JP4448260B2 - 骨組織再生誘導膜 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、骨の損傷や骨折時において手術現場での易操作性、易成形性及び骨再生のための形状維持安定性に優れた、骨が形成されるまで患部に固定、遮蔽及び骨再生を誘導する膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】
整形外科や口腔外科での骨欠損に対する治療法は自家骨移植、同種骨移植、異種骨移植及び人工骨移植が適用されている。しかし、骨採取量及び免疫問題などから人工骨による治療が有効である。
人工骨材料としては金属材料、セラミックス材料、合成高分子材料等がインプラント材料として使用されている。現在、金属材料及びセラミックス材料が広く臨床に使用されているが、特に金属材料は生体組織より物理的、機械的強度が大きくなりすぎることと、腐食による含有金属の生体に対する毒性のため生体親和性も劣っており、生体内に於いても非吸収性材料であるため形成された骨組織内に残存して新生骨の成長に影響を与え、骨の強度が低下するという問題がある。
【0003】
このようなことから機械的強度が高すぎることなく、かつ生体内で分解吸収され生体適合性にすぐれた材料であるポリ乳酸系共重合体材料が活発に開発され、臨床に用いられている。
また、これらの材料を使用した骨組織再生誘導(GBR)法が注目され研究されている。この治療法は骨の自己再生能力を活かして治療部位に軟組織の侵入を防ぐ遮蔽膜を固定する方法であり、手術法も極めて簡便な治療法であり、口腔外科では多くの良好な結果が得られている。
【0004】
しかし、整形外科では口腔外科の比較的小さな治療部位とは異なり、大きな骨欠損部への治療が対象となる。そのため、吸収性合成高分子材料による遮蔽膜においても骨形成の初期段階で軟組織の侵入を防ぐ膜の形状維持が特に重要となっている。
【0005】
ここでの形状維持は、膜の単一方向への引張りもしくは伸び等の機械強度に依存するものではなく、骨組織が再生されるまでの軟組織等の侵入圧力に対する膜の剛性が大きく関係する。
しかし、臨床で実際に使用されているものは易操作性もしくは形状維持を優先させたものに二分され、それぞれに問題が生じている。
【0006】
室温において剛性率1,000MPa程度を示す吸収性合成高分子材料膜はハサミによる切断あるいは骨欠損部位への縫合、設置など易操作性及び易成形性に優れている。しかし、生体内の体温付近では剛性率の極端な減少から形態維持安定性に乏しく遮蔽効果が弱まり、骨組織再生を妨げる軟組織が侵入して治療効果に悪影響を及ぼす。
また、形態維持安定性を優先し、体温付近で剛性率1,000MPa程度を示す吸収性合成高分子材料膜は、室温において剛性率は極端に高くなり、骨欠損部への固定するための曲げ成形、ハサミによる切断、縫合糸での縫合等の処置において膜が割れるなどによる問題が生じる。そのため実作業では高温の滅菌生理食塩液中に浸漬して膜を柔軟化して使用する場合もあり術式は簡便であるものの、極めて操作性が悪いものであった。
【0007】
このようなことから、使用する温度範囲(4℃から40℃)全般において剛性率が500〜2000MPaの範囲内である吸収性合成高分子材料膜の開発が望まれていた。しかし、ポリ乳酸系共重合体材料は、本来熱可塑性高分子の一種であり、その熱的性質のひとつのガラス転移温度(Tg)は0〜65℃付近であり、温度に対して膜の物性が非常に影響を受けやすい。そのため温度依存的に剛性率の変化が大きく、単一材料では適用する温度範囲において剛性率が上記条件を満たす材料は存在しない。
特許平9−14785では乳酸/ε−カプロラクトン共重合体の積層した材料を使用しているが適切な剛性は得られていない。
この問題を解決するために、リン酸カルシウム材料等の他の吸収性材料によって複合材料化して剛性の調整を行っているが、いまだ適切な材料には到っていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
[1]本発明は、少なくとも外層膜と内層膜の二層膜よりなる骨組織再生誘導膜において、
前記外層膜は、室温において、剛性率が500〜5000MPa、ガラス転移温度が40〜60℃の範囲にある材料から構成され、
当該材料は、乳酸系重合体を20重量%以上含有した材料より構成され、
当該乳酸系重合体は、
(a)生体吸収性のポリ乳酸単体、または
(b)乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料との複合体であり、
前記内層膜は、室温において、剛性率が2.0〜500MPa、ガラス転移温度が4〜37℃の範囲にある材料から構成され、
当該材料は、乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料の複合体よりなり、かつ前記三元系共重合体を5重量%以上含有した材料より構成され、
前記外層膜及び前記内層膜を構成する乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体の組成モル比は、5〜90:3〜75:5〜40モル%の範囲であり、
数平均分子量が20,000から200,000であり、
骨組織再生誘導膜全体は、4〜40℃において、剛性率が500〜2000MPaの範囲にある、骨組織再生誘導膜を提供する。
[2]本発明は、前記骨組織再生誘導膜が前記外層膜と前記内層膜とを熱融着することにより積層されたものである[1]に記載の骨組織再生誘導膜を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の骨組織再生誘導膜1の一例を示す概略図である。
図2は、骨組織再生誘導膜1を構成する積層体2の一部拡大断面図である。骨組織再生誘導膜1は外層膜3と内層膜4より構成される。
本発明で外層膜3とは骨組織再生誘導膜1を構成する最外層の膜で、本発明で内層膜4とは骨組織再生誘導膜1を構成する最内層の膜である。積層体2を三層以上で構成する場合、これらの外層膜3と内層膜4の間に一層以上の中間層膜が配置される。
【0010】
前記外層膜3は乳酸系重合体より構成され、該乳酸系重合体は、(a)生体吸収性のポリ乳酸単体または(b)ポリ乳酸とリン酸カルシウム系材料との複合体または(c)乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料の複合体または(d)乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸からなる共重合体である。
乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸からなる共重合体とは、グリコール酸、α・β・γ−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸等あるいはグリコリド、ε−カプロラクトン、テトラメチルグリコリド、トリメチレンカーボネート、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン等との環状モノマーが例示される。これら化合物は各々組み合わせで使用してもよいし、ラクチドに関しては、L体・DL体・D体等の何れも単独あるいは混合物として使用できる。
外層膜3は、室温において、ガラス転移温度が40〜60℃であり、かつ剛性率が500〜5000MPaに設定される。
ガラス転移温度が40℃未満では生体内での形状が維持できず、60℃を超えると手術場での成形が困難であるため不適である。
また外層膜3をポリ乳酸とリン酸カルシウム系材料との複合体より構成する場合は、重量比でポリ乳酸を80重量%から100重量%未満、より好ましくは90重量%から100重量%未満含むことが好ましい。
外層膜3はより好ましくはポリ乳酸単体で形成するのが好ましい。
【0011】
前記内層膜4は乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料との複合体より構成され、室温において、剛性率が2.0〜500MPa、ガラス転移温度が4〜37℃に設定される。ガラス転移温度が37℃を超えるとハサミによる切断、縫合糸での縫合等の処置において膜が割れるので、好ましくない。
前記外層膜3及び内層膜4を構成する乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体の数平均分子量は20000以上から200000以下のものが使用される。
数平均分子量が20000以下では硬いワックス状となるため、膜としての成形が困難であるため不適である。200000を超えると加水分解速度が低下して組織再生を阻害する可能性があることに加えて、後述のリン酸カルシウムとの混合操作が困難となり、共重合体中におけるリン酸カルシウムの分散性が不均一となる。
【0012】
前記外層膜3(乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料の複合体より構成する場合)は重量比で乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体を80重量%から20重量%、より好ましくは60重量%から40重量%、より好ましくは50重量%含むことが好ましい。
また前記内層膜4は重量比で乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体を5重量%以上、より好ましくは20重量%以上から40重量%、より好ましくは50重量%含むことが好ましい。
【0013】
本発明で、前記外層膜3及び内層膜4に前記乳酸系重合体を使用するのは、生体内において分解吸収され、分解生成物も組織に対する毒性が少ない生体適合性に優れた材料であり、さらに、その組成、分子量を調整することにより適正な強度、分解速度、また可撓性から高強度をすることができるためである。
前記乳酸系重合体の製法は、一般的な方法により製造するものであれ何れの方法によるものであってもよい。その一例を挙げれば、ラクチド、グリコリド、ε−カプロラクトンをオクタン酸スズ、塩化スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、アルミニウムイソプロポキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、トリエチル亜鉛等の触媒存在下で加熱して、100℃〜250℃で開環重合を行うことによって製造することができる。
本発明で、前記外層膜3及び内層膜4の膜厚はそれぞれ100〜1000μm、より好ましくは50〜500μmの範囲が好ましい。必要とされる膜厚は適応部位によって異なるが、100μm以下では分解が速く、1000μm以上では分解が遅く治療効果に悪影響を及ぼす。
【0014】
本発明の骨組織再生誘導膜1は、(a)生体吸収性のポリ乳酸単体または(b)ポリ乳酸とリン酸カルシウム系材料との複合体または(c)乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料の複合体または(d)乳酸と乳酸以外のヒドロキシカルボン酸からなる共重合体より構成される外層膜3と、乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料との複合体より構成される内層膜4を積層することにより、骨組織再生誘導膜全体として、4℃から40℃において剛性率が500〜2000MPaに設定される。
本発明では積層体として、二層の例を示したが、三層以上の積層体としても良い。要するに最外層は、室温において、剛性率が500〜5000MPa、ガラス転移温度が40〜60℃の材料から構成され、最内層は、室温において、剛性率が2.0〜500MPa、ガラス転移温度が4〜37℃の材料から構成され、骨組織再生誘導膜全体は、4℃から40℃において、剛性率が500〜2000MPaであれば良い。
【0015】
また、前記内外層の材料に含まれるリン酸カルシウム材料にはリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、第二リン酸カルシウム等が例示される。その中でも、共重合体と親和性がよく、生体内で吸収崩壊して新組織と置換され骨組織修復を促進するリン酸三カルシウムが最も好ましい。平均粒径としては、200μm以下のリン酸カルシウムを用いる。平均粒径200μmを超えると薄膜成形が困難であるため不適である。
【0016】
また本発明に使用する前記三元系共重合体の乳酸:グリコール酸:ε−カプロラクトンの組成モル比は、5〜90:3〜75:5〜40モル%の範囲である乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体であることが望ましい。また、数平均分子量は20000〜200000であることが望ましい。共重合体の分子量がこの範囲を逸脱し、20000を下回ると硬いワックス状となるため、膜としての成形が困難であるため不適である。また逆に、200000を超えると加水分解速度が低下して組織再生を阻害する可能性があることに加えて、後述のリン酸カルシウムとの混合操作が困難となり、共重合体中におけるリン酸カルシウムの分散性が不均一となる。
【0017】
また、若干の誤差、幅の変動はあるが、本発明の骨組織再生誘導膜を使用する温度範囲とは4から40℃を意味し、室温とは10〜30℃を意味し、低温とは10℃未満を意味し、体温とは35から38℃を意味する。
【0018】
また本発明の骨組織再生誘導膜1の製造方法としては圧縮成形が好適である。例えば、図3に示すように、各層の材料5をそれぞれプレス金型6の上に置き、プレス機7にて加熱圧縮し、それぞれの膜8、9を成形する。次に膜8、9を重ね合わせてプレス金型10の上に置きプレス機11にて圧縮して積層膜12を得る。
【0019】
【実施例】
以下に実施例を挙げて更に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリ乳酸単体のみまたは該ポリ乳酸とリン酸カルシウム系材料との複合体より構成される外層3と、数平均分子量が50000から100000の乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料との複合体より構成される内層4を前記図3のように積層して骨組織再生誘導膜1(積層膜)を製造し、以下の項目を調べ評価した。
なお、種々の条件(実施例1から5、比較例1から6)で作製した骨組織再生誘導膜1の構成材料、ガラス転移温度、複合体組成及び剛性率を表1、表2に示した。また、その骨組織再生誘導膜1(積層膜)の剛性率・低温時の切断・40℃での加工性・骨組織再生誘導能評価を表3に示した。
(1)剛性率
JIS K6745 プラスチックの転移温度測定方法に準拠し、クラッシュバーグ式柔軟度試験機を使用して、剛性率を測定した。
(2)低温時の切断性
一日以上の4℃の冷蔵庫保存を行った後、手術バサミによる切断を行った。それによる膜の割れ、破損の有無を観測した。
(3)40℃での加工性
40℃の温生理食塩液中に3分間浸漬した後、手作業により円筒状に成形した。それによる膜の成形性、割れ、破損の有無を観測した。
(4)骨再生誘導能評価
ビーグル犬(体重約10kg)の脛骨骨欠損(20mm)人工モデルを作製、エチレンオキサイドガス滅菌された膜を、欠損部を覆う形で円筒状に縫合固定し、創外固定器により固定しながら、固定後4週間、8週間にエックス線および切開して目視により骨組織の再生の程度を調べた。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
表1と表3に示すように実施例1〜6の積層膜では、室温(25℃)においての剛性率が2.0〜500MPa、ガラス転移温度4〜37℃の軟質膜からなる内層と室温(25℃)においての剛性率500〜5000MPa、ガラス転移温度40〜60℃である硬質膜からなる外層を張り合わせることにより、この積層膜は全ての温度条件(4〜37℃)で剛性率範囲500〜2,000MPaの条件を満たし、低温での切断性・40℃での加工性にも問題も見られず、易操作性・易成形性・形態維持安定性の特性を有する積層膜であった。
また、骨組織再生誘導能評価も、積層膜の固定後4週間、8週間に切開して目視により骨組織の再生を調べた結果、術部は良好な骨組織の修復が認められた。
【0024】
表2と表3に示すように比較例1のガラス転移温度4℃の乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体からなる単一膜では、低温での切断性は良好であるものの、室温・体温(25〜37℃)付近での剛性率が2から5MPaと非常に低いため形状維持が不可能であった。
また、比較例2のガラス転移温度37℃の乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体の単一膜では、低温(4℃)での剛性率が2000MPaを超える(2157MPa)ためハサミによる切断で破損・割れが発生し、さらに、体温付近(37℃)での剛性率が500MPaをはるかに下まわるため(27MPa)比較例1と同様に形状維持が不可能であった。そのため骨組織再生誘導能評価も比較例1・2では形態維持安定性を有していないことにより術部は骨組織の修復が少なく、骨組織表面に軟組織の進入が認められた。
【0025】
比較例3のガラス転移温度が60℃のポリ乳酸の単一膜では、体温付近(37℃)での剛性率が500MPaを超える(739MPa)ため形状維持性は有するものの、低温(4℃)での剛性率が2000MPaを大きく超えるため(3672MPa)ハサミによる切断で破損・割れが発生し、骨再生誘導能評価も縫合糸による固定の際に割れてしまい評価不可能であった。
【0026】
比較例4〜6の積層膜では、比較例4は内層のガラス転移温度が37℃を超え(41℃)、比較例5・6では外層のガラス転移温度が60℃を超える(65℃)膜の組み合わせによる積層膜であるため、低温(4℃)での剛性率が3000MPaを超え(3581から3654MPa)、低温(4℃)での切断性は全て破損・割れてしまう状態であった。また50℃の加工性は良好であるものの、室温(25℃)での剛性率も2000MPaを大きく超える(2760から2846MPa)ことから、手術場での加工後に破損・割れが発生し、骨組織再生誘導能評価も縫合糸による固定により全て破損してしまうため評価不可能となり、極めて取り扱いの悪い積層膜であった。
【0027】
【発明の作用効果】
本発明は、生体適合性に優れ、且つ、適正な強度及び分解速度を有する組織再生に有効な膜材料を使用して、特別な処理や装置を使用することなく軟質膜と硬質膜のプレス成形の応用により、易操作性・易成形性及び生体内での形態維持安定性等の機能性を両立する骨組織再生誘導(GBR)法のために使用される剛性率範囲500〜2,000MPaの骨組織再生誘導膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の骨組織再生誘導膜の一例を示す概略図
【図2】本発明の骨組織再生誘導膜を構成する積層体の一部拡大断面図
【図3】本発明の骨組織再生誘導膜の製造方法の一例を示す概略図
【図4】本発明の骨組織再生誘導膜の製造方法の一例を示す概略図
【符号の説明】
1 骨組織再生誘導膜
2 積層体
3 外層
4 内層
5 各層の材料
6 プレス金型
7 プレス機
8 膜
9 膜
10 プレス金型
11 プレス機
Claims (2)
- 少なくとも外層膜と内層膜の二層膜よりなる骨組織再生誘導膜において、
前記外層膜は、室温において、剛性率が500〜5000MPa、ガラス転移温度が40〜60℃の範囲にある材料から構成され、
当該材料は、乳酸系重合体を20重量%以上含有した材料より構成され、
当該乳酸系重合体は、
(a)生体吸収性のポリ乳酸単体、または
(b)乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料との複合体であり、
前記内層膜は、室温において、剛性率が2.0〜500MPa、ガラス転移温度が4〜37℃の範囲にある材料から構成され、
当該材料は、乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体とリン酸カルシウム系材料の複合体よりなり、かつ前記三元系共重合体を5重量%以上含有した材料より構成され、
前記外層膜及び前記内層膜を構成する乳酸/グリコール酸/ε−カプロラクトンの三元系共重合体の組成モル比は、5〜90:3〜75:5〜40モル%の範囲であり、
数平均分子量が20,000から200,000であり、
骨組織再生誘導膜全体は、4〜40℃において、剛性率が500〜2000MPaの範囲にある、ことを特徴とする骨組織再生誘導膜。 - 前記骨組織再生誘導膜が前記外層膜と前記内層膜とを熱融着することにより積層されたものであることを特徴とする請求項1に記載の骨組織再生誘導膜。
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