JP4440211B2 - 送信ビーム形成がある場合のチャネル推定のための方法 - Google Patents

送信ビーム形成がある場合のチャネル推定のための方法 Download PDF

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Description

本発明は、送信ビーム形成がある場合に伝播チャネルを推定するための方法に関する。本発明はさらに、前記方法を実施する推定器に関する。
前記方法は、特にUMTS標準内で、具体的には従来のレイク(RAKE)受信器内で使用するのに好適である。
参照により本明細書に組み込まれるUMTS標準(「3GPP Technical Specifications, Rel.99, http://www.3gpp.org/specs/specs.html」参照)に規定されているUMTS通信システムは、少なくとも基地局(BS)と、本書全体にわたってユーザ機器(UE)と称する移動電話端末とを備える。BSとUEは共に、送信器と受信器を含む。BSは、BS送信器によって、ダウンリンクでUE受信器に信号を送信する。UEは、UE送信器によって、アップリンクでBS受信器に信号を送信する。アップリンクおよびダウンリンク通信において、UEとBSは共に、送信すべきデータを論理チャネル内にマップする。
具体的には、UMTS標準は、ダウンリンク通信について2つの論理チャネル、すなわち、連続する一連の既知のパイロット・シンボルからなる、共通パイロット・チャネル(CPICH)と呼ばれる第1のチャネルと、専用物理チャネル(DPCH)と呼ばれる第2の論理チャネルとを提供する。前記第2の論理チャネルDPCHは、注目のユーザに対して意図された情報データ・シンボルを搬送する、専用物理データチャネル(DPDCH)と呼ばれる第1の論理サブチャネルが、既知のユーザ専用パイロット・シンボルを搬送する、専用物理制御チャネル(DPCCH)と呼ばれる第2の論理サブチャネルと共に時間多重されたものからなる。
送信ビーム形成をダウンリンク通信中にBS部で使用し、UE部での、論理チャネルDPDCH内にマップされたユーザ情報データの受信を改善することができる。BSは、送信ビーム形成を実行するために、複数のアンテナを備えることを必要とする。このようにして、注目のユーザの方向でビームを整形し、一方、他のユーザに対する干渉を緩和するために他のユーザ方向でヌルを設定することによって、最適な空間フィルタリングを実現することが可能である。したがって、送信ビーム形成の使用により、スペクトルの使用における効率が著しく改善される可能性があり、改善されたユーザ専用データ受信と干渉の低減のおかげで、多数のユーザが同じスペクトルを共用することができる。送信ビーム形成は、論理チャネルDPCHの送信のために使用されるが、すべてのユーザに対して時間と空間において(すなわち、すべての方向で)均一にブロードキャストすべき論理チャネルCPICH送信に適していない。UE受信器から見ると、論理チャネルDPCHの送信は、ビーム形成アンテナ・システムを含むBS送信器チェーンと、BSからUEへの実際の伝播チャネルと、UE受信器チェーンとのカスケードからなる、いわゆるDPCH伝播チャネルを介して行われる。論理チャネルCPICHと異なり、ダウンリンク送信は、ビーム形成アンテナ・システムの代わりに全方向性アンテナ・システムを含むBS送信器チェーンと、BSからUEへの実際の伝播チャネルと、受信器チェーンとのカスケードからなる、いわゆるCPICH伝播チャネルを介して行われる。簡潔にするために、本書全体にわたって、DPCHチャネルとCPICHチャネル、および上記のDPCH伝播チャネルとCPICH伝播チャネルがそれぞれ参照されることになる。UE受信器は、DPDCH内に含まれる情報データを復調、復号、回復するために、DPCHチャネルを推定することを必要とする。送信ビーム形成がない場合、(DPDCH論理チャネル、DPCCH論理チャネル、CPICH論理チャネルに割り振られた異なる送信電力による、影響力のない実数スカラ・ファクタ(uninfluential real scalar factor)まで)CPICHチャネルとDPCHチャネルは同じである。CPICH論理チャネルの既知のパイロット・シンボルの連続供給は、UE受信器部で使用することが容易であり、DPCHチャネルと同じであるCPICHチャネルを推定し、次いでこの推定をDPDCH情報データ回復に使用することができる。残念ながら、送信ビーム形成が適用されているとき、CPICH論理チャネルの既知のパイロットは依然としてCPICHチャネルについて推定値を提供するが、これらの推定値は、CPICHチャネルと異なるDPCHチャネルのためのチャネル推定値として直接適用することができない。したがって、UE受信器は、情報データを回復するために、異なる技法に依拠し、DPDCHチャネルを推定しなければならない。
したがって、本発明の目的は、論理チャネルDPCHおよびCPICHから使用可能な情報すべてを最適に利用し、一方、計算上の複雑さを制限する、送信ビーム形成がある場合のDPDCHチャネル推定のための方法、ならびに前記方法を実施する関連の推定器を提供することである。
この目的で、本発明の第1の目的によれば、特許請求の範囲第1項に記載されているように、送信ビーム形成がある場合に伝播チャネルを推定するための方法が提供される。
さらに、本発明の第2の目的によれば、特許請求の範囲第15項に記載されているように、送信ビーム形成がある場合に伝播チャネルを推定するための推定器が提供される。
本発明の第1の非限定的な実施形態では、本方法は、特許請求の範囲第2項に記載されているように特徴付けられる。
本発明の第2の非限定的な実施形態では、本方法は、特許請求の範囲第3項に記載されているように特徴付けられる。
本発明の第1の非限定的な実施形態では、本推定器は、特許請求の範囲第16項に記載されているように特徴付けられる。
本発明の第2の非限定的な実施形態では、本推定器は、特許請求の範囲第17項に記載されているように特徴付けられる。
後で詳しく説明するように、この方法は、UE部で使用可能なCPICH論理チャネル情報とDPCH論理チャネル情報を一緒に利用することにより、UE受信器が、DPCH送信に適用された送信ビーム形成に対処することを可能にする。本方法の第1の実施形態は、当業者に周知であるMAP(maximum-a-posteriori)基準に従ってこの情報を最適に利用し、上述のようにDPDCH伝播チャネル・マルチパス係数(multipath coefficients)を推定する。筆者らは、送信ビーム形成がある場合、DPCHチャネルの各マルチパス成分係数が、ビーム形成複素ファクタ(beamforming complex factor)とすでに呼ばれている未知の複素スケール・ファクタ(complex scale factor)だけCPICHチャネルの、対応するマルチパス成分係数と異なることを示す。本発明の第2の実施形態は、そのビーム形成複素ファクタの推定値を提供する。次いで、DPDCH伝播チャネルのマルチパス成分係数の推定値が、CPICHチャネルの各マルチパス成分係数推定値を関連の複素スケール・ファクタ推定値で乗算することによって構築される。このようにして、第1の方法に関して、かなりの計算の節約が可能である。さらに、CPICHチャネル推定値の使用は、前記CPICH論理チャネルの既知のパイロット・シンボルの連続供給のおかげで、UEの運動によって生成されるドップラー・スプレッドによる、時間に伴うチャネル変動を連続的に追跡することを可能にする。
本発明と、任意選択で使用し本発明を有利に実施することができる追加の特徴とは、以下述べられる図面から明らかであり、それらを参照して説明される。
1.導入
以下の説明では、本発明を不必要に不明瞭にすることになるため、当業者に周知の機能または構造について詳細に述べない。
本発明は、情報データがビーム形成システムを介して送信されたとき、通信システム内で伝播チャネルを推定するための方法および実施形態に関する。前記方法は、情報データが基地局BSからユーザ機器UE、本明細書では移動電話に送信されるとき、UMTS標準内で、レイク受信器内で実施するのに特に好適である。
UMTS標準は、ダウンリンク通信について2つの論理チャネル、すなわち、連続する一連の既知のパイロット・シンボルからなる、共通パイロット・チャネル(CPICH)と呼ばれる第1のチャネルと、専用物理チャネル(DPCH)と呼ばれる第2の論理チャネルとを提供する。前記第2の論理チャネルDPCHは、注目のユーザに対して意図された情報データを搬送する、専用物理データチャネル(DPDCH)と呼ばれる第1の論理サブチャネルが、既知のユーザ専用パイロット・シンボルを搬送する、専用物理制御チャネル(DPCCH)と呼ばれる第2の論理サブチャネルと共に時間多重されたものからなる。タイム・スロットごとにDPCHが割り振られる。すなわち、DPDCHデータ・フィールドと、それに続くDPCCHパイロット・フィールドが割り振られる。
送信ビーム形成をダウンリンク通信中に基地局部で使用し、UE部での、論理チャネルDPDCH内にマップされたユーザ情報データの受信を改善することができる。BSは、送信ビーム形成を実行するために、複数のアンテナを備えることを必要とする。このようにして、注目のユーザの方向でビームを整形し、一方、他のユーザに対する干渉を緩和するために他のユーザ方向でヌルを設定することによって、最適な空間フィルタリングを実現することが可能である。したがって、送信ビーム形成の使用により、スペクトルの使用における効率が著しく改善される可能性があり、改善されたユーザ専用データ受信と干渉の低減のおかげで、多数のユーザが同じスペクトルを共用することができる。送信ビーム形成は、論理チャネルDPCHの送信のために使用されるが、すべてのユーザに対して時間と空間において(すなわち、すべての方向で)均一にブロードキャストすべき論理チャネルCPICH送信に適していない。UE受信器から見ると、論理チャネルDPCHの送信は、ビーム形成アンテナ・システムを含むBS送信器チェーンと、BSからUEへの実際の伝播チャネルと、UE受信器チェーンとのカスケードからなる、いわゆるDPCHチャネルを介して行われる。それとは対照的に、論理チャネルCPICHは、ビーム形成アンテナ・システムの代わりに全方向性アンテナ・システムを含むBS送信器チェーンと、BSからUEへの実際の伝播チャネルと、受信器チェーンとのカスケードからなる、いわゆるCPICHチャネルを介して送信される。UE受信器は、DPDCH内に含まれる情報データを復調、復号、回復するために、DPCHチャネルを推定することを必要とする。送信ビーム形成がない場合、(DPDCH論理チャネル、DPCCH論理チャネル、CPICH論理チャネルに割り振られた異なる送信電力による実数スカラ・ファクタまで)CPICHチャネルとDPCHチャネルは同じである。CPICH論理チャネルの既知のパイロット・シンボルの連続供給は、UE受信器部で使用することが容易であり、DPCHチャネルと同じであるCPICHチャネルを推定し、次いでこの推定をDPDCH情報データ回復に使用することができる。残念ながら、送信ビーム形成が適用されているとき、CPICH論理チャネルの既知のパイロットは依然としてCPICHチャネルについて推定値を提供するが、これらの推定値は、DPCHチャネルがCPICHチャネルと異なるため、DPCHチャネルのためのチャネル推定値として直接適用することができない。
2.DS−CDMAでのデータ送受信に関する基礎
あるユーザ専用の情報を送信するために、ソース情報データは、ソース符号化技法により、バイナリ・アルファベット、すなわちビットに適正にマップされる。次いで、これらのビットは、送信中にあらゆる減損原因(雑音、干渉)から情報ビットを保護するために、好適なチャネル符号を使用することによってチャネル符号化される。次いで、チャネル符号化ビットは、ある種の変調方式(たとえば、当業者に周知のQPSK変調)に従ってシンボル内にビットをマップすることによって変調される。この場合、各シンボルは1つまたは複数のビットによって表される(QPSK変調では、各シンボルが2ビットによって表される)。次いで、DS−CDMAシステムでは、特定の拡散シーケンスでフィルタリングすることにより、前記シンボルが、より広い帯域幅にわたって拡散される。本書では、拡散シンボルがチップと呼ばれる。チップ周期(chip period)の持続時間は、拡散動作の帯域幅膨張率(expansion factor)にほぼ等しいファクタだけ、シンボル周期(symbol period)の持続時間より短いことに留意されたい。前記ファクタは、シンボル周期当たりのチップ数に等しく、拡散率と呼ばれる。数人のユーザが同じ帯域幅を共用するために、また、受信器が、ユーザ特有の拡散シーケンスについての知識に基づいて所望のユーザのシンボル・シーケンスを弁別し回復することができるように、異なるソースからの情報ビットを搬送するシンボル・シーケンスは、異なる拡散シーケンスで拡散される。次いで、得られたチップは、パルス波形(pulse-shape)フィルタ(UMTSの場合、ルートレイズド(root-raised)コサイン・フィルタ)によってフィルタリングされ、デジタル−アナログ(D/A)変換される。次いで、得られたアナログ信号は、無線周波数に変調され、BSアンテナ(群)によって送信される。同様に、送信ビーム形成が使用されているとき、pulse-shapeフィルタによってフィルタリングされたチップの同じシーケンスが、アンテナ特有の複素重みファクタで乗算された後、アンテナすべてに送られる。アンテナ特有の重みファクタは、いわゆるビーム形成重みベクトルにまとめることができる。前記ビーム形成重みベクトルの選択により、振幅および位相で表して、BSの多重アンテナ・システムの放射図の形状が決定される。アンテナから送信された信号は、BSアンテナからUE受信器アンテナへの実際の伝播チャネルを介して、いくつかの散乱、回折、反射現象を受ける。他のユーザや近隣のBSからの雑音や干渉がさらに、注目のUEにとって有用な信号を減損することの一因となる。UEアンテナ部で受信された無線周波数信号は、ベースバンド(または中間周波数IF)に復調され、デジタル・ベースバンド信号を生成するためにアナログ−デジタル(A/D)変換される。UE受信器は、注目のユーザに対して意図された有用な情報データを回復するために、このベースバンド信号を処理する。このために、受信器は、有用なデータの送信に関連する、送信器チェーン、実際のワイヤレス伝播チャネル、受信器チェーンのカスケードを、A/D変換まで推定することを必要とする。本書では、このカスケードが全体的に、単にチャネルと呼ばれる。以下では、上記動作が詳細に数学的に説明される。
3.信号およびチャネル・モデル
一般的なDS−CDMA信号およびチャネル・モデルが提供される。次いで、そのようなモデルは、UMTS CPICH信号およびチャネルならびにDPCH信号およびチャネルの具体的な場合に適用されることになる。
3.1.一般的な信号モデル
hインパルス応答h(t,τ)を有するマルチパス・チャネルを介した信号s(t)の送信の一般的な場合を考えてみる。受信器部でのA/D変換前の連続時間複素ベースバンド受信信号は、
y(t)=x(t)+v(t) (1)
としてモデル化され、上式で、x(t)は、有用なデータを含む受信信号の一部を表し、v(t)は、雑音プラス干渉項を示す。信号x(t)は、
Figure 0004440211
によって与えられる。上式で、h(t,τ)は、時変チャネル・インパルス応答を表し、
Figure 0004440211
は、送信器部でのD/A変換後の送信信号を表し、Tはチップ周期を示し、
Figure 0004440211
であり、Mは拡散率を示し、
Figure 0004440211
は、フローリング演算子を示す。さらに、s(n)は、n番目の変調シンボル(たとえば、QPSK)を表し、d(k)は、拡散シーケンスのk番目のチップを示し、ψ(t)は、システム帯域幅を制限するパルス波形フィルタを表す。このモデルは、参照により本明細書に組み込まれる標準UMTS、IMT−2000およびIS−95(「IMT-2000, http://www.imt-2000.org/portal/index.asp」参照)によって規定されるDS−CDMAシステムのような、いくつかの拡散レイヤを有するシステムによって使用することができる。
チャネルh(t,τ)は、「J.G.Proakis Digital Communications、ニューヨーク: McGraw-Hill、第3版、1995年」に述べられている、レイリー・フェージングとマルチパス応答を有するWSSUS(wide-sense stationary uncorrelated scattering)モデルに従うと仮定される。
Figure 0004440211
上式で、Pは、マルチパス成分の数を示し、c(t)およびτは、p番目のマルチパス成分に関連する時変複素係数および伝播遅延を示す。経路複素係数c(t)は、BSに対するUEの、また周囲の散乱物体(たとえば、建築物、また他の移動物体)の速度に応じて変わる。BSが、送信ビーム形成のためにQ本のアンテナを使用しているとき、(4)によって表現されたチャネル・モデルは、
Figure 0004440211
に一般化され、上式で、
− w=[w,...,wQ−1は、送信ビーム形成重みベクトルを示し、
− a(θ)=[a(θ),...,aQ−1(θ)]は、方向θでのアンテナ応答ベクトルを示す。
上付き(.)および(.)は、それぞれ転置およびエルミート転置を示す。実際の実施では、ベクトルwが一般に、多くてもスロット・レートで変わる可能性があるため、表記のために、時間に伴うその変動は、式(5)内で明示的に考慮されない。
式(4)および式(5)を調べることにより、タイム・スロット中に、送信ビーム形成は、複素ファクタwa(θ)だけ経路時変複素係数c(t)の大きさに影響を及ぼすだけであり、遅延τには影響を及ぼさないことに気付くことができる。換言すれば、チャネルの時間構造は、アンテナ応答ベクトルによっても、送信ビーム形成によっても影響を受けない。したがって、経路時変複素係数β(t)=wa(θ)c(t)およびc(t)は、前述のビーム形成複素ファクタを表す複素ファクタβ=wa(θ)まで、(4)および(5)の場合で共に同じである。したがって、(5)によるチャネル推定は、p=1,...,Pについて、遅延τの、また係数c(t)の、またβの推定値から構築することができる。
3.2.DPCHおよびCPICHのための受信信号モデル
次に、CPICHチャネルとDPCHチャネルが重畳されたUMTSの場合を考えて、先の一般チャネル・モデルをDPCHチャネルおよびCPICHチャネルに適用してみる。次いで、連続時間複素ベースバンド受信信号(1)は、
y(t)=xcpich(t)+xdpch(t)+v(t) (6)
として書き表すことができ、上式で、xcpich(t)およびxdpch(t)は、それぞれCPICHチャネルおよびDPCHチャネルに関連する信号成分であり、
Figure 0004440211
によって与えられ、上式で、
Figure 0004440211
であり、また、
Figure 0004440211
であり、上式で、
Figure 0004440211
− scpich(n)、sdpch(i)は、それぞれCPICHに関連するn番目の変調シンボル、DPCHに関連するi番目の変調シンボルを示し、dcpich(k)、ddpch(k)は、それぞれCPICH拡散シーケンスとDPCH拡散シーケンスのk番目のチップを示す。
3.3.所見
拡散率Mは、CPICH論理チャネルとDPCH論理チャネルについて同じでない可能性があることに留意されたい。UMTS標準では、CPICHは、256に等しい固定拡散率を有し、一方、DPCHは、集合{4、16、32、64、128、256、512}内の値を取ることができる拡散率を有する。
さらに、CPICHシンボルは、すべて同じ、すなわち、任意のnについてscpich(n)=A(1+j)であり、ただし、Aは、BSがCPICH論理チャネルに割り当てる電力を考慮して、実数振幅ファクタである。UE受信器部での、CPICHを含むシンボルについての事前(a-priori)知識を利用し、(4)によって表現されているようにチャネルhcpichを推定することができる。DPCHに対して送信ビーム形成がない場合にはhcpich=hdpchであり、その結果、CPICHシンボルに基づくそのような推定値は、受信器がDPCH上の所望のユーザの情報シンボルを回復するのに十分となる。これに対して、送信ビーム形成がDPCHに適用されている場合、CPICHシンボルについての事前知識により、依然として(4)によって表現されているようにチャネルhcpichを容易に推定することができるが、未知の係数βがあるためにhcpichと異なる、(5)によって表現されたDPCHに関連するチャネルhdpchを推定することはできない。したがって、DPDCHを介して送信された情報シンボルを回復するために必要なチャネルhdpchを推定するために、他の手法に対処することが必要である。
上記では、ベースバンド信号がA/D変換後に処理されるデジタル・ベースバンド受信器を暗黙に仮定している。換言すれば、(6)によって表された信号は、あらゆるベースバンド処理の前にA/D変換される。具体的には、UE受信器が離散時間レイク受信器であるものと考えている(参照により本明細書に組み込まれるJ.G.Proakis Digital Communications、ニューヨーク: McGraw-Hill、第3版、1995年参照)。しかし、本明細書で対処される方法は、チャネル推定に依拠するあらゆるタイプのベースバンド受信器に適用することができることに留意されたい。
4.チャネル推定
遅延τは、送信ビーム形成があることによって影響を受けないため、遅延は、通常の遅延推定/追跡技法(たとえば遅延ロック・ループ、参照により本明細書に組み込まれる、また、CPICHシンボルについての知識を利用するJ.G.Proakis Digital Communications、ニューヨーク: McGraw-Hill、第3版、1995年参照)によってすでに回復済みであると仮定し、チャネル経路係数c(t)およびβの推定に焦点を合わせる。これらの係数を推定するために、CPICHとDPCHを共に逆拡散した後で、レイク受信器の各フィンガ部の信号を考えてみる。
わかりやすくするために、処理を単一の経路/フィンガの場合に限定することにし、多重フィンガの場合は、それを簡単に一般化したものである。したがって、下付きpを落とし、以下、経路フェージング係数、または単に経路係数とも呼ばれる時変複素係数c(t)を示す。さらに、簡潔にするために、以下では、「channel estimation(チャネル推定)」と「channel estimate(チャネル推定)」をそれぞれチャネル経路係数推定(estimationおよびestimate)と呼ぶ。
さらに、第1の例では、やはり解析を、DPCH拡散率MがCPICHの拡散率と等しい場合に限定する。その解析を順に他の拡散率に一般化する。
さらに、前述の干渉および雑音項をモデル化することが必要とされる。具体的には、多重アクセス干渉は、異なるユーザの間の干渉や、DPCHの上のCPICHによる、かつ/または同じユーザ専用の異なるデータ・フローによる干渉から生じ、経路間(inter-path)干渉は、異なる遅延τの経路に関連するインパルス応答間の干渉によるものである。
干渉および雑音全体が、ゼロ平均複素円対称加法的白色ガウス雑音(AWGN)としてモデル化されると仮定すると、レイク・フィンガ部でのCPICH逆拡散信号およびDPCH逆拡散信号はそれぞれ、
cpich(n)=c(n)scpich(n)+vcpich(n)
dpch(n)=wa(θ)c(n)sdpch(n)+vdpch(n) (7)
によって与えられ、上式で、vdpch(n)およびvcpich(n)は、独立であるものと仮定して、それぞれDPCHおよびCPICHに関連する雑音プラス干渉項を示し、c(n)は、先にc(t)またはc(t)と示された経路時変複素係数のシンボル・レートでの離散時間表現であり、sdpch(n)およびscpich(n)は、シンボル時間nでの、それぞれDPCH論理チャネルおよびCPICH論理チャネルのシンボルを示す。CPICHチャネルおよびDPCHチャネルがシンボル時間nごとに変わる可能性があると、また、干渉および雑音をゼロ平均AWGNとしてモデル化することができると仮定して、次のように、シンボル時間nごとに、最尤(ML)静的瞬間(static instantaneous)チャネル推定を構築する。
Figure 0004440211
上式で、s(n)は、s(n)の複素共役されたものを示し、vcpich(n)およびvdpch(n)は、それぞれCPICHチャネルおよびDPCHチャネルに関連するAWGNを表し、ただし、一般性を失うことなしに、両チャネルのシンボルが、|sdpch(n)|=|scpich(n)|=1であるように正規化されると仮定した。推定値(8)を計算するために、送信されたシンボルS dpch(n)およびS cpich(n)を知ることが必要とされる。シンボルS cpich(n)は、受信器部ですべて既知である。DPCH内では、DPCCHを含む専用パイロット・シンボルS dpcch(n)だけ既知であるが、DPDCHを含むデータ・シンボルは既知でない。したがって、DPDCHシンボルS dpdch(n)が(8)内で使用される場合、最初に、たとえば直接判断(decision-direct)技法によってそれらを推定することが必要とされる。したがって、ML推定値(8)は、CPICHおよびDPCCHの場合について、事前に既知のパイロット・シンボルがあるときデータ支援(DA)の形で、また、DPDCHについて未知のデータ・シンボルがある場合、直接判断(DD)の形で、フィンガの出力部での観察値ycpichおよびydpchから形成される。DD手法は、パイロット・シンボルとして、レイク受信器出力部でDPDCHに対して行われる硬判定の使用を必要とする。したがって、(8)から、DPCCHの場合(DA)について、
Figure 0004440211
DPDCHの場合(DD)について
Figure 0004440211
が得られ、上式で、
Figure 0004440211
は、レイク受信器出力部で行われた硬判定として構築されたn番目のDPDCHシンボルの推定を表す。式(8)〜(10)は、以下で対処されるDPDCHチャネル推定アルゴリズムの導出のための根拠を表す。次の導出をサポートするために、CPICHチャネルおよびDPCHチャネルについての物理的挙動および関連モデルに関してさらに詳細が提供される。
4.1.CPICHおよびDPCHフェージング・チャネル・モデルの物理的解釈
UMTS W−CDMAシステムの大帯域幅により、BSからUEへのチャネルは、1組の離散マルチパス成分を含むものとしてモデル化することができる。具体的には、チャネル・インパルス応答を、式(4)および式(5)によって表現されているように有限個の独立したマルチパス成分の線形重畳として近似することが可能である。先に、マルチパス成分をも単にチャネル経路と称した。経路は、遅延と複素係数によって特徴付けられる。UE(および/または任意の他の散乱物体)がBSに対して運動中であるとき、各経路複素係数は、時間と共に変わる可能性がある。したがって、チャネル・インパルス応答全体もまた、式(4)および以下によって表現されているように、時間と共に変わる。この現象は、通信において送信器または受信器がもう一方に対して移動したとき生じるドップラー効果から、一般にドップラー・スプレッドと呼ばれる。チャネル・ドップラー・スプレッドは、チャネル・インパルス応答が変わるレートを、あるいは、チャネル経路に焦点を合わせて、経路複素係数が時間と共に変わるレートを表す。ドップラー・スプレッドは、BSに対するUEの速度と共に増大する。物理的に見て、CPICHチャネルの各経路は、同じ遅延τおよび同じドップラー・スプレッドを有するが異なる複素経路振幅、すなわち、式(4)および式(5)によれば、それぞれc(n)およびβc(n)を有するDPCHチャネル上の経路に対応する。次いで、ファクタβが一定である限り、CPICHチャネル経路とDPCHチャネル経路は、共にc(n)のレートで変わる、すなわち、同じドップラー・スプレッドを共用する。したがって、この2つの複素経路の振幅時間変動は同じであり、一方、ビーム形成重みベクトルwと、その経路の方向θに対応するアンテナ・アレイ応答a(θ)とのスカラ積によって決定されるビーム形成複素ファクタβだけ常に異なる。
4.2.最適結合MAP CPICH−DPCHベースのDPDCHチャネル推定
最適結合CPICH−DPCH MAP DPDCHチャネル推定問題は、参照により本明細書に組み込まれる「J.Baltersee、G.Fock、P.Schultz-Rittich、H. Meyr、「Performance analysis of phasor estimation algorithms for FDD-UMTS RAKE receiver」IEEE 6th Symp. on Spread Spectrum Techonologies and Applications、NJIT、ニュージャージー、2000年9月」で対処されている、より単純なCPICH MAPチャネル推定問題の直接拡張として公式化される。
MAP最適化基準の一般公式は、次の最適化問題に対応し、
Figure 0004440211
すなわち、
Figure 0004440211
は、(7)によって表現されている観察値ycpich(n)およびydpch(n)のベクトルyと、パイロット・シンボルscpich(n)およびsdpch(n)のベクトルsとが与えられると、c(k)の事後確率密度関数p(c(k)|y,s)を最大化する引数である。
最適MAP DPDCHチャネル推定は、概して、現実的なUE内での実装を実現可能にするにはあまりにも計算上の要求が多いが、それを導出することにより、さらにある種の最適基準に従って、DPDCHチャネルのための他の複雑さ低減型推定器のために適正なガイドラインが提供される。
チャネル経路がガウス複素ランダム・プロセス(Gaussian complex random process)であると仮定して、時刻kでの最大事後確率(MAP)DPDCHチャネル経路係数推定値は、m≠k、および式(8)〜(10)に従って定義された
Figure 0004440211
として、使用可能なML瞬間チャネル経路係数推定値
Figure 0004440211
すべてを含む観察列ベクトル
Figure 0004440211
が与えられると、
Figure 0004440211
の期待値
Figure 0004440211
による条件文によって与えられる。すなわち、
Figure 0004440211
式(11)は、式(8)〜(10)によるML推定値
Figure 0004440211
が、依然として、真のDPDCHチャネルcdpdch(k)=βc(k)によって与えられる平均と、雑音項vdpch(k)の分散によって与えられる分散を有するガウス複素ランダム変数であることを観察することによって単純に説明することができる。MAP推定を達成するために、
Figure 0004440211
の事後確率密度関数(すなわち、
Figure 0004440211
に調整された(conditioned)
Figure 0004440211
の確率密度関数)を最大化しなければならない。ガウス確率密度関数の最大には、分布の平均値に対応して達することが周知である。今後は、期待式(11)を取ることにより、条件付き確率密度関数が最大化され、MAPチャネル推定値が生じる。MAP最適チャネル推定(11)は、次のように1組の瞬間MLチャネル推定値(8)を低域フィルタリングすることによって構築することができることを示すことができる(たとえば、参照により本明細書に組み込まれるH.Meyr、M.Moeneclay、S.Fetchel、「Digital Communication Receivers: Synchronization, channel estimation and signal processing」John Wiley & Sons、ニューヨーク、1998年参照)。
Figure 0004440211
上式で、(12)内のf=[f(N−1)...f(0)]は、低域フィルタ係数のベクトルであり、N=Kcpich+Kdpchであり、KdpchおよびKcpichは、それぞれDPCH
Figure 0004440211
の、またCPICH
Figure 0004440211
の使用可能なML瞬間チャネル推定値の数である。チャネル経路がレイリー・フェージングであるという先の仮定の下で、MAPチャネル推定値を生じる最適なフィルタf=[f(N−1)...f(0)]は、
Figure 0004440211
によって与えられ、上式で、
Figure 0004440211
は、MLチャネル推定値の共分散行列を表し、
Figure 0004440211
は、時刻kでのMLチャネル推定値と真のDPDCHチャネルとの間の相互相関のベクトルを表す。
式(13)によって与えられる最適なフィルタfは、線形予測フィルタとしても知られる周知のウィナー・フィルタに対応する。ベクトル
Figure 0004440211
が、DPDCHチャネルcdpdch(k)に関して形態(8)〜(10)の、過去だけの、それとも将来だけの、それとも過去と将来両方のML瞬間チャネル推定値を含むかどうかに応じて、式(13)は、それぞれ前向き(forward)、後向き(backward)、または前向き−後向き線形予測フィルタを生じる。
最適線形予測フィルタfはまた、参照により本明細書に組み込まれるH.Meyr、M.Moeneclay、S.Fetchel、「Digital Communication Receivers: Synchronization, channel estimation and signal processing」John Wiley & Sons、ニューヨーク、1998年に非常に詳しく示されているように、ライス(Rice)フェージング・チャネルのより一般的な場合において容易に計算することができる。理論が、上記で示されているようにMAPチャネル推定の問題に対する最適解について閉じた式を示す事実にかかわらず、そのような最適な推定器の実際の実施には、実用UEアーキテクチャ内におけるその実現可能性を概して妨げるいくつかの複雑さ問題がある。次節では、MAPチャネル推定器の実装に対処する。この目的で、ウィナー・フィルタリング、線形予測、ならびに、フェージング・チャネル・モデルと共にMAPチャネル推定指向の適応およびLMSカルマン(LMS-Kalman)フィルタリングの概念に依拠するが、これらは当業者に周知であると考えられる。
4.2.1.最適DPDCH MAPチャネル推定の実施
最適結合CPICH-DPCH MAP DPDCHチャネル推定器を実用UE内に実装するために、最適ウィナーFIRフィルタ係数f=[f(N−1)...f(0)]が計算される。この計算が可能となるために、観察値
Figure 0004440211
の、また真のチャネルcdpdch(k)の統計がUE部で必要とされる。これらの量は、構造化されたチャネルおよび信号モデル、たとえばJakesのフェージング・モデル(参照により本明細書に組み込まれるJ.G.Proakis Digital Communications、ニューヨーク: McGraw-Hill、第3版、1995年参照)、ならびに、雑音および干渉項についてAWGNモデルを仮定して推定することができる。次いで、モデル・パラメータ、すなわち、ドップラー・スプレッド(またはBSに対するUE速度)、信号電力、および干渉プラス雑音電力スペクトル密度の推定が必要とされる。計算を節約するために、UEは、統計チャネル・モデルのパラメータの推定値に基づいて、1組の予め計算されたフィルタ係数から最適ウィナーFIRフィルタを選択することができる。残念ながら、パラメータ推定によって必要とされる複雑さを無視しても、この手法は実現不可能である。実際、記憶すべきフィルタ係数の数は、現実のUEのメモリ記憶容量に比べて圧倒的に多くなるはずである。最適に満たない解決策は、(シンボル持続時間に関して正規化された)最大の想定されるチャネル・ドップラー・スプレッドに対処することができる、縮小された1組のウィナー・フィルタを使用することからなるはずである。もはやドップラー・スプレッド推定に基づかず、信号対雑音プラス干渉比(SINR)推定だけに基づいて、様々なフィルタが選択されることになる。実際、ドップラー・スペクトルを推定することは、一般に、SINRを推定することよりはるかに困難である。さらに、SINR推定値は、閉ループ電力制御を実行するために、どうしても必要とされる。所与の拡散率について、最大ドップラー・スプレッドで情報損失が発生しないことを保証するために、これらのフィルタは、最も広い想定されるドップラー帯域幅に対処するように設計することを必要とする。この解決策は、低いドップラー・スプレッド(すなわち、低UE速度)および/または低拡散率で著しく最適に満たない性能を引き起こす。というのは、フィルタ帯域幅が、これらの場合にチャネル経路プロセスの帯域幅よりはるかに大きく、不十分な雑音抑圧に通じるからである。
代替の手法は、特定の統計モデルを仮定せずに、観察共分散行列
Figure 0004440211
およびチャネル自己相関シーケンス
Figure 0004440211
の構造化されない推定値を構築することからなる。そのような推定値が使用可能になった後で、
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
をそれらの推定値と置き換えることによって、式(13)に従って、線形予測フィルタfを構築することができる。実際には、
Figure 0004440211
の推定値を反転することの複雑さを回避するために、
Figure 0004440211
の逆数を直接推定することが、より好都合となるはずである。このために、いくつかの技法が本書で使用可能である。
既知のパイロットの、すなわち、DPCCHおよび/またはCPICHに関するものがある、あるいは、DPDCHに関してDD機構を介して行われた信頼性の高い硬判定が使用可能であるとき、より実用的な解決策は、十分なトレーニングによって、適応的な形でウィナー・フィルタ係数を直接推定することからなる。適応フィルタリングは、本来、短期および長期チャネル変動の追跡を実現する。予測フィルタの追跡および適応は、連続的な形で、または、たとえばスロットごとにFIR予測フィルタを適合させることによって、ブロックごとに実行することができる。
FIRウィナーFIR線形フィルタリングより複雑さの少ない手法は、線形予測器として1次IIR LMSカルマンを使用することからなる。IIRループ利得ファクタは、IIRフィルタを安定にするために1より小さくすることを必要とする。パラメトリック・チャネル統計モデルを仮定して、最適なループ利得ファクタが、依然として雑音プラス干渉項およびチャネル経路統計に依存することを示すことができる。さらに、参照により本明細書に組み込まれるJ.Baltersee、G.Fock、P.Schultz-Rittich、H. Meyr、「Performance analysis of phasor estimation algorithms for FDD-UMTS RAKE receiver」IEEE 6th Symp. on Spread Spectrum Techonologies and Applications、NJIT、ニュージャージー、2000年9月に示されているように、最適なループ利得は、高いドップラー・スプレッドおよび大きな拡散率のために1より小さくすることができない。したがって、安定にするために、LMSカルマン線形予測器は、これらの場合に、もはや最適とすることができない。しかし、LMSカルマン線形予測器は、依然として、低いUE移動性(222Hzより小さいドップラー・スプレッド)および小さい拡散率(128未満)のために最適な解決策である。
上記の考慮すべき点により、最適な予測フィルタの計算によって必要とされる複雑さの量を推定することができる。この複雑さは、現実のUE内でMAPチャネル推定器の実装を実現可能にするための大きな障害物を表し、その結果、他の、最適に満たないがあまり計算集約的でない解決策に対処することが必要とされる。式(11)によって表現されているMAP推定器内に期待演算子があることは、任意の最適に満たない推定器が、式(8)〜(10)によって表現されている瞬間MLチャネル推定値を低域フィルタリングすべきであることを示す。最適なウィナー・フィルタの代わりにMLチャネル推定値(8)〜(10)について最適に満たない低域フィルタを設計および実施する上では、最適なMAP推定器に対して、複雑さの除外と性能劣化の間で兼ね合いをとらなければならない。複雑さを著しく低減して、最も実用的な状況でほぼ最適な性能を達成するために、非常に単純な低域フィルタ構造を示すことができる。これらの考慮すべき点はすべて、実現可能なUEに好適なチャネル推定機構の実際上の設計についてのものである。先の導出の点から、筆者らは、複雑さが少ないが、依然としてほぼ最適なDPDCHチャネル推定アルゴリズムを紹介する。
4.3.結合CPICH−DPCHベースの複雑さの少ないDPDCHチャネル推定
3.1節では、CPICHおよびDPCHに関連するチャネル経路が、共通の構造を共用することを見てきた。具体的には、CPICHおよびDPCHに関連する両チャネルが、送信ビーム形成による前記ビーム形成複素ファクタβまで、同じように挙動することが示されている。チャネル経路すべてについての前記複素ファクタβの知識は、CPICHチャネルの推定値からDPDCHチャネルの推定値を構築することを可能にする。このようにして、DPDCH推定問題は、2つの同様な推定問題、すなわち1つはβの推定、もう1つはCPICHチャネルc(k)の推定に分かれる。完全な結合CPICH−DPCH MAP DPDCHチャネル推定問題に対して複雑さを著しく低減してCPICHチャネルc(k)を推定するために、最適なMAPチャネル推定を考えることができる。時刻kでの最適なMAP CPICHチャネル推定は、n≠kの場合、形態
Figure 0004440211
の使用可能なML瞬間CPICH推定値すべてが与えられると、ML瞬間CPICH推定の期待値
Figure 0004440211
によって与えられる。この問題に対する解は、(12)および(13)と同じ形態を有し、ただし、観察列ベクトル
Figure 0004440211
は、CPICH ML瞬間チャネル推定値(8)〜(10)だけを含み、DPCH ML瞬間チャネル推定値(8)〜(10)を含まないように再定義され、式(13)の相互相関ベクトルは、
Figure 0004440211
と再定義される。MAP CPICHチャネル推定器の詳細な導出は、前記参照文献J.Baltersee、G.Fock、P.Schultz-Rittich、H. Meyr、「Performance analysis of phasor estimation algorithms for FDD-UMTS RAKE receiver」IEEE 6th Symp. on Spread Spectrum Techonologies and Applications、NJIT、ニュージャージー、2000年9月に提供されている。4.3節で述べられているものと同様な考慮すべき点は、この場合にも当てはまる。UEが依然としてMAP CPICHチャネル推定の複雑さを受け入れることができない場合、最適な線形予測フィルタの代わりに、最適に満たない低域フィルタリングを採用することによって、より複雑さの少ない手法を追求することができる。以下では、推定に使用される低域フィルタにかかわらず、
Figure 0004440211
をCPICHチャネルの推定値と称する。CPICHチャネルc(k)の推定値
Figure 0004440211
と共に、UEは、前記複素ファクタβの推定値
Figure 0004440211
を計算し、
Figure 0004440211
としてDPDCHチャネルの推定値を構築しなければならない。この目的で、DPCCHパイロット・シンボルをDAの形で、かつ/または、DPDCHデータをDDの形でどちらも、式(8)〜(10)に従ってCPICHによって提供されるパイロット・シンボルと共に利用することができる、βのための最適なML推定器を導出することにする。
4.3.1.ビーム形成複素ファクタβの最尤推定
ファクタβについてML推定値を構築するために、DPCHとCPICH瞬間MLチャネル推定値間の相互相関の、また、CPICH瞬間MLチャネル推定値の自己相関のML推定値を構築することが必要とされる。このために、ML瞬間DPCHおよびCPICHチャネル推定の式(8)〜(10)に依拠することになる。DPCH−CPICH MLチャネル推定相互相関およびCPICH MLチャネル推定自己相関のための理論式は、それぞれ、
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
であり、上式で、以下で示されることになるように、相関ラグl≠0が、雑音抑圧のために選択される。式(8)より、
Figure 0004440211
が得られ、上式で、β=wa(θ)と示す。雑音項vcpich(n)およびvdpch(n)が、独立したゼロ平均加法的白色ガウス雑音であると仮定して、l≠0の場合、式(14)および(15)は、それぞれ、
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
に譲歩する。したがって、複素ファクタβは、
Figure 0004440211
によって容易に与えられる。実際の実施では、期待演算子E{.}を、相互相関および自己相関(14)および(15)についてそれぞれ推定値
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
を生じる実現可能な推定器によって置き換え、式(16)に従ってβのための推定値
Figure 0004440211
を構築することが必要とされる。φdc(l)およびφcc(l)について単純かつ有効な推定値は、サンプル時間平均、すなわち
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
によって与えられ、上式で、n=mは、平均(17)および(18)がそこから開始する時刻を示す。l>0の場合、Kcpich≧Kdpch+lであることが必要とされることに留意されたい。推定値(17)および(18)は一貫した推定値であり、一般にサンプル推定器として知られる。これらはまた、我々の場合のようにガウス観察値を仮定して、相互相関および自己相関(14)および(15)のML推定値であると知られている(本明細書に組み込まれる参照文献「B.Porat、Digital processing of random signals、Englewood Cliffs、ニュージャージー、Prentice-Hall、1994年」参照)。これらはまた、有限Kdpchについて偏った推定値であると知られており、Kdpchが無限に進むとき、漸近不偏、すなわち不偏となる。さらに、2つのML推定値の比が依然としてML推定値であることは周知である。したがって、βについてのML推定値は、
Figure 0004440211
によって与えられ、上式で、ラグlの依存性は、実用上使用可能な有限個のシンボルKdpchおよびKcpichによるものである。Kcpich=Kdpchおよびの場合、推定器(19)は、
Figure 0004440211
の形態を取ることに留意されたい。推定値(20)は、比Kcpich/Kdpchを計算する必要を回避するという利点を有し、したがって、一般推定器(19)に対して複雑さが低減される。推定器(20)の複雑さをさらに制限するために、式(10)に従ってDPDCHに関してML瞬間チャネル推定値を構築するためのDD機構の存在を回避することができる。この場合、DPCCHを含む既知のパイロット・シンボルだけを使用し、式(9)によって表現されているDPCCH ML瞬間チャネル推定値を形成することになり、Kdpch=Kdpcchとなるはずである。
式(16)は、任意のl≠0について当てはまるため、(19)および(20)によって表現されている
Figure 0004440211
は、任意のl≠0についてβのML推定値を表す。ML推定値の1次結合が依然としてML推定値であることもまた周知である。したがって、好ましい非限定的な実施形態では、βの推定値を改善するために、異なる相関ラグlでの相互相関および自己相関のML推定値の加重和、すなわち、
Figure 0004440211
を考えることができ、上式で、係数aおよびbは、各ML推定値
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
の(平均2乗誤差によって表現された)精度に従って選択される(B.Porat、「Digital processing of random signals」Englewood Cliffs、ニュージャージー、Prentice-Hall、1994年参照)。
さらに、推定器(17)および(18)は、第1の相関ラグ
Figure 0004440211
についてだけ漸近効率(asymptotically efficient)であり、ただし、
Figure 0004440211
は、ランダム・プロセス
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
の統計特性に依存する(すなわち、
Figure 0004440211
の場合、推定値内の分散は、漸近的にもクラメール・ラオの下限(Cramer-Rao lower bound)を達成せず、これは前記参照文献B.Porat、「Digital processing of random signals」Englewood Cliffs、ニュージャージー、Prentice-Hall、1994年で本明細書に示されているように、当業者に周知の概念である。
他の好ましい非限定的な実施形態では、次のML推定値の加重和を考えることができる。
Figure 0004440211
上式で、Kは、相互相関および自己相関(17)および(18)が推定される最大相関ラグを表す。推定器(21)と同様に、最適な重み係数γは、各ML推定値
Figure 0004440211
の(平均2乗誤差によって表現された)精度に基づいて計算することができる。実際には、γは、推定値
Figure 0004440211
の精度と共に上昇することになり、和(21)に対する最も精度の高い推定値の貢献を、より精度の低い推定値の貢献より顕著にする。推定器(21)と同様に、推定値
Figure 0004440211
の効率は、ラグlが増大するにつれて低下することになる。したがって、やはりこの推定器において、推定値
Figure 0004440211
を漸近効率とするために、最大ラグ
Figure 0004440211
を決定することができ(前記参照文献:B.Porat、「Digital processing of random signals」Englewood Cliffs、ニュージャージー、Prentice-Hall、1994年参照)、ただし、概して
Figure 0004440211
となるはずであることに注意する。最適な重み係数aおよびb、あるいは理論上の関心であるがγの導出は、現実的な実施に好適な、単純な閉じた式を可能にするには、あまりにも複雑なことになり、したがって、本発明の範囲を越えている。しかし、推定値
Figure 0004440211
の精度、ならびに推定値φdc(l)およびφcc(l)の精度は、概して相関ラグが増大するにつれて低下するため、係数γならびにaおよびbもそれに応じて低下することになることは示すことができる。
上記の考慮すべき点に照らして、最大の推定精度を有する最も複雑でないML推定器は、l=1を有する式(20)のものである。すなわち、
Figure 0004440211
推定器(23)もまた、それぞれ分子部と分母部で相互相関および自己相関を計算するために必要とされる遅延を最小限に抑え、複雑さと追加メモリ記憶の必要を削減する利点を有することに留意されたい。
4.3.2.ビーム形成ファクタ推定を改善および追跡するための実用手段
ビーム形成ファクタβがいくつかのスロット周期にわたって一定のままであることができる実際上の状況が存在する可能性がある。これは、BSが、経路角度θおよび経路の平均エネルギーに基づいてビーム形成重みベクトルwを最適化するとき発生する可能性がある。そのような場合には、これらの量は、いくつかのスロット周期にわたってほぼ一定のままであることができるため、BSはビーム形成重みベクトルwを修正しないことになり、その結果、p=1,...,Pの場合、ファクタβ=wa(θ)は、同じ時間の間、ほぼ一定のままとなる。このことを使用し、連続するスロット周期にわたって、すなわち、ファクタβが一定である周期にわたって計算された、固定ラグl≠0での相互相関および自己相関(17)および(18)の推定値を平均化/フィルタリングすることによって、推定値(19)〜(23)の精度を改善することができる。次いで、その平均化−フィルタリング動作を適正に実施するために、経路の角度が変化した、かつ/または、UEが平均化−フィルタ・メモリをリセット/初期化するためにBSがビーム形成重みベクトルwを修正したため、ビーム形成ファクタβが突然修正されたときはいつでも、UEに通知しなければならない。実際、平均化/フィルタ・メモリがリセットされない場合、UEは、古くなったビーム形成ファクタβに対応する相互相関および自己相関推定値(16)〜(17)を反映することになる。しかし、ビーム形成ファクタβの変動が緩慢な場合には、平均化−フィルタ・メモリをリセットする必要がない可能性があることに気付くことができる。実際、連続する相互相関および自己相関推定値(17)および(18)の適切なフィルタリングは、本来、ビーム形成ファクタβの緩慢な変動の追跡を行う。このために、筆者らは、適した忘却ファクタ(forgetting factor)を有する、複雑さの少ない1次低域IIRフィルタの実装を提案する(1次IIRフィルタリングは、当業者に周知である)。しかし、最終的には、BSが送信ビーム形成の突然の変化についてUEに通知するために、シグナリング・オーバーヘッドが必要である。考察中の標準、たとえばUMTSが、BSからUEへのそのようなシグナリングを想定していない場合、平均化フィルタを取り除かなければならない、あるいは、UEは、平均化フィルタ・メモリをリセットすべきかどうか判断するために、突然の変化が発生したかどうかを検出することができる追加機構を実装することを必要とする。そのような追加検出機構ならびに相互相関および自己相関平均化−フィルタは、明らかに、UE設計に影響を及ぼす可能性のある複雑さの増大という代価を払う。しかし、複雑さの制限により平均化−フィルタが実装されない場合、BSは、突然のビーム形成ファクタ変化をUEに伝える必要がなく、追加のネットワーク・オーバーヘッドが回避されることになる。次いで、UEは、先のスロット推定値から独立して、スロットごとにビーム形成ファクタの推定値を更新することになる。さらに、この場合には、送信ビーム形成があることから独立してさえも、UEがファクタβを推定し続けることができることを観察することができる。実際、BS部で送信ビーム形成が実行されないとき、βは、CPICHとDPCHの間の送信振幅オフセットを表す実数ファクタと同じになる。
4.3.3.様々なDPCHシンボル・レートでのDPDCHチャネル推定
これまでは、簡潔にするために、導出において、DPCHおよびCPICHが同じシンボル・レート(すなわち、シンボル当たり同数のチップ)を有するように、特定の例で、DPCHの拡散率が256に等しいと仮定してきた。しかし、前述のように、DPCHの拡散率は、その拡散率が常に256に固定されているCPICHのシンボル・レートとDPCHシンボル・レートが概して異なるように、集合{2、4、8、16、32、64、128、256、512}内の値を取ることができる。したがって、好ましい非限定的な実施形態では、瞬間MLチャネル推定値(8)〜(10)は、次のように一般化される。
Figure 0004440211
上式で、DPCH拡散率Mが与えられると、インデックスiは、Mチップを介して拡散されるi番目のDPCHシンボルに対応し、nは、256チップを介して常に拡散されるn番目のCPICHシンボルに対応する。次いで、どのCPICHシンボルも256/M DPCHシンボルに対応するので、先のアルゴリズムを使用するために、CPICHまたはDPCH MLチャネルを、他のチャネル推定値のシンボル・レートに合致するように内挿しなければならない。
さらに、ML瞬間チャネル推定値(8)〜(10)を導出する際に、CPICHチャネルとDPCHチャネルは共に、2つのチャネルのより長いシンボル周期にわたって一定であるものと暗黙に仮定され、すなわち、ドップラー・スプレッドは、注目の標準によって許される最も低いシンボル・レートより著しく低いと常に仮定される。筆者らは、UMTS標準の場合を考えることによって、この仮定が実用上当てはまることを手短に示す。実際、最も低いシンボル・レートは、拡散率が最大であるとき、すなわちM=512の場合に生じる。UMTS標準では、チップ・レートは、3.84MHzに固定されており(参照により本明細書に組み込まれる「3GPP Technical Specifications, Rel.99, http://www.3gpp.org/specs/specs.html」参照)、その結果、DPCHについて最も低いシンボル・レートは、3.84MHz/512=7.5kHzに等しくなる。UMTS標準はまた、UE速度が500km/時までとすることができるワイヤレス移動サービス、すなわち、上記の仮定を有効とするために依然として7.5kHzを大きく下回る、多くとも1kHzに等しいドップラー・スプレッドがある場合をサポートすることを想定している。次いで、好ましい非限定的な実施形態では、内挿が行われ、ML瞬間CPICHおよびDPCH推定値を、前記CPICHとDPCHの間で最も低いシンボル・レートに適合させる。具体的には、DPCH拡散率Mが256より小さいとき、CPICHシンボル・レートに対する内挿は、DPCH ML静的チャネル推定値を256/Mに等しいいくつかのシンボルに関して平均することによって得られ、一方、M=512のとき、CPICHのシンボル・レートより低いDPCHシンボル・レートとなり、平均は、2回の連続するML瞬間チャネル推定に関してCPICHに対して取られる。この実施形態は、推定雑音を着色しない利点を有する、すなわち、内挿後の雑音サンプルは依然として相関されず、その結果、式(16)は依然として当てはまることに気付くことができる。
4.4.DPDCHチャネル推定アルゴリズム
この節では、それぞれ4.2節および4.3節で導出された結合CPICH-DPCH MAP DPDCHチャネル推定アルゴリズム、ならびに結合CPICH−DPCH低複雑性DPDCHチャネル推定アルゴリズムの諸ステップについて要約する。
4.4.1.最適な結合DPCH−CPICH MAP DPDCHチャネル推定アルゴリズム
この節では、上述の最適な結合DPCH-CPICH MAP DPDCHチャネル推定アルゴリズムを実施する主な諸ステップを要約する。以下のステップは、(11)に従って最適なMAP DPDCH推定値を提供するために実施される。
1.式(8)〜(10)および一般化(23)に従って、ML瞬間CPICHおよびDPCHチャネル推定値
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
を計算する。
2.前記DPCHおよびCPICHの最も低いシンボル・レートに対して、上記で得られたML瞬間DPCHおよびCPICHチャネル推定値の内挿を実行する。すなわち、
・DPCH拡散率M<256の場合、CPICHシンボル・レートに合致するために、DPCH MLチャネル推定値が内挿され、
・DPCH拡散率M=512の場合、DPCHシンボル・レートに合致するために、CPICH MLチャネル推定値が内挿され、
・DPCH拡散率M=256の場合、内挿は必要とされない。
このように内挿されたML瞬間チャネル推定値が、ベクトル
Figure 0004440211
内で収集される。複雑さをさらに低減するために、推定値
Figure 0004440211
をDPCCHに関する推定値
Figure 0004440211
に制限し、DPDCHに関してパイロット・シンボル推定値を提供するために必要なDD機構の実装を回避する。ベクトル
Figure 0004440211
が形成される。
3.節4.3に述べられている技法の1つを実施することによって、式(13)に従って最適線形予測フィルタfを構築する。
4.ステップ3で得られたML瞬間チャネル推定値
Figure 0004440211
を、ステップ4で計算された線形予測フィルタを用いて、式(12)に従ってフィルタリングし、MAP DPDCHチャネル推定値
Figure 0004440211
を得る。
5.DPCH拡散率M<256の場合、上記のDPDCHチャネル推定値
Figure 0004440211
が、適正に使用されるDPCHシンボル・レートで内挿される。複雑さの最も少ない内挿技法は、M≦256の場合、推定
Figure 0004440211
を256/M回繰り返し、M=512の場合、2回の連続する推定
Figure 0004440211
に関して平均することからなる。一般的な好ましい実施形態では、より洗練された内挿技法(たとえば、線形内挿、2次内挿、スプライン内挿)を採用することができる。
6.レイク受信器フィンガに割り当てられた経路p=1,...,Pすべてについてステップ1から6を繰り返す。
4.4.2.結合CPICH−DPCH低複雑性DPDCHチャネル推定アルゴリズム
この節では、低複雑性結合CPICH−DPCH ML最適DPDCHチャネル推定アルゴリズムの主な諸ステップを要約する。以下のステップは、UE内で時間kでDPDCHチャネル
Figure 0004440211
を推定するために実施される。
1.式(8)〜(10)および一般化(23)に従って、ML瞬間CPICHおよびDPCHチャネル推定値
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
を計算する。
2.前記DPCHおよびCPICHの最も低いシンボル・レートに対して、上記で得られたML瞬間DPCHおよびCPICHチャネル推定値の内挿を実行する。すなわち、
・DPCH拡散率M<256の場合、CPICHシンボル・レートに合致するために、DPCH MLチャネル推定値が内挿され、
・DPCH拡散率M=512の場合、DPCHシンボル・レートに合致するために、CPICH MLチャネル推定値が内挿され、
・DPCH拡散率M=256の場合、内挿は必要とされない。
3.このように内挿されたML瞬間チャネル推定値が、l>0でベクトル
Figure 0004440211
内で収集される。我々の実施形態では、l=1およびKcpich=Kdpchを設定する。複雑さをさらに低減するために、推定値
Figure 0004440211
をDPCCHに関する推定値
Figure 0004440211
に制限し、DPDCHに関してパイロット・シンボル推定値を提供するために必要なDD機構の実装を回避する。
4.形態(17)および(18)の、ラグl>0でのCPICH自己相関およびDPCH CPICH相互相関、すなわち
Figure 0004440211
および
Figure 0004440211
を構築する。
5.ビーム形成複素ファクタβのML推定値を、
Figure 0004440211
として構築し、ただし、式(23)に従ってl=1を設定する。
6.ML CPICH瞬間チャネル推定値
Figure 0004440211
を適切に低域フィルタリングすることによって、真のCPICHチャネルccpich(k)の正確な(たとえば、MAP)CPICHチャネル推定値
Figure 0004440211
を構築する。推定フィルタの複雑さを低減するために、低域フィルタリングのためにML CPICH瞬間チャネル推定値のベクトル
Figure 0004440211
の一部だけ考えることができる。
7.真のDPDCHチャネルのDPDCHチャネル推定値
Figure 0004440211

Figure 0004440211
として構築する。
8.DPCH拡散率M<256の場合、上記のDPDCHチャネル推定値
Figure 0004440211
が、適正に使用されるDPCHシンボル・レートで内挿される。上述のように、複雑さの最も少ない内挿技法は、M≦256の場合、推定
Figure 0004440211
を256/M回繰り返し、M=512の場合、2回の連続する推定
Figure 0004440211
に関して平均することからなる。一般的な好ましい実施形態では、より洗練された内挿技法(たとえば、線形内挿、2次内挿、スプライン内挿)を採用することができる。
9.レイク受信器フィンガに割り当てられた経路p=1,...,Pすべてについてステップ1から8を繰り返す。
非限定的な好ましい実施形態では、ステップ6のCPICHマルチパス係数の推定は、たとえば、(参照により本明細書に組み込まれる)J.Bsltersee、G.Fock、P.Schultz-Rittich、and H. Meyr、「Performance analysis of phasor estimation algorithms for FDD-UMTS RAKE receiver」IEEE 6th Symp. on Spread Spectrum Techonologies and Applications、NJIT、ニュージャージー、2000年9月に述べられているように、線形予測によって行われる。
4.4.3.DPCCHベースのDPDCHチャネル推定に対する関係
一部の著者(たとえば、http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_17で入手可能な、参照により本明細書に組み込まれる「TSG RAN WG4 meeting #17、R4-010594 Ericsson、Dedicated Pilots、2001年5月」「TSG RAN WG4 meeting #17、R4-010528 Nokia、Proposal for user-specific beamforming for UTRA FDD、2001年5月」およびその中の参照を参照)が、送信ビーム形成がある場合のDPDCHチャネル推定の問題に対処している。主に、これらの著者は、送信ビーム形成によってDPCHだけ影響を受けるため、これらの状況下では、DPCHチャネルから使用可能な情報だけDPDCHチャネル推定に使用すべきであると結論している。具体的には、複雑さの制限によりDD DPDCH MLチャネル推定値を使用することができないとき、DPCCHパイロット・シンボルの事前知識を利用するだけでDPDCHチャネル推定を実行することを推奨している。それが実行可能であるとき、CPICHとDPCCHの両方から使用可能な情報を利用することによる、本明細書に述べられているアルゴリズムには、DPCCHパイロットに基づくだけのDPDCHチャネル推定に対して2つの大きな利点があることに気付くことになる。第1に、DPCCHによって提供されるパイロット・シンボルが乏しいことにより(スロット・フォーマットに応じて1から最大16、本明細書に組み込まれる参照文献「3GPP Technical Specifications, Rel.99, http://www.3gpp.org/specs/specs.html」参照)、十分な雑音/干渉抑圧を欠くため、DPDCHチャネル推定の精度が制限される。第2に、上述のように、DPCHタイムスロット内では、DPCCHパイロット・シンボルは、CPICHパイロット・シンボルのように連続的に送信されず、DPDCHを含む未知のデータ・シンボルと時間多重される。高いドップラー・スプレッドがある場合、すなわち、高いUE速度では、DPCHタイムスロットのそのような構造は、連続的に送信されるCPICHパイロット・シンボルもまた利用されない限り、DPDCH周期中のように既知のパイロット・シンボルがない間にチャネル経路係数cdpdch(k)を推定するという問題を提起する可能性がある。実際、ドップラー・スプレッドがスロット・レートと比較して非常に低い場合、チャネルcdpdch(k)は、スロット周期内で非常に緩慢に変化し、その周期全体にわたってほぼ一定と考えることができる。したがって、DPCCHに関して提供されたチャネル推定値は、DPDCH周期全体に対して有効と考えることができる。換言すれば、DPDCHチャネル推定値をスロット・レートより高いレートで更新する実用上の必要はない。これに反して、ドップラー・スプレッドがスロット・レートと同程度の大きさのもの、あるいはより大きなものである場合、DPDCHチャネルがスロット周期全体にわたってほぼ一定であるという仮定は、もはや有効でない。たとえば、UMTS標準を参照すると、スロットは、1.5kHzのスロット・レートを生じる2560チップ周期を含み、一方、極端な場合の下では、システムは、1kHzまでのドップラー・スプレッドに対処することが仮定されている。したがって、そのような場合には、DPCCHに関して推定されたチャネルが、連続するDPDCH周期全体について真のチャネルcdpdch(k)の有効な近似と考えることはできない。これらの状況下では、内挿および予測技法に頼るか、やはり、既知のパイロット・シンボルの2つの連続するDPCCHバースト間でDPDCH周期全体にわたって適切なレートでチャネル推定値を更新するために、DPDCHデータ・シンボルに対して行われた硬判定を既知のパイロットとして使用し、チャネル推定値を更新する、前述のものに似たDD機構を実装するべきである。チャネル推定値のためのそのような追跡機構を含むDPDCHチャネル推定器は、あまりにも計算上の要求が多く実現可能でない可能性が高い。したがって、DPCCH論理チャネルがスロット当たり単一のパイロット・シンボルだけからなるときなど、ある実際の状況下では、そのような手法は、明らかに不十分な性能をもたらすことになる。結合CPICH−DPCH MAP DPDCHチャネル推定アルゴリズムは、実際のドップラー・スプレッドとDPCCHの既知のパイロット・シンボルの数とに予測フィルタを適合させて、使用可能な情報全体に基づいて、暗黙に真のDPDCHチャネルの予測を実行するので、この問題に対する解決策を表す。また、同様に、本明細書で提案されている第2の複雑さの少ないアルゴリズムは、本来、DPCCH論理チャネルとCPICH論理チャネル両方の上に既知のパイロット・シンボルがあることを利用し、ドップラー・スプレッドが高くても、DPDCHチャネル変動の追跡を可能にする。しかし、後者のアルゴリズムの結果は、実際の実施から見て、必要とされる複雑さが少なく、ほぼ最適な性能により、より魅力的なものである。実際、第2のDPDCHチャネル推定アルゴリズムは、その複雑さの最も少ない例でさえも、DPCCHおよびCPICH使用可能情報(すなわち、使用可能な知己のパイロット・シンボルすべて)を共に反映して、ビーム形成複素ファクタβの推定値
Figure 0004440211
を構築し、推定されたファクタ
Figure 0004440211
を、CPICHパイロット・シンボルに依拠して計算されたチャネル推定値
Figure 0004440211
で乗算することによって、DPDCHチャネルの最新推定値を提供する。CPICHチャネルの上の既知のパイロット・シンボルの連続供給は、UEによって利用することが容易であり、CPICHチャネル推定値
Figure 0004440211
を連続的に更新することによって、チャネル経路係数c(k)のドップラー・スプレッドによる変動を追跡することができる。DPDCHチャネルの追跡は、本来、積
Figure 0004440211
として得られる。最後に、我々の第2のアルゴリズム内では、DPCCHパイロットは、DPDCHチャネル推定値を計算するために直接使用されず、ファクタβの推定値を計算するためだけに使用される。必要な場合、および/または、UEが、行われた複雑さ増大に関する硬判定を受け入れることができる場合、DPDCHをパイロット・シンボルとして使用し、上記で導出された式によって表されるようにβの推定値を改善することができる。
4.4.4.アルゴリズムの使用限界(working limitations)
任意の移動通信システムにおいて通信をセットアップするために、移動端末UEは、電源投入時に、ネットワークを聴取し、通信事業者、そのUEが通信を開始するBS、必要とされるサービスのタイプなどに関するいくつかのパラメータを獲得することを必要とする。有用なデータ送信の前に、UEはまず、BSを獲得するために、ある種の同期手順を実行しなければならない。移動端末UE部で受信器としてレイクを実装するのに好適なDS−CDMAシステムの一般的な枠組み内では、他のパラメータおよび時間参照推定値と共に、やはり時間遅延τの推定値と、注目のBSからのチャネル・インパルス応答を含む経路に関連する平均エネルギーとを提供する予備同期段階が存在する。UMTS標準では、移動端末UEは、一般に、CPICHを利用することによって、経路と平均エネルギー両方の遅延を推定する。これらの推定値に基づいて、当業者に周知であるように、レイク受信器フィンガを適正にセットアップすることができる。上述の本発明の方法によれば、受信器が、同期機構の期間中に、経路を検出し、CPICH上の関連遅延を推定することができるとき、複素振幅は異なるが、同じ遅延で対応する経路がDPCH上に存在することを、暗黙に仮定している。見てきたように、この仮定により、複雑さが少なく、良好な性能と高い柔軟性を有するDPDCHチャネル推定アルゴリズムを導出することができ、送信ビーム形成がある場合のDPDCHチャネル推定の問題に対処することができた。
上記の点から、ある状況下では、経路に関連するエネルギーが、CPICHチャネル全体にわたって高く、DPCHチャネル全体にわたってかなり低くなる可能性があることに留意されたい。具体的には、経路は、同期機構によってCPICHチャネルの上で検出されるように十分強くすることができ、一方、DPCHチャネルの上では非常に弱く検出されない。これに反して、DPCHチャネル上で有意な有用信号エネルギーを搬送する経路は、実際には、CPICHチャネル上で検出不能であり、したがって、CPICHチャネルだけに基づいて動作する同期機構によって検出可能でないことが起こる可能性がある。第1の場合は、非常に小さい大きさのβの推定値に通じることになる。したがって、上述のアルゴリズムは、依然として適正に動作することになり、レイク受信器は、対応するDPCHチャネル経路のエネルギーが非常に小さくなったとき、単にフィンガを落とすことになる。第2の場合は、CPICHチャネルだけに基づいて動作する同期機構によって提供される情報を利用する方法がないはずであるため、はるかにクリティカルである。これらの状況下では、2つのDPDCHチャネル推定アルゴリズムのどちらかが適正に動作するはずであり、最初に、DPCCHに基づく同期機構を実装することによってDPCHチャネルに関連する経路を探索するべきである。そのようなさらなる同期機構は、いくつかの実時間管理の複雑さと共に著しい複雑さ増大を伴うことになり、先に見てきたように、スロット当たり限られた数のDPCCHパイロット・シンボルにより不十分な性能に通じる可能性が高いことになる。
5.DPDCHチャネル推定器アーキテクチャ
この節では、前述のDPDCHチャネル推定アルゴリズムを実装するためのアーキテクチャ概要を提供する。
5.1.最適結合DPCH−CPICH MAP DPDCHチャネル推定アルゴリズム・アーキテクチャ
図3は、0節に述べられているステップ1〜5によって要約されたアルゴリズムを使用する、提案されているDPDCHチャネル推定器を備えるレイク受信器を実装するための概略アーキテクチャを表す。具体的には、図3は、以下を備えるレイク受信器の単一フィンガの一部分について述べている。
・注目のフィンガに割り当てられた経路に関連する遅延を補償する、DELAY_RECOVERと示された遅延回復ブロック。
・DESCRAMBと示されたスクランブル解除ブロック。
・CPICH_DESPREADと示されたCPICHチャネルに関連するCPICH逆拡散ブロック。
・DPCH_DESPREADと示されたDPCHチャネルに関連するDPCH逆拡散ブロック。
・n番目のCPICHパイロット・シンボルによって変調を除去する、CPICH_DEROTと示されたCPICHシンボル・デローテーション・ブロック。
・現行のDPCHスロット・フォーマットに従って、DPCCHを含むパイロット・シンボルを回復するための、また、復号すべきDPDCHを含むデータ・シンボルを分離するための、DEMUXと示されたデマルチプレクサ・ブロック。
・i番目のDPCCHパイロット・シンボルによって変調を除去する、DPCCH_DEROTと示されたDPCCHシンボル・デローテーション・ブロック。
・1つはINTERP1と示されたCPICHのための、またもう1つはINTERP2と示されたDPCHのための2つの内挿ブロック。第1の内挿ブロックINTERP1は、DPCH拡散率M=512のとき動作可能にされる。第2の内挿ブロックINTERP2は、DPCH拡散率M<256のときだけ動作可能にされる。M=256のとき、どの内挿ブロックも動作可能にされない(4.4.1節ステップ2参照)。
・L個のCPICHシンボル周期の遅延を含み、4.4.1節のステップ4に従って推定値
Figure 0004440211
を提供する、DPDCH_MAP_CH_ESTと示された結合CPICH−DPCH MAP DPDCHチャネル推定低域フィルタ。
・MAP DPDCHチャネル推定値
Figure 0004440211
をDPDCHデータ・シンボルと時間的に位置合わせするために必要な、DELAYと示されたL(256/M)DPCHシンボル周期の遅延ライン。
・4.4.1節のステップ5に従って、CPICHシンボル・レートでの推定値をDPCHシンボル・レートに適合させるための、INTERP3と示された内挿ブロック。
・当業者に周知であるように、レイク・コンバイナにとって必要な、ブロックINTERP3の出力部でDPCHシンボル・レートに内挿した後でMAP DPDCHチャネル推定値の複素共役を計算する、CMPLX_CNJと示されたブロック。
・時間で位置合わせされたDPDCHシンボルと、対応する複素共役DPDCHチャネル推定値との積を計算する、DPDCH_CHEST_DATA_MULTと示された乗算器ブロック。次いで、積の結果は、RAKE_COMBINERと示されたレイク受信器コンバイナに送られる。
図3に示されているスキームは、レイク・フィンガすべてについて複製される。各フィンガの乗算器ブロックDPDCH_CHEST_DATA_MULTの出力は、レイク・コンバイナRAKE_COMBINERによって合計され、当業者に周知であるように、レイク受信器の出力を形成する。
実際には、好ましい実施形態では、複雑さと性能の兼ね合いによってこの目的のために適正な解決策となることが示されているように、内挿ブロックINTERP1、INTERP2、INTERP3すべてを実装するために、最近隣内挿が採用されることになる。最近隣内挿は、複雑さの最も少ない内挿法である。最近隣内挿は、実際に、より洗練された内挿技法で得られるものより高い信号歪みという代価を払って複雑さを除外する。しかし、その内挿法によって生じる信号歪みの実際量は、信号、干渉、雑音レベルの実用範囲のための雑音および干渉を著しく下回ることを示すことができる。したがって、最近隣内挿による追加の信号歪みは、実際には、受信器性能に影響を及ぼさないような雑音および干渉の作用と比較して無視することができる。
5.2.結合CPICH−DPCH低複雑性DPDCHチャネル推定アルゴリズム・アーキテクチャ
図4は、4.4.2節に述べられているステップ1〜8によって要約されたアルゴリズムを使用する、提案されているDPDCHチャネル推定器を備えるレイク受信器を実装するための概略アーキテクチャを表す。具体的には、図4は、以下を備えるレイク受信器の単一フィンガの一部分について述べている。
・注目のフィンガに割り当てられた経路に関連する遅延を補償する、DELAY_RECOVERと示された遅延回復ブロック。
・DESCRAMBと示されたスクランブル解除ブロック。
・CPICH_DESPREADと示されたCPICHチャネルに関連するCPICH逆拡散ブロック。
・DPCH_DESPREADと示されたDPCHチャネルに関連するDPCH逆拡散ブロック。
・n番目のCPICHパイロット・シンボルによって変調を除去する、CPICH_DEROTと示されたCPICHシンボル・デローテーション・ブロック。
・現行のDPCHスロット・フォーマットに従って、DPCCHを含むパイロット・シンボルを回復するための、また、復号すべきDPDCHを含むデータ・シンボルを分離するための、DEMUXと示されたデマルチプレクサ・ブロック。
・i番目のDPCCHパイロット・シンボルによって変調を除去する、DPCCH_DEROTと示されたDPCCHシンボル・デローテーション・ブロック。
・L個のCPICHシンボル周期の遅延を含み、4.4.2節のステップ6に従って推定値
Figure 0004440211
を提供する、CPICH_CH_ESTと示された結合CPICHチャネル推定器低域フィルタ。
・1つはINTERP1と示されたCPICHのための、またもう1つはINTERP2と示されたDPCHのための2つの内挿ブロックを備える、ビーム形成ファクタβの実際の推定器。第1の内挿ブロックINTERP1は、DPCH拡散率M=512のとき動作可能にされる。第2の内挿ブロックINTERP2は、DPCH拡散率M<256のときだけ動作可能にされる。M=256のとき、どの内挿ブロックも動作可能にされない。4.4.2節ステップ2参照。
・CPICHチャネル推定値
Figure 0004440211
をビーム形成ファクタβの最新推定値
Figure 0004440211
と時間的に位置合わせするために必要な、DELAY1と示されたL CPICHシンボル周期の遅延ライン。
・CPICHチャネル推定値
Figure 0004440211
をDPDCHデータ・シンボルと時間的に位置合わせするために必要な、DELAY2と示されたL(256/M)DPCHシンボル周期の遅延ライン。
・UEが、ビーム形成ファクタβが一定のままであることを認識しているとき動作可能にされる、DPCH−CPICH相互相関推定値のための、LPF1と示された低域フィルタと、CPICH自己相関のための、LPF2と示されたLPF。LPFメモリは、UEが、(BSからのシグナリングを介して、またはUE内に実装された適切な検出機構を介して)ビーム形成複素ファクタが突然変化したことを検出したときリセットされる。UEがビーム形成複素ファクタの突然の変化を検出するための手段を有していない場合、フィルタLPF1とLPF2は共に使用されない。
・積
Figure 0004440211
を計算する、BETA_CPICH_CH_EST_MULTと示された乗算器。
・4.4.2節のステップ8に従って、ステップ7で得られたCPICHシンボル・レート
Figure 0004440211
での推定値をDPCHシンボル・レートに適合させるための、INTERP3と示された内挿ブロック。
・当業者に周知であるように、レイク・コンバイナにとって必要な、ブロックINTERP3の出力部でDPCHシンボル・レートに内挿した後でDPDCHチャネル推定値の複素共役を計算する、CMPLX_CNJと示されたブロック。
・時間で位置合わせされたDPDCHシンボルと、対応する複素共役DPDCHチャネル推定値との積を計算する、DPDCH_CHEST_DATA_MULTと示された乗算器ブロック。次いで、積の結果は、RAKE_COMBINERと示されたレイク受信器コンバイナに送られる。
図4に示されているスキームは、レイク・フィンガすべてについて複製される。各フィンガの乗算器ブロックDPDCH_CHEST_DATA_MULTの出力は、レイク・コンバイナRAKE_COMBINERによって合計され、当業者に周知であるように、レイク受信器の出力を形成する。
実際には、好ましい実施形態では、やはりこの場合でも、複雑さと性能の兼ね合いによってこの目的のために適正な解決策となることが示されているように、内挿ブロックINTERP1、INTERP2、INTERP3すべてを実装するために、最近隣内挿が採用されることになる。実際、結合CPICH−DPCH MAP DPDCHチャネル推定アルゴリズムについて0節で行われた最近隣内挿についての同じ考察が、結合CPICH−DPCH低複雑性DPDCHチャネル推定アルゴリズムの場合にも当てはまる。
6.結びの所見
本発明は、前述の実施形態および変形形態に限定されず、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の精神および範囲から逸脱することなしに修正を加えることができることを理解されたい。この点で、以下で結びを述べる。
本発明は、前述のUMTS応用例に限定されないことを理解されたい。本発明は、通信標準が、2つの論理チャネル、すなわち、移動端末UE部で既知のシンボルまたは信号波形を含む共通パイロット・チャネルと、未知のデータ・シンボルを、また好ましい、しかし限定しない実施形態では、専用の既知のパイロット・シンボルまたは信号波形をも含む専用チャネルとがあることを想定しているDS−CDMAのどの応用例の中でも使用することができる。
本発明は、移動端末UEが送信ビーム形成を使用するとき、移動端末UEから基地局BSへのアップリンク通信において適用することができることを理解されたい。
本発明による方法は、前述の実施に限定されないことを理解されたい。ハードウェアまたはソフトウェアの単一のアイテムがいくつかの機能を実施することができるならば、ハードウェアまたはソフトウェアの諸アイテム、あるいはその両方を用いて本発明による方法の機能を実施する多数の方法がある。機能を実行するハードウェアまたはソフトウェアあるいは両方の諸アイテムのアセンブリを除外しない。たとえば、本発明による送信ビーム形成の場合のチャネル推定の方法を修正することなしに、アルゴリズム・ステップ同士を組み合わせ、したがって単一の機能を形成することができる。
そのようなハードウェアまたはソフトウェア・アイテムは、それぞれ、有線電子回路によって、または適切にプログラムされた集積回路によってなど、いくつかの形で実施することができる。集積回路は、コンピュータ内に、または移動通信ハンドセット内に、または基地局内に、または任意の他の通信システム・デバイス内に容れることができる受信器の一部とすべきである。前記受信器は、あるタイプの通信サービスをサポートするために必要な動作(すなわち、スクランブル解除、逆拡散などの動作)すべてを行うように適合された受信器の手段を備え、前記手段は、上述のようなハードウェアまたはソフトウェア・アイテムである。同様に、受信器内の第1の推定器は、前述のように、ステップ1およびステップ3のML瞬間推定を行うように適合された最尤推定手段と、ステップ2におけるようにレート合致を行うように適合された内挿手段と、ステップ4のDPDCH推定を行うように適合された最適なMAP DPDCHチャネル・マルチパス係数推定手段と、ステップ5におけるようにレート合致を行うように適合された内挿手段とを備え、前記手段は、上述のようなハードウェアまたはソフトウェア・アイテムである。同様に、受信器内の第2の推定器は、前述のように、ステップ1およびステップ3のML瞬間推定を行うように適合された最尤推定手段と、ステップ2におけるようにレート合致を行うように適合された内挿手段と、ステップ4の相関推定を行うように適合された相互推定手段と、ステップ5のファクタ複素推定を行うように適合されたビーム形成複素ファクタ推定手段と、ステップ6のCPICHマルチパス係数推定を行うように適合された第1のマルチパス係数推定手段と、ステップ7のDPDCHマルチパス係数推定を行うように適合された第2のマルチパス係数推定手段と、ステップ8におけるようにレート合致を行うように適合された内挿手段とを備え、前記手段は、上述のようなハードウェアまたはソフトウェア・アイテムである。当然ながら、上述のように、前記手段は、機能を実行するハードウェアまたはソフトウェアあるいは両方の諸アイテムのアセンブリとすることも、いくつかの機能を実行する単一のアイテムとすることもできる。
集積回路は、1組の命令を備える。したがって、たとえばコンピュータ・プログラミング・メモリ内に、または独立した受信器メモリ内に含まれる前記1組の命令は、推定方法の様々なステップをコンピュータまたは受信器に実行させることができる。
その組の命令は、たとえばディスクなど、データ・キャリアを読み取ることによってプログラミング・メモリ内にロードすることができる。また、サービス・プロバイダは、たとえばインターネットなど、通信ネットワークを介してその組の命令を使用可能にすることができる。
以下の特許請求の範囲内の参照符号は、その請求項を限定するものと解釈すべきでない。動詞「to comprise(含む、備える)」とその活用の使用は、任意の請求項に規定されているもの以外に任意の他のステップまたは要素があることを除外しないことは自明であろう。要素またはステップに先行する冠詞「a」または「an」は、複数のそのような要素またはステップがあることを除外しない。
本発明によるDPDCHチャネル推定のための前記第1の方法の主な諸ステップを示す図である。 本発明によるDPDCHチャネル推定のための前記第2の方法の主な諸ステップを示す図である。 図1の本発明によるDPDCHチャネル推定のための第1の方法を実施するアーキテクチャ図である。 図2の本発明によるDPDCHチャネル推定のための第2の方法を実施するアーキテクチャ図である。

Claims (18)

  1. WSSUS(uncorrelated-scattering wide-sense stationary)モデルに従って有限個の離散マルチパス成分(p=1,...,P)の線形重畳としてモデル化される第1および第2の伝搬チャネル群を評価する方法であって、
    前記マルチパス成分のそれぞれが、時変複素係数および遅延によって記述され
    前記第1の伝搬チャネルは、共通のパイロットチャネル(CPICH)と関連づけられ、
    前記共通のパイロットチャネルは、いずれのビーム形成もなしに送信され、
    前記第1の伝搬チャネルの評価は、前記共通のパイロットチャネルを表し時変マルチパス複素係数c (t)と遅延τpを計算するのに用いられるパイロットに基づいており、
    前記第2の伝搬チャネルは、ビーム形成を行う専用の物理チャネル(DPCH)に関連づけられる方法において、
    前記時変マルチパス複素係数c (t)と遅延τpは、前記第2の伝搬チャネルを評価するためにも用いられ、
    前記第2の伝搬チャネルの評価は、複素係数β を用いて、β (t)と遅延τpの計算から導き出されることを特徴とする方法。
  2. 第1および第2の論理チャネルの構造を反映し、対応する伝搬チャネル群の共通構造に基づく、送信ビーム形成がある場合に伝搬チャネルを推定するための方法であって、前記第2の論理チャネルが2つのサブチャネルを含み、前記伝搬チャネル群が、WSSUS(uncorrelated-scattering wide-sense stationary)モデルに従って有限個の離散マルチパス成分(p=1,...,P)の線形重畳としてモデル化され、前記マルチパス成分が、時変マルチパス複素係数および遅延をパラメータとして含む方法において、
    1.第2チャネルおよび第1チャネル瞬間最尤MLチャネル・マルチパス複素係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )を構築するステップと、
    2.上記で得られたML瞬間第2および第1チャネル・マルチパス複素係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )の、前記第2および第1論理チャネルの最も低いシンボル・レートに対する内挿を行うステップと、
    3.結合第2および第1チャネルMAP(maximum-a-posteriori)基準に従って最適な線形予測フィルタを計算するステップと、
    4.MAP第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を得るために、ステップ2で得られた内挿済みML瞬間第2および第1チャネル・マルチパス複素係数推定値を、前記最適な線形予測フィルタでフィルタリングするステップと、
    5.第2論理チャネルシンボル・レートが第1論理チャネルシンボル・レートより低いとき、前記MAP第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を前記第2論理チャネルシンボル・レートに内挿するステップとを介して、MAP(maximum-a-posteriori)最適化基準に従って各マルチパス成分(p=1,...,P)複素係数(β(t))の推定値を提供し、前記論理チャネルおよび対応する伝播チャネルに関連する使用可能な情報全体を反映し、ステップ1からステップ5が、マルチパス成分(p=1,...,P)複素係数(β(t))すべてについて繰り返されることを特徴とする方法
  3. 第1および第2の論理チャネルの構造を反映し、対応する伝搬チャネル群の共通構造に基づく、送信ビーム形成がある場合に伝搬チャネルを推定するための方法であって、前記第2の論理チャネルが2つのサブチャネルを含み、前記伝搬チャネル群が、WSSUS(uncorrelated-scattering wide-sense stationary)モデルに従って有限個の離散マルチパス成分(p=1,...,P)の線形重畳としてモデル化され、前記マルチパス成分が、時変マルチパス複素係数および遅延をパラメータとして含む方法において、
    前記伝播チャネルが第1サブチャネルに対応、以下の処理ステップ、すなわち、
    1.前記第2の論理チャネルおよび第1の論理チャネルチャネル瞬間最尤MLチャネル・マルチパス複素係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )を構築するステップと、
    2.前記ML瞬間第1および第2の論理チャネル・マルチパス複素係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )の、前記第2および第1論理チャネルの最も低いシンボル・レートに対する内挿を行うステップと、
    3.前記第1の論理チャネルマルチパス係数(ccpich(k))の最適なMAP(maximum-a-posteriori)推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するステップと、
    4.雑音抑圧のためにゼロでない相関ラグ(l≠0)で、ステップ2で得られた前記第1と第2の論理チャネルマルチパス係数瞬間最尤推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )間の相互相関の推定値(
    Figure 0004440211
    )を、また、ステップ1および2のチャネルのマルチパス係数瞬間最尤推定値(
    Figure 0004440211
    )同士の間の自己相関の推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するステップと、
    5.前記相互相関および自己相関推定値からビーム形成複素ファクタ(β)の推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するステップと、
    6.ステップ3で得られた推定値(
    Figure 0004440211
    )とステップ5で得られた推定値(
    Figure 0004440211
    )の積として、第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するステップと、
    7.第2論理チャネルシンボル・レートが第1論理チャネルシンボル・レートより低いとき、前記第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を前記第2論理チャネル・シンボル・レートに内挿するステップとを介して、前記論理チャネルおよび対応する伝播チャネルに関連する使用可能な情報全体を反映する各マルチパス成分(p=1,...,P)複素係数の推定値を提供し、ステップ1からステップ7が、マルチパス成分(p=1,...,P)複素係数(β(t))すべてについて繰り返されることを特徴とする方法。
  4. 第1論理チャネル最尤チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )が、前記第1論理チャネルを形成するいくつかのパイロット・シンボルの事前知識に基づいて計算されることを特徴とする、請求項2および3に記載の方法。
  5. 第2サブチャネルに関係する第2論理チャネル最尤チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )が、前記第2サブチャネルを形成するパイロット・シンボルの事前知識に基づいて計算されることを特徴とする、請求項2および3に記載の方法。
  6. 第1サブチャネルに関係する第2論理チャネル最尤チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )が、直接判断機構によって計算されることを特徴とする、請求項2および3に記載の方法。
  7. ステップ2の内挿が、最近隣内挿によって行われることを特徴とする、請求項2および3に記載の方法。
  8. 結合第2および第1チャネルMAP(maximum-a-posteriori)第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )によって最適を提供するために、前記第1および第2論理チャネルに関係する内挿済み最尤チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )に基づいて、MAP(maximum-a-posteriori)最適化基準に従って最適線形予測フィルタが構築されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  9. 第2の対応する伝播チャネルおよび第1の対応する伝播チャネル相互相関の最尤推定値(
    Figure 0004440211
    )と、第1の対応する伝播チャネル自己相関の最尤推定値(
    Figure 0004440211
    )とが、ステップ1および2の第1および第2チャネル最尤推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )のサンプル・モーメント(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )に基づいて計算されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  10. 異なる相関ラグ(l=1,2,...,L)での、第2論理チャネルおよび第1論理チャネルの対応する伝播チャネル相互相関と第1論理チャネルの対応する伝播チャネル自己相関最尤推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )とが、1次結合される(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )ことを特徴とする前記複素ビーム形成ファクタ(β)の推定値の計算のための、請求項3に記載の方法。
  11. 第2論理チャネルおよび第1論理チャネル相互相関と、第1論理チャネル自己相関連続推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )が、固定ラグで取られ、前記複素ファクタ(β)の推定値の計算のために低域フィルタリングされることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  12. 前記複素ファクタ(β)の推定値が、あるラグでの、第2論理チャネルおよび第1論理チャネルの対応する伝播チャネル相互相関と第1論理チャネルの対応する伝播チャネル自己相関推定値との比として計算されたビーム形成複素ファクタ推定値の1次結合として構築される、すなわち、l=1,2,...,Kで(
    Figure 0004440211
    )であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  13. 前記複素ファクタ(β)の推定値が、1に等しいラグに制限されることを特徴とする、請求項10、11、または12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の前記方法を使用する受信器。
  15. WSSUS(uncorrelated-scattering wide-sense stationary)モデルに従って有限個(p=1,...,P)の離散マルチパス成分の線形重畳としてモデル化される第1および第2の伝搬チャネル群を評価する推定器であって、
    前記マルチパス成分のそれぞれが、時変複素係数および遅延によって記述され
    前記第1の伝搬チャネルは、共通のパイロットチャネル(CPICH)と関連づけられ、
    前記共通のパイロットチャネルは、いずれのビーム形成もなしに送信され、
    前記第1の伝搬チャネルの評価は、前記共通のパイロットチャネルを表し時変マルチパス複素係数c (t)と遅延τpを計算するのに用いられるパイロットに基づいており、
    前記第2の伝搬チャネルは、ビーム形成を行う専用の物理チャネル(DPCH)に関連づけられる推定器において、
    前記時変マルチパス複素係数c (t)と遅延τpは、前記第2の伝搬チャネルを評価するためにも用いられ、
    前記第2の伝搬チャネルの評価は、複素係数β を用いて、β (t)と遅延τpの計算から導き出されることを特徴とする推定器。
  16. 前記伝播チャネルが第1サブチャネルに対応すること、および、
    第2および第1論理チャネルの対応する伝播チャネル瞬間最尤MLチャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )を構築する手段と、
    上記で得られたML瞬間第2および第1論理チャネルの対応する伝播チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )の、前記第2および第1論理チャネルの最も低いシンボル・レートに対する内挿を行うための手段と、
    結合第2および第1チャネルMAP(maximum-a-posteriori)基準に従って最適な線形予測フィルタを構築するための手段と、
    ステップ2で得られた内挿済みML瞬間第2および第1論理チャネルの対応する伝播チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )と共に、前記最適な線形予測フィルタでフィルタリングすることによって、第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するための手段と、
    第2論理チャネルシンボル・レートが第1論理チャネルシンボル・レートより低いとき、前記第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を前記第2論理チャネル・シンボル・レートに内挿するための手段とを備えることを特徴とする、送信ビーム形成がある場合に伝播チャネルを推定するための請求項15に記載の推定器。
  17. 前記伝播チャネルが第1サブチャネルに対応すること、および、
    第2および第1論理チャネルの対応する伝播チャネル瞬間最尤MLチャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )を構築するための手段と、
    上記で得られたML瞬間第2および第1論理チャネルの対応する伝播チャネル・マルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )の、前記第2および第1論理チャネルの最も低いシンボル・レートに対する内挿を行うための手段と、
    第1論理チャネルマルチパス係数(ccpich(k))の最適なMAP(maximum-a-posteriori)推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するための手段と、
    雑音抑圧のためにゼロでない相関ラグ(l≠0)で、請求項3のステップ1および2の、第1と第2論理チャネルの対応する伝播チャネル・マルチパス係数瞬間最尤推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )間の相互相関(
    Figure 0004440211
    )の推定値(
    Figure 0004440211
    )を、また、第1論理チャネルの対応する伝播チャネル・マルチパス係数瞬間最尤推定値(
    Figure 0004440211
    )同士の間の自己相関(
    Figure 0004440211
    )の推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築するための手段と、
    前記相互相関および自己相関推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )からビーム形成複素ファクタ(β)を推定するための手段と、
    第1チャネルマルチパス係数の最適なMAP(maximum-a-posteriori)推定値(
    Figure 0004440211
    )と相互相関および自己相関推定値(
    Figure 0004440211
    および
    Figure 0004440211
    )の積として、第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を構築する手段と、
    第2論理チャネルシンボル・レートが第1論理チャネルシンボル・レートより低いとき、前記第1サブチャネルマルチパス係数推定値(
    Figure 0004440211
    )を前記第2論理チャネル・シンボル・レートに内挿する手段とを備えることを特徴とする、送信ビーム形成がある場合に伝播チャネルを推定するための請求項15に記載の推定器。
  18. 請求項15に記載の推定器を備える受信器。
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