JP4444889B2 - 衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ - Google Patents

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Description

本発明は、衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ(Microstrip Patch Antenna for Receiving Satellite Broadcasting)に係り、さらに詳しくは信号の減衰を効率的に減らし得る衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナに関する。
一般的に衛星信号の受信の為にはパラボリック状のアンテナが用いられてきた。パラボリックアンテナは利得及び効率面では優れているものの、大きさやその他の構造的な問題があって、車両や船舶のような移動体には搭載し難い問題点がある。
車両のような移動体で衛星放送信号を受信する為には、多層構造からなるスロットアンテナが用いられることもあった。このようなスロットアンテナは比較的小型で広帯域の衛星放送信号を効率的に受信する長点はあったものの、製作費用が嵩む等の問題点があった。
移動体でも衛星放送信号を受信することができ、比較的少ない費用で製作できるマイクロストリップパッチアンテナが提案されたこともあった。このようなマイクロストリップパッチアンテナは誘電体基板と接地板からなり、誘電体基板と接地板間にスチロフォームのような誘電体物質を挿入して、接地板と誘電体基板に形成されたパッチ間に電磁気的結合が可能に動作する。
このようなマイクロストリップパッチアンテナは多層構造のスロットアンテナに比べて費用の面で有利であり、移動体にも容易に搭載できる長点はあるものの、下記のような問題点があった。
第一、誘電体基板と接地板間にスチロフォームのような誘電体物質が挿入されるものの、スチロフォームが接地板及び誘電体基板と完全に密着されず、空隙が発生し、空隙によりRF信号の減衰が発生する問題点があった。
第二、上記のような空隙の発生を防止するように、スチロフォーム誘電体基板と接地板間に密着せしめる為に多くの費用が所要される問題点がある。
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決する為になされたものであり、移動体に設置され衛星放送信号を受信することができ、信号の減衰を最小化できる衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は別途の誘電体を誘電体基板と接地板間に挿入しない形態の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナを提供することにある。
前記のような目的を達成する為に、本発明の好ましい一例によれば、衛星放送信号に対して円形偏波信号及び線形偏波信号の全てを予め設定された利得以上に受信する為の複数の偏波部が上部面に形成され、前記受信された信号に対して予め設定された周波数帯域の信号を抽出して伝達する複数のRF放射パッチ部が下部面の前記偏波部に対向する位置に形成される誘電体基板及び複数の突出部が形成されていて、前記突出部が前記誘電体基板の下部面に結合して一定間隔をおいて前記誘電体基板に結合され、伝導性物質からなる接地板を含み、前記偏波部は予め設定された角度で傾いており、中央部の金属線が長くその両側の金属線が短く互いに平行に配置された3つの金属線で構成された複数の偏波器からなるとともにエッチング工程により形成されている衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナが提供される。
前記金属線の傾き角度は44度乃至45度が好ましく、前記RF放射パッチ部は複数の放射パッチ及び給電線路を含み、それぞれの放射パッチに結合された給電線路等の信号はLNBに伝達できる。
前記複数のRF放射パッチは、横間隔が22mmとされ、縦間隔が22.5mmとされていて、所定の帯域の衛星放送信号のみを受信することができる。
前記接地板に形成される突出部はプレス工法により形成することができ、前記誘電体基板はポリテトラフルオロエチレン基板であることもあり得る。
前記突出部の高さは1mmであることが好ましく、前記突出部に相応して接地板の下面には複数の溝が設けられる。
以上説明した通り、本発明による衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナによれば、従来の移動体に設置され衛星放送信号を受信するマイクロストリップパッチアンテナに比べて、信号の減衰を最小化できる長点がある。
さらに、本発明によれば、別途の誘電体を誘電体基板と接地板間に挿入する必要がなく、従来の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナに比べて製作費用を節減できる利点がある。
以下、図面を参照して本発明による衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナの好ましい実施形態を詳しく説明する。
図1は本発明の好ましい一実施形態の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナの斜視図であり、図2は本発明の好ましい一実施形態の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナの断面図である。
図1及び図2を参照すれば、本発明の好ましい一実施形態の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナは偏波部100、RFパッチ部110及び接地部120を含む。
偏波部100 はアンテナに伝達されるRF信号の内、望む偏波の信号のみを受信する機能をする。本発明によるアンテナは衛星放送信号を受信する為のものであり、衛星放送信号は円形偏波信号と直線偏波信号(線形偏波信号)を全て含んでいる。
具体的に、衛星放送信号の場合、11.7GHZ乃至12.2GHZ帯域の信号は放送システム関連信号にして、円形偏波を有する信号であり、12.2GHZ乃至12.7GHZ帯域の信号はコミュニケーション(Communication)システム関連信号にして線形偏波を有する信号である。本発明で偏波部100 は円形偏波信号と直線偏波信号を全て含む衛星放送信号を予め設定された利得以上に受信するようにする。
通常的にアンテナは偏波の種類によって別々に具現される。つまり、線形偏波信号を受信する為のアンテナと円形偏波信号を受信する為のアンテナは別々に具備されるのが一般的である。従って、線形偏波に合うように具現されたアンテナは円形偏波信号を受信する場合、極めて低い利得で受信するしかない。しかしながら、本発明の偏波部100 は衛星放送信号に含まれた円形偏波信号と直線偏波信号全てを予め設定された利得以上に受信するように機能する。円形偏波信号と直線偏波信号全てを予め設定された利得以上に受信する為の具体的な構造は別途の図面を通じて後述する。
RF放射パッチ部110は偏波部100 を通じて受信されたRF信号の内、望む帯域の信号を受信してこれを電流信号に変換し、LNB(Low Noise Blockdown Converter,未図示)に伝達する機能をする。LNBはRF放射パッチ部110が受信した高周波帯域の信号を中間周波数帯域の信号に変換し、変換された信号を増幅して受信機に伝達する機能をする。RF放射パッチ部110はパッチと給電線路とで構成され、これに対する詳細な説明は別途の図面を通じて後述する。
本発明の好ましい実施形態によれば、偏波部100 及びRF放射パッチ部110はポリテトラフルオロエチレン基板上に具現される。しかしながら、偏波部100 及びRF放射パッチ部110がポリテトラフルオロエチレン基板上に具現されることに限定されるのではなく、他の誘電体基板が用いられることもあり得ると言うことは当業者において明らかである。本発明の好ましい実施形態によれば、偏波部100 及びRF放射パッチ部110はエッチング工程により形成される。つまり、エッチング工程によりポリテトラフルオロエチレン基板の上面には偏波部100 を形成し、下面にはRF放射パッチ部110を形成するのである。
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリテトラフルオロエチレン基板の厚さは0.5mmのものが好ましく、0.5mmの間隔をおいて偏波部及びRF放射パッチ部が形成される。
接地部120は反射板としての機能を果たしてRF放射パッチ部110及び偏波部100 との電磁気的結合が形成されるようにする。本発明の好ましい実施形態によれば、図1及び図2に示した通り、接地部を構成する板と偏波部及びRF放射パッチ部が形成されるポリテトラフルオロエチレン基板とは、突出部により離隔され結合される。接地部がRF放射パッチ部及び偏波部との電磁気的結合を行う為には、一定距離以上離隔されなければならない。本発明の好ましい実施形態によれば、突出部の高さは約1mmであることが好ましい。
従来の場合、ポリテトラフルオロエチレン基板と接地板間にスチロフォームのような誘電体を挿入してポリテトラフルオロエチレン基板と接地板間に誘電体空間を設けるのが一般的であった。
しかしながら、前述の通り、スチロフォーム等を挿入する場合接地板及びポリテトラフルオロエチレン基板と完全に密着するようスチロフォームが挿入されず、電磁波の減衰が大きくなり、さらに密着した構造でスチロフォームを挿入する為に、多額の費用が費やされる問題点があった。
従って、本発明では接地板の上部に複数の突出部122を形成し、複数の突出部122により接地板とポリテトラフルオロエチレン基板が離隔されるようにする。この場合、自由空間が接地板とポリテトラフルオロエチレン基板間の誘電体の役割を果たすようになり、接地板とポリテトラフルオロエチレン基板間の誘電体媒質が変更されず、従って、スチロフォーム等の別途の誘電体物質を挿入する場合より減衰が少なく生ずる。
本発明の好ましい実施形態によれば、突出部はプレス工法を利用して接地板に突出部が形成されるようにする。接地板にプレス工法を利用して予め設定された大きさの力を加えると、接地板の下部は内側に窪みながら溝を形成し、窪んだ深さ分接地板の上部は突出され突出部が形成される。
図3は本発明の好ましい実施形態の偏波部の構成を示した図面である。
図3に示した通り、本発明の一実施形態の偏波部は複数の偏波器102を含む。
偏波器は3つの金属線が傾いた形態で形成され、前述した通り、ポリテトラフルオロエチレン基板の上面にエッチング工程を行うことにより形成される。3つの金属線が傾いた形態の偏波器は円形偏波信号及び線形偏波信号の全てを予め設定された利得以上に受信するようにして信号の干渉を抑制する。円形偏波信号及び線形偏波信号それぞれに対する受信利得は金属線が傾いた角度を変化させることにより調節できる。
円滑な放送受信の為の本発明の好ましい実施形態によれば、金属線の傾きは44度乃至45度であることが好ましい。
図4は本発明の好ましい一実施形態のRF放射パッチ部の詳細な構成を示す図面である。
図4に示した通り、本発明の一実施形態のRF放射パッチ部は複数の放射パッチ112及び給電線路114を含む。前述の通り、放射パッチ112及び給電線路114はポリテトラフルオロエチレン基板にエッチング工程を行うことにより形成される。
放射パッチ112はアンテナに伝達されるRF信号の内、望む帯域のRF信号のみを受信する機能をする。衛星放送信号の帯域は11.7GHZ乃至12.7GHZであるので、放射パッチはこの帯域の信号のみを受信されるように具現される。図4には四角形の放射パッチが示されているものの、必要に応じて他の形態の放射パッチが用いられることもあり得ると言う点は当業者において明らかである。
本発明の好ましい実施形態によれば、放射パッチの横間隔は22mmであることが好ましく、放射パッチの縦間隔は22.5mmであることが好ましく、放射パッチの間隔の周波数及びその他の特性情報により変更できると言う点は当業者において明らかである。
放射パッチ112により受信された信号は給電線路114を通じてLNBに伝達される。各々の放射パッチに結合された給電線路等に伝達される信号はプローブライン116に集まるようになり、プローブライン116 はLNBと結合されLNBに信号を伝達する。
図5は本発明の好ましい一実施形態に伴う接地板の下面の構成を図示した図である。
図5に示した通り、接地板の下面には複数の円形溝124が形成される。円形溝124 はプレス工法により形成されるものにして、プレス工法により力が加えられると力が加えられた部分は内側に溝を形成するようになり、これにより接地板の反対側には突出部が形成される。図5には溝の形状が円形の場合が図示されているものの、これはプレス工法により力が加える部分を如何に設定するかにより変更することもできる。
本発明の好ましい一実施形態の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナの斜視図 本発明の好ましい一実施形態の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナの断面図 本発明の好ましい一実施形態の偏波部の構成を示した図 本発明の好ましい一実施形態のRF放射パッチ部の詳細な構成を示した図 本発明の好ましい一実施形態の接地板の下面構成を示した図
符号の説明
100 偏波部
102 偏波器
110 パッチ部
112 放射パッチ
114 給電線路
116 プローブライン
120 接地部
122 突出部
124 溝

Claims (7)

  1. 衛星放送信号に対して円形偏波信号及び線形偏波信号の全てを予め設定された利得以上に受信する為の複数の偏波部が上部面に形成され、前記受信された信号に対して予め設定された周波数帯域の信号を抽出して伝達する複数のRF放射パッチ部が下部面の前記偏波部に対向する位置に形成される誘電体基板及び
    複数の突出部が形成されていて、前記突出部が前記誘電体基板の下部面に結合して一定間隔をおいて前記誘電体基板に結合され、伝導性物質からなる接地板を含み、
    前記偏波部は予め設定された角度で傾いており、中央部の金属線が長くその両側の金属線が短く互いに平行に配置された3つの金属線で構成された複数の偏波器からなるとともにエッチング工程により形成されている
    ことを特徴とする衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
  2. 前記金属線の傾いた角度は44度乃至45度であることを特徴とする請求項1に記載の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
  3. 前記複数のRF放射パッチは、横間隔が22mmとされ、縦間隔が22.5mmとされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
  4. 前記RF放射パッチ部は複数の放射パッチ及び給電線路を含み、それぞれの放射パッチに結合された給電線路の信号はLNBに伝達されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
  5. 前記接地板に形成される突出部はプレス工法により、形成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
  6. 前記誘電体基板はポリテトラフルオロエチレン基板であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
  7. 前記突出部の高さは1mmであり、前記突出部に相応する接地板の下面には複数の溝が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の衛星放送受信用マイクロストリップパッチアンテナ。
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