JP4441952B2 - 無機造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無機造形物の製造方法に関する。本発明の製造方法は、集積回路等の電子部品の高密度実装に用いられる無機焼成基板の製造、特に多層セラミクス基板の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の高集積化が進むにつれて、それらを実装するためのセラミクス基板にも微細な加工が必要となってきている。
従来のセラミクス基板は、有機バインダー、セラミクス粉末、ガラス粉末、可塑剤および溶剤などを適宜配合し、混合してスラリーとした後、得られたスラリーをシートに成形したセラミクス・グリーンシートを用いて製造される。その際、導電体ペーストを埋め込むビアホールの形成には、超硬の打ち抜き金型を用いたパンチングが行われている。このパンチングによる加工は、超硬の強度の点から100μm以下の微細なビアホールを形成することが難しく、また、微細なビアホールを形成する場合、打ち抜きかすが残り、仕上がりの歩留まり低下の原因となっている。
【0003】
そこで、微細なビアホールを形成する方法として、フォトリソグラフィー法が新しい技術として提案されている。特開平2-204356号公報には、セラミクス粉末と紫外線硬化型感光性組成物からなる感光性のセラミクス・グリーンシートが提案されている。特開平10-279363号公報には、セラミクス粉末と側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体からなる感光性樹脂を含有するグリーンシートが提案されている。
また、基板上に回路パターンを形成する方法として、金属粉末、例えば銅粉と有機バインダーからなる導電ペーストによるスクリーン印刷が用いられているが、この方法で精度の高いパターンを形成することは困難である。そこで特開平5−204151号公報では、感光性導電ペーストを用いたフォトリソグラフィー法による導電回路形成方法が提案されている。このように、セラミクス粉末や導電体粉末等の無機粉末を含有した感光性樹脂組成物については既に幾つか報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無機粉体を含有した感光性樹脂組成物を用いフォトリソグラフィー法によりビアホールを形成する場合、露光時に無機粉体による光散乱等の影響でフォトマスクで遮光したビアホールとなる部分まで一部感光される。また、膜厚が厚い場合、微細なビアホールは孔の底部まで現像液が十分に到達しない。そのため、アスペクト比が1以上の微細なビアホールを解像することが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、解像性に優れ、微細なビアホールを形成可能な無機造成物の製造方法を提供する。
すなわち本発明は、(i)基材上に(A)無機粉体含有樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(形成された膜を以下「(A)膜」ともいう。)、(ii)前記(i)で得られた膜上に(B)無機粉体含有樹脂組成物を用いて膜を形成する工程(形成された膜を以下「(B)膜」ともいう。)、(iii)(B)膜に所定の形状に放射線を照射し、現像して造形する工程および(iv)前記造形物を焼成する工程を含む無機造形物の製造方法であって、 (A)膜の用いる放射線に対する感度が(B)膜よりも低感度であることを特徴とする無機造形物の製造方法である。
【0007】
即ち、本発明により以下の課題を達成することができる。
塗膜の上部と下部との放射線感度、あるいは/かつ、現像液に対する溶解性をコントロールすることで微細なビアホールを解像することを達成した。
又、露光時に無機粉体によって光散乱が起こり、フォトマスクで遮光した未露光部分へまで光が到達する。この到達した光により架橋が生じ、本来であれは現像でビアホールとなる部分が解像されなくなる。この散乱光による漏れ光の影響はフォトマスクより距離が遠くなる塗膜の下部ほど大きい。本発明は、散乱光による未露光部の光架橋の影響を抑えるために、塗膜の下部の光感度を上部に比べ低くし微細なビアホールを解像することを達成した。
更に、塗膜が厚くビアホールが微細な場合に、現像液の劣化等により孔の下部まで現像できないという現象があった。本発明は塗膜の下部の現像液に対する溶解性を上部に比べ高くし、アスペクト比が1以上の微細なビアホールを解像することを達成した。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
(i)基材上に(A)膜を形成する工程
(A)無機粉体含有樹脂組成物の膜の形成方法は、通常の塗膜形成方法を使用することができ、特に塗布方法が使用される。具体的には、例えばスクリーン印刷法、ロール塗布法、回転塗布法、流延塗布法等を挙げることができる。
前記膜の乾燥温度は、後の各工程に影響がない程度に前記膜中の溶媒を除去できる限り、適宜選定できるが、具体的には、例えば60〜130℃程度である。
膜の厚さは、通常10〜50μmである。
【0009】
(ii)(A)膜上に(B)膜を形成する工程
(A)膜上に(B)膜を形成する。(B)膜の形成は、(A)膜の形成と同様に、通常塗布方法を使用することができる。
また、乾燥温度は、例えば60〜130℃程度である。
膜の厚さは、通常10〜50μmである。
【0010】
(iii)(B)膜に、所定の形状に放射線を照射し、現像して造形する工程
次いで前記膜に、所望の形状に放射線を照射して露光し、露光部分を架橋させて不溶化した後、現像液を使用して未露光部分を溶解、除去して造形する。
この際用いられる放射線としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線、i線ステッパー等の紫外線または電子線、レーザー光線等である。放射線の照射は、放射線が紫外線の場合は、通常マスクパターンを介して照射するが、電子線あるいはレーザー光線等の場合は、マスクを介せずに直接所望の形状に照射するのが好ましい。
また、上記現像液としては、使用する無機粉体含有樹脂組成物の種類に応じて、アルカリ現像液、有機溶剤現像液又は水性現像液が用いられる。
【0011】
(iv)前記造形物を焼成する工程
前記造形物を焼成し内部の有機成分を除去して無機造形物を製造する。
【0012】
(A)膜は、(B)膜より用いる放射線に対する感度が低いことが必要である。低感度にする方法としては、例えば(A)無機粉体含有樹脂組成物中の光開始剤の量の低減、低感度の光開始剤の使用及び紫外線吸収剤の使用が挙げられる。
【0013】
次に基材について説明する。
本発明に使用される基材としては、膜(A)が塗布可能であれば特に制限されない。例えば基材として、ポリエステル、ポリカーボネート、芳香族アミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ガラス、シリコンなどのフィルム又は基板が挙げられる。これらのうち、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、シリコン基板が好ましい。
また、現像後のパターン硬化物の転写積層が可能となるように、離型剤塗布のように表面処理を施してもよい。
【0014】
次に(A)無機粉体含有樹脂組成物、(B)無機粉体含有樹脂組成物について説明する。
(A)無機粉体含有樹脂組成物
本発明におけて用いられる(A)無機粉体含有樹脂組成物は、少なくとも(a)無機粉末、(b)バインダー樹脂、を含有し、適宜(c)多官能(メタ)アクリレート、(d)光重合開始剤、(e)溶剤、(f)添加剤が用いられる。
【0015】
(a)無機粉末
本発明において使用される無機粉末(以下、「(a)成分」という。)としては、セラミクス粉末、ガラス粉末または導電体粉末が好ましい。セラミクス粉末としては、セラミクス粉末単独、ガラス-セラミクス複合系、結晶化ガラスなどが挙げられる。ここで用いられるセラミクス粉末の具体例としては、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ムライト、シリカ、コーディライト、窒化アルミなどが挙げられる。また、導電体粉末としては、金、白金、銀、銅、ニッケル、アルミ、パラジウム、タングステンの粉末などが挙げられる。セラミクス粉末は、セラミクスの造形物、特にセラミクス基板の製造に用いられる。導電体粉末は、導電回路の形成に用いられる。両者は通常、混合されることなく、それぞれ単独で使用される。無機粉末の粒子径および比表面積は作成しようとする造形物、とくにセラミクス基板の厚みや焼成による収縮を考慮して選択される。通常、粒子径0.2〜10μm、比表面積2〜30m2/gである。
【0016】
(b)バインダー樹脂
バインダー樹脂としては、種々の樹脂を用いることができるが、特にアルカリ可溶性樹脂を含有するバインダー樹脂であることが好ましい。
ここに、「アルカリ可溶性」とは、アルカリ性の現像液によって溶解し、目的とする現像処理が遂行される程度に溶解性を有する性質をいう。
前記アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、例えば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
このようなアルカリ可溶性樹脂のうち、特に好ましいものとしては、下記の(b1)及び(b2)のモノマーの共重合体、又は(b1)、(b2)及び(b3)のモノマーの共重合体等を挙げることができる。
【0017】
(b1)アルカリ可溶性官能基含有モノマー類:
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸、ヘキサヒドロフタル酸モノ2−メタクリロイルオキシエチル、コハク酸モノ2−メタクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン等のフェノール性水酸基含有モノマー類等
(b2)(b1)以外の重合性モノマー類:
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の( b1)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル系モノマー類;
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類等
(b3)マクロモノマー類:
ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ベンジル等のポリマー鎖の一方の末端に、例えば(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有するマクロモノマー
【0018】
(b)バインダー樹脂は、通常のラジカル重合によって得ることができ、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などによって製造される。なかでも、溶液重合法が好ましく、その際に用いられる溶媒としてはメタノール、エタノール、n-ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、γ-ブチロラクトンなどが挙げられ、モノマーと反応しないもので、生成する(b)バインダー樹脂が溶解する溶媒であれば特に制限されない。
【0019】
また、(b)バインダー樹脂の分子量は、組成、連鎖調節剤、重合温度などにより影響され、これらの条件は適宜選択できるが、通常、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下単に「Mw」ともいう。)で5,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000程度になるように調整される。Mwが5,000未満であると、現像後の膜荒れが発生しやすく好ましくない。また、Mwが200,000を越えると未露光部の現像液に対する溶解性が低下し、解像度が低下するため好ましくない。
【0020】
(c)多官能性(メタ)アクリレート:
多官能性(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート類;
両末端ヒドロキシポリブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジ(メタ)アクリレート類;
グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
3価以上の多価アルコールのポリアルキレングリコール付加物のポリ(メタ)アクリレート類;
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ベンゼンジオール類等の環式ポリオールのポリ(メタ)アクリレート類;
ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、アルキド樹脂(メタ)アクリレート、シリコーン樹脂(メタ)アクリレート、スピラン樹脂(メタ)アクリレート等のオリゴ(メタ)アクリレート類;
等を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
(d)光重合開始剤:
本発明に用いられる(d)光重合開始剤としては、エチレン性化合物を反応させることが可能な光ラジカル開始剤、または光ラジカル開始剤と光カチオン重合開始剤を共に使用することができる。
【0022】
光ラジカル重合開始剤としては、たとえばベンジル、ジアセチル等のα−ジケトン類;ベンゾイン等のアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロインエーテル類;チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α’−ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン類;アントラキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類;フェナシルクロライド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロゲン化合物;ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイド類等が挙げられる。また、市販品としては、イルガキュア184、651,500,907、CG1369、CG24−61、ダロキュア1116,1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ルシリンLR8728,TPO(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等を挙げることができる。また、光カチオン重合開始剤としては、以下に示すような市販品を使用することができる。ジアゾニウム塩であるアデカウルトラセットPP-33(旭電化工業(株)製)、スルホニウム塩であるオプトマーSP−150,170(旭電化工業(株)製)、メタロセン化合物であるイルガキュア261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)等を挙げることができる。
【0023】
(e)溶剤
溶剤としては、重合時に用いることができた溶剤を同様に用いることができる。さらにN-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等の高沸点溶媒を添加することもできる。上記溶剤の使用量は、用途、塗布方法、後工程の無機粉末の配合等を考慮して調整することができ、組成物を均一に混合させることができれば特に限定されるものではない。
【0024】
(f)添加剤
本発明の組成物に配合可能なその他の成分には、紫外線吸収剤、増感剤、粘度調整剤、分散剤、可塑剤、消泡剤、接着助剤、ハレーション防止剤、保存安定性を高めるための熱重合禁止剤、酸化防止剤などを必要に応じて添加できる。これらの添加剤は、焼成後は系中に存在しなくなるものが好ましいが、焼成後も残るものの場合は、無機造形物の使用目的に応じて悪影響しないものを選択して使用する。
【0025】
(B)無機粉体含有樹脂組成物
本発明におけて用いられる(B)無機粉体含有樹脂組成物は、少なくとも(a)無機粉末、(b)バインダー樹脂、(c)多官能(メタ)アクリレート、(d)光重合開始剤、を含有し、適宜(e)溶剤、(f)添加剤が用いられる。
【0026】
各成分の具体的例としては、前記(A)無機粉体含有樹脂組成物と同様なものが挙げられる。そのなかでも、(B)無機粉体含有樹脂組成物が(A)無機粉体含有樹脂組成物よりも高感度である組成を使用する。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。なお、部、%は特に断りのないかぎり重量部、重量%である。
【0028】
合成例1
ヘキサヒドロフタル酸モノ2−メタクリロイルオキシエチル(a-1)56.8g(0.2モル)、n-ブチルメタクリレート56.8g(0.4モル)、メチルメタクリレート40.1g(0.4モル)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)4.9g(0.03モル)および乳酸エチル231gを600mlセパラブルフラスコに入れて、窒素吹き込みを行った。その後、80℃に加熱し、4時間重合を行ない、重合転化率98%で、目的とする共重合体(P1)を得た。GPC法で測定したポリスチレン換算重量平均分子量Mwは43,000であった。
【0029】
合成例2
ヘキサヒドロフタル酸モノ2−メタクリオイルオキシエチル(a-1)71.1g(0.25モル)、n-ブチルメタクリレート53.3g(0.375モル)、メチルメタクリレート37.5g(0.375モル)、および乳酸エチル242.9gに変更した以外は合成例1と同様に行ない、重合転化率98%で、共重合体(P2)を得た。ポリスチレン換算重量平均分子量Mwは、45,000であった。
【0030】
調製例1
(b)成分として合成例1で得たバインダー樹脂(P1)を含む重合終了後の溶液を固形分として100重量部、(c)成分としてトリメチロールプロパントリメタクリレート30重量部およびジエチレングリコールジメタクリレート20重量部、(d)成分として2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド10重量部およびベンゾインメチルエーテル5重量部を、(b)成分固形分、(c)成分および(d)成分を併せた濃度(以下、「固形分濃度」という。)50重量%となるように、共重合体溶媒と同じ溶媒を少量加え均一に混合して、感放射線性樹脂組成物(S1)を製造した。
感放射線性樹脂組成物(S1)100部(固形分として50部)、セラミクス粉末(アルミナ粉末;純度99.5%、平均粒子径2.6μmの球状粉末)50部およびガラス粉末50部を均一に混合して、感放射線性無機粉体含有樹脂組成物(以下「T1」という。)を製造した。
【0031】
調製例2
調製例1の感放射線性樹脂組成物(S1)に紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール0.5部追加した以外は、調製例1と同様にして(感放射線性)無機粉体含有樹脂組成物(以下「T2」という。)を製造した。
【0032】
調製例3
合成例1で得たバインダー樹脂(P1)の代わりに合成例2で得たバインダー樹脂(P2)を用いた他は、調製例1と同様にして(感放射線性)無機粉体含有樹脂組成物(以下「T3」という。)を製造した。
【0033】
実施例1
調製例2で製造したT2をシリコン基板上にスピンコートした後、100℃で3分間クリーンオーブンにてベークして、膜厚30μmの塗膜を形成した。次に、形成したT2膜上に、調製例1で製造したT1をスピンコートした後、100℃で10分間クリーンオーブンにてベークして、T2とT1の全膜厚50μmの塗膜(T2:30μm、T1:20μm)を形成した。次に、パターンマスクを介して、アライナー(Canon社製PLA-501F)を用いて70mJ/cm2の紫外線を露光した。これを水酸化ナトリウム1重量%水溶液で現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを光学顕微鏡で観察し、解像度を観察した。その結果、30μmの孔が解像され、また、孔の内壁は垂直で良好であった。
このパターン状硬化物を電気炉に入れて、窒素気流中、毎分10℃で昇温し、1,000℃まで温度を高めて焼成して、セラミクス成形物を得た。この焼成物は白色であり、有機物の残渣がないことを示した。また、ビア径30μmのパターンは維持されており、良好であった。
【0035】
比較例1
調製例1で製造したT1をシリコン基板状にスピンコートした後、100℃で10分間クリーンオーブンにてベークして、膜厚50μmの塗膜(を形成した。次に、パターンマスクを介して、アライナー(Canon社製PLA-501F)を用いて50mJ/cm2の紫外線を露光した。これを水酸化ナトリウム1重量%水溶液で現像した。この後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターン状硬化物を得た。これを光学顕微鏡で観察し、解像度を観察した。その結果、50μmの孔は解像されていたが、30μmの孔は解像されていなかった。
比較例2
比較例1で使用したT1の代わりに調製例2で製造したT2を用い、露光量を100mJ/cm2とした他は、比較例1と同様にしてパターン状硬化物を製造した。これを光学顕微鏡で観察し、解像度を観察した。その結果、50μmの孔は解像されていたが、30μmの孔は解像されていなかった。
また、露光量を70mJ/cm2とし、同様にしてパターン状硬化物を製造した。これを光学顕微鏡で観察し、解像度を観察した。その結果、30μmの孔が解像されていたが、孔の下部がえぐれアンダーテーパーであった。また、露光部の一部にハガレ、欠落が見られた。
【0036】
【発明の効果】
本発明の無機造形物の製造方法は、放射線照射により微細パターンの形成が可能である。高密度電子部品等の積層用基板として、好適な有機物の焼成残渣の少ない無機造形物が製造できる。
Claims (1)
- (i)基材上に(A)無機粉体含有樹脂組成物を用いて膜を形成する工程、(ii)前記(i)で得られた膜上に(B)無機粉体含有樹脂組成物を用いて膜を形成する工程、(iii)前記(ii)で得られた膜に所定の形状に放射線を照射し、現像して造形する工程および(iv)前記造形物を焼成する工程を含む無機造形物の製造方法であって、前記(i)で得られた膜の用いる放射線に対する感度が前記(ii)で得られた膜よりも低感度であることを特徴とする無機造形物の製造方法。
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