以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る基板ケースを備えた遊技機の代表例としてパチンコ機PMを図1および図2に示しており、まず、これらの図面を参照しながらパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。ここで、図1はパチンコ機PMの正面図、図2はパチンコ機PMの背面図である。
パチンコ機PMは外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成される開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ部材3a,3bで横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合された閉鎖状態に保持される。
前枠2の各部にはパチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、球皿6の右側下部には遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が装備されている。前枠2の中央部から上部にかけて後方に突出する方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に形成されており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤正面の遊技領域PAを臨ませている。
前枠2の裏面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤30が、前枠2の裏面に設けられた複数のレバーL,L…を利用して着脱可能にセット保持される。裏セット盤30の各部には遊技球を貯留する球貯留タンク31、タンクレール32、整列待機通路33、賞球カセット34、賞球排出通路35などの賞球装置が装備されるとともに、裏面各部に電源基板アッセンブリ40や主基板アッセンブリ50等の各種制御基板アッセンブリが取り付けられている。
球皿6に前面側が覆われた前枠2の下部領域には遊技補助盤(図示せず)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部に、打球発射装置(図示せず)や、裏セット盤30側の賞球排出通路35と繋がり球皿6に排出できない遊技球を一時貯留する貯留カセット(図示せず)などが設けられている。
パチンコ機PMは、前枠2、ガラス扉5および球皿6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿6に貯留された遊技球が打球発射装置により1球ずつ遊技盤10の遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲームが展開される。
以上のように概要構成されるパチンコ機PMにあって、主基板アッセンブリ50に不正開放防止機構が設けられている。以下、主基板アッセンブリ50について図3〜図8を参照しながら説明する。ここで、図3は主基板アッセンブリ50の斜視図、図4は主基板アッセンブリ50の側断面図、図5は主基板アッセンブリ50の分解斜視図、図6は主基板アッセンブリ50に構成されるケース蓋部材70の背面図、図7(a)は係止アーム63が係止突起75に係止した状態を示す拡大図、図7(b)は係止アーム63が係止突起75に係止した状態を示す拡大側断面図、図8(a)は係止アーム63が係止突起75に係止する前の状態を示す拡大図、そして図8(b)は係止アーム63が係止突起75に係止する前の状態を示す拡大側断面図である。
主基板アッセンブリ50は、図3〜図5に示すように、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板51と、主制御基板51を内部に収容する主基板ケース55とを主体に構成される。さらに、主基板ケース55は、パチンコ機PMの裏セット盤30に固定されるケース本体部材60と、ケース本体部材60に開閉自在に取り付けられるケース蓋部材70と、主制御基板51の裏面側を覆う内部カバー80とを備え、主制御基板51および内部カバー80がケース蓋部材70の内面側に取り付けられた状態で、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着可能に構成される。
主制御基板51は、図5に示すように、主制御基板51の中央部に配設されたCPU52や、主制御基板51の左側に配設された左側接続コネクタ53,53,…、主制御基板51の右側に配設された右側接続コネクタ54,54,…等の電子部品を有して構成される。主制御基板51の四隅には、基板取付孔51a,51a,…が形成されており、ケース蓋部材70に形成された基板取付部71のボス部71bと嵌合するようになっている。主制御基板51の縁部近傍三箇所には、ピン孔51b,51b,51bが形成されており、内部カバー80の位置決めピン81,81,81と嵌合するようになっている。
ケース本体部材60は、前面側に開口を有する矩形箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。ケース本体部材60の底部には、補強リブ61が縦横に形成されており、ケース本体部材60の強度を向上させるとともに、ケース内部に収容された内部カバー80が当接して受け止められるようになっている。
ケース本体部材60の左端部にはヒンジ軸62,62が形成されており、ケース蓋部材70のヒンジアーム74,74とそれぞれヒンジ係合するようになっている。ケース本体部材60の上下側壁外面には、前方に突出する係止アーム63,63が形成されており、図7および図8に示すように、ケース蓋部材70の係止突起75,75にそれぞれ係止するようになっている。
ケース本体部材60の縁部内側には、内側ガードリブ64が突出して形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、ケース蓋部材70の外側ガードリブ78の内側に位置するようになっている。ケース本体部材60の縁部外側には、縁部当接部65が内側ガードリブ64に繋がって形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、外側ガードリブ78が縁部当接部65と当接するようになっている。
ケース蓋部材70は、ケース本体部材60の開口を覆う矩形箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。図6および図18に示すように、ケース蓋部材70の裏面側(内面側)四隅には、ボス形状の基板取付部71,71,…がネジ孔71a,71a,…を有して形成されており、主制御基板51および内部カバー80が基板取付ネジ89によりネジ固定されてケース蓋部材70の内面側に取り付けられるようになっている。
基板取付部71の先端部には、主制御基板51と同等の厚さを有し、主制御基板51の基板取付孔51aより僅かに小さい径を有するボス部71bが、基板取付部71の先端において主制御基板51の前面が当接する基板取付面71c(図18を参照)より突出して形成されており、基板取付孔51aと嵌合可能に構成されている。
ケース蓋部材70の左側には、左コネクタ開口部72が形成されており、図3および図17に示すように、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着された状態で、主制御基板51の左側接続コネクタ53,53,…が外部に露出するように構成されている。ケース蓋部材70の右側には、右コネクタ開口部73,73,…が形成されており、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着された状態で、主制御基板51の右側接続コネクタ54,54,…が外部に露出するように構成されている。なお、左右のコネクタ開口部72,73の周部(リブの部分)は、主制御基板51の前面側に当接することが好ましい。これにより、左右のコネクタ開口部72,73から針金やセル板等の道具がケース内部に挿入されるのを防止することができる。
ケース蓋部材70の左端部には、図6に示すように、ヒンジアーム74,74が形成されており、ケース本体部材60のヒンジ軸62,62とそれぞれヒンジ係合するようになっている。そして、ケース本体部材60のヒンジ軸62,62とケース蓋部材70のヒンジアーム74,74とをそれぞれヒンジ係合させることで、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対しヒンジ軸62を中心軸として揺動開閉自在に取り付けられる。
ケース蓋部材70の上下側壁外面には、ケース本体部材60の係止アーム63,63とそれぞれ係止可能な係止突起75,75が形成されている。そして、図7(a)に示すように、ケース蓋部材70をケース本体部材60の上に重ねて(揺動させて)閉止状態にすると、係止アーム63,63が係止突起75,75にそれぞれ係止して、ケース蓋部材70がケース本体部材60に対して閉止状態のまま装着保持されるようになっている。
係止突起75の前方(図7および図8における上方)には係止補助突起76が形成されており、図7(a)に示すように、係止アーム63が係止突起75に係止した状態で、係止補助突起76が係止アーム63の先端に(係止突起75と反対側に)隣接するようになっている。これにより、係止アーム63の先端に指または道具を引っ掛けることが難しくなるため、係止アーム63の係止突起75に対する係止状態が容易に解除されることを防止することができる。
なお、係止補助突起76は、係止アーム63が係止突起75に係止した状態で、係止アーム63の先端および両側部に隣接するように形成されてもよい。このようにすれば、係止アーム63の先端に加え係止アーム63の両側部に指または道具を引っ掛けることが難しくなるため、係止アーム63の係止突起75に対する係止状態が容易に解除されることをより確実に防止することができる。
係止突起75の右方(図6における左方)には、指掛け部77,77が形成されており、係止アーム63が係止突起75に係止していない状態で、作業者がこの指掛け部77,77に指を掛けることで、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して揺動開閉させ易いようになっている。
ケース蓋部材70の縁部外側には、外側ガードリブ78が突出して形成されており、図7(b)に示すように、ケース蓋部材70がケース本体部材60に装着されるときに、ケース本体部材60における内側ガードリブ64の外側に位置して、ケース本体部材60の縁部当接部65に当接するようになっている。
これにより、ケース蓋部材70の縁部(外側ガードリブ78)とケース本体部材60の縁部(縁部当接部65)との間に若干の隙間を生じさせて、この隙間から針金やセル板等の道具(図示せず)をケース内部に挿入しようとしても、これらの道具をケース蓋部材70の外側ガードリブ78とケース本体部材60の内側ガードリブ64との間に形成されたラビリンス形状の僅かな隙間に通過させなければならないため、針金やセル板等の道具がケース内部に不正に挿入されるのを防止することができる。
ケース蓋部材70の縁部内側には、基板当接部79が形成されており、図4に示すように、主制御基板51がケース蓋部材70の内面側に取り付けられたときに、主制御基板51の縁部と当接して主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面(すなわち、主制御基板51の前面側)がケース蓋部材70に覆われるように構成されている。
これにより、基板当接部79が主制御基板51の縁部と当接して、主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面がケース蓋部材70に覆われる状態で主制御基板51がケース蓋部材70の内面側に取り付けられているため、ケース本体部材60とケース蓋部材70との隙間から針金やセル板等の道具がケース内部に挿入されても、これらの道具は主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面に到達できないことから、主制御基板51に対する不正行為をより確実に防止することができる。
内部カバー80は、主制御基板51の形状に合わせた矩形板状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて一体的に形成される。内部カバー80の縁部近傍三箇所には、位置決めピン81,81,81が形成されており、主制御基板51のピン孔51b,51b,51bとそれぞれ嵌合して、内部カバー80が主制御基板51の裏面側にちょうど重なるようになっている。さらに、位置決めピン81は、主制御基板51のピン孔51bと嵌合した状態で、ケース蓋部材70に形成された蓋側ピン孔85(図6を参照)に嵌入されるようになっている。
内部カバー80の四隅には、内部カバー取付部82,82,…がネジ通過孔82a,82a,…を有して形成されており、基板取付ネジ89によりケース蓋部材70の基板取付部71,71,…にネジ固定されるようになっている。そして、主制御基板51を所定方向に向けた状態で、基板取付部71のボス部71bに主制御基板51の基板取付孔51aを嵌合させ、さらに、内部カバー80の位置決めピン81を主制御基板51のピン孔51bに嵌合させるとともにケース蓋部材70の蓋側ピン孔85に嵌入して、内部カバー80を主制御基板51の裏面側に重ねて載置した状態で、基板取付ネジ89を内部カバー80のネジ通過孔82aに通過させ基板取付部71のネジ孔71aにネジ固定することにより、主制御基板51および内部カバー80がケース蓋部材70の内面側に取り付けられる。
内部カバー80の縁部には、周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接可能に形成されており、周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接した状態で、内部カバー80により主制御基板51におけるケース本体部材60と対向する面(すなわち、主制御基板51の裏面側)が覆われるように構成されている。
これにより、内部カバー80の周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接し、主制御基板51におけるケース本体部材60と対向する面が内部カバー80に覆われる状態となるため、ケース本体部材60とケース蓋部材70との隙間から針金やセル板などの道具がケース内部に挿入されても、これらの道具は主制御基板51における(ケース蓋部材70と対向する面に加えて)ケース本体部材60と対向する面に到達できないことから、主制御基板51に対する不正行為をより確実に防止することができる。
このようにして、ケース蓋部材70がケース本体部材60の開口を覆う閉止状態でケース本体部材60に装着されているときには、係止アーム63が係止突起75に係止しているだけであり、ケース蓋部材70をケース本体部材60に対して容易に開放させることができる。そこで、閉止状態で装着されたケース蓋部材70を開放できなくして不正操作を防止するために、基板アッセンブリ50には不正開放防止機構が設けられている。そこで、図9〜18図を追加参照しつつ、基板アッセンブリ50に設けられた不正開放防止機構100について以下に詳しく説明する。
ここで、図9は不正開放防止機構100に構成される本体側係合部110の分解斜視図、図10は不正開放防止機構100に構成される蓋側係合部120の分解斜視図、図11は本体側係合部110の正面図、図12は蓋側係合部120の背面図、図13は不正開放防止機構100に構成される接続部材150の斜視図、図14は図13中の接続部材150を反対側から見た斜視図である。
また、図15(a)は接続部材150の長方形断面における長辺方向から見た側面図、図15(b)は図15(a)中の矢印XV−XVに沿った平断面図、図16(a)は接続部材150の長方形断面における短辺方向から見た側面図、図16(b)は図16(a)中の矢印XVI−XVIに沿った平断面図、図17は閉止状態の主基板アッセンブリ50の側断面図、そして図18は開放状態の主基板アッセンブリ50の側断面図である。
不正開放防止機構100は、ケース本体部材60に連結して設けられた4つの本体側係合部110,110,…と、ケース蓋部材70に連結して設けられた4つの蓋側係合部120,120,…と、本体側係合部110と蓋側係合部120とをそれぞれ連結させる4つ接続部材150,150,…とを備え、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着したときに本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結可能に構成される。
本体側係合部110は、ケース本体部材60に一体に設けられた本体側収容部111と、本体側収容部111に固設された本体側係合補助部材130とから構成される。本体側収容部111は、図9に示すように、ケース本体部材60の右端において、前面側(図9における上方)が開口した直方体箱状にケース本体部材60と(透明な樹脂材料を用いて)一体に形成される。また、本体側収容部111の内部には、本体側係合補助部材130を収容可能な本体側収容空間HS1が形成される。本体側収容部111の内面側における長方形断面の短辺を形成して対向する2面には、本体側取付ガイド溝112,112が凹状に形成されており、本体側係合補助部材130の本体側取付ガイド部131,131とそれぞれ係合するようになっている。
本体側収容部111の前面側縁部における長方形断面の長辺を形成して対向する2辺には、本体側連結ガイドリブ113,113が突出して形成されており、蓋側係合部120の蓋側リブ係合部124,124とそれぞれ係合するようになっている。本体側収容部111の前面側縁部における長方形断面の短辺を形成して対向する2辺には、本体側リブ係合部114,114が形成されており、蓋側係合部120の蓋側連結ガイドリブ123,123とそれぞれ係合するようになっている。
蓋側係合部120は、ケース蓋部材70に一体に形成された蓋側収容部121と、蓋側収容部121に固設された蓋側係合補助部材140とから構成される。蓋側収容部121は、図10に示すように、ケース蓋部材70の右端において、裏面側(図10における上方)が開口した直方体箱状にケース蓋部材70と一体に形成され、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着したときに本体側収容部111と対向して重なるように構成される。また、蓋側収容部121の内部には、蓋側係合補助部材140を収容可能な蓋側収容空間HS2が形成されている。蓋側収容部121の内面側における長方形断面の長辺を形成して対向する2面には、蓋側取付ガイド溝122,122が凹状に形成されており、蓋側係合補助部材140の蓋側取付ガイド部141,141とそれぞれ係合するようになっている。
蓋側収容部121の裏面側縁部における長方形断面の短辺を形成して対向する2辺には、蓋側連結ガイドリブ123,123が突出して形成されており、蓋側収容部121が本体側収容部111と対向して重なるときに、本体側収容部111の本体側リブ係合部114,114とそれぞれ係合するようになっている。蓋側収容部121の裏面側縁部における長方形断面の長辺を形成して対向する2辺には、蓋側リブ係合部124,124が凹状に形成されており、蓋側収容部121が本体側収容部111と対向して重なるときに、本体側収容部111の本体側連結ガイドリブ113,113とそれぞれ係合するようになっている。
これにより、蓋側収容部121が本体側収容部111と対向して重なるときに、本体側連結ガイドリブ113,113と蓋側リブ係合部124,124とがそれぞれ係合するとともに、蓋側連結ガイドリブ123,123と本体側リブ係合部114,114とがそれぞれ係合するため、蓋側収容部121(蓋側係合部120)の本体側収容部111(本体側係合部110)に対する位置合わせをより確実に行うことができる。
蓋側係合部120(蓋側収容部121)とケース蓋部材70との連結部125(図6および図12を参照)は切断可能に構成されており、この連結部125を切断して蓋側係合部120(蓋側収容部121)とケース蓋部材70とを分離することができるようになっている。なお、前述したように、主基板ケース55(ケース本体部材60およびケース蓋部材70)の材料として透明な樹脂材料を使用しているが、その中でもABS樹脂を使用することが好ましい。これにより、上記のような部材に対する切断操作を行うと、ABS樹脂の成分であるブタジエンがゴム性を有して伸び、部材が割れずに白化しやすいため、その切断痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。また、主基板ケース55を無理にこじ開けようとしても、同様に部材が白化して(こじ開けた)痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。
本体側係合補助部材130は、図9に示すように、前面側(図9における上方)に開口を有する直方体箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等による有色半透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形され、本体側収容部111の本体側収容空間HS1内へ収容可能に構成される。また、本体側係合補助部材130の内部には、接続部材150の半分を収容可能な本体側係合空間CS1が形成される。
本体側係合補助部材130の外面側における長方形断面の短辺を形成して対向する2面には、本体側取付ガイド部131,131が凸状に形成されており、本体側収容部111の本体側取付ガイド溝112,112とそれぞれ係合するようになっている。そして、本体側収容部111の開口側(前面側)から、本体側取付ガイド部131,131を本体側取付ガイド溝112,112と係合させつつ本体側係合補助部材130を本体側収容部111の本体側収容空間HS1内へ挿入し、この状態で本体側係合補助部材130を本体側収容部111に溶着させることにより、図11に示すように、本体側係合補助部材130が本体側収容部111の本体側収容空間HS1内に固設される。なお、本体側係合補助部材130を本体側収容部111に固定する手段として、溶着に限らず、例えば接着剤等を使用してもよい。
このとき、本体側係合補助部材130が本体側収容部111の本体側収容空間HS1内に固設されることで、本体側収容部111、すなわち本体側係合部110の内部に本体側係合空間CS1が(本体側収容空間HS1に替わり)形成される。このようにして、本体側係合部110が別体の本体側収容部111と本体側係合補助部材130とから構成されているため、本体側係合部110(すなわち、ケース本体部材60)の複製がより難しくなり、不正行為の抑止が期待できる。また、本体側収容部111の材質が透明の樹脂材料であるのに対し、本体側係合補助部材130の材質は本体側収容部111と異なる有色半透明の樹脂材料であるため、本体側収容部111に正規の本体側係合補助部材130が固設されているか否か、すなわちケース本体部材60が複製品であるか否かを容易に判別することができる。
本体側係合補助部材130における長方形断面の短辺を形成して対向する2面には、本体側穴部132,132が形成されており、接続部材150の本体側係合突起151,151と係合可能に構成されている。なお、図11に示すように、本体側係合補助部材130が本体側収容部111に固設された状態では、本体側穴部132の外側は本体側収容部111に塞がれ、本体側係合補助部材130、すなわち本体側係合部110の内面側における長方形断面の短辺を形成して対向する2面には、接続部材150の本体側係合突起151と係合可能な本体側凹部132aが形成される。
本体側係合補助部材130の内面側における長方形断面の長辺を形成して対向する2面には、本体側突起ガイド部133,133が形成されており、接続部材150の蓋側係合突起152,152を収容可能に構成されている。
蓋側係合補助部材140は、図10に示すように、裏面側(図10における上方)に開口を有する直方体箱状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等による有色半透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形され、蓋側収容部121の蓋側収容空間HS2内へ収容可能に構成される。また、蓋側係合補助部材140の内部には、接続部材150の半分を収容可能な蓋側係合空間CS2が形成される。
蓋側係合補助部材140の外面側における長方形断面の長辺を形成して対向する2面には、蓋側取付ガイド部141,141が凸状に形成されており、蓋側収容部121の蓋側取付ガイド溝122,122とそれぞれ係合するようになっている。そして、蓋側収容部121の開口側(裏面側)から、蓋側取付ガイド部141,141を蓋側取付ガイド溝122,122と係合させつつ蓋側係合補助部材140を蓋側収容部121の蓋側収容空間HS2内へ挿入し、この状態で蓋側係合補助部材140を蓋側収容部121に溶着させることにより、図12に示すように、蓋側係合補助部材140が蓋側収容部121の蓋側収容空間HS2内に固設される。なお、係合補助部材140を蓋側収容部121に固定する手段として、溶着に限らず、例えば接着剤等を使用してもよい。
このとき、蓋側係合補助部材140が蓋側収容部121の蓋側収容空間HS2内に固設されることで、蓋側収容部121、すなわち蓋側係合部120の内部に蓋側係合空間CS2が(蓋側収容空間HS2に替わり)形成される。このようにして、蓋側係合部120が別体の蓋側収容部121と蓋側係合補助部材140とから構成されているため、蓋側係合部120(すなわち、ケース蓋部材70)の複製がより難しくなり、不正行為の抑止が期待できる。また、蓋側収容部121の材質が透明の樹脂材料であるのに対し、蓋側係合補助部材140の材質は蓋側収容部121と異なる有色半透明の樹脂材料であるため、蓋側収容部121に正規の蓋側係合補助部材140が固設されているか否か、すなわちケース蓋部材70が複製品であるか否かを容易に判別することができる。
なお、本体側収容部111に本体側係合補助部材130が固設されるとともに蓋側収容部121に蓋側係合補助部材140が固設された状態で、本体側収容部111(すなわち、本体側係合部110)と蓋側収容部121(すなわち、蓋側係合部120)とがそれぞれ対向して重なったときには、本体側係合空間CS1と蓋側係合空間CS2とが繋がって接続部材150を配設可能な係合空間CSが形成されるようになっている。
蓋側係合補助部材140における長方形断面の長辺を形成して対向する2面には、蓋側穴部142,142が形成されており、接続部材150の蓋側係合突起152,152と係合可能に構成されている。なお、図12に示すように、蓋側係合補助部材140が蓋側収容部121に固設された状態では、蓋側穴部142の外側は蓋側収容部121に塞がれ、蓋側係合補助部材140、すなわち蓋側係合部120の内面側における長方形断面の長辺を形成して対向する2面には、接続部材150の蓋側係合突起152と係合可能な蓋側凹部142aが形成される。
蓋側係合補助部材140の内面側における長方形断面の短辺を形成して対向する2面には、蓋側突起ガイド部143,143が形成されており、接続部材150の本体側係合突起151,151を収容可能に構成されている。
接続部材150は、図13〜図16に示すように、一端に開口を有する中空直方体状の形態をなし、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。また、接続部材150は、係合空間CS内に、接続部材150の一端側が本体側係合部110を向くロック方向およびロック方向とは逆のアンロック方向を向いて配設可能に構成される。
接続部材150の一端側における長方形断面の短辺を形成して対向する2面には、本体側係合突起151,151が内外へ揺動可能に形成されており、接続部材150の一端側が本体側係合空間CS1内に位置すると本体側凹部132a,132aと係合し、接続部材150の一端側が蓋側係合空間CS2内に位置すると蓋側突起ガイド部143,143に非係合状態で収容されるようになっている。
接続部材150の他端側における長方形断面の長辺を形成して対向する2面には、蓋側係合突起152,152が内外へ揺動可能に形成されており、図17に示すように、接続部材150の他端側が蓋側係合空間CS2内に位置すると蓋側凹部142a,142aと係合し、図18に示すように、接続部材150の他端側が本体側係合空間CS1内に位置すると本体側係合補助部材130の内側面に当接し非係合状態で本体側突起ガイド部133,133に収容されるようになっている。
接続部材150の他端面には、接続部材150の向きを識別可能な方向識別マーク153が形成されている。方向識別マーク153は、図13に示すように、接続部材150の他端面に凹設された「ロック」文字であり、接続部材150がロック方向を向いて係合空間CS内に配設されるときには、方向識別マーク153、すなわち接続部材150の他端側が前方(蓋側係合部120の方)を向くようになっている。これにより、係合空間CS内における接続部材150の配設方向(ロック方向およびアンロック方向)の間違いを防止することができ、さらに、接続部材150を介してロック状態にある本体側係合部110および蓋側係合部120を認識することができる。
なお、方向識別マーク153(文字の部分)に他の部分と異なる色を着色してもよく、さらに、接続部材150の他端面における方向識別マーク153(文字の部分)を除く領域に、方向識別マーク153(文字の部分)および接続部材150の他端面を除く面と異なる色を着色するようにしてもよい。このようにすれば、方向識別マーク153の識別力を向上させることができる。
また、方向識別マーク153は、「ロック」文字に限らず、文字、記号、絵柄等を用いてもよい。さらに、方向識別マーク153は、接続部材150の他端面に印刷、塗装等により形成されてもよく、印刷シール等を貼り付けるようにしてもよい。また、方向識別マーク153は、接続部材150の他端面に限らず、接続部材150の一端面や側面等に、方向識別手段として接続部材150の向きを識別可能に設けられていればよい。
このように構成される不正開放防止機構100において、ケース蓋部材70をケース本体部材60へ装着した状態で本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結するには、まず、4つの接続部材150,150,…の一つをロック方向に向け、接続部材150の一端側を本体側係合部110における本体側係合空間CS1内に挿入する。このとき、接続部材150の本体側係合突起151,151は本体側係合補助部材130の内側部に当接して内方へ揺動し、接続部材150の一端が本体側係合空間CS1の底部に達すると外方へ復元揺動して本体側係合補助部材130の本体側凹部132a,132aと係合する。すなわち、ロック方向を向いた接続部材150の一端側が本体側係合補助部材130を介して本体側係合部110と係合する。
次に、他の三つの接続部材150,150,150をそれぞれアンロック方向に向け、接続部材150の他端側を本体側係合部110における本体側係合空間CS1内に挿入する。このとき、接続部材150の蓋側係合突起152,152は本体側係合補助部材130の内側面に当接して内方へ揺動し、この状態で本体側係合補助部材130の本体側突起ガイド部133,133に非係合状態で収容される。すなわち、図18に示すように、アンロック方向を向いた接続部材150の他端側が本体側係合補助部材130を介して本体側係合部110に挿抜可能に収容保持される。なおこのとき、蓋側係合突起152,152は弾性力により本体側係合補助部材130の内側面を押圧しており、接続部材150の他端側が本体側係合部110から抜けにくくなっている。
続いて、ケース蓋部材70を揺動させてケース本体部材60へ装着し、蓋側係合部120(蓋側収容部121)が本体側係合部110(本体側収容部111)と対向して重なる状態にする。そうすると、ロック方向を向いた接続部材150においては、接続部材150の他端側が蓋側係合部120における蓋側係合空間CS2内に挿入された状態となる。このとき、接続部材150の蓋側係合突起152,152は蓋側係合補助部材140の内側部に当接して内方へ揺動し、接続部材150の他端が蓋側係合空間CS2の底部に達すると外方へ復元揺動して蓋側係合補助部材140の蓋側凹部142a,142aと係合する。すなわち、ロック方向を向いた接続部材150の他端側が蓋側係合部120と係合する。
一方、アンロック方向を向いた接続部材150においては、接続部材150の一端側が蓋側係合部120における蓋側係合空間CS2内に挿入された状態となる。このとき、接続部材150の本体側係合突起151,151は蓋側係合補助部材140の内側面に当接して内方へ揺動し、この状態で蓋側係合補助部材140の蓋側突起ガイド部143,143に非係合状態で収容される。すなわち、アンロック方向を向いた接続部材150の一端側が蓋側係合部120に挿抜可能に収容される。
このようにして、ケース蓋部材70を揺動させてケース本体部材60へ装着し、蓋側係合部120が本体側係合部110と対向して重なる状態にすると、4つの接続部材150,150,…の一つが本体側係合空間CS1と蓋側係合空間CS2とが繋がって形成された係合空間CS内にロック方向を向いて配設されるとともに、他の三つの接続部材150,150,150が係合空間CS内にアンロック方向を向いて配設される。
すなわち、ロック方向を向いた接続部材150の一端側が本体側係合補助部材130を介して本体側係合部110と係合するとともに、他端側が蓋側係合補助部材140を介して蓋側係合部120と係合することで、本体側係合部110と蓋側係合部120とが接続部材150を介して連結され、図3および図17に示すように、ケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持される。これにより、本体側係合部110と蓋側係合部120とを容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
そして、このような不正開放防止機構100によりケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持されれば、係合空間CS内にロック方向を向いて収容された接続部材150と本体側係合部110および蓋側係合部120との係合を解除するのは非常に困難であり、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開く時には連結部125を切断して蓋側係合部120とケース蓋部材70とを切り離す必要があることから、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)の開放後にその切断痕跡が明確に残り、不正な開封を早期に発見することができる。
また、接続部材150の一端側が本体側係合空間CS1内に位置して本体側係合突起151,151が本体側凹部132a,132aと係合するとともに、接続部材150の他端側が蓋側係合空間CS2内に位置して蓋側係合突起152,152が蓋側凹部142a,142aと係合するため、本体側係合部110と蓋側係合部120とをより容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
さらに、接続部材150は直方体状に形成されており、接続部材150に合わせて形成された係合空間CS内で回転することがないため、接続部材150がロック方向を向くときには、容易に本体側係合突起151,151と本体側凹部132a,132aとを係合させるとともに蓋側係合突起152,152と蓋側凹部142a,142aとを係合させることができ、接続部材150がアンロック方向を向くときには、容易に蓋側係合突起152,152を非係合状態で本体側突起ガイド部133,133に(本体側係合空間CS1内に)収容させるとともに本体側係合突起151,151を非係合状態で蓋側突起ガイド部143,143に(蓋側係合空間CS2内に)収容させることができる。
また、接続部材150は係合空間CS内にロック方向およびロック方向とは逆のアンロック方向を向いて配設可能となっているため、本体側係合部110と蓋側係合部120とをロック状態(ケース蓋部材70とケース本体部材60とが結合保持された状態)もしくはアンロック状態(ケース蓋部材70がケース本体部材60に着脱可能な状態)で選択的に連結させることができる。
次に、以上のようにしてケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持された主基板アセンブリ50において、その内部に収容された主制御基板51の保守点検作業を行う場合について、さらに図19〜図21を追加参照しながら説明する。ここで、図19は開放状態の主基板アッセンブリ50の斜視図、図20はロック方向を向いた接続部材150が本体側係合部110に挿入される状態を示す斜視図、そして図21はアンロック方向を向いた接続部材150が本体側係合部110から抜き出された状態を示す斜視図である。
保守点検作業を行うときには、例えば、ニッパ等の工具を用いて蓋側係合部120とケース蓋部材70との連結部125(例えば、図3に示すように、ケース蓋部材70の右端下方に位置する連結部125)を切断する。これにより、蓋側係合部120とケース蓋部材70とが切り離されるので、図19に示すように、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開放することができ、ケース蓋部材70の内面側に取り付けられた主制御基板51の保守点検等を行うことができる。他の三つの接続部材150,150,150は係合空間CS内にアンロック方向を向いて配設され、本体側係合部110および蓋側係合部120に挿抜可能に収容されているからである。
本体側係合部110および蓋側係合部120は、ケース本体部材60およびケース蓋部材70の右端にそれぞれ四つずつ設けられているが、本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結させてケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で結合保持するときには、本体側係合部110および蓋側係合部120のいずれか一組を接続部材150により連結させる。
このため、本体側係合部110と連結した蓋側係合部120のケース蓋部材70との連結部125が切断されても、他の組はまだ使用可能であり、上記のように保守点検が完了した後は、未使用のいずれか一組の本体側係合部110と蓋側係合部120とを接続部材150により連結させる。このため、本実施形態における主基板アセンブリ50の場合には、途中において三度の保守点検が可能である。
未使用のいずれか一組の本体側係合部110と蓋側係合部120とを接続部材150により連結させるには、図21に示すように、未使用のいずれか一つの接続部材150を本体側係合部110から抜き出した後、図20に示すように、この接続部材150をロック方向に反転させ、ロック方向を向いた接続部材150の一端側を本体側係合部110に挿入して係合させた状態で、ケース蓋部材70を再びケース本体部材60へ装着すればよい。
以上に説明した本実施形態による主基板アッセンブリ50によれば、不正開放防止機構100によりケース本体部材60とケース蓋部材70とが閉止状態で結合保持されるため、係合空間CS内にロック方向を向いて収容された接続部材150と本体側係合部110および蓋側係合部120との係合を解除するのは非常に困難であり、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)を開く時には連結部125を切断して蓋側係合部120とケース蓋部材70とを切り離す必要があることから、主基板ケース55(主基板アッセンブリ50)の開放後にその切断痕跡が明確に残り、不正な開封を早期に発見することができる。
また、接続部材150が係合空間CS内にロック方向およびロック方向とは逆のアンロック方向を向いて配設可能となっているため、本体側係合部110と蓋側係合部120とをロック状態(ケース蓋部材70とケース本体部材60とが結合保持された状態)もしくはアンロック状態(ケース蓋部材70がケース本体部材60に着脱可能な状態)で選択的に連結させることができる。
なお、保守点検の際には連結部125を切断して主基板ケース55を開放し、この状態で保守点検が行われるが、ケース本体部材60およびケース蓋部材70には複数組の本体側係合部110および蓋側係合部120が設けられているため、保守点検の完了後、まだ連結部125が切断されていない組の本体側係合部110および蓋側係合部120に、アンロック方向で挿入されていた接続部材150を抜き出し反転させて再びロック方向で挿入し、本体側係合部110と蓋側係合部120とを連結させることで、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを再度閉止状態で結合保持することができる。
また、ロック方向を向いた接続部材150の一端側が本体側係合補助部材130を介して本体側係合部110と係合するとともに、他端側が蓋側係合補助部材140を介して蓋側係合部120と係合するため、本体側係合部110と蓋側係合部120とを容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
さらに、接続部材150の一端側が本体側係合空間CS1内に位置して本体側係合突起151,151が本体側凹部132a,132aと係合するとともに、接続部材150の他端側が蓋側係合空間CS2内に位置して蓋側係合突起152,152が蓋側凹部142a,142aと係合するため、本体側係合部110と蓋側係合部120とをより容易に連結させることができ、ケース本体部材60とケース蓋部材70とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
また、接続部材150は直方体状に形成されており、接続部材150に合わせて形成された係合空間CS内で回転することがないため、接続部材150がロック方向を向くときには、容易に本体側係合突起151,151と本体側凹部132a,132aとを係合させるとともに蓋側係合突起152,152と蓋側凹部142a,142aとを係合させることができ、接続部材150がアンロック方向を向くときには、容易に蓋側係合突起152,152を非係合状態で本体側突起ガイド部133,133に(本体側係合空間CS1内に)収容させるとともに本体側係合突起151,151を非係合状態で蓋側突起ガイド部143,143に(蓋側係合空間CS2内に)収容させることができる。
さらに、接続部材150の他端面に形成された方向識別マーク153により、係合空間CS内における接続部材150の配設方向(ロック方向およびアンロック方向)の間違いを防止することができ、さらに、接続部材150を介してロック状態にある本体側係合部110および蓋側係合部120を認識することができる。
また、本体側係合部110が別体の本体側収容部111と本体側係合補助部材130とから構成され、蓋側係合部120が別体の蓋側収容部121と蓋側係合補助部材140とから構成されるため、本体側係合部110および蓋側係合部120(すなわち、ケース本体部材60およびケース蓋部材70)の複製がより難しくなり、不正行為の抑止が期待できる。
さらに、本体側収容部111および蓋側収容部121の材質が透明の樹脂材料であるのに対し、本体側係合補助部材130および蓋側係合補助部材140の材質は本体側収容部111および蓋側収容部121と異なる有色半透明の樹脂材料であるため、本体側収容部111(および蓋側収容部121)に正規の本体側係合補助部材130(および蓋側係合補助部材140)が固設されているか否か、すなわちケース本体部材60(およびケース蓋部材70)が複製品であるか否かを容易に判別することができる。
また、ケース本体部材60の内側ガードリブ64およびケース蓋部材70の外側ガードリブ78により、ケース蓋部材70の縁部(外側ガードリブ78)とケース本体部材60の縁部(縁部当接部65)との間に若干の隙間を生じさせて、この隙間から針金やセル板等の道具(図示せず)をケース内部に挿入しようとしても、これらの道具をケース蓋部材70の外側ガードリブ78とケース本体部材60の内側ガードリブ64との間に形成されたラビリンス形状の僅かな隙間に通過させなければならないため、針金やセル板等の道具がケース内部に不正に挿入されるのを防止することができる。
さらに、ケース蓋部材70に形成された基板当接部79が主制御基板51の縁部と当接して、主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面がケース蓋部材70に覆われる状態で主制御基板51がケース蓋部材70の内面側に取り付けられているため、ケース本体部材60とケース蓋部材70との隙間から針金やセル板等の道具がケース内部に挿入されても、これらの道具は主制御基板51におけるケース蓋部材70と対向する面に到達できないことから、主制御基板51に対する不正行為をより確実に防止することができる。
また、内部カバー80の周囲リブ83が主制御基板51の縁部と当接し、主制御基板51におけるケース本体部材60と対向する面が内部カバー80に覆われる状態となるため、ケース本体部材60とケース蓋部材70との隙間から針金やセル板などの道具がケース内部に挿入されても、これらの道具は主制御基板51における(ケース蓋部材70と対向する面に加えて)ケース本体部材60と対向する面に到達できないことから、主制御基板51に対する不正行為をより確実に防止することができる。
さらに、主基板ケース55(ケース本体部材60およびケース蓋部材70)の材料としてABS樹脂を使用することにより、連結部125に対する切断操作を行うと、ABS樹脂の成分であるブタジエンがゴム性を有して伸び、部材が割れずに白化しやすいため、その切断痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。また、主基板ケース55を無理にこじ開けようとしても、同様に部材が白化して(こじ開けた)痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。
なお、上述の実施形態において、ケース本体部材60の縁部内側に内側ガードリブ64が形成されるとともに、ケース蓋部材70の縁部外側に外側ガードリブ78が形成されて、外側ガードリブ78が内側ガードリブ64の外側に位置してケース本体部材60の縁部当接部65に当接するようになっているが、これに限られるものではなく、図22に示すように、ケース本体部材60の縁部外側に外側ガードリブ268が形成されるとともに、ケース蓋部材70の縁部内側に内側ガードリブ274が形成されて、外側ガードリブ268が内側ガードリブ274の外側に位置してケース蓋部材70の縁部当接部275に当接するようにしてもよい。
また、上述の実施形態において、主基板ケース55および不正開放防止機構100を備えた主基板アッセンブリ50がパチンコ機PMに設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、スロットマシンや雀球遊技機等の遊技機に設けられてもよい。
さらに、上述の実施形態において、接続部材150における長方形断面の短辺を形成して対向する2面に本体側係合突起151,151が形成されるとともに、接続部材150における長方形断面の長辺を形成して対向する2面に蓋側係合突起152,152が形成されているが、これに限られるものではなく、接続部材150における長方形断面の長辺を形成して対向する2面に本体側係合突起151,151が形成されるとともに、接続部材150における長方形断面の短辺を形成して対向する2面に蓋側係合突起152,152が形成されてもよい。なおこのとき、本体側凹部および蓋側凹部、そして本体側突起ガイド部および蓋側突起ガイド部の形成位置も逆になる。
また、上述の実施形態において、接続部材150が断面長方形の直方体状に成形されているが、これに限られるものではなく、例えば、断面正方形の直方体や立方体状に形成されてもよく、さらには円柱状に成形されてもよい。
さらに、上述の実施形態において、ケース本体部材60およびケース蓋部材70に本体側係合部110および蓋側係合部120(接続部材150等も含む)が四組設けられているが、これに限られるものではなく、一組だけ設けられてもよく、さらに四組以外の複数組設けられてもよい。また、上述の実施形態において、本体側係合部110と蓋側係合部120とが一度に一組だけ連結されているが、これに限られるものではなく、一度に複数組連結させてもよい。