JP4435881B2 - 心電図波形を監視する装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、EKG波形データの監視に使用される改善された心臓監視機器に関し、特に、多数の異なる電圧しきい値検出器から、心臓の電気的な活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用する最も確実なデータを生ずると考えられる検出器を選択する能力を有する、EKG波形データの監視に使用する改善された心臓監視機器に関し、更に詳細には、多数の異なる電圧しきい値検出器から、心臓の電気的な活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用する最も確実なデータを生ずると考えられる検出器を選択する能力を有すると共に、該選択が、個々の検出器のしきい値が満たされ又は該閾値を超える事象の発生(occurrence)の時間的規則性及び頻度に基づいて行われる、EKG波形データの監視に使用する改善された心臓監視機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
心臓は、四つの室、即ち右心房、右心室、左心房、及び左心室から構成されていると一般に説明される。右心房と右心室との間に一方向弁(3尖弁)がある。右心室と肺に広がる動脈系との間に一方向弁(肺弁)がある。左心室と左心房との間に一方向弁(僧帽弁)がある。そして、最後に、左心室と大動脈との間に一方向弁(大動脈弁)がある。
【0003】
その機能動作について言えば、心臓は大静脈(血液を心臓に戻す二つの大きな血管)により酸素の欠乏した血液を受け取る。これら大きい血管は右心房の中に注いでいる。右心房はこの酸素が欠乏した血液を右心室内に押し込む。次いで、右心室はこの酸素欠乏血液を、肺動脈、肺に広がる毛細管床、及び左心房に注ぐ肺静脈から順に成る一つの長い連続流路に押し込む。該連続流路は左心房で終わり、これは即ち肺静脈と左心房との間に弁が存在しないということである。次に、左心房に入った酸素富裕血液が左心室に押し込まれる。最後に、左心室が該血液を大動脈内に押し出す。
【0004】
上述の機能動作は、心臓の電気化学的及び機械的動作により以下のように行われる。心臓の本来のペースメーカである洞房神経は、電気化学的パルス又は活動電位を放出し、この活動電位から、心臓の以後の全ての電気化学的及び機械的活動が確保される。洞房神経は右心房の非常に近い位置にあるので、最初の活動電位は殆ど即時に右心房に到達し、同時に、活動電位は非常に速い結節間導通管に沿って左心房に伝わり、結局、心房(複数の心房)がほぼ同時にパルスを受け取ることになる。心臓の解剖学的な構造のため、心房は、心房を心室から分離する房室弁の上流で最初にパルスを受け取る。パルスを受け取ると、最初に刺激された筋肉繊維が最初に収縮する。実際には、これが意味することは、上流の領域の心房が最初に収縮するということであるから、血液は下流方向に押される。この動作は、練り歯磨きをそのチューブの閉鎖端を最初に絞ることにより管から最も効率良く絞り出すことができることに非常に良く似ている。
【0005】
この時点で、心房は活動電位を受け取っているが、該活動電位は心臓を通じて伝播し続ける。心房に関係する今述べた作用と同時に、活動電位は、三つの並列の結節間管系を介して房室結節へと進行する。房室結節は、アナログ遅延として働き、この遅延は、心房の収縮が生ずるための時間を与え(心房は、一層多数の繊維が収縮に補充されるほど一層大きい力で終始収縮する)、これにより心房の機能が増強される。この遅延した活動電位は、房室神経を去った後、ヒス(His)の束として知られる神経構造に沿って伝えられる。これに続き、神経構造が分かれて、活動電位が左右の束分枝により左右の心室の領域に伝えられる。活動電位が左右の心室の領域に到達すると、該活動電位は、心室にわたり且つ心室を通じて該活動電位を非常に急速に伝えるプルキンエ(Purkinje)繊維を作動させる。
【0006】
心室は、エネルギが加えられる(減極される)と収縮し始める。心室は、心房(この時点では収縮し続けている)よりもはるかに強く且つ急速に収縮する。非常に急速に、心室内の圧力が心房の圧力を追い越して、僧帽弁及び3尖弁が共にぴしゃりと閉じることになる(これは、それら一方向弁の上流側にかかる圧力が下流側にかかる圧力よりも大きいことに起因する)。右心室が収縮中の左心房の圧力を追い越すと、肺弁が開き、肺動脈、毛細管床、肺静脈、及び左心房から成る流路に血液が汲み入れられる。これに続き、左心室が大動脈の圧力を追い越すと、大動脈弁が開き、大動脈に血液が押し込まれる。心室は、その内容物の大部分を放出してしまうと弛緩し始め、肺弁及び大動脈弁が共に閉じ、肺弁が、収縮し続ける左心房の近くにあるために一般に最初に閉じる。
【0007】
弛緩中の心室の圧力が、収縮し続ける心房の圧力未満に降下すると、房室弁(3尖弁及び僧帽弁)が開き、心房が心室中に血液を押し込む。心房は、この作業を完了すると弛緩して、心臓が待ち状態に入り、その後、上述のプロセス全体が次の洞房パルスにより再び開始される。
【0008】
丁度今説明したように、心臓の機械的事象は、心臓の電気化学的活動(即ち、活動電位の伝播)により進行し開始される。心臓の電気化学的活動を人間の目に見える形に変換する装置も存在する。それは心電計であり、これは心臓の電気化学的活動の可視表現を生成する。該可視表現は心電図(「EKG」)として知られている。以下は、心電図の理論及び動作についての簡単な説明であり、その後、従来技術とは対照的な本発明の機能について説明することとする。
【0009】
心臓の機械的動作に関する上記説明は、活動電位と言われる電気化学的パルスの伝播によって心臓の機械的事象が制御され順に進行されることを論証するものではあるが、活動電位が何であるかを説明するものではない。活動電位についての基本的な理解は、EKGの根底を成す理論の理解に不可欠なものである。
【0010】
活動電位は、心臓の筋肉繊維が収縮することを告げる信号中の情報等の情報を運ぶ細胞膜電位の過渡変化である。心臓筋肉が休息しているときは、細胞膜のどちら側にかかる電位も一定電位に維持されている。しかし、筋肉が、電気的に、化学的に、又は機械的に刺激されると、膜中のチャネルが開き、これにより、膜のいずれかの側の反対に帯電したイオンが膜を通過し、かかるイオンは電気的に及び熱的に中性になろうとする。この事象の発生は、「減極」と称されるものである。イオンが最低エネルギ状態に向かうにつれてシステムの分極が小さくなるからである。刺激が十分大きければ、イオンが膜を通過することから生ずる電位の変化が、該刺激により減極する膜の領域に直接隣接する膜部分を減極させるのに十分な大きさになる。これが生じる場合に、活動電位が始動したと言われ、該信号は、減極領域に直接隣接する膜部分を減極させるという今述べた機構により繊維を通って伝播し続ける。この活動電位の伝播は、ドミノの列が、最初のものが2番目のものを弾き、2番目のものが3番目に落ち込み、3番目が4番目に落ち込むといった、ドミノの列の倒れる態様に類似している。活動電位が膜の領域を通過して伝播すると、細胞膜は「再分極(repolarization)」として知られるプロセスでそれ自体をリセットする。再分極では、イオンが細胞膜を横断して積極的に汲み戻されて分極状態が回復する。
【0011】
活動電位の伝播に関係するイオンに加え、身体中に分布する多数の自由浮動(free-floating)イオンが存在する。これらのイオンは、十分に強い電界の影響を受けて移動する。心臓内の活動電位が伝播する際に、細胞膜を横断して移動するイオンが身体内部の電界を乱すことになる。この生理学的及び電気化学的な活動は、膜を横断する電荷の電界効果に応じて移動する自由浮動イオンの反作用によって身体表面に伝達可能なものである。
【0012】
1800年代後期、オランダの生理学者Willem Einthoven博士は、この心臓の電気的活動を記録する技術を開発し、これに対し博士はノーベル賞を受賞した。このEinthoven博士の基本的な技術は今日でもなお使用されている。Einthoven博士の方法は心電図ととして知られるものであり、これはなおEinthoven博士の栄誉を讃えてEKG(心電図のオランダ語の綴りに由来する)と称されている。
【0013】
EKGでは、電極が身体表面に取付けられる。該電極は、該電極内の電荷担体が身体内の電荷担体(イオン)と電気化学的交換を介して連絡できるように特別に処理される。電極を身体表面に取付けることにより、信号を適切に増幅した後、身体内部の電圧変化を記録することが可能となる。EKGのガルバノメータが記録装置として使用される。ガルバノメータは、二つの電極間の電位差を記録する。EKGは、単に、身体表面の二つの電極間の電圧の差を時間の関数として記録したものであり、通常は帯記録紙上に記録される。心臓が休息状態(心拡張期)にあると、心臓細胞は分極され、電荷の移動は生じない。その結果、EKGのガルバノメータは振れを記録しない。しかし、心臓が活動電位を伝播し始めるとガルバノメータが振れることになる。これは、下方で分極が生じた電極が、下方で心臓がまだ分極していない身体の領域と異なる電位を記録することになるからである。
【0014】
完全な心臓サイクルは心拍として知られるものである。EKGでは、心拍は特有な信号である。最初に、ガルバノメータは、比較的持続時間の短い丸みのある正の振れ(P波として知られる)を記録し、これは、心房の減極により生ずると考えられている。これに続いて、小さいが鋭い負の振れ(Q波として知られる)が存在する。次いで、非常に大きくて鋭い正の振れ(R波として知られる)が存在し、その後、鋭くて大きい負の振れ(S波として知られる)が存在する。これらの波が一緒になったものは、QRS複合波(complex)として知られるものである。該QRS複合波は、心室の減極により生ずると考えられている。QRS複合波に続き、比較的持続時間の長い丸みのある正の振れ(T波として知られる)が存在し、これは、心室の再分極により生ずると考えられている。
【0015】
多年にわたり、診療の専門家は、色々な病気及び心臓欠陥について、EKGの変動およびEKGからのデータを整理することを学んで知識の本体を築き上げてきた。正式には、この整理のプロセスが「心電図」として知られている。
【0016】
心電図では、EKGデータが多数の目的に役立つ。該目的の一つは、心臓の拍動が正常又は異常であるか、即ち、心臓が通常の予測可能なリズムに従っているか否か、また代替的には治療が必要であることを表す無リズム状態に落ち入っているか否かを決定することである。心臓のリズムは、一般に電圧しきい値検出器を使用することにより評価される。それらの検出器は、それらの電圧しきい値を超えたか否かを示すものである。これら検出器は、EKG波形(又はQRS複合波を強調するために行われる濾波の後のEKG波形)を監視し、及びその振幅が所定のしきい値電圧を満たしているか又は超過しているかを監視するのに使用される。該しきい値を超える割合を使用して心臓のリズムを決定する。加えて、それらと同じ検出器を使用して、心臓が正常に拍動していることが確認された心拍数を決定することができる。
【0017】
EKGデータに基づいて心臓が無リズム状態に入ったか否かを決定することは困難である。この困難性の原因は、強くて健康で正常に拍動する心臓がEKG上で高振幅の波形として表される一方、弱い又は病気の正常に拍動する心臓がEKG上で振幅の小さい波形として表されることにある。更に、細動(fibrillation)といった一定の状態が存在し、かかる場合には、心臓の活動は、それ自体、EKG上に、QRS複合波が無く非常に振幅の小さい成分のある波形を表すものとなる。
【0018】
心臓の様々なEKG波形の振幅が異なるため、次の点でリズムの決定が困難になる。即ち、心臓が正常に拍動している場合、使用される一般に最良の心拍数検出アルゴリズムは、EKGを監視する検出器についてのしきい値が高く設定されたものになり、このため、該アルゴリズムは、(上述のように心室の収縮を示す)QRS複合波のみを検出するものであり、低振幅のP、T、又はU複合波によって騙されることはないが、逆に、心臓が細動状態にある場合には、該細動が通常はEKG上で振幅の非常に小さい成分を有する波形として表されるため、前記の使用される最良の検出アルゴリズムは、検出器について大きさのしきい値が低く設定されたものになる、という点である。したがって、心臓の活動はそれ自体を多数の極めて異なる振幅の波形として示す可能性があるという事実を考慮すると、心臓のリズム及び心拍数を監視し決定するという環境において最良の電圧しきい値検出器を如何にして選択するかに関して問題が生ずる。
【0019】
心臓のリズムを適切に評価する装置は、多数の状況に関して決定的に必要とされるものであり、細動除去(defibrillation)パルスを心臓に加えるか否かを決定する上で特に重要なものである。「細動」は、1800年代中期から後期にかけて作り出された用語であり、上述の心臓を通る活動電位の同期的な動きが適切に非同期になって心臓の各筋肉繊維がランダムに且つ他の繊維と無関係に収縮するようになる状況、即ち、活動電位が心臓の種々の領域を通じてランダム且つ非同期的な時刻に自然発生する状況を意味するものである。この活動電位が自然発生する筋肉繊維が収縮するため、及び、いずれにせよ該収縮が他の活動電位と同期していないため、その結果は混沌としており、事実上の結果として、血液が心臓から汲み出されないことになる。これは、心臓筋肉の色々な部分が同期して動作しないからである。実際に、細動状態にある心臓は、芋虫で満たされた震える袋に似ているとしばしば描写される。これは、筋肉の異なる帯又は繊維の非同期の収縮が、身もだえする芋虫で満たされた袋の表面に似ているからである。
【0020】
「細動除去」は、電圧及び電流パルスの印加により自然発生する活動電位から生じる心房心筋層の混沌とした無調整の収縮の中止の原因である。細動除去は、供給される電気エネルギーが、実質的に心臓筋肉全体が同時に減極されるように心臓筋肉の大部分を減極させるのに十分な大きさである場合に達成される。これが達成されると、心臓筋肉の全ての部分が実質的に同時に再分極し、心臓が休止状態になる。細動除去の考察と類似した方法として、心臓をその待ち状態にリセットすることが挙げられる。次いで、洞房神経が興奮すると、細動除去によって心臓の全ての部分が同期状態に戻るので、心臓筋肉は活動電位を正しく同期した状態で伝える。
【0021】
細動除去パルスを加えるか否かに関する判断基準は心臓のリズムである。心臓が無リズム状態にあるか又は無リズム状態に入りつつあると考えられる場合には、細動除去パルスが供給されることが多い。
【0022】
細動除去器を使用する際に重要なことは、パルスを加える前に心臓が実際に細動状態にあることを確認することである。これは、細動状態にない心臓に細動除去パルスを加えると細動を誘発させることになることが多いからである。したがって、振幅の変化する波形及びQRS複合波の無い波形(例えば細動波形)ついても、心臓のリズム及び心拍数の適切な評価を与える装置の必要性が存在する、ということは明らかである。
【0023】
従来の技術は、種々の心臓状態が異なる振幅を有するEKG波形を示すという事実から生ずる問題を扱ってこなかった。従来の技術では、多数の異なる電圧しきい値検出器を使用している。これら各検出器からのデータは、一定の所定時間窓の期間中、常に監視される。一般に、心臓のリズム及び心拍数を決定するには、所定の時間窓の期間中にしきい値交差を記録する最高しきい値モニタが使用される。即ち、従来技術の方法は、単に検出器しきい値を所定の時間窓の期間中に超えたか否かということのみに基づいて多数の利用可能な電圧しきい値検出器のうちの一つを選択するものである。
【0024】
従来技術の解決法は、検出された波形の定量的性質に基づいて使用する適切な検出器を選択しようとせず、単に、しきい値を超えた最大大きさの検出器を使用するだけのものであり、このため、従来技術の方法は、(振幅が減少した波形が時折高い検出器領域中にスパイクするときのように)正常ではあるが低振幅で拍動する心臓についてリズムの欠如を記録してしまう危険性がある。従来技術は、正常ではあるが低い又は変動する振幅で拍動している心臓の「灰色領域」にあるとき何をすべきか、及びこのような状態にある心臓のリズムの定量的評価を如何に行うかに関する問題を取り扱っていない。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
前述の事実に鑑み、本発明に関し、振幅が広く変化するEKG波形により示されるように心臓が正常に拍動しているか異常に拍動しているかに関して最も正確なデータを与えると思われる電圧しきい値検出器を多数の異なる電圧しきい値検出器から選択することができる方法及びシステムの必要性が存在することが明らかである。
【0026】
したがって本発明の目的は、振幅が広く変化するEKG波形データを監視するのに使用される改善された心臓監視機器を提供することにある。
【0027】
本発明の別の目的は、振幅が広く変化するEKG波形データを監視するのに使用され、且つ心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も確実なデータを与えると思われる電圧しきい値検出器を多数の異なる電圧しきい値検出器から選択する能力を有する、改善された心臓監視機器を提供することにある。
【0028】
本発明の更に別の目的は、振幅が広く変化するEKG波形データを監視するのに使用され、且つ心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も確実なデータを与えると思われる電圧しきい値検出器を多数の異なる電圧しきい値検出器から選択する能力を有し、該選択を、個別の検出器のしきい値を満たすか又は該しきい値を超える事象の発生の規則性及び頻度に基づいて行う、改善された心臓監視機器を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前述の目的は、次に説明するように達成される。本発明によるEKGシステムに使用する方法及びシステムは、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も確実なデータを与えると思われる電圧しきい値検出器を多数の異なる電圧しきい値検出器から選択することに備えるものである。該方法及びシステムは、最初に多数の異なる電圧しきい値検出器の出力を観察することになる特定の時間窓を指定することにより動作する。該観察に基づき、異なる検出器が活動中又は不活動として指定される。活動中と指定された検出器について、所定の時間窓中にそれらのしきい値を交差した時刻を記録し、該記録時刻に基づき、各検出器に対するしきい値交差の時間的規則性(即ち、しきい値を超える時刻が平均発生時間間隔に関して如何に分布しているかについての評価、即ち、特定の検出器のしきい値と交差する時刻が如何に予測可能であるかに関する評価)を計算する。次いで、最高の発生規則性と最大のしきい値とを共に有する検出器を最も正確なデータを生ずると思われる検出器として選択する。この選択は、他の一層小さなしきい値を有する検出器が前記の最大しきい値を有する検出器と同じ(即ち、ユーザ指定による許容範囲内の)規則性を有していない限り、行われる。このとき、他の一層小さなしきい値を有する検出器の発生時間割合が、最大のしきい値及び最高の時間的規則性を有する検出器の発生時間割合の2倍またはそれ以上である場合には、かかる一層小さなしきい値を有する検出器のうちの少なくとも一つを最も正確なデータを生成すると考えられるものとして選択することができる。
【0030】
本発明の上述その他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明によって明らかとなろう。
【0031】
本発明の新規な特徴であると考える特性を付記した特許請求の範囲に示してある。しかし、本発明自体並びにその使用の好適態様、更なる目的、及び長所は、例示の実施例の下記の詳細説明を図面と関連して読むことにより最も良好に理解されよう。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明は、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかの決定に使用するための最も信頼性の高いデータを生成すると考えられる電圧しきい値検出器を多数の異なる電圧しきい値検出器から選択するための方法及びシステムを提供する。この方法及びシステムは、EKG監視装置と関連して使用されるものであり、該EKG監視装置は、異なる電圧しきい値検出器へと供給されるEKG波形を生成する。この方法及びシステムは、最初に、しきい値検出器の出力を観察することになる特定の時間窓を指定することにより動作する。該観察に基づき、異なる検出器を活動中か不活動かに指定する。そして活動中と指定された検出器について、それらのしきい値を所定の時間窓中に満たし又は超えた時刻を記録する。
【0033】
これら記録された時刻に基づき、各検出器対するしきい値交差の時間的規則性(即ち、しきい値が超えられた時刻が平均発生時間間隔の周りに如何に分布しているかに関する評価、即ち、特定の検出器のしきい値と交差した時刻が如何に予測可能であったかに関する評価)を計算する。次いで、最高の発生規則性を有し且つ最大のしきい値を有する検出器を、その他の一層小さいしきい値を有する検出器が該最大のしきい値を有する検出器と同じ(即ち、ユーザの指定による公差範囲内の)規則性を有していない限り、最も正確なデータを生成すると考えられる検出器として選択する。このとき、大きさの低い検出器が最大のしきい値及び最高の時間的規則性を有する検出器の発生時間割合の2倍またはそれ以上の発生時間割合を有している(これは時間的規則性とは異なる尺度である)場合には、このような一層小さいしきい値を有する検出器を、最も正確なデータを生成すると考えられる検出器として選択することができ、その他の場合には、最大のしきい値及び最高の時間的規則性を有する検出器を選択する。
【0034】
上述のように、本発明は、(1)特定の検出器のしきい値と交差する信号の時間的規則性、及び(2)特定の検出器のしきい値と交差する信号の発生時間割合の双方を使用する。これら二つの尺度は、しきい値交差の時刻と明確に関係している。
【0035】
特定の検出器のしきい値と交差する信号の発生時間割合は、比較的理解し易いものであり、特定の時間窓を特定の時間窓の時間で除算した期間中にしきい値と交差する信号の事例の総数と考えることができる。
【0036】
一方、時間的規則性は、幾分理解が困難なものである。時間的規則性は、統計的概念に基づくものであり、しきい値交差の発生事象間の時間間隔に関する中心傾向の尺度(例えばデータの発生の時間間隔の平均又は中間の値)の周りのデータの「広がり」を言うものである。時間的規則性を周期性に類似するものとの考えに捉われやすいが、そのように考えるべきではない。そう考えるべきでない理由は、二つの異なる波形が極めて異なる周期を有し、しかも時間的規則性と同じ又は同様の尺度を有する可能性があるということにある。これは、時間的規則性が、発生の間隔の中心傾向の周りの変化という概念に基づいて構築されるからである。
【0037】
特定の電圧しきい値検出器についてしきい値交差時刻を収集した後、異なる検出器についての中心傾向の尺度を特定の検出器について計算することができる。解析は、特定の検出器についての全てのデータを要約し又は表す単一の数の計算から始まる。収集されたデータは群又は中心点を表すことが多いので、この数が中心傾向の尺度と呼ばれる。最も頻繁に使用される尺度は、単純な算術平均、即ち、しきい値交差間の時間間隔の全ての和を所定の時間窓中のしきい値交差の総数で除算したものであり、論理的に平均と考えることができる中心傾向の更に多数の尺度が存在するため、この単純な算術平均を特別な名称「平均」と称することにする。
【0038】
該「平均」に加え、メジアンは、頻繁に使用されるもう一つの中心傾向の尺度である。メジアンは、平均化の概念よりも一層計数的な概念であり、これと平均とは、「中心傾向の尺度」という題名のもとにひとまとめにされることが多いので、混同される可能性がある。即ち、メジアンを得るには、収集したデータの値を平均せず、記録された時間間隔の数の全計数値を処理する。メジアンの概念を理解するには、記録された時間間隔を全て、記録時間間隔の最小値から記録時間間隔の最大値まで、数の線に沿って並べることができることを想像する。記録された時間間隔の総数が奇数であれば(例えば、持続時間3秒のものが一つ、持続時間6秒のものが一つ、及び持続時間が2秒のものが一つからなる三つの時間間隔を記録した場合には)、メジアンは、その周りで点の総数がその点の両側で同じである点である(例えば、前の例では持続時間3秒の時間間隔)。一方、記録された時間間隔の総数が偶数であれば(例えば、持続時間3秒のものが一つ、持続時間6秒のものが一つ、持続時間20秒のものが一つ、持続時間が2秒のものが一つからなる四つの時間間隔を記録した場合には)、該四つのサンプルが数の線の上に配置されている場合に明瞭な中間値が存在しないことがわかり、したがって行うべきことは、二つの中間値の算術平均を取り(例えば、3秒に6秒を加算し2で除算し)、その結果を中間値と呼び、これを、周りに等しい数の点が存在する一種の「中心点」として扱うことである(例えば、二つの最も中間に近い値の平均により形成される「中心点」の両側に一点ずつ存在する)。
【0039】
上述のように、時間的規則性の概念は、中心傾向の尺度の周りの変化の尺度に関係している。分布の可変性とは、測定値が平均の周りに緊密に群をなしているか又は該平均の周りに広く広がっているかを言う。この可変性の一つの尺度は、二つの百分位数、例えば第25百分位数と第75百分位数との差とすることが可能である。この尺度では、最初に時間間隔の値の許容範囲を指定する。次に、記録された時間間隔を各許容値に対して調べ、その値を下回る記録期間の全百分率を計算する。用語「百分位数」とは、測定値の百分率がそりよりも小さいか等しいことを意味し、特に、第25百分位数及び第75百分位数はそれぞれ下位四分位数及び上位四分位数と呼ばれる。
【0040】
偏差の更に普通に使用されている尺度は、標準偏差である。標準偏差は、平均xを有するデータについて偏差の2乗の平均の平方根であると、どちらかと言えば任意に規定される可変性の尺度であり、通常はギリシャ文字シグマ(σ)により表される。標準偏差の2乗σ2を分散という。標準偏差が小さい場合には、測定値は平均の周りに緊密に群をなしており、標準偏差が大きい場合には、測定値は広く散らばっている。標準偏差は、データがどのように散らばっているかの良好な感覚を与える尺度であり、したがって、中心傾向からの変動の良好な尺度である。中心傾向の周りの変動の尺度は、分散、範囲、トリム範囲(trimmed range)、平均絶対偏差といったように他に多数存在する。
【0041】
したがって、時間的規則性という用語及び概念は、この明細書で使用する限り、中心傾向及び該中心傾向の周りの変動の概念を共に取り入れたものである。特に、時間的規則性は、測定される時間間隔について特定の中心傾向の後又は前に検出器のしきい値と交差する可能性が統計的に如何に存在するかを意味するものであることが理解されよう。
【0042】
以下で説明する本発明の好適実施例は、中心傾向及び中心傾向からの変動の尺度の一つの部分集合の使用を扱うだけであるが、当業者であれば、本書で開示する本発明により良好な効果を得るために、中心傾向及び中心傾向からの変動の如何なる尺度をも使用可能である、ということが理解されよう。
【0043】
上述のように、発生時刻が大幅に異なる二つの波形について時間的規則性が同一である可能性がある。抽象的概念は特定の事項なしで扱うのが困難であるため、以下に例を示す。
【0044】
ここで図を参照する。特に図1を参照すると、二つの正弦波形が描かれている。これら波形は、事象発生の時間的規則性と時間割合との違いを例示するために提示したものであり、その考え方は、正弦波とは極めて異なる形態を有するEKG波形についても同じである。図1は、周期6秒の第1の正弦波60を示す。図1はまた、周期8秒の第2の正弦波62をも示している。また、第1の正弦波60に対して1ボルトの電圧しきい値64が選択されていることも示されている。また、第2の正弦波62に対して2ボルトの電圧しきい値66が選択されていることも示されている。
【0045】
30秒の時間窓を任意に選択して、次に別々の周期を有するこれら正弦波が別々の事象発生割合を生じ、しかも二つの波が共に同じ時間的規則性を有していることを示すことができる。第1の正弦波60は、30秒の窓において、1.5、7.5、13.5、19.5、及び25.5秒で1ボルトのしきい値と交差している。第2の正弦波62は2、10、18、及び26秒で2ボルトのしきい値と交差している。第1の正弦波60に対する事象発生の時間割合は5交差/30秒、即ち0.17交差/秒である。第2の正弦波62に対する事象発生の時間割合は4交差/30秒、即ち0.13交差/秒である。これら二つの事象発生の時間割合は全く違っている。
【0046】
時間的規則性を計算するために、例示として中心傾向の尺度として平均を使用する。平均についての方程式は、事象の間隔の値の和をサンプルの数(記録された間隔の数)nで割ったものであり、次式のように表すことができる。
【0047】
【数1】
【0048】
第1の正弦波60は、30秒の窓中において、1.5、7.5、13.5、19.5、及び25.5秒で1ボルトのしきい値64と交差し、これは、後続の時間間隔6秒(7.5-1.5)、6秒(13.5-7.5)、6秒(19.5-13.5)、及び6秒(25.5-19.5)を生ずる。第2の正弦波62は、2、10、18、及び26秒で2ボルトのしきい値66と交差し、これは、後続の時間間隔8秒(10-2)、8秒(18-10)、及び8秒(26-18)を生ずる。第1の正弦波60から測定値を取って平均の方程式を使用すると、しきい値交差の発生の平均時間間隔は6秒(しきい値交差の記録時刻間の時間間隔の和を間隔の総数4で割ったもの)であることがわかる。第2の正弦波62から測定値を取って平均の方程式を使用すると、平均は8秒(しきい値交差の記録時刻間の時間間隔の和を間隔の総数3で割ったもの)であることがわかる。第1の正弦波60から取った測定値の標準偏差は、上に示した標準偏差に対する公式を使用して、0であり、同様に、第2の正弦波62から取った測定値の標準偏差は0である。
【0049】
この明細書の観点からすれば、二つの波形60,62は、それらの波形の周期及びしきい値交差の発生の時間割合が大幅に異なっていても、同一の時間的規則性の尺度を有している。したがって、本発明の一つの長所を見ることができる。即ち、本発明は、異なる電圧しきい値検出器のしきい値が交差する相対的リズムの評価であって、事象発生の視覚的な検査又は事象発生の時間割合の検査では全く明らかとはならない評価に基づき、電圧しきい値検出器の正しい選択を可能とするものである。
【0050】
ここで図2を参照する。同図には、本発明の方法の例示としての実施例の高レベルの論理フローチャートが示されている。
【0051】
ステップ40は、プロセスの始まりを示す。ステップ42は、時間窓の持続時間を指定する方法ステップを示している。ステップ84は、ステップ42で指定した時間窓の期間中に発生したEKG波形信号の最大値及び最小値の決定を示している。ステップ86は、各「電圧しきい値検出器」についての電圧しきい値レベルの計算を示している。即ち、電圧しきい値レベルの計算値は、本発明ではそれらが実際に「電圧しきい値検出器」であるかのように扱われる。これら計算されたしきい値は、ステップ84で決定された最大及び最小信号レベルの固定百分率であり、好適実施例では、最大及び最小しきい値レベルの90、70、50、30、及び10%に等しい。いかなる波形についても使用可能な絶対最小しきい値レベルとして作用することができる固定の正及び負のしきい値レベル(床しきい値と呼ばれる)も存在する。ステップ84で決定されたEKG波形信号の振幅が、或る所定のレベルより低ければ、前述の床しきい値は適当に低下され、例えば、床しきい値をそれらを2、3、4、などで割ることにより調節することができる。
【0052】
方法ステップ44は、方法ステップ42で指定された時間窓の期間中に活動中であるとみなされた電圧しきい値検出器14の数の同定を示している。電圧しきい値検出器14が活動中とみなされるは、(1)その電圧しきい値が所定の最小電圧(このような所定の最小電圧しきい値は先に説明した床しきい値である)より大きい場合、(2)ステップ42で指定された時間窓中におけるしきい値交差の所定の最小数(例えば3)よりも大きいしきい値交差数を有している場合、及び(3)そのしきい値交差が、ステップ42で指定された時間窓の大きい所定の百分率(例えば50%)にわたって広がっている場合である。速記的な表記として、特定の電圧しきい値検出器14の電圧しきい値の超過を電圧しきい値検出器14の「交差」と称する。更に、動詞「交差する」の異なる全ての動詞形態は、あらゆる特定の電圧しきい値検出器14についてのしきい値を超過するという概念を包含している。
【0053】
方法ステップ46は、方法ステップ44で活動中であるとみなされた個々の電圧しきい値検出器14について電圧しきい値を満たし又は超えた時刻の記録を示している。即ち、活動中であるとみなされた個々の電圧しきい値検出器14について、それら活動緒小野電圧しきい値検出器14のしきい値を交差した時刻が記録される。
【0054】
方法ステップ48は、活動電圧しきい値検出器14のしきい値と如何に多く交差したかに関する時間的規則性の評価を示している。活動電圧しきい値検出器14のしきい値の交差の時間的規則性を適切に評価するには、図1を参照して説明したもののような動作、又はそれと類似の動作が関わっている。特定の電圧しきい値検出器14の時間的規則性を評価するために、最初にその特定の検出器に対するしきい値交差間の時間間隔を方法ステップ46で説明した記録時刻に基づき計算する。その特定の電圧しきい値検出器14についてのしきい値交差間の時間間隔を計算した後、発生の間隔に対する中心傾向の尺度を計算する。次いで、その中心傾向の尺度の周りの計算された分布の間隔の変化を計算する。その結果として得られる数は時間的規則性の尺度として働く。この時間的規則性を評価するプロセスは、方法ステップ44で活動中であるとみなされた各電圧しきい値検出器14毎に行う。
【0055】
方法ステップ50は、しきい値交差の発生の時間割合の計算を示している。この方法ステップは、方法ステップ44で活動中であるとみなされた全ての電圧しきい値検出器14について行われる。あらゆる特定の活動中の電圧しきい値検出器14について発生時間割合を計算するために、しきい値交差の総数を方法ステップ42で指定した時間窓の継続時間で割ることができる。本実施例では、時間間隔のトリム平均(trimmed mean)を計算し、それから割合を計算する。トリム平均を、一組の数を最小から最大まで並べ、その分布の両側で一定の百分率の数を切り取り(trim off)、次いで残りの切り取らなかった数を使用して平均を計算する。しかし、好適実施例では、発生の時間割合をしきい値交差間の間隔の中心傾向の尺度(例えば、平均、メジアン、トリム平均など)を使用して計算することができる。
【0056】
したがって、心拍数/分(bpm)で表した割合を次のように計算できる。
【0057】
【数2】
【0058】
ここで、中心傾向のこのような尺度は、例えば、平均、メジアン、トリム平均等とすることができる。
【0059】
方法ステップ52は、方法ステップ44で活動中とみなされた電圧しきい値検出器14の集合から時間的規則性の高い電圧しきい値検出器14の部分集合を形成することを示している。即ち、この方法ステップにおいて、方法ステップ44で活動中とみなされ、高い時間的規則性を有すると評価されている、電圧しきい値検出器14だけが、部分集合内に保持される。
【0060】
方法ステップ54は、方法ステップ52で形成された部分集合から幾つかの活動中の電圧しきい値検出器14を選択することを示している。該選択された電圧しきい値検出器14は、時間的規則性が最高であると評価された電圧しきい値検出器14、並びに、その時間的規則性が最高であると評価された電圧しきい値検出器14と本質的に等価な(即ち、ユーザにより指定された公差の範囲内にある)ものであると評価された時間的規則性を有する一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14である。
【0061】
方法ステップ56は判定ステップを示している。この判定ステップでは、方法ステップ54で選択された一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14の発生時間割合が、方法ステップ54で選択された時間的規則性が最高であると評価された電圧しきい値検出器14の発生時間割合と比較される。方法ステップ54で選択された一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14の発生時間割合が、時間的規則性が最高であると評価された電圧しきい値検出器14の発生時間割合の2倍またはそれ以上であることが判明すれば、かかる方法ステップ54で選択された一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14の少なくとも一つが、方法ステップ80に示すように、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに利用される最も正確なデータを生ずると考えられるものとして指定される。一方、方法ステップ58に示すように、方法ステップ54で選択された一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14の発生時間割合が、方法ステップ54で選択された時間的規則性が最高であると評価された電圧しきい値検出器14の発生時間割合の2倍またはそれ以上でない場合には、方法ステップ54で選択された時間的規則性が最高であると評価された電圧しきい値検出器14を、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに利用される最も正確なデータを生ずると考えられる電圧しきい値検出器14として指定する。方法ステップ82は、プロセスの停止又は終わりを示している。
【0062】
次に図3を参照する。同図には、本発明を実施するシステムの高レベルの概略が示されている。好適実施例では、図3に示したシステムは、ヒューレット・パッカード社が製造しているショック助言オプション(Shock Advisory Option)を有するCodemaster100細動除去器である。代替的には、図3に示すシステムは、ヒューレット・パッカード社が製造しているショック助言オプションを有するCodemasterXL又はXL+細動除去器とすることが可能である。別の実施例として、図3に示すシステムが心電計、ホルタモニタ、又は他の医療装置である場合が考えられる。
【0063】
本発明の構成要素を明瞭に理解するために個別ブロックとして図示してあるが、各個別ブロックをハードウェア又はソフトウェアで又はそれら両者により実施可能であることが理解されよう。例えば、電圧しきい値検出器14を明瞭に理解するために個別ブロックとして図示してあるが、好適実施例では、それら電圧しきい値検出器14は単に、方法ステップ66で行われるようにかかる個々の電圧しきい値検出器14と等価であるとみなされる計算された電圧レベルとすることが可能である。同様に、電圧しきい値検出器記録装置26を明瞭に理解するために個別ブロックとして図示してあるが、好適実施例では、それら記録装置26は、方法ステップ66で行われるように電圧しきい値検出器14と等価であるとみなされる計算された電圧レベルを超えるときを追跡することにより実施することが可能である。これと同じことが、図3に示した残りの構成要素について言える。
【0064】
図3には、多数の心電計電極34が取付けられた身体33が示されている。該心電計電極は、導電線36によりEKG機械10に接続されたものとして示されている。EKGマシン10は心臓のEKG波形表現12を生成する。このEKG波形12は、各々が異なる電圧しきい値を有する多数の別々の電圧しきい値検出器14に送られる。電圧しきい値検出器記録装置26は、それらの関連する電圧しきい値検出器14についての電圧しきい値が交差される(即ち満たされ又は超えられる)時刻を記録する。電圧しきい値検出器記録装置26は、一定の指定時間窓中のこれらの時刻を記録する。タイミング装置16は、電圧しきい値検出器記録装置26に時間窓を開くべきとき及び時間窓を閉じるべきときに関する適切な情報を供給する。指定時間窓が閉じると、電圧しきい値検出器記録装置26は、それらのそれぞれの電圧しきい値が交差した記録時刻を出力する。各電圧しきい値検出器記録装置26はその記録時刻を時間的規則性装置18及び発生時間割合装置20の双方に出力する。
【0065】
時間的規則性装置18は、最初に、該時間的規則性装置18が情報を受け取る電圧しきい値検出器記録装置26と関連する電圧しきい値検出器14に対する各連続するしきい値交差の間の時間間隔を計算する。時間的規則性装置18は、交差間の時間間隔を計算した後、発生の時間間隔計算値の中心傾向の尺度を評価する。これに続いて、時間的規則性装置18は、中心傾向の尺度の周りの時間間隔計算値の変動又は広がりを計算する。
【0066】
時間的規則性装置18の活動と同時に、発生時間割合装置20は、該装置20が情報を受け取る電圧しきい値検出器記録装置26と関連する電圧しきい値検出器14についてのしきい値交差の発生時間割合を計算する。発生時間割合は、図2の方法ステップ50で説明したものと同じ方法で計算される。図3から分かるように、各個別電圧しきい値検出器記録装置26は、それと関連する時間的規則性装置18及び発生時間割合装置20を備えている。これは、時間的規則性及び発生の時間割合が各個別電圧しきい値検出器について評価されることを意味している。
【0067】
時間的規則性及び発生時間割合が各電圧しきい値検出器について計算されると、その情報は時間的規則性評価装置22に送られる。時間的規則性評価装置22は、有効データとして、活動検出器32により活動中であると指定された電圧しきい値検出器14に対応するデータを受け入れるだけである。活動検出器32は、(1)電圧しきい値が所定の最小電圧しきい値より大きく(このような所定の最小電圧しきい値は先に説明した床しきい値である)、(2)タイミング装置16により指定された時間窓内に所定の最小数(例えば3)のしきい値交差よりも大きいしきい値交差を有し、及び(3)電圧しきい値交差がタイミング装置16により指定された時間窓の大きな百分率(例えば50%)にわたっている、電圧しきい値検出器14を、活動中であると指定する。時間的規則性評価装置22は、種々の時間的規則性装置18から時間的規則性データを受け取り、各装置(即ち、時間窓中に活動検出器32により活動中と指定された電圧しきい値検出器14)の時間的規則性を比較し、所定のしきい値数と比較してどの電圧しきい値検出器14が規則性の比較的高い尺度を示すかを決定し、これら規則性の高い装置から成る部分集合を形成する。
【0068】
その完了後、大きさ感応性選択装置28が、前に時間的規則性評価装置22により検査された残りの電圧しきい値検出器14から、評価された時間的規則性が最高の電圧しきい値検出器を、該評価された時間的規則性が最高の電圧しきい値検出器と本質的に等価な評価された時間的規則性を有する(即ち、ユーザ指定による公差範囲内にある)一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14と共に選択する。
【0069】
次に、発生時間割合比較装置30が、大きさ感応性選択装置28により選択された電圧しきい値検出器14についての発生時間割合を比較する。発生時間割合比較装置30が、一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14の発生時間割合が、評価された時間的規則性が最高の電圧しきい値検出器14の発生時間割合の2倍又はそれ以上であると判定した場合には、このような一層小さなしきい値電圧を有する電圧しきい値検出器14が、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに利用できる最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる電圧しきい値検出器14として指定され、その結果に関する情報を出力ライン24に出力する。しかし、一層小さな電圧しきい値を有する電圧しきい値検出器14の発生時間割合が、評価された時間的規則性が最高の電圧しきい値検出器14の発生時間割合の2倍又はそれ以上でない場合には、評価された時間的規則性が最高の電圧しきい値検出器14が、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに利用できる最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる電圧しきい値検出器14として指定される。
【0070】
特定の典型実施例について図示及び説明してきたが、当業者であれば、形態及び細目に関して例示実施例の思想及び範囲から逸脱することなくそれらに種々の変更を行い得ることが理解されよう。
【0071】
以下においては、本発明の種々の構成要件の組み合わせからなる例示的な実施態様を示す。
【0072】
1.心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するために使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる電圧しきい値検出器を複数の異なる電圧しきい値検出器から選択する方法であって、該方法が、EKG監視装置と共に使用されるものであって、
特定の時間窓を指定するステップ(42)と、
前記指定された時間窓中に一定の電圧しきい値検出器を活動中であると同定するステップ(44)と、
前記指定された時間窓中に前記活動中の電圧しきい値検出器の各々のしきい値を超えた時刻を記録するステップ(46)と、
前記記録された時刻に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々の前記しきい値をどれだけの頻度で超えたかに関する時間的規則性を評価するステップ(48)と、
前記評価された時間的規則性に応じて、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するために使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる少なくとも一つの前記活動中の電圧しきい値検出器を指定するステップ(58、60)とを有することを特徴とする方法。
【0073】
2.前記記録された時刻に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々について前記電圧しきい値の各々を超えた事象の発生の時間割合を計算するステップ(50)と、
前記評価された時間的規則性に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器から成る集合から、高い時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器から成る部分集合を形成するステップ(52)とを更に有する、請求項1に記載の方法。
【0074】
3.少なくとも一つの前記活動中の電圧しきい値検出器を指定する前記ステップが更に、
前記部分集合の中の一層小さなしきい値を有する他の活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合が、前記部分集合中の最高の時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合のうちの一つよりも所定の倍数だけ大きくない限り(56,80)、前記部分集合中で心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用できる最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器と評価された最高の時間的規則性を有する活動電圧しきい値検出器を指定し、前記部分集合の中の一層小さなしきい値を有する他の活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合が、前記部分集合中の最高の時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合のうちの一つよりも所定の倍数だけ大きい場合には、前記部分集合中の最高の時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器についての計算された発生時間割合の一つよりも所定の倍数だけ大きい発生時間割合を有する、前記部分集合中の前記一層小さなしきい値を有する他の活動電圧しきい値検出器を、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用できる最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として指定するステップ(58)を有する、請求項2に記載の方法。
【0075】
4.少なくとも一つの前記活動中の電圧しきい値検出器を指定する前記ステップが更に、
前記活動中の電圧しきい値検出器のうちの幾つかの電圧しきい値検出器であって、そのうちの1つが、最高の時間的規則性を有すると評価された第1の電圧しきい値検出器であり、前記幾つかの電圧しきい値検出器のうちの残りが、時間的規則性が最高であると評価された前記第1の電圧しきい値検出器と本質的に同じであると評価された時間的規則性を有する電圧しきい値検出器である、前記活動中の電圧しきい値検出器のうちの幾つかの電圧しきい値検出器を、前記部分集合から選択するステップ(54)と、
前記幾つかの活動中の電圧しきい値検出器のうちの前記残りの電圧しきい値検出器のうちの前記少なくとも一つについての事象の計算された発生時間割合が、最高と評価された時間的規則性を有する前記第1の活動中の電圧しきい値検出器についての計算された事象の発生時間割合の一つよりも所定倍数だけ大きい場合に、前記幾つかの活動中の電圧しきい値検出器のうちの前記残りの電圧しきい値検出器のうちの少なくとも一つを、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として指定し(56,80)、それ以外の場合には、最高と評価された時間的規則性を有する前記第1の電圧しきい値検出器を、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として指定する(56,58)ステップを有する、請求項2に記載の方法。
【0076】
5.前記記録された時刻が、それに関連するしきい値交差間隔を有しており、前記活動電圧しきい値検出器の各々の電圧しきい値を満たし又は超える頻度に関する時間的規則性を評価する前記ステップが、しきい値交差間隔の分布の広がりを計算するステップを更に有しており、該広がりを計算するステップが、
前記の指定された特定の時間窓について、前記しきい値交差間隔の中心傾向の尺度を計算するステップと、
前記の指定された特定の時間窓について、前記中心傾向の尺度の周りでの前記しきい値交差間隔の変動を計算するステップとを更に有している、請求項1に記載の方法。
【0077】
6.心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するために使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる電圧しきい値検出器を複数の異なる電圧しきい値検出器から選択するシステムであって、該システムが、EKG監視装置と共に使用されるものであって、
時間の特定の窓を指定する手段(16)と、
前記の指定された時間窓中に幾つかの電圧しきい値検出器を活動中であると同定する手段(32)と、
前記指定時間窓中に前記活動中の電圧しきい値検出器の各々のしきい値を超えた時刻を記録する手段(26)と、
前記記録された時刻に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々の前記しきい値をどけだけの頻度で超えたかに関する時間的規則性を評価する手段(18)と、
前記評価された時間的規則性に応じて、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するために使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる少なくとも一つの前記活動電圧しきい値検出器を指定する手段(30)と
を備えていることを特徴とするシステム。
【0078】
7.前記記録された時刻に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々について前記電圧しきい値の各々を超えた事象の発生時間割合を計算する手段(20)と、
前記評価された時間的規則性に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器から成る集合から、高い時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器から成る部分集合を形成する手段(22)と
を更に備えている、請求項6に記載のシステム。
【0079】
8.少なくとも一つの前記活動中の電圧しきい値検出器を指定する前記手段が、
前記部分集合中の一層小さなしきい値を有する他の活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合が、前記部分集合中の最高の時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合のうちの一つよりも所定の倍数だけ大きくない限り(30)、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として、前記部分集合中の最高と評価された時間的規則性を有する活動中の電圧しきい値検出器を指定し、前記部分集合の中の一層小さなしきい値を有する他の活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合が、前記部分集合中の最高の時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器についての事象の計算された発生時間割合のうちの一つよりも所定の倍数だけ大きい場合には、前記部分集合中の最高の時間的規則性を有すると評価された前記活動中の電圧しきい値検出器についての計算された発生時間割合の一つよりも所定の倍数だけ大きい発生時間割合を有する、前記部分集合中の前記一層小さなしきい値を有する他の活動電圧しきい値検出器を、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用できる最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として指定する手段(30)を更に備えている、請求項7に記載のシステム。
【0080】
9.少なくとも一つの前記活動中の電圧しきい値検出器を指定する前記手段が、
前記活動中の電圧しきい値検出器のうちの幾つかの電圧しきい値検出器であって、そのうちの1つが、最高の時間的規則性を有すると評価された第1の電圧しきい値検出器であり、前記幾つかの電圧しきい値検出器のうちの残りが、時間的規則性が最高であると評価された前記第1の電圧しきい値検出器と本質的に同じであると評価された時間的規則性を有する電圧しきい値検出器である、前記活動中の電圧しきい値検出器のうちの幾つかの電圧しきい値検出器を、前記部分集合から選択する手段(28)と、
前記幾つかの活動中の電圧しきい値検出器のうちの前記残りの電圧しきい値検出器のうちの前記少なくとも一つについての事象の計算された発生時間割合が、最高と評価された時間的規則性を有する前記第1の活動中の電圧しきい値検出器についての計算された事象の発生時間割合の一つよりも所定倍数だけ大きい場合に、前記幾つかの活動中の電圧しきい値検出器のうちの前記残りの電圧しきい値検出器のうちの少なくとも一つを、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として指定し、それ以外の場合には、最高と評価された時間的規則性を有する前記第1の電圧しきい値検出器を、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するのに使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる活動中の電圧しきい値検出器として指定する手段(30)とを更に備えている、請求項7に記載のシステム。
【0081】
10.前記記録された時刻が、それに関連するしきい値交差間隔を有しており、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々の電圧しきい値を満たし又は超える頻度に関する時間的規則性を評価する前記手段が、前記しきい値交差間隔の分布の広がりを計算する手段を更に備えており、該広がりを計算する手段が、
前記の指定された特定の時間窓について、前記しきい値交差間隔の中心傾向の尺度を計算する手段と、
前記の指定された特定の時間窓について、前記中心傾向の尺度の周りでの前記しきい値交差間隔の変動を計算する手段とを更に備えている、請求項6に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】 二つの異なる波形を二つの異なる電圧しきい値と共に示すグラフであり、時間的規則性の全体的な概念を示すために使用されるものである。
【図2】 本発明の方法の典型的な実施例を示す高レベルのフローチャートである。
【図3】 本発明を実施するためのシステムを示す高レベルのブロック図である。
Claims (1)
- 心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するために使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる電圧しきい値検出器を複数の異なる電圧しきい値検出器から選択する、EKG監視装置の動作を制御する方法であって、
特定の時間窓を指定するステップ(42)と、
前記指定された時間窓中に一定の電圧しきい値検出器を活動中であると同定するステップ(44)と、
前記指定された時間窓中に前記活動中の電圧しきい値検出器の各々のしきい値を超えた時刻を記録するステップ(46)と、
前記記録された時刻に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々の前記しきい値をどれだけの頻度で超えたかに関する時間的規則性を評価するステップ(48)と、
前記記録された時刻に応じて、前記活動中の電圧しきい値検出器の各々について前記電圧しきい値の各々を超えた事象の発生の時間割合を計算するステップ(50)と、
前記計算された発生の時間割合それぞれの比較における前記電圧しきい値検出器の前記選択に応じて、心臓の電気的活動が正常であるか異常であるかを決定するために使用される最も信頼性のあるデータを生成すると考えられる少なくとも一つの前記活動中の電圧しきい値検出器を指定するステップ(58、80)とを有することを特徴とする方法。
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