JP4445791B2 - 圧力容器用ライナおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、たとえば自動車、住宅、輸送機械等において、発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵する圧力容器、あるいは酸素ガス供給システムにおいて酸素ガスを貯蔵する圧力容器に用いられる圧力容器用ライナおよびその製造方法に関する。
上述した圧力容器に入れられる高圧ガスの圧力は主として20〜35MPa程度であるが、将来的には70MPa程度になると考えられている。
従来、この種の圧力容器用ライナとして、アルミニウムからなるカップ状ブランクの胴部をフローフォーミングにより軸方向にしごき加工して、円筒状胴部の両端に鏡板部を一体に設け、少なくとも一方の鏡板部をクロージング成形により形成して、鏡板部を胴部よりも厚肉とし、その鏡板部の中心部に設けられた口栓部に口金取付用の穴を形成したものが知られている(たとえば特許文献1、請求項1参照)。
しかしながら、この圧力容器用ライナにおいては、加工が面倒であるとともに長尺、大型化することができないという問題がある。
また、押出成形されたアルミニウム製筒体の両端に鏡板が溶接により接合された圧力容器用ライナも知られている(たとえば特許文献1、段落0014参照)。ここで、押出成形されたアルミニウム製筒体としては、マンドレル押出管やポートホール押出管などが用いられる。
しかしながら、マンドレル押出管は偏肉が生じやすく、しかも大径および/または長尺のものを得ることができないため、やはり大型化することができないという問題がある。また、複雑な横断面形状のものを得ることができないという問題がある。一方、ポートホール押出管によればこのような問題を解決しうるが、次のような問題がある。すなわち、ポートホール押出管は、周知のごとく、ポートホールダイスのポート部においてビレットから流れてきた金属材料が一旦分離し、チャンバ部において分離した金属材料を再度溶着させることにより製造されるものであり、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されたものであるが、強度および伸びなどの機械的性質や耐食性が溶着部では管構成部分に比べて劣り、高圧圧力容器用のライナに用いた場合に、溶着部において応力集中によって破壊するおそれがある。
ところで、ポートホール押出管の溶着部を改質すれば、高圧圧力容器用ライナへの使用も可能になるのであると考えられる。ポートホール押出管の溶着部の耐食性を改善する方法としては、押出に用いられるビレットに種々の熱処理を施すことが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
しかしながら、溶着部の機械的性質を改善する方法については未だ知られておらず、ポートホール押出管を圧力容器用ライナの胴に適用することは見合わされているのが現状である。
特開平11−104762号公報(請求項1、段落0014) 特開平11−172387号公報(特許請求の範囲)
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、長尺、大型化が可能であり、しかも耐圧性に優れた圧力容器用ライナおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の態様からなる。
1)両端が開口した胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、胴が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されている圧力容器用ライナ。
2)両鏡板のうちいずれか一方に口金取付部が設けられている上記1)記載の圧力容器用ライナ。
3)両端が開口した胴と、胴の一端部に一体に形成されて胴の一端開口を閉鎖するとともに口金取付部を有する鏡板部と、胴の他端部に接合されかつ胴の他端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、 胴および鏡板部が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されている圧力容器用ライナ。
4)胴内に、胴の長さ方向にのびる補強用仕切が、胴内を複数の空間に仕切るように固定状に設けられている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
5)補強用仕切が、胴を構成するポートホール押出管の改質された少なくとも2つの溶着部において、胴に摩擦攪拌接合されている上記4)記載の圧力容器用ライナ。
6)補強用仕切が、胴を構成するポートホール押出管の管構成部分と一体に押出成形されている上記4)記載の圧力容器用ライナ。
7)補強用仕切における鏡板が接合される側の端部が胴よりも外方に突出しており、鏡板がこの突出部に嵌め被された状態で胴に接合されている上記4)〜6)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
8)鏡板が胴に摩擦攪拌接合されている上記1)〜7)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
9)両端が開口した胴と、胴の両端部に一体に形成されて胴の両端開口を閉鎖するとともに口金取付部を有する鏡板部とよりなり、胴および鏡板部が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されている圧力容器用ライナ。
10)ポートホール押出管の溶着部の改質処理が、摩擦攪拌接合用工具のプローブを用いて摩擦攪拌することにより行われている上記1)〜9)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
11)燃料水素ガス用圧力容器、燃料電池、および燃料水素ガス用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素ガス用圧力容器が上記1)〜10)のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナを有している燃料電池システム。
12)上記11)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
13)上記11)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
14)天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が上記1)〜10)のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナを有している天然ガス供給システム。
15)上記14)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
16)上記14)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
17)酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス用圧力容器が上記1)〜10)のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナを有している酸素ガス供給システム。
18)全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管を用意し、ポートホール押出管のすべての溶着部に、溶着部の両側の管構成部分に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを外側から埋入した後、ポートホール押出管とプローブとをポートホール押出管の長さ方向に相対的に移動させることにより、ポートホール押出管の母材となる金属を摩擦攪拌して結晶粒を微細化させる改質処理を施して両端が開口した胴を形成し、その後胴の両端部に鏡板を接合することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
19)両鏡板のうちいずれか一方に口金取付部を設けておく上記18)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
20)全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管を用意し、ポートホール押出管のすべての溶着部に、溶着部の両側の管構成部分に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを外側から埋入した後、ポートホール押出管とプローブとをポートホール押出管の長さ方向に相対的に移動させることにより、ポートホール押出管の母材となる金属を摩擦攪拌して結晶粒を微細化させる改質処理を施して両端が開口した胴を形成し、その後胴の一端部に口金取付部を有する鏡板部を一体に形成し、さらに胴の他端部に鏡板を接合することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
21)全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管を用意し、ポートホール押出管のすべての溶着部に、溶着部の両側の管構成部分に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを外側から埋入した後、ポートホール押出管とプローブとをポートホール押出管の長さ方向に相対的に移動させることにより、ポートホール押出管の母材となる金属を摩擦攪拌して結晶粒を微細化させる改質処理を施して両端が開口した胴を形成し、その後胴の両端部にそれぞれ口金取付部を有する鏡板部を一体に形成することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
22)ポートホール押出管に埋入したプローブの先端と、ポートホール押出管の内周面との距離を、0.1mm以上でかつ管壁の肉厚の1/2以下とする上記18)〜21)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
23)押出機から出てきた押出直後のポートホール押出管の溶着部において、母材となる金属を摩擦攪拌する上記18)〜22)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
24)ポートホール押出管内に、その内部を複数の空間に仕切るように、ポートホール押出管の長さ方向にのびる補強用仕切を入れ、ポートホール押出管の少なくとも2つの溶着部において母材となる金属を摩擦攪拌する際に、プローブ先端部を補強用仕切まで埋入し、補強用仕切をポートホール押出管に摩擦攪拌接合して、胴を形成すると同時に補強用仕切を胴に固定状に設ける上記18)〜20)、22)および23)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
25)補強用仕切における鏡板が接合される側の端部を胴よりも外方に突出させておき、鏡板をこの突出部に嵌め被せた状態で胴に接合する上記24)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
26)補強用仕切の長さを胴の長さと等しくするとともに、胴における鏡板が接合される側の端部を切除して補強用仕切を胴よりも外方に突出させておき、鏡板をこの突出部に嵌め被せた状態で胴に接合する上記24)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
27)ポートホール押出管の少なくとも2つの管構成部分に跨ってポートホール押出管の長さ方向にのびる補強用仕切を一体に押出成形しておく上記18)〜20)、22)および23)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
28)胴における鏡板が接合される側の端部を切除して補強用仕切を胴よりも外方に突出させておき、鏡板をこの突出部に嵌め被せた状態で胴に接合する上記27)記載の圧力容器用ライナの製造方法。
29)胴における鏡板を接合すべき端部に鏡板を突き合わせ、ついで胴と鏡板との突き合わせ部に、両者に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、胴および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記突き合わせ部の全周にわたって移動させて胴と鏡板とを摩擦攪拌接合する上記18)〜20)および22)〜28)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
上記1)〜3)、9)および10)の圧力容器用ライナによれば、胴が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されているので、溶着部の強度および伸びなどの機械的性質や耐食性が改善される。したがって、胴の耐圧性が優れたものになり、溶着部での破壊が防止される。また、胴がポートホール押出管よりなるので、偏肉が生じることはなく、しかも長尺、大型化することができる。さらに、複雑な横断面形状のものを得ることができる。
上記4)〜6)の圧力容器用ライナによれば、胴の耐圧性が一層優れたものになる。
上記7)および8)の圧力容器用ライナによれば、胴および鏡板が補強用仕切により内側から支えられるので、接合時の作業性が向上し、しかも摩擦攪拌接合による接合時には、胴および鏡板の内側への変形が防止される。
上記18)〜21)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、上記1)〜3)および9)の圧力容器用ライナを比較的簡単に製造することができる。
上記22)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、製造された圧力容器用ライナの耐圧性が確実に向上する。
上記23)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、冷間加工温度まで温度が低下したポートホール押出管を用いる場合に比べて製造速度が速くなり、生産効率が向上する。冷間加工温度まで温度が低下したポートホール押出管を用いて上記18)〜21)の方法で圧力容器用ライナを製造する場合、プローブの回転により発生する摩擦熱によって、溶着部およびその近傍においてポートホール押出管を軟化させるまでに時間がかかるからである。また、上記23)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、圧力容器用ライナの製造後の溶体化処理を均一に施すことが可能になり、機械的性質が安定する。冷間加工温度まで温度が低下したポートホール押出管を用いて上記18)〜21)の方法で圧力容器用ライナを製造する場合、ポートホール押出管の温度が溶着部およびその近傍において局部的に上昇し、圧力容器用ライナの製造後の溶体化処理が不均一になるおそれがある。さらに、上記23)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、ポートホール押出管の押出成形の初期段階において管構成部分どうしの間に溶着不良が発生していたとしても、この溶着不良を解消することができる。
上記24)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、上記5)の圧力容器用ライナを比較的簡単に製造することができる。
上記25)および26)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、胴および鏡板が補強用仕切により内側から支えられるので、接合時の作業性が向上するとともに、たとえば摩擦攪拌接合による接合時には、胴および鏡板の内側への変形が防止される。
上記27)および28)の圧力容器用ライナの製造方法によれば、上記6)および7)の圧力容器用ライナを比較的簡単に製造することができる。
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
以下の説明において、「アルミニウム」という用語には純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
実施形態1
この実施形態は図1〜図5に示すものである。
図1はこの実施形態の圧力容器用ライナを示し、図2は圧力容器用ライナを利用した高圧水素ガス用圧力容器を示す。また、図3〜図5は圧力容器用ライナの製造方法を示す。
図1において、圧力容器用ライナ(1)は、両端が開口したポートホール押出管製円筒状胴(2)と、胴(2)の両端部に接合されかつ胴(2)の両端開口を閉鎖するアルミニウム製鏡板(3)(4)とよりなる。
胴(2)は、全長にわたる複数、ここでは4つの溶着部(5a)により複数、ここでは4つの管構成部分(5b)が互いに溶着されている横断面円形のポートホール押出管(5)よりなり、すべての溶着部(5a)においてポートホール押出管(5)の母材となる金属に改質処理が施され、溶着部(5a)を含んだ所定幅の帯状部分の結晶粒が微細化されているものである。改質部を(6)で示す。ポートホール押出管(5)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。改質処理は、摩擦攪拌接合用工具のプローブを用いて摩擦攪拌することにより行われている。
なお、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)の横断面形状は円形に限定されず、楕円形(数学的に定義される楕円形に限らず、楕円形に近い形状、たとえば長円形も含む)やその他の異形であってもよい。
両鏡板(3)(4)は、それぞれ切削加工または鍛造により形成されたものであり、一方の鏡板(3)には口金取付部(3a)が一体に形成されている。両鏡板(3)(4)は、それぞれたとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成形成されている。
ここで、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)と両鏡板(3)(4)は、すべてのものが同じ材料で形成されていてもよいし、あるいはこれら3つのうち少なくとも2つのものが異なる材料で形成されていてもよい。
胴(2)と両鏡板(3)(4)とは、適当な方法により金属的に接合されている。ここでは、胴(2)と鏡板(3)とは、両者の突き合わせ部において、全周にわたって摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(7)で示す。
図2に示すように、圧力容器用ライナ(1)は、口金取付部(3a)を除いて、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(8)で覆われ、圧力容器(9)として用いられる。
以下、図3〜図5を参照して、圧力容器用ライナ(1)の製造方法について説明する。
まず、胴(2)を次に述べる方法でつくる。すなわち、図3に示すように、ポートホール押出機(10)により、全長にわたる複数の溶着部(5a)により複数の管構成部分(5b)が互いに溶着されているポートホール押出管(5)を押出成形する。また、押出機(10)の出口の外側に、ポートホール押出管(5)の溶着部(5a)と同数の摩擦攪拌接合用工具(11)を、溶着部(5a)と対応する位置に来るように配置しておく。摩擦攪拌接合用工具(11)は、先端部にテーパ部を介して小径部(12a)が同軸上に一体に形成された円柱状回転子(12)と、回転子(12)の小径部(12a)の端面に小径部(12a)と同軸上に一体に形成されかつ小径部(12a)よりも小径であるピン状プローブ(13)とを備えている(図4参照)。回転子(12)およびプローブ(13)は、円筒状胴(2)および鏡板(3)(4)よりも硬質でかつ接合時に発生する摩擦熱に耐えうる耐熱性を有する材料で形成されている。
そして、ポートホール押出管(5)の押出成形を一旦停止し、摩擦攪拌接合用工具(11)の回転子(12)を回転させながら、押出機(10)から出てきた押出直後のポートホール押出管(5)の溶着部(5a)の端部に、溶着部(5a)の両側の管構成部分(5b)に跨るようにプローブ(13)を外側から埋入するとともに、工具(11)における小径部(12a)とプローブ(13)との間の肩部を、ポートホール押出管(5)の外周面に押し付ける(図4参照)。このとき、埋入したプローブ(13)の先端とポートホール押出管(5)の内周面との距離を、0.1mm以上でかつ管壁の肉厚の1/2以下とすることが好ましい。この距離が0.1mm未満であると、後述するプローブ(13)による攪拌混合の際にポートホール押出管(5)の内周面に長さ方向に伸びるV溝が形成され、十分な耐圧性が得られなくなるおそれがある。また、管壁の肉厚の1/2を越えると、管壁の肉厚全体のうち改質される部分の厚さが薄くなり、溶着部(2a)の強度および伸びなどの機械的性質の改善が不十分で、やはり十分な耐圧性が得られなくなるおそれがある。なお、押出機(10)から出てきた押出直後のポートホール押出管(5)の温度は熱間加工温度のままである。また、上記肩部の押し付けにより、後述する攪拌開始時および攪拌途中に生じることのある軟化部の肉の飛散を防止して良好な攪拌状態を得ることができるとともに、ポートホール押出管(5)と上記肩部との摺動によって摩擦熱をさらに発生させてプローブ(13)とポートホール押出管(5)との接触部およびその近傍の軟化を促進することができ、しかもポートホール押出管(5)の外周面へのバリ等の凹凸の発生を防止することができる。
ついで、ポートホール押出管(5)の押出成形を再開することにより、ポートホール押出管(5)と摩擦攪拌接合用工具(11)とを相対的に移動させることによって、プローブ(13)を溶着部(5a)に沿ってポートホール押出管(5)の長さ方向に移動させる。すると、プローブ(13)の回転により発生する摩擦熱と、ポートホール押出管(5)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、溶着部(5a)およびその近傍(図4に鎖線Aで示す範囲)においてポートホール押出管(5)の母材となる金属は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(13)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(13)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(13)の移動に伴って繰り返されることにより、溶着部(5a)およびその近傍の母材となる金属が摩擦攪拌混合され、改質されて結晶粒が微細化する。その後、ポートホール押出管(5)を所定の長さに切断することによって、胴(2)をつくる。
なお、上述した胴(2)の作製は、ポートホール押出管(5)を連続的に押出成形するに当たって、これを所定長さ毎に切断することにより行われるが、最初に製造された胴(2)のプローブ(13)埋入位置には穴が形成されるので、この穴が存在する部分を切除する。
一方、口金取付部(3a)を有する鏡板(3)と、口金取付部を有さない鏡板(4)を、鍛造または切削加工によって形成する。
ついで、図5に示すように、胴(2)の一端面に一方の鏡板(3)の端面を突き合わせる。胴(2)の端面および鏡板(3)の端面はいずれも平坦面であり、突き合わせ部において、両端面が面接触するように突き合わされる。また、胴(2)および鏡板(3)の突き合わせ部の肉厚は等しくなっている。ついで、摩擦攪拌接合用工具(11)の回転子(12)を回転させながら、胴(2)と鏡板(3)との突き合わせ部における周方向の1個所にプローブ(13)を埋入する。このとき、工具(11)における小径部(12a)とプローブ(13)との間の肩部を、胴(2)および鏡板(3)に押し付ける。この押し付けにより、接合開始時および接合途中に生じることのある軟化部の肉の飛散を防止して良好な接合状態を得ることができるとともに、胴(2)および鏡板(3)と上記肩部との摺動によって摩擦熱をさらに発生させてプローブ(13)と胴(2)および鏡板(3)との接触部およびその近傍の軟化を促進することができ、しかも接合部の表面へのバリ等の凹凸の発生を防止することができる。
ついで、胴(2)および鏡板(3)と摩擦攪拌接合用工具(11)とを相対的に移動させることによって、プローブ(13)を上記突き合わせ部の周方向に移動させる。すると、プローブ(13)の回転により発生する摩擦熱と、胴(2)および鏡板(3)と上記肩部との摺動により発生する摩擦熱とによって、上記突き合わせ部の近傍において胴(2)および鏡板(3)の母材となる金属は軟化するとともに、この軟化部がプローブ(13)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(13)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(13)の移動に伴って繰り返されることにより、胴(2)と鏡板(3)とが接合されていく。そして、プローブ(13)が上記突き合わせ部の全周にわたって移動して埋入位置に戻ったときに胴(2)と鏡板(3)とが全周にわたって接合される。このとき、ビード(7)が形成される。
ついで、プローブ(13)が埋入位置に戻った後、あるいは埋入位置を通過した後に、胴(2)および鏡板(3)の突き合わせ部に配置した当て部材までプローブ(13)を移動させ、ここでプローブ(13)を引き抜く。また、他方の鏡板(4)も、上記と同様にして胴(2)に接合する。こうして、圧力容器用ライナ(1)が製造される。
圧力容器用ライナ(1)を用いての圧力容器(9)の製造は、口金取付部(3a)を除いて、圧力容器用ライナ(1)の周囲の全体を繊維強化樹脂層(8)で覆うことによって行われる。
実施形態1においては、胴(2)を形成するにあたり、押出機(10)から出てきた押出直後でかつ熱間加工温度にあるポートホール押出管(5)に、摩擦攪拌接合用工具(11)のプローブ(13)を用いて、溶着部(5a)の改質処理を施しているが、これに限定されるものではなく、押出成形されかつ冷却された後のポートホール押出管(5)の溶着部(5a)に改質処理を施してもよい。
実施形態2
この実施形態は図6〜図9に示すものである。
この実施形態の圧力容器用ライナ(20)の場合、図6に示すように、胴(2)内に、胴(2)の長さ方向に伸びる補強用仕切(21)が、胴(2)内を複数の空間に仕切るように固定状に設けられている。補強用仕切(21)は、ポートホール押出管(5)の中心線上から放射状に伸びる溶着部(5a)と同数、ここでは4つの仕切壁(21a)が一体に設けられたものであり、その横断面形状はここでは十字状である。補強用仕切(21)の仕切壁(21a)の先端部は、溶着部(5a)において、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)に摩擦攪拌接合されている。補強用仕切(21)は、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成形成されている。
ここで、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)と両鏡板(3)(4)と補強用仕切(21)は、すべてのものが同じ材料で形成されていてもよいし、あるいはこれら4つのうち少なくとも2つのものが異なる材料で形成されていてもよい。
補強用仕切(21)の長さは胴(2)の長さよりも長く、補強用仕切(21)の両端部は胴(2)の両端よりも外方に突出している。そして、両鏡板(3)(4)は補強用仕切(21)の両端突出部に嵌め被せられた状態で胴(2)に接合されている。
また、図6においては、補強用仕切(21)の仕切壁(21a)の数はポートホール押出管(5)の溶着部(5a)と同数であり、すべての溶着部(5a)において仕切壁(21a)がポートホール押出管(5)に接合されているが、これに限るものではなく、胴(2)内を複数の空間に仕切ることができるのであれば、仕切壁(21a)の数は溶着部(5a)の数よりも少なくてもよい。この場合、すべての溶着部(5a)のうちの仕切壁(21a)と対応する位置の溶着部(5a)において、仕切壁(21a)がポートホール押出管(5)に接合される。
以下、圧力容器用ライナ(20)の製造方法を、図7〜図9を参照して説明する。
まず、全長にわたる複数の溶着部(5a)により複数の管構成部分(5b)が互いに溶着されているポートホール押出管(5)を押出成形し、所定の長さに切断する。また、補強用仕切(21)を押出成形し、ポートホール押出管(5)よりも長い所定の長さに切断する。
ついで、切断されたポートホール押出管(5)内に、切断された補強用仕切(21)を、各仕切壁(21a)の先端がポートホール押出管(5)の溶着部(5a)に合致した位置に来るとともに、補強用仕切(21)の両端部がポートホール押出管(5)の両端よりも外方に突出するように挿入する(図7参照)。このとき、仕切壁(21a)の先端をポートホール押出管(5)の内周面に密接させる。
ついで、摩擦攪拌接合用工具(11)の回転子(12)を回転させながら、ポートホール押出管(5)の各溶着部(5a)の端部に、溶着部(5a)の両側の管構成部分(5b)に跨るようにプローブ(13)を外側から埋入するとともに、工具(11)における小径部(12a)とプローブ(13)との間の肩部を、ポートホール押出管(5)の外周面に押し付ける。このとき、プローブ(13)を、その先端部が補強用仕切(21)の仕切壁(21a)まで埋入させる(図8参照)。なお、上記肩部をポートホール押出管(5)の外周面に押し付けることによる作用は、実施形態1で述べた通りである。
ついで、ポートホール押出管(5)と摩擦攪拌接合用工具(11)とを相対的に移動させることによって、プローブ(13)を溶着部(5a)に沿ってポートホール押出管(5)の長さ方向に移動させる。すると、実施形態1の場合と同様に、ポートホール押出管(5)の溶着部(5a)およびその近傍(図8に鎖線Bで示す範囲)においてポートホール押出管(5)の母材となる金属が摩擦攪拌混合され、改質されて結晶粒が微細化する。これと同時に、プローブ(13)の回転により発生する摩擦熱によって、仕切壁(21a)の先端部(図8に鎖線Bで示す範囲)において母材となる金属が軟化するとともに、この軟化部がプローブ(13)の回転力を受けて攪拌混合され、さらにこの軟化部がプローブ(13)通過溝を埋めるように塑性流動した後、摩擦熱を急速に失って冷却固化するという現象が、プローブ(13)の移動に伴って繰り返されることにより、ポートホール押出管(5)と仕切壁(21a)とが接合される。こうして、胴(2)が製造される。
一方、口金取付部(3a)を有する鏡板(3)と、口金取付部を有さない鏡板(4)を、鍛造または切削加工によって形成する。
ついで、両鏡板(3)(4)を、補強用仕切(21)の両端突出部に嵌め被せて(図9参照)、胴(2)の端面に両鏡板(3)(4)の端面を突き合わせる。その後、実施形態1と同様な方法により、胴(2)と両鏡板(3)(4)とを摩擦攪拌接合する。この摩擦攪拌接合時に、胴(2)および両鏡板(3)(4)が補強用仕切(21)により内側から支えられるので、胴(2)および両鏡板(3)(4)の内側への変形が防止される。
なお、この実施形態において、胴(2)および補強用仕切(21)は次のようにして製造してもよい。すなわち、ポートホール押出管(5)内に挿入する補強用仕切(21)の長さをポートホール押出管(5)と等しくしておき、上記と同様にしてポートホール押出管(5)の溶着部(5a)の改質およびポートホール押出管(5)と補強用仕切(21)との接合を同時に行った後、ポートホール押出管(5)の両端部を所定長さにわたって切除することにより、胴(2)および補強用仕切(21)を製造してもよい。
実施形態3
この実施形態は図10〜図12に示すものである。
この実施形態の圧力容器用ライナ(30)の場合、図10に示すように、胴(2)内に、胴(2)の長さ方向に伸びる補強用仕切(31)が、胴(2)内を複数の空間に仕切るように一体に設けられている。補強用仕切(31)は横断面十字状であって、ポートホール押出管(5)の各管構成部分(5b)に一体に設けられかつポートホール押出管(5)の中心線側に伸びた複数の仕切壁(31a)が、当該中心線上で一体化されている。すなわち、補強用仕切(31)はポートホール押出管(5)と一体に押出成形されたものであり、各仕切壁(31a)は管構成部分(5b)と一体で、ポートホール押出管(5)の中心線上において溶着されている。この溶着部を(32)で示す。
補強用仕切(31)の長さは胴(2)の長さよりも長く、補強用仕切(31)の両端部は胴(2)の両端よりも外方に突出している。そして、両鏡板(3)(4)は補強用仕切(31)の両端突出部に嵌め被せられた状態で胴(2)に接合されている。
また、図10においては、仕切壁(31a)はすべての管構成部分(5b)に設けられているが、これに限るものではなく、2以上の管構成部分(5b)に設けられていればよい。
圧力容器用ライナ(30)は、次の方法で製造される。
すなわち、ポートホール押出機(10)により、全長にわたる複数の溶着部(5a)により複数の管構成部分(5b)が互いに溶着されているとともに、補強用仕切(31)が一体化されたポートホール押出管(5)を押出成形し、上記実施形態1の場合と同様にして溶着部(5a)においてポートホール押出管(5)に改質処理を施す(図11参照)。ついで、ポートホール押出管(5)の周壁部分の両端部を所定長さにわたって切除し、補強用仕切(31)の両端部を外方に突出させて胴(2)を製造する。その後、実施形態2の場合と同様な方法で、胴(2)の両端部に両鏡板(3)(4)を摩擦攪拌接合により接合する(図12参照)。こうして、圧力容器用ライナ(30)が製造される。
実施形態4
この実施形態は図13および図14に示すものである。
この実施形態の圧力容器用ライナ(40)の場合、図13に示すように、胴(2)の一端部に口金取付部(41a)を有する鏡板部(41)が一体に形成され、この鏡板部(41)によって胴(2)の一方の開口が閉鎖されている。鏡板部(41)内には補強用仕切(21)は入り込んでいない。その他の構成は実施形態2の圧力容器用ライナ(1)と同様である。
圧力容器用ライナ(40)は、次の方法で製造される。
すなわち、補強用仕切(21)の一端部がポートホール押出管(5)の一端よりも内側に入り込んでいることを除いては、実施形態2の場合と同じ方法で胴(2)を作製した後(図14参照)、胴(2)の一端突出部にスピニング加工、鍛造、プレス加工などを施して口金取付部(41a)を有する鏡板部(41)を形成する。その後、実施形態2の場合と同じ方法により、胴(2)の他端部に鏡板(4)を接合する。こうして、圧力容器用ライナ(40)が製造される。
この方法において、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)の溶着部(5a)は改質されて母材となる金属の結晶粒が微細化され、その結果溶着部(5a)の伸びおよび強度などの機械的性質が改善されているので、スピニング加工、鍛造、プレス加工などの際に溶着部(5a)において割れが発生することはない。ポートホール押出管(5)の溶着部(5a)が改質されていないと、スピニング加工、鍛造、プレス加工などの際に溶着部(5a)において割れが発生するおそれがある。
実施形態5
この実施形態は図15および図16に示すものである。
この実施形態の圧力容器用ライナ(50)の場合、図15に示すように、胴(2)の両端部にそれぞれ口金取付部(51a)を有する鏡板部(51)が一体に形成され、この鏡板部(51)によって胴(2)の両方の開口が閉鎖されている。その他の構成は実施形態1の圧力容器用ライナ(1)と同様である。
圧力容器用ライナ(50)は、次の方法で製造される。
すなわち、実施形態1の場合と同じ方法で胴(2)を形成した後(図16参照)、胴(2)の両端部にそれぞれスピニング加工、鍛造、プレス加工などを施して口金取付部(51a)を有する鏡板部(51)を形成する。こうして、圧力容器用ライナ(50)が製造される。
この方法において、胴(2)のスピニング加工の際に、実施形態4の場合と同様に、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)の溶着部(5a)において割れが発生することはない。
上記実施形態2〜5においても、胴(2)を構成するポートホール押出管(5)の横断面形状は円形に限定されず、楕円形(数学的に定義される楕円形に限らず、楕円形に近い形状、たとえば長円形も含む)やその他の異形であってもよい。
上記実施形態2〜5における圧力容器用ライナ(20)(30)(40)(50)は、実施形態1の場合と同様に、口金取付部(3a)(41a)(51a)を除いて、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層で覆われ、圧力容器として用いられる。
上記すべての実施形態の圧力容器用ライナ(1)(20)(30)(40)(50)を有する圧力容器は、燃料水素ガス用圧力容器、燃料電池、および燃料水素圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素ガス用圧力容器として用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
また、圧力容器は、天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガス用圧力容器として用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
さらに、圧力容器は、酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素圧力容器として用いられる。
この発明の実施形態1の圧力容器用ライナを示す斜視図である。 実施形態1の圧力容器用ライナを用いた圧力容器の縦断面図である。 実施形態1の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す斜視図である。 実施形態1の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す部分拡大断面図である。 実施形態1の胴に鏡板を接合する方法を示す斜視図である。 この発明の実施形態2の圧力容器用ライナを示す一部切り欠き斜視図である。 実施形態2の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す斜視図である。 実施形態2の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す部分拡大断面図である。 実施形態2の胴に鏡板を接合する方法を示す斜視図である。 この発明の実施形態3の圧力容器用ライナを示す一部切り欠き斜視図である。 実施形態3の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す斜視図である。 実施形態3の胴に鏡板を接合する方法を示す斜視図である。 この発明の実施形態4の圧力容器用ライナを示す斜視図である。 実施形態4の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す斜視図である。 この発明の実施形態5の圧力容器用ライナを示す斜視図である。 実施形態5の圧力容器用ライナの胴をつくる方法を示す斜視図である。
符号の説明
(1)(20)(30)(40)(50):圧力容器用ライナ
(2):胴
(3)(4):鏡板
(3a):口金取付部
(5):ポートホール押出管
(5a):溶着部
(5b):管構成部分
(6):改質部
(11):摩擦攪拌接合用工具
(13):プローブ
(21)(31):補強用仕切
(41)(51):鏡板部
(41a)(51a):口金取付部

Claims (29)

  1. 両端が開口した胴と、胴の両端部に接合されかつ胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、
    胴が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されている圧力容器用ライナ。
  2. 両鏡板のうちいずれか一方に口金取付部が設けられている請求項1記載の圧力容器用ライナ。
  3. 両端が開口した胴と、胴の一端部に一体に形成されて胴の一端開口を閉鎖するとともに口金取付部を有する鏡板部と、胴の他端部に接合されかつ胴の他端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、
    胴および鏡板部が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されている圧力容器用ライナ。
  4. 胴内に、胴の長さ方向にのびる補強用仕切が、胴内を複数の空間に仕切るように固定状に設けられている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
  5. 補強用仕切が、胴を構成するポートホール押出管の改質された少なくとも2つの溶着部において、胴に摩擦攪拌接合されている請求項4記載の圧力容器用ライナ。
  6. 補強用仕切が、胴を構成するポートホール押出管の管構成部分と一体に押出成形されている請求項4記載の圧力容器用ライナ。
  7. 補強用仕切における鏡板が接合される側の端部が胴よりも外方に突出しており、鏡板がこの突出部に嵌め被された状態で胴に接合されている請求項4〜6のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
  8. 鏡板が胴に摩擦攪拌接合されている請求項1〜7のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
  9. 両端が開口した胴と、胴の両端部に一体に形成されて胴の両端開口を閉鎖するとともに口金取付部を有する鏡板部とよりなり、
    胴および鏡板部が、全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管よりなり、すべての溶着部においてポートホール押出管の母材となる金属に改質処理が施されることにより、結晶粒が微細化されている圧力容器用ライナ。
  10. ポートホール押出管の溶着部の改質処理が、摩擦攪拌接合用工具のプローブを用いて摩擦攪拌することにより行われている請求項1〜9のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
  11. 燃料水素ガス用圧力容器、燃料電池、および燃料水素ガス用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素ガス用圧力容器が請求項1〜10のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナを有している燃料電池システム。
  12. 請求項11記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
  13. 請求項11記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
  14. 天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が請求項1〜10のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナを有している天然ガス供給システム。
  15. 請求項14記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
  16. 請求項14記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
  17. 酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素ガス用圧力容器が請求項1〜10のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナを有している酸素ガス供給システム。
  18. 全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管を用意し、ポートホール押出管のすべての溶着部に、溶着部の両側の管構成部分に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを外側から埋入した後、ポートホール押出管とプローブとをポートホール押出管の長さ方向に相対的に移動させることにより、ポートホール押出管の母材となる金属を摩擦攪拌して結晶粒を微細化させる改質処理を施して両端が開口した胴を形成し、その後胴の両端部に鏡板を接合することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
  19. 両鏡板のうちいずれか一方に口金取付部を設けておく請求項18記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  20. 全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管を用意し、ポートホール押出管のすべての溶着部に、溶着部の両側の管構成部分に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを外側から埋入した後、ポートホール押出管とプローブとをポートホール押出管の長さ方向に相対的に移動させることにより、ポートホール押出管の母材となる金属を摩擦攪拌して結晶粒を微細化させる改質処理を施して両端が開口した胴を形成し、その後胴の一端部に口金取付部を有する鏡板部を一体に形成し、さらに胴の他端部に鏡板を接合することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
  21. 全長にわたる複数の溶着部により複数の管構成部分が互いに溶着されているポートホール押出管を用意し、ポートホール押出管のすべての溶着部に、溶着部の両側の管構成部分に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを外側から埋入した後、ポートホール押出管とプローブとをポートホール押出管の長さ方向に相対的に移動させることにより、ポートホール押出管の母材となる金属を摩擦攪拌して結晶粒を微細化させる改質処理を施して両端が開口した胴を形成し、その後胴の両端部にそれぞれ口金取付部を有する鏡板部を一体に形成することを特徴とする圧力容器用ライナの製造方法。
  22. ポートホール押出管に埋入したプローブの先端と、ポートホール押出管の内周面との距離を、0.1mm以上でかつ管壁の肉厚の1/2以下とする請求項18〜21のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  23. 押出機から出てきた押出直後のポートホール押出管の溶着部において、母材となる金属を摩擦攪拌する請求項18〜22のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  24. ポートホール押出管内に、その内部を複数の空間に仕切るように、ポートホール押出管の長さ方向にのびる補強用仕切を入れ、ポートホール押出管の少なくとも2つの溶着部において母材となる金属を摩擦攪拌する際に、プローブ先端部を補強用仕切まで埋入し、補強用仕切をポートホール押出管に摩擦攪拌接合して、胴を形成すると同時に補強用仕切を胴に固定状に設ける請求項18〜20、22および23のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  25. 補強用仕切における鏡板が接合される側の端部を胴よりも外方に突出させておき、鏡板をこの突出部に嵌め被せた状態で胴に接合する請求項24記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  26. 補強用仕切の長さを胴の長さと等しくするとともに、胴における鏡板が接合される側の端部を切除して補強用仕切を胴よりも外方に突出させておき、鏡板をこの突出部に嵌め被せた状態で胴に接合する請求項24記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  27. ポートホール押出管の少なくとも2つの管構成部分に跨ってポートホール押出管の長さ方向にのびる補強用仕切を一体に押出成形しておく請求項18〜20、22および23のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  28. 胴における鏡板が接合される側の端部を切除して補強用仕切を胴よりも外方に突出させておき、鏡板をこの突出部に嵌め被せた状態で胴に接合する請求項27記載の圧力容器用ライナの製造方法。
  29. 胴における鏡板を接合すべき端部に鏡板を突き合わせ、ついで胴と鏡板との突き合わせ部に、両者に跨るように摩擦攪拌接合用工具のプローブを埋入した後、胴および鏡板とプローブとを相対的に移動させることによって、プローブを上記突き合わせ部の全周にわたって移動させて胴と鏡板とを摩擦攪拌接合する請求項18〜20および22〜28のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナの製造方法。
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