JP4440371B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁的な交番磁界を用いて真空チャンバ内でプラズマを発生させるためのプラズマ発生装置であって、
一個所でのみ壁部(1)を介して真空チャンバに案内された、真空密な絶縁管と、
該絶縁管内に同軸に配置されたロッド状導体と、
該ロッド状導体に対して同軸に、前記絶縁管と前記ロッド状導体によって形成された管状ギャップ内に配置された管状導体とを有し、
前記管状導体は、管状ギャップを半径方向外側の管状ギャップと、半径方向内側の管状ギャップとに分割し、
前記半径方向内側の管状ギャップが第1のソースの導波管に連通しており、
前記半径方向外側の管状ギャップが第2のソースの導波管に接続されており、
前記第1と第2のソース(9,8)は電磁的交番磁界を発生する形式のプラズマ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
公知のプラズマ発生装置(ドイツ国特許第19503205号明細書)は、制限された運転領域(プロセス領域、ガス圧、マイクロ波出力)で表面処理及びコーティング技術のためにプラズマを発生させることができる。公知のプラズマ発生装置はほぼ、真空プロセスチャンバ内に取り付けられた円筒状のガラス管と、ガラス管内に設けられた金属性の伝導性の管とから構成されていて、この場合ガラス管の内室内では大気圧が支配する。マイクロ波出力は両側で2つの供給部と内部導体及び外部導体から成る2つの金属性の同軸導路とにより真空プロセスチャンバの壁部を介して導入される。
【0003】
真空プロセスチャンバ内部の同軸導路の不足の外部導体はプラズマ放電によって代用され、このプラズマ放電は、点火条件(ガス圧)が満たされた場合にマイクロ波出力によって点火されて維持され、この場合マイクロ波出力は金属性の両同軸導路からガラス管を介して真空プロセスチャンバ内に流出する。プラズマは円筒状のガラス管を外側から取り囲みかつ内部導体と協働して極めて高い減衰ライニングを有する同軸導路を形成する。両側で供給されるマイクロ波出力が確定されている場合には真空プロセスチャンバのガス圧は、真空プロセスチャンバ内部で同軸導路の外部導体が不足している個所でプラズマが装置に沿って見かけ上一様に燃焼するように、調節される。
【0004】
しかしながら、マイクロ波出力を予め調節した状態で真空プロセスチャンバ内のガス圧が高められた場合には、経験によれば装置に沿ったプラズマの一様性は失われる。装置の供給個所間のほぼ半分の距離でプラズマは、光学的に弱められかつ所定の圧力以降完全に消滅する。プラズマラインは列断されかつ発生する両部分プラズマは圧力を更に高めた場合に供給部の方向に引き戻される。特に長い装置(例えば1m以上)の場合にはこの効果により不均一なプラズマが生ぜしめられかつこれに基づき不均一な真空プロセスが生ぜしめられる。部分プラズマは壁部近くの供給端部で高い光度を示しかつ中央に向けて弱まる。
【0005】
マイクロ波の減衰は同軸導路に沿ったポジションには全く関連しない。同軸導路の誘電性の充填物は空気から成りかつ同軸導路の誘電体の相対的な誘電率は装置の長さに亘って一定であるので、減衰の高さは伝導性の表面内へのマイクロ波の侵入深さにのみ関連する。このことは長さ単位当り一定の減衰の場合に、長さ単位当り正味プラズマに引き渡されるマイクロ波出力が装置に沿って中央に向けて減少することを、意味する。外部導体がプラズマから形成されるために、前記伝導率は正確に規定できない。伝導率はプラズマ密度に関連しかつプラズマ密度は規定の限界内で放電領域におけるマイクロ波出力密度の関数である。このマイクロ波出力密度は金属性の表面(〜50μm)の場合よりも若干の等級高くかつ装置の長さに亘って一定ではない。
【0006】
更に、公知の装置は8×10-2よりも低い圧力の場合にプラズマ放電を殆ど維持できないことが、明らかとなった。装置のフレキシブル性を高めるために、低圧の場合でも磁界支援なしにプラズマ放電のための運転条件を保証することが、望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、公知の装置の欠点を回避し、かつ、装置が大きな平面的なしかも三次元的なサブストレートをコーティングするのに適しかつ真空チャンバの壁部内にそれぞれ1つだけの開口を必要とするに過ぎないように、改良することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は本発明によれば、前記ロッド状導体(3)における、前記ソース(8,9)とは反対側の端部に変向キャップ(6)が設けられており、該変向キャップは前記半径方向内側の管状ギャップ(14)と前記半径方向外側の管状ギャップ(15)とを互いに接続することによって解決された。
【0009】
本発明の別の有利な構成は、その他の請求項に記載されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
プラズマ発生装置はほぼ、真空チャンバ13の壁部1を貫通案内された絶縁管2(ガラス管)と、絶縁管2に対して同軸的に配置された、一端でソース9の方形導波管10に結合されているロッド状導体3と、ロッド状導体3に対して同軸的に絶縁管2とロッド状導体3とによって形成された管状ギャップ内で延びる管状導体4と、管状ギャップ14を維持するのに役立ちかつ例えばプラスチックから製作されたスペーサリング5と、管状ギャップ14,15を互いに接続する変向キャップ6と、絶縁管2内に押し込まれかつ外部導体を成す金属スリーブ7と、絶縁管2と真空チャンバ13の壁部1との間に挿入されたO・シールリング12と、金属スリーブ7に不動に結合される、ソース8の方形導波管10′と、方形導波管10,10′内に摺動可能に配置された整合素子11,11′とから構成されている。
【0011】
図示のプラズマ発生装置においては、マイクロ波全出力の一部、つまりほぼ半分が従来の形式で(左側から方形導波管10′により整合素子11′を介して管状導体4と金属スリーブ7とから成る同軸導路を通して)プラズマに同軸的に供給され、かつ、マイクロ波全出力の残余分、つまりほぼ半分が整合素子11を有する方形導波管10を介して内部導体3と外部導体4とから成る同軸的な迂回導路を通して、導体波用の終端側の同軸的な変向装置(変向キャップ6)及び内部導体4と外部導体7とを有する短い同軸的な導路に相対する側から供給される。
【0012】
プラズマ発生装置にマイクロ波出力を供給することは、必ずしも方形導波管を介して行う必要はなく、むしろ別の適当な導波装置を介して行うこともできる。2つの導波装置を介してプラズマ発生装置に供給されるマイクロ波は必ずしも位相相関させる必要はない。
【0013】
プラズマ発生装置全体の長さはその都度の適応条件に適合でき、特に極めて長い構成の場合には、同軸的な導体3,4,7を同心形態で保持するために、安定性の理由からマイクロ波吸収度の僅かな誘電性の材料から成るディスク5が設けられねばならない。
【0014】
プラズマ発生装置全体は、真空密で耐熱性のマイクロ波透過性の材料(例えば水含有量の少ない石英ガラス、酸化アルミニウムセラミック、酸化ジルコニウムセラミック)から成る容器内部に設けられ、この場合プラズマ発生装置内では大気圧が支配しかつ絶縁管2の外部ではプラズマ放電を点火及び維持するのに役立つガス圧が支配する。絶縁管2は一個所でのみ真空容器(例えば、プラズマプロセスリアクトル)13の壁部1を介して案内されかつ真空容器に真空密に結合されている。
【0015】
既述のプラズマ発生装置は以下の利点を有する:
一側の供給及び固定の利点と共に二側で供給されかつ固定された装置と同じ出力能を有する。
【0016】
極めて大きな構造形式(例えば長さ2000mmで誘電性の容器直径30mm)の場合でも装置全体の横断面積が極めて僅かに維持される。
【0017】
帯材コーティング装置における使用/後装備のためのイデアを有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可能な種々の実施例のうちの1つを示した概略的な縦断面図。
【符号の説明】
1 壁部分
2 絶縁管
3 ロッド状導体
4 管状導体
5 スペーサリング
6 変向キャップ
7 金属スリーブ
8,9 ソース
10,10′ 方形導波管
11,11′ 整合素子
12 O・シールリング
13 真空チャンバ
14,15 環状ギャップ

Claims (3)

  1. 電磁的な交番磁界を用いて真空チャンバ(13)内でプラズマを発生させるためのプラズマ発生装置であって、
    一個所でのみ壁部(1)を介して真空チャンバに案内された、真空密な絶縁管(2)と、
    該絶縁管内に同軸に配置されたロッド状導体(3)と、
    該ロッド状導体(3)に対して同軸に、前記絶縁管(2)と前記ロッド状導体(3)によって形成された管状ギャップ内に配置された管状導体(4)とを有し、
    前記管状導体(4)は、管状ギャップを半径方向外側の管状ギャップ(15)と、半径方向内側の管状ギャップ(14)とに分割し、
    前記半径方向内側の管状ギャップ(14)が第1のソース(9)の導波管(10)に連通しており、
    前記半径方向外側の管状ギャップ(15)が第2のソース(8)の導波管(10′)に接続されており、
    前記第1と第2のソース(9,8)は電磁的交番磁界を発生する形式のプラズマ発生装置において、
    前記ロッド状導体(3)における、前記ソース(8,9)とは反対側の端部に変向キャップ(6)が設けられており、該変向キャップは前記半径方向内側の管状ギャップ(14)と前記半径方向外側の管状ギャップ(15)とを互いに接続する、ことを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. 前記絶縁管(2)は、前記ソース(8,9)とは反対側の端部で前記変向キャップ(6)によって閉鎖されており
    変向キャップの、絶縁管(2)の壁部に接触する半径方向外側部分が、前記ソース(8,9)の方向に延びるスリーブ(16)を有しており
    該スリーブは、外部導体を形成して間隔aだけ環状ギャップ(15)内に延びており、
    前記変向キャップ(6)のセンター部分がロッド状導体(3)に結合されているか又はロッド状導体(3)と一体に形成されている、請求項1記載のプラズマ発生装置。
  3. 前記変向キャップ(6)の外部形状直線的な円筒の形状を有しており
    該円筒の回転軸線が前記ロッド状導体(3)の縦軸線と同方向に延びており、
    前記変向キャップ(6)の、前記ソース(8,9)に面した端面が半円面状の横断面を有する円環状の溝を有しており、
    前記端面の、溝によって取り囲まれる半径方向内側部分が、前記ロッド状導体(3)に結合されており、
    前記変向キャップ(6)のほぼ円筒状の外周面が、絶縁管(2)の内壁に密に接触している、請求項1記載のプラズマ発生装置。
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