JP4452695B2 - パリソン肉厚調整方法及び装置 - Google Patents
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Description
また、昨今の大型成形品に対するパリソンなどは、ドローダウン(いわゆるパリソンの自重によりパリソンが下方に引っ張られ伸ばされる現象)により意図した肉調プロファイルよりも薄くなる傾向がある。しかも自重の関係でパリソン上部ほどより引っ張られ薄くなる傾向がある。
よって、オペレータは運転開始後しばらくの間、パリソン長さを目で見て、この肉厚プロファイルのデータ変更を行い、パリソン長さを調節するという操作を行っていた。
しかし、それでは厚薄の波形部分が変化することになり、全体的に重み付け(嵩上げ)といったような制御は不可であった。
すなわち、従来、用いられていたパリソン設定波形のウェイト部はパリソン全長にわたり均一の嵩上げしか出来ず、前述のようなドローダウン現象に対しては一部対応しきれない状態も発生していた。そのため、結局はパリソンプロファイル部分を多少変更(パリソン上部ほど肉厚となるようなパリソンプロファイルを設定しなおす)することにより対応することとなっていた。
この方法では、前日にオペレータが設定したパリソンプロファイルが書き換えられてしまい、せっかく前日に作り出された設定データが生かされなくなってしまうという問題があった。つまり、運転開始の数時間は、周囲温度・樹脂温度・押出量の不安定要素等の外乱によって、パリソン長さが安定しないものの、その後は次第に安定し、結局は前日設定したパリソンプロファイルが最適なものとなるからである。
前記パリソン肉厚指令は、予め設定されたパリソン設定波形部分にウェイトを決定する波形からなるパリソン設定ウェイト部を加算してなり、前記パリソン設定ウェイト部は、Y=ax2+bx+c(但し、Yは肉厚、xは運転開始時からの時間、a、b、cは任意の設定値)の演算式より求めると共に、前記演算式で得られ、前記時間xと共に変化する前記Yの値を前記パリソン設定ウェイト部とし、前記パリソン設定ウェイト部は前記パリソン設定波形部分全体の嵩上げを決定する波形であり、前記パリソン設定ウェイト部は前記パリソン設定波形部分の全体にわたりウェイトが付加されている曲線からなる方法であり、また、本発明によるバルブ肉厚調整装置は、
クロスヘッドのダイとコア間に形成されるダイギャップから押出されるパリソンのパリソン肉厚を、前記クロスヘッドの上部に設けられた肉厚調整装置をパリソンコントローラからのパリソン肉厚指令に基づいて制御し前記コアを上下動させることにより、調整するようにしたパリソン肉厚調整装置において、
前記パリソン肉厚指令は、予め設定されたパリソン設定波形部分にウェイトを決定する波形からなるパリソン設定ウェイト部を加算してなり、前記パリソン設定ウェイト部は、Y=ax2+bx+c(但し、Yは肉厚、xは運転開始時からの時間、a、b、cは任意の設定値)の演算式より求めると共に、前記演算式で得られ、前記時間xと共に変化する前記Yの値を前記パリソン設定ウェイト部とし、前記パリソン設定ウェイト部は前記パリソン設定波形部分全体の嵩上げを決定する波形であり、前記パリソン設定ウェイト部は前記パリソン設定波形部分の全体にわたりウェイトが付加されている曲線からなる構成である。
すなわち、パリソンコントローラのパリソン肉厚指令に対して、予め設定したパリソン設定波形部分に傾斜を有する曲線からなるパリソン設定ウェイト部を加算して形成しているため、不要なドローダウンをなくすことができるだけでなく、オペレータが初めに設定したパリソンプロファイルであるパリソン設定波形部分を消すことなく、次回にそのままパリソン設定波形部分を再使用することができる。
図1において符号1で示されるものはクロスヘッドであり、このクロスヘッド1内にはその上部に設けられた肉厚調整装置2によりコアシリンダ3を介して上下動自在なコア4が設けられている。
前記パリソン7は、単位時間毎にカッティングされ、それを中空成形機に組み込まれた金型で挟み成形している。
この単位時間当りの押出しを、1ショットとしている。この1ショットを押出す過程において、時間毎にオペレータがパリソン7の設定を行う。これがいわゆるパリソンコントロールである。
このパリソンコントロールは、時間軸に対し、肉厚を可変させるという制御であるが、その設定はオペレータがそれぞれ、プロファイルと呼ばれる波形20(X軸が時間、Y軸が肉厚)を設定し、それに基づき肉厚調整装置2を制御しているのである。
このオペレータの設定したパリソンプロファイルである波形20は、データとして保存され、いつでも読み出すことが可能となっている。
このパリソンプロファイルである波形20のパリソン設定ウェイト部13を
Y=ax2+bx+c(但し、Yは肉厚、xは運転開始時からの時間、a、b、cは任意の設定値)
という演算式とし、オペレータにa、b、c(任意の設定値)の値を入力可能とする。
この値を基に、時間xと共に変化するYの値を算出し、その結果をそのままパリソンプロファイルのパリソン設定ウェイト部13として肉厚調整プロファイルに付加させるものである。
前述の演算式とすることにより、パリソン設定ウェイト部13の値に傾きを持つ、1次曲線又は2次曲線とすることができ、パリソン7のドローダウンに応じた最適なウェイトを付加し、不要なドローダウンを抑制して均一に近い肉厚のパリソン7を得ることができる。尚、図2に示されるように、前記パリソン設定ウェイト部13は前記パリソン設定波形部分12の全体にわたりウェイトが付加されている曲線で構成されている。
そのため、前記パリソン設定波形部分12は、パリソン押出中に設定変更する必要がなく、前日に設定したプロファイル通りのパリソン設定ウェイト部13を消すことなく保持することができ翌日又は次工程のパリソン設定波形部分12として再利用できる。
2 肉厚調整装置
3 コアシリンダ
4 コア
5 ダイ
6 ダイギャップ
10 パリソンコントローラ
11 加算器
12 パリソン設定波形部分
13 パリソン設定ウェイト部(ウェイトを決定する波形)
14 パリソン肉厚指令
20 波形(パリソンプロファイル)
Claims (2)
- クロスヘッド(1)のダイ(5)とコア(4)間に形成されるダイギャップ(6)から押出されるパリソン(7)のパリソン肉厚(8)を、前記クロスヘッド(1)の上部に設けられた肉厚調整装置(2)をパリソンコントローラ(10)からのパリソン肉厚指令(14)に基づいて制御し前記コア(4)を上下動させることにより、調整するようにしたパリソン肉厚調整方法において、
前記パリソン肉厚指令(14)は、予め設定されたパリソン設定波形部分(12)にウェイトを決定する波形からなるパリソン設定ウェイト部(13)を加算してなり、前記パリソン設定ウェイト部(13)は、Y=ax2+bx+c(但し、Yは肉厚、xは運転開始時からの時間、a、b、cは任意の設定値)の演算式より求めると共に、前記演算式で得られ、前記時間xと共に変化する前記Yの値を前記パリソン設定ウェイト部(13)とし、前記パリソン設定ウェイト部(13)は前記パリソン設定波形部分(12)全体の嵩上げを決定する波形であり、前記パリソン設定ウェイト部(13)は前記パリソン設定波形部分(12)の全体にわたりウェイトが付加されている曲線からなることを特徴とするパリソン肉厚調整方法。 - クロスヘッド(1)のダイ(5)とコア(4)間に形成されるダイギャップ(6)から押出されるパリソン(7)のパリソン肉厚(8)を、前記クロスヘッド(1)の上部に設けられた肉厚調整装置(2)をパリソンコントローラ(10)からのパリソン肉厚指令(14)に基づいて制御し前記コア(4)を上下動させることにより、調整するようにしたパリソン肉厚調整装置において、
前記パリソン肉厚指令(14)は、予め設定されたパリソン設定波形部分(12)にウェイトを決定する波形からなるパリソン設定ウェイト部(13)を加算してなり、前記パリソン設定ウェイト部(13)は、Y=ax2+bx+c(但し、Yは肉厚、xは運転開始時からの時間、a、b、cは任意の設定値)の演算式より求めると共に、前記演算式で得られ、前記時間xと共に変化する前記Yの値を前記パリソン設定ウェイト部(13)とし、前記パリソン設定ウェイト部(13)は前記パリソン設定波形部分(12)全体の嵩上げを決定する波形であり、前記パリソン設定ウェイト部(13)は前記パリソン設定波形部分(12)の全体にわたりウェイトが付加されている曲線からなることを特徴とするパリソン肉厚調整装置。
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