JP4444536B2 - 描画ソフトウェアの使用料を算出する方法および描画ソフトウェアの課金システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、描画ソフトウェアの使用料を算出する方法および描画ソフトウェア課金システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ソフトウェア課金方法の1つとして、ソフトウェア提供者がソフトウェアを販売し、ユーザが当該ソフトウェアを買い取る方法がある。
【0003】
また、ユーザとソフトウェア提供者との間でソフトウェアリースを行い、一定期間に対して一定金額を使用料として課金する方法またはソフトウェアの積算使用時間に対して単位時間あたりの使用単価を乗じた金額を使用料として課金する方法がある。
【0004】
特開平10−20958号公報には、ソフトウェアの使用機能に対応し、ソフトウェアの使用時間に応じて課金する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ユーザがソフトウェアを買い取る方法は、ユーザが頻繁にソフトウェアを買い替えるためには高額の費用を負担しなければならないという問題を有する。
【0006】
ソフトウェアリースを行う一定期間に対して一定金額を課金する方法では、ユーザは全くソフトウェアを使用しなかったとしても使用料を支払う必要がある。
【0007】
またソフトウェアの積算使用時間に応じて課金する方法では、ソフトウェアの積算使用時間の中に、ユーザが実際にソフトウェアの機能を使用せず、次の操作を考えているような時間も含まれており、ユーザは、そのような時間に対してもソフトウェアの使用料を支払う必要がある。
【0008】
いずれの方法も、ユーザは、実際にソフトウェアの機能を使用している時間だけでなく、使用していない時間に対しても課金されるという問題を有する。
【0009】
特開平10−20958号公報に開示されている発明も、使用時間に応じて課金するので、同様の問題を有する。
【0010】
本発明の目的は、ユーザが実際にソフトウェアの機能を使用した分だけ課金する描画ソフトウェアの使用料を算出する方法および描画ソフトウェア課金システムを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、描画ソフトウェアを使用して所定の図形を表示画面に描画する際に、描画した図形に応じて描画ソフトウェアの使用料を算出する方法であって、
入力装置によって描画する図形の種類を選択するステップと、
前記入力装置によって入力された図形の始点に基づき、図形の始点座標位置を記憶装置に記憶させるステップと、
前記入力装置によって入力された図形の終点に基づき、図形の終点座標位置を記憶装置に記憶させるステップと、
前記始点座標位置および終点座標位置に基づいて、始点と終点との間の直線距離を算出し、該直線距離を記憶装置に記憶させるステップと、
記憶装置に記憶され、各図形に対する課金率を有する課金テーブルから、前記選択された図形に対する課金率を取得し、取得した課金率と前記直線距離とに基づいて課金データを算出し、該課金データを記憶装置に記憶させるステップと、
前記課金データに基づく課金結果を前記表示画面に表示させるステップとを含むことを特徴とする描画ソフトウェアの使用料を算出する方法である。
【0012】
本発明に従えば、描画内容と課金テーブルとに基づいて課金金額を算出するので、ソフトウェアの機能を使用していない時間に対して課金を行うことなく、ユーザが実際にソフトウェアの機能を使用した分だけ課金を行うことができる。
【0013】
また本発明は、描画された図形が入力装置によって削除された場合、削除された図形に対応する課金料を前記記憶装置に記憶されている課金データに基づく課金料の合計から差し引くステップをさらに含むことを特徴とする。
本発明に従えば、削除した描画内容に対する課金金額は、削除前の課金金額の合計から差し引くので、最終的な描画内容に対してのみ課金を行うことができる。
【0014】
また本発明は、描画された図形が入力装置によって拡大または縮小された場合、拡大または縮小された図形に対応する課金データを、拡大の程度または縮小の程度に基づいて更新するステップをさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、描画内容の拡大または縮小に対して課金金額の変更を行うので、拡大または縮小など、描画以外にユーザが使用したソフトウェアの機能に対しても課金を行うことができる
【0016】
また本発明は、図形の種類および座標位置を入力するための入力装置と、各図形に対する課金率を有する課金テーブルを記憶する記憶装置と、描画ソフトウェアを実行する中央処理装置とを含む端末と、該端末と通信ネットワークを介して接続されるサーバとから成る、描画ソフトウェアの課金システムであって、
前記中央処理装置は、入力装置によって入力された図形の始点座標位置および終点座標位置を記憶装置に記憶させ、前記始点座標位置および終点座標位置に基づいて、始点と終点との間の直線距離を算出し、該直線距離を記憶装置に記憶させ、前記課金テーブルから、入力装置によって入力された図形に対する課金率を取得し、取得した課金率と前記直線距離とに基づいて課金データを算出し、該課金データを記憶装置に記憶させ、前記課金データを前記サーバへ送信することを特徴とする描画ソフトウェアの課金システムである
【0017】
本発明に従えば、描画内容と課金テーブルとに基づいて課金金額を算出するので、ソフトウェアの機能を使用していない時間に対して課金を行うことなく、ユーザが実際にソフトウェアの機能を使用した分だけ課金を行うことができる。
【0018】
また本発明は、描画された図形が入力装置によって削除された場合、前記中央処理装置は、削除された図形に対応する課金料を前記記憶装置に記憶されている課金データに基づく課金料の合計から差し引くことを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、削除した描画内容に対する課金金額は、削除前の課金金額の合計から差し引くので、最終的な描画内容に対してのみ課金を行うことができる。
【0020】
また本発明は、描画された図形が入力装置によって拡大または縮小された場合、前記中央処理装置は、拡大または縮小された図形に対応する課金データを、拡大の程度または縮小の程度に基づいて更新することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、描画内容の拡大または縮小に対して課金金額の変更を行うので、拡大または縮小など、描画以外にユーザが使用したソフトウェアの機能に対しても課金を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
描画ソフトウェアの使用に対する課金処理を示すことによって、本発明である描画ソフトウェア課金システムを具体的に説明する。描画ソフトウェア課金システムは、サーバと端末であるペンPC(Personal Computer)とから構成される。描画ソフトウェアおよび本発明の描画ソフトウェアの使用料を算出する方法を実現する課金プログラムは、サーバから通信ネットワークを介してダウンロードされる。ここではペンおよび抵抗膜方式のタッチパネルを入力装置とするペンPCにおいて描画ソフトウェアを使用するとし、当該描画ソフトウェアの使用に対する課金処理について説明する。ただし、課金データの管理はペンPCで行うとする。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態である描画ソフトウェアの使用料を算出する方法を実現するペンPC1−0の構成を示すブロック図である。ペンPC1−0は、入力装置であるペンとタッチパネル1−1、タッチパネル制御装置1−2、中央処理装置1−3、記憶装置1−4および表示装置1−5を備える。タッチパネル制御装置1−2は、ペンとタッチパネル1−1からの入力を座標位置データに変換し、中央処理装置1−3に前記座標位置データを送信する。中央処理装置1−3は前記座標位置データを入力座標値として処理する。記憶装置1−4は、課金処理時に必要なデータを記憶する記憶領域を有する。表示装置1−5は、表示画面を有し、課金結果などを表示する。本実施形態では、タッチパネルは、表示装置1−5の表示画面に重ねられている。
【0031】
図2は、記憶装置1−4が有する記憶領域を示す図である。記憶装置1−4は、課金処理時に一時的に利用する記憶領域2−1(以下バッファと表記する)、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2および課金テーブルを記憶する記憶領域2−3を有する。
【0032】
バッファ2−1は、図形を描画するとき、ペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11、座標間距離を記憶する領域2−12、属性を記憶する領域2−13および課金料を記憶する領域2−14を有する。またバッファ2−1は、文字列を挿入するとき、文字の始点座標位置を記憶する領域2−15、文字数を記憶する領域2−16、文字コードを記憶する領域2−17、属性を記憶する領域2−18および課金料を記憶する領域2−19を有する。属性とは、対象が図形のときは、形状、線の太さ、線種または色情報などを示し、対象が文字のときは、文字のフォントまたは色情報などを示す。
【0033】
課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2は、前述のバッファ2−1の内容を蓄積して保存する。
【0034】
課金テーブルを記憶する記憶領域2−3は、課金処理に必要な課金情報を有する。図3は、課金テーブルの一例を示す図である。図3の課金テーブル例は、直線、楕円および曲線の描画に対するそれぞれの課金率A、BおよびC、さらに文字列の挿入に対する課金率Dを課金情報として有する。また図示しないが、課金テーブルは、色または文字のフォント変更などに対する課金情報を有する。
【0035】
図4は、表示装置1−5の表示画面に表示される描画ソフトウェアの画面イメージ図である。描画ソフトウェアの画面は、直線描画ボタン4−1、楕円描画ボタン4−2、曲線描画ボタン4−3、文字列挿入ボタン4−4、削除ボタン4−5および描画画面4−6を表示する。
【0036】
図5は、表示装置1−5の表示画面に表示される文字認識ツールの画面イメージ図である。文字認識ツールの画面は、編集中の文字列表示画面5−1、文字候補一覧5−2、手書き文字入力画面5−3,5−4,5−5、編集中の文字列を削除するための削除ボタン5−6、編集中の文字列を確定するための確定ボタン5−7および文字認識ツールを終了するための終了ボタン5−8を表示する。
【0037】
図4および図5における各ボタンは、各ボタンに対応するタッチパネルの領域をペンで押下することによって選択される。またタッチパネルをペンで押下することで、描画画面4−6に図形が表示され、手書き文字入力画面5−3,5−4および5−5に手書き文字が表示される。
【0038】
以下に、描画ソフトウェアを使用して、直線、楕円または曲線を描画するとき、文字列を挿入するとき、そして図形および文字列を削除するときの課金処理を説明する。
【0039】
図6は、直線描画の流れを説明する図である。直線を描画するには、図6(1)に示すように、ペンを用いて直線描画ボタン4−1を選択する。次に、図6(2)に示すように、ペンで描画画面4−6に対応するタッチパネルの領域を押下することによって、直線の始点を入力する。ペンでタッチパネルを押下したままの状態で、ペンを移動させる。最後に、図6(3)に示すように、ペンをタッチパネルから離すことによって、直線の終点を入力し、直線の描画を終了する。
【0040】
図7は、直線描画に対する課金処理のフローチャートである。
直線描画ボタン4−1が選択されると、ステップ7−0で、直線描画に対する課金処理を開始する。ステップ7−1で、バッファ2−1を初期化する。ユーザがペンでタッチパネルを押下すると、ステップ7−2で、押下された座標位置を、直線の始点座標位置として、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に保存する。ステップ7−3で、ユーザがペンをタッチパネルから離した座標位置を、直線の終点座標位置として、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に追加して保存する。ステップ7−4で、ステップ7−2および7−3において保存した直線の始点座標位置および終点座標位置から直線の長さを計算し、バッファ2−1内の座標間距離を記憶する領域2−12に保存する。ステップ7−5で、課金テーブルを参照して直線描画に対する課金率Aを取得し、直線の長さに課金率Aを掛け合わせた値を課金料として計算する。そして、その結果を、バッファ2−1内の課金料を記憶する領域2−14に保存する。また、線の色または線の太さなどの情報は、バッファ2−1内の属性を記憶する領域2−13に保存しておく。ステップ7−6で、バッファ2−1の内容を課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存する。このとき、図示しない課金データの記憶タイミング検出部によって、バッファ2−1の内容を課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存するタイミングを検出する。ステップ7−7で、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存されている全ての課金料の合計を計算し、課金結果として表示装置1−5に表示する。ステップ7−8で、直線描画に対する課金処理を終了する。
【0041】
図8は、楕円描画の流れを説明する図である。楕円を描画するには、図8(1)に示すように、ペンを用いて楕円描画ボタン4−2を選択する。次に、図8(2)に示すように、ペンで描画画面4−6に対応するタッチパネルの領域を押下することによって、楕円に外接する長方形の対角線の始点を入力する。ペンでタッチパネルを押下したままの状態で、ペンを移動させる。最後に、図8(3)に示すように、ペンをタッチパネルから離すことによって、楕円に外接する長方形の対角線の終点を入力し、楕円の描画を終了する。
【0042】
図9は、楕円描画に対する課金処理のフローチャートである。
楕円描画ボタン4−2が選択されると、ステップ9−0で、楕円描画に対する課金処理を開始する。ステップ9−1で、バッファ2−1を初期化する。ユーザがペンでタッチパネルを押下すると、ステップ9−2で、押下された座標位置を、楕円に外接する長方形の対角線の始点として、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に保存する。ステップ9−3で、ユーザがペンをタッチパネルから離した座標位置を、楕円に外接する長方形の対角線の終点として、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に追加して保存する。ステップ9−4で、ステップ9−2および9−3において保存した2つの座標位置から、楕円に外接する長方形の対角線の長さを計算し、バッファ2−1内の座標間距離を記憶する領域2−12に保存する。ステップ9−5で、課金テーブルを参照して楕円描画に対する課金率Bを取得し、楕円に外接する長方形の対角線の長さに課金率Bを掛け合わせた値を課金料として計算する。そして、その結果を、バッファ2−1内の課金料を記憶する領域2−14に保存する。また、線の色または線の太さなどの情報は、バッファ2−1内の属性を記憶する領域2−13に保存しておく。ステップ9−6で、バッファ2−1の内容を課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存する。ステップ9−7で、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存されている全ての課金料の合計を計算し、課金結果として表示装置1−5に表示する。ステップ9−8で、楕円描画に対する課金処理を終了する。
【0043】
図10は、曲線描画の流れを説明する図である。曲線を描画するには、図10(1)に示すように、ペンを用いて曲線描画ボタン4−3を選択する。次に、図10(2)に示すように、ペンで描画画面4−6に対応するタッチパネルの領域を押下することによって、曲線の始点を入力する。続いてペンでタッチパネルを押下することによって、線を曲げる位置を入力する。最後に、図10(3)に示すように、ペンでタッチパネルを連続2回押下することによって、曲線の終点を入力し、曲線描画を終了する。
【0044】
図11は、曲線描画に対する課金処理のフローチャートである。
曲線描画ボタン4−3が選択されると、ステップ11−0で、曲線描画に対する課金処理を開始する。ステップ11−1で、バッファ2−1を初期化する。ユーザがペンでタッチパネルを押下すると、ステップ11−2で、押下された座標位置を、曲線の始点として、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に保存する。ステップ11−3で、ユーザがペンでタッチパネルを2回連続押下するまで、ペンでタッチパネルを押下した座標位置を、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に順次追加して保存する。タッチパネルが2回連続押下された座標位置は、曲線の終点として、バッファ2−1内のペンで指定した座標位置を記憶する領域2−11に追加して保存する。ステップ11−4で、ステップ11−2および11−3において保存した座標位置から、隣合う座標間の直線距離の総和を計算し、バッファ2−1内の座標間距離を記憶する領域2−12に保存する。ステップ11−5で、課金テーブルを参照して曲線描画に対する課金率Cを取得し、隣合う座標間の直線距離の総和に課金率Cを掛け合わせた値を課金料として計算する。そして、その結果を、バッファ2−1内の課金料を記憶する領域2−14に保存する。また、線の色または線の太さなどの情報は、バッファ2−1内の属性を記憶する領域2−13に保存しておく。ステップ11−6で、バッファ2−1の内容を課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存する。ステップ11−7で、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存されている全ての課金料の合計を計算し、課金結果として表示装置1−5に表示する。ステップ11−8で、曲線描画に対する課金処理を終了する。
【0045】
図12は、文字列挿入の流れを説明する図である。文字列を挿入するには、図12(1)に示すように、ペンを用いて文字列挿入ボタン4−4を選択し、ペン入力のための文字認識ツールを起動する。次に、ユーザは文字を挿入する位置を、ペンで描画画面4−6に対応するタッチパネルの領域を押下することによって指定する。そして、ユーザは、ペンで手書き文字入力画面5−3,5−4,5−5に対応するタッチパネルの領域を押下しながら、手書きで文字を入力する。図12(2)に示すように、確定ボタン5−7を選択して、入力文字を確定する。以上のようにして、入力する文字列を編集する。最後に、図12(3)に示すように、文字認識ツールの終了ボタン5−8を選択して、ペン入力のための文字認識ツールを終了すると同時に、文字列挿入を終了する。
【0046】
図13は、文字列挿入に対する課金処理のフローチャートである。
文字列挿入ボタン4−4が選択されると、ステップ13−0で、文字列挿入に対する課金処理を開始する。ステップ13−1で、バッファ2−1を初期化する。ステップ13−2で、文字認識ツールの終了ボタン5−8が選択されたかどうか判定する。終了ボタン5−8が選択された場合は、ステップ13−4に進む。終了ボタン5−8が選択されていない場合は、ステップ13−3に進む。
【0047】
ステップ13−3では、ユーザが文字認識ツールを用いて入力して確定した文字数および文字コードを、それぞれバッファ2−1内の文字数を記憶する領域2−16および文字コードを記憶する領域2−17に保存する。文字認識ツールを終了するまで、変更がある毎に文字数および文字コードを更新する。
【0048】
ステップ13−4では、課金テーブルを参照して文字列挿入に対する課金率Dを取得し、挿入した文字数に課金率Dを掛け合わせた値を課金料として計算する。そして、その結果を、バッファ2−1内の課金料を記憶する領域2−19に保存する。また、文字の色またはフォントなどの情報は、バッファ2−1内の属性を記憶する領域2−18に保存しておく。文字列挿入時に最初に指定したタッチパネル上での座標位置は、バッファ2−1内の文字の始点座標位置を記憶する領域2−15に保存しておく。ステップ13−5で、バッファ2−1の内容を課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存する。ステップ13−6で、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存されている全ての課金料の合計を計算し、課金結果として表示装置1−5に表示する。ステップ13−7で、文字列挿入に対する課金処理を終了する。
【0049】
図14は、図形削除の流れを説明する図である。図形を削除するには、図14(1)に示すように、ペンを用いて削除ボタン4−5を選択する。次に、図14(2)に示すように、削除する図形を、ペンでタッチパネルを押下することによって選択する。最後に、図形が選択された状態で、図14(3)に示すように、もう一度削除ボタン4−5を選択することによって、選択した図形が削除される。
【0050】
図15は、図形削除に対する課金処理のフローチャートである。
削除ボタン4−5が選択されると、ステップ15−0で、図形削除に対する課金処理を開始する。ユーザがペンでタッチパネルを押下することによって削除する図形を選択すると、ステップ15−1で、選択した図形に対応するデータを課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2の中から検索する。本実施形態では、一般的な描画ソフトと同様にして、選択した図形に対応するデータを検索する。ステップ15−2で、図形が選択された状態で削除ボタン4−5が選択されると、選択した図形に対応するデータを、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2から削除する。ステップ15−3で、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に保存されている全ての課金料の合計を計算し、課金結果として表示装置1−5に表示する。ステップ15−4で、図形削除に対する課金処理を終了する。このように、選択した図形に対応する課金データを削除することによって、課金料の合計から削除した図形分の課金料が差し引かれる。
【0051】
次に、文字列削除に対する課金処理について説明する。
ユーザがペンを用いて削除ボタン4−5を選択した後、削除対象となる文字列を選択すると、文字認識ツールが起動する。この文字認識ツールを用いて文字列の削除を行うとする。このとき、選択した文字列に対応するデータを、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2から検索して、バッファ2−1にコピーする。そして、図13のステップ13−2以下と同様の処理を行い、文字列を削除する。ただし、ステップ13−5で、更新したバッファ2−1の内容を、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2に上書きする。このようにすることによって、課金料の合計から削除した文字数分の課金料が差し引かれる。
【0052】
最後に描画ソフトウェアの上記以外の機能を利用したときの課金処理について説明する。
【0053】
図16は、手書き図形入力について説明する図である。図16の描画ソフトウェアの画面は、図4の削除ボタン4−5のかわりに手書きボタン16−1を表示する。手書き図形入力するには、手書きボタン16−1を選択した後、ペンでタッチパネルを押下しながら図形を描画する。このとき、手書き図形の縦方向および横方向の座標位置について、それぞれ最大値および最小値を保存する。保存した座標位置から、手書き図形を囲む最小の矩形領域16−2の大きさを計算する。そして、手書き図形を囲む最小の矩形領域の大きさに応じた課金料を計算する。
【0054】
図17は、直線の拡大について説明する図である。図17の描画ソフトウェアの画面は、図4の削除ボタン4−5のかわりに拡大ボタン17−1を表示する。直線を拡大するには、拡大ボタン17−1を選択した後、直線の始点または終点の座標位置を、ペンでタッチパネルを押下しながら移動させる。このとき、拡大の対象となった直線に対応するデータを、課金データ一覧を記憶する記憶領域2−2から検索し、移動させた座標位置と、座標間距離および課金料のデータの更新を行い、課金処理を行う。他の図形についても同様に拡大を行うとする。また、図形の縮小も同様にして課金処理を行うことができる。
【0055】
描画ソフトウェアでは、図形または文字の属性を変更することができる。図形または文字の属性の変更に対しては、図形または文字の属性を変更する毎に、課金テーブルの対応する課金情報を参照し、課金処理を行う。
【0056】
このようにして、描画ソフトウェアですべての描画が完了すると、たとえば図示しない完了ボタンを選択することで、課金データ一覧から課金料の合計が計算されて表示装置1−5に表示されるとともに、課金料の合計または課金データ一覧がサーバに送られる。
【0057】
本実施形態では、入力装置として、ペンとタッチパネル1−1を用いるが、マウスなどのポインティングデバイスでも本実施形態と同様の課金処理を行うことができる。また本実施形態では、図5のような文字認識ツールを用いたが、キーボード画像を表示装置1−5の表示画面に表示させ、表示されるキーボードをペンなどで押下して文字入力を行うソフトキーボードにも適用可能である。
【0058】
本実施形態では、描画ソフトウェアおよび課金プログラムを、サーバからペンPC1−0にダウンロードして使用する場合を説明したが、本発明は、このような場合に限らず、サーバで描画ソフトウェアおよび課金プログラムを実行し、サーバと通信しながらソフトウェアを使用する場合にも適用できる。この場合には、サーバで課金処理を行い、課金データを管理する。またさらに、描画ソフトウェア課金システムをサーバとペンPC1−0とで構成するのではなく、ペンPC1−0単独で構成してもよい。
【0059】
以上説明した描画ソフトウェアの使用料を算出する方法および描画ソフトウェア課金システムは、課金処理を機能させるための課金プログラムで実現される。発明の対象となるのは、課金プログラムそのものでもよいし、課金プログラムを格納している記録媒体(以下、プログラムメディアと表記する)でもよい。
【0060】
本発明では、マイクロコンピュータで処理が行われるために必要なROM(Read Only Memory)などのメモリがプログラムメディアであってもよい。また本発明では、装置本体に設けられる読み取り装置に挿入することで読み取り可能となる外部記憶装置がプログラムメディアであってもよい。いずれの場合も、課金プログラムは、マイクロコンピュータがアクセスして実行させる構成であってもよい。またいずれの場合も、課金プログラムは、プログラムメディアから読み出されて実行される方式であってよい。この場合、ロード用プログラムは、予め装置本体に格納されているとする。
【0061】
上記プログラムメディアは、装置本体と分離可能に構成される記録媒体である。プログラムメディアは、磁気テープまたはカセットテープなどのテープ系記録媒体でもよい。プログラムメディアは、FD(Flexible Disk)またはHD(Hard Disk)などの磁気ディスク、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)、MO(Magneto Optical)、MD(Mini Disk)またはDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクのようなディスク系記録媒体でもよい。プログラムメディアは、IC(Integrated Circuit)カードまたは光カードなどのカード系記録媒体でもよい。プログラムメディアは、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、フラッシュメモリなどの半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
【0062】
また本発明では、描画ソフトウェア課金システムは、サーバとペンPC1−0とから構成されることも可能である。したがって、プログラムメディアは、サーバから通信ネットワークを介してプログラムをダウンロードするように、流動的にプログラムを担持する媒体でもよい。この場合、ダウンロード用プログラムは、予めペンPC1−0本体に格納されているとする。ダウンロード用プログラムは、別の記録媒体からインストールされてもよい。
【0063】
なお、記録媒体に格納されている内容としては、プログラムに限定されず、データであってもよい。
【0064】
課金プログラム自体としては、マイクロコンピュータで実行される処理そのものであってもよい。また課金プログラム自体としては、インターネットを含む通信ネットワークとアクセスすることで、ペンPC1−0が取り込める、あるいはペンPC1−0が取り込んだプログラムであってもよい。また課金プログラム自体としては、ペンPC1−0から送り出すプログラムであってもよい。さらには、サーバから取り込まれたプログラムに基づいて、ペンPC1−0で処理された結果、つまり生成されたプログラムが課金プログラムであってもよい。あるいは、ペンPC1−0から送り出す際に、ペンPC1−0内で処理された結果、つまり生成されたプログラムが課金プログラムであってもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上のように、本発明の描画ソフトウェアの使用料を算出する方法および描画ソフトウェア課金システムによれば、入力に基づいて課金が行われ、ソフトウェアの実際の使用に対してのみ使用料が発生する。一定期間に対して一定金額を課金する従来のソフトウェアリースでは、一時的にソフトウェアを使用していない場合も課金対象となっていた。また、ソフトウェアの積算使用時間に応じて課金する方法では、ソフトウェアを起動していても実際に使用していない時間も課金対象となっていた。これに対して、本発明は、ソフトウェアを起動していない時間に対して使用料が発生しないだけでなく、ソフトウェアを起動していても実際に使用していない時間に対して使用料が発生しないので、ユーザにとって利用しやすい、優れた描画ソフトウェアの使用料を算出する方法および描画ソフトウェア課金システムである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である描画ソフトウェアの使用料を算出する方法を実現するペンPC1−0の構成を示すブロック図である。
【図2】記憶装置1−4が有する記憶領域を示す図である。
【図3】課金テーブルの一例を示す図である。
【図4】表示装置1−5の表示画面に表示される描画ソフトウェアの画面イメージ図である。
【図5】表示装置1−5の表示画面に表示される文字認識ツールの画面イメージ図である。
【図6】直線描画の流れを説明する図である。
【図7】直線描画に対する課金処理のフローチャートである。
【図8】楕円描画の流れを説明する図である。
【図9】楕円描画に対する課金処理のフローチャートである。
【図10】曲線描画の流れを説明する図である。
【図11】曲線描画に対する課金処理のフローチャートである。
【図12】文字列挿入の流れを説明する図である。
【図13】文字列挿入に対する課金処理のフローチャートである。
【図14】図形削除の流れを説明する図である。
【図15】図形削除に対する課金処理のフローチャートである。
【図16】手書き図形入力について説明する図である。
【図17】直線の拡大について説明する図である。
【符号の説明】
1−0 ペンPC
1−1 ペンとタッチパネル(入力装置)
1−2 タッチパネル制御装置
1−3 中央処理装置
1−4 記憶装置
1−5 表示装置
2−1 課金処理時に一時的に利用する記憶領域
2−2 課金データ一覧を記憶する記憶領域
2−3 課金データを記憶する記憶領域

Claims (6)

  1. 描画ソフトウェアを使用して所定の図形を表示画面に描画する際に、描画した図形に応じて描画ソフトウェアの使用料を算出する方法であって、
    入力装置によって描画する図形の種類を選択するステップと、
    前記入力装置によって入力された図形の始点に基づき、図形の始点座標位置を記憶装置に記憶させるステップと、
    前記入力装置によって入力された図形の終点に基づき、図形の終点座標位置を記憶装置に記憶させるステップと、
    前記始点座標位置および終点座標位置に基づいて、始点と終点との間の直線距離を算出し、該直線距離を記憶装置に記憶させるステップと、
    記憶装置に記憶され、各図形に対する課金率を有する課金テーブルから、前記選択された図形に対する課金率を取得し、取得した課金率と前記直線距離とに基づいて課金データを算出し、該課金データを記憶装置に記憶させるステップと、
    前記課金データに基づく課金結果を前記表示画面に表示させるステップとを含むことを特徴とする描画ソフトウェアの使用料を算出する方法。
  2. 描画された図形が入力装置によって削除された場合、削除された図形に対応する課金料を前記記憶装置に記憶されている課金データに基づく課金料の合計から差し引くステップをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の描画ソフトウェアの使用料を算出する方法。
  3. 描画された図形が入力装置によって拡大または縮小された場合、拡大または縮小された図形に対応する課金データを、拡大の程度または縮小の程度に基づいて更新するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の描画ソフトウェアの使用料を算出する方法。
  4. 図形の種類および座標位置を入力するための入力装置と、各図形に対する課金率を有する課金テーブルを記憶する記憶装置と、描画ソフトウェアを実行する中央処理装置とを含む端末と、該端末と通信ネットワークを介して接続されるサーバとから成る、描画ソフトウェアの課金システムであって、
    前記中央処理装置は、入力装置によって入力された図形の始点座標位置および終点座標位置を記憶装置に記憶させ、前記始点座標位置および終点座標位置に基づいて、始点と終点との間の直線距離を算出し、該直線距離を記憶装置に記憶させ、前記課金テーブルから、入力装置によって入力された図形に対する課金率を取得し、取得した課金率と前記直線距離とに基づいて課金データを算出し、該課金データを記憶装置に記憶させ、前記課金データを前記サーバへ送信することを特徴とする描画ソフトウェアの課金システム。
  5. 描画された図形が入力装置によって削除された場合、前記中央処理装置は、削除された図形に対応する課金料を前記記憶装置に記憶されている課金データに基づく課金料の合計から差し引くことを特徴とする請求項に記載の描画ソフトウェア課金システム
  6. 描画された図形が入力装置によって拡大または縮小された場合、前記中央処理装置は、拡大または縮小された図形に対応する課金データを、拡大の程度または縮小の程度に基づいて更新することを特徴とする請求項4または5に記載の描画ソフトウェア課金システム
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