JP4452095B2 - 軟x線式イオナイザ - Google Patents

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Description

本発明は、軟X線を照射してイオン化生成したプラスイオンおよびマイナスイオンを出力する軟X線式イオナイザに関する。
軟X線式イオナイザの原理は、波長が長いため透過力の弱いX線(軟X線)を、シールド部内の空気又は非反応性ガスに照射し、これらの気体分子から電子を放出させてイオン化し、プラスイオンとマイナスイオンとを均等量発生させるというものである。コンタミネーションフリーであることに加えて、一つの気体分子からプラスイオンと電子が生成され、さらに電子が他の分子に付着してマイナスイオンを生成するため、プラスイオンおよびマイナスイオンは等しい数で生成され、正負のイオン濃度が常に等しくイオンバランスが良いという利点がある。
しかしながら、軟X線式イオナイザでは、荷電粒子が照射口へ到達するまでにプラスイオンとマイナスイオンとが結合する再結合が起こるため、荷電粒子濃度が低下し、除電速度が低下するという問題があった。
この問題を解決する一案として、軟X線照射領域に電圧を印加したコントロールグリッドを設置し、このコントロールグリッドへ除電に不要な荷電粒子を吸収させることで再結合の発生を抑えることが考えられる。本発明者等は、このような再結合を低減するような軟X線式イオナイザの原理を非特許文献1に開示している。
徳広京亮、岡野一雄、「コントロールグリッド付き軟X線式イオナイザのイオンバランス制御」、平成15年11月7日、2003 第13回 RCJ信頼性シンポジウム発表論文集
軟X線式イオナイザでは、当然ながら軟X線が外部へ漏洩しないように配慮する必要がある。しかしながら、軟X線照射装置の照射口から照射される軟X線は照射角が大きいものであり、イオンが放出されるイオン照射口から軟X線が漏れないように充分に大きな流路シールド部とする必要があり、従来では軟X線式イオナイザは小型化できなかった。
また、流路シールド部を大きいものとしたため、イオン化してから照射口に到達するまでの距離が長く、照射口に到達するまでにイオンが再結合しやすく、イオナイザとしての機能向上が図りにくいという問題もあった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、小型構造であるにも拘らず軟X線を外界に漏洩させることなくプラスイオンとマイナスイオンを高効率で取り出すことができる軟X線式イオナイザを提供することにある。
本発明の請求項1に係る軟X線式イオナイザは、
軟X線を用いてイオンを生成する軟X線式イオナイザにおいて、
一方に流入口が、また、他方に照射口が形成される筒体の流路シールド部と、
略円錐状の領域範囲の軟X線を照射する軟X線照射装置と、
流路シールド部の側面に設けられて筒体内と内部空間が連通し、その内部空間内において、略円錐状の領域範囲の軟X線の照射口側の照射領域限界線が流路シールド部の照射口面と略平行となるように軟X線照射装置が配置され、かつ、略円錐状の領域範囲の軟X線の流入口側の照射領域を流路シールド部内の照射となるように補正する軟X線反射補正部と、
流路シールド部の流入口側に配置され、流路シールド部内へ送風する送風部と、
を備え、
流路シールド部内に形成される軟X線照射領域へ送風部が空気または非反応性ガスを送風し、この軟X線照射領域内で生成したイオンを照射口から外部へ照射することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る軟X線式イオナイザは、
軟X線を用いてイオンを生成する軟X線式イオナイザにおいて、
一方に流入口が、また、他方に照射口が形成される筒体の流路シールド部と
略円錐状の領域範囲の軟X線を照射する軟X線照射装置と、
流路シールド部の側面に設けられて筒体内と内部空間が連通し、その内部空間内において、略円錐状の領域範囲の軟X線の全ての照射領域限界線が流路シールド部の流入口側へ傾くとともに照射口側の照射領域限界線が流路シールド部の照射口面に対して僅かに傾斜するように軟X線照射装置が配置され、かつ、略円錐状の領域範囲の軟X線の流入口側の照射領域を流路シールド部内の照射となるように補正する軟X線反射補正部と、
流路シールド部の流入口側に配置され、流路シールド部内へ送風する送風部と、
を備え、
流路シールド部内に形成される軟X線照射領域へ送風部が空気または非反応性ガスを送風し、この軟X線照射領域内で生成したイオンを照射口から外部へ照射することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る軟X線式イオナイザは、
請求項1または請求項2に記載の軟X線式イオナイザにおいて、
流入口から照射口までの間に配置され、バイアス電圧を印加するコントロールグリッドを、
備えることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、小型構造であるにも拘らず軟X線を外界に漏洩させることなくプラスイオンとマイナスイオンを高効率で取り出すことができる軟X線式イオナイザを提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図に基づき説明する。図1は本形態の軟X線式イオナイザ10の構成図である。図2は軟X線照射装置の軟X線照射領域を説明する説明図である。図3は他の軟X線照射領域を説明する説明図である。
軟X線式イオナイザ10は、図1で示すように、流路シールド部1、送風部2、軟X線照射装置3、軟X線反射補正部4、コントロールグリッド5、高電圧電源6、リング状対向電極7を備え、被除電物20を除電する装置である。
流路シールド部1は、一方(図1では上側)に流入口1aが、また、他方(図1では下側)に照射口1bが形成される略円筒体であって、この円筒体内に流路が形成される。この流路シールド部1内は送風部2により空気または非反応性ガス(例えば、アルゴンガス等)が充填される。さらに軟X線を流路シールド部1外へ透過させないような材料・構造により形成されている。
送風部2は、流路シールド部1の流入口1aの上流側に配置される。送風部2の上流には、例えば非反応性ガスの供給路が配置されたならば、流路シールド部1内へ非反応性ガスを送風する。非反応性ガスは、流路シールド部1内を流れ、流路シールド部1の照射口1bから噴射されることとなる。なお、非反応性ガスではなく空気であっても良い。
軟X線照射装置3は、軟X線を照射する機能を有している。軟X線照射装置3による軟X線照射領域3aは、遮蔽物がない場合は、図2で示すような略円錐状の領域範囲となる。この軟X線照射領域3aは照射領域限界線3bが軟X線照射領域の最大限度となる。ちなみに照射領域限界線3bは軟X線照射装置3の出力窓の鉛直線から最大角度θを形成するような線である。
軟X線反射補正部4は、流路シールド部1の外側面に、流路シールド部1と同じ材料で一体構造となるように取り付けられており、軟X線照射装置3が照射する軟X線の照射方向を補正して新たな軟X線照射領域3cを形成する。本形態では軟X線の最も照射口1b側にある照射領域限界線3bが流路シールド部1の照射口1bの開口面と略平行であって、他は流入口1a側へ向くように軟X線を流路シールド部1の内壁へ向けて照射して軟X線照射領域3cを形成する。このような構成では照射口1bから軟X線が遠ざかる方向に照射するというものであり、照射口1bから軟X線が漏れ出るおそれが著しく少なくなる。これにより照射口1b側の照射領域限界線3bから照射口1bまでの距離Aを短縮することができ、流路シールド部1を小型化できる。また、生成したイオンが直ちに照射口1bへ到達して再結合が発生するおそれを低減する。
なお、軟X線反射補正部4は、軟X線の最も照射口1b側にある照射領域限界線3bが流路シールド部1の照射口1bの開口面と完全に平行とする必要はなく、図3で示すようにほぼ平行または全て送風口1a側へ向く(照射口1bから軟X線が遠ざかる)ように軟X線を流路シールド部1へ向けて照射して軟X線照射領域3cを形成するようにしても良い。この場合でも照射口1bに向かう放射線をなくすため、照射口1bから放射線が漏れ出るおそれが少なくなる。
コントロールグリッド5はバイアス印加用の電極であり、例えば、流路シールド部1内の流路上であり、かつ軟X線照射領域3c内に全部または一部が配置される。本形態のコントロールグリッド5は網状の電極としている。なお網状に限定する趣旨ではなく、針状あるいは円状というように各種の形状が可能である。このコントロールグリッド5には本形態では例えば正電圧が印加されてマイナスイオンを吸引する機能を有する。この場合には主にプラスイオンが照射口1bから出力される。なお、負電圧が印加されてプラスイオンを吸引する機能を有する場合には主にマイナスイオンが出力されることとなる。コントロールグリッド5に印加する電圧によりイオンの正負および量をコントロールできる。
高電圧電源6は、高圧(具体値については実施例1で後述する)のグリッド電圧±V をコントロールグリッド5に印加する。
リング状対向電極7は、接地によりグランド電位としている。リング状対向電極7とコントロールグリッド5との間に、図1中の矢印B方向(上下方向)に向かう電界を発生させている。なお、リング状対向電極7は、流路シールド部1と一体にして共通の構造としても良い。
被除電物20は、例えば、電子デバイスの製造工場において、製造ラインを流れる電子デバイスなどであり、正電荷あるいは負電荷の何れか一方に帯電している。この傾向は、例えば製造装置や製造ライン等の機械に起因するものである。ここでは、説明の具体化のため、被除電物20は負電荷が多く帯電し、軟X線式イオナイザ10は図1で示すようにプラスイオンを照射するものとして説明する。
続いて動作原理について説明する。軟X線照射装置3は空気または非反応性ガスへ軟X線を照射する。そして、空気または非反応性ガスの気体分子はイオン化され、プラスイオンとマイナスイオンとが生成される。ここにコントロールグリッド5は正電圧が印加されており、生成されたマイナスイオンは、電界から受ける力によりコントロールグリッド5へ吸引されるため、プラスイオンの濃度が高くなる。これらプラスイオンは被除電物20に帯電する負電荷と結合して除電が完了する。なお、当然ながらコントロールグリッド5に負電圧を印加するときは、プラスイオンが吸引され、マイナスイオンの濃度が高くなる。このように、印加電圧を適宜調整することで所望のイオンバランスとなるように制御できる。
続いて、本発明をより具体的に構成し、具体的な数値を以てその効果を検証するための実施例である軟X線式イオナイザについて説明する。図4は、実施例1の軟X線式イオナイザの構成図である。本実施例は、先に説明した最良の形態を具体的に検証するために組み立てたものである。
このイオンバランス制御機能付の軟X線式イオナイザ10は、図4で示すように、流路シールド部1、送風部2、軟X線照射装置3、軟X線反射補正部4、コントロールグリッド5、高電圧電源6、リング状対向電極7を備える。
さらに、制御回路8、CPM(帯電プレートモニター)9、プローブ(被除電物20に相当)20’を備える。制御回路8では電圧の調整を行う。CPM9では、このイオンバランス制御機能付の軟X線式イオナイザ10における除電時間を測定する。
プローブ20’の上方には軟X線式イオナイザ10の照射口1bが位置している。ここでは軟X線照射領域3cの有効領域(円筒体の同一水平面内の全領域に軟X線が放射される領域)の略中心線からプローブ20’までは距離dの間隔がある。プローブ20’は +1100Vまたは−1100V の電圧を印加して電荷を蓄電できる構造になっている。
軟X線照射領域3cの有効領域の略中心線からコントロールグリッド5までの距離を50mmとした。このコントロールグリッド5に印加する電圧Vは、+2000V(+2kV)から−2000V(−2kV)の間の任意の値を設定できるようになされている。また、軟X線式イオナイザ10の送風部2による送風はその送風速度vが0.5m/sまたは1.0m/sの何れかが選択できるようにした。またプローブ20’の静電容量Cを100pFとした。このような動作条件下で、軟X線式イオナイザ10の除電時間を測定する。ここに−1100Vが印加されてプローブ20’に帯電した負電荷と空中のプラスイオンとが結合して0Vになるまでの時間を正の除電時間te+ とし、また、+1100Vが印加されてプローブ20’に帯電した正電荷と空中のマイナスイオンとが結合して0Vになるまでの時間を負の除電時間te− とした。
まず、負の除電時間の測定について説明する。図5〜図8は距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。
図4の軟X線式イオナイザ10で距離d=200mm,風速v =1.0m/sで除電を行い、時間が経過するにつれ、+1100Vが印加されたプローブ20’のプローブ電位Vがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッド5に印加する電圧Vをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
図5で示すように、電圧V=0[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約90[s]要するのに対し、電圧V=−2[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約30[s]でよく、電圧V=−2[kV]の方が速くプローブ電位V を0[V]にする、換言すれば速く除電することができる。しかしながら、マイナスイオンが多量に照射されるため、電圧V=−2[kV]の場合はプローブ電位V をマイナス電位まで低下させてしまう。
そこで、最初は電圧V=−2[kV]を印加し、途中で電圧V=0[kV]とすることで、プローブ電位V をマイナス電位まで低下させることなく、プローブ電位V を速く0[V]にすることとした。
例えば、図6で示すようにプローブ電位V が500[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約60[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、除電時間te−を短縮できる。
また、図7で示すようにプローブ電位V が100[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約45[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te−を短縮できる。
また、図8で示すようにプローブ電位V が0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約30[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te−を短縮できる。
このように、プローブ電位V がほぼ0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、除電時間te−を短くできる。
続いて、正の除電時間の測定について説明する。図9〜図12は距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。
図4の軟X線式イオナイザ10で距離d=200mm,風速v =1.0m/sで除電を行い、時間が経過するにつれ、−1100Vが印加されたプローブ20’のプローブ電位Vがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッド5に印加する電圧Vをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
図9で示すように、電圧V=0[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約90[s]要するのに対し、電圧V=+2[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約40[s]でよく、電圧V=+2[kV]の方が速くプローブ電位V を0[V]にする、換言すれば速く除電することができる。しかしながら、プラスイオンが多いため、電圧V=+2[kV]の場合はプローブ電位V をプラス電位まで増加させてしまう。
そこで、最初は電圧V=+2[kV]印加し、途中で電圧V=0[kV]とすることで、プローブ電位V をプラス電位まで増加させることなく、プローブ電位V を速く0[V]にする。
例えば、図10で示すようにプローブ電位V が−500[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約70[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、除電時間te+を短縮できる。
また、図11で示すようにプローブ電位V が−100[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約60[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te+を短縮できる。
また、図12で示すようにプローブ電位V が0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約30[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te+を短縮できる。
このように、プローブ電位V がほぼ0[V]のときに電圧V=0[kV]に切り換えれば、除電時間を短くできる。
続いて、風速v を1.0[m/s]から0.5[m/s]と小さくした場合について説明する。
まず、負の除電時間の測定について説明する。図13〜図16は距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。
図4の軟X線式イオナイザ10で距離d=200mm,風速v =0.5m/sで除電を行い、時間が経過するにつれ、+1100Vが印加されたプローブ20’のプローブ電位Vがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッド5に印加する電圧Vをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
図13で示すように、電圧V=0[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約120[s]要するのに対し、電圧V=−2[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約60[s]でよく、電圧V=−2[kV]の方が速くプローブ電位V を0[V]にする、換言すれば速く除電することができる。しかしながら、マイナスイオンが多いため、電圧V=−2[kV]の場合はプローブ電位V をマイナス電位まで低下させる。
そこで、最初は電圧V=−2[kV]印加し、途中で電圧V=0[kV]とすることで、プローブ電位V をマイナス電位まで低下させることなく、プローブ電位V を速く0[V]にする。
例えば、図14で示すようにプローブ電位V が500[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約90[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、除電時間te−を短縮できる。
また、図15で示すようにプローブ電位V が100[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約80[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te−を短縮できる。
また、図16で示すようにプローブ電位V が0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約60[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te−を短縮できる。
この場合も、プローブ電位V がほぼ0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、除電時間を短くできる。
続いて、正の除電時間の測定について説明する。図17〜図20は距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。
図4の軟X線式イオナイザ10で距離d=200mm,風速v =0.5m/sで除電を行い、時間が経過するにつれ、−1100Vが印加されたプローブ20’のプローブ電位Vがどのように変化するかを計測し、さらにコントロールグリッド5に印加する電圧Vをパラメータとしてどのような傾向が現れるかを探るものである。
図17で示すように、電圧V=0[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約140[s]以上要するのに対し、電圧V=+2[kV]の場合はプローブ電位V を0[V]にするまで約50[s]でよく、電圧V=+2[kV]の方が速くプローブ電位V を0[V]にする、換言すれば速く除電することができる。しかしながら、プラスイオンが多いため、電圧V=+2[kV]の場合はプローブ電位V をプラス電位まで増加させてしまう。
そこで、最初は電圧V=+2[kV]印加し、途中で電圧V=0[kV]とすることで、プローブ電位V をプラス電位まで増加させることなく、プローブ電位V を速く0[V]にする。
例えば、図18で示すようにプローブ電位V が−500[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約100[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、除電時間te+を短縮できる。
また、図19で示すようにプローブ電位V が−100[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約80[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te+を短縮できる。
また、図20で示すようにプローブ電位V が0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、約50[s]でプローブ電位V が0[V]に到達し、さらに除電時間te+を短縮できる。
このように、プローブ電位V がほぼ0[V]のときに電圧V=0[kV]とすれば、除電時間を短くできる。
これら実験結果を考察すると、風速が大きい場合に正負の除電時間が共に短縮されることからも明らかなように、本発明で送風部2の風速を大きくするにつれて正負の除電時間の短縮化に効果があるということができる。
以上本発明の軟X線式イオナイザ10について説明した。この軟X線式イオナイザ10は軟X線の最も照射口側にある照射領域限界線3bが流路シールド部1の照射口1bの開口面と略平行であって、他は流入口1a側へ向くように軟X線を流路シールド部1の内壁へ向けて照射して軟X線照射領域3cを形成しており、照射口に向かう放射線をなくすため、照射口1bから放射線が漏れ出るおそれが少なくなる。これにより照射口1b側の照射領域限界線3bから照射口1bまでの距離を短縮することができ、流路シールド部1を小型化できる。また、生成したイオンの再結合が発生するおそれを低減する。
また、送風部2の風速やコントロールグリッド5に印加する電圧V を適宜調節して最適な除電時間を得ることも可能である。
これにより、小型構造であるにも拘らず軟X線を外界に漏洩させることなくプラスイオンとマイナスイオンを高効率で取り出すことができる軟X線式イオナイザ10を提供することが可能となる。
本発明を実施するための最良の形態の軟X線式イオナイザの構成図である。 軟X線照射装置の軟X線照射領域を説明する説明図である。 他の軟X線照射領域を説明する説明図である。 実施例1の軟X線式イオナイザの構成図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=1.0m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、正電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。 距離d=200mm,風速v=0.5m/sとし、負電荷を蓄電したプローブを除電するときのプローブ電位V と時間tとの関係を示す特性図である。
符号の説明
1:流路シールド部
1a:流入口
1b:照射口
2:送風部
3:軟X線照射装置
3a:軟X線照射領域
3b:照射領域限界線
3c:軟X線照射領域
4:軟X線反射補正部
5:コントロールグリッド
6:高電圧電源
7:リング状対向電極
8:制御回路
9:CPM(帯電プレートモニター)
20:被除電物
20’:プローブ

Claims (3)

  1. 軟X線を用いてイオンを生成する軟X線式イオナイザにおいて、
    一方に流入口が、また、他方に照射口が形成される筒体の流路シールド部と、
    略円錐状の領域範囲の軟X線を照射する軟X線照射装置と、
    流路シールド部の側面に設けられて筒体内と内部空間が連通し、その内部空間内において、略円錐状の領域範囲の軟X線の照射口側の照射領域限界線が流路シールド部の照射口面と略平行となるように軟X線照射装置が配置され、かつ、略円錐状の領域範囲の軟X線の流入口側の照射領域を流路シールド部内の照射となるように補正する軟X線反射補正部と、
    流路シールド部の流入口側に配置され、流路シールド部内へ送風する送風部と、
    を備え、
    流路シールド部内に形成される軟X線照射領域へ送風部が空気または非反応性ガスを送風し、この軟X線照射領域内で生成したイオンを照射口から外部へ照射することを特徴とする軟X線式イオナイザ。
  2. 軟X線を用いてイオンを生成する軟X線式イオナイザにおいて、
    一方に流入口が、また、他方に照射口が形成される筒体の流路シールド部と
    略円錐状の領域範囲の軟X線を照射する軟X線照射装置と、
    流路シールド部の側面に設けられて筒体内と内部空間が連通し、その内部空間内において、略円錐状の領域範囲の軟X線の全ての照射領域限界線が流路シールド部の流入口側へ傾くとともに照射口側の照射領域限界線が流路シールド部の照射口面に対して僅かに傾斜するように軟X線照射装置が配置され、かつ、略円錐状の領域範囲の軟X線の流入口側の照射領域を流路シールド部内の照射となるように補正する軟X線反射補正部と、
    流路シールド部の流入口側に配置され、流路シールド部内へ送風する送風部と、
    を備え、
    流路シールド部内に形成される軟X線照射領域へ送風部が空気または非反応性ガスを送風し、この軟X線照射領域内で生成したイオンを照射口から外部へ照射することを特徴とする軟X線式イオナイザ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の軟X線式イオナイザにおいて、
    流入口から照射口までの間に配置され、バイアス電圧を印加するコントロールグリッドを、
    備えることを特徴とする軟X線式イオナイザ。
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