JP4433976B2 - 小型光線治療器 - Google Patents
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Description
この治療器は、光源を含む治療器本体からアームが伸びるように構成されて、光源からの放射光が、ファイバーで導かれてアーム先端に装着されたプローブから放射される。
しかし、装置本体は、大型であるため治療現場において設置場所を占有してしまう。また、アームの上下動も大きな空間を占めるため、他の機器と接触しないように余裕ある機器配置をしなければならなかった。
また、顧客からは、フルパワーの光出力で治療するだけではなく、光出力を低減させて使いたいというニーズも多い。
T0≧−118*(Is−Ic)+300
本体ケース10は、合成樹脂にて射出成形され、前ケース11と後ケース12の2分割構造で形成される。後ケース12の下方に握り部が一体的に形成されて、装置は全体として小型軽量なハンディタイプとなる。
また、後ケース12の後方には、スリット状の冷却風吸入孔13が形成され、この冷却風吸引孔13の手前に冷却ファン14が配置される。冷却ファン14が作動すると冷却風が吸引されて本体ケース10の内部に流れる。
また、前ケース11と後ケース12は、係合部15においてワンタッチ式にかみ合う構造になっている。
前ケース11の先端にはライトガイド23が装着される。このライトガイド23は、直径150μmの光ファイバーを約2000本束ねたものであり、前ケース11に着脱自在となる。
石英を主成分とするガラス製の発光管1aよりなり、一端に封止部1bが形成されるとともに、他に排気管残部2が形成される。発光管1a内では発光部を構成する一つもしくは複数のフィラメントコイル3が当該発光管の管軸に水平に配置されている。フィラメントコイル3はサポータ4によって支持されている。発光管1a内には、例えば、不活性ガスとハロゲン化合物が封入されている。封止部1bには金属箔5が埋設されてサポータ4と外部リード6の電気的接合を構成する。金属箔5はモリブデンによりなる。フィラメントランプ3は、赤外線、具体的には波長300〜3000nmを超える範囲の光を放射する。
反射ミラー20の首部20bには、例えば、ポリアミド系接着剤を充填することでフィラメントランプ1を保持している。首部20bにはセラミック製口金などを装着されておらず、また、反射ミラー20の後部には当該反射ミラーを保持するための特別の部材も存在しない。
フィラメントランプ1から伸びる給電線は握り部に内蔵された電気回路(図示略)に接続される。この電気回路はプッシュスイッチ24、発光確認のLEDなどを含む簡単な回路である。
反射ミラー20は、前面開口が金属製ブロック21に密着して取り付けられる。金属製ブロック21は、熱容量を有するものであり、フィラメントランプ1から放射される赤外線を吸収する。
なお、図示略ではあるが、プッシュスイッチ24と同様に、基準点灯モード(Ms)と調光点灯モード(Mc)のいずれかを選択するとともに、調光点灯モード(Mc)においてはそのレベルを選択できる選択スイッチが設けられる。また、後述するように、光照射を連続的に患部に照射する場合と、断続的に照射する場合があり、これらの照射形態を選択するスイッチも設けられる。しかし、これらスイッチは本体ケース10に設けることに限定されるわけではなく、後述する給電装置に設けることもできる。
この光治療装置は、例えば3〜10分間程度、ライトガイド23の先端を患部に向けて光照射する。
交流電源30に、スイッチ24、DC電源31、スイッチング回路32、平滑回路33、スイッチ39、電流検出回路34、ランプ1が順に接続される。また、スイッチング回路32には制御回路35、比較回路36、設定回路37、選択スイッチ38が接続される。
DC電源31は、ダイオード、コンデンサなどの整流平滑回路が内蔵されており、例えば100Vの交流電源を直流電源に変換する。
スイッチング回路32は、FETなどのスイッチング素子を有しており、DC電源31から供給される直流出力を高周波の交流に変換する。
平滑回路33は、高周波交流を再び直流に変換し出力する。スイッチング回路32、平滑回路33、電流検出回路34によって定電流回路が構成される。一例を挙げると、12V、2.63Aの直流電流を出力する。
電流検出回路34は、例えばシャント抵抗から構成され、ランプ1に流れる電流を検出する。
制御回路35は、前記スイッチング回路32に内蔵されるスイッチング素子をオン・オフ駆動するものための信号を発信する回路であり、パルス幅変調回路が内蔵されて所望の間隔で信号を発する。所望の間隔とは電流検出回路34による電流信号と基準値を比較器36において比較してフィードバック制御する。
図において点線で囲まれた部分が給電装置を構成するが、これら構成は限定されるものではなく、例えば、本体ケース10に一部の機能を内蔵させるなどの変更は可能である。
設定回路37は、選択されたモードやレベルに対応して、比較回路36に所定の信号を出力する。このとき、調光点灯モード(Mc)が選択された場合は、点灯始動時の所定時間T0は出力信号が通常時の信号よりも高くなるよう制御される。この点は後述する。
具体的に言うと、選択スイッチ38により基準点灯モード(Ms)が選択されると、設定回路37から、基準電流値(Is)、例えば2.63Aに相当する信号が出力され、比較回路36では、この信号と電流検出回路34からの出力信号を比較することで電流値を2.63Aに維持する定電流制御が行われる。
調光点灯モード(Mc)は、電流値を変化させた、例えば9段階のレベルが用意される。一例をあげると、電流値(Ic)が1.53A、1.81A、1.96A、2.13A、2.24A、2.33A、2.42A、2.49A、2.56Aのいずれかとなる段階であり、いずれも基準電流値(Is)よりも低い電流値になっている。
例えば、電流値(Ic)が1.53Aとなるべきレベルが選択された場合、設定回路37は1.53Aに相当する信号を比較回路36に送信し、比較回路36と制御回路35によって、電流値(Ic)が1.53Aに維持されるような定電流制御が行われる。ただし、後述するが、点灯始動時は電流が重畳されるため、1.53Aではない。
もちろん、これら基準電流値(Is)、調光点灯モード(Mc)の電流値(Ic)、調光点灯モード(Mc)のレベル数は、適宜設計できるものであって、上記数値は一例にすぎない。
ここで、本発明に係る光治療装置は、調光点灯モード(Mc)が選択された場合、点灯始動時の所定時間、そのレベルの電流値(Ic)に対して所定の電流量(I0)を重畳させる。調光点灯モード(Mc)は電流値が低いため、光出力の立ち上がりが遅いからである。
基準点灯モード(Ms)は時間tsにおいて、安定時の光出力にほぼ到達するのに対し、調光点灯モード(Mc)では時間tsよりも遅れた時間tcにおいて安定時の光出力にほぼ達する。この原因はランプに供給される電流が小さいため、フィラメントの温まりが遅くなるからである。
数値例をあげると、基準点灯モード(Ms)(2.63A)の光出力の立ち上がりは約600msであるのに対し、調光点灯モード(Mc)(1.53A)の光出力の立ち上がりは約2秒となる。
この光出力の立ち上がり遅延は次の問題を招く。すなわち、光治療装置の使用方法は、患部に連続的に照射する方法と、特定の時間間隔で断続的に照射する方法が存在する。後者の場合は、数秒の照射と数秒の非照射を繰り返しながら治療を行う。しかし、光出力の立ち上がりが遅いと、数秒の照射では十分な量を得ることができず、何回照射させても不完全な治療となりかねない。また、連続照射も含めて、立ち上がり時において光が放射されていないとの勘違いを招き、特に、家庭用で一般消費者が使用する場合は故障として扱
われかねない。
このため、本発明では光出力の立ち上がり遅延防止のために、初期点灯時に電流を重畳させている。
因みに、連続照射と断続照射の選択は図示略の切替手段で行われ、断続照射が選択された場合にスイッチ39にてオン、オフ動作が行われる。断続照射は所定の時間間隔で行われる。一例をあげると、1秒照射と9秒休止の繰り返しや、2秒照射と8秒休止の繰り返しである。スイッチ39のオン、オフ制御機能は図3においては省略されている、断続照射の場合は、連続的に続く‘照射と休止’のサイクルにおいて、各照射のタイミングごとに電流の重畳が行われることとなる。前記の例では、1秒の照射の毎に、その最初の100〜300msで電流が重畳されている。
具体的に言えば、基準点灯モード(Ms)の基準電流値(Is)が2.63Aの場合に、電流値1.53Aのレベルの調光点灯モード(Mc)が選択された場合、重畳させるべき電流量(I0)は、その差1.10A(2.63−1.53)となり、この1.10Aを点灯始動時の所定時間、重畳させることになる。あるいは、基準点灯モード(Ms)の基準電流量が同じく2.63Aの場合、電流値1.81Aのレベルの調光点灯モード(Mc)が選択された場合は、その差0.82A(2.63−1.81)を点灯始動時に重畳させることとなる。
これにより、調光点灯モード(Mc)を選択した場合であっても、光出力の立ち上がりを基準点灯モードと同じにすることができ、すなわち、著しい立ち上がり遅延という問題を解決することできる。
なお、重畳させる電流量(I0)は、重畳後の電流値(Ic+I0)が基準電流値(Is)の±10%ぐらいになることが望ましい。
レベル1〜9は調光点灯モード(Mc)のレベルであり、レベル10は基準点灯モード(Ms)を表す。レベル1は定常点灯時に電流値1.53Aで定電流点灯されるものを意味しており、もっとも光出力の小さい(調光による低減率の高い)点灯モードであって、以下、レベル2から9にむかい定常点灯時の電流値が高いレベルになっている。
電流Icは定常(安定)点灯時の電流値を示し、各レベルにおいては、この電流値を基準に定電流制御されることになる。
電流I0は点灯始動時に重畳される電流量を示し、時間T0は電流I0が重畳されるべき最低の時間を示す。
具体的に説明すると、レベル10は基準点灯モード(Ms)であり、所定の立ち上がり時間tsを経て、「2.63A」に相当する光出力L10が放射される。
また、レベル1は、本来ならば所定の立ち上がり時間tc1を経て、「1.53A」に相当する光出力L1を放射すべきはずであるが、本発明では、点灯開始時に基準電流値(2.63A)との差「1.10A」を重畳電流I0として重畳させているため、立ち上がり時間を基準電流値(レベル10)と同じtsにすることができる。この場合、重畳電流I0を重畳すべき時間T0は最低180msということを意味する。
また、レベル2は、本来ならば所定の立ち上がり時間tc2を経て、「1.81A」に相当する光出力L2を放射すべきはずであるが、本発明では、点灯開始時に基準電流値(2.63A)との差「0.82A」を重畳電流I0として重畳させているため、立ち上がり時間を基準電流値(レベル10)と同じtsにすることができる。この場合、重畳電流I0を重畳すべき時間T0は最低200msということになる。
同様に、レベル3〜9においても、各々表示された時間T0だけ、表示された電流I0を重畳させることで、光出力の立ち上がり時間を基準点灯モードと同じ時間にすることができる。
以上のように、この実験では、調光点灯モード(Mc)における各レベルの定常点灯時の電流Icが設定されたときに、光出力の立ち上がり時間を、レベル10(基準点灯モード(Ms))の光出力の立ち上がり時間と同じにするために必要な最低の時間T0を測定している。
図より、近似線として、「重畳時間T0=−118.81*(重畳電流I0)+301」が導き出せ、誤差などを考慮して「重畳時間T0=−118*(重畳電流I0)+300」と規定できる。また、重畳電流I0は、‘基準電流値Is’−‘そのレベルの電流値Ic’となる。
従って、調光点灯モード(Mc)で点灯する場合に、初期点灯開始時の電流値を基準点灯モード(Ms)の電流値に設定する場合、上記関係式で導き出せる時間T0を最低限必要な重畳時間とすればよいことがわかる。
例えば、調光段階をアナログ的に任意に設定できる場合であっても、基準電流値Iとの差を重畳電流I0として、上記関係式で導き出せる時間を重畳時間とすることで光出力の立ち上がり遅延を防止することができる。
なお、上記公式の場合、重畳電流I0(Is−Ic)が‘2.54A’より大きくなると、重畳時間T0はマイナスになってしまう。この場合は、基準点灯モードMsの基準電流値Isと調光点灯モードMcの電流値Icの差が‘2.54A’より大きくなってはいけないことを意味する。
10 本体ケース
11 前ケース
12 後ケース
20 反射ミラー
23 ライトガイド
30 交流電源
31 DC電源
32 スイッチング回路
33 平滑回路
34 電流検出回路
I0 重畳される電流
T0 重畳時間
Claims (1)
- フィラメント光源を収納して、ライトガイドを介して波長600〜1800nmの赤外線を放射するハンディタイプの照射器と、フィラメント光源に対する給電装置よりなる光治療装置において、
前記給電装置は、前記フィラメント光源に対して、
所定の基準電流値(Is)で一定制御する基準点灯モード(Ms)と、当該基準電流値(Is)より低い電流値(Ic)で一定制御する調光点灯モード(Mc)を有し、
当該調光点灯モード(Mc)が選択された場合に、点灯始動からの所定時間(T0)、電流値(Ic)に、電流値(Ic)との合計値が、前記基準点灯モード(Ms)の基準電流値(Is)の±10%以内となる量である電流量(I0)を重畳させることを特徴とする光治療装置。
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