以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る不正開放防止機構を有する基板ケースを備えた遊技機の代表例としてパチンコ機PMを図1および図2に示しており、まず、これらの図面を参照しながらパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。ここで、図1はパチンコ機PMの正面図、図2はパチンコ機PMの背面図である。
パチンコ機PMは外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成される開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ部材3a,3bで横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合された閉鎖状態に保持される。
前枠2の各部にはパチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、球皿6の右側下部には遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が装備されている。前枠2の中央部から上部にかけて後方に突出する方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に形成されており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤正面の遊技領域PAを臨ませている。
前枠2の裏面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤30が、前枠2の裏面に設けられた複数のレバーL,L…を利用して着脱可能にセット保持される。裏セット盤30の各部には遊技球を貯留する球貯留タンク31、タンクレール32、整列待機通路33、賞球カセット34、賞球排出通路35などの賞球装置が装備されるとともに、裏面各部に電源基板アッセンブリ40や主基板アッセンブリ50等の各種制御基板アッセンブリおよび電子部品等が取り付けられ、これらの各機器および遊技盤10の裏面に取り付けられた画像制御基板アッセンブリ18が一部を図示省略するワイヤーハーネスで接続されている。
球皿6に前面側が覆われた前枠2の下部領域には遊技補助盤(図示せず)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部に、打球発射装置(図示せず)や、裏セット盤30側の賞球排出通路35と繋がり球皿6に排出できない遊技球を一時貯留する貯留カセット(図示せず)などが設けられている。
パチンコ機PMは、前枠2、ガラス扉5および球皿6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿6に貯留された遊技球が打球発射装置により1球ずつ遊技盤10の遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲームが展開される。
以上のように概要構成されるパチンコ機PMにあって、主基板アッセンブリ50に不正開放防止機構が設けられている。以下、主基板アッセンブリ50について図3〜図8を参照しながら説明する。ここで、図3は主基板アッセンブリ50の斜視図、図4は主基板アッセンブリ50の側断面図、図5は主基板アッセンブリ50の分解正面図、図6はケース蓋部材70の背面図、図7(a)は係止アーム64が係止突起74に係止した状態を示す拡大図、図7(b)は係止アーム64が係止突起74に係止した状態を示す拡大側断面図、図8(a)は図係止アーム64が係止突起74に係止する前の状態を示す拡大図、そして図8(b)は係止アーム64が係止突起74に係止する前の状態を示す拡大側断面である。
主基板アッセンブリ50は、図3〜図5に示すように、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51と、主制御基板51を内部に収容する主基板ケース55とを主体に構成される。さらに、主基板ケース55は、パチンコ機PMの裏セット盤30に固定されるケース本体部材60と、ケース本体部材60に開閉自在に取り付けられるケース蓋部材70と、主制御基板51の裏面側を覆う内部カバー80とを備え、主制御基板51および内部カバー80がケース蓋部材70の内面側に取り付けられた状態で、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着可能に構成される。
主制御基板51は、図5に示すように、主制御基板51の中央部に配設されたCPU52や、主制御基板51の左側に配設された左側接続コネクタ53,53,…、主制御基板51の右側に配設された右側接続コネクタ54,54,…等の電子部品を有して構成される。主制御基板51の四隅には、基板取付孔51a,51a,…が形成されており、ケース蓋部材70に形成された基板取付部71のボス部71bと嵌合するようになっている。主制御基板51の縁部近傍三箇所には、ピン孔51b,51b,51bが形成されており、内部カバー80の位置決めピン81,81,81と嵌合するようになっている。
ケース本体部材60は、前面側に開口を有する矩形箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。ケース本体部材60の底部には、補強リブ61が縦横に形成されており、ケース本体部材60の強度を向上させるとともに、ケース内部に収容された内部カバー80が当接して受け止められるようになっている。
ケース本体部材60の左端部にはヒンジ軸62,62が形成されており、ケース蓋部材70のヒンジアーム74,74とそれぞれヒンジ係合するようになっている。ケース本体部材60の上下側壁外面には、前方に突出する係止アーム63,63が形成されており、図7および図8に示すように、ケース蓋部材70の係止突起75,75にそれぞれ係止するようになっている。
ケース本体部材60の縁部内側には、内側ガードリブ64が突出して形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、ケース蓋部材70の外側ガードリブ78の内側に位置するようになっている。ケース本体部材60の縁部外側には、縁部当接部65が内側ガードリブ64に繋がって形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、外側ガードリブ78が縁部当接部65と当接するようになっている。
ケース蓋部材70は、ケース本体部材60の開口を覆う矩形箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。図6および図24に示すように、ケース蓋部材70の裏面側(内面側)四隅には、ボス形状の基板取付部71,71,…がネジ孔71a,71a,…を有して形成されており、主制御基板51および内部カバー80が基板取付ネジ89によりネジ固定されてケース蓋部材70の内面側に取り付けられるようになっている。
基板取付部71の先端部には、主制御基板51と同等の厚さを有し、主制御基板51の基板取付孔51aより僅かに小さい径を有するボス部71bが、基板取付部71の先端において主制御基板51の前面が当接する基板取付面71c(図24を参照)より突出して形成されており、基板取付孔51aと嵌合可能に構成されている。
ケース蓋部材70の左側には、左コネクタ開口部72が形成されており、図3および図23に示すように、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着された状態で、主制御基板51の左側接続コネクタ53,53,…が外部に露出するように構成されている。ケース蓋部材70の右側には、右コネクタ開口部73,73,…が形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着された状態で、主制御基板51の右側接続コネクタ54,54,…が外部に露出するように構成されている。なお、左右のコネクタ開口部72,73の周部(リブの部分)は、主制御基板51の前面側に当接することが好ましい。これにより、左右のコネクタ開口部72,73から針金やセル板等の道具がケース内部に挿入されるのを防止することができる。
ケース蓋部材70の左端部には、図6に示すように、ヒンジアーム74,74が形成されており、ケース本体部材60のヒンジ軸62,62とそれぞれヒンジ係合するようになっている。そして、ケース本体部材60のヒンジ軸62,62とケース蓋部材70のヒンジアーム74,74とをそれぞれヒンジ係合させることで、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対しヒンジ軸62を中心軸として揺動開閉自在に取り付けられる。
ケース蓋部材70の上下側壁外面には、ケース本体部材60の係止アーム63,63とそれぞれ係止可能な係止突起75,75が形成されている。そして、図7(a)に示すように、ケース蓋部材70をケース本体部材60の上に重ねて(揺動させて)閉止状態にすると、係止アーム63,63が係止突起75,75にそれぞれ係止して、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対して閉止状態のまま装着保持されるようになっている。
係止突起75の前方(図7および図8における上方)には係止補助突起76が形成されており、図7(a)に示すように、係止アーム63が係止突起75に係止した状態で、係止補助突起76が係止アーム63の先端に(係止突起75と反対側に)隣接するようになっている。これにより、係止アーム63の先端に指または道具を引っ掛けることが難しくなるため、係止アーム63の係止突起75に対する係止状態が容易に解除されることを防止することができる。
係止突起75の右方(図6における左方)には、指掛け部77,77が形成されており、係止アーム63が係止突起75に係止していない状態で、作業者がこの指掛け部77,77に指を掛けることで、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して揺動開閉させ易いようになっている。
ケース蓋部材70の縁部外側には、外側ガードリブ78が突出して形成されており、図7(b)に示すように、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、ケース本体部材60における内側ガードリブ64の外側に位置して、ケース本体部材60の縁部当接部65に当接するようになっている。
これにより、ケース蓋部材70の縁部(外側ガードリブ78)とケース本体部材60の縁部(縁部当接部65)との間に若干の隙間を生じさせて、この隙間から針金やセル板等の道具(図示せず)をケース内部に挿入しようとしても、これらの道具をケース蓋部材70の外側ガードリブ78とケース本体部材60の内側ガードリブ64との間に形成されたラビリンス形状の僅かな隙間に通過させなければならないため、針金やセル板等の道具がケース内部に不正に挿入されるのを防止することができる。
ケース蓋部材70の縁部内側には、基板当接部79が形成されており、図4に示すように、主制御基板51がケース蓋部材70の内面側に取り付けられたときに、主制御基板51の縁部と当接して主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面(すなわち、主制御基板51の前面側)がケース蓋部材70に覆われるように構成されている。
これにより、基板当接部79が主制御基板51の縁部と当接して、主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面がケース蓋部材70に覆われる状態で主制御基板51がケース蓋部材70の内面側に取り付けられているため、ケース本体部材60とケース蓋部材70との隙間から針金やセル板等の道具がケース内部に挿入されても、これらの道具は主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面に到達できないことから、主制御基板51に対する不正行為をより確実に防止することができる。
内部カバー80は、主制御基板51の形状に合わせた矩形板状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて一体的に形成される。内部カバー80の縁部近傍三箇所には、位置決めピン81,81,81が形成されており、主制御基板51のピン孔51b,51b,51bとそれぞれ嵌合して、内部カバー80が主制御基板51の裏面側にちょうど重なるようになっている。さらに、位置決めピン81は、主制御基板51のピン孔51bと嵌合した状態で、ケース蓋部材70に形成された蓋側ピン孔85(図6を参照)に嵌入されるようになっている。
内部カバー80の四隅には、内部カバー取付部82,82,…がネジ通過孔82a,82a,…を有して形成されており、基板取付ネジ89によりケース蓋部材70の基板取付部71,71,…にネジ固定されるようになっている。そして、主制御基板51を所定方向に向けた状態で、基板取付部71のボス部71bに主制御基板51の基板取付孔51aを嵌合させ、さらに、内部カバー80の位置決めピン81を主制御基板51のピン孔51bに嵌合させるとともにケース蓋部材70の蓋側ピン孔85に嵌入して、内部カバー80を主制御基板51の裏面側に重ねて載置した状態で、基板取付ネジ89を内部カバー80のネジ通過孔82aに通過させ基板取付部71のネジ孔71aにネジ固定することにより、主制御基板51および内部カバー80がケース蓋部材70の内面側に取り付けられる。
内部カバー80の縁部には、周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接可能に形成されており、周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接した状態で、内部カバー80により主制御基板51におけるケース本体部材60と対向する面(すなわち、主制御基板51の裏面側)が覆われるように構成されている。
これにより、内部カバー80の周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接し、主制御基板51におけるケース本体部材60と対向する面が内部カバー80に覆われる状態となるため、ケース本体部材60とケース蓋部材70との隙間から針金やセル板などの道具がケース内部に挿入されても、これらの道具は主制御基板51における(ケース蓋部材70と対向する面に加えて)ケース本体部材60と対向する面に到達できないことから、主制御基板51に対する不正行為をより確実に防止することができる。
このようにして、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対して閉じた状態であるときには、係止アーム64が係止突起74に係止しているだけであり、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して容易に揺動開放させることができる。そこで、閉止状態にあるケース蓋部材70を開放できなくして不正操作を防止するために、基板アッセンブリ50には不正開放防止機構が設けられている。そこで、図9〜図26を追加参照しつつ、基板アッセンブリ50に設けられた不正開放防止機構100について以下に詳しく説明する。
ここで、図9は不正開放防止機構100の分解斜視図、図10は本体側接続部材130が本体側係合部110と係合した状態を示す斜視図、図11は本体側接続部材130が本体側係合部110と係合した状態を示す平面図、図12は図11中の矢印XII−XIIに沿った平断面図、図13は蓋側接続部材140が蓋側係合部120と係合する過程を(a)〜(c)の順に時系列で表す説明図、図14は本体側係合部110の平面図、図15は本体側係合部110の底面図、図16は蓋側係合部120を一端側から見た斜視図、図17は蓋側係合部120の平面図である。
さらに、図18は本体側接続部材130を底面側から見た斜視図、図19は本体側接続部材130の平面図、図20は本体側接続部材130の正面図、図21は蓋側接続部材140の平面図、図22は蓋側接続部材140の側面図、図23は閉鎖状態の主基板アッセンブリ50の側断面図、図24は開放状態の主基板アッセンブリ50の拡大側面図(部分断面図)、図25は不正開放防止機構100の斜視図、そして図26は図23中の矢印XXVI−XXVIに沿った断面図である。
不正開放防止機構100は、図9に示すように、ケース本体部材60に連結して設けられた4つの本体側係合部110,110,…(図5も参照)と、ケース蓋部材70に連結して設けられた4つの蓋側係合部120,120,…(図5も参照)と、本体側係合部110と係脱可能に係合する本体側接続部材130と、蓋側係合部120と係脱可能に係合する蓋側接続部材140とを備え、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対して閉じたときに本体側接続部材130と蓋側接続部材140とが係合することで本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結可能に構成される。
本体側係合部110は、図5および図9に示すように、ケース本体部材60の右端において、一端(図9における上方)に本体側開口部111を有する有底円筒状にケース本体部材60と一体に形成される。なお、ケース本体部材60と本体側係合部110とに跨って、ケース本体部材60と本体側係合部110とを連結する本体側連結部119が形成されている。本体側係合部110の内部には本体側挿入部112が形成されており、図10〜図12に示すように、本体側接続部材130が挿入されるようになっている。
本体側係合部110の内側部2箇所には、図14に示すように、本体側係合片113,113がそれぞれ突出して形成されており、本体側接続部材130の庇部132,132とそれぞれ係合可能に構成されている。なお、2つの本体側係合片113,113は、180度間隔で(互いに対向して)本体側係合部110の内側部に配置される。また、図15に示すように、本体側係合片113の底部には、本体側接続部材130の突起部134の形状に合わせて係合穴部114が形成されている。
蓋側係合部120は、図6および図16に示すように、ケース蓋部材70の右端において、一端(図16における手前側)に蓋側開口部121を有する円筒状にケース蓋部材70と一体に形成され、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着したときに本体側係合部110と対向して重なるように構成される。なお、図6に示すように、ケース蓋部材70と蓋側係合部120とに跨って、ケース蓋部材70と蓋側係合部120とを連結する蓋側連結部129が形成されている。また、蓋側連結部129は切断可能に構成されており、この蓋側連結部129を切断することで蓋側係合部120とケース蓋部材70とを分離することができるようになっている。
なお、前述したように、主基板ケース55(ケース本体部材60およびケース蓋部材70)の材料として透明な樹脂材料を使用しているが、その中でもABS樹脂を使用することが好ましい。これにより、上記のような部材に対する切断操作を行うと、ABS樹脂の成分であるブタジエンがゴム性を有して伸び、部材が割れずに白化しやすいため、その切断痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。また、主基板ケース55を無理にこじ開けようとしても、同様に部材が白化して(こじ開けた)痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。
蓋側係合部120の一端側には、図16に示すように、蓋側係合部120の胴部より若干径の小さい蓋側嵌合部122が形成されており、図26に示すように、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なるときに、本体側係合部110の本体側開口部111から内側に入り込んで本体側係合部110と嵌合するようになっている。また、蓋側嵌合部122の基端部に繋がって先端当接部122aが形成されており、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なるときに、本体側係合部110の一端側縁部が当接するようになっている。
これにより、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着したときに、本体側係合部110の本体側開口部111と蓋側係合部120の蓋側開口部121とが互いに対向して繋がり閉鎖される。そのため、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なる状態で、蓋側係合部120の蓋側嵌合部122が本体側係合部110と嵌合し、本体側係合部110および蓋側係合部120の内部への不正なアクセスが防止される。
蓋側係合部120の他端には、図9および図17に示すように、蓋側接続部材140が通過可能な挿入口123が形成される。蓋側係合部120の内部中央には、仕切壁124が蓋側係合部120の内部を塞ぐように形成されており、この仕切壁124の他端側に隣接して蓋側接続部材140を挿入可能な蓋側挿入部125が形成されている。
仕切壁124の中央部には通過穴126が形成されており、蓋側接続部材140の接続部材係合部141(胴部)が通過できるようになっている。また、通過穴126の周部に繋がって一対の突起通過部126a,126aが対称に形成されており、蓋側接続部材140の係合突起142,142がそれぞれ通過できるようになっている。さらに、突起通過部126a,126aを除く通過穴126の周部には、一対の支持リブ127,127が他端側(挿入口123の方)へ延びるように形成されており、接続部材係合部141の側方を支持するようになっている。
蓋側係合部120の挿入口123には、図9および図17に示すように、蓋側係合片128,128がそれぞれ突出して形成されており、蓋側接続部材140の係合溝部153,153とそれぞれ係合可能に構成されている。なお、2つの蓋側係合片128,128は、突起通過部126a,126aに対して90度だけ相対回転した向きに、180度間隔で(互いに対向して)蓋側係合部120の挿入口123に配置される。
本体側接続部材130は、図18〜図20に示すように、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を用いて、スライド構造を有しない射出成形等の成形手段により円筒状に一体的に成形される。本体側接続部材130の側部基端側には、一対の本体側穴部131,131が対称に(180度間隔で)形成されており、蓋側接続部材140の係合突起142,142とそれぞれ係合するようになっている。
本体側接続部材130の基端部(図20における下方)には、一対の庇部132,132が側方に突出して形成されており、本体側係合部110の本体側係合片113,113とそれぞれ係合可能に構成されている。また、庇部132,132の周部は、本体側係合部110の本体側挿入部112における内周部の形状に合わせて形成されており、本体側挿入部112に挿入された本体側接続部材130が本体側接続部材130の挿入方向と平行な回転軸の回りに回転できるようになっている。一対の庇部132,132の間隙部には、本体側係合部110の本体側係合片113,113が通過可能な逃げ部133,133がそれぞれ形成されており、本体側接続部材130を本体側係合部110の本体側開口部111から内部へ挿入する際に本体側係合片113,113を逃げ部133,133にそれぞれ通過させることで、本体側接続部材130を本体側係合部110の本体側挿入部112に挿入することができるようになっている。
庇部132の表面中央部には突起部134がそれぞれ形成されており、図12に示すように、本体側挿入部112に挿入された本体側接続部材130を本体側接続部材130の挿入方向と平行な回転軸の回りに90度(第1所定角度)だけ一方向に(図11における時計回りに)回転させて、突起部134を本体側係合部110の係合穴部114に位置させることで、庇部132と本体側係合部110の本体側係合片113とが係合するようになっている。これにより、本体側接続部材130が本体側挿入部112において挿入方向と平行な回転軸の回りに90度(第1所定角度)だけ一方向に回転することで本体側係合部110と係合することができ、本体側接続部材130を本体側係合部110に対して容易に係脱させることができる。
なお、本体側接続部材130を90度(第1所定角度)だけ他方向に(図11における反時計回りに)回転させても、庇部132と本体側係合片113とを係合させることができる。また、一対の庇部132,132および突起部134,134は、本体側穴部131,131と同じ方向に(180度間隔で)配置される。すなわち、逃げ部133,133は、本体側穴部131,131に対して90度だけ相対回転した向きに180度間隔で配置される。また、本体側接続部材130の先端部(図20における上方)には、一対の溝部135,135が形成されており、この溝部135,135に指を掛けて摘むことで、本体側接続部材130を容易に回転させることができるようになっている。
蓋側接続部材140は、図9、図21および図22に示すように、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を用いて、射出成形等の成形手段により略コマ形状に一体的に成形され、本体側接続部材130と係合可能な略筒状の接続部材係合部141と、接続部材係合部141の周囲に連結されて蓋側係合部120と係脱可能に係合するリング状の保持部151と、接続部材係合部141と保持部151とを連結する接続部材連結部159とを主体に構成される。接続部材係合部141の先端部には、一対の係合突起142,142が弾性変形可能に形成されており、本体側接続部材130の本体側穴部131,131とそれぞれ係合するようになっている。
接続部材係合部141の基端部には摘み部143が形成されており、この摘み部143を摘んで蓋側接続部材140を容易に回転させることができるようになっている。また、摘み部143は、図24に示すように、蓋側係合部120と蓋側接続部材140とが係合した状態で、蓋側係合部120の他端側(図24における上方)に突出するようになっている。これにより、工具等を用いずに蓋側係合部120と係合した(蓋側挿入部125に挿入された)蓋側接続部材140を容易に回転させることができる。
保持部151は、蓋側係合部120の蓋側挿入部125における内周部の形状に合わせたリング状に形成されており、蓋側挿入部125に挿入された蓋側接続部材140(保持部151)が蓋側接続部材140の挿入方向と平行な回転軸の回りに回転できるようになっている。保持部151の側部2箇所には、蓋側係合部120の蓋側係合片128,128が通過可能な通過溝部152,152が保持部151の中心軸方向に延びて形成されており、図13(b)に示すように、蓋側接続部材140を蓋側係合部120の挿入口123から内部へ挿入する際に蓋側係合片128,128を通過溝部152,152にそれぞれ通過させることで、保持部151(蓋側接続部材140)を蓋側挿入部125に挿入することができるようになっている。なお、2つの通過溝部152,152は、係合突起142,142に対して図21における時計回りに15度だけ相対回転した向きに、180度間隔で(対称に)保持部151の側部に配置される。
通過溝部152から図21における反時計回りに15度だけ相対回転した位置には、蓋側係合部120の蓋側係合片128と係合可能な係合溝部153が通過溝部152に繋がって形成されており、図13(c)に示すように、蓋側挿入部125に挿入された蓋側接続部材140(保持部151)を蓋側接続部材140の挿入方向と平行な回転軸の回りに15度(第2所定角度)だけ一方向に(図13における時計回りに)回転させることで、蓋側係合片128と係合溝部153とが係合するようになっている。これにより、蓋側接続部材140(保持部151)が蓋側挿入部125において挿入方向と平行な回転軸の回りに90度(第1所定角度)より少ない15度(第2所定角度)だけ一方向に回転することで蓋側係合部120と係合することができ、蓋側接続部材140を蓋側係合部120に対して容易に係脱させることができる。なお、係合溝部153の向きは係合突起142の向きとほぼ同じになる。
また、係合溝部153に(通過溝部152の反対側に)隣接して第1ストッパー部154が形成されており、蓋側係合部120と係合した蓋側接続部材140(保持部151)の一方向への(図13における時計回りの)回転が規制されるようになっている。さらに、通過溝部152に(係合溝部153の反対側に)隣接して第2ストッパー部155が形成されており、蓋側挿入部125に挿入された蓋側接続部材140(保持部151)の他方向への(図13における反時計回りの)回転が規制されるようになっている。また、保持部151の底部には、蓋側挿入部125の底部(仕切壁124)の形状に合わせて面取り部156が形成されている。
このように構成される不正開放防止機構100において、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して閉じた状態で本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結するには、まず、本体側接続部材130を所望の(例えば、図3における一番奥の)本体側係合部110と係合させるとともに、蓋側接続部材140を所望の(上述の)本体側係合部110と連結可能な蓋側係合部120と係合させる。本体側接続部材130を本体側係合部110と係合させるには、まず、本体側接続部材130を本体側係合部110の本体側開口部111から内部へ挿入し、本体側係合部110の本体側係合片113,113を本体側接続部材130の逃げ部133,133にそれぞれ通過させるようにして本体側接続部材130を本体側係合部110の本体側挿入部112に挿入する。
そして、図10〜図12に示すように、本体側挿入部112に挿入された本体側接続部材130を本体側接続部材130の挿入方向と平行な回転軸の回りに90度(第1所定角度)だけ一方向に(図11における時計回りに)回転させて、本体側接続部材130の突起部134を本体側係合部110の係合穴部114に位置させることで、本体側係合部110の本体側係合片113と本体側接続部材130の庇部132とを係合させる。これにより、小さな回転力による本体側接続部材130の回転が規制された状態で、本体側接続部材130が本体側係合部110と係脱可能に係合する。なお、本体側係合部110の他端側(底部)からは、本体側接続部材130にアクセスして本体側接続部材130を回転させることができないようになっている。
一方、蓋側接続部材140を蓋側係合部120と係合させるには、まず、蓋側接続部材140の接続部材係合部141を蓋側係合部120の挿入口123から内部へ挿入し、接続部材係合部141の係合突起142,142を蓋側係合部120の突起通過部126a,126aにそれぞれ通過させるようにして、接続部材係合部141を蓋側係合部120の通過穴126および蓋側開口部121に通過させる。このとき、蓋側係合部120の蓋側係合片128,128が突起通過部126a,126aに対して90度だけ相対回転した向きに配置されるのに対し、蓋側接続部材140の通過溝部152,152が係合突起142,142(すなわち、突起通過部126a,126a)に対して図13における時計回りに15度だけ相対回転した向きに配置されるため、図13(a)に示すように、蓋側係合片128,128が通過溝部152,152を通過できずに蓋側接続部材140の面取り部156に当接した状態となる。
次に、摘み部143を摘んで蓋側接続部材140を蓋側接続部材140の挿入方向と平行な回転軸の回りに75度だけ一方向に(図13における時計回りに)回転させ、蓋側接続部材140の通過溝部152,152を蓋側係合部120の蓋側係合片128,128に位置整合させる。続いて、図13(b)に示すように、通過溝部152,152を蓋側係合片128,128に位置整合させた状態で、蓋側接続部材140の保持部151を蓋側係合部120の挿入口123から内部へ挿入し、蓋側係合片128,128を通過溝部152,152にそれぞれ通過させるようにして、保持部151(蓋側接続部材140)を蓋側係合部120の蓋側挿入部125に挿入する。
そして、図13(c)に示すように、蓋側挿入部125に挿入された蓋側接続部材140(保持部151)を蓋側接続部材140の挿入方向と平行な回転軸の回りに15度(第2所定角度)だけ一方向に(図13における時計回りに)回転させることで、蓋側係合部120の蓋側係合片128と蓋側接続部材140の係合溝部153とを係合させる。これにより、蓋側接続部材140(保持部151)が蓋側係合部120と係脱可能に係合する。なお、係合溝部153に(通過溝部152の反対側に)隣接する第1ストッパー部154により、蓋側係合部120と係合した蓋側接続部材140(保持部151)の一方向への(図13における時計回りの)回転が規制される。また、通過溝部152に(係合溝部153の反対側に)隣接する第2ストッパー部155により、蓋側挿入部125に挿入された蓋側接続部材140(保持部151)の他方向への(図13における反時計回りの)回転が規制される。
次に、上述のようにして本体側接続部材130が本体側係合部110と係合するとともに、蓋側接続部材140が蓋側係合部120と係合した状態で、図23に示すように、ケース蓋部材70を(揺動させて)ケース本体部材60に対して閉じ、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なる状態にする。そうすると、図26に示すように、蓋側接続部材140(接続部材係合部141)の係合突起142,142は本体側接続部材130の内側部に当接して内方へ弾性変形し、この係合突起142,142が本体側接続部材130の基端部近傍に達すると外方へ復元して本体側接続部材130の本体側穴部131,131と係合する。すなわち、蓋側接続部材140(接続部材係合部141)が本体側接続部材130と係合して本体側係合部110と蓋側係合部120とが連結された状態になる。
なおこのとき、(摘み部143を摘んで)蓋側接続部材140を本体側接続部材130とともに15度(第2所定角度)だけ他方向に(図13における反時計回りに)回転させることができるが、本体側接続部材130を90度(第1所定角度)だけ回転させなければ本体側係合部110から離脱させることができないため、本体側接続部材130が本体側係合部110から離脱することはない。また、蓋側接続部材140が本体側接続部材130と係合した状態で蓋側接続部材140の保持部151が蓋側係合部120の仕切壁124に当接しているため、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して開放させようとしても蓋側接続部材140が蓋側係合部120から離脱することはない。すなわち、蓋側接続部材140(接続部材係合部141)が本体側接続部材130と係合した状態では、本体側係合部110からの本体側接続部材130の離脱、および蓋側係合部120からの蓋側接続部材140の離脱がともに規制される。
このようにして、ケース蓋部材70を(揺動させて)ケース本体部材60に対して閉じ、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なる状態にすると、本体側接続部材130と蓋側接続部材140とが係合して本体側係合部110と蓋側係合部120とが連結され、本体側係合部110からの本体側接続部材130の離脱、および蓋側係合部120からの蓋側接続部材140の離脱がともに規制されて、ケース本体部材60にケース蓋部材70を装着した状態が保持される。これにより、本体側係合部110と蓋側係合部120とを容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
そして、このような不正開放防止機構100によりケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持されれば、本体側係合部110と係合した本体側接続部材130と蓋側係合部120と係合した蓋側接続部材140との係合を解除するのは非常に困難であり、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開く時には蓋側連結部129を切断して蓋側係合部120とケース蓋部材70とを切り離す必要があることから、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)の開放後にその切断痕跡が明確に残り、不正な開封を早期に発見することができるとともに、不正行為を効果的に抑止できる。
なお、本体側接続部材130および蓋側接続部材140を係合させない組の本体側係合部110および蓋側係合部120においては、ケース蓋部材70を(揺動させて)ケース本体部材60に対して閉じると、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なるだけであり、本体側係合部110と蓋側係合部120とが連結されない状態となる。
次に、以上のようにしてケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持された主基板アセンブリ50において、その内部に収容された主制御基板51の保守点検作業やROM52の検査等を行う場合について説明する。ROM52の検査を行うときには、例えば、ニッパ等の工具を用いて本体側係合部110と連結した蓋側係合部120のケース蓋部材70との蓋側連結部129を切断する。これにより、蓋側係合部120とケース蓋部材70とが切り離されるので、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開放することができ、ケース蓋部材70に覆われたROM52の検査を行うことができる。
ところで、本体側係合部110および蓋側係合部120は、ケース本体部材60およびケース蓋部材70の他端側にそれぞれ4つずつ設けられているが、本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結させてケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で結合保持するときには、本体側係合部110および蓋側係合部120のいずれか一組を本体側接続部材130および蓋側接続部材140により連結させる。このため、本体側係合部110と連結した蓋側係合部120の蓋側連結部129が切断されても、他の組はまだ使用可能であり、上記のようにROM52の検査が完了した後は、未使用のいずれか一組の本体側係合部110と蓋側係合部120とを本体側接続部材130および蓋側接続部材140により連結させる。このため、本実施形態における主基板アセンブリ50の場合には、途中において三度の検査が可能である。
未使用のいずれか一組の本体側係合部110と蓋側係合部120とを本体側接続部材130および蓋側接続部材140により連結させるには、まず、本体側接続部材130を本体側係合部110と係合させたときと逆の操作を行って、ケース蓋部材70から切り離された蓋側係合部120および蓋側接続部材140とともに本体側接続部材130を本体側係合部110から離脱させる。次に、治具等を用いて本体側接続部材130を蓋側接続部材140から離脱させた後、蓋側接続部材140を蓋側係合部120と係合させたときと逆の操作を行って、蓋側接続部材140を蓋側係合部120から離脱させる。
そして、離脱させた本体側接続部材130および蓋側接続部材140を再び未使用のいずれか一組の本体側係合部110および蓋側係合部120に係合させ、ケース蓋部材70を再びケース本体部材60へ装着すればよい。このようにすれば、本体側接続部材130および蓋側接続部材140を再利用しつつ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度閉止状態で結合保持することができる。
なお、本実施形態において、蓋側接続部材140の接続部材連結部159が切断可能に構成されるようにしてもよい。このようにすれば、ニッパ等の工具を用いて接続部材連結部159を切断することにより、蓋側接続部材140の接続部材係合部141と保持部151とが切り離されるので、同様に、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開放することができ、ケース蓋部材70に覆われたROM52の検査を行うことができる。また、蓋側係合部120とケース蓋部材70とを切り離すことがないため、蓋側接続部材140を交換する(本体側接続部材130も交換可能)ことにより、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを何度でも再度閉止状態で結合保持することができる。すなわち、本体側係合部110および蓋側係合部120を一組だけ設ければよく、主基板ケース55の製造コストを低減させることができる。
本体側係合部110と蓋側係合部120とを再び本体側接続部材130および蓋側接続部材140により連結させるには、まず、蓋側接続部材140(保持部151)を蓋側係合部120と係合させたときと逆の操作を行って、切り離された保持部151を蓋側係合部120から離脱させる。次に、本体側接続部材130を本体側係合部110と係合させたときと逆の操作を行って、切り離された接続部材係合部141とともに本体側接続部材130を本体側係合部110から離脱させた後、治具等を用いて接続部材係合部141を本体側接続部材130から離脱させる。
そして、離脱させた本体側接続部材130および新しい(接続部材連結部159が切断されていない)蓋側接続部材140を本体側係合部110および蓋側係合部120に係合させ、ケース蓋部材70を再びケース本体部材60へ装着すればよい。なおこのとき、蓋側接続部材140の材料としてABS樹脂を使用することが好ましい。これにより、上記のような部材に対する切断操作を行うと、ABS樹脂の成分であるブタジエンがゴム性を有して伸び、部材が割れずに白化しやすいため、その切断痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。
以上に説明した本実施形態による不正開放防止機構100によれば、本体側係合部110に係合した本体側接続部材130と蓋側係合部120に係合した蓋側接続部材140とを係合させることにより、本体側係合部110と蓋側係合部120とが連結されるため、本体側係合部110と蓋側係合部120とを容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。また、蓋側連結部129が切断可能に構成されるため、蓋側連結部129を切断することでケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるが、このように蓋側連結部129を切断したときにはその破壊痕跡が残るためこれを容易に発見でき、不正行為を効果的に抑止できる。
さらに、本体側接続部材130および蓋側接続部材140が本体側係合部110および蓋側係合部120に対して係脱可能に構成されるため、ケース本体部材60およびケース蓋部材70に複数の本体側係合部110および蓋側係合部120を設けることにより、ROM52の検査完了後、蓋側連結部129が切断された組の本体側係合部110および蓋側係合部120から本体側接続部材130および蓋側接続部材140を離脱させ、離脱させた本体側接続部材130および蓋側接続部材140を用いてまだ蓋側連結部129が切断されていない組の本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結させることで、本体側接続部材110および蓋側接続部材120を再利用しつつ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度閉止状態で結合保持することができる。すなわち、一組の本体側接続部材130および蓋側接続部材140だけで、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度(複数回)閉止状態で結合保持することができる。
また、蓋側接続部材140が接続部材係合部141と保持部151とを連結する切断可能な接続部材連結部159を有して構成されていれば、この接続部材連結部159を切断して接続部材係合部141と保持部151との連結状態を解除することにより、ケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるが、このように接続部材連結部159を切断したときにはその破壊痕跡が残るためこれを容易に発見でき、不正行為を効果的に抑止できる。
さらに、蓋側接続部材140が接続部材係合部141と保持部151とを連結する切断可能な接続部材連結部159を有して構成されていれば、本体側接続部材130および蓋側接続部材140が本体側係合部110および蓋側係合部120に対して係脱可能に構成されることで、ROM52の検査完了後、接続部材連結部159が切断された蓋側接続部材140(保持部151)を蓋側係合部120から離脱させるとともに接続部材係合部141と係合した本体側接続部材130を本体側係合部110から離脱させ、接続部材連結部159が切断されていない蓋側接続部材140および本体側接続部材130を用いて再び本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結させることで、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度閉止状態で結合保持することができる。
また、本体側接続部材130が本体側係合部110内の本体側挿入部112において挿入方向と平行な回転軸の回りに90度(第1所定角度)だけ一方向に回転することで本体側係合部110と係合するように構成されるとともに、蓋側接続部材140が蓋側係合部120内の蓋側挿入部125において挿入方向と平行な回転軸の回りに(第1所定角度より少ない)15度(第2所定角度)だけ一方向に回転することで蓋側係合部120と係合するように構成されることで、本体側接続部材130および蓋側接続部材140を本体側係合部110および蓋側係合部120に対して容易に係脱させることができる。
なお、上述の実施形態において、蓋側連結部129を切断することでケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるように構成されているが、これに限られるものではなく、本体側連結部119を切断することでケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるように構成されてもよい。
また、上述の実施形態において、蓋側連結部129もしくは接続部材連結部159を切断することでケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、蓋側接続部材140に構成される第1ストッパー部154および第2ストッパー部155の代わりに、第1ストッパー部154および第2ストッパー部155と同等の機能を有する回転規制部を蓋側係合部120に連結して設け、この回転規制部を蓋側係合部120から切り離すことにより本体側接続部材130および蓋側接続部材140を回転自在にすることで、本体側接続部材130を本体側係合部110から離脱させてケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるように構成されてもよい。
次に、不正開放防止機構の第二実施形態について図27〜図34を参照しながら説明する。ここで、図27は第二実施形態における不正開放防止機構200の分解斜視図、図28は第二実施形態における蓋側接続部材240が蓋側係合部220と係合する過程を(a)〜(c)の順に時系列で表す説明図、図29は第二実施形態における蓋側係合部220の平面図、図30は第二実施形態における蓋側接続部材240の平面図、図31は第二実施形態における蓋側接続部材240の側面図、図32は第二実施形態における不正開放防止機構200の側断面図、図33は第二実施形態における不正開放防止機構200の斜視図、そして図34は図32中の矢印XXXIV−XXXIVに沿った断面図である。なお、本実施形態の不正開放防止機構200は、上述した第一実施形態の不正開放防止機構100における蓋側係合部120および蓋側接続部材140の装置構成のみ異なり、他の装置構成は同様であるため同一部位に同一番号を付して重複説明を省略する。
第二実施形態の不正開放防止機構200は、図27に示すように、ケース本体部材60に連結して設けられた4つの本体側係合部110,110,…と、ケース蓋部材70に連結して設けられた4つの蓋側係合部220,220,…と、本体側係合部110と係脱可能に係合する本体側接続部材130と、蓋側係合部220と係脱可能に係合する蓋側接続部材240とを備え、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対して閉じたときに本体側接続部材130と蓋側接続部材240とが係合することで本体側係合部110と蓋側係合部220とを連結可能に構成される。
蓋側係合部220は、第一実施形態の蓋側係合部120と同様に、ケース蓋部材70の右端において、一端(図27における下端)に蓋側開口部221を有する円筒状にケース蓋部材70と一体に形成され、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着したときに本体側係合部110と対向して重なるように構成される。なお、図示省略するが、ケース蓋部材70と蓋側係合部220とに跨って、ケース蓋部材70と蓋側係合部220とを連結する蓋側連結部(図示せず)が形成されている。
蓋側係合部220の一端側には、第一実施形態の蓋側係合部120と同様に、蓋側係合部220の胴部より若干径の小さい蓋側嵌合部222が形成されており、図34に示すように、蓋側係合部220が本体側係合部110と対向して重なるときに、本体側係合部110の本体側開口部111から内側に入り込んで本体側係合部110と嵌合するようになっている。また、蓋側嵌合部222の基端部に繋がって先端当接部222aが形成されており、蓋側係合部220が本体側係合部110と対向して重なるときに、本体側係合部110の一端側縁部が当接するようになっている。
これにより、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着したときに、本体側係合部110の本体側開口部111と蓋側係合部220の蓋側開口部221とが互いに対向して繋がり閉鎖される。そのため、蓋側係合部220が本体側係合部110と対向して重なる状態で、蓋側係合部220の蓋側嵌合部222が本体側係合部110と嵌合し、本体側係合部110および蓋側係合部220の内部への不正なアクセスが防止される。
蓋側係合部220の他端には、図27および図29に示すように、蓋側接続部材240が通過可能な挿入口223が形成される。蓋側係合部220の内部中央には、仕切壁224が蓋側係合部220の内部を塞ぐように形成されており、この仕切壁224の他端側に隣接して蓋側接続部材240を挿入可能な蓋側挿入部225が形成されている。
仕切壁224の中央部には通過穴226が形成されており、蓋側接続部材240の接続部材係合部241(胴部)が通過できるようになっている。また、通過穴226の周部に繋がって一対の突起通過部226a,226aが対称に形成されており、蓋側接続部材240の係合突起242,242がそれぞれ通過できるようになっている。さらに、突起通過部226a,226aを除く通過穴226の周部には、一対の支持リブ227,227が他端側(挿入口223の方)へ延びるように形成されており、接続部材係合部241の側方を支持するようになっている。
仕切壁224における支持リブ227,227の近傍には、一対の回転規制部229,229が通過穴226まで(図32を参照)突出して形成されており、蓋側接続部材240の接続部材連結部259がこの回転規制部229に当接することで、蓋側挿入部225に挿入された蓋側接続部材240の図28における反時計回りの(他方向への)回転が規制されるようになっている。なお、回転規制部229と仕切壁224(蓋側係合部220)との連結部である回転規制部連結部229a(図32を参照)は、切断可能に構成されている。
蓋側係合部220の挿入口223には、蓋側係合片228,228がそれぞれ突出して
形成されており、蓋側接続部材240の係合溝部253,253とそれぞれ係合可能に構成されている。なお、2つの蓋側係合片228,228は、突起通過部226a,226aに対して90度だけ相対回転した向きに、180度間隔で(互いに対向して)蓋側係合部220の挿入口223に配置される。
蓋側接続部材240は、第一実施形態の蓋側接続部材140と同様に、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を用いて、射出成形等の成形手段により略コマ形状に一体的に成形され、図27に示すように、本体側接続部材130と係合可能な略筒状の接続部材係合部241と、接続部材係合部241の周囲に連結されて蓋側係合部220と係脱可能に係合するリング状の保持部251と、接続部材係合部241と保持部251とを連結する接続部材連結部259とを主体に構成される。接続部材係合部241の先端部には、一対の係合突起242,242が弾性変形可能に形成されており、本体側接続部材130の本体側穴部131,131とそれぞれ係合するようになっている。
接続部材係合部241の基端部には摘み部243が形成されており、この摘み部243を摘んで蓋側接続部材240を容易に回転させることができるようになっている。また、摘み部243は、図32に示すように、蓋側係合部220と蓋側接続部材240とが係合した状態で、蓋側係合部220の他端側(図32における上方)に突出するようになっている。これにより、工具等を用いずに蓋側係合部220と係合した(蓋側挿入部225に挿入された)蓋側接続部材240を容易に回転させることができる。
保持部251は、蓋側係合部220の蓋側挿入部225における内周部の形状に合わせたリング状に形成されており、蓋側挿入部225に挿入された蓋側接続部材240(保持部251)が蓋側接続部材240の挿入方向と平行な回転軸の回りに回転できるようになっている。保持部251の側部2箇所には、蓋側係合部220の蓋側係合片228,228が通過可能な通過溝部252,252が保持部251の中心軸方向に延びて形成されており、図28(b)に示すように、蓋側接続部材240を蓋側係合部220の挿入口223から内部へ挿入する際に蓋側係合片228,228を通過溝部252,252にそれぞれ通過させることで、保持部251(蓋側接続部材240)を蓋側挿入部225に挿入することができるようになっている。なお、2つの通過溝部252,252は、係合突起242,242に対して図30における時計回りに15度だけ相対回転した向きに、180度間隔で(対称に)保持部251の側部に配置される。
通過溝部252から図30における反時計回りに15度だけ相対回転した位置には、蓋側係合部220の蓋側係合片228と係合可能な係合溝部253が通過溝部252に繋がって形成されており、図28(c)に示すように、蓋側挿入部225に挿入された蓋側接続部材240(保持部251)を蓋側接続部材240の挿入方向と平行な回転軸の回りに15度(第2所定角度)だけ一方向に(図28における時計回りに)回転させることで、蓋側係合片228と係合溝部253とが係合するようになっている。これにより、蓋側接続部材240(保持部251)が蓋側挿入部225において挿入方向と平行な回転軸の回りに90度(第1所定角度)より少ない15度(第2所定角度)だけ一方向に回転することで蓋側係合部220と係合することができ、蓋側接続部材240を蓋側係合部220に対して容易に係脱させることができる。なお、係合溝部253の向きは係合突起242の向きとほぼ同じになる。
また、係合溝部253に(通過溝部252の反対側に)隣接して第1ストッパー部254が形成されており、蓋側係合部220と係合した蓋側接続部材240(保持部251)の一方向への(図28における時計回りの)回転が規制されるようになっている。また、保持部251の底部には、蓋側挿入部225の底部(仕切壁224)の形状に合わせて面取り部256が形成されている。
このように構成される不正開放防止機構200において、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して閉じた状態で本体側係合部110と蓋側係合部220とを連結するには、第一実施形態の不正開放防止機構100と同様に、まず、本体側接続部材130を所望の本体側係合部110と係合させるとともに、蓋側接続部材240を所望の(上述の)本体側係合部110と連結可能な蓋側係合部220と係合させる。本体側接続部材130を本体側係合部110と係合させるには、第一実施形態の不正開放防止機構100と同様にして行う。
蓋側接続部材240を蓋側係合部220と係合させるには、まず、蓋側接続部材240の接続部材係合部241を蓋側係合部220の挿入口223から内部へ挿入し、接続部材係合部241の係合突起242,242を蓋側係合部220の突起通過部226a,226aにそれぞれ通過させるようにして、接続部材係合部241を蓋側係合部220の通過穴226および蓋側開口部221に通過させる。このとき、第一実施形態の不正開放防止機構100と同様に、図28(a)に示すように、蓋側係合片228,228が通過溝部252,252を通過できずに蓋側接続部材240の面取り部256に当接した状態となる。
次に、摘み部243を摘んで蓋側接続部材240を蓋側接続部材240の挿入方向と平行な回転軸の回りに75度だけ一方向に(図28における時計回りに)回転させ、蓋側接続部材240の通過溝部252,252を蓋側係合部220の蓋側係合片228,228に位置整合させる。続いて、図28(b)に示すように、通過溝部252,252を蓋側係合片228,228に位置整合させた状態で、蓋側接続部材240の保持部251を蓋側係合部220の挿入口223から内部へ挿入し、蓋側係合片228,228を通過溝部252,252にそれぞれ通過させるようにして、保持部251(蓋側接続部材240)を蓋側係合部220の蓋側挿入部225に挿入する。
そして、図28(c)に示すように、蓋側挿入部225に挿入された蓋側接続部材240(保持部251)を蓋側接続部材240の挿入方向と平行な回転軸の回りに15度(第2所定角度)だけ一方向に(図28における時計回りに)回転させることで、蓋側係合部220の蓋側係合片228と蓋側接続部材240の係合溝部253とを係合させる。これにより、蓋側接続部材240(保持部251)が蓋側係合部220と係脱可能に係合する。なお、係合溝部253に(通過溝部252の反対側に)隣接する第1ストッパー部254により、蓋側係合部220と係合した蓋側接続部材240(保持部251)の一方向への(図28における時計回りの)回転が規制される。また、蓋側係合部220に形成された回転規制部229により、蓋側挿入部225に挿入された蓋側接続部材240(保持部251)の他方向への(図28における反時計回りの)回転が規制される。
次に、上述のようにして本体側接続部材130が本体側係合部110と係合するとともに、蓋側接続部材240が蓋側係合部220と係合した状態で、ケース蓋部材70を(揺動させて)ケース本体部材60に対して閉じ、図32に示すように、蓋側係合部220が本体側係合部110と対向して重なる状態にする。そうすると、図34に示すように、蓋側接続部材240(接続部材係合部241)の係合突起242,242は本体側接続部材130の内側部に当接して内方へ弾性変形し、この係合突起242,242が本体側接続部材130の基端部近傍に達すると外方へ復元して本体側接続部材130の本体側穴部131,131と係合する。すなわち、蓋側接続部材240(接続部材係合部241)が本体側接続部材130と係合して本体側係合部110と蓋側係合部220とが連結された状態になる。
なおこのとき、(摘み部243を摘んで)蓋側接続部材240を本体側接続部材130とともに15度(第2所定角度)だけ他方向に(図28における反時計回りに)回転させることができるが、本体側接続部材130を90度(第1所定角度)だけ回転させなければ本体側係合部110から離脱させることができないため、本体側接続部材130が本体側係合部110から離脱することはない。また、蓋側接続部材240が本体側接続部材130と係合した状態で蓋側接続部材240の保持部251が蓋側係合部220の仕切壁224に当接しているため、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して開放させようとしても、蓋側接続部材240が蓋側係合部220から離脱することはない。すなわち、蓋側接続部材240(接続部材係合部241)が本体側接続部材130と係合した状態では、本体側係合部110からの本体側接続部材130の離脱、および蓋側係合部220からの蓋側接続部材240の離脱がともに規制される。
このようにして、ケース蓋部材70を(揺動させて)ケース本体部材60に対して閉じ、蓋側係合部220が本体側係合部110と対向して重なる状態にすると、本体側接続部材130と蓋側接続部材240とが係合して本体側係合部110と蓋側係合部220とが連結され、本体側係合部110からの本体側接続部材130の離脱、および蓋側係合部220からの蓋側接続部材240の離脱がともに規制されて、ケース本体部材60にケース蓋部材70を装着した状態が保持される。これにより、本体側係合部110と蓋側係合部220とを容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
このような不正開放防止機構200によりケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持されれば、本体側係合部110と係合した本体側接続部材130と蓋側係合部220と係合した蓋側接続部材240との係合を解除するのは非常に困難である。主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開くには、(摘み部243を摘んで)蓋側接続部材240を本体側接続部材130とともに90度(第1所定角度)だけ他方向に(図28における反時計回りに)比較的強い力で回転させることで、蓋側接続部材240の接続部材連結部259を蓋側係合部220の回転規制部229に当接させて回転規制部連結部229aを切断しつつ、本体側接続部材130と本体側係合部110との係合状態を解除する必要がある。そのため、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)の開放後にその切断痕跡が明確に残り、不正な開封を早期に発見することができるとともに、不正行為を効果的に抑止できる。
なお、本体側接続部材130および蓋側接続部材240を係合させない組の本体側係合部110および蓋側係合部220においては、ケース蓋部材70を(揺動させて)ケース本体部材60に対して閉じると、蓋側係合部220が本体側係合部110と対向して重なるだけであり、本体側係合部110と蓋側係合部220とが連結されない状態となる。
次に、以上のようにしてケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持された主基板アセンブリ50において、その内部に収容された主制御基板51の保守点検作業やROM52の検査等を行う場合について説明する。ROM52の検査を行うときには、摘み部243を摘んで蓋側接続部材240を本体側接続部材130とともに90度(第1所定角度)だけ他方向に(図28における反時計回りに)比較的強い力で回転させる。
そうすると、蓋側接続部材240の接続部材連結部259が蓋側係合部220の回転規制部229に当接して回転規制部連結部229aが切断され、回転規制部229が蓋側係合部220から切り離されるため、蓋側接続部材240が本体側接続部材130とともに90度(第1所定角度)まで他方向に回転可能になり、本体側接続部材130と本体側係合部110との係合状態が解除される。これにより、蓋側接続部材240と係合した本体側接続部材130を本体側係合部110から離脱させることができるため、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開放することができ、ケース蓋部材70に覆われたROM52の検査を行うことができる。
ところで、本体側係合部110および蓋側係合部220は、ケース本体部材60およびケース蓋部材70の他端側にそれぞれ4つずつ設けられており、第一実施形態の不正開放防止機構100と同様に、上記のようにROM52の検査が完了した後は、未使用のいずれか一組の本体側係合部110と蓋側係合部220とを本体側接続部材130および蓋側接続部材240により連結させる。このため、本実施形態においても、途中において三度の検査が可能である。
未使用のいずれか一組の本体側係合部110と蓋側係合部220とを本体側接続部材130および蓋側接続部材240により連結させるには、まず、治具等を用いて本体側接続部材130を蓋側接続部材240から離脱させた後、蓋側接続部材240を蓋側係合部220と係合させたときと逆の操作を行って、蓋側接続部材240を蓋側係合部220から離脱させる。
そして、離脱させた本体側接続部材130および蓋側接続部材240を再び未使用のいずれか一組の本体側係合部110および蓋側係合部220に係合させ、ケース蓋部材70を再びケース本体部材60へ装着すればよい。このようにすれば、本体側接続部材130および蓋側接続部材240を再利用しつつ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度閉止状態で結合保持することができる。
以上に説明した第二実施形態の不正開放防止機構200によれば、本体側係合部110に係合した本体側接続部材130と蓋側係合部220に係合した蓋側接続部材240とを係合させることにより、本体側係合部110と蓋側係合部220とが連結されるため、本体側係合部110と蓋側係合部220とを容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
また、回転規制部229における回転規制部連結部229aが切断可能に構成され、蓋側接続部材240を本体側接続部材130とともに90度(第1所定角度)だけ他方向に(図28における反時計回りに)回転させることで、蓋側接続部材240が回転規制部229に当接して回転規制部連結部229aを切断しつつ本体側接続部材130と本体側係合部110との係合状態が解除されることにより、ケース本体部材60からケース蓋部材70を外すことができるが、このように連結部を切断したときにはその破壊痕跡が残るためこれを容易に発見でき、不正行為を効果的に抑止できる。
さらに、本体側接続部材130および蓋側接続部材240が本体側係合部110および蓋側係合部220に対して係脱可能に構成されるため、ケース本体部材60およびケース蓋部材70に複数の本体側係合部110および蓋側係合部220を設けることにより、ROM52の検査完了後、回転規制部連結部229aが切断された組の本体側係合部110および蓋側係合部220から本体側接続部材130および蓋側接続部材240を離脱させ、離脱させた本体側接続部材130および蓋側接続部材240を用いてまだ回転規制部連結部229aが切断されていない組の本体側係合部110と蓋側係合部220とを連結させることで、本体側接続部材130および蓋側接続部材240を再利用しつつ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度閉止状態で結合保持することができる。
また、蓋側接続部材240に摘み部243が設けられることで、工具等を用いずに蓋側係合部220と係合した蓋側接続部材240を容易に回転させることができる。
なお、上述の各実施形態において、本体側接続部材130が円筒状に形成されるとともに、蓋側接続部材140(蓋側接続部材240)が略コマ形状に形成されているが、これに限られるものではなく、例えば、断面矩形の直方体や立方体状に形成されてもよく、本体側接続部材および蓋側接続部材が本体側係合部および蓋側係合部と係脱可能に係合する構成であればよい。
また、上述の各実施形態において、本体側接続部材130に本体側穴部131が形成されるとともに、蓋側接続部材140(蓋側接続部材240)に係合突起142が形成されているが、これに限られるものではなく、本体側接続部材に係合突起を形成するとともに、蓋側接続部材に本体側穴部を形成するようにしてもよい。
さらに、上述の各実施形態において、ケース本体部材60およびケース蓋部材70に本体側係合部110および蓋側係合部120(蓋側係合部220)が四組設けられているが、これに限られるものではなく、一組だけ設けられてもよく、さらに四組以外の複数組設けられてもよい。また、上述の実施形態において、本体側係合部110と蓋側係合部120(蓋側係合部220)とが一度に一組だけ連結されているが、これに限られるものではなく、一度に複数組連結させてもよい。
また、上述の各実施形態において、本発明に係る不正開放防止機構100(不正開放防止機構200)が主基板アッセンブリ50に構成される主基板ケース55に設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、電源基板アッセンブリ40に構成される基板ケースに設けられてもよく、また例えば、画像制御基板アッセンブリ18に構成される基板ケースに設けられてもよい。
さらに、上述の各実施形態において、本発明に係る不正開放防止機構100(不正開放防止機構200)を備えた主基板アッセンブリ50がパチンコ機PMに設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、スロットマシンや雀球遊技機等の遊技機に設けてもよい。
また、上述の第二実施形態において、蓋側接続部材240を回転規制部229に当接させて回転規制部連結部229aを切断することで、蓋側接続部材240を本体側接続部材130とともに90度(第1所定角度)だけ他方向に(図28における反時計回りに)回転させることができるように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、蓋側接続部材240の接続部材連結部259を切断可能に構成し、回転規制部229に当接した蓋側接続部材240を比較的強い力でさらに他方向に回転させることで、接続部材連結部259を切断して接続部材係合部241を保持部251から分離するようにしてもよい。