JP4448607B2 - Multilayer resin stretched film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷適性、及びエンボス加工適性に優れ、従来の壁紙の如く天然紙等の裏打ちを必要とせず、直接、水溶性接着剤で壁などに皺なく貼り付け施工が可能で、かつ剥がした後のリサイクル性に優れた多層樹脂延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築装飾材(特に壁紙)に用いられる樹脂フィルムとして、塩化ビニール樹脂(PVC)を主成分とするカレンダー成形フィルムやペースト発泡した材料が多く使用されている。これらPVC樹脂を使用した壁紙類には、廃棄時や火災時に発生する塩素ガスの問題や、可塑剤のブリーディングに依る室内汚染等の環境汚染の問題がある。
これらの問題を解決するために、最近ではポリオレフィンを用いた壁紙用フィルムやポリオレフィン樹脂を使用したペースト発泡手法等の開発が行われている。
また、最近では省資源の観点から、壁紙のリサイクル方法も多く提案されている。
しかし、PVC壁紙やポリオレフィン壁紙等の従来型壁紙には天然紙等の裏打ち材が使用されており、剥がしたときに樹脂材料と裏打ち材料(天然紙)を分離することが困難である。このため、廃品壁紙の殆どが埋め立て処理されており、リサイクルされていないのが現状である。
【0003】
壁紙として使用するために、従来から裏面に多種素材の裏打ち加工を行ったり、タック紙型壁紙の場合は粘着剤などの塗工処理を行ったり、直接壁や木質合板に貼る場合は接着剤(糊)塗工などを行っている。しかしながら、これらの方法は、接着剤、粘着剤との接着性(強さ)や乾燥性が悪いという問題点が指摘されている。
これらの問題点を解決するため、一般的には天然紙が裏打ち材として使用されている。
しかしながら、壁紙の貼り替え時において、貼り替えた壁紙の樹脂素材と裏打ち材(天然紙)との組成が違うため、剥がした使用済みの壁紙をそのままリサイクルすることはできない。このため、リサイクルする際には樹脂素材と裏打ち紙を分離する必要がある。
同様に、裏面に合成樹脂を主成分とした感圧粘着剤を塗工したタック紙型壁紙の場合も、感圧粘着剤を樹脂素材から分離することは困難である。このため、多量の感圧粘着剤が付着した状態で剥離され、リサイクル時に樹脂素材が熱分解が起こして異物を発生したり、樹脂の流動特性が大きく変わってしまい、品質上大きな問題となっているのが現状である。
【0004】
最近ではこの問題を解決するために、壁紙樹脂素材と裏打ち材(天然紙)との分離方法も提案されている。例えば、裏打ち紙に水溶性高分子とPVC樹脂系或いは酢酸ビニル系の合成バインダーを主成分とする塗被層を設け、その上にPVC樹脂を積層した壁紙であって、温水、若しくはアルカリ性水溶液に浸漬、撹拌してPVCと裏打ち紙を分離する方法(特開平6ー173200号)や裏打ち材と発泡ゲル化したPVC基材との中間にPETフィルムやPPフィルム等を積層する方法(特開平11−293600号)の提案がなされている。しかしながら、いずれの方法においても裏打ち紙の分離工程が増えるために、リサイクルに要するコストアップやリサイクルされた樹脂素材の品質低下などの問題があり、実用化には至っていない。このため、依然として剥がした壁紙のほとんどは埋め立て、または焼却などで処分されている。
【0005】
また、裏打ち材を必要としないポリオレフィン系の壁紙用素材の提案もなされているが、裏打ち紙を用いたPVC系壁紙の如く壁面への貼り付け施工の際に、接着剤の乾燥が遅い、貼り付け時に皺が入るなどの施工時の作業性に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの従来技術の問題点を解決することを課題とした。
すなわち、本発明は、印刷性とエンボス加工性に優れ、天然紙などの裏打ち紙や感圧型粘着加工を必要とせずに、従来の壁紙と同様の施工性を有し、かつリサイクル性に優れたモノマテリアルな壁紙に適した多層樹脂延伸フィルムを提供することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋭意研究を行った結果、特定の融点を有するオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有する多層樹脂延伸フィルムを製造することにより、本発明の目的にかなう優れた特性をフィルムを付与することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、融点が160℃以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂、無機微細粉末及び/または有機フィラーを含有する印刷可能な表面層(A)の裏面に、融点が160℃以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂、表面処理された無機微細粉末及び/または有機フィラーを含有し「Japan TAPPI No.51−87」により測定される液体吸水容積が6〜25ml/m2である裏面層(B)を積層した多層樹脂延伸フィルムを提供する。
【0009】
本発明の好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物であり、オレフィン系樹脂100重量部に対してオレフィン系熱可塑性エラストマー10〜100重量部を含有するのが好ましい。裏面層(B)に含まれるオレフィン系熱可塑性エラストマーの量は、表面層(A)に含まれるオレフィン系熱可塑性エラストマーの量よりも多いことが好ましい。また、裏面層(B)に使用する無機微細粉末及び/または有機フィラーの表面は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、および帯電防止剤から選ばれた少なくとも一つで処理されていることが好ましい。
【0010】
裏面層(B)の水に対する平均接触角は10〜50゜であるのが好ましく、多層樹脂延伸フィルムの空孔率は10〜60%であるのが好ましい。また、裏面層(B)の空孔率が表面層(A)の空孔率よりも大きいことが好ましい。多層樹脂延伸フィルムのフィルムの密度は0.4〜1g/cm3であるのが好ましい。多層樹脂延伸フィルムは、表面層(A)及び裏面層(B)を積層した後に延伸することにより製造されたものが好ましく、表面層(A)及び裏面層(B)に酸化処理が施されているものが好ましい。
【0011】
また表面層(A)に印刷を行った後、更にエンボス加工を施されたものが好ましい。特に、裏面層(B)に直接、水溶性の接着剤を塗工して、壁などに貼り付け施工が可能であるのが好ましい。裏面層(B)に用いる水溶性の接着剤は澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールアミドから選ばれる少なくとも一つを含むものであるのが好ましい。
なお、本明細書において「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の多層樹脂延伸フィルムについて詳細に説明する。
本発明の多層樹脂延伸フィルムは、表面層(A)と裏面層(B)を有している。表面層(A)、裏面層(B)は、熱可塑性樹脂と、無機微細粉末及び/または有機フィラーを含有する。また、表面層(A)、裏面層(B)は、熱可塑性樹脂として、融点160℃以上のオレフィン系熱可塑性エラストマーを含有する。
【0013】
表面層(A)の構成
本発明の多層樹脂延伸フィルムを構成する表面層(A)は、各種の印刷を行い、その後にエンボス加工等の加工処理を行うことができる面である。このような処理を施すことによって、本発明の多層樹脂延伸フィルムは壁紙等として有用に施工することができる。このような多層樹脂延伸フィルムの用途に応じて、表面層(A)は、各種の印刷方式による高精細な印刷に対する適性や、その後に行われるエンボス加工時にインキの脱落を防ぐためのインキの密着強度を有するように構成することができる。
【0014】
表面層(A)に用いる熱可塑性樹脂は、融点が160℃以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを含む限り、その他の樹脂の種類と組成は特に制限されない。その他の樹脂として好ましく用いられるのは、オレフィン系樹脂である。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体、及びこれらαーオレフィンの2〜5種の共重合体が挙げられる。共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。具体的には密度が0.89〜0.97g/cm3、メルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)が1〜10g/10分の分枝ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン;メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.2〜20g/10分のプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチルー1−ペンテン共重合体、プロピレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、プロピレン・エチレン・3−メチル−1−ペンテン共重合体などが挙げられる。
【0015】
これらの中でもプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、高密度ポリエチレンが安価で、かつ成形加工性が良好であるため好ましい。また、裏面層(B)の空孔率を表面層(A)の空孔率よりも大きくするために、表面層(A)には高密度ポリエチレンまたはプロピレン・エチレンランダム共重合体を使用するのが特に好ましい。
【0016】
表面層(A)に用いるオレフィン系熱可塑性エラストマーとして、オレフィン系エラストマーとオレフィン系樹脂とからなる複合材料の熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。特に下記の3種を好ましい例として挙げることができる。
▲1▼ ソフトセグメントとしてのオレフィン系エラストマーとハードセグメントとしてのオレフィンを単純ブレンドしたもの。
▲2▼ オレフィン系エラストマーとオレフィン系樹脂とを部分的に架橋または重合させて複合化したもの
▲3▼ オレフィン系エラストマーを架橋させて、それをオレフィン系樹脂に分散させたもの。
上記オレフィン系エラストマーとしては、EPDMなどに代表されるエチレン系ゴムを挙げることができる。また、オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、プロピレン系樹脂等を挙げることができる。
【0017】
オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点(DSCピーク温度)は、表面層(A)に良好なエンボス適性及び壁面への施工に必要なフィルム剛性と施工後に壁面の凹凸を吸収する柔軟性(フリク性)を付与するために、160℃以上であることが好ましく、165〜180℃であることがより好ましい。オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点が160℃未満では、壁面への施工時に水溶性の接着剤を裏面層(B)に適用したときにフィルムに皺が発生しやすく、作業性が悪くなる傾向がある。なお、上記オレフィン系熱可塑性エラストマーや上記熱可塑性樹脂には、必要に応じて、難燃剤、酸化防止剤、分散剤、防カビ剤、抗菌剤、紫外線安定剤等を添加することができる。
【0018】
本発明では、上記のオレフィン系熱可塑性エラストマー等を一種のみ選択して単独で用いてもよいし、二種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
また、表面層(A)に含まれるオレフィン系熱可塑性エラストマーの量は、裏面層(B)に含まれるオレフィン系熱可塑性エラストマーの量よりも少なくすることが好ましい。逆に多くすると、表面層(A)の空孔量が裏面層(B)より多くなりやすいため、リサイクル性、表面層の印刷適性、表面強度の点で問題が生ずることがある。
【0019】
オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーとの混合物の混合比はオレフィン系樹脂100重量部に対してオレフィン系熱可塑性エラストマーが10〜100重量部であることが好ましく、20〜80重量部であることがより好ましい。
【0020】
表面層(A)には、無機微細粉末及び/または有機フィラーを用いる。
無機微細粉末の種類は特に制限されないが、平均粒子径が0.1〜3μmの重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素等が好ましい例として挙げられる。中でも軽質あるいは重質炭酸カルシウム、クレー、珪藻土、酸化チタンが、延伸成形で発生する空孔(ボイド)の形成性が良好で安価なことから好ましい。
【0021】
有機フィラーの種類も特に制限されないが、分散後の平均粒子径が0.1〜3μmの主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば熱可塑性樹脂フィルムがオレフィン系樹脂フィルムである場合には、有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6,ナイロン−6,6、環状オレフィン環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で融点が120℃〜300℃、ないしはガラス転移温度が120℃〜280℃であるものを挙げることができる。
これらの有機フィラーをオレフィン系樹脂中に配合混練する際には、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、相溶化剤等を添加することが望ましい。特に相溶化剤は有機フィラーの粒子形態を決定することから添加量、種類の選定が重要となる。
【0022】
無機微細粉末または有機フィラーとしては、44μmを超える粗大粒子の含有量が少ないものを選択することが、印刷時の白抜けを防止するために望ましい。
特に裏面層(B)に用いる無機微細粉末または有機フィラーよりも小さな平均粒子径を有する無機微細粉末または有機フィラーを表面層(A)に用いることにより、延伸によって発生する空孔を裏面層(B)よりできるだけ少なくすることが可能になる。こうすることによって、表面強度の向上及び高精細な印刷が可能になる。これにより壁紙として使用する際にも表面剥離等の欠陥をなくすことができ、また、エンボス加工においては、より低温でのエンボス加工が可能となるので生産性が向上する。
表面層(A)には、上記の無機微細粉末および有機フィラーの中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末と有機フィラーを混合して使用してもよい。
【0023】
表面層(A)には、オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーとの混合物40〜90重量%に平均粒子径が0.1〜3μmの無機微細粉末及び/または有機フィラーを10〜60重量%含有することが特に好ましい。
無機微細粉末及び/または有機フィラーが10重量%未満である場合は、インキの密着性が悪くなる傾向がある。また、60重量%を超えると、均一延伸が困難になり、延伸して得られたフィルムの表面に膜ヤブレが起こり、実用性に欠ける傾向がある。無機微細粉末及び/または有機フィラーの平均粒子径が0.1μm未満である場合は、熱可塑性樹脂への分散不良による2次凝集が発生し表面突起物が多くなり高精細な印刷ができなくなる傾向がある。また、3μmを超えると表面平滑度が低下し前記同様高精細な印刷ができなくなる傾向がある。
【0024】
本発明の多層樹脂延伸フィルムを壁紙として施工する時や、施工後における耐久資材としての材料強度や印刷インキ接着強度等の経時的低下を抑制したい時には、表面層(A)に酸化防止剤、紫外線安定剤、酸化チタン等を添加しておくことが望ましい。
【0025】
裏面層(B)の構成
本発明の多層樹脂延伸フィルムを構成する裏面層(B)には、立体感のあるエンボス加工を行い、水溶性の接着剤を塗工して直接壁等に施工することができる。このような処理を施すことによって、本発明の多層樹脂延伸フィルムは壁紙等として有用に施工することができる。このような多層樹脂延伸フィルムの用途に応じて、裏面層(B)は、エンボス加工適性や、水溶性接着剤を塗工した時の接着剤の乾燥性や接着性等の施工適性を有するように構成することができる。
【0026】
裏面層(B)に用いる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーの種類としては、前記表面層(A)に記載したものと同様の物が挙げられる。裏面層(B)に用いる熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーは、表面層(A)に用いるものと同一であってもよいし、異なっていてもよい。裏面層(B)の熱可塑性樹脂としては、裏面層(B)の空孔率を表面層(A)の空孔率よりも大きくするために、プロピレン単独重合体を使用するのが特に好ましい。オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物の混合比は表面層(A)と同じであるのが、施工作業性の面から好ましい。
耐久資材としての多層樹脂延伸フィルムの経時劣化を防止するために、裏面層(B)には酸化防止剤、紫外線安定剤等を添加しておくことが望ましい。更に必要に応じて、難燃剤等を添加してもよい。
【0027】
裏面層(B)には、無機微細粉末及び/または有機フィラーを用いる。無機微細粉末、有機フィラーとしては、前記表面層(A)に記載したものと同様の物が挙げられる。裏面層(B)に用いる無機微細粉末及び/または有機フィラーは、表面層(A)に用いるものと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0028】
裏面層(B)には表面処理された無機微細粉末を用いることが特に好ましい。表面処理された無機微細粉末としては、例えば、重質炭酸カルシウムを湿式粉砕中に平均分子量1,000〜150,000の水溶性のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤で処理された物、湿式粉砕中にアニオン性帯電防止剤、カチオン性帯電防止剤、または非イオン性帯電防止剤で処理された物、更に前記界面活性剤処理と有機帯電防止剤処理が2段階で処理された物等が挙げられる。得られた多層樹脂延伸フィルムの「Japan TAPPI No.51−87」により測定される液体吸水容積を好ましい範囲(6〜25ml/m2)にし、水に対する平均接触角を好ましい範囲(10〜50゜)にした親水性表面を得るためには、平均粒子径が0.5〜10μmの微細粉末に界面活性剤と有機帯電防止剤を2段階で処理した微細粉末を用いることが好ましい。
【0029】
多層樹脂延伸フィルムの空孔率を好ましい範囲(10〜60%)にするためには、裏面層(B)の無機微細粉末及び/または有機フィラーの配合量は30〜70重量%にすることが好ましく、35〜65重量%にすることがより好ましい。
【0030】
「Japan TAPPI No.51−87」により測定される液体吸水容積が25ml/m2を超えるか、水に対する接触角が10゜未満であると、水の吸水速度が速くなりすぎるため、水溶性の接着剤を使った場合は、接着剤成分自体が内部に多く浸透しすぎる傾向がある。このため、接着剤の塗工量が多く必要となって生産コストが高くなる傾向がある。また、壁に施工する前に接着剤が乾燥してしまい施工が困難になる傾向がある。
一方、液体吸水容積が6ml/m2未満であるか、水との平均接触角が50゜を超える場合は、反対に水の吸水速度が遅くなって、接着剤の乾燥性が遅くなるために施工した壁紙自体が壁から浮き上がり施工性が低下する傾向がある。また、接着剤成分自体のフィルムへの浸透が少ないために接着剤と多層樹脂延伸フィルムとの接着性も低下する傾向がある。
【0031】
裏面層(B)は、オレフィン系樹脂とオレフィン系熱可塑性エラストマーの混合物を30〜70重量%と、平均粒子径が0.5〜10μmの表面処理された無機微細粉末及び/または有機フィラーを70〜30重量%含有することが好ましい。
無機微細粉末及び/または有機フィラーが30重量%未満であるか、無機微細粉末及び/または有機フィラーの平均粒子径が0.5μm未満である場合は、空孔の発生が少なくなるために、エンボス適性(エンボスの掛かり)が不良となる傾向がある。また、壁紙自体の隠蔽性が不足し、壁の地肌が見えたり、壁の凹凸が目立つようになりフリク性が不足し高級感がなくなる傾向がある。さらに、高い吸水能も得ることができなくなる傾向がある。
一方、無機微細粉末及び/または有機フィラーが70重量%を超えるか、平均粒子径が10μm以上では均一延伸が困難となり、延伸して得られたフィルムの表面に膜ヤブレが起こる傾向がある。
【0032】
その他の層
本発明の多層樹脂延伸フィルムは、本発明の条件を満たす表面層(A)と裏面層(B)を有していれば、その他も有していてもよい。例えば、表面層(A)と裏面層(B)の間に中間層(C)を1層以上設けてもよい。
この中間層(C)はエンボス適性から裏面層(B)と同程度の空孔率を有することが好ましい。
【0033】
本発明の多層樹脂延伸フィルムの肉厚は30〜500μmであることが好ましく、80〜400μmであることがより好ましい。また、各種の接着剤を用いて貼合することにより肉厚1mmのものも得ることもできる。
表面層(A)と裏面層(B)の厚みの比〔(A)/(B)〕は〔(1〜7)/(9〜3)〕であることが、表面強度、印刷適性、エンボス加工性、エンボス戻りの面で好ましい。裏面層(B)の厚みの比が3割未満になるとエンボスの掛かりが悪くなり、また、水溶性接着剤の吸収量が不足し接着剤の乾燥性も悪くなる傾向がある。なお、中間層(C)を設けた場合は、中間層(C)の厚みを前記裏面層(B)の厚みの比の中に含めて考えることが好ましい。
【0034】
多層樹脂延伸フィルムの製造と加工
本発明の多層樹脂延伸フィルムは、当業者に公知の種々の方法を組み合わせることによって製造することができる。いかなる方法により製造された多層樹脂延伸フィルムであっても、請求項1に記載される条件を満たすものである限り本発明の範囲内に包含される。
【0035】
例えば、表面層(A)および裏面層(B)を別々に延伸した後に積層することによって製造したものであってもよいし、表面層(A)および裏面層(B)を積層した後にまとめて延伸することによって製造したものであってもよい。中間層(C)を有する場合は、3層を別々に延伸してから積層してもよいし、先に積層してからまとめて延伸してもよいし、あるいは表面層(A)および中間層(C)を積層して延伸した後に、延伸または未延伸の裏面層(B)を積層することによって製造したものであってもよい。これらの方法は適宜組み合わせることもできる。
【0036】
好ましい製造方法は、表面層(A)と裏面層(B)、中間層(C)がある場合は表面層(A)と中間層(C)、裏面層(B)とを積層した後にまとめて延伸する工程を含むものである。別個に延伸して積層する場合に比べると簡便でありコストも安くなる。また、表面層(A)と裏面層(B)に形成される空孔の制御もより容易になる。
【0037】
延伸には、公知の種々の方法を使用することができる。延伸の具体的な方法としては、ロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸などを挙げることができる。中でも1軸方向のロール延伸によれば、延伸倍率を任意に調節することができ、形成される空孔の大きさや個数をコントロールすることができるために好ましい。また、フィルムの流れ方向に樹脂の延伸配向がなされるため、無延伸フィルムに比べて高抗張力でかつ印刷時や加工時の張力による寸法変化が小さい多層樹脂延伸フィルムを得ることができる。このような多層樹脂延伸フィルムは、壁紙用として極めて有用である。
【0038】
延伸倍率は特に限定されず、目的と使用する熱可塑性樹脂の特性により適宜選択される。例を挙げると熱可塑性樹脂としてプロピレン単独重合体ないしその共重合体を使用するときには、1.2〜12倍、好ましくは2〜7倍である。
延伸温度は特に制限されないが、裏面層(B)に用いる樹脂の融点より5℃以上(好ましくは10℃以上)低い温度で行うことが好ましい。5℃以上低くないと、ロール間延伸ではロール表面にシートが貼り付き、延伸フィルム表面に貼り付き模様がでる傾向がある。また、裏面層(B)の空孔による亀裂発生が少なくなるために吸水能が不良となり、壁に直接施工した場合、水溶性接着剤の乾燥不良となり施工性が大きく低下する傾向がある。
本発明の多層樹脂延伸フィルムには、更に必要に応じて高温での熱処理が施すことができる。
【0039】
延伸後の多層樹脂延伸フィルムは微細な空孔を有する。本発明の多層樹脂延伸フィルムの空孔率は10〜60%であることが好ましく、15〜50%であることがより好ましい。なお、本明細書における空孔率は、電子顕微鏡写真観測した領域の空孔を画像解析装置(ニレコ(株)製:型式ルーゼックスIID)を用いた面積率から求めたものを示す。
【0040】
多層樹脂延伸フィルムの空孔率が10%未満である場合は、水溶性接着剤を用いたときの水分吸水能が不足する傾向がある。また空孔率が60%を超える場合は、水分吸水能が大きすぎて、接着剤が層内に多く浸透するために多くの接着剤が必要となり施工コストがかかる傾向がある。
また、裏面層(B)の空孔率は表面層(A)の空孔率よりも大きいことが好ましい。表面層(A)の空孔率の方が大きい場合は、リサイクル性、表面層の印刷適性、表面強度の点で問題が生ずることがある。
【0041】
本発明の多層樹脂延伸フィルムの密度は、0.4〜1g/cm3であることが好ましく、0.45〜0.95g/cm3であることがより好ましい。本発明の多層樹脂延伸フィルムは、白色不透明な空孔を有するフィルムであることが特に好ましい。
【0042】
本発明の多層樹脂延伸フィルムは、そのまま使用に供してもよいし、さらに別の熱可塑性フィルム等に積層して使用してもよい。例えば、本発明の多層樹脂延伸フィルムの表面層(A)には、他の熱可塑性樹脂フィルムを積層することができる。積層するフィルムの例としては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム等の透明または不透明なフィルムが挙げられる。
【0043】
更に、表面層には印刷適性を向上させるために、各種の酸化処理を施したり、帯電防止剤、アンカーコーティング剤、耐水化剤、等を塗布することもできる。
また、裏面層にも親水性の向上や、水溶性接着剤との接着性を向上させるために、各種の酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理、オゾン処理等を挙げることができ、コロナ放電処理、フレーム処理が好ましい。
【0044】
本発明の多層樹脂延伸フィルムは、特に壁紙及び化粧合板用化粧紙に有用で有るが、床材、自動車の内装材、粘着加工を施したタックラベル等にも有用である。
【0045】
本発明の多層樹脂延伸フィルムの表面には、使用目的に応じて印刷を行うことができる。印刷の種類や方法は特に制限されない。例えば、公知のビヒクルに顔料を分散したインキを用いたグラビヤ印刷、水性フレキソ、シルクスクリーン、UVオフセット輪転等の印刷等の公知の印刷手段を用いて印刷することができる。また、金属蒸着や、グロス印刷、マット印刷等により印刷することもできる。印刷する絵柄は、石目、木目、格子、水玉、花柄等の天然物柄、抽象柄、キャラクター等から適宜選択することができる。
【0046】
本発明の多層樹脂延伸フィルムにはエンボス加工を施すことができる。エンボス加工は、印刷を行った後に行うのが一般的であるが、エンボス加工後にさらに印刷を行っても構わない。
エンボス加工は、例えば、平版プレス機、ロールエンボス機等公知の各種プレス、エンボス機を用いて熱や圧力によりエンボス版の凹凸形状を賦形することによって行うことができる。ロールエンボス法は円筒状のエンボス版の凹凸形状を対象材料に熱圧で賦形する方法である。熱圧賦形は、多層樹脂延伸フィルムの表面層(A)に使用している樹脂の熱変形温度と溶融温度の間に加熱して、エンボス版を該多層樹脂延伸フィルムの表面に押圧して賦形した後、冷却して形状を固定することによって行う。加熱方法としては、例えば赤外線照射、温風吹付け、加熱ローラーからの伝導熱、誘電加熱等の方法が用いられる。なお、エンボスの賦形は、エンボス機を用いずに、延伸前、延伸後のいずれにおいてもフィルム成形と同時に行うこともできる。
【0047】
本発明の多層樹脂延伸フィルムを化粧合板として用いる場合には、エンボス形成後にワイピングを施して凹部内にワイピングインクを充填することによって意匠性を向上させることができる。特に木目の導管部の外観を再現する場合には好適である。
【0048】
また、ワイピングの他に最外層には、透明な樹脂層からなる表面保護層を形成することもできる。表面保護層は表面層を保護するとともに、下層の絵柄やエンボス等の意匠に立体感を付与する機能も有する。したがって、本発明の多層樹脂延伸フィルムを化粧板や壁紙として使用する場合に表面保護層は特に有用である。
表面保護層は塗工または貼合により形成することができる。表面物性をさらに向上させるためには耐候性、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性の優れた無色透明または着色透明の樹脂を用いるのが好ましい。このような樹脂として好ましいのは、例えば各種アクリレート、ポリエステル等から電離放射線硬化性樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル等の2液硬化型樹脂、フッ素樹脂、ポリシロキサン系樹脂等である。この表面保護層には、公知の抗菌剤、防カビ剤、香料等を配合してもよい。
【0049】
多層樹脂延伸フィルムの適用
本発明の多層樹脂延伸フィルムの裏面には、直接接着剤を塗工して、木質壁材、石膏ボード、各種複合材料(樹脂化粧板、木質合板等)や鉄板、アルミニウム板等の金属板上に、直接貼り合わせて使用することができる。このため、本発明の多層樹脂延伸フィルムを壁紙等に使用する場合、裏打ち材(天然紙等)を裏面に裏打ち加工する必要はない。このため、本発明の多層樹脂延伸フィルムを、壁紙等に使用する場合、施工後壁から不要になった壁紙をはがして壁紙をリサイクルする際に、裏打ち材(天然紙等)がリサイクル原料に混入しないため、モノマテリアルな材料のリサイクルが可能となる。
【0050】
本発明の多層樹脂延伸フィルムを貼り合わせるために使用する接着剤は、特に制限されず水溶性接着剤、含水炭素系接着剤、合成樹脂系接着剤などを使用することができる。接着剤は、溶剤系、水溶性のいずれであってもよいが、作業性、安全性(溶剤飛散による中毒、火災など)の問題から水溶性接着剤を使用するのが好ましい。
【0051】
水溶性接着剤は水に対して溶解または、膨潤する特性を有するものであり、例えば、タンパク質系接着剤としてゼラチン、膠、カゼイン等を挙げることができる。
含水炭素系接着剤としては、澱粉及びその誘導体、セルロース誘導体としてヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ビスコース等が挙げられる。その他アラビヤゴム、トラガントゴム等も挙げられる。
【0052】
合成樹脂系接着剤としてはポリビニールアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニールピロリドン等が挙げられる。その他、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニールアミド、水溶性ポリウレタン、ポリアクリル酸系樹脂やその塩等が挙げられるが更に接着剤として、酢酸ビニール、アクリル酸エステル、エチレン酢酸ビニール、塩化ビニール等の乳化重合で得られるエマルジョン系接着剤が挙げられる。
【0053】
なかでも、本発明の多層樹脂延伸フィルムを壁などに貼り合わせに用いる水溶性接着剤として、施工性、接着性などから澱粉及びその誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリビニールアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニールアミドが好ましく、澱粉及びその誘導体がより好ましい。
【0054】
【実施例】
以下に実施例、比較例および試験例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
以下の実施例および比較例で使用する材料を表1および表2にまとめて示す。なお、表中のMFRはメルトフローレートを意味する。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
(実施例1〜6および比較例1〜2)
以下の手順にしたがって本発明の多層樹脂延伸フィルム(実施例1〜6)および比較用の多層樹脂延伸フィルム(比較例1〜2)を製造し、さらにこれらを用いて壁紙を製造した。比較例1は、特開平11−348192号公報の実施例2の多層樹脂延伸フィルムと同じである。表3〜4に、各フィルムの製造にあたって使用した材料の種類と量、延伸条件、および製造したフィルムの状態をまとめて示した。
【0058】
オレフィン系樹脂、エラストマーおよび微細粉末を混合することによって、配合物[A]および[B]を調製した。また、実施例3〜4および比較例1では、オレフィン系樹脂、エラストマーおよび微細粉末を混合することによって、配合物[C]も調製した。
配合物[A]と配合物[B]のみを調製した場合は、それぞれを250℃に設定された2台の押出機で溶融混練し、ダイ内で2つの配合物を積層して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して、2層の無延伸シートを得た。
配合物[A]、配合物[B]、配合物[C]を調製した場合は、これらの配合物を250℃に設定された3台の押出機でそれぞれ溶融混練し、ダイ内で配合物[C]の表面側に配合物[A]、裏面側に配合物[B]を積層して押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して、3層の無延伸シートを得た。
【0059】
形成された無延伸シートを表4に記載される延伸温度に加熱した後、縦方向にロール間で表4に記載される倍率に延伸した。ただし、実施例4では、3層構造の無延伸シートを130℃に加熱した後、縦方向にロール間で5倍延伸し、次いで、155℃に加熱した後、テンター延伸機を用いて横方向に9倍延伸して2軸延伸フィルムを得た。また、比較例2では延伸を行わなかった。
次いで、得られた延伸フィルムの両面に放電処理機(春日電機(株)製)を用いて50W/m2・分のコロナ処理を行って多層樹脂延伸フィルムを得た。得られた多層樹脂延伸フィルムの各層の空孔率、全体の空孔率、全厚および密度は表4に示すとおりであった。
【0060】
これらの多層樹脂延伸フィルムの表面層(A)に花柄のグラビヤ印刷(インキ:東洋インキ(株)製:商品名「CCST」)を施した後、100℃に加熱した深さ0.5mmのエンボスロールにて絹目柄のエンボス加工を行って壁紙を得た。
さらに多層樹脂延伸フィルムの裏面層(B)には水溶性の澱粉系接着剤(ヤヨイ化学社製:商品名「ルアーマイルド」と水を1:1に混合)を自動壁紙糊付機を用いて塗布し、素早く木質合板の壁面に貼り合わせ施工を行った。
【0061】
(比較例3〜4)
上記の多層樹脂延伸フィルムの他に、比較例2で得られた2層構造の無延伸フィルムの裏面層(B)に酢酸ビニール系接着剤(中央理化製「商品名AC−500」)を塗布し、坪量が80g/m2の天然紙を裏打ち貼合したものを、比較例3として調製した。さらに、天然紙が裏打ちされた市販のPVC壁紙を比較例4とした。
【0062】
比較例3の表面層(A)、比較例4の天然紙が裏打ちされていない側に、花柄のグラビヤ印刷(インキ:東洋インキ(株)製:商品名「CCST」)を施した後、100℃に加熱した深さ0.5mmのエンボスロールにて絹目柄のエンボス加工を行って壁紙を得た。
さらに、比較例3の裏面層(B)、比較例4の裏打ち紙側に、水溶性の澱粉系接着剤(ヤヨイ化学社製:商品名「ルアーマイルド」と水を1:1に混合)を自動壁紙糊付機を用いて塗布し、素早く木質合板の壁面に貼り合わせ施工を行った。
【0063】
(試験例)
調製した各多層樹脂延伸フィルムおよび壁紙について、以下の試験と評価を行った。
【0064】
1)水接触角
実施例1〜6および比較例1〜2で調製した各多層樹脂延伸フィルムの裏面層(B)の水接触角を、イオン交換水を用いて接触角計(協和界面化学(株)製:型式CA−D)で10回測定し、平均値を求めた。
【0065】
2)液体吸水容積
調製した各壁紙の裏面層(B)面の液体吸水容積を、「Japan TAPPI No.51−87」(紙パルプ技術協会、紙パルプ試験方法No.51−87、ブリスト法)に準拠して測定した。すなわち、熊谷理機工業(株)製ブリストー試験機II型を使用して無加圧の状態でイオン交換水に赤色の水性インキを20:1に配合した混合物を20μl滴下して、50(T1/2ms)における液体吸水容積を求めた。
【0066】
3)印刷適性
グラビア印刷された各多層樹脂延伸フィルムのインキ表面に粘着テープ(ニチバン(株)製:商品名「セロテープ」)を貼り付け、十分に押しつけた後、粘着テープを90度の角度において一定の速度で引き剥がしインキの取られ方を下記の基準により判定した。
◎:全くインキが剥がれない
○:フィルムの材料部分が破壊されるが、実用上問題ない
△:インキの殆どが剥がれるが、剥離するときに抵抗がある
実用上問題がある
X:インキ全量が剥がれ、剥離するときの抵抗もない
実用上使用できない
【0067】
4)エンボス加工適性
エンボス加工された各壁紙の表面凹凸を肉眼にて下記の基準により判定した(エンボスの掛かり評価)。
○:立体感があり且つシャープさもある
△:立体感はあるがややシャープさに欠ける。実用上問題ない
×:深さもシャープさにも欠ける。実用上使用できない
また、エンボス加工された各壁紙の裏面層(B)面に澱粉系接着剤を刷毛で適量塗り、合板の表面に空気が入らないように貼り付けた。貼り付けた合板2枚を壁紙の貼られた面同士を重ねて、60℃の乾燥機の中で300kg/m2の加圧を3分間行った後、取り出して貼り付けられた壁紙のエンボスの状態を肉眼にて下記基準により判定した(エンボスの戻り評価)。
◎:変化無し
○:わずかに立体感が減少しているが、実用上問題ない
△:立体感に欠け、明らかにエンボスの戻りがみられ、実用上問題あり
×:殆どエンボスが無くなっており、実用上使用できない
【0068】
5)壁紙施工性
90cmx180cmのサイズに各多層樹脂延伸フィルムを切り取り、裏面層(B)面(裏打ち紙のある場合は裏打ち紙面)に市販の澱粉系接着剤(ヤヨイ化学製商品「ルーアマイルド」)を水で1:1に希釈したものを自動壁紙糊付機(極東産機株社製)で付け、素早く木質合板の壁に貼った。この一連の作業性を下記基準で判定した。
○:貼り皺も無く連続的に綺麗に貼れた
△:貼り皺が若干発生するため、貼り付けに時間を要し実用上問題あり
X:貼り皺などが多く、きれいに壁に貼れないため実用上使用できない
【0069】
6)リサイクル適性
施工された各壁紙を1ヶ月後に壁面から剥がし、剥がした壁紙を粉砕機にかけてチップ状にした後、使用した高融点の樹脂材料の融点より60℃高い温度に設定され、100メッシュのスクリーンパックを装備した2軸押出機にて再溶融押出しを行った。このときのスクリーンパックの詰まりや発煙、変色などから再溶融押出し(再生)が可能か否かを判定した。
【0070】
以上の試験例の試験結果をまとめて表4に示す。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【発明の効果】
表4から明らかなように、本発明の多層樹脂延伸フィルムは、印刷適性、エンボス加工適性(エンボスの掛かりがよく、且つ戻りの少ない)に優れている。また、本発明の多層樹脂延伸フィルムは、裏面層(B)には水溶性接着剤の吸水能を付与したため、直接水溶性接着剤で壁などに貼り付け施工が可能で、裏打ち材及び感圧型粘着加工を必要とせず、リサイクル性にも優れている。このため、本発明の多層樹脂延伸フィルムは壁紙等として好適に利用することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is excellent in printability and embossing suitability, and does not require the backing of natural paper or the like as in conventional wallpaper, and can be directly applied to a wall or the like with a water-soluble adhesive and peeled off. The present invention relates to a stretched multi-layer resin film excellent in later recyclability.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a resin film used for an architectural decoration material (particularly wallpaper), a calendered film mainly composed of a vinyl chloride resin (PVC) or a foamed material has been used. Wallpapers using these PVC resins have problems of chlorine gas generated at the time of disposal or fire, and environmental pollution problems such as indoor pollution due to bleeding of plasticizers.
In order to solve these problems, development of a wallpaper film using polyolefin, a paste foaming method using a polyolefin resin, and the like has been recently conducted.
Recently, many wallpaper recycling methods have been proposed from the viewpoint of resource saving.
However, a backing material such as natural paper is used for conventional wallpaper such as PVC wallpaper or polyolefin wallpaper, and it is difficult to separate the resin material and the backing material (natural paper) when peeled off. For this reason, most of the waste wallpaper has been landfilled and is not recycled.
[0003]
For use as wallpaper, traditionally lining various materials on the back side, tack paper type wallpaper, applying adhesives, etc., or adhering to wall or wooden plywood directly ( (Glue) Coating is performed. However, it has been pointed out that these methods have poor adhesion (strength) and drying properties with adhesives and pressure-sensitive adhesives.
In order to solve these problems, natural paper is generally used as a backing material.
However, since the composition of the resin material and the backing material (natural paper) of the replaced wallpaper is different when the wallpaper is replaced, the used wallpaper that has been removed cannot be recycled as it is. For this reason, when recycling, it is necessary to separate the resin material and the backing paper.
Similarly, it is difficult to separate the pressure-sensitive adhesive from the resin material in the case of a tack paper type wallpaper having a pressure-sensitive adhesive mainly composed of a synthetic resin on the back surface. For this reason, it peels in a state where a large amount of pressure-sensitive adhesive is adhered, and the resin material undergoes thermal decomposition during recycling to generate foreign matter, and the flow characteristics of the resin change greatly, which is a major quality problem. The current situation is.
[0004]
Recently, in order to solve this problem, a method for separating the wallpaper resin material and the backing material (natural paper) has been proposed. For example, a wallpaper in which a coating layer mainly composed of a water-soluble polymer and a PVC resin-based or vinyl acetate-based synthetic binder is provided on a backing paper, and a PVC resin is laminated thereon, which is applied to warm water or an alkaline aqueous solution. A method of separating PVC and backing paper by dipping and stirring (Japanese Patent Laid-Open No. 6-173200) or a method of laminating a PET film, PP film, etc. between the backing material and the foamed PVC base material (Japanese Patent Laid-Open No. -293600) has been proposed. However, in any of the methods, the number of steps for separating the backing paper is increased, and thus there are problems such as an increase in cost required for recycling and a reduction in quality of the recycled resin material. For this reason, most of the stripped wallpaper is still disposed of by landfill or incineration.
[0005]
In addition, a polyolefin-based wallpaper material that does not require a backing material has been proposed, but when the adhesive is applied to the wall surface, such as PVC-based wallpaper using backing paper, the drying of the adhesive is slow. There is a problem in workability at the time of construction such as wrinkles entering when attaching.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve these problems of the prior art.
That is, the present invention is excellent in printability and embossability, has the same workability as conventional wallpaper, and has excellent recyclability without requiring a backing paper such as natural paper or pressure-sensitive adhesive processing. The object was to provide a stretched multilayer resin film suitable for monomaterial wallpaper.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of earnest research, the present invention provides a film with excellent properties that meet the object of the present invention by producing a stretched multilayer resin film containing an olefinic thermoplastic elastomer having a specific melting point. The headline and the present invention were completed.
[0008]
That is, the present invention has a melting point of 160 ° C. on the back surface of the printable surface layer (A) containing a thermoplastic resin containing an olefinic thermoplastic elastomer having a melting point of 160 ° C. or higher, inorganic fine powder and / or organic filler. The above-mentioned thermoplastic resin containing an olefin-based thermoplastic elastomer, a surface-treated inorganic fine powder and / or an organic filler, and a liquid water absorption volume measured by “Japan TAPPI No. 51-87” is 6 to 25 ml / m2The multilayer resin stretched film which laminated | stacked the back surface layer (B) which is is provided.
[0009]
In a preferred embodiment of the present invention, the thermoplastic resin is a mixture of an olefin resin and an olefin thermoplastic elastomer, and contains 10 to 100 parts by weight of the olefin thermoplastic elastomer with respect to 100 parts by weight of the olefin resin. preferable. The amount of the olefinic thermoplastic elastomer contained in the back layer (B) is preferably larger than the amount of the olefinic thermoplastic elastomer contained in the surface layer (A). The surface of the inorganic fine powder and / or organic filler used for the back layer (B) is at least selected from an anionic surfactant, a cationic surfactant, a nonionic surfactant, and an antistatic agent. It is preferable that it is processed by one.
[0010]
The average contact angle of the back layer (B) with respect to water is preferably 10 to 50 °, and the porosity of the multilayer resin stretched film is preferably 10 to 60%. Moreover, it is preferable that the porosity of a back surface layer (B) is larger than the porosity of a surface layer (A). The density of the stretched multilayer resin film is 0.4-1 g / cm.ThreeIs preferred. The multilayer resin stretched film is preferably manufactured by laminating the surface layer (A) and the back surface layer (B) and then stretching, and the surface layer (A) and the back surface layer (B) are subjected to an oxidation treatment. Is preferred.
[0011]
In addition, it is preferable that the surface layer (A) is further embossed after printing. In particular, it is preferable that a water-soluble adhesive can be applied directly to the back surface layer (B) and applied to a wall or the like. The water-soluble adhesive used for the back layer (B) preferably contains at least one selected from starch, polyacrylic acid, polyacrylamide, polyethylene oxide, polyvinyl alcohol, carboxymethylcellulose, and polyvinylamide.
In the present specification, “to” indicates a range including the numerical values described before and after the minimum and maximum values, respectively.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Below, the multilayer resin stretched film of this invention is demonstrated in detail.
The multilayer resin stretched film of the present invention has a surface layer (A) and a back surface layer (B). The surface layer (A) and the back surface layer (B) contain a thermoplastic resin, an inorganic fine powder and / or an organic filler. The surface layer (A) and the back surface layer (B) contain an olefinic thermoplastic elastomer having a melting point of 160 ° C. or higher as the thermoplastic resin.
[0013]
Structure of surface layer (A)
The surface layer (A) constituting the multilayer resin stretched film of the present invention is a surface on which various types of printing can be performed, followed by processing such as embossing. By performing such treatment, the stretched multilayer resin film of the present invention can be usefully applied as wallpaper or the like. Depending on the use of such a stretched multilayer resin film, the surface layer (A) is suitable for high-definition printing by various printing methods, and adhesion of ink to prevent ink dropout during subsequent embossing. It can be configured to have strength.
[0014]
As long as the thermoplastic resin used for the surface layer (A) includes an olefin-based thermoplastic elastomer having a melting point of 160 ° C. or higher, the type and composition of other resins are not particularly limited. Olefin resins are preferably used as other resins. Specifically, α-C 2 -C 8 such as ethylene, propylene, 1-butene, 1-hexene, 1-heptene, 1-octene, 4-methyl-1-pentene, 3-methyl-1-pentene and the like. Examples thereof include homopolymers of olefins and 2 to 5 types of copolymers of these α-olefins. The copolymer may be a random copolymer or a block copolymer. Specifically, the density is 0.89 to 0.97 g / cm.ThreeBranched polyethylene, linear polyethylene having a melt flow rate (190 ° C., 2.16 kg load) of 1 to 10 g / 10 min; Melt flow rate (230 ° C., 2.16 kg load) of 0.2 to 20 g / 10 Propylene homopolymer, propylene / ethylene copolymer, propylene / 1-butene copolymer, propylene / ethylene / 1-butene copolymer, propylene / 4-methyl-1-pentene copolymer, propylene / 3 Examples thereof include methyl-1-pentene copolymer, poly (1-butene), poly (4-methyl-1-pentene), and propylene / ethylene / 3-methyl-1-pentene copolymer.
[0015]
Among these, a propylene homopolymer, a propylene / ethylene random copolymer, and a high density polyethylene are preferable because they are inexpensive and have good moldability. Also, in order to make the porosity of the back layer (B) larger than the porosity of the surface layer (A), high density polyethylene or propylene / ethylene random copolymer is used for the surface layer (A). Is particularly preferred.
[0016]
As the olefinic thermoplastic elastomer used for the surface layer (A), it is preferable to use a thermoplastic elastomer of a composite material composed of an olefinic elastomer and an olefinic resin. In particular, the following three types can be mentioned as preferred examples.
(1) A simple blend of an olefin elastomer as a soft segment and an olefin as a hard segment.
(2) A compound obtained by partially crosslinking or polymerizing an olefin elastomer and an olefin resin.
(3) A product obtained by crosslinking an olefin elastomer and dispersing it in an olefin resin.
Examples of the olefin elastomer include ethylene rubber typified by EPDM. Examples of the olefin resin include polyethylene and propylene resin.
[0017]
The melting point (DSC peak temperature) of the olefin-based thermoplastic elastomer has good embossing suitability for the surface layer (A) and the film rigidity necessary for construction on the wall surface and the flexibility to absorb the irregularities on the wall surface after the construction (flick property). In order to provide, it is preferable that it is 160 degreeC or more, and it is more preferable that it is 165-180 degreeC. If the melting point of the olefin-based thermoplastic elastomer is less than 160 ° C., when a water-soluble adhesive is applied to the back surface layer (B) during construction on the wall surface, the film tends to wrinkle and workability tends to deteriorate. . In addition, a flame retardant, antioxidant, a dispersing agent, a fungicide, an antibacterial agent, an ultraviolet stabilizer, etc. can be added to the olefinic thermoplastic elastomer and the thermoplastic resin as necessary.
[0018]
In the present invention, only one of the above olefinic thermoplastic elastomers may be selected and used alone, or two or more may be selected and used in combination.
Further, the amount of the olefinic thermoplastic elastomer contained in the surface layer (A) is preferably less than the amount of the olefinic thermoplastic elastomer contained in the back layer (B). On the other hand, if the amount is increased, the amount of pores in the surface layer (A) is likely to be larger than that in the back layer (B), which may cause problems in terms of recyclability, printability of the surface layer, and surface strength.
[0019]
The mixing ratio of the mixture of the olefinic resin and the olefinic thermoplastic elastomer is preferably 10 to 100 parts by weight of the olefinic thermoplastic elastomer with respect to 100 parts by weight of the olefinic resin, and 20 to 80 parts by weight. Is more preferable.
[0020]
An inorganic fine powder and / or an organic filler is used for the surface layer (A).
The type of inorganic fine powder is not particularly limited, but heavy calcium carbonate, light calcium carbonate, clay, talc, titanium oxide, barium sulfate, zinc oxide, magnesium oxide, diatomaceous earth, silicon oxide with an average particle size of 0.1 to 3 μm Etc. are mentioned as preferable examples. Among these, light or heavy calcium carbonate, clay, diatomaceous earth, and titanium oxide are preferable because they have good formation of voids generated by stretch molding and are inexpensive.
[0021]
The type of the organic filler is not particularly limited, but it is preferable to select a different type of resin from the thermoplastic resin which is a main component having an average particle diameter after dispersion of 0.1 to 3 μm. For example, when the thermoplastic resin film is an olefin resin film, the organic filler may be polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polycarbonate, nylon-6, nylon-6,6, a cyclic olefin cyclic olefin homopolymer or cyclic Examples thereof include a copolymer of olefin and ethylene having a melting point of 120 ° C. to 300 ° C. or a glass transition temperature of 120 ° C. to 280 ° C.
When blending and kneading these organic fillers in an olefin resin, it is desirable to add a dispersant, an antioxidant, an ultraviolet stabilizer, a compatibilizing agent, and the like as necessary. In particular, since the compatibilizer determines the particle form of the organic filler, the selection of the addition amount and type is important.
[0022]
As the inorganic fine powder or organic filler, it is desirable to select one having a small content of coarse particles exceeding 44 μm in order to prevent white spots during printing.
In particular, by using an inorganic fine powder or organic filler having an average particle size smaller than that of the inorganic fine powder or organic filler used for the back surface layer (B) for the surface layer (A), pores generated by stretching are formed on the back surface layer (B ) It becomes possible to reduce as much as possible. By doing so, surface strength can be improved and high-definition printing can be performed. As a result, even when used as wallpaper, defects such as surface peeling can be eliminated, and in embossing, embossing at a lower temperature is possible, so productivity is improved.
For the surface layer (A), one of the above inorganic fine powders and organic fillers may be selected and used alone, or two or more may be selected and used in combination. . When using in combination of 2 or more types, you may mix and use an inorganic fine powder and an organic filler.
[0023]
The surface layer (A) is composed of 40 to 90% by weight of a mixture of an olefin resin and an olefin thermoplastic elastomer, and 10 to 60% by weight of inorganic fine powder and / or organic filler having an average particle size of 0.1 to 3 μm. It is particularly preferable to contain it.
When the inorganic fine powder and / or the organic filler is less than 10% by weight, the adhesion of the ink tends to deteriorate. On the other hand, if it exceeds 60% by weight, uniform stretching becomes difficult, and film blurring occurs on the surface of the film obtained by stretching, which tends to lack practicality. When the average particle size of the inorganic fine powder and / or organic filler is less than 0.1 μm, secondary aggregation occurs due to poor dispersion in the thermoplastic resin, and surface projections tend to increase and high-definition printing tends to be impossible. There is. On the other hand, when the thickness exceeds 3 μm, the surface smoothness tends to be lowered and high-definition printing tends to be impossible as described above.
[0024]
When the stretched multilayer resin film of the present invention is applied as wallpaper, or when it is desired to suppress deterioration over time such as material strength as a durable material or printing ink adhesion strength after application, an antioxidant, ultraviolet light is applied to the surface layer (A). It is desirable to add a stabilizer, titanium oxide or the like.
[0025]
Configuration of back layer (B)
The back surface layer (B) constituting the multilayer resin stretched film of the present invention can be embossed with a three-dimensional effect, applied with a water-soluble adhesive, and directly applied to a wall or the like. By performing such treatment, the stretched multilayer resin film of the present invention can be usefully applied as wallpaper or the like. Depending on the use of such a stretched multilayer resin film, the back surface layer (B) has suitability for embossing and construction suitability such as drying and adhesion of the adhesive when a water-soluble adhesive is applied. Can be configured.
[0026]
As a kind of the thermoplastic resin and thermoplastic elastomer used for a back surface layer (B), the thing similar to what was described in the said surface layer (A) is mentioned. The thermoplastic resin and thermoplastic elastomer used for the back layer (B) may be the same as or different from those used for the surface layer (A). As the thermoplastic resin for the back surface layer (B), it is particularly preferable to use a propylene homopolymer in order to make the porosity of the back surface layer (B) larger than the porosity of the surface layer (A). The mixing ratio of the mixture of the olefin resin and the olefin thermoplastic elastomer is preferably the same as that of the surface layer (A) from the viewpoint of workability.
In order to prevent deterioration of the multilayer resin stretched film as a durable material over time, it is desirable to add an antioxidant, an ultraviolet stabilizer or the like to the back layer (B). Furthermore, you may add a flame retardant etc. as needed.
[0027]
An inorganic fine powder and / or an organic filler is used for the back layer (B). Examples of the inorganic fine powder and the organic filler include the same materials as those described in the surface layer (A). The inorganic fine powder and / or organic filler used for the back layer (B) may be the same as or different from those used for the surface layer (A).
[0028]
It is particularly preferable to use a surface-treated inorganic fine powder for the back layer (B). Examples of the surface-treated inorganic fine powder include water-soluble anionic surfactants, cationic surfactants, or nonionic surfactants having an average molecular weight of 1,000 to 150,000 during wet grinding of heavy calcium carbonate. Products treated with a surfactant, products treated with an anionic antistatic agent, a cationic antistatic agent, or a nonionic antistatic agent during wet pulverization, and the above surfactant treatment and organic antistatic agent treatment Are processed in two stages. The liquid water absorption volume measured by “Japan TAPPI No. 51-87” of the obtained multilayer resin stretched film is in a preferred range (6 to 25 ml / m2In order to obtain a hydrophilic surface having an average contact angle with water in a preferred range (10 to 50 °), a surfactant and an organic antistatic agent are added to a fine powder having an average particle size of 0.5 to 10 μm. It is preferable to use a fine powder treated in two stages.
[0029]
In order to make the porosity of the stretched multilayer resin film within a preferable range (10 to 60%), the blending amount of the inorganic fine powder and / or organic filler in the back layer (B) should be 30 to 70% by weight. Preferably, it is more preferably 35 to 65% by weight.
[0030]
Liquid water absorption volume measured by “Japan TAPPI No. 51-87” is 25 ml / m2If the contact angle with respect to water is less than 10 °, the water absorption rate will be too high, so when a water-soluble adhesive is used, the adhesive component itself tends to penetrate too much into the interior. is there. For this reason, a large amount of adhesive is required, and the production cost tends to increase. In addition, the adhesive tends to be dried before it is applied to the wall, making the installation difficult.
On the other hand, the liquid water absorption volume is 6 ml / m2If the average contact angle with water exceeds 50 °, the water absorption rate of the water is slowed down, and the drying of the adhesive is slowed down. Tends to decrease. Moreover, since there is little penetration | invasion to the film of adhesive component itself, there exists a tendency for the adhesiveness of an adhesive agent and a multilayer resin stretched film to also fall.
[0031]
The back layer (B) is made of 30 to 70% by weight of a mixture of an olefin resin and an olefin thermoplastic elastomer, and 70% of surface-treated inorganic fine powder and / or organic filler having an average particle size of 0.5 to 10 μm. It is preferable to contain -30 wt%.
When the inorganic fine powder and / or the organic filler is less than 30% by weight or the average particle size of the inorganic fine powder and / or the organic filler is less than 0.5 μm, the generation of voids is reduced. There is a tendency for aptitude (embossing) to be poor. In addition, the wallpaper itself is not sufficiently concealed, and the background of the wall can be seen, and the unevenness of the wall becomes conspicuous, so that the flicker property is insufficient and there is a tendency that the luxury feeling is lost. Furthermore, there is a tendency that high water absorption ability cannot be obtained.
On the other hand, when the inorganic fine powder and / or the organic filler exceeds 70% by weight or the average particle diameter is 10 μm or more, uniform stretching becomes difficult, and film blurring tends to occur on the surface of the film obtained by stretching.
[0032]
Other layers
The multilayer resin stretched film of the present invention may have others as long as it has the surface layer (A) and the back surface layer (B) that satisfy the conditions of the present invention. For example, one or more intermediate layers (C) may be provided between the front surface layer (A) and the back surface layer (B).
It is preferable that this intermediate | middle layer (C) has a porosity comparable as a back surface layer (B) from embossability.
[0033]
The thickness of the stretched multilayer resin film of the present invention is preferably 30 to 500 μm, and more preferably 80 to 400 μm. Moreover, a 1 mm thick thing can also be obtained by bonding using various adhesives.
The ratio [(A) / (B)] of the thickness of the surface layer (A) and the back layer (B) is [(1-7) / (9-3)]. It is preferable in terms of workability and emboss return. When the ratio of the thickness of the back surface layer (B) is less than 30%, embossing tends to be poor, and the amount of water-soluble adhesive absorbed tends to be insufficient, resulting in poor adhesive drying. In addition, when providing an intermediate | middle layer (C), it is preferable to consider including the thickness of an intermediate | middle layer (C) in the ratio of the thickness of the said back surface layer (B).
[0034]
Production and processing of stretched multilayer resin films
The stretched multilayer resin film of the present invention can be produced by combining various methods known to those skilled in the art. A multilayer stretched resin film produced by any method is included within the scope of the present invention as long as it satisfies the conditions described in claim 1.
[0035]
For example, the surface layer (A) and the back surface layer (B) may be produced by separately stretching and then laminated, or the surface layer (A) and the back surface layer (B) may be laminated together. What was manufactured by extending | stretching may be used. When the intermediate layer (C) is included, the three layers may be stretched separately and then laminated, or may be laminated and then stretched together, or the surface layer (A) and the intermediate layer. It may be produced by laminating (C) and stretching, and then laminating a stretched or unstretched back layer (B). These methods can be combined as appropriate.
[0036]
A preferable manufacturing method is a method of laminating the surface layer (A), the intermediate layer (C), and the back surface layer (B) when the surface layer (A), the back surface layer (B), and the intermediate layer (C) are present. It includes a step of stretching. Compared with the case of separately stretching and laminating, it is simpler and the cost is lower. Moreover, the control of the holes formed in the front surface layer (A) and the back surface layer (B) becomes easier.
[0037]
Various known methods can be used for stretching. Specific methods of stretching include stretching between rolls utilizing the peripheral speed difference of the roll group, clip stretching using a tenter oven, and the like. Among these, roll stretching in the uniaxial direction is preferable because the stretching ratio can be arbitrarily adjusted and the size and number of holes formed can be controlled. Further, since the resin is oriented in the flow direction of the film, it is possible to obtain a stretched multilayer resin film having a higher tensile strength and a smaller dimensional change due to the tension during printing and processing as compared to the unstretched film. Such a multilayer resin stretched film is extremely useful for wallpaper.
[0038]
The draw ratio is not particularly limited, and is appropriately selected depending on the purpose and the characteristics of the thermoplastic resin used. For example, when a propylene homopolymer or a copolymer thereof is used as the thermoplastic resin, it is 1.2 to 12 times, preferably 2 to 7 times.
The stretching temperature is not particularly limited, but it is preferably performed at a temperature 5 ° C. or more (preferably 10 ° C. or more) lower than the melting point of the resin used for the back layer (B). If the temperature is not lower than 5 ° C., there is a tendency that the sheet sticks to the roll surface and the sticking pattern appears on the stretched film surface in the inter-roll stretching. Moreover, since the crack generation by the void | hole of a back surface layer (B) decreases, water absorption ability becomes bad, and when it constructs directly on a wall, there exists a tendency for water-soluble adhesive to become dry and workability to fall large.
The multilayer resin stretched film of the present invention can be further subjected to heat treatment at a high temperature as necessary.
[0039]
The stretched multilayer resin film has fine pores. The porosity of the stretched multilayer resin film of the present invention is preferably 10 to 60%, more preferably 15 to 50%. In addition, the porosity in this specification shows what calculated | required the void | hole of the area | region which observed the electron micrograph from the area rate using the image-analysis apparatus (Nileko Co., Ltd. product: type | mold Luzex IID).
[0040]
When the porosity of the multilayer resin stretched film is less than 10%, the water-absorbing ability tends to be insufficient when a water-soluble adhesive is used. Moreover, when the porosity exceeds 60%, the water-absorbing ability is too large, and a large amount of adhesive is required for the adhesive to permeate into the layer, so that the construction cost tends to increase.
Moreover, it is preferable that the porosity of a back surface layer (B) is larger than the porosity of a surface layer (A). When the porosity of the surface layer (A) is larger, problems may occur in terms of recyclability, printability of the surface layer, and surface strength.
[0041]
The density of the stretched multilayer resin film of the present invention is 0.4-1 g / cm.ThreePreferably, 0.45 to 0.95 g / cmThreeIt is more preferable that The multilayer resin stretched film of the present invention is particularly preferably a film having white opaque voids.
[0042]
The stretched multilayer resin film of the present invention may be used as it is, or may be used by being laminated on another thermoplastic film or the like. For example, another thermoplastic resin film can be laminated on the surface layer (A) of the stretched multilayer resin film of the present invention. Examples of the laminated film include transparent or opaque films such as a polyester film, a polyamide film, and a polyolefin film.
[0043]
Furthermore, in order to improve the printability, the surface layer can be subjected to various oxidation treatments, or an antistatic agent, an anchor coating agent, a waterproofing agent, or the like can be applied.
Moreover, in order to improve hydrophilicity and the adhesiveness with a water-soluble adhesive, it is preferable to perform various oxidation treatments on the back layer. Examples of the oxidation treatment method include corona discharge treatment, plasma treatment, flame treatment, glow discharge treatment, and ozone treatment, and corona discharge treatment and flame treatment are preferred.
[0044]
The multilayer resin stretched film of the present invention is particularly useful for wallpaper and decorative paper for decorative plywood, but is also useful for flooring materials, automobile interior materials, tack labels that have been subjected to adhesive processing, and the like.
[0045]
Printing can be performed on the surface of the stretched multilayer resin film of the present invention according to the purpose of use. The type and method of printing are not particularly limited. For example, printing can be performed using known printing means such as gravure printing using an ink in which a pigment is dispersed in a known vehicle, aqueous flexo, silk screen, UV offset rotary printing, or the like. Moreover, it can also print by metal vapor deposition, gloss printing, mat printing, etc. The pattern to be printed can be appropriately selected from natural patterns such as stone, wood, lattice, polka dots, and floral patterns, abstract patterns, characters, and the like.
[0046]
The multilayer resin stretched film of the present invention can be embossed. The embossing is generally performed after printing, but further printing may be performed after the embossing.
The embossing can be performed, for example, by shaping the concavo-convex shape of the embossing plate with heat or pressure using various known presses or embossing machines such as a lithographic press machine or a roll embossing machine. The roll embossing method is a method in which the uneven shape of a cylindrical embossing plate is formed on a target material by hot pressure. Heat pressing is performed between the heat deformation temperature and the melting temperature of the resin used for the surface layer (A) of the multilayer resin stretched film, and the embossed plate is pressed against the surface of the multilayer resin stretch film. After shaping, it is cooled and fixed in shape. As the heating method, for example, infrared irradiation, hot air blowing, conduction heat from a heating roller, dielectric heating, or the like is used. The embossing can be performed simultaneously with the film forming either before or after stretching without using an embossing machine.
[0047]
When the multilayer resin stretched film of the present invention is used as a decorative plywood, the design can be improved by performing wiping after embossing and filling the recess with wiping ink. It is particularly suitable for reproducing the appearance of the wood conduit.
[0048]
In addition to wiping, a surface protective layer made of a transparent resin layer can be formed as the outermost layer. The surface protective layer protects the surface layer, and also has a function of imparting a three-dimensional effect to the design such as the underlying pattern and emboss. Accordingly, the surface protective layer is particularly useful when the stretched multilayer resin film of the present invention is used as a decorative board or wallpaper.
The surface protective layer can be formed by coating or pasting. In order to further improve the surface physical properties, it is preferable to use a colorless transparent or colored transparent resin having excellent surface physical properties such as weather resistance, abrasion resistance, and stain resistance. Preferable examples of such resins include various liquid curable resins such as various acrylates and polyesters, ionizing radiation curable resins, polyurethanes and unsaturated polyesters, fluorine resins, and polysiloxane resins. This surface protective layer may contain known antibacterial agents, fungicides, fragrances and the like.
[0049]
Application of stretched multilayer resin film
On the back surface of the stretched multilayer resin film of the present invention, an adhesive is directly applied to a wooden wall material, gypsum board, various composite materials (resin decorative board, wood plywood, etc.), metal plate such as iron plate, aluminum plate, etc. In addition, they can be used by directly bonding them together. For this reason, when using the multilayer resin stretched film of this invention for wallpaper etc., it is not necessary to back-line the back material (natural paper etc.). For this reason, when the multilayer resin stretched film of the present invention is used for wallpaper, etc., the backing material (natural paper, etc.) is mixed into the recycled raw material when the unnecessary wallpaper is removed from the wall after construction and the wallpaper is recycled. Therefore, it is possible to recycle monomaterial materials.
[0050]
The adhesive used for laminating the multilayer resin stretched film of the present invention is not particularly limited, and a water-soluble adhesive, a water-containing carbon-based adhesive, a synthetic resin-based adhesive, or the like can be used. The adhesive may be either solvent-based or water-soluble, but it is preferable to use a water-soluble adhesive from the viewpoint of workability and safety (poisoning due to solvent scattering, fire, etc.).
[0051]
The water-soluble adhesive has a property of dissolving or swelling in water, and examples of the protein-based adhesive include gelatin, glue, and casein.
Examples of the water-containing carbon adhesive include starch and derivatives thereof, and examples of the cellulose derivative include hydroxyethyl cellulose, ethyl hydroxyethyl cellulose, carboxymethyl cellulose (CMC), and viscose. Other examples include arabic rubber and tragacanth rubber.
[0052]
Examples of the synthetic resin adhesive include polyvinyl alcohol, polyvinyl ether, and polyvinyl pyrrolidone. In addition, polyacrylamide, polyethylene oxide, polyvinyl amide, water-soluble polyurethane, polyacrylic acid resin and its salts, etc. are mentioned, but as an adhesive, emulsification of vinyl acetate, acrylate ester, ethylene vinyl acetate, vinyl chloride, etc. An emulsion adhesive obtained by polymerization can be mentioned.
[0053]
Among them, as a water-soluble adhesive used for bonding the multilayer resin stretched film of the present invention to a wall or the like, starch and its derivatives, polyacrylic acid, polyacrylamide, polyethylene oxide, polyvinyl alcohol, Carboxymethylcellulose (CMC) and polyvinylamide are preferred, and starch and derivatives thereof are more preferred.
[0054]
【Example】
The features of the present invention will be described more specifically with reference to the following examples, comparative examples and test examples. The materials, amounts used, ratios, processing details, processing procedures, and the like shown in the following examples can be changed as appropriate without departing from the spirit of the present invention. Therefore, the scope of the present invention should not be construed as being limited by the specific examples shown below.
The materials used in the following examples and comparative examples are summarized in Tables 1 and 2. In addition, MFR in a table | surface means a melt flow rate.
[0055]
[Table 1]
[0056]
[Table 2]
[0057]
(Examples 1-6 and Comparative Examples 1-2)
A multilayer resin stretched film (Examples 1 to 6) and a comparative multilayer resin stretched film (Comparative Examples 1 and 2) of the present invention were produced according to the following procedure, and wallpaper was produced using these. Comparative Example 1 is the same as the multilayer resin stretched film of Example 2 of JP-A-11-348192. In Tables 3-4, the kind and quantity of the material used in manufacture of each film, extending | stretching conditions, and the state of the manufactured film were shown collectively.
[0058]
Formulations [A] and [B] were prepared by mixing olefinic resin, elastomer and fine powder. In Examples 3 to 4 and Comparative Example 1, a blend [C] was also prepared by mixing an olefin resin, an elastomer and a fine powder.
When only compound [A] and compound [B] were prepared, each was melt-kneaded with two extruders set at 250 ° C., and the two compounds were laminated and extruded in a die. And it cooled to 70 degreeC with the cooling device, and obtained the two-layer unstretched sheet.
When the blend [A], blend [B], and blend [C] were prepared, these blends were melt-kneaded with three extruders set at 250 ° C., and blended in the die. Compound [A] was laminated on the surface side of [C] and compound [B] was laminated on the back side and extruded, and cooled to 70 ° C. with a cooling device to obtain a three-layer unstretched sheet.
[0059]
The formed unstretched sheet was heated to the stretching temperature described in Table 4, and then stretched in the machine direction between the rolls to the magnification described in Table 4. However, in Example 4, an unstretched sheet having a three-layer structure was heated to 130 ° C., then stretched 5 times between rolls in the longitudinal direction, and then heated to 155 ° C., and then transversely using a tenter stretching machine. The film was stretched 9 times to obtain a biaxially stretched film. In Comparative Example 2, no stretching was performed.
Next, 50 W / m was used on both sides of the obtained stretched film using a discharge treatment machine (Kasuga Denki Co., Ltd.).2-A corona treatment for min was performed to obtain a stretched multilayer resin film. Table 4 shows the porosity, overall porosity, total thickness, and density of each layer of the obtained multilayer resin stretched film.
[0060]
The surface layer (A) of these multilayer resin stretched films was subjected to floral gravure printing (ink: manufactured by Toyo Ink Co., Ltd .: trade name “CCST”) and then heated to 100 ° C. with a depth of 0.5 mm. The wallpaper was obtained by embossing the silk pattern with the embossing roll.
Further, a water-soluble starch adhesive (manufactured by Yayoi Chemical Co., Ltd .: trade name “Lure Mild” and water mixed 1: 1) is used for the back layer (B) of the stretched multilayer resin film using an automatic wallpaper pasting machine. It was applied and quickly applied to the wall of the wooden plywood.
[0061]
(Comparative Examples 3-4)
In addition to the above-mentioned multilayer resin stretched film, a vinyl acetate adhesive (“trade name AC-500” manufactured by Chuo Rika Co., Ltd.) is applied to the back layer (B) of the unstretched film having a two-layer structure obtained in Comparative Example 2. The basis weight is 80 g / m2A natural paper was laminated as a backing and prepared as Comparative Example 3. Further, a commercially available PVC wallpaper lined with natural paper was used as Comparative Example 4.
[0062]
After applying the surface layer (A) of Comparative Example 3 and the natural paper of Comparative Example 4 on which the natural paper is not backed, a floral gravure printing (ink: manufactured by Toyo Ink Co., Ltd .: trade name “CCST”), A silk pattern was embossed with an embossing roll having a depth of 0.5 mm heated to 100 ° C. to obtain a wallpaper.
Further, on the back layer (B) of Comparative Example 3 and the backing paper side of Comparative Example 4, a water-soluble starch-based adhesive (manufactured by Yayoi Chemical Co., Ltd .: trade name “Lure Mild” and water mixed 1: 1). It was applied using an automatic wallpaper pasting machine and quickly applied to the wall of the wood plywood.
[0063]
(Test example)
Each of the prepared multilayer resin stretched films and wallpaper was subjected to the following tests and evaluations.
[0064]
1) Water contact angle
The water contact angle of the back surface layer (B) of each multilayer resin stretched film prepared in Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 and 2 was measured using a contact angle meter (manufactured by Kyowa Interface Chemical Co., Ltd .: Model). CA-D) was measured 10 times and the average value was determined.
[0065]
2) Liquid water absorption volume
The liquid water absorption volume of the back layer (B) of each prepared wallpaper was measured according to “Japan TAPPI No. 51-87” (Paper and Pulp Technology Association, Paper Pulp Test Method No. 51-87, Brist method). did. That is, using a Bristow tester type II manufactured by Kumagai Riki Kogyo Co., Ltd., 20 μl of a mixture of 20: 1 red water-based ink was added dropwise to ion-exchanged water under no pressure, and 50 (T1/2ms)).
[0066]
3) Printability
Adhesive tape (manufactured by Nichiban Co., Ltd .: trade name “Cellotape”) is applied to the ink surface of each gravure-printed multi-layer resin stretched film. How to take off the peeling ink was determined according to the following criteria.
A: Ink does not peel off at all
○: Although the material part of the film is destroyed, there is no practical problem.
Δ: Most of the ink peels off, but there is resistance when peeling
There are practical problems
X: The whole amount of ink peeled off, and there was no resistance when peeling
Cannot be used practically
[0067]
4) Embossing suitability
The surface irregularities of each embossed wallpaper were judged with the naked eye according to the following criteria (eboss embossing evaluation).
○: 3D and sharp
(Triangle | delta): Although there is a three-dimensional effect, it is a little lacking in sharpness. No problem in practical use
X: Lack of depth and sharpness. Cannot be used practically
In addition, an appropriate amount of starch-based adhesive was applied with a brush to the back layer (B) of each embossed wallpaper, and was pasted so that air did not enter the surface of the plywood. Two sheets of pasted plywood are stacked on each other with wallpaper and 300kg / m in a 60 ° C dryer.2After pressing for 3 minutes, the embossed state of the removed and pasted wallpaper was judged by the naked eye according to the following criteria (evaluation of emboss return).
A: No change
○: Three-dimensional effect is slightly reduced, but there is no practical problem
△: lack of three-dimensional effect, apparently embossed return, practically problematic
×: Embossing almost disappeared and cannot be used practically
[0068]
5) Wallpaper workability
Each multilayer resin stretched film is cut to a size of 90 cm × 180 cm, and a commercially available starch-based adhesive (product of Yayoi Chemical Co., Ltd. “Luo Mild”) is used with water on the back layer (B) side (backing paper surface if there is backing paper) 1: The one diluted to 1 was attached with an automatic wallpaper pasting machine (manufactured by Kyokuto Sangyo Co., Ltd.) and quickly applied to the wall of the wood plywood. This series of workability was determined according to the following criteria.
○: Attached cleanly continuously without sticking
△: Some sticking occurs, so it takes time to stick and there are practical problems
X: There are many sticks, etc., and it cannot be put on the wall neatly, so it cannot be used practically
[0069]
6) Recyclability
Each applied wallpaper was peeled off from the wall after one month, and the peeled wallpaper was crushed into chips, then set to a temperature 60 ° C. higher than the melting point of the high melting point resin material used. Remelting extrusion was carried out with the equipped twin screw extruder. Whether or not remelt extrusion (regeneration) is possible was determined from clogging, smoke generation, and discoloration of the screen pack.
[0070]
Table 4 summarizes the test results of the above test examples.
[0071]
[Table 3]
[0072]
[Table 4]
[0073]
【The invention's effect】
As is clear from Table 4, the stretched multilayer resin film of the present invention is excellent in printability and embossability (good embossing and low return). Moreover, since the multilayer resin stretched film of the present invention imparts the water absorption capability of the water-soluble adhesive to the back surface layer (B), it can be directly applied to a wall or the like with a water-soluble adhesive. Adhesive processing is not required and recyclability is excellent. For this reason, the multilayer resin stretched film of this invention can be utilized suitably as wallpaper etc.
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