JP4440024B2 - トラクタ装着型フロントローダ - Google Patents
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Description
前記トラクタは前内部にラジエータ等の車両機器が配置されているため、それを覆うボンネットは前上部でも高い位置にあって、上面形状が略水平に近くなっており、前記ブームは作業具を地上に置いて作業具装着体で装着する際のマスト側の基部から中途部までの上縁が下向き傾斜している。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたトラクタ装着型フロントローダを提供することを目的とする。
本発明は、作業具を地上に置いて作業具装着体で装着する際のブームの下向き傾斜の上縁を見るオペレータの下向き視線の延長上に、作業具装着体の上端部を近接配置することにより、オペレータはブームに妨害されることなく作業具装着体による作業具装着ができるトラクタ装着型フロントローダを提供することを目的とする。
第1に、ボンネット2の左右側方でマスト3上端から前方へブーム4を突出し、このブーム4の先端に作業具5を背面から装着する作業具装着体6を枢支し、この作業具装着体6を作業具シリンダ8を介してダンプ・掬い可能にしたトラクタ装着型フロントローダにおいて、
前記作業具5を地上に置いて作業具装着体6で装着する際に運転席11のオペレータ12がブーム4のマスト3側の基部4aから中途部4bまでの下向き傾斜の上縁4Aを見る下向き視線13の延長上に、前記作業具装着体6の上端部6aを近接配置していることである。
第2に、後上部2aから前上部2bへ次第に下向き傾斜した前記ボンネット2の上面形状に対して、前記作業具5を地上に置いて作業具装着体6で装着する際の前記ブーム4の下向き傾斜の上縁4Aに略沿わせていることである。
第3に、前記ブーム4のマスト3側の基部4aは、ブーム4の上下幅方向の中心線23より上側にオフセットしてマスト3の上端に枢支する基軸24を配置していることである。
これによって、ブーム4のマスト3側の基部4aの強度を維持しながら、ブーム4の基部4aから中途部4bまでの下向き傾斜の上縁4Aがより低くなり、作業具装着体6をより見易くできる。
これによって、インジケータロッド21のマーク部21Aの位置で作業具5の角度を目視で知ることができ、ローダ作業が容易になる。
図1において、トラクタ1の前部にフロントローダ9を装着し、後部にバックホー10を装着したTLBを示している。
図1〜6において、前記トラクタ1は、エンジン14にクラッチハウジング35及びミッションケース36を連結して走行車体を形成し、エンジン14から前方へ前車軸フレーム15を突出して前車軸ケース37及び前輪終減速装置38等を介して前輪39を支持し、ミッションケース36から左右に突出した後車軸ケース40を介して後輪41を支持している。
前記エンジン14及び前車軸フレーム15の後部から後車軸ケース40にかけて、走行車体の側部に前部から後部にかけて装着枠体47が着脱自在に固定されており、前記バックホー10は3点リンク手段42を離脱させた状態で、装着枠体47の後部に装着されており、図1には、機枠48とその上の前記作業操縦部45のみを図示している。
前記装着枠体47は左右分離構造でもよく、例えば、マスト支持台53を立設した左右一対のパイプ材製の横部材49の内端(走行車体側端部)に装着部材50を前後突出状に溶着し、この装着部材50の前方突出部分を前車軸フレーム15にボルト固定し、装着部材50の後方突出部分を走行車体の前後中途部(走行車体の側面を形成する側フレーム)にボルト固定する。
前記マスト3とブーム4との間にはブームシリンダ54が設けられていて、ブーム4を昇降自在にしており、ブーム4の先端側と作業具装着体6とにはそれぞれリンク7A、7Bが設けられていて、両リンクA、7Bの端部は連結ピン20によって互いに連結され、この連結ピン20とブーム4の中途部との間には作業具シリンダ8が設けられていて、作業具(バケット)5をダンプ・掬い動作可能にしている。
図3、6において、前記前車軸フレーム15の先端には、前車軸フレーム15の下縁に略沿うように取付け台57が固着されており、この取付け台57上にラジエータ26及びステー58が装着されている。
前記ステー58が取付け台57に略垂直に立設されているのに対して、ラジエータ26は上部26bが下部26aより後方に位置する後傾斜姿勢に配置されており、垂直に立設する場合よりも上端が低く配置されている。
ステー58の上端はラジエータ26の上端より前側でかつ低く位置しており、ステー58から後上方へ突出したブラケット59がラジエータ26の左右側上部に連結され、ラジエータ26を支持している。また、前記ステー58の前部にはオイルクーラ60が装着されている。
エアークリーナ29のエアー取り入れホース29Aはラジエータ26の上方を越えて前方へ延設されており、前記エアークリーナ29の前下方にはリザーブタンク61が配置されており、これらエアー取り入れホース29A及びリザーブタンク61もエアークリーナ29の上端より低く配置され、トラクタ1の前上部の車両機器の嵩を前方へ行くに従ってより低くしている。
前記ボンネット2は天部2Aが前面グリル部2B及び左右側部2Cと別個に形成されており、天部2Aの後上部は前記支持枠56に横軸68を介して枢支され、前部は前記ステー58の上部に設けた受け部材65に受けられている。
前記前面グリル部2Bは天部2Aの前下方に位置し、天部2Aと側面視略L字状になるように配置され、前記ステー58、取付け台57等に対して取付けられ、左右各側部2Cの上部は天部2Aの中途部から後上部にかけて対応し、前縁は前面グリル部2Bに接続され、後部は前記支持枠56等に取付けられており、前面グリル部2Bと左右側部2Cとは多孔部分を有して通風可能になっている。
前面グリル部2Bは下部(ボンネット2の前下部2c)が前車軸フレーム15に対して上下方向にオーバラップする位置に配置されており、前面グリル部2Bの上部(ボンネット2の前上部2b)はラジエータ26及びステー58の上端より下位に位置し、ボンネット2の前上部は前車軸フレーム15とオーバラップさせた分だけ下げられている。従って、ボンネット2の天部2Aの上面先端はラジエータ26の上端より低くなっている。
前記ボンネット2の前方にはフロントガード(フロントプロテクタ)16が配置されている。このフロントガード16はボンネット2の前方に配置されたガード部16Aと、このガード部16Aの下部を前車軸フレーム15の前部に装着するアーム部16Bとを有する。
前記左右側材62はアーム部16Bの中途部が前後部より低くなった略コ字形状であり、後部が前車軸フレーム15にボルト固定されている。即ち、アーム部16Bは前車軸フレーム15の前部から一旦下向きに突出し、その端部から前方に突出して前面グリル部2Bの下方を通過し、ボンネット2の前下部2cの前方で立ち上がってガード部16Aに接続されており、前面グリル部2Bが前車軸フレーム15に対してオーバラップしているので、それを回避するように前面グリル部2Bの後方から下方を通って前方へ延設されている。
前記フロントガード16は、図2に示すように、前記上板材64の前縁中央が、オペレータ12がボンネット2の天部2Aの上面先端を見る下向き視線13の延長位置に位置しており、オペレータ12が上板材64の前縁中央を見るとき天部2Aが障害にならない位置付けとなっている。
なお、ボンネット2の天部2Aは前後方向において中高形状であるばかりか、左右方向においても中高形状であり、天部2Aの左右側縁は円弧に面取りされているので、天部2Aの中央より左右側部の方が下向き視線13はより下向きとなる。
前記作業具装着体6の上端部6aの左右方向中央を見る目線が、図1、2に1点鎖線で示す下向き視線13であり、上端部6aの左右方向両端を見る目線が、図1、2に2点鎖線で示す下向き視線13であり、前記1点鎖線及び2点鎖線で示す両方の下向き視線13で作業具装着体6の上端部6aを目認できることが最良であるが、2点鎖線の下向き視線13で略目認できればよい。但し、オペレータ12の目の高さは、背丈が異なれば変化し、オペレータ12が運転席11から腰を浮かせて変化させることもできる。
略への字のブーム4は、従来よりも中央の屈曲角が小さく、直線状に近い形状となっており、それによって基部4aから中途部4bまでの上縁形状4Aを下向き傾斜させ、下向き視線13に略沿うようになっている。
図7、8において、前記ブーム4側のリンク7Aと作業具装着体6側のリンク7Bと作業具シリンダ8とを連結する連結ピン20に作業具角度表示用インジケータロッド21の先端が連結されている。このインジケータロッド21の中途部を案内する案内具22はブーム4の中途部に設けられており、前記インジケータロッド21の中途部に案内具22との相対位置を検出するマーク部21Aが形成されている。
マーク部21Aが案内具22と同位置にあるとき作業具5の底面は略水平になっており、マーク部21Aが案内具22より前方位置にあるとき作業具5がダンプ状態であることを示し、マーク部21Aが案内具22より後方位置にあるとき作業具5が掬い状態であることを示す。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜8に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、後部にバックホー10を装着していないフロントローダ装置のトラクタにも適用でき、マスト3をマスト支持台53と一体成形して、フロントローダ9を装着枠体47から着脱できない一体物に構成してもよい。
装着枠体47は横部材49とその前後に突出した部材で形成し、エンジン14の後部とミッション36の前部とを連結するものでもよい。
2 ボンネット
3 マスト
4 ブーム
4A 上縁
4a 基部
4b 中途部
5 作業具(バケット)
6 作業具装着体
6a 上端部
7 リンク
8 作業具シリンダ
9 フロントローダ
11 運転席
12 オペレータ
13 下向き視線
21 インジケータロッド
21A マーク部
22 案内具
23 中心線
24 基軸
Claims (4)
- 上面形状が左右方向中高形状でかつ後上部(2a)から前上部(2b)へ次第に下向き傾斜したボンネット(2)の左右側方でマスト(3)上端から前方へブーム(4)を突出し、このブーム(4)の先端に上端部(6a)の左右両端がブーム(4)より左右方向外方に位置していて作業具(5)を背面から着脱自在に装着する作業具装着体(6)を枢支し、この作業具装着体(6)を作業具シリンダ(8)を介してダンプ・掬い可能にしたトラクタ装着型フロントローダにおいて、
前記ボンネット(2)内にラジエータ(26)が配置され、このラジエータ(26)の下部と前記ボンネット(2)の前下部(2c)とが前車軸フレーム(15)に対して上下方向にオーバラップしており、
前記作業具(5)を地上に置いて作業具装着体(6)で装着する際に運転席(11)のオペレータ(12)がボンネット(2)の天部(2A)の左右側縁の上方を通過しかつブーム(4)のマスト(3)側の基部(4a)から中途部(4b)までの下向き傾斜の上縁(4A)を見る下向き視線(13)の延長上に、作業具(5)を装着する際の前記作業具装着体(6)の上端部(6a)の左右両端を近接配置しており、
前記作業具(5)を装着する際の前記ブーム(4)の下向き傾斜の上縁(4A)を前記ボンネット(2)の上面に略沿わせていることを特徴とするトラクタ装着型フロントローダ。 - 前記作業具(5)を地上に置いて作業具装着体(6)で装着する際に運転席(11)のオペレータ(12)がボンネット(2)の天部(2A)の左右方向中央を通る下向き視線(13)の延長上に、作業具(5)を装着する際の前記作業具装着体(6)の上端部(6a)の左右方向中央を近接配置していることを特徴とする請求項1に記載のトラクタ装着型フロントローダ。
- 前記ブーム(4)のマスト(3)側の基部(4a)は、ブーム(4)の上下幅方向の中心線(23)より上側にオフセットしてマスト(3)の上端に枢支する基軸(24)を配置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトラクタ装着型フロントローダ。
- 前記ブーム(4)側のリンク(7A)と作業具装着体(6)側のリンク(7B)と作業
具シリンダ(8)とを連結する連結ピン(20)に作業具角度表示用インジケータロッド(21)の先端を連結し、このインジケータロッド(21)の中途部を案内する案内具(22)をブーム(4)に設け、前記インジケータロッド(21)の中途部に案内具(22)との相対位置を検出するマーク部(21A)を形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトラクタ装着型フロントローダ。
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