JP4447327B2 - 溶融効率を改善しガラスバッチ成分のグロスセグリゲーションを減少させる選択的ガラスバッチ形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は一般的には選択的なバッチ形成方法に関し、より具体的にはバッチを融成物に導入する前にガラスバッチ組成物の特定の構成成分を選択的に組み合わせて、融成物におけるバッチ成分のグロスセグリゲーションを減少させ、更に熱反応経路を制御することによって溶融効率を改善することに関する。
通常のバッチ形成プロセスは図1の工程図に示された通りである。通常では典型的なガラスバッチ形成は原料を貯蔵サイロから直接計量ホッパーに移し、質量パーセントのバッチレシピーにしたがって原料を計量し、特定量のカレットを添加し、更に前記原料及びカレットを大規模ミキサーで混合することを必要とする。いくつかの事例では、前記ミキサー自体はバッチレシピの最終的なチェック秤として機能する。前記ミキサーから混合されたバッチ材料がガラス炉(メルター)の端に隣接して配置された1つ又は2つ以上のホッパー(ここから前記混合バッチが溶融タンクに導入される)に移される。類似のバッチ形成技術がほぼ普遍的に種々のガラス製造工業環境(容器ガラス、ファイバーガラス及びフロートガラス製造施設を含む)で用いられる。
前記混合されたバッチを炉(メルター)に添加した後、実質的に均一な融成物が最終的に得られるまで、メルター内でバッチの原料成分の間及びバッチ原料成分とレジデント融成物との間で種々の温度で非制御反応が惹起される。十分な溶融、均一化及び精練に要する時間は、総滞留時間、又は融成物が所望の生成物に形成される前にメルタータンク内に存在する時間に相関する。
図2は、原料バッチの成分が、互いに及び炉内に存在する融成物と反応するときに典型的に通過する反応経路の模式図であり、更に図3は、新規に添加されたバッチが溶融するときの通常の非制御溶融行程を示す模式図である。更にまた以下の文献を参照されたい:F.E. Woolley, “Melting/fining, “Ceramics and Glasses, Engineered Materials Handbook, Vol.4, ASM International, 1987, pp. 386-393(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
すなわち、いったんバッチが炉に導入されたら、ほぼ直ちに前記バッチをセグリゲートするいくつかの反応が発生する。フロートガラス製造では、例えば炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)及び石英(SiO2)がほぼ共通して主要な原料として用いられる。貯蔵ホッパー中のバッチのセグリゲーションを減少させるために水を添加した場合、第一の反応は通常785℃付近の温度におけるNa2CO3とCaCO3との反応による共融流動物の形成である。
図2に示すように、Na2CO3及びCaCO3は反応経路1で反応し、大量の未反応CaCO3を含む低粘度の共融流動物を生じる。この低粘度共融流動物は残留するCaCO3及び石英と反応経路2で反応し、バッチレシピによって指令された全体的ガラス組成が最終的に得られる。典型的なフロートガラス組成の例は、約73.5質量%のSiO2、12.3質量%のCaO及び14.2質量%のNa2Oである。
類似の反応が、Na2CO3、CaCO3及びNa2SO4間で観察される。この場合には、共融流動物は非常に低粘度の溶融塩で構成される。すなわち、前記共融流動物は容易に流動し、水によって示される流動特性(1から4mPa.s又は1から4センチポアズの範囲の粘度を有する)と類似の流動特性を示す。前記共融流動物は石英と反応して最終的に均一な所望の組成を有するガラスを提供する。しかしながら、この共融流動物の形成はバッチのセグリゲーション傾向を増し、バッチ混合の努力を実際には逆行させる。
同様な反応が容器用ガラス組成物で発生し、ファイバーガラス製造の場合には、ホウ酸塩は溶融の初期段階で同様な問題を示す。このセグリゲーションプロセスは、ほぼ純粋なシリカの大規模なドメイン又は集塊の形成をもたらし、前記は周囲の液状融成物中に溶解するために極めて長い滞留時間を必要とする。この初期セグリゲーションはしたがって成形前にグラスタンク内での再均一化を要求する。
「脱混合」の直接的証拠は溶融プロセス中にガラスタンク内で観察することができる。集塊形成(長さがcmの規模で測定される)(一般的に当業界ではバッチログと称される)は、ガラスタンク内の種々の溶融状態で観察することができる。更にまた、メルタータンク内の大規模なバッチセグリゲーションの現象は、仕上がりガラスで欠陥として、例えば核(stone)(前記は主として未溶解の石英で構成される)、シード(前記は精錬時に融成物から遊離されなかった気泡である)、及びコードライン(前記は局所的な組成の相違によって生じる光学的ひずみである)として通例観察される。これらの欠陥は、全体的な材料効率を低下させ、更に最終製品の品質を低下させるバッチの脱混合又は不完全な再混合のために基準組成から外れたガラスの直接的な証拠である。製造現場での観察は更に学術文献によって支持される(前記文献でもまたバッチのセグリゲーションは工業的生産で通例観察されることが認識されている)。ガラスタンク内のバッチセグリゲーション及びそれからもたらされる可能性がある潜在的な欠陥が製造現場で認識されているにもかかわらず、更に前記望ましくない態様を減少させ、溶融効率及び全体的な品質を改善しようとするこれまで長い間の希求にもかかわらず、ガラス製造産業はこれらの問題に対して実行可能な産業的解決をもたらすことに未だ成功していない。
上記で述べたように、ガラス製造における材料効率は、欠陥(例えば、核、シード及びコードライン)によるロスの減少に相関する。核はシリカ粒子又は融成物と完全には反応しなかった集塊である。このタイプの核は、融剤物質から耐火シリカのセグリゲーションを減少させることによって低下させることができる。シード(前記は不完全な精練から生じる気泡である)は、溶融プロセスの初期に揮発物質の発生を最大にし、更に孔の間隙に捕捉される空気を減少させることによって低下させることができる。一方、何らかの欠陥ガラスから得られるカレットを前記プロセスでリサイクルすることができるが(ただし核を含むガラスはリサイクルできない)、欠陥ガラスに由来する自工場内のカレットを減らすことがより効率的である。
ガラスの大規模工業生産では(例えば、フロートガラス、容器ガラス及びファイバーガラス、この場合溶融タンクの容積は極めて大きく、収容容積は溶融ガラス数トンの規模である)、in situ融成物混合はタンク内の対流及び原料の分解から発生するガスの移動によって達成される。ある程度の混合及び精練が気泡除去に必要であるが、一方、融成物の混合を改善する高価でエネルギー集約的なプロセスはまたバッチ材料の大規模なセグリゲーションの原因となりえる。
物理的混合はほんの小さな要因であることを考えれば、溶融プロセスの効率はしたがって石英−液体界面での拡散又は反応に比例する。石英の溶解は、石英と低粘度の共融流動物との最初の反応によって制限される。溶融が進行するにつれ、石英は、着々とシリカ含有量が増加しそれに続いて粘度が増していく液体と反応する。したがって、相応な拡散速度及び相応な均一性を担保するために溶融タンク内での高温が要求される。上記で述べたように、タンク内で材料が滞留する時間は、バッチ材料が完全に溶融し、更に生じた流動物が均一化するために必要な時間によって決定される。連続生産状況では、炉内の溶融ガラス塊は一定に維持され、工業的には最少平均滞留時間は、容器製造炉で24時間、フロートガラス炉で72時間であり、この時間のほぼ半分が溶融に使われ残りの半分が精練に使われる。
バッチの溶融プロセスを改善するための試みの1つは生(未混合)の形態で炭酸塩及び石英の添加を減少させることを必要とする。合成透輝石(CaO.MgO.2SiO2)をCaCO3、MgCO3及び石英混合物の代わりに用いて実験を実施した。実験の結果は、最初のバッチを完全に溶解させるために必要な時間(すなわちバッチフリータイム)は温度にしたがって減少し、更に精練時間も減少することを示した。これらの改善は、溶解に要求される石英量の減少によるものであった。例えば以下の文献を参照されたい:C.C. Tournour and J.S. Shelby, “Effect of Diopside and Wollastonite on the Melting of Soda-Lime-Silicate Glasses”, Ceramic Engineering and Science Proceedings, J. Kieffer Ed., American Ceramic Society, 21(1):263-273(2000)(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
更にまた、溶融は粘度を低く維持することによって促進されると慣習的に考えられている。しかしながら上記で述べたように、溶融プロセスでの低粘度流動体の未制御製造は望ましくないバッチセグリゲーションの一因となる。より低い粘度を全体的に助長する融成物は石英の溶解及び溶融時の拡散速度を改善するが、前記利益は、最高融点のバッチ成分が十分に溶融し一切のバッチ集塊が融成物中で完全に反応した後でのみ達成される。したがって、溶融効率を改善し、脱混合とセグリゲーションに附随する上記の問題を少なくするために、ガラスバッチの溶融態様の制御に対する実質的な改良が所望される。
通常のガラス製造技術に関するまた別の問題は、持続的なガラス溶融工程の維持に必要なエネルギー量及び前記エネルギーを提供するために化石燃料を使用することの環境への影響にある。燃料はフロートガラス製造コストの25から30%を構成する。燃料価格の不安定さは時折この割合を突然増加させる。
アメリカ全土のガラス工業で毎年2.5x1014BTUを越えるエネルギーが約2.1x107トンのガラス製品の製造で使用されている。このエネルギーの約80%が天然ガスによって供給される。1トンのガラスを溶解させるために理論的には約2.2x106BTUが必要なだけであるが、実際には、ロスと非効率のために1トン当たり4.7−6.9x106BTUの範囲である。容器ガラス、ファイバーガラス及びフロートガラス製造で用いられる総エネルギーの80%又はそれ以上が溶融と精練工程の稼動で要求されるので、より効率的な溶融によりガラス製造におけるエネルギー削減が所望されるであろう。例えば、1日当たり400トンの板ガラスを製造するフロートガラスプラントを365日/年稼動させる場合、もっとも効率的なガス燃焼プラント(4.7x106BTU/トン)でさえも約6.86x1011BTU/年又は6.86x108立方フィートの天然ガスを消費する。例えば以下を参照されたい:U.S. Department of Energy, Office of Industrial Technology, 1997; “Integrated Pollution Prevention Control (IPPC), “Reference Document on Best Acailable Practices in the Glass Manufacturing Industry, European Commission, Institute for Protective Technological Studies, Seville, 2000(前記文献は参照により本明細書に含まれる)。
公害防止及び規制遵守に附随する莫大なコストは、全体的エネルギー及び材料効率の改善と同様、ガラス製造の環境への負の影響を減らすために、更にガラス製造の経済的競争力を高めるために重要である。例えば、典型的なフロートガラスプラントは、新規な環境制御システムのために平均2百万ドル及び規制遵守に総製造コストの約2.5%を費やさなければならない(例えば以下を参照されたい:”Glass: A Clear Vision for a Bright Future”, U.S. Department of Energy, 1996(前記文献は参照により本明細書に含まれる))。したがって、典型的なフロートプラントでの天然ガスの使用を10%減らすことによって年間約285,000ドルの天然ガスの節約がもたらされるであろう($5/MMBtuと仮定する)。更に、燃焼反応の汚染物質放出を減少させることを目的として追加される化学的処置及び製造設備に附随する規制遵守コストの減少はまた、消費燃料量の減少と連係して認識されよう。
ガラス工業から放出される大気汚染物質には以下が含まれる:
1)窒素酸化物(NOx) 2)硫黄酸化物(SOx
3)一酸化炭素(CO) 4)二酸化炭素(CO2
燃焼に用いられる化石燃料は典型的にはNOx及びいくらかのCOxの供給源である。炭酸塩及び硫酸塩原料の分解はそれぞれCOx及びSOx放出の一因となる。滞留時間を短くすることは、しかしながら生産される単位ガラスあたりの燃焼される燃料量を減少させ、エネルギー効率を改善し、このことはまた例えば生産される単位ガラスあたりのNOx並びに燃料由来のCO2及びCOの放出削減を促進する。
滞留時間はバッチ成分の全てを完全に溶融させるために必要な時間に相関し、特にバッチレシピ中の高融点バッチ成分(例えばシリカ)の量に左右される。石英は反応性が低く融点が高いために原料添加物としての遊離石英は排除することが所望されるが、前記は豊富で経済的なシリカ供給源である(石英は多くのガラス産業システムで主要な成分である)。したがって、バッチを形成する前に一緒にペレット化するか、予め反応させるか又は予め溶融させて選択的に組み合わせた二重又は三重混合物からシリカの一部分を得て、前記混合物をレジデント融成物に導入することによって添加される遊離石英量を減少させることがより望ましいであろう。前記の方法はこれまでガラス工業において知られてなかった。
したがって、レジデント融成物内でガラスバッチ成分の溶融態様(すなわち反応経路)を制御する方法を提供し、エネルギー使用の削減を可能にするように溶融効率を改善し、大気汚染物質の一因となる化学的精練物質の必要性及び原料コストを下げ、公害を減らし、一方最終的にはより高品質、低コストのガラス製品を製造し、更に初期溶融段階でのバッチの脱混合及びセグリゲーションの発生を抑えることが所望されるであろう。
発明の要旨
本発明の目的は、通常のガラスバッチ形成及び溶融方法に附随する欠点を克服することである。具体的には、本発明の目的は、全バッチ組成物を溶融タンク炉に導入する前にガラスバッチレシピの一定の成分を予め選択的に組み合わせ、タンク内での溶融反応(すなわち反応経路)を制御し溶融効率を改善する方法を提供することである。
溶融効率の改善と併せて、本発明の目的はまた、エネルギー使用の削減を促進し、大気汚染物質の一因となる化学的精練物質の必要性及び原料コストを下げ、公害を減らし、一方最終的にはより高品質、低コストのガラス製品を製造し、更に溶融時の原料バッチ構成成分のグロスセグリゲーションを抑えることである。
本発明のある実施態様にしたがえば、ガラスメルターに滞留するガラス融成物に添加されるガラスバッチ成分の反応経路を制御する方法が提供される。前記ガラス融成物は、絶対温度目盛り(すなわちケルビン)で測定したときレジデント融成物温度(Tm)で溶融粘度(ηm)を有する。前記方法は、バッチレシピに一致する量の複数の原料バッチ成分を提供する工程を含み、前記複数の原料バッチ成分は少なくとも1つのガラス形成物質及び少なくとも1つのモディファイヤー(融剤)物質を含む。前記複数の原料バッチ成分の第一の部分が選択的に組み合わされて第一の組合せ材料を提供し、前記組合せ材料は、レジデント融成物温度Tmの60から90%の範囲にある溶融温度、及び前記溶融温度で溶融粘度ηm/100に等しいか又はそれより大きい粘度を有する。複数の原料バッチ成分の第二の部分がまた選択的に組み合わされて第二の組合せ材料を提供し、前記組合せ材料は、レジデント融成物温度の60から100%の範囲の反応温度を有し、それによって前記第二の組合せ材料は、ガラス融成物との反応の前に固態反応により中間化合物を形成することができる。前記複数の原料バッチ成分の第一の組合せ材料、第二の組合せ材料及び一切の残りの部分を一緒に混合してバッチ混合物を形成し、更に前記バッチ混合物をガラスメルターに導入する。
第一の組合せ材料は種々の形態で提供することができる。例えば、本発明の第一の態様のある特徴にしたがえば、前記第一の組合せ材料は、導入工程の前に前記第一の組合せ材料をペレット化することによって形成される複数の個々に分離した反応メンバーとして提供することができる。前記反応メンバーは、前記第一の組合せ材料を基にした組成を有する。また別には、前記第一の組合せ材料は、導入工程前に、前記第一の組合せ材料に固有の反応温度に非常に近い温度で前記第一の組合せ材料を予め反応させ、この第一の予め反応させた組合せ材料を冷却し、更に前記第一の予め反応させた組合せ材料をすり潰し、複数の予め反応させた微粒子を形成することによって得られる予め反応させた材料として提供することができる。この場合には、複数の予め反応させた微粒子の各々は前記第一の組合せ材料を基にした組成を有する。更に別の特徴にしたがえば、前記第一の組合せ材料は、導入工程前に、前記第一の組合せ材料の溶融温度に非常に近い温度で前記第一の組合せ材料を加熱し、前記第一の組合せ材料を溶融し、更に前記第一の組合せ材料を焼入れしてフリットを形成することによって形成されるフリットとして提供することができる。この場合、個々に分離した反応メンバー及び予め反応させた微粒子の場合のように、前記フリットは前記第一の組合せ材料に一致する組成を有する。
同様に、第二の組合せ材料は多様な形態で提供することができる。例えば、本発明の第一の態様の別の特徴では、第二の組合せ材料は、導入工程の前に、前記第二の組合せ材料をペレット化することによって形成される複数の個々に分離した反応メンバーとして提供することができる。前記反応メンバーは前記第二の組合せ材料を基にした組成を有する。また別には、前記第二の組合せ材料は、導入工程前に、前記第二の組合せ材料に固有の反応温度に非常に近い温度で前記第二の組合せ材料を予め反応させ、前記第二の予め反応させた組合せ材料を冷却し、更に前記第二の予め反応させた組合せ材料をすり潰して、複数の予め反応させた微粒子を形成することによって形成される予め反応させた材料として提供することができる。この場合には、複数の予め反応させた微粒子の各々は前記第二の組合せ材料を基にした組成を有する。更に別の特徴にしたがえば、前記第二の組合せ材料は、導入工程前に、前記材料の溶融温度に非常に近い温度で前記第二の組合せ材料を加熱し、前記第二の組合せ材料を溶融し、更に前記第二の組合せ材料を焼入れしてフリットを形成することによって形成されるフリットとして提供することができる。この場合、個々に分離した反応メンバー及び予め反応させた微粒子の場合のように、前記フリットは前記第二の組合せ材料に一致する組成を有する。
本発明の複数の原料バッチ成分はまた、少なくとも1つのガラス形成物質及び少なくとも1つのモディファイヤーの他に中間物質を含むことができる。本発明はいずれのタイプのガラス製造にも等しく良好に適用することができるので、組合せ材料の正確な組成は個々のガラス製造分野で用いられるバッチレシピにしたがって変動することは特記されるべきである。例えば、典型的なソーダ石灰ケイ酸塩フロートガラス組成は中間物質(例えばアルミナ又はジルコニア)を含まず、その代わりに、複数のモディファイヤー(例えばナトリウム及びカルシウム)を種々の炭酸塩及び酸化物の形態で(それらが由来する原料に応じて)含む。
中間物質を含むガラス組成の場合、第一の組合せ材料は中間物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つのモディファイヤーの一部分を含むことができ、更に第二の組合せ材料は少なくとも1つのガラス形成物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つのモディファイヤーの少なくとも一部分を含むことができる。更にまた、前記第二の組合せ材料は中間物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つのモディファイヤーの少なくとも一部分を含むことができ、更に第一の組合せ材料は少なくとも1つのガラス形成物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つのモディファイヤーの少なくとも一部分を含むことができる。二重サブシステムよりはむしろ本発明の選択的バッチ形成法によって作製される三重サブシステムが、顕著なレベルのアルミナを含むガラスを扱うときには特に適切である。
組合せ材料の正確な組成は具体的な適用にしたがって変動させることができるが、本発明の原料バッチの成分の大まかな組合せは一定である。すなわち、第一の組合せ材料は、少なくとも1つのガラス形成物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つのモディファイヤー物質の少なくとも一部分を含み、第二の組合せ材料は少なくとも1つのガラス形成物質の少なくとも一部分及び別のモディファイヤー物質の少なくとも一部分を含むことができる。
“ガラス形成物質”という用語は、MxOy酸化物形(x=1又は2、y=1から5)を有し、ただ1つのO-M結合の強度が80−120kcalの規模である物質を指す。前記ガラス形成物質は、バッチ成分の原料としてその酸化形で含まれるか、又は他のバッチ成分の原料(例えば炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又は多成分含有工業用鉱物)の推定分解反応生成物であってもよい。本発明のガラス形成物質には、例えばBe、Ge、Si、P及びBの酸化物形が含まれるであろう。
“中間物質”という用語は、MxOy酸化物形を有し、ただ1つのO-M結合の強度が60−75kcalの規模である物質を指す。前記中間物質は、バッチ成分の原料としてその酸化形で含まれるか、又は他のバッチ成分の原料(例えば炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又は多成分含有工業用鉱物)の推定分解反応生成物であってもよい。本発明の中間物質には、例えばMn、Mg、Zr、Be、Fe、Al及びTiの酸化物形が含まれるであろう。
“モディファイヤー物質”という用語は、MxOy酸化物形を有し、ただ1つのO-M結合の強度が10−60kcalの規模であり、更に熱反応時に融解性物質として機能する物質を指す。前記モディファイヤー物質は、バッチ成分の原料としてその酸化形で含まれるか、又は他のバッチ成分の原料(例えば炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又は多成分含有工業用鉱物)の推定分解反応生成物であってもよい。本発明のモディファイヤーには、例えばK、Na、Li、Ba、Pb、Sr、Ca、Mg、Mn及びFeの酸化物形が含まれるであろう。
本発明にしたがえば、モディファイヤーは、その反応的性質(すなわち融解を起させる性質)のためにガラス形成物質又は中間物質の非存在下で他のモディファイヤーと選択的に組み合わされるべきではないことは特記する必要がある。すなわち、モディファイヤー-モディファイヤーの選択的組合せから形成される組合せ材料は、モディファイヤーは低温で低粘度共融流動体を形成する傾向があるためにバッチセグリゲーションの発生を低下させないであろう。
更にまた、本発明にしたがえば中間物質及びガラス形成物質は、モディファイヤーの非存在下で選択的に組み合わせて前記組合せ材料の溶融温度を低下させてはならないことは特記する必要がある。すなわち、中間物質-ガラス形成物質の選択的組合せによって、バッチ成分の溶融温度範囲を狭めることについて何らの目立った利益は得られず、更に本発明の温度範囲で所望の粘度は示されないであろう。更に、溶融の代わりに有利な固態反応も発生しないであろう。それどころか、組合せ材料は、溶融及びレジデント融成物との均一化のためにより長時間の滞留時間を必要とするだけであり、このことは全体的な溶融効率を低下させる。
上記で述べたように、他の組合せ材料及びバッチの残りの一切の部分(例えばカレット、又は未だ混合されていない質量パーセントのガラス形成物質、モディファイヤーもしくは、含有される場合には中間物質)との混合前に、各組合せ材料を安定化させることができる3つの好ましい形態が存在する。本発明は、第一の組合せ材料及び第二の組合せ材料が同じ又は異なる形態を含む原料バッチ成分の選択的なバッチ形成方法を提供する。
例えば、本発明の第一の態様のある特徴にしたがえば、第一の組合せは複数の個々に分離した反応メンバーを含み、第二の組合せ材料は複数の個々に分離した反応メンバーを含む。したがってこの場合には、第一及び第二の組合せ材料の各々は、メルターに添加される前に、選択的に予め混合されペッレット化され、互いに及び残りのバッチ成分と混合されてペレット化フィードストックを形成する。更に、本発明の第一の態様の別の特徴にしたがえば、第一の組合せ材料は複数の個々に分離した反応メンバーを含み、更に第二の組合せ材料は予め反応させた材料を含む。更にまた、本発明の第一の態様のまた別の特徴にしたがえば、第一の組合せ材料は複数の個々に分離した反応メンバーを含み、更に第二の組合せ材料はフリットを含む。
本発明はまた、第一の組合せ材料が予め反応させた材料を含み、更に第二の組合せ材料が複数の個々に分離した反応メンバーを含むものを提供する。また別には、本発明は、第一の組合せ材料は予め反応させた材料を含み、更に第二の組合せ材料も予め反応させた材料を含むものを提供する。したがってこの場合には、メルターに添加する前に第一及び第二の組合せ材料の各々を選択的に予め混合して予め反応させ、更にすり潰して、互いに及び残りのバッチ成分と混合し、微粒子化フィードストック材料を形成する。更に本発明は、第一の組合せ材料は予め反応させた材料を含み、更に第二の組合せ材料はフリットを含むものを提供する。
更にまた、本発明の第一の態様の別の特徴にしたがえば、第一の組合せ材料はフリットを含み、第二の組合せ材料は複数の個々に分離した反応メンバーを含む。また別には、本発明は、第一の組合せ材料はフリットを含み、更に第二の組合せ材料は予め反応させた材料を含むものを提供する。更にまた、本発明の第一の態様のまた別の特徴にしたがえば、第一の組合せ材料はフリットを含み、更に第二の組合せ材料もフリットを含むものを提供する。したがってこの場合には、メルターに添加する前に第一及び第二の組合せ材料の各々を選択的に予め混合して予め溶融し、更に焼入れを実施して、互いに及び残りのバッチ成分と混合し、フリットフィードストック材料を形成する。
単にバッチ成分の全てをチャージ前に一緒に混合する代わりに、より高い粘度の“終末点”を形成する混合物バッチ(すなわち第一の態様の第一の組合せ材料)を原料物質から選択的に形成して溶融の連続反応、したがって溶融相を制御することによって、種々の段階で融成物の組成を溶融プロセスにより指示するのではなくメルター内の反応経路が制御される。すなわち、バッチ構成成分の全てが狭い温度範囲内の融点をもつ場合、より均一な溶融が達成され、セグリゲーション(規模に関係なく)は限定され、均一化に要する時間は実質的に短縮されるであろう。更にまた、脱混合が排除されるならば、拡散距離は短くなりバッチのフリータイムは劇的に短縮されるであろう。
レジデントガラス融成物の温度に近づけた温度であったとしても溶融によるよりはむしろ、一連の固態反応においてガラス融成物及び他のガラスバッチ成分と反応する中間化合物を形成することができる混合物バッチ(すなわち第一の態様の第二の組合せ材料)を選択的に形成することによって、バッチセグリゲーションの傾向を高める低粘度共融化合物の形成が防止される。更に、中間化合物はそれ自体本質的には溶融しないので、上記の粘度に関する考えは固態反応の観点から実際的には問題がなく、それどころか、例えば溶融効率を低下させる複雑なセグリゲーションの傾向を低下させることによって溶融効率が改善された所望の組成を有するガラス融成物が得られる。
本発明の選択的バッチ形成技術は、溶融プロセス時の反応の流れを変化させて中間反応生成物を作り出し、前記生成物は続いて互いにより容易に反応して溶融効率が改善され、したがって全体的なエネルギーの必要性及び均一な融成物の形成に必要な時間を顕著に減少させる。大規模なセグリゲーションの傾向もまた減少し(すなわち、実質的に排除され)、したがってより短い拡散距離を提供する。これによって、順次、下流の融成物の機械的混合の必要性(例えば機械的攪拌)、又は溶融効率を改善するための物理的手段(例えば融成物の熱性能を高めるようにデザインされた泡立て装置)の必要性が排除される。十分な溶融及び均一化に必要な時間は実質的に短縮され、精練時間も同様に短縮することができる。滞留時間の短縮の代わりに(すなわち全体的な滞留時間を維持する場合には)、しかしながら従来炉のセットアップにおいて精練時間を増すこともまた可能である。
バッチ成分の反応経路を制御して溶融効率を改善することによって、ガラスタンク内の材料の滞留時間が短縮され、バッチのフリータイムも同様に短縮される。これによって順次、製造時の単位ガラスあたりの必要エネルギー量が削減される。例えば、タンク内の材料の滞留時間が10%から20%短縮できるならば、仮定的フロートガラスプラントでは、全エネルギーが溶融に用いられると仮定して年間天然ガス使用を5.7−11.4x107立方フィート(もっとも効率的には4.7x106BTU/トン)削減することができる。全国の全てのガラス製造では、滞留時間の10%短縮は2x1013BTU又は1.6x1010立方フィーとの天然ガスの節約をもたらすことができるであろう(2.5x1014、80%天然ガス使用及び1立方フィートの天然ガスにつき1x103BTUと仮定する)。
酸化硫黄は、精練剤としてバッチに添加されるボウ硝(硫酸ナトリウム)の分解生成物である。本発明により改善された溶融効率は精練剤(例えばボウ硝(Na2SO4))の必要性を減少させ、したがってSOxの放出を直接的に削減する。前記及び他の有害な放出の削減によって、環境への放出基準に関する規制遵守の必要性及びコスト(例えば履行措置及び/又は規制違反科料)が削減される。
本発明の第二の態様にしたがえば、ガラスメルター内に存在するガラス融成物に添加されるガラスバッチ成分の反応経路を制御する方法が提供される。前記ガラス融成物は、絶対温度目盛り(すなわちケルビン)で測定したときレジデント融成物の温度Tmで融成物粘度ηmを有する。前記方法は、バッチレシピに一致する量の複数の原料バッチ成分を提供する工程を含み、この場合前記複数の原料バッチ成分は少なくとも1つのガラス形成物質及び少なくとも1つのモディファイヤー物質を含む。前記方法はまた、複数の原料バッチ成分の第一の部分を選択的に組み合わせて、レジデント融成物温度Tmの60から90%の範囲にある溶融温度、及び前記溶融温度で融成物粘度ηm/100に等しいか又はそれより大きい粘度を有する第一の組合せ材料を提供し、更に前記第一の組合せ材料と前記複数の原料バッチ成分の残りの一切の部分とを混合してバッチ混合物を形成する工程を含む。続いて前記バッチ混合物をガラスメルターに導入する。
本発明のこの第二の態様にしたがえば、前記方法は更に、複数の原料バッチ成分の第二の部分を選択的に組み合わせて、レジデント融成物温度Tmの60から90%の範囲にある溶融温度、及び前記溶融温度で融成物粘度ηm/100に等しいか又はそれより大きい粘度を有する第二の組合せ材料を提供する工程を含む。前記第二の組合せ材料を前記第一の組合せ材料及び前記複数の原料バッチ成分の残りの一切の部分と混合し、続いて前記バッチ混合物をガラスメルターに導入する。
本発明のこの態様は、第一の態様について上記で述べたように、選択的に原料バッチ成分を組合せ、添加されるバッチの融点範囲を狭め、更に溶融時に添加されるバッチの粘度を制御して溶融効率を改善し、更にバッチのセグリゲーションを防止することを主要な目的とする。
本発明の第二の態様にしたがって第一及び第二の組合せ材料を形成する種々の原料バッチ成分の組合せは、第一の態様について上記で述べた通りであり、したがってその繰返しの記述は省略する。同様に、本発明の第二の態様の第一及び第二の組合せ材料が、互いに及び一切の残りのバッチ成分と混合される前に安定化される種々の形態も第一の態様について上記で述べたものと同様であり、したがってその繰返しの記述は省略する。
本発明の第三の態様にしたがえば、ガラスメルター内に存在するガラス融成物に添加されるガラスバッチ成分の反応経路を制御する方法が提供される。前記ガラス融成物は、絶対温度目盛り(すなわちケルビン)で測定したときレジデント融成物温度Tmで融成物粘度ηmを有する。前記方法は、バッチレシピに一致する量の複数の原料バッチ成分を提供する工程を含み、この場合前記複数の原料バッチ成分は少なくとも1つのガラス形成物質及び少なくとも1つのモディファイヤー物質を含む。前記方法はまた、複数の原料バッチ成分の第一の部分を選択的に組み合わせて、レジデント融成物温度の60から100%の範囲の反応温度を有する第一の組合せ材料を提供し(それによって第一の組合せ材料がガラス融成物と反応する前に固態反応を介して中間化合物を形成することができる)、更に前記第一の組合せ材料及び前記複数の原料バッチ成分の残りの部分を混合する工程を含む。続いて前記バッチ混合物をガラスメルターに導入する。
本発明のこの第三の態様にしたがえば、前記方法は更に、複数の原料バッチ成分の第二の部分を選択的に組み合わせて、レジデント融成物温度の60から100%の範囲の反応温度を有する第二の組合せ材料を提供し、それによって第二の組合せ材料がガラス融成物と反応する前に固態反応を介して中間化合物を形成することができる工程を含む。前記第二の組合せ材料を前記第一の組合せ材料及び前記複数の原料バッチ成分の一切の残りの部分と混合してバッチ混合物を形成し、続いて前記をガラスメルターに導入する。
本発明のこの第三の態様は、第一の態様の第二の組合せ材料について上記で述べたように、原料バッチ成分の一部分を選択的に組み合わせてレジデント融成物温度の一定の温度範囲内でガラス融成物と固態反応を介して中間化合物を形成することができる組合せ材料を形成し、溶融効率を改善し、更にバッチのセグリゲーションを防止することを主要な目的とする。
本発明の第三の態様にしたがって第一及び第二の組合せ材料を形成する種々の原料バッチ成分の組合せは、第一の態様について上記で述べたものと同様であり、したがってその繰返しの記述は省略する。同様に、本発明の第三の態様の第一及び第二の組合せ材料が、互いに及び一切の残りのバッチ成分と混合される前に安定化される種々の形態も、第一の態様について上記で述べたものと同様であり、したがってその繰返しの記述は省略する。
発明の詳細な説明
本発明にしたがえば、その中に溶融ガラス(以下では“融成物”と称する)が滞留するガラスメルターに導入する前に全バッチ組成物を完全に混合するのではなく、全体的バッチレシピに一致するバッチ原料の特定の組合せを含む選択的混合が実施される(以下ではまた“選択的バッチ形成”と称する)。前記態様では選択的にバッチを形成することによって、中間バッチ反応生成物が提供される。前記中間生成物の熱に関する性状(すなわち融点)及びレオロジー特性(すなわち粘度)又は高温での反応態様は溶融効率を改善し、更にバッチ構成成分のセグリゲーションの発生(規模に関係なく)を減少させる。
図4の工程図で示されるように、本発明のある実施態様は、バッチ成分の第一の部分を選択的に組み合わせることによって前記バッチ構成成分の融点の範囲を狭めることを目的とし、前記の選択的組合せは、狭められた融点範囲で形成される溶融相において所望のレオロジー特性(すなわち粘度の増加)が示されるように実施される。更にまた、バッチ成分の第二の部分が選択的に組み合わされ、前記選択的組合せが、前記組合せ材料とレジデント融成物との間で固態反応を介して中間化合物が形成される特定の反応温度範囲をもつことができるように前記選択的組合せが実施される。
選択的に組み合わされたバッチ成分の新規組合せ形の形態の安定化は、それ自体種々のレベルのエネルギー要求をもつ種々の態様において実施される。すなわち、選択的にバッチを形成しペレット化して、最初に反応する小さな“反応メンバー”を形成して中間体反応生成物を形成する;選択的バッチ成分を予め反応させて中間体フィードストックを形成する;又は選択的バッチ成分を中間体フィードストックとして予め溶融させる。
図4は、バッチレシピが特定の質量%のガラス形成物質A、モディファイヤーB、及びモディファイヤーCを要求することを示している。ガラス形成物質Aの少なくとも一部分及びモディファイヤーBの少なくとも一部分を質量%ベースで選択的に組み合わせ、第一の組合せ材料ABを形成する。前記組合せ材料は、レジデント融成物温度Tmの60から90%の範囲の溶融温度TAB及びレジデント融成物粘度ηm/100に等しいかそれよりも大きい粘度ηABを有するであろう。好ましくはηABは150センチポアから15,000センチポアの範囲であるが、ただし15,000センチポアを越える粘度も本発明の範囲内に包含される。前記第一の組合せ材料の好ましい粘度ηABはまたηmの少なくとも1%のものとして表すことができる。バッチセグリゲーションの要因となる(したがって避ける必要がある)上記の通常遭遇される低粘度共融流動体の粘度は、レジデント融成物の粘度の1%よりも顕著に小さい。例えば、CaCO3及びNaCO3との間の反応によって形成される共融流動体はレジデント融成物の粘度のほぼ0.03%である。
Tmは好ましくはケルビン(すなわち絶対温度目盛)で表されるが、Tmはまた他の温度測定単位、例えば摂氏(℃)で表してもよいことは特記されるべきである。レジデント融成物温度と本発明にしたがって選択的組合せバッチ成分が溶融又は反応する温度範囲との間の関係を確立させるために、種々の温度目盛を通常の変換係数を用いて互いに比較することができるけれども、絶対温度目盛が好ましい。
同様に、ガラス形成物質Aの少なくともまた別の部分及びモディファイヤーCの少なくとも一部分を質量%ベースで選択的に組み合わせて、第二の組合せ材料ACが形成される。前記組合せ材料ACは、融成物の均一化及び拡散が、第二の組合せ材料ACを溶融させるのではなくむしろ固態反応を介して発生させることができるように、レジデント融成物温度Tmの60から100%の範囲の反応温度TACを有するであろう。前記第一のAB及び第二のAC組合せ材料の各々が続いてペレット化される。
本発明はバッチ形成工程としてペレット化それ自体を必要とせず、むしろペレット化バッチ形成技術は、選択的にバッチを形成させた成分を炉に導入するときにそれぞれの組合せ材料の形態でそれらを一まとめに維持するために用いる3つの方法の内の単に1つの方法であることを特記することは重要であろう。バッチのペレット化は当技術分野では公知であるが、典型的なペレット化の実施は、固有の組合せ割合をもつバッチの部分を選択的にペレット化するのではなくバッチ全体をペレット化して、タンク内の溶融反応を制御することと結びついている。技術文献及び工業現場での慣行は、特定のバッチ成分の選択的ペレット化はこれまで報告されていないことを支持している。
ペレット化AB、ペレット化AC及びA、B及び/又はCの残りの一切の部分を続いて例えば混合ホッパー内で混合し、続いてメルターに添加する。AB及びACはまた予め反応させるか、又は予め溶融することもできる。制御された反応が、前記選択的組合せバッチ原料成分AB及びAC並びにレジデント融成物間で種々の温度でメルター内で発生し、実質的に均一な融成物が最終的に得られるまで続く。伝統的な非制御反応もなお、選択的に組み合わされなかったバッチ成分A、B及びCの部分間で限定的レベルで生じるであろうが、これらの反応は比率的には減少し、例えばセグリゲーションを生じる融成物内での低粘度相の形成により改善溶融効率を顕著に低下させることはない。
図5の工程図に示されているように、本発明のまた別の態様は、バッチ成分の第一の部分を選択的に組み合わせることによってバッチの構成成分の融点範囲を狭めることを目的とする。前記は、前記選択的組合せが狭められた融点範囲で形成される溶融相において所望のレオロジー特性(すなわち粘度の増加)を示すことができるように実施される。更にまた、バッチ成分の第二の部分が選択的に組み合わされ、その選択的組合せによってまた前記狭められた融点範囲で形成される溶融相で所望のレオロジー特性(すなわち粘度の増加)が示される。
図5は、バッチレシピは特定の質量%のガラス形成物質D、モディファイヤーE及びモディファイヤーFを必要とすることを示している。ガラス形成物質Dの少なくとも一部分及びモディファイヤーEの少なくとも一部分を質量%ベースで選択的に組み合わせて、レジデント融成物温度Tmの60−90%の範囲の溶融温度TDE及び粘度ηDE≧レジデント融成物粘度ηmを有する第一の組合せ材料DEを形成する。同様に、ガラス形成物質Dの少なくともまた別の部分及びモディファイヤーFの少なくとも一部分を質量%ベースで選択的に組み合わせて、レジデント融成物温度Tmの60−90%の範囲の溶融温度TDE及び粘度ηDF≧レジデント融成物粘度ηmを有する第二の組合せ材料DFを形成する。前記第一の組合せ材料DEは上記で述べたようにペレット化し、更に第二の組合せ材料DFは予め反応させる。
前記選択的に組み合わせたバッチ成分を予め反応させる工程は、前記選択した成分を反応温度に非常に近い温度に加熱して中間反応生成物を形成することを必要とする。前記の反応温度及び形成される中間反応生成物は、選択したバッチ成分及び選択した割合にしたがって変動するであろう。前記反応生成物を冷却し、すり潰して微粒子形を得る。前記を続いて加工するか(すなわち上記のようにペレット化)、又は微粒子形でバッチ混合物に添加する。粒子サイズ分布の制御、すなわち選択的に組み合わせた微粒子中間物質の粒子サイズの最小化は、メルターに導入したとき溶融反応に寄与することができる有効表面積を高めることによって溶融効率を改善する。すなわち、微粒子物質は、通常の粗い粒子のバッチ成分原料より高速で更に均一に分散し反応するので、溶融効率が改善され、いずれのセグリゲーションも更に防止することができる。
続いてペレット化DE、予め反応させた微粒子DF及びD、E及び/又はFの一切の残りの部分を例えば混合ホッパー内で混合し、メルターに添加する。更にDE及びDFも予め溶融することができることも特記されるべきであろう。制御された反応が、選択的に組み合わされたバッチ原料成分DE、DF及びレジデント融成物間で種々の温度でメルター内で生じ、実質的に均一な融成物が最終的に得られるまで続く。伝統的な非制御反応もなお、選択的に組み合わされなかったバッチ成分D、E及びFの部分間で限定的レベルで生じるであろうが、これらの反応は比率的には減少し、本発明に附随する改善溶融効率の利益に顕著には反せず、またセグリゲーションを生じる融成物内での低粘度相の形成の顕著な要因とはならない。
当業者は、本発明にしたがって所望の中間反応生成物を生じるために必要な各バッチ成分の組合せ及び適切な割合を理解していよう。本発明はいずれのガラスバッチ組成にも適用することができるが、ソーダ石灰ケイ酸塩フロートガラス組成に関する特定例を下記で述べる。したがって、本発明の場合、当業者は、所望の用途及び任意のガラスタイプ(例えばファイバーガラス、容器ガラス)のための具体的な組成要件にしたがって種々のガラスバッチ構成成分のどれを組み合わせて低粘度中間相の形成を減少させるべきかを認識しなければならない。
図6の工程図に示したように、本発明のまた別の態様は、原料バッチ成分の一部分を選択的に組み合わせて、前記選択的組合せが、前記組合せ物とレジデント融成物との間の固態反応を介して中間化合物が形成される特定の反応温度を有することができるようにすることを目的とする。図6は、バッチレシピは特定の質量%のガラス形成物質G、モディファイヤーH及びモディファイヤーIを必要とすることを示している。ガラス形成物質Gの少なくとも一部分及びモディファイヤーHの少なくとも一部分を質量%ベースで選択的に組み合わせて第一の組合せ材料GHを形成する。前記は、融成物の均一化が第二の組合せ材料GHの溶融によってではなく固態反応を介して生じることができるようにレジデント融成物温度Tmの60−100%の範囲の反応温度TGHを有するであろう。同様に、ガラス形成物質Gのまた別の少なくとも一部分及びモディファイヤーIの少なくとも一部分を質量%ベースで選択的に組み合わせて第二の組合せ材料GIを形成する。前記は、融成物の均一化が第二の組合せ材料GIの溶融によってではなく固態反応を介して生じることができるようにレジデント融成物温度Tmの60−100%の範囲の反応温度TGIを有するであろう。前記第一の組合せ材料GHは上記で述べたように予め反応されてあり、前記第二の組合せ材料GIは予め溶融されてフリットを形成する。
選択的組合せ物を予め溶融する工程は、前記系の溶融温度に非常に近い温度で選択したバッチ成分を加熱して均一化し、続いて前記溶融組合せ材料を焼入れして、前記選択した組合せを基にした組成を有するフリットを形成することを必要とする。また繰り返せば、当業者は、所望の予め溶融されたフリットのフィードストック材料を生じるために必要な各バッチ成分の組合せ及び適切な割合並びに要求される溶融温度は理解していよう。
予め反応させた微粒子GH、予め溶融させたフリットGI及びG、H及び/又はIの残りの一切の部分を続いて例えば混合ホッパー内で混合し、続いてメルターに添加する。GH及びGIはまたペレット化することもできる。制御された固態反応が、前記選択的組合せバッチ原料成分GH、GI及びレジデント融成物間で種々の温度でメルター内で発生し、実質的に均一な融成物が最終的に得られるまで続く。伝統的な非制御反応もなお、選択的に組み合わされなかったバッチ成分G、H及びIの部分間で限定的レベルで生じるであろうが、これらの反応は比率的には減少し、改善された溶融効率に顕著に反したり、またセグリゲーションをひき起こす融成物内での低粘度相の形成を顕著に助長することはない。
バッチ成分が選択される原料は、酸化物、炭酸塩、水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩又は混合された工業用鉱物(例えば長石又は粘土)でもよいことはまた特記されるべきである。しかしながら、有害な副生物の放出の可能性を減少させるために、選択的に予めバッチ形成した組合せによって形成される中間生成物が、溶融及び精練プロセスの結果として気体(例えばSOx及びNOx)を生じないことが望ましい。
以下の実施例は特にフロートガラス用組成及び溶融シナリオを目的としている。図8は本実施例の選択的バッチ形成方法を示す工程図である。伝統的なバッチ成分Na2CO3、CaCO3及びSiO2が提供される。しかしながら単にこれら原料成分の全てを一緒に混合する代わりに、これら原料の特定の組合せバッチを選択的に予め形成する。
すなわち、Na2O-SiO2系の共融比率で石英とともに選択的にNa2CO3のバッチを形成して第一の組合せ材料を提供し、Na2CO3と他の原料(例えばCaCO3)との共融反応(前記反応は本発明の選択的バッチ形成が行われないときに通常発生する)を防止することによって低粘度流動物形成の可能性を最小限にする。CaCO3を石英とともに選択的に組み合わせ、予め反応させて第二の組合せ材料(すなわち中間反応生成物)を形成する。この場合には、前記第二の組合せ材料は珪灰石(CaO・SiO2)であり、前記は第一の組合せ材料及び残りのバッチ成分(すなわち遊離石英)と混合され、融成物に導入された後溶融しないであろう。むしろ前記珪灰石は固態反応を介して融成物及び他のバッチ成分と反応する。
これら第一及び第二の組合せ材料を各々ペレット化し、残り量の石英(全バッチの約20%未満)と混合し、その後融成物に導入し溶融プロセスを開始させる。図7の状態図に示されているように、溶融プロセスの間の反応の流れが変化し、バッチ成分のグロスセグリゲーションが防止され、更に中間反応生成物(例えばNa2O-SiO2共融及び合成珪灰石)が生成される。すなわち、SiO2、Na2O-SiO2共融及び合成珪灰石(CaO-SiO2)はサブシステムを含み、更に別の材料と選択的に組み合わされなかった遊離石英の量は20%未満に減少する。したがって、ガラス炉に石英として添加されるシリカの量を削減するか、又はより反応性を有する種と緊密に混合された大半の石英を添加することによって溶融効率は改善され、更にまた上記のセグリゲーションの問題を生じる傾向が減少する。
すなわち、Na2O-SiO2共融物の融点は785℃(1058K)であり、前記はレジデント融成物の全体的温度(1400℃(1673K))の60−90%の範囲内である。Na2O-SiO2共融物の粘度は1000mPa.s(1000センチポア)のオーダーであり、前記はレジデント融成物の粘度の約7%である。珪灰石は1550℃の融点を有するので、前記は1400℃のオーダーのレジデント融成物温度であってもそれ自体は溶融しないであろう。その代わりに、バッチは、レジデント融成物温度の60−100%内の温度で固態反応を介して均一化され、このことによって溶融効率が改善され、更にバッチセグリゲーションを助長する低粘度流動層の形成が防止される。しかしながら、ガラスタンク内の温度はレジデント融成物の温度を超えることは特記されるべきである。例えば、融点が1100℃のガラスにとってガラスタンク温度が1300から1500℃の範囲であることは珍しくない。
本実施例の第二の組合せ材料もまた選択的に組み合わされ、実際に予め反応させることなくペレット化され、したがって融成物内の温度が反応温度範囲に達するまで珪灰石を形成することがないことはまた特記されるべきである。その時点で、溶融の代わりに、珪灰石を形成する固態反応が発生し、融成物との固態反応が続き、一方、低粘度流動物の傾向もやはり減少する。
上記に示し更に記載したように、伝統的な原料バッチ成分が伝統的な系で反応するよりも、前記組合せ材料(及び中間反応生成物)は固有のサブシステムでより容易に反応し、均一な融成物を形成するために要する全体的なエネルギーの必要性及び時間は顕著に削減される。このことは拡散距離を短く維持し、実質的に溶融及び均一化に必要な時間を減少させ、精練時間を短縮し、大規模セグリゲーションの傾向を低下させることができる。また別には、反応時間の削減により、従来炉の設定で更なる精練時間が提供され(一定の滞留時間が維持されると仮定して)、このことは更に核の潜在的可能性を排除し、融成物の全体的な均一性を更に改善し、より高品質のガラス製品をもたらす。
本発明は、バッチ成分原料の融成物中でのセグリゲーション傾向を低下させることによって溶融効率を改善させるために有用であるが、本発明の方法及び長所は、必ずしもグロスセグリゲーションの問題を被むらないガラス系に対しても等しく適用される。すなわち、本発明にしたがってバッチ成分を選択的に組み合わせることによって、グロスセグリゲーションが存在しない場合でさえ上記に述べたように溶融効率、材料効率及び燃料効率の改善が可能になる。
本発明は図面で例示した好ましい態様を参考に記載してきたが、特許請求の範囲に記載した本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更を実施することができることは当業者には理解されよう。
通常のガラスバッチ形成技術を示す工程図である。 典型的な工業的フロートガラス組成の一般的なバッチ反応経路の図解である。 通常のバッチ反応プロセスを示す模式図である。 本発明の選択的ガラスバッチ形成方法の第一の態様を示す工程図である。 本発明の選択的ガラスバッチ形成方法の第二の態様を示す工程図である。 本発明の選択的ガラスバッチ形成方法の第三の態様を示す工程図である。 工業的フロートガラス組成を基にした実施例の選択的組合せガラスバッチサブシステムの三重状態図である。 実施例の選択的バッチ形成方法を示す工程図である。

Claims (10)

  1. ガラスメルターに存在するレジデント融成物温度Tm(K)で融成物粘度ηmを有するガラス融成物に添加されるガラスバッチ成分の反応経路を制御する方法であって、以下の工程、
    1.バッチレシピに一致する量の複数の原料バッチ成分を提供する工程であって、前記複数の原料バッチ成分は少なくとも1つのガラス形成物質及び少なくとも1つのモディファイヤー物質であって、炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又はK、Na、Li、Ba、Pb、Sr、Ca、Mg、Mn及びFeの酸化物から選択されるモディファイヤー物質を含む工程、
    2.前記複数の原料バッチ成分の第一の部分を選択的に組み合わせて、前記レジデント融成物温度Tmの60から90%の範囲内にある溶融温度、及び前記融成物粘度ηm/100と等しいか又はそれより大きい前記融成物温度での粘度を有する第一の組合せ材料であって、ペレット化されて複数の個々に分離した反応メンバーを含む第一の組合せ材料を提供する工程、
    3.前記複数の原料バッチ成分の第二の部分を選択的に組み合わせて、前記レジデント融成物温度の60から100%の範囲内の反応温度を有し、それによって前記第二の組合せ材料が前記ガラス融成物と反応する前に固態反応を介して中間化合物を形成することができる第二の組合せ材料であって、ペレット化されて複数の個々に分離した反応メンバーを含む第二の組合せ材料を提供する工程、
    4.前記第一の組合せ材料、前記第二の組合せ材料、及び前記複数の原料バッチ成分の一切の残りの部分を混合してバッチ混合物を形成する工程、更に
    5.前記バッチ混合物をガラスメルターに導入する工程、
    を有することを特徴とする方法。
  2. ペレット化された前記第一の組合せ材料が、前記第一の組合せ材料の固有の反応温度に非常に近い温度で前記第一の組合せ材料を予め反応させ、前記予め反応させた第一の組合せ材料を冷却し、更に前記予め反応させた第一の組合せ材料をすり潰して複数の予め反応させた微粒子を含む請求項1に記載の方法。
  3. ペレット化された前記第二の組合せ材料が、前記第二の組合せ材料の固有の反応温度に非常に近い温度で前記第二の組合せ材料を予め反応させ、前記予め反応させた第二の組合せ材料を冷却し、更に前記予め反応させた第二の組合せ材料をすり潰して複数の予め反応させた微粒子を含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記複数の原料バッチ成分が更に中間物質であって、炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又はMn、Mg、Zr、Be、Fe、Al及びTiの酸化物から選択される中間物質を含む請求項1に記載の方法。
  5. ガラスメルター内に存在するガラス融成物に添加されるガラスバッチ成分の反応経路を制御する方法であって、前記ガラス融成物がレジデント融成物温度Tm(K)で融成物粘度ηmを有する方法であって、以下の工程、
    1.バッチレシピに一致する量の複数の原料バッチ成分を提供し、前記複数の原料バッチ成分は少なくとも1つのガラス形成物質及び少なくとも1つのモディファイヤー物質であって、炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又はK、Na、Li、Ba、Pb、Sr、Ca、Mg、Mn及びFeの酸化物から選択されるモディファイヤー物質を含む工程、
    2.前記複数の原料バッチ成分の第一の部分を選択的に組み合わせて、前記レジデント融成物温度の60から100%の範囲の反応温度を有し、それによって前記第一の組合せ材料が固態反応を介して中間化合物を形成することができる前記第一の組合せ材料を提供する工程、
    3.前記第一の組合せ材料の前記反応温度に非常に近い温度で前記第一の組合せ材料を予め反応させ、前記予め反応させた第一の組合せ材料を冷却し、更に前記予め反応させた第一の組合せ材料をすり潰して中間化合物を形成し、前記中間化合物は前記第一の組合せ材料を基にした組成、前記レジデント融成物温度Tmの60から100%の範囲の反応温度、及び、Tmよりも高い溶融温度を有し、それによって前記中間化合物は前記ガラス融成物に添加されたとき溶融することなく1つ又は2つ以上の固態反応を介して反応する工程、
    4.前記中間化合物をペレット化して複数の個々に分離した反応メンバーを含むペレット化中間物質を生成し、前記反応メンバーの各々は前記中間化合物を基にした組成を有する工程、
    5.前記複数の原料バッチ成分の第二の部分を選択的に組み合わせて、前記レジデント融成物温度Tmの60から90%の範囲の溶融温度及び前記溶融温度で前記融成物粘度ηm/100に等しいか又はそれより大きい粘度を有する第二の組合せ材料を提供し、
    6.前記第二の組合せ材料をペレット化して複数の個々に分離した反応メンバーを含むペレット化第二組合せ材料を生成し、前記反応メンバーの各々は前記第二の組合せ材料を基にした組成を有する工程、
    7.前記ペレット化中間化合物、前記ペレット化第二組合せ材料、及び前記複数の原料バッチ成分の残りの部分を混合してバッチ混合物を形成する工程、更に
    8.前記バッチ混合物をガラスメルターに導入する工程、
    を有することを特徴とする方法。
  6. 前記第一の組合せ材料が、少なくとも1つの前記ガラス形成物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つの前記モディファイヤー物質の少なくとも一部分を含む請求項に記載の方法。
  7. 前記第二の組合せ材料が、少なくとも1つの前記ガラス形成物質の少なくとも一部分及びまた別の前記モディファイヤー物質の少なくとも一部分を含む請求項に記載の方法。
  8. 前記複数の原料バッチ成分が更に中間物質であって、炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫化物又はMn、Mg、Zr、Be、Fe、Al及びTiの酸化物から選択される中間物質を含む請求項に記載の方法。
  9. 前記第一の組合せ材料が、前記中間物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つの前記モディファイヤー物質の少なくとも一部分を含む請求項に記載の方法。
  10. 前記第二の組合せ材料が、少なくとも1つの前記ガラス形成物質の少なくとも一部分及び少なくとも1つの前記モディファイヤー物質の少なくとも一部分を含む請求項に記載の方法。
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