JP4433626B2 - マリンホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体を輸送するマリンホースに係わり、更に詳しくは繊維補強コード層の繊維コードにかかる応力を均等にして、積層数を減らしながら破壊圧力を向上させたマリンホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、陸上の設置された原油等を貯蓄するオイルタンクと、海上に停泊するオイルタンカーとを結んで原油等のオイルを輸送するマリンホースは、その最内層に配設されたゴムチューブ層上に、ゴム被覆された各繊維コードが互いに交差するように巻回された複数層の繊維補強コード層と、ホースの長手方向にスパイラル状に巻回したスチールワイヤー層と、この外側に複数層の前記と同様な繊維補強コード層とを順次積層させて本体耐圧コード層を形成し、最外層にカバーゴム層を被覆して構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スチールワイヤー層の内側に配設される繊維補強コード層は、マリンホースの軸方向の内圧力に対する耐圧層として機能し、またスチールワイヤー層は、マリンホースの円周方向の内圧力に対する耐圧層として機能し、従って、そのコードの配向角度は各層の機能により設定する必要があるが、従来のマリンホースでは、例えば、繊維補強コード層の場合、37°や40°に固定され、全て均一の構造をなしていた。
【0004】
また、繊維補強コード層の繊維コードの配向角度を、55°以上に設定した場合、軸方向の応力を受け持つために繊維補強コード層のプライ数が多くなり、また繊維コードの配向角度を、35°よりも小さくすると、周方向の応力を受け持つためのプライ数を増加する必要があり好ましくない。また、スチールワイヤー層は、上記のように円周方向の内圧力に対する耐圧層であることから、そのコードの配向角度は最大90°まで許容できるが、コード角度を70°よりも小さくするとプライ数を増加する必要があり好ましくない。
【0005】
更に、繊維補強コードは、上記のような配向角度で均一に撚り合わされているために、内管を通過する流体の圧力により繊維コードの応力は層毎にバラツキが生じ、特にスチールワイヤー層間や、その近傍に位置する繊維補強コード層は、コードの配向角度の違いや、均一な配向角度であることから、張力にバラツキが生じて繊維補強層の破壊強度が低下すると言う問題があった。
【0006】
この発明の目的は、繊維補強コード層の各層毎の繊維コードにかかる力を均等にすることで、少なくとも同じ層数以下で破壊強度を向上させたマリンホースを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するため、スチールワイヤー層の内側及び外側にそれぞれ最も近接する繊維補強コード層の繊維コードがホース長手方向となす配向角度を、35°以上〜55°未満の範囲に設定すると共に、少なくともスチールワイヤー層の内側の繊維補強コード層における配向角度を複数層毎に変化させたことを要旨とするものである。
【0008】
また、前記層毎に変化させる配向角度を、0°以上〜4°未満の範囲とし、変化させる層が、複数層毎であることを要旨とするものである。
【0009】
この発明は、上記のように構成することで、繊維補強コード層の各層毎の繊維コードにかかる力を均等にし、少なくとも同じ層数以下で破壊強度を向上させることが出来るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。
【0011】
図1は、この発明を実施したマリンホースの繊維コードの配向状態を示す正面図、図2は図1のX部の拡大図、図3は図2のA−A矢視拡大断面図を示し、前記マリンホースは、ホース本体部1の両端に取付けフランジ2a,2bを一体的に設けてある。
【0012】
前記ホース本体部1は、最内層に配設されたゴムチューブ層3上に、ポリエステルコード等のゴム被覆された繊維コード4a〜4dを互いに交差するように巻回した複数層(この実施形態では4層であるが、2層〜10層にすることも可能である)の繊維補強コード層5と、ホース本体部1の長手方向にスパイラル状に巻回したスチールワイヤー層6と、この外側にゴム被覆された繊維コード7a〜7cを互いに交差するように巻回した複数層(この実施形態では3層であるが、2層〜10層にすることも可能である)の繊維補強コード層8とを順次積層させて本体耐圧コード層9を形成し、最外層にはカバーゴム層10を被覆して構成してある。
【0013】
この発明の実施形態では、前記スチールワイヤー層6に最も近接する繊維補強コード層5の繊維コード4d,7aの配向角度αを35°以上〜55°未満の範囲、好ましくは35°以上〜47°未満の範囲に設定してある。なお、この配向角度αが35°以上〜55°未満の範囲は、繊維コードの疲労や伸び等を考慮して設定したものである。
【0014】
また、前記の配向角度αを35°以上〜55°未満の範囲に設定した繊維コード4d、7aの内外の外側に配設する繊維コード4a〜4c及び7b、7cの配向角度αを、各層毎、好ましくは複数層毎に0°以上〜4°未満の範囲で変化させて積層する。
上記の実施形態では、繊維コード4d、7aの内外の外側の繊維補強コード層5における配向角度αを、複数層毎に0°以上〜4°未満の範囲で変化させているが、後述する表1の実施例のように、スチールワイヤー層6の内側の繊維補強コード層5だけの配向角度αを、複数層毎に変化させるようにしてもよい。
【0015】
このように構成することで、各層毎の繊維コードにかかる力を均等にし、少なくとも同じ層数以下で破壊強度を向上させることが出来るものである。
【0016】
以上のように構成することで、内管内を通過する流体Wの圧力により、層毎にバラツキが生じることはなく、繊維補強コード層5の各繊維コード4a〜4d及び繊維補強コード層8の各7a〜7cにかかる応力を均等にすることができ、少なくとも同じ層数以下で破壊強度を向上させることが出来る。
【0017】
以下の表1は、この発明の実施形態にかかるマリンホースと従来のマリンホースとの各層毎における張力(N)と配向角度α(°)とを比較したもので、今回の比較実験は、FEM解析方法により行い、FEM解析方法は耐圧試験方法の『OCIMF(Oil Companies International Marine Forum)規格』の水圧試験と同条件で実施した。
(a).FEM解析方法
FEM解析方法は、任意の軸より360度回転した断面が同一の軸対象モデルを作成し、この軸対象モデルの断面(二次元)を使用して三次元のモデルを解析する方法である。
【0018】
この発明の実施形態の場合は、マリンホース内部に内圧をかけて解析を行うもので、マリンホースの破壊試験と同条件である。
【0019】
上記OCIMF規格に規定されている水圧試験の概略は以下の通りである。
【0020】
(1). 全てのホースは、水により定格圧力で試験する。
【0021】
(2). 水圧記録計がこの試験に用いられる。
【0022】
(3). 伸びを拘束しない支持台上にできるだけ真っ直ぐに置く。
(b).材料定数
(1). ポリエステル繊維 ヤング率 66930 MPa ポアソン比 0.3
(2). ボディーワイヤー ヤング率 210000 MPa ポアソン比 0.29
(3). ゴム材料 ヤング率 40 MPa ポアソン比 0.4999
(4) ポリエステル繊維補強層 18層
【0023】
【表1】
以上の表1から明らかなように、スチールワイヤー層に最も近接する繊維補強コード層(8、9層目)の繊維コードの配向角度を35°以上〜55°未満の範囲に設定すると共に、スチールワイヤー層よりも内側に位置する繊維補強コード層(9〜18層目)の繊維コードの配向角度αを、2層毎に0°以上〜4°未満の範囲で変化させて積層することで、従来構造である比較例よりもポリエステル繊維層における最大張力が、10.8% 低減する。このように、繊維補強コード層の各層毎の繊維コードにかかる力を均等にすることで、同じ層数で破壊強度を約10% 向上させることが出来ることが判った。
【0024】
【発明の効果】
この発明は、上記のようにスチールワイヤー層の内側及び外側にそれぞれ最も近接する繊維補強コード層の繊維コードがホース長手方向となす配向角度を、35°以上〜55°未満の範囲に設定すると共に、少なくともスチールワイヤー層の内側の繊維補強コード層における配向角度を複数層毎に変化させるようにしたので、繊維補強コード層の各層毎の繊維コードにかかる力を均等にでき、少なくとも同じ層数以下で破壊強度を向上させることが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるマリンホースの繊維コードの配向状態を示す正面図である。
【図2】図1のX部の拡大図である。
【図3】図2のA−A矢視における拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ホース本体部
2a,2b 取付けフランジ
3 ゴムチューブ層
4a〜4d 繊維コード
5 繊維補強コード層
6 スチールワイヤー層
7a〜7c 繊維コード
8 繊維補強コード層
9 本体耐圧コード層
10 カバーゴム層
Claims (3)
- 最内層に配設されたゴムチューブ層の上に、繊維コードが互いに交差するように巻回された複数層の繊維補強コード層と、ホース長手方向にスパイラル状に巻回したスチールワイヤー層と、この外側に複数層の前記繊維補強コード層と同様な繊維補強コード層とを順次積層させて本体耐圧コード層を形成し、最外層にカバーゴム層を被覆してなるマリンホースにおいて、
前記スチールワイヤー層の内側及び外側にそれぞれ最も近接する繊維補強コード層の繊維コードがホース長手方向となす配向角度を、35°以上〜55°未満の範囲に設定すると共に、少なくとも前記スチールワイヤー層の内側の繊維補強コード層における配向角度を複数層毎に変化させたマリンホース。 - 前記複数層毎に変化させる配向角度を、0°以上〜4°未満の範囲とした請求項1に記載のマリンホース。
- 前記スチールワイヤー層の外側の繊維補強コード層における配向角度を複数層毎に変化させた請求項1又は2に記載のマリンホース。
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