JP4432609B2 - 発光素子アレイヘッドおよびそれを用いた光プリンタ - Google Patents

発光素子アレイヘッドおよびそれを用いた光プリンタ Download PDF

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Description

本発明は、主に電子写真プリンタに用いる発光素子アレイヘッドに関する。
電子写真プリンタ(光プリンタ)に用いる光プリンタヘッドは、感光ドラムに光を露光させるための光源である。光プリンタヘッドを備える光プリンタの原理図を図1に示す。円筒形の感光ドラム52の表面に、アモルファスSi等の光導電性を持つ材料(感光体)が作られている。このドラムは、プリントの速度で回転している。回転しているドラムの感光体表面を、帯電器54で一様に帯電させる。そして、光プリンタヘッド56で、印字するドットイメージの光を感光体に照射し、光の当たったところの帯電を中和する。続いて、現像器58で感光体上の帯電状態にしたがって、トナーを感光体上につける。そして、転写器60でカセット62中から送られてきた用紙64上にトナーを転写する。用紙64は、定着器66にて熱等を加えられ定着され、スタッカ68に送られる。一方、転写の終了したドラムは、消去ランプ70で帯電が全面にわたって中和され、清掃器72で残ったトナーが除去される。
このような光プリンタヘッドには、多数個の発光素子を直線状に配列した発光素子アレイチップを用意し、この発光素子アレイチップを多数個、直線状に配列した発光素子アレイヘッドが用いられる。
一般的な発光素子アレイヘッドは、例えば、A4サイズの用紙の短辺の長さを有する600dpiの発光素子アレイヘッドであれば、発光素子ピッチp=25.4mm/600=42.3μmで、約210mmにわたって発光素子アレイチップを多数個配列させている。各発光素子の間隔は2つの発光素子アレイチップの継ぎ目においても一定である必要があり、高い位置精度で多数の発光素子アレイチップを配列しなければならなかった。また、必ず用紙サイズに対応した長さだけ発光素子が並んでいる必要があるため、多数個の発光素子アレイチップが必要となり、発光素子アレイヘッドのトータルコストが高価になってしまうという問題があった。
本発明の目的は、発光素子アレイチップの数を削減して、コストダウンを可能にする発光素子アレイヘッドを提供することにある。
また、本発明の目的は、発光素子アレイチップの配列位置精度を大幅に緩和できる発光素子アレイヘッドを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、薄型で占有容積の小さな発光素子アレイヘッドを提供することにある。
かかる従来技術の課題を解決するために、本発明は、複数個の発光素子を直線状に配列した発光素子アレイチップを搭載した発光素子アレイ基板と、入射端側と出射端側とでピッチが異なる複数本の光導波路を有し、発光素子の発光部から発光された光を光導波路の入射端に入射させて導波路内を伝搬させる光導波路アレイ基板と、複数個のレンズを有し、光導波路の出射端から出射された光を入射させてレンズ後方に光を集光させるレンズアレイを備える発光素子アレイヘッドであって、発光素子の発光部ピッチは、光導波路アレイ基板の出射端側の光導波路のピッチの整数分の1であることを特徴とする。
光導波路の入射端1個に対して、複数個の発光部の光が入射することが好ましい。発光素子アレイチップは、光導波路の入射端近傍に固定されていることが好ましい。
また、発光素子アレイ基板と光導波路アレイ基板は、発光素子の発光部と光導波路の入射端が密接または近接するようにして接着固定されていることが好ましい。さらに、発光素子の発光部は、光導波路の入射端に密接または近接して配置され、かつ発光素子アレイチップの1面は、光導波路アレイ基板の表面に密接していることが好ましい。
また、発光素子アレイチップは、自己走査機能を備えていることが好ましい。レンズアレイは、光導波路アレイ基板の出射端側の光導波路のピッチと等しいレンズピッチを有し、光導波路アレイ基板の出射端側の発光パターンを、レンズアレイの後方に拡大結像することが好ましい。発光素子は、端面発光型の発光素子であることが好ましい。
本発明によって、例えば、3000dpiの発光素子アレイを用いて600dpiの発光素子アレイヘッドを作製すると、発光素子チップ数が、600dpiの発光素子アレイを用いる通常の場合に比べて、1/5に削減でき、発光素子アレイヘッドとしてのコストダウンが可能となる。また、発光素子アレイチップの配列位置精度を大幅に緩和できる。さらに、ヘッド全体が、厚み1〜2mm程度のガラス基板上に形成できて、薄型で占有容積の小さな発光素子アレイヘッドが実現可能となる。
図2は、本発明の一実施例である発光素子アレイヘッドの正面図である。図2に示す発光素子アレイヘッドは、8個の発光素子アレイチップ10(図では4個のみを示す)と、入射端側と出射端側とでピッチが異なる複数本の光導波路14を有し、発光素子アレイチップ10の発光素子から発光された光を光導波路14の入射端に入射させて導波路14内を伝搬させる光導波路アレイ基板12と、複数個のレンズを有し、光導波路14の出射端から出射された光を入射させてレンズ後方の感光ドラム表面20に光を集光させるマイクロレンズアレイ18を備える。
発光素子アレイチップ10は、発光素子の出射光が光導波路の入射端に入射するようにして、光導波路アレイ基板12に密接して固定されている。また、この発光素子アレイチップ10は、セラミック基板(図示せず)上に実装されている。1個の発光素子アレイチップ10は、6000dpi、すなわちピッチ4.2335μmで発光素子を1300個、直線状に配列させたもので、長さは約5.5mmである。発光素子は、端面発光型の発光素子であり、発光素子の各出射端、すなわち各発光部の発光領域は、発光素子の配列方向に幅約3μm、これと垂直方向に幅約1μmになっている。また、発光素子アレイチップは、自己走査機能を備えている。
端面発光型の発光素子には、代表的なものとして端面発光ダイオードがあるが、本願の発明者らは、発光素子の構成要素としてpnpn構造を持つ端面発光サイリスタに注目し、発光点の自己走査が実現できることを既に特許出願している(特開平9−85985号公報,特開平11−330541号公報,特開平2001−53334号公報参照)。図3に、特開平9−85985号公報に記載の端面発光サイリスタを示す。(a)は平面図、(b)は側面図を示す。
この端面発光サイリスタは、図3(b)に示すように、n型半導体基板30上に形成されたn型半導体層32,p型半導体層34,n型半導体層36,p型半導体層38と,p型半導体層38にオーミック接触するように形成されたアノード電極40と、n型半導体層36にオーミック接触するように形成されたゲート電極42とを備えている。この構造上には、図示しないが全体に絶縁被膜(光を透過する絶縁材料よりなる)が設けられ、その上に図3(a)に示すように、Al配線44が設けられている。絶縁被膜には、電極とAl配線とを電気的に接続するためのコンタクトホール46が開けられている。また、n型半導体基板30の裏面には、カソード電極(図示せず)が設けられている。このような端面発光サイリスタでは、ゲート層34,36の端面から光が出射する。
一般には、図2に示すようなピッチの細かい、すなわち発光素子ピッチ8.467μmの発光素子アレイチップの各発光素子を個別駆動することは、ワイヤーボンディングのピッチを細かくするのに限界があるため困難であるが、本発明の発光素子アレイチップは、3端子サイリスタ構造を発光素子アレイとして集積化したことにより自己走査機能を備えているため、少ない本数のワイヤーボンディングで、各発光素子を実質的に個別駆動することができる。
一方、光導波路アレイ基板12の表面には、光導波路14が有効本数640本形成されている。光導波路14のピッチは、入射端が3000dpi、すなわちピッチ8.467μmに設定され、出射端が600dpi、すなわちピッチ42.33μmに、設定されており、光導波路アレイ基板12の表面は、ピッチ変換率1:5のピッチ変換導波路になっている。光導波路14の入力端のコアは、4×4μmの正方形状となっている。
発光素子アレイチップ10の発光素子の発光部と光導波路14の入射端は、密接して固定されている。発光素子の発光部は、ピッチが4.2335μm、発光部形状が3×1μmであり、光導波路14の入力端は、ピッチが8.467μm、コア寸法が4×4μmであるので、図4に示すように、発光素子アレイチップ10は、高さ方向だけ光導波路コアと同軸になるように合わせておけば、配列方向については、位置ズレがあっても、発光素子の任意の1〜2個の発光部が、光導波路コアに対向するようになり、各1〜2個の発光部から発光された光が、光導波路14の各入射端から、各光導波路14内に入射伝搬するようになっている。すなわち、このような構成により、配列方向の発光素子アレイ基板と光導波路アレイ基板の位置合わせ許容幅が、大幅に緩和される。
このときの発光素子の発光部と光導波路コアの位置合わせについて図4を用いて説明する。発光素子の発光部26と光導波路コア48は、それぞれ等間隔で並べるが、光導波路コア48のピッチは、発光素子の発光部26のピッチの整数分の1となるようにしておく。
組み立て時には、横方向(アレイの方向)は調整することなく単に突き合わせる。突き合わせ後の状態は、発光素子の発光部26と光導波路コア48の位置関係が図4の(a)〜(d)のように種々の状態になり得るので、発光部26と光導波路コア48の位置関係がどのようか状態かを調査する。
この調査によって、発光部26と光導波路コア48の位置関係が、例えば、図4(a)あるいは図4(b)のようになっていることが分かったとすると、図4(a)のような状態であれば、光導波路Aに入射すべき信号は、発光素子1だけに送られ、発光素子2は点灯させない(点灯させてもよいが、利用されない)。同様に、光導波路Bに入射すべき信号は、発光素子3だけに送られる。以下、同様である。
図4(b)のような状態であれば、光導波路Aに入射すべき信号は、発光素子1と発光素子2にだけに送られる。同様に、光導波路Bに入射すべき信号は、発光素子3と発光素子4にだけに送られる。以下、同様である。
発光素子は、図5に示すように、さらに間隔を小さくしてもよいが、光導波路と同じ間隔であると、同一発光素子からの光が2つの光導波路に結合したり、またはどの発光素子にも結合しない光導波路ができてしまう。
要するに、本発明は、発光素子アレイ基板と光導波路アレイ基板とをアレイ方向には全く無調整で組み立てて、その後、状態を調査して所定の動作をするように発光素子を動作させる信号を選択するものである。
また、光導波路14の出射端に近接して、マイクロレンズアレイ18が設置されている。マイクロレンズアレイ18のレンズピッチも600dpi、すなわち42.33μmで、マイクロレンズ有効総数は5120個(1列)、長さはA4サイズの用紙の短辺に相当する約210mmである。光導波路14の各出射端から出射された光は、マイクロレンズアレイ18の各マイクロレンズに入射し、屈折されて、その後方にある感光ドラム表面20に集光する。
すなわち、本実施例によって、6000dpiの発光素子アレイチップ8個を用いて、出射光を600dpiのピッチで感光ドラム上に集光させるA4サイズ仕様の発光素子アレイヘッドが得られる。
作製した発光素子アレイヘッドは、大きさ約1×3μmの、発光素子アレイチップの発光部を光導波路アレイの入射端断面、すなわちコア断面約4×4μmのリッジ型または埋め込み型導波路アレイで光結合した。光導波路アレイ基板は、約220×20mm、厚み0.05mmのガラス基板上に紫外線硬化性樹脂の成型によって作製た。光導波路の開口数(NA)は0.423以上であった。
マイクロレンズアレイは、略球面状くぼみアレイを備えたスタンパを用いて、厚み約50μmのガラス基板の一方の面上に紫外線硬化性樹脂の成型によって作製した。実際には、約250×300mmのガラス基板上に多数本を同時成型した後、ダイヤモンドブレードを用いて切断して約220×2mmのマイクロレンズアレイを作製した。マイクロレンズアレイは、レンズ径42.3μm、焦点距離90.9μm、入射側開口数(NA)0.211であり、マイクロレンズアレイの形成されている側を光導波路アレイ出射端に向けて光導波路アレイ基板に固定した。
このような構成によって、マイクロレンズが形成されているガラス基板の後方、約1.0mmの位置に、光導波路の出射端の断面、すなわちコア断面4×4μmの拡大像が、約40×40μmの集光スポットとして形成された。
作製された発光素子アレイヘッドの光利用効率は、各端面の結合損失無し、導波路曲げ損失、伝搬損失無しとしたときの、レンズ開口数(NA)できまる限界値として4.45%となった。また、焦点深度は、±0.87mm(±λ/(2(NA2 )))となった。
図6は、発光素子アレイヘッドの側面を概略的に示す図である。発光素子アレイ基板22は、発光素子アレイチップ10をセラミック基板28上に実装して構成されている。光導波路アレイ基板12は、リッジ型光導波路をガラス基板16上に形成して構成されている。さらに、発光素子アレイ基板22は、ハンダ24により光導波路アレイ基板12上に接着固定されている。リッジ型光導波路の入射端断面は、ガラス基板面と略垂直になるように加工され、その近傍(図6のA部)は、発光素子アレイチップ10の発光部近傍(図6のA’部)と接触した状態で、発光部26と光導波路コアの中心の高さが一致するように加工されている。
すなわち、図4のA部とA’部を互いに当て込んだ状態で、発光素子アレイ基板を光導波路アレイ基板と接着させることによって、その光軸高さが容易に一致させられるようになっている。
光導波路アレイ基板は、実際には250×300mmの基板上に、スタンパと紫外線硬化性樹脂を用いて、多数個一括に成型して作製した後、ダイヤモンドブレードで切断して作製される。この切断工程で、導波路入射端面の垂直加工と、A部の加工も同時に行われる。
入射端面は、ダイヤモンドブレードのダイヤ番手の細かいものを用いて略鏡面になるようにすることも可能である。また、発光素子の発光部端面と光導波路の入射端面を近接し、その間を、透明接着剤などで屈折率マッチングしてもよい。
一方、光導波路アレイ基板の出射側端面も同様に垂直になるように加工され、さらに、光導波路アレイ基板の切断端面にマイクロレンズアレイ表面を接着したときに、光導波路の出射端面(B面)とマイクロレンズとの距離が100μmとなり、マイクロレンズと結像面間の距離が1000μmとなるように、光導波路アレイ基板の出射側端面の一部に切り欠き加工が行われる。
以上のような構成によって、発光素子アレイヘッドを作製し、マイクロレンズアレイ基板後方1.0mm位置に設置した感光ドラム上に600dpiの集光スポットを形成することができた。
上述した実施例では、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズと光導波路アレイの各出射端とを1対1に対応させて、各出射端の拡大像を各マイクロレンズで感光ドラム上に形成させたが、その代わりに、セルフォックレンズアレイ(日本板硝子(株)の登録商標)のような正立結像系マイクロレンズアレイによって正立等倍結像させてもよい。
また、光導波路は、リッジ型だけではなく、埋め込み型、屈折率分布型などの光導波路でもよい。また、光導波路のコア断面形状は、正方形以外にも、長方形、円形、楕円形などが考えられる。さらに、光導波路の入射端面、出射端面のいずれか一方または両方が、略球面形状である方が、発光素子光の入射効率やマイクロレンズアレイの結合効率が向上するため、望ましい場合がある。
次に、端面発光サイリスタを用いた自己走査型端面発光素子アレイについて説明する。
図7は、端面発光サイリスタを用いた自己走査型端面発光素子アレイの第1の基本構造の等価回路図である。発光素子として、発光サイリスタT(−2)〜T(+2)を用い、発光サイリスタT(−2)〜T(+2)には、各々ゲート電極G-2〜G+2が設けられている。各々のゲート電極には、負荷抵抗RL を介して電源電圧VGKが印加される。また、各々のゲート電極G-2〜G+2は、相互作用を作るために抵抗RI を介して電気的に接続されている。また、各単体発光サイリスタのアノード電極に、3本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 ,φ3 )が、それぞれ3素子おきに(繰り返されるように)接続される。
動作を説明すると、まず転送クロックφ3 がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンしているとする。このとき3端子サイリスタの特性から、ゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電源電圧VGKを仮に5ボルトとすると、負荷抵抗RL 、相互作用抵抗RI のネットワークから各発光サイリスタのゲート電圧が決まる。そして、発光サイリスタT(0)に近い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)から離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。これは次のように表せる。
G0<VG1=VG-1 <VG2=VG-2 (1)
これらの電圧の差は、負荷抵抗RL ,相互作用抵抗RI の値を適当に選択することにより設定することができる。
3端子サイリスタのアノード側のターンオン電圧VONは、ゲート電圧より拡散電位Vdif だけ高い電圧となることが知られている。
ON≒VG +Vdif (2)
したがって、アノードにかける電圧をこのターンオン電圧VONより高く設定すれば、その発光サイリスタはオンすることになる。
さてこの発光サイリスタT(0)がオンしている状態で、次の転送クロックパルスφ1 にハイレベル電圧VH を印加する。このクロックパルスφ1 は発光サイリスタT(+1)とT(―2)に同時に加わるが、ハイレベル電圧VH の値を次の範囲に設定すると、発光サイリスタT(+1)のみをオンさせることができる。
G-2 +Vdif >VH >VG+1 +Vdif (3)
これで発光サイリスタT(0),T(+1)が同時にオンしていることになる。そしてクロックパルスφ3 のハイレベル電圧を切ると、発光サイリスタT(0)がオフとなりオン状態の転送ができたことになる。
このように、自己走査型端面発光素子アレイでは抵抗ネットワークで各発光サイリスタのゲート電極間を結ぶことにより、発光サイリスタに転送機能をもたせることが可能となる。上に述べたような原理から、転送クロックφ1 ,φ2 ,φ3 のハイレベル電圧を順番に互いに少しずつ重なるように設定すれば、発光サイリスタのオン状態は順次転送されていく。すなわち、発光点が順次転送され、自己走査型端面発光素子アレイを実現することができる。
図8は、自己走査型端面発光素子アレイの第2の基本構造の等価回路図である。この自己走査型端面発光素子アレイは、発光サイリスタのゲート電極間の電気的接続の方法としてダイオードを用いている。発光サイリスタT(−2)〜T(+2)は、一列に並べられた構成となっている。G-2〜G+2は、発光サイリスタT(−2)〜T(+2)のそれぞれのゲート電極を表す。RL はゲート電極の負荷抵抗を表し、D-2〜D+2は電気的相互作用を行うダイオードを表す。またVGKは電源電圧を表す。各単体発光サイリスタのアノード電極に、2本の転送クロックライン(φ1 ,φ2 )がそれぞれ1素子おきに接続される。
動作を説明する。まず転送クロックφ2 がハイレベルとなり、発光サイリスタT(0)がオンしているとする。このとき3端子サイリスタの特性からゲート電極G0 は零ボルト近くまで引き下げられる。電源電圧VGKを仮に5ボルトとすると、抵抗RL ,ダイオードD-2〜D+2のネットワークから各発光サイリスタのゲート電圧が決まる。そして発光サイリスタT(0)に近い素子のゲート電圧が最も低下し、以降順にT(0)から離れるにしたがいゲート電圧は上昇していく。
しかしながら、ダイオード特性の一方向性,非対称性から、電圧を下げる効果は、T(0)の右方向にしか働かない。すなわちゲート電極G1 はG0 に対し、ダイオードの順方向立ち上がり電圧Vdif だけ高い電圧に設定され、ゲート電極G2 はG1 に対し、さらにダイオードの順方向立ち上がり電圧Vdif だけ高い電圧に設定される。一方、T(0)の左側のゲート電極G-1はダイオードD-1が逆バイアスになっているため電流が流れず、したがって電源電圧VGKと同電位となる。
次の転送クロックパルスφ1 は、最近接の発光サイリスタT(1),T(−1)、そしてT(3)およびT(−3)等に印加されるが、これらのなかで、最もターンオン電圧の最も低い素子はT(1)であり、T(1)のターンオン電圧は約G1 のゲート電圧+Vdif であるが、これはVdif の約2倍である。次にターン電圧の低い素子はT(3)であり、Vdif の約4倍である。T(−1)とT(−3)のオン電圧は、約VGK+Vdif となる。
以上から、転送クロックパルスのハイレベル電圧をVdif の約2倍からVdif の約4倍の間に設定しておけば、発光サイリスタT(1)のみをオンさせることができ、転送動作を行うことができる。
図9は、自己走査型端面発光素子アレイの第3の基本構造の等価回路図である。この自己走査型端面発光素子アレイは、スイッチ素子T(−1)〜T(2)、書き込み用発光素子L(−1)〜L(2)からなる。スイッチ素子部分の構成は、ダイオード接続を用いた例を示している。スイッチ素子のゲート電極G-1〜G1 は、書き込み用発光素子のゲートにも接続される。書き込み用発光素子のアノードには、書き込み信号Sinが加えられている。
以下に、この自己走査型端面発光素子アレイの動作を説明する。いま、転送素子T(0)がオン状態にあるとすると、ゲート電極G0 の電圧は、VGK(ここでは5ボルトと想定する)より低下し、ほぼ零ボルトとなる。したがって、書き込み信号Sinの電圧が、pn接合の拡散電位(約1ボルト)以上であれば、発光素子L(0)を発光状態とすることができる。
これに対し、ゲート電極G-1は約5ボルトであり、ゲート電極G1 は約1ボルトとなる。したがって、発光素子L(−1)の書き込み電圧は約6ボルト、発光素子L(1)の書き込み電圧は約2ボルトとなる。これから、発光素子L(0)のみに書き込める書き込み信号Sinの電圧は、約1〜2ボルトの範囲となる。発光素子L(0)がオン、すなわち発光状態に入ると、書き込み信号Sinラインの電圧は約1ボルトに固定されてしまうので、他の発光素子が選択されてしまう、というエラーは防ぐことができる。
発光強度は書き込み信号Sinに流す電流量で決められ、任意の強度にて画像書き込みが可能となる。また、発光状態を次の素子に転送するためには、書き込み信号Sinラインの電圧を一度零ボルトまでおとし、発光している素子をいったんオフにしておく必要がある。
このような自己走査型端面発光素子アレイは、通常の発光素子アレイに比べてワイヤーボンディングの数が少なくてよいという特徴がある。
光プリンタの原理を説明するための図である。 本発明の一実施例である発光素子アレイヘッドの正面図である。 端面発光サイリスタの構造図である。 発光素子と光導波路コアの位置関係を示す図である。 発光素子と光導波路コアの位置関係を示す図である。 発光素子アレイヘッドの側面を概略的に示す図である。 自己走査型端面発光素子アレイの第1の基本構造の等価回路図である。 自己走査型端面発光素子アレイの第2の基本構造の等価回路図である。 自己走査型端面発光素子アレイの第3の基本構造の等価回路図である。
符号の説明
10 発光素子アレイチップ
12 光導波路アレイ基板
14 光導波路
16 ガラス基板
18 マイクロレンズアレイ
20 感光ドラム表面
22 発光素子アレイク基板
24 ハンダ
26 発光部
28 セラミック基板
30 n型半導体基板
32,36 n型半導体層
34,38 p型半導体層
40 アノード電極
42 ゲート電極
44 Al配線
46 コンタクトホール
48 光導波路コア
52 感光ドラム
54 帯電器
56 光プリンタヘッド
58 現像器
60 転写器
62 カセット
64 用紙
66 定着器
68 スタッカ
70 消去ランプ
72 清掃器

Claims (12)

  1. 複数個の発光素子を直線状に配列した発光素子アレイチップを搭載した発光素子アレイ基板と、入射端側と出射端側とでピッチが異なる複数本の光導波路を有し、前記発光素子の発光部から発光された光を光導波路の入射端に入射させて導波路内を伝搬させる光導波路アレイ基板と、複数個のレンズを有し、前記光導波路の出射端から出射された光を入射させてレンズ後方に光を集光させるレンズアレイとを備える発光素子アレイヘッドであって、
    前記発光素子アレイチップにおける前記複数個の発光素子のそれぞれの発光部のピッチは、前記光導波路アレイ基板の入射端側の光導波路のピッチの整数分の1とし、
    前記複数個の発光素子から、前記複数本の光導波路のそれぞれの入射端に光が入射する発光素子を選定し、選定された前記発光素子を前記入射端と対応づけて動作させる
    ことを特徴とする発光素子アレイヘッド。
  2. 前記光導波路の入射端1個に対して、複数個の前記発光部の光が入射することを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイヘッド。
  3. 前記発光部の総数は、前記光導波路の総数の整数倍より数個〜数十個多くしたことを特徴とする請求項1に記載の発光素子アレイヘッド。
  4. 前記発光素子アレイチップは、前記光導波路の入射端近傍に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  5. 前記発光素子アレイ基板と前記光導波路アレイ基板は、前記発光素子の発光部と前記光導波路の入射端が密接または近接するようにして接着固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  6. 前記発光素子の発光部は、前記光導波路の入射端に密接または近接して配置され、かつ前記発光素子アレイチップの1面は、前記光導波路アレイ基板の表面に密接していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  7. 前記発光素子アレイチップは、自己走査機能を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  8. 前記レンズアレイは、前記光導波路アレイ基板の出射端側の光導波路のピッチと等しいレンズピッチを有し、前記光導波路アレイ基板の出射端側の発光パターンを、前記レンズアレイの後方に拡大結像することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  9. 前記レンズアレイは、前記光導波路アレイ基板の出射端側の発光パターンを、前記レンズアレイの後方に正立等倍結像することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  10. 前記発光素子は、端面発光型の発光素子であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  11. 前記光導波路は、ガラス基板上に形成されたリッジ型または埋め込み型の光導波路であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の発光素子アレイヘッド。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の発光素子アレイヘッドを用いた光プリンタ。
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