25μmの仕切り壁(22)を流体進行方向に形成した。流体進行方向の仕切り壁の長さと仕切り壁と仕切り壁の間隔は、50μm−50μm、100μm−100μm、200μm−200μmの3種類の微小流路を用いた。微小流路は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成した。導入口a(28)と導入口b(29)、排出口c(30)と排出口d(31)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(35)を機械的加工手段により設けた同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー体(34)として熱融着により接合することで微小流路を密閉し、微小流路構造体を形成した。
この微小流路構造体を用いて、水相に溶解させた1M(mol/L)のエチルアミンを有機相であるブタノールに溶媒抽出する実験を行った。微小流路には、導入口aから水相を送液速度50μL/分、20μL/分、10μL/分と送液速度を変えて送液し、この水相のそれぞれの送液速度に対して、導入口bから有機相を送液速度を25μL/分、10μL/分、5μL/分と送液速度を変えて送液した。その結果、仕切り壁の近傍に流体境界が形成され、排出口cからは水相が、排出口dからは有機相が、お互いがほぼ混入しないで排出された。排出された水相中と有機相中のエチルアミン濃度を高速液体クロマトグラフィーにより定量したところ、それぞれの微小流路における送液速度における抽出率は表1の結果となった。
Figure 0004453346
(比較例1)
比較例1として、図10に示すような微小流路構造体を製作した。微小流路(19)の形状は、導入口a(28)と導入口b(29)に連通する導入流路と排出口c(30)と排出口d(31)に連通する、排出流路がそれぞれY字状に2本に分岐している微小流路(19)を用いた。形成した微小流路の幅は100μm、深さは25μm(図10におけるA−A’断面を示す図11、B−B’断面を示す図12に認められる)、長さは30mmである。また、微小流路内部の構造として、微小流路の中央付近には、図9に示したような流体進行方向に高さ3μmのガイド状(16)を形成した。微小流路は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成した。導入口a(28)と導入口b(29)、排出口c(30)と排出口d(31)に相当する位置に、直径0.6mmの貫通した小穴(35)を機械的加工手段により設けた同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー体(34)として熱融着により接合することで微小流路を密閉し、微小流路構造体を形成した。また水相と有機相の二相層流分離を良好にするため、以下のような手法を用いて、微小流路構造体の微小流路の片側内壁を疎水化処理した。すなわち、飽和KOH−エタノール溶液を導入口a(28)および導入口b(29)から送液速度5μL/分で30分間程度送液し、次に導入口aからはトルエン、導入口bからは10%オクタデシルトリクロロシランのトルエン溶液を送液速度5μL/分で3時間程度送液した。この処理により、トルエンのみを送液した導入口aから導入されて排出口c(30)から排出される側の微小流路片側内壁はもともとのパイレックス(登録商標)ガラスの親水性の状態であり、10%オクタデシルトリクロロシランのトルエン溶液を送液した導入口bから導入されて排出口d(31)から排出される側の微小流路片側内壁は疎水性に修飾される。
この微小流路構造体を用いて、水相に溶解させた1M(mol/L)のエチルアミンを有機相であるブタノールに溶媒抽出する実験を行った。微小流路には、導入口aから水相を送液速度50μL/分、20μL/分、10μL/分と送液速度を変えて送液し、この水相のそれぞれの送液速度に対して、導入口bから有機相を送液速度を25μL/分、10μL/分、5μL/分と送液速度を変えて送液した。その結果、仕切り壁の近傍に流体境界が形成され、排出口cからは水相が、排出口dからは有機相が、お互いがほぼ混入しないで排出された。排出された水相中と有機相中のエチルアミン濃度を高速液体クロマトグラフィーにより定量したところ、それぞれの送液速度における抽出率は表1の結果となった。
(実施例2)
実施例2として、実施例1と同じ微小流路構造体を用いて、水相に10%の水酸化ナトリウムを溶解させ、有機相であるトルエンに0.5mMのシクロヘキシルアルデヒドと0.5mMのグリシンtertブチルエステルのベンゾフェノンイミンを溶解させ、さらにキラル相間移動触媒として、0.1mMのN-(4-トリフルオロメチルベンジル)シンコニニウムブロミドを溶解させ、不斉アルドール反応を行った。微小流路には、導入口aから水相を送液速度25μL/分、10μL/分、5μL/分と送液速度を変えて送液し、この水相のそれぞれの送液速度に対して、導入口bから有機相を送液速度を50μL/分、20μL/分、10μL/分と送液速度を変えて送液した。反応温度は0℃で実施した。その結果、仕切り壁の近傍に流体境界が形成され、排出口cからは水相が、排出口dからは有機相が、お互いがほぼ混入しないで排出された。排出された有機相を高速液体クロマトグラフィーにより定量したところ、図20に示す生成物を得ることができた。それぞれの微小流路における送液速度による反応率(反応原料に対する生成物のモル%)は表2の結果となった。
Figure 0004453346
(比較例2)
比較例2として、比較例1と同じ微小流路構造体を用いて、水相に10%の水酸化ナトリウムを溶解させ、有機相であるトルエンに0.5mMのシクロヘキシルアルデヒドと0.5mMのグリシンtertブチルエステルのベンゾフェノンイミンを溶解させ、さらにキラル相間移動触媒として、0.1mMのN-(4-トリフルオロメチルベンジル)シンコニニウムブロミドを溶解させ、不斉アルドール反応を行った。微小流路には、導入口aから水相を送液速度25μL/分、10μL/分、5μL/分と送液速度を変えて送液し、この水相のそれぞれの送液速度に対して、導入口bから有機相を送液速度を50μL/分、20μL/分、10μL/分と送液速度を変えて送液した。反応温度は0℃で実施した。その結果、仕切り壁の近傍に流体境界が形成され、排出口cからは水相が、排出口dからは有機相が、お互いがほぼ混入しないで排出された。排出された有機相を高速液体クロマトグラフィーにより定量したところ、図20に示す生成物を得ることができた。それぞれの微小流路における送液速度による反応率(反応原料に対する生成物のモル%)は表2の結果となった。
以上の実施例と比較例、すなわち表1と表2の結果から、仕切り壁がない微小流路に比べて、微小流路内に不連続な仕切り壁が形成された微小流路の方が、溶媒抽出、化学反応ともに高効率になっていることがわかる。また、仕切り壁と仕切り壁の間隔を狭くすることのよって、次第に溶媒抽出、化学反応ともに高効率になっていることがわかる。これは、流体境界での送液速度が仕切り壁の間隔が狭い方がより遅いためである。
Y字状微小流路内における層流を示す概念図である。 ダブルY字状微小流路内における層流を示す概念図であり、また、比較例1と比較例2に使用した微小流路の概念図である。 仕切り壁の無い場合の、2流体が層流を形成した場合の流体境界付近の流体の線速度を示した図である。 仕切り壁がある場合の、2流体が層流を形成した場合の流体境界付近の流体の線速度を示した図である。 本発明における微小流路の合流部近傍及び、分岐部近傍における仕切り壁のいくつかの態様の概略平面図の内、仕切り壁が微小流路の合流部及び分岐部から離れている場合を示す。 本発明における微小流路の合流部近傍及び、分岐部近傍における仕切り壁のいくつかの態様の概略平面図の内、微小流路の分岐部に最も近い仕切り壁が、微小流路の分岐部と連通している場合を示す。 本発明における微小流路の合流部近傍及び、分岐部近傍における仕切り壁のいくつかの態様の概略平面図の内、微小流路の合流部近傍において仕切り壁が合流部と連続し、かつ、微小流路の分岐部近傍にて仕切り壁が分岐部と連続している場合を示す。 本発明における微小流路の合流部近傍及び、分岐部近傍における仕切り壁のいくつかの態様の概略平面図の内、微小流路の合流部近傍において仕切り壁が合流部と連続し、かつ、微小流路の分岐部近傍にて仕切り壁が分岐部と連続している場合を示す。 比較例に使用した微小流路の内部構造の概念図である。 比較例に使用した微小流路構造体の構成を示す。 図10の微小流路構造体の中のA−A’断面の図を示す。 図10の微小流路構造体の中のB−B’断面の図を示す。 実施例に使用した微小流路の内部構造の概念図である。 実施例に使用した微小流路構造体の構成を示す。 図14の微小流路構造体の中のC−C’断面の図を示す。 図14の微小流路構造体の中のD−D’断面の図を示す。 本発明における微小流路の曲線状部分における仕切り壁の形状の概略平面図である。 ハーゲン−ポアズイユの式を説明する水平円管の概念図である。 仕切り壁によって生じるせん断応力により流体境界の流体の線速度が遅くなることを説明する微小流路の概念図である。 実施例2および比較例2で合成した化合物の構造式である。
符号の説明
1:水相
2:有機相
3:流体境界
4:分岐部
5:合流部近傍
6:分岐部近傍
7:微小流路が直線以外の形状の部分の直前及び/又は直後の近傍付近
8:微小流路の中央近傍
9:微小流路の幅
10:流路長
11:流体導入口
12:流体排出口
13:流体A
14:流体B
15:線速度ベクトル
16:ガイド状
17:流路深さ
18:微小流路の底面
19:微小流路
20:仕切り壁の間隔
21:排出流路近傍
22:仕切り壁
23:仕切り壁の厚さ
24:仕切り壁の高さ
25:流体進行方向の仕切り壁と仕切り壁の最短間隔
26:流体進行方向の仕切り壁の最長の長さ
27:流体進行方向
28:導入口a
29:導入口b
30:排出口c
31:排出口d
32:基板
33:導入流路近傍
34:カバー体
35:小穴
36:ガイド状の厚さ
37:合流部
38:水平円筒管の直径
39:水平円筒管
40:線速度
41:円筒管端面
42:水平円筒管の流路長
43:仕切り壁の長さ

Claims (2)

  1. 流体を導入するための2つの導入口及びそれらに連通する導入流路と、前記導入流路が合流する合流部と連通しかつ導入された流体を流すための微小流路と、前記微小流路に連通しかつ所定の流体を排出する排出流路及びそれらに連通する排出口と、を有した微小流路構造体であって、2種の流体により形成される境界近傍の流体の線速度が流路内壁近傍以外の部分での流体の線速度よりも遅くなるように、2種の流体により形成される境界近傍に沿って、流体進行方向に複数の不連続な仕切り壁が形成されており、かつ、流体進行方向の前記不連続な仕切り壁と仕切り壁の間隔をL、微小流路の幅をdとしたときに、L/d=0.5となることを特徴とする微小流路構造体。
  2. 請求項1記載の微小流路構造体を用いて、隣接する2種の流体間で化学反応および/または溶媒抽出を行うことを特徴とする化学操作方法。
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