JP4439996B2 - 車両用フロントガラス及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、上端に帯状に着色された遮光部が形成された部分があり、該遮光部が形成された部分に可視光を検出する光学センサが設置されており、光学センサの感度が一定で、正確な透過光の変化量の検知を行うことができる車両用フロントガラス、及び、該車両用フロントガラスの製造方法に関する。
近年、自動車等の車両用フロントガラスとして、光学センサを用いて降雨を検知し、ワイ
パーを自動的に動かす装置や、トンネルに進入したこと等を検知して自動的にヘッドライ
トの点灯、消灯を行う装置が備え付けられたものが種々提案されている。このような光学
センサは、従来、自動車内部のダッシュボードの上面に設置されることが多かった。
しかし、このような光学センサは、フロントガラスから入射した可視光の受光量の変化を
検出することで雨滴の存在等を検知する装置であるため、ダッシュボードの上面に設置さ
れていると、光学センサの検出素子の受光領域とフロントガラスとの間に空間があるため
、可視光の受光量の変化を精度よく検知することができないという問題があった。
これに対して、フロントガラスの車内側に光学センサを設置した例がある。この場合、光
学センサとフロントガラスとの間に空間が存在しないため、可視光の受光量の変化をより
正確に検知することができる。
ところが、自動車のフロントガラスは、通常、意匠上の理由等から曲面形状を有している
。このような曲面形状を有するフロントガラスに直接光学センサを設置する場合、強固に
設置できること;設置作業が容易であること;フロントガラスの曲率と光学センサの曲率
とが合うこと;光学センサの検出素子の受光領域がちょうどフロントガラスと対向するこ
とと等を考慮すると、その設置位置は必然的に所定の範囲に制限されるものであった。
ところで、自動車のフロントガラスには、日光をある程度遮断して光の透過率を低くする
目的で、その上端に帯状の遮光部が形成されたものがある。このような遮光部が形成され
たフロントガラスに直接光学センサを設置する場合、上述の設置位置の制限により、光学
センサの設置位置は、遮光部が形成された部分と重なるものであった。
このようなフロントガラスに形成された遮光部の可視光透過率は、通常、フロントガラス
の遮光部以外の部分との境界から上端に向けて連続的に低くなるように形成されていた。
これは、遮光部とそれ以外との境界が明確に視認できる状態であると、運転者の視線が遮
光部の境界に集中しやすく、自動車を運転する際の安全性を害するおそれがあるからであ
る。
しかし、このような遮光部は、可視光透過率の変化率が大きく、このような遮光部が形成
された部分に光学センサを設置すると、光学センサの検出素子の受光領域内で可視光透過
率にばらつきが生じて光学センサの感度が一定せず、正確な透過光の変化量を検知できな
いという問題があった。
本発明は、上記現状に鑑み、上端に帯状に着色された遮光部が形成された部分があり、該遮光部が形成された部分に可視光を検出する光学センサが設置されており、光学センサの感度が一定で、正確な透過光の変化量の検知を行うことができる車両用フロントガラス、及び、該車両用フロントガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用フロントガラスは、少なくとも一対のガラス板の間に、上端に帯状に着色された遮光部が形成された合わせガラス用中間膜が介在された合わせガラス構造を有、前記遮光部が形成された部分の透過光を検知する検出素子を有する光学センサを設置するための受光予定領域を有するフロントガラスを備え、前記遮光部が形成された部分以外の部分の可視光透過率は85%を超えるものであり、前記遮光部が形成された部分は、下端から上端に向けて可視光透過率が低くなっており、前記受光予定領域に対応する前記遮光部が形成された部分の可視光透過率の変化率は、10%/mm以内であり、光学センサの検出素子の受光領域が前記受光予定領域に位置するように、前記フロントガラスの前記遮光部と対向する位置に設置されており、前記遮光部が形成された部分の透過光を検知する検出素子を有する光学センサをさらに備える。以下に本発明を詳述する。
本発明の車両用フロントガラスは、少なくとも一対のガラス板の間に、上端に帯状に着色
された遮光部が形成された合わせガラス用中間膜が介在された合わせガラス構造を有する

このような合わせガラス構造を有する本発明の車両用フロントガラスは、外部衝撃を受け
て破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全なものとなる。
上記合わせガラス用中間膜の上端に帯状に形成された遮光部は、本発明の車両用フロント
ガラスの上端に位置している。すなわち、本発明の車両用フロントガラスは、その上端に
帯状に形成された着色部分が形成されており、可視光透過率がその他の部分に比べて低く
なっている部分である。
このような本発明の車両用フロントガラスは、上記遮光部が形成された部分の透過光を検
知する光学センサを設置する受光予定領域を備えている。なお、上記受光予定領域とは、
具体的には、後述する光学センサの検出素子の受光領域が取り付けられる領域のことをい
う。
本発明の車両用フロントガラスにおいて、上記遮光部が形成された部分の本発明の車両用
フロントガラスの上端からの距離としては特に限定されず、本発明の車両用フロントガラ
スの用途により適宜決定されるが、例えば、本発明の車両用フロントガラスを通常の乗用
車のフロントガラスとして使用する場合、好ましい上限は160mmであり、好ましい下
限は15mmである。160mmを超えると、可視光透過率の下限規制のある自動車のフ
ロントガラスとして使用できないことがあり、15mm未満であると、乗用車の室内に入
射する可視光をほとんど遮断することができないことがある。
また、本発明の車両用フロントガラスにおいて、上記遮光部が形成された部分以外の部分
の可視光透過率は85%を超えるものである。85%以下であると、本発明の車両用フロ
ントガラスを可視光透過率に下限規制のある自動車のフロントガラスとして使用できなく
なる。
従って、本発明の車両用フロントガラスでは、上記遮光部が形成された部分の可視光透過
率は85%以下である。なお、上記可視光透過率の測定方法については後述する。
また、上記遮光部が形成された部分は、下端から上端に向けて可視光透過率が低くなって
いる。すなわち、本発明の車両用フロントガラスでは、上記遮光部が形成された部分とそ
れ以外の部分との境界部分はグラデーションとなっている。このような遮光部が形成され
た部分を有する本発明の車両用フロントガラスを用いてなる車両では、運転者の視線が上
記遮光部の下端に集中しにくくなり、運転時の安全性を害することがない。
なお、上記遮光部が形成された部分は、その下端から上端にかけて連続的に可視光透過率
が低くなるものであってもよいが、上記下端から所定の距離までは可視光透過率が低くな
る部分(以下、この部分を変色部ともいう)であり、上記変色部の上端から上記遮光部の
上端までは可視光透過率が一定となった部分(以下、この部分を着色部ともいう)であっ
てもよい。
上記光学センサとしては、可視光を検知することができるものであれば特に限定されず、
例えば、雨滴センサ、ライトセンサ等従来公知のセンサが挙げられる。
なお、上記光学センサは、その検出素子の受光領域で上記遮光部が形成された部分を透過
する可視光を検出するものであるため、本発明の車両用フロントガラスでは、少なくとも
上記光学センサの検出素子の受光領域が上記遮光部の受光予定領域に設置されていればよ
く、必ずしも上記光学センサの全体が上記受光予定領域に形成されている必要はない。
上記光学センサの検出素子の受光領域に対応する上記遮光部が形成された部分の可視光透
過率の変化率は、10%/mm以内である。10%/mmを超えると、上記光学センサの
検出素子の受光領域における可視光の透過量のばらつきが大きく、光学センサの感度が一
定とならず、正確な可視光の変化を検出することができない。
なお、本明細書において、「可視光透過率」は、例えば、自記分光光度計(日立製作所株
式会社製、「U4000」)を使用し、JIS R 3106(1998)「板ガラス類
の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準拠して、波長380〜780
nmの光線に対する可視光透過率(Tv)を測定することで測定することができる。また
、「可視光透過率の変化率」は、上記方法で測定した可視光透過率を用いて算出すること
ができる。
本発明の車両用フロントガラスでは、上記遮光部が形成された部分の可視光透過率が85
%となる点を基準点とし、該基準点から上記遮光部の上端と垂直な方向に15mm以上離
れた領域における可視光透過率の変化率が10%/mm以内であることが好ましい。上述
したように、自動車のフロントガラスにおいては、上記光学センサを設置する位置は、強
固に設置できることを考慮すると一定の範囲内に制限され、通常、上記遮光部が形成され
た部分の下端から上端方向へ15mmを超える位置に光学センサを設置する必要がある。
また、上述の通り、本発明の車両用フロントガラスでは、上記遮光部が形成された部分の
可視光透過率は85%以下であり、上記遮光部が形成された部分は下端から上端に向けて
可視光透過率が低くなるものであることから、上記遮光部が形成された部分の下端におけ
る任意の点が上記基準点となる。
従って、上記基準点から上記遮光部の上端と垂直な方向へ15mm以上離れた領域におけ
る可視光透過率の変化率を10%/mm以内とすることで、本発明の車両用フロントガラ
スを好適に自動車のフロントガラスとして使用することができる。
なお、上記遮光部が変色部と着色部とからなる場合、上記変色部が形成された部分の下端
からの距離の上限が15mmであることとなる。
本発明の車両用フロントガラスにおいて、上記遮光部が上端に帯状に形成された合わせガ
ラス用中間膜としては、透明樹脂組成物からなることが好ましい。
上記透明樹脂組成物を構成する透明樹脂としては特に限定されず、例えば、合わせガラス
用中間膜の透明樹脂として用いられている公知の樹脂が挙げられる。具体的には、例えば
、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、アクリル
酸若しくはメタクリル酸又はこれらの誘導体を構成単位とするアクリル系共重合樹脂、塩
化ビニル−エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合樹脂等が挙げられる。これら樹脂は
、公知又はそれに準ずる方法で容易に製造できる。
上記透明樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。なお、上記ポリビニルア
セタール樹脂とは、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化して得られる
ポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアセタールとしては、ブチルアルデヒドでアセタール化されたポリビニル
ブチラールが好ましい。また、これらのアセタール樹脂は必要な物性を考慮した上で、適
当な組み合わせにてブレンドされていてもよい。更に、アセタール化時にアルデヒドを組
み合わせた共ポリビニルアセタール樹脂も適宜用いることができる。本発明で用いられる
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40%、好ましい上限
は85%であり、より好ましい下限は60%、より好ましい上限は75%である。
上記合わせガラス用中間膜は、可塑剤を含有することが好ましい。
上記可塑剤としては通常ポリビニルアセタール樹脂等に使用されるものであれば特に限定
されず、中間膜用の可塑剤として一般的に用いられている公知の可塑剤が挙げられ、例え
ば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機系可塑剤;有機リン酸系
、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いら
れてもよく、2種以上が併用されてもよく、樹脂との相溶性等を考慮して、ポリビニルア
セタール樹脂の種類に応じて使い分けられる。
上記一塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコール等のグリコールと、
酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチ
ルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又はデシル酸等の一塩基性有機酸との反応
によって得られるグリコール系エステルが挙げられる。なかでも、トリエチレングリコー
ル−ジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、ト
リエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2
−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好
適に用いられる。
上記多塩基性有機酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セ
バシン酸又はアゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アル
コールとのエステル等が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチ
ルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適に用いられ
る。
上記有機リン酸系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェ
ート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる
上記可塑剤として特に好ましく用いられる具体例としては、例えば、トリエチレングリコ
ール−ジ−エチルブチラート、トリエチレングリコール−ジ−エチルヘキソエート、トリ
エチレングリコール−ジ−ブチルセバケート等が挙げられる。
上記合わせガラス用中間膜は、接着力調製剤を含有することが好ましい。
上記接着力調製剤としては特に限定されないが、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類
金属塩が好適に用いられる。上記アルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩としては
特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム等の塩が挙げられる。上
記塩を構成する酸としては特に限定されず、例えば、オクチル酸、ヘキシル酸、酪酸、酢
酸、蟻酸等のカルボン酸の有機酸、又は、塩酸、硝酸等の無機酸が挙げられる。
また、上記接着力調整剤は、変成シリコーンオイルであってもよい。
上記変性シリコーンオイルとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変性シリコーンオ
イル、エーテル変性シリコーンオイル、エステル変性シリコーンオイル、アミン変性シリ
コーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル等が挙げられる。これらは、単独で用
いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なお、これらの変性シリコーンオイルは
、一般にポリシロキサンに変性すべき化合物を反応させることにより得られる。
上記合わせガラス用中間膜は、更に必要に応じて、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、分
散安定剤、光安定剤、界面活性剤、難燃剤、帯電防止剤、耐湿剤、熱線反射剤、熱線吸収
剤等の添加剤を含有してもよい。
このような合わせガラス用中間膜の上端に、上述した遮光部を形成する方法としては特に
限定されず、例えば、押出したフィルムの上端を印刷により着色する方法;導管を挿入し
た多層押出しにより着色層を中間膜の一部として導入する方法等が挙げられる。
また、上記合わせガラス用中間膜の厚さとしては特に限定されないが、合わせガラスとし
て最小限必要な耐貫通性や耐候性から、好ましい下限は0.3mm、上限は0.8mmで
ある。ただし、耐貫通性の向上等の必要に応じて上記合わせガラス用中間膜及びそれ以外
の合わせガラス用中間膜を積層して使用してもよい。
本発明の車両用フロントガラスに使用されるガラス板としては特に限定されず、例えば、
従来公知のクリアガラス、グリーンガラス及び高熱線吸収ガラス等が挙げられる。
このような本発明のフロントガラスを製造する方法としては、例えば、以下のような方法
が挙げられる。
すなわち、まず、少なくとも一対のガラス板の間に、上端に帯状の遮光部が形成された合
わせガラス用中間膜を介在させて着色合わせガラスを作製する工程を行う。
本工程では、上記ガラス板に上記光学センサを設置する受光予定領域を予め決めておき、
上記ガラス板の上記受光予定領域が、上記合わせガラス用中間膜の遮光部の可視光透過率
の変化率が10%/mmを超える部分から外れるように、上記一対のガラス板の間に上記
合わせガラス用中間膜を介在させる。
このようにすることにより、製造される車両用フロントガラスの光学センサの検出素子の
受光領域に対向する位置における可視光透過率の変化率を、確実に10%/mm以内とす
ることができる。
次に、上記ガラス板の上記遮光部と対向する位置に、可視光を検知する光学センサを設置
する工程を行う。
すなわち、前工程で予め決めておいた光学センサの受光予定領域に、上記光学センサの検
出素子の受光領域を設置することで本発明の車両用フロントガラスを製造することができ
る。
このようにして製造した車両用フロントガラスは、自動車、電車、航空機等のフロントガラスに使用することができるが、なかでも、自動車のフロントガラスとして使用することが好適である
本発明の車両用フロントガラスは、上端に帯状に着色された遮光部が形成された部分があ
り、該遮光部が形成された部分に可視光を検出する光学センサが設置されているが、上記
光学センサの検出素子の受光領域に対応する上記遮光部が形成された部分の可視光透過率
の変化率が10%/mm以内であるため、光学センサの感度が一定で、正確な透過光の変
化量の検知を行うことができる。
また、本発明の合わせガラス用中間膜を用いることで、本発明の車両用フロントガラスを
好適に製造することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
従来公知の方法により、ポリビニルブチラール樹脂を主成分とし、その上端に帯状に着色
された遮光部が形成された合わせガラス用中間膜を作製した。なお、合わせガラス用中間
膜の上端に形成された帯状の遮光部は、上端からの距離が160mmであり、遮光部の下
端から上端方向に可視光透過率が低くなる変色部が形成されており、変色部は、その下端
からの距離が15mmであった。
次に、高透明ガラス(旭ガラス社製「セルティア」)に、光学センサを設置する位置を予
め決めておき、この予め決めた高透明ガラスの光学センサの検出素子の受光領域(受光予
定領域)が、作製した合わせガラス用中間膜の遮光部の変色部から外れるように、その両
端から挟み込んだ。
続いて、これをゴムバック内に入れ、2660Paの真空度で20分間脱気した後、脱気
したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このように
して予備圧着した後オートクレーブ中で135℃、圧力118N/cmの条件で20分
間圧着を行い、合わせガラスを得た。
そして、高透明ガラスに予め決めておいた光学センサの設置位置に、光学センサとして雨
滴センサを設置し、車両用フロントガラスを製造した。なお、光学センサは、遮光部が形
成された部分の境界から18mmの位置に設置されていた。
得られた車両用フロントガラスの遮光部に対応する部分の可視光透過率を直記分光光度計
(島津製作所社製、「U−4000」)を使用して、JIS Z 8722及びJIS
R 3106(1998)に準拠して380〜780nmの波長領域において測定した。
その結果を図1に示した。なお、図1は、実施例1で得られた車両用フロントガラスの遮
光部が形成された部分の下端から上端方向への距離と可視光透過率との関係を示したグラ
フであり、図中の2本の補助線は、光学センサの設置可能範囲を示す。
(比較例1)
遮光部の可視光透過率がその下端から上端にまで連続的に変化する合わせガラス用中間膜
を用意し、この合わせガラス用中間膜を、その両端から高透明ガラス(旭ガラス社製「セ
ルティア」)で挟み込み、これを実施例1と同条件で圧着を行い、合わせガラスを得た。
次に、得られた着色合わせガラスの遮光部が形成された部分の下辺から18mmの位置に
光学センサとして雨滴センサを設置し、車両用フロントガラスを製造した。
得られた車両用フロントガラスの遮光部に対応する部分の可視光透過率を実施例1と同様
にして測定し、結果を図2に示した。なお、図2は、比較例1で得られた車両用フロント
ガラスの遮光部の下端から上端方向への距離と可視光透過率との関係を示したグラフであ
り、図中2本の補助線は、光学センサの設置可能範囲を示す。
図1に示したように、実施例1で得られた車両用フロントガラスは、光学センサの設置可
能範囲内での可視光透過率は略一定で、その変化率は10%/mm以内であり、光学セン
サによる可視光の変化率を正確に測定できるものであった。
一方、図2に示したように、比較例1で得られた車両用フロントガラスは、光学センサの
設置可能範囲内での可視光透過率は大きく変化しており、その変化率は10%/mmを超
えるものであり、光学センサによる可視光の変化率を正確に測定できないものであった。
本発明によれば、上端に帯状に着色された遮光部が形成された部分があり、該遮光部が形
成された部分に可視光を検出する光学センサが設置されていても、光学センサの感度が一
定で、正確な透過光の変化量の検知を行うことができる車両用フロントガラス、及び、該
車両用フロントガラスに用いられる合わせガラス用中間膜を提供することができる。
実施例1で得られた車両用フロントガラスの遮光部が形成された部分の下端から上端方向への距離と可視光透過率との関係を示したグラフである。 比較例1で得られた車両用フロントガラスの遮光部が形成された部分の下端から上端方向への距離と可視光透過率との関係を示したグラフである。

Claims (3)

  1. 少なくとも一対のガラス板の間に、上端に帯状に着色された遮光部が形成された合わせガラス用中間膜が介在された合わせガラス構造を有、前記遮光部が形成された部分の透過光を検知する検出素子を有する光学センサを設置するための受光予定領域を有するフロントガラスを備え、
    前記遮光部が形成された部分以外の部分の可視光透過率は85%を超えるものであり、
    前記遮光部が形成された部分は、下端から上端に向けて可視光透過率が低くなっており、
    記受光予定領域に対応する前記遮光部が形成された部分の可視光透過率の変化率は、10%/mm以内であり、
    光学センサの検出素子の受光領域が前記受光予定領域に位置するように、前記フロントガラスの前記遮光部と対向する位置に設置されており、前記遮光部が形成された部分の透過光を検知する検出素子を有する光学センサをさらに備える
    ことを特徴とする車両用フロントガラス。
  2. 遮光部が形成された部分の可視光透過率が85%となる点を基準点とし、前記基準点から前記遮光部の上端と垂直な方向に15mm以上離れた領域における可視光透過率の変化率が10%/mm以内であることを特徴とする請求項1記載の車両用フロントガラス。
  3. 上端に帯状に着色された遮光部が形成された合わせガラス用中間膜であって、
    前記遮光部以外の部分の可視光透過率は85%を超えるものであり、
    前記遮光部は、下端から上端に向けて可視光透過率が低くなっており、
    前記遮光部が形成された部分の透過光を検知する検出素子を有する光学センサを設置するためのフロントガラスの受光予定領域に対応する前記遮光部の可視光透過率の変化率は、10%/mm以内であり、更に、
    前記遮光部の可視光透過率が85%となる点を基準点とし、前記基準点から前記遮光部の上端と垂直な方向に15mm以上離れた領域における可視光透過率の変化率が10%/mm以内である合わせガラス用中間膜を、少なくとも一対のガラス板の間に介在させ、フロントガラスを得る工程と、
    光学センサの検出素子の受光領域が前記受光予定領域に位置するように、前記フロントガラスの前記遮光部と対向する位置に、前記遮光部が形成された部分の透過光を検知する検出素子を有する光学センサを設置し、車両用フロントガラスを得る工程とを備える
    ことを特徴とする車両用フロントガラスの製造方法
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