JP4432181B2 - 認証装置および認証方法、データ処理装置およびデータ処理方法、並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、認証装置および認証方法、データ処理装置およびデータ処理方法、並びに記録媒体に関し、特に、例えば、人物の認証等を行う場合に用いて好適な認証装置および認証方法、データ処理装置およびデータ処理方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、眼底や、指紋、音声等に基づいて、個人の識別を行う人物認証の技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、眼底や、指紋、音声等に基づいて、人物認証を行う場合には、認証の対象となる人物が、眼底や指紋を撮影するカメラや、音声を集音するマイク(マイクロフォン)に対して、かなり近接した状態にならないと、その詳細な特徴量を得ることができず、正確な認証が困難となる。
【0004】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、例えば、認証対象のユーザが比較的遠方に位置していても、その人物認証を行うこと等ができるようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面の認証装置は、注目人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記注目人物の認証を行う認証装置であって、前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成手段と、人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定を行う判定手段とを備える認証装置である。
【0018】
本発明の第1の側面の認証方法は、注目人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記注目人物の認証を行う認証装置の認証方法であって、前記認証装置が、前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とを比較する比較ステップと、前記比較ステップによる比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定を行う判定ステップとを備える認証方法である。
【0019】
本発明の第1の側面の記録媒体は、注目人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記注目人物の認証処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とを比較する比較ステップと、前記比較ステップによる比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定を行う判定ステップとを備える認証処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体である。
【0020】
本発明の第2の側面のデータ処理装置は、人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記人物の認証を行うのに用いられる前記人物の基準画像を作成するデータ処理装置であって、前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成手段と、前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像を作成する基準画像作成手段とを備えるデータ処理装置である。
【0027】
本発明の第2の側面のデータ処理方法は、人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記人物の認証を行うのに用いられる前記人物の基準画像を作成するデータ処理装置のデータ処理方法であって、前記データ処理装置が、前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像を作成する基準画像作成ステップと備えるデータ処理方法である。
【0028】
本発明の第2の側面の記録媒体は、人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記人物の認証を行うのに用いられる前記人物の基準画像を作成するデータ処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像を作成する基準画像作成ステップとを備えるデータ処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体である。
【0029】
本発明の第1の側面においては、前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像が作成され、人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とが比較される。そして、その比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定が行われる。
【0030】
本発明の第2の側面においては、前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像が作成され、前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像が作成される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を人物認証に適用した場合の実施の形態について説明する。なお、本発明は、人物以外の生物や、生物でない有体物であって、動きのあるものの識別を行う場合に適用可能である。
【0032】
まず最初に、図1を参照して、人物認証の概要について説明する。
【0033】
人物認証では、識別したい人物Aの特徴を保存しておき、認証対象の人物Xの特徴を、保存しておいた人物Aの特徴と比較することで、人物Xが、人物Aであるかどうかが判定される。
【0034】
人物の特徴としては、前述したように、眼底や、指紋、音声等があるが、これらは、認証対象のユーザが、カメラやマイクから遠方に位置している場合には、その詳細な特徴を得るのが困難であり、正確な認証が困難となる。
【0035】
そこで、本実施の形態では、認証対象の人物が遠方にいても、詳細な特徴を得ることが可能な、認証対象の人物の動きに基づいて、その認証を行う。即ち、本実施の形態では、例えば、図2に示すように、認証対象の人物が座るときの動きを撮影した動画像に基づいて、その認証を行う。
【0036】
図3は、上述のように、人物が座るときの動きを撮影した動画像に基づいて、人物認証を行う認証装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0037】
動き画像抽出部1は、認証対象の人物が座るときの動きを撮影し、その結果得られる動画像から、その座るときの動きを表す1フレームの動き画像を作成する。即ち、動き画像抽出部1は、人物が座る動作を開始してから終了するまでの動きを撮影した動画像を構成する複数フレームの画像から、その動きの軌跡を表示する1フレームの動き画像を作成する。この動き画像は、差分計算部3に供給されるようになっている。
【0038】
基準画像保存部2は、認証しようとする人物ごとに、動き画像抽出部1が出力する動き画像と比較する基準画像を記憶している。従って、基準画像保存部2には、1以上の人物の基準画像が記憶されている。
【0039】
差分計算部3は、動き画像抽出部1から供給される動き画像と、基準画像保存部2に記憶されている1以上の基準画像それぞれとを比較し、その比較結果を、差分和計算部4に供給するようになっている。即ち、差分計算部3は、動き画像と、基準画像保存部2に記憶されている1以上の基準画像それぞれとの画素ごとの差分値を演算し、その差分値で構成される画像(以下、適宜、対基準差分画像という)を、差分和計算部4に供給する。
【0040】
差分和計算部4は、差分計算部3からの対基準差分画像を構成する画素値の絶対値和を計算し、それを、その対基準差分画像を求めるときに用いた基準画像に対する動き画像の評価値として、比較部6に供給するようになっている。従って、差分和計算部4から、比較部6に対しては、動き画像と基準画像との画素ごとの差分絶対値和が、その基準画像に対する動き画像の評価値として供給される。なお、差分和計算部4では、差分計算部3からの対基準差分画像を構成する画素値の絶対値和ではなく、その画素値の2乗和等を、評価値として計算するようにすることも可能である。
【0041】
閾値保存部5は、各基準画像に対する動き画像の評価値と比較する閾値を、例えば、各基準画像ごとに記憶している。
【0042】
比較部6は、差分和計算部4からの各基準画像に対する動き画像の評価値と、閾値保存部5に記憶されている、各基準画像に対応する閾値とを比較し、その比較結果を、結果出力部7に出力する。
【0043】
結果出力部7は、比較部6の出力に基づいて、動き画像抽出部1で撮影された、認証対象としての人物(以下、適宜、対象人物という)を識別し、その識別結果を、対象人物の認証結果として出力する。
【0044】
次に、図4は、図3の動き画像抽出部1の構成例を示している。
【0045】
画像入力部11は、例えば、ビデオカメラおよびA/D(Analog Digital)変換器等で構成され、対象人物が椅子に座るときの動きを撮影し、その一連の動作が表示された動画像のディジタルデータを、差分部計算部12に出力する。
【0046】
差分計算部12は、画像入力部11が出力する動画像を構成する複数フレームのうちの、時間的に近接するものどうしの差分を演算する。即ち、差分計算部12は、画像入力部11が出力する動画像を構成する複数フレームの時間的に隣接するフレームどうしの差分を演算し、その差分で構成される複数の画像(以下、適宜、フレーム間差分画像という)を、最大値検出部13に出力する。
【0047】
最大値検出部13は、差分計算部12が出力する複数のフレーム間差分画像それぞれを構成する、空間的に同一位置にある画素から、所定の画素を検出する。即ち、最大値検出部13は、差分計算部12が出力する複数のフレーム間差分画像それぞれを構成する、空間的に同一位置にある画素から、画素値の絶対値が最大のものを検出し、動き画像作成部14に出力する。
【0048】
動き画像作成部14は、最大値検出部13が出力する画素で構成される1フレームの画像を生成し、対象人物の動きの軌跡を表示する動き画像として、画像出力部15に供給する。
【0049】
画像出力部15は、動き画像作成部14から供給される動き画像を、一時記憶し、所定のタイミングで、差分計算部3(図3)に出力する。
【0050】
ここで、画像入力部11において、図5乃至図8に示すような動画像が撮影された場合に、差分計算部12から出力される差分画像を、図9乃至図12に示す。
【0051】
なお、図5乃至図8は、人物が座るときの一連の動きを撮影した動画像を構成するフレームの中の所定の4フレームの画像を表しており、図9乃至図12は、図5乃至図8に示したフレームそれぞれと、その次のフレームとから求められたフレーム間差分画像を、それぞれ表している。図9乃至図12のフレーム間差分画像から、人物が座るときの動きにおいては、頭部および下半身に、比較的大きな動きが見られる。
【0052】
図13は、図9乃至図12に示したフレーム間差分画像を含む、人物が座るときの一連の動きを撮影した動画像から得られるフレーム間差分画像すべてから構成される動き画像を示している。図13から、動き画像では、対象人物が、「座る」動きをしたときの、その動きの軌跡が、いわば端的に表されていることが分かる。
【0053】
即ち、差分計算部12が出力するフレーム間差分画像は、その差分画像を求めるときに用いた隣接するフレームの間における動きを反映したものであり、そのような複数のフレーム間差分画像から、最大値検出部13で検出される、画素値の絶対値が最大の画素は、対象人物が、「座る」動きをしたときに、その動きの中で、最も大きな動きがあった部分を表している。従って、動き画像作成部14において、そのような画素から構成される動き画像によれば、対象人物が、「座る」動きをしたときの、その動きの軌跡が端的に表示される。
【0054】
次に、図14のフローチャートを参照して、図3の認証装置の処理(人物認証処理)について説明する。
【0055】
認証装置では、動き画像抽出部1において、対象人物が座るときの一連の動きが撮影されると、認証処理が開始される。
【0056】
即ち、認証処理では、まず最初に、ステップS1において、動き画像抽出部1は、対象人物が座るときの一連の動きが撮影された動画像を用いて、対象人物の動き画像を作成する。
【0057】
具体的には、動き画像抽出部1(図4)では、画像入力部11において、対象人物が椅子等に座るときの動きを撮影した動画像が、差分部計算部12に出力される。そして、図15のフローチャートに示すように、差分計算部12は、ステップS11において、画像入力部11から出力される動画像を構成する複数フレームのうちの隣接するフレームどうしの差分が演算される。そして、差分計算部12は、その差分で構成される複数のフレーム間差分画像を、最大値検出部13に出力する。
【0058】
最大値検出部13は、ステップS12において、差分計算部12が出力する複数のフレーム間差分画像それぞれを構成する、空間的に同一位置にある画素から、画素値の絶対値が最大のものを検出し、動き画像作成部14に出力する。動き画像作成部14では、ステップS13において、最大値検出部13が出力する画素から、1フレームの動き画像を構成し、画像出力部15に供給する。
【0059】
画像出力部15は、ステップS14において、動き画像作成部14からの動き画像を記憶し、リターンする。
【0060】
図14に戻り、ステップS1において、以上のようにして、対象人物の動き画像が作成されると、ステップS2に進み、差分計算部3において、動き画像抽出部1(の画像出力部15)で記憶された動き画像と、基準画像保存部2に記憶されている各基準画像との画素ごとの差分値が演算され、その差分値で構成される対基準差分画像が、差分和計算部4に供給される。差分和計算部4では、差分計算部3からの対基準差分画像を構成する画素値の絶対値和が計算され、それが、その対基準差分画像を求めるときに用いた基準画像に対する動き画像の評価値として、比較部6に供給される。
【0061】
そして、ステップS3に進み、比較部6において、差分和計算部4からの各基準画像に対する動き画像の評価値と、閾値保存部5に記憶されている、各基準画像に対応する閾値とが比較される。即ち、比較部6では、例えば、各基準画像に対する動き画像の評価値から、その基準画像に対応する閾値が減算され、その減算値が、評価値と閾値との比較結果として、結果出力部7に供給される。
【0062】
結果出力部7は、ステップS4において、比較部6からの比較結果に基づいて、対象人物を認証する。即ち、結果出力部7は、比較部6から供給される、各基準画像に対する評価値から閾値を減算した減算値が0以下となっている基準画像を検出する。そして、結果出力部7は、その減算値が0以下となっている基準画像に対応する人物を、対象人物の認証結果として出力し、処理を終了する。
【0063】
従って、図3の認証装置によれば、動き画像との差分をとることにより得られる対基準差分画像を構成する画素値の絶対値和が、対応する閾値以下となる基準画像に対応する人物が、対象人物の認証結果とされる。
【0064】
以上のように、動画像を用いることにより、人物が比較的遠方に位置していても、その人物の認証を行うことができる。さらに、動画像を構成する複数フレームから1フレームの動き画像が構成され、その動き画像を用いて処理が行われるため、動画像を構成するすべてのフレームを用いる場合に比較して、演算量の低減および処理の高速化を図ることができる。
【0065】
なお、結果出力部7は、各基準画像に対する評価値から閾値を減算した減算値が0以下となっている基準画像が存在しないか、あるいは2以上存在する場合には、例えば、対象人物が誰であるかを識別することができない旨のメッセージを、認証結果として出力する。
【0066】
次に、図16は、図3の基準画像保存部2に記憶される基準画像を作成する基準画像作成装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0067】
基準画像作成装置は、画像入力部21、差分計算部22、最大値検出部23、基準画像作成部24、および基準画像記憶部25から構成されている。そして、画像入力部21、差分計算部22、最大値検出部23、または基準画像作成部24は、図4の画像入力部11、差分計算部12、最大値検出部13、または動き画像作成部14とそれぞれ同様に構成されており、基準画像記憶部25は、基準画像作成部24が出力する画像を、基準画像として記憶するようになっている。
【0068】
従って、基準画像作成装置では、画像入力部21、差分計算部22、最大値検出部23、または基準画像作成部24において、図4の画像入力部11、差分計算部12、最大値検出部13、または動き画像作成部14とそれぞれ同様の処理が行われることで、動き画像が作成され、この動き画像が、基準画像として、基準画像記憶部25に記憶される。
【0069】
即ち、基準画像作成装置では、認証する人物が座るときの一連の動きが、画像入力部21で撮影され、その結果得られる動画像が、差分計算部22に出力される。
【0070】
そして、図17のフローチャートに示すように、まず最初に、ステップS21において、差分計算部22は、画像入力部21からの動画像を構成する複数フレームのうちの隣接するフレームどうしの差分を演算し、複数のフレーム間差分画像を作成して、ステップS22に進む。
【0071】
ステップS22では、最大値検出部23と基準画像作成部24において、差分計算部22が出力する複数のフレーム間差分画像を対象に、図15のステップS12における場合と同様の処理が行われることで、1フレームの動き画像が構成される。この動き画像は、認証する人物の基準画像として、画像出力部25に供給される。
【0072】
画像記憶部25は、ステップS24において、基準画像作成部24からの基準画像を記憶し、処理を終了する。
【0073】
基準画像作成装置では、認証する1以上の人物それぞれについて、上述したようにして基準画像が作成され、基準画像記憶部25に記憶される。そして、基準画像記憶部25に記憶された基準画像が、図3の基準画像保存部2に転送されて記憶される。
【0074】
なお、基準画像保存部2において、基準画像は、そのまま記憶させておくようにすることは勿論、例えば、暗号化したり、他の情報に埋め込んだりして記憶させておくようにすることも可能である。
【0075】
ところで、図3の認証装置を構成する閾値保存部5には、動き画像の評価値と比較する閾値が、上述したように、各基準画像ごとに記憶されているが、この各基準画像ごとの閾値は、例えば、注目している人物の基準画像と、他の人物の動き画像との差分の絶対値和に基づいて決定することができる。
【0076】
即ち、例えば、3人の人物A,B,Cを認証する場合には、これらの人物A乃至Cそれぞれについて、基準画像を作成する。そして、人物Aについての基準画像に対する閾値は、その基準画像と、人物B,Cの動き画像それぞれとの差分の絶対値和に基づいて決定することができる。他の人物B,Cについての基準画像それぞれに対する閾値も同様にして決定することができる。
【0077】
ここで、図18は、人物A乃至Cの基準画像それぞれについて、他の人物の動き画像との差分の絶対値和を求めたシミュレーション結果を示している。なお、図18では、人物A乃至Cそれぞれについて、4つの動き画像を作成し(座る動作を4回試行してもらい、各回について動き画像を作成し)、そのうちの1つを、各人物A乃至Cの基準画像として用いている。即ち、図18は、人物Aについて動き画像A1乃至A4を、人物Bについて動き画像B1乃至B4を、人物Cについて動き画像C1乃至C4を、それぞれ作成し、動き画像A1,B1,C1を、人物A,B,Cそれぞれの基準画像として用いた場合のシミュレーション結果を示している。
【0078】
従って、動き画像A1,B1,C1は、人物A,B,Cの基準画像とそれぞれ同一であり、このため、図18において、動き画像A1と人物Aの基準画像との差分の絶対値和、動き画像B1と人物Bの基準画像との差分の絶対値和、動き画像C1と人物Cの基準画像との差分の絶対値和は、いずれも0となっている。
【0079】
図18における場合には、人物Aについては、例えば50を、人物Bについては、例えば40を、人物Cについては、例えば42を、それぞれ基準画像に対する閾値として設定すれば、人物A乃至Cそれぞれを、他の人物に誤らないように識別することができる(但し、この場合、ある人物が、その人物に識別されないことはあり得る)。
【0080】
なお、認証に、多少の誤りがあってもかまわない場合には、閾値として、上述の場合よりも大きな値を採用することができる。
【0081】
また、ここでは、閾値を、各基準画像ごとに個別に決定するようにしたが、閾値は、複数、あるいは全部の基準画像に共通の値とすることも可能である。
【0082】
さらに、1の人物について、1の基準画像だけではなく、複数の基準画像を作成し、基準画像保存部2に記憶させるようにすることが可能である。
【0083】
次に、図16の基準画像作成装置においては、認証する人物について、動き画像を作成し、その動き画像を、そのまま、認証する人物の基準画像とするようにしたが、上述のようにして作成される、ある人物の動き画像には、その人物に固有の特徴の他、すべての人物に共通の特徴も含まれる。一方、ある人物の認証にあたっては、その人物に固有の特徴だけに注目した方が、その認証の精度を向上させることができる。
【0084】
そこで、図19は、認証対象する人物に固有の特徴だけを含む基準画像を作成する基準画像作成装置の一実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図16における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図19の基準画像作成装置は、差分計算部26が、基準画像記憶部25の後段に新たに設けられている他は、基本的に、図16における場合と同様に構成されている。
【0085】
次に、図20のフローチャートを参照して、図19の基準画像作成装置の処理(基準画像作成処理)について説明する。
【0086】
図19の基準画像作成装置では、まず最初に、ステップS31において、いま基準画像を作成しようとして注目している注目人物について、図17で説明したフローチャートにしたがった処理と同様の処理が行われることにより、1以上の基準画像が作成され、基準画像記憶部25に記憶される。
【0087】
即ち、ステップS31では、注目人物に、座る動作を、1回以上試行してもらい、その結果得られる1以上の動画像それぞれについて、1以上の基準画像が作成される。
【0088】
そして、ステップS32に進み、例えば、注目人物以外の1以上の人物(認証する人物であっても良いし、認証しない人物であっても良い)(以下、適宜、非注目人物という)それぞれについて、ステップS31における場合と同様にして、1以上の基準画像が作成され、基準画像記憶部25に記憶される。
【0089】
そして、ステップS33に進み、差分計算部26は、基準画像記憶部25に記憶された注目人物についての1以上の基準画像の、空間的に同一位置にある画素の平均値を演算し(本明細書における平均値とは、単純平均であってもよいし、重み付け加算により得られる平均値であってもよい)、これにより、その平均値を画素値とする、注目人物に固有の特徴を包含する画像(以下、適宜、自己特徴包含画像という)を作成する。ここで、自己特徴包含画像は、注目人物についての1以上の基準画像を平均化したものであるから、その注目人物が座る動作をするときの、ある程度普遍的な特徴を有するものとなる。
【0090】
さらに、ステップS33では、差分計算部26は、基準画像記憶部25に記憶された注目人物についての1以上の基準画像、および1以上の非注目人物についての1以上の基準画像の、空間的に同一位置にある画素の平均値を演算し、これにより、その平均値を画素値とする、注目人物および1以上の非注目人物に共通の特徴を有する画像(以下、適宜、共通特徴画像という)を作成する。ここで、共通特徴画像は、複数の人物についての基準画像を平均化したものであるから、各人物の特徴が失われ、かつ各人物に共通の特徴を有するものとなる。
【0091】
以上のようにして、自己特徴包含画像および共通特徴画像を作成した後は、ステップS34に進み、差分計算部26は、自己特徴包含画像と共通特徴画像との差分を演算し、その差分値を画素値とする、注目人物に固有の特徴のみを有する画像(以下、適宜、個人特徴画像という)を作成する。そして、差分値計算部26は、個人特徴画像を、注目人物についての最終的な基準画像として出力し、処理を終了する。
【0092】
ここで、本件発明者がシミュレーションを行うことにより得られた自己特徴包含画像と、共通特徴画像を、それぞれ、図21と図22に示す。また、図21の自己特徴画像と、図22の共通特徴画像とから得られる最終的な基準画像を、図23に示す。
【0093】
次に、図24は、図19の基準画像作成装置において得られる基準画像を用いて人物認証を行う認証装置の一実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図3における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図24の認証装置は、動き画像抽出部1に替えて、動き画像抽出部51が新たに設けられている他は、図3における場合と同様に構成されている。但し、基準画像保存部2には、図19の基準画像作成装置において作成された基準画像が記憶されている。
【0094】
以上のように構成される認証装置では、動き画像抽出部51が出力する、後述するような動き画像と、基準画像保存部2に記憶された基準画像としての個人特徴画像とを用いて、図3における場合と同様にして認証が行われる。
【0095】
次に、図25は、図24の動き画像抽出部51の構成例を示している。なお、図中、図4における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図25の動き画像抽出部51は、共通特徴画像記憶部16が新たに設けられている他は、図4の動き画像抽出部1と、基本的に同様に構成されている。
【0096】
共通特徴画像記憶部16には、図19の基準画像作成装置で作成される共通特徴画像が記憶されている。但し、共通特徴画像記憶部16に記憶させる共通特徴画像は、図24の基準画像保存部2に記憶させる基準画像としての自己特徴画像を作成するときに用いる共通特徴画像と同一である必要はない。即ち、自己特徴画像を作成するときに用いる共通特徴画像の作成対象となった人物と、共通特徴画像記憶部16に記憶させる共通特徴画像の作成対象となった人物とは、一致している必要はない。
【0097】
以上のように構成される動き画像抽出部51では、基本的には、図4の動き画像抽出部1における場合と同様に、図15のフローチャートにしたがった処理が行われる。但し、図15のステップS13において、動き画像作成部14は、上述したように、最大値検出部13が出力する画素から、1フレームの動き画像を構成した後、その動き画像と、共通特徴画像記憶部16に記憶された共通特徴画像との差分を演算し、その差分値で構成される画像を、最終的な動き画像として、画像出力部15に供給する。
【0098】
従って、動き画像抽出部51からは、いま認証対象になっている人物(対象人物)に固有の特徴のみを有する自己特徴画像が、動き画像として出力される。
【0099】
その結果、図23の認証装置では、対象人物に固有の特徴のみを有する自己特徴画像としての動き画像と、各人物それぞれに固有の特徴のみを有する自己特徴画像としての基準画像とを用いて、処理が行われる。従って、認証の精度を、より向上させることができる。
【0100】
ここで、図26は、図16の基準画像作成装置で得られた基準画像を用いて認証を行った場合と、図19の基準画像作成装置で得られた基準画像(以下、適宜、新基準画像という)を用いて認証を行った場合との、それぞれのシミュレーション結果を示している。
【0101】
図26においては、人物Aについて、基準画像と新基準画像を作成し、人物Aの他、人物B乃至Fそれぞれを対象とした認証を行った結果が示してある。
【0102】
ここで、シミュレーションでは、人物A乃至Fそれぞれに、座る動作を4回試行してもらい、図26では、基準画像を用いた認証については、基準画像との距離(認証装置の差分和計算部4が出力する絶対値和に相当する)が最も短くなった場合を、新基準画像を用いた認証については、基準画像との距離が最も長くなった場合を、それぞれ示してある。また、図26では、本人である人物Aの認証結果(ここでは、認証装置の差分和計算部4が出力する絶対値和を意味する)によって、他人である人物B乃至Fそれぞれの認証結果を正規化してある。従って、認証結果としての値が小さい方が、その人物らしいことを表す。
【0103】
図26から、新基準画像を用いた方が、基準画像を用いた場合に比較して、他人B乃至Fの認証結果の値が大きくなっており、従って、人物Aと、他の人物B乃至Fとの区別しやすさが向上していることが分かる。
【0104】
なお、図3の認証装置においても、新基準画像を用いて認証を行うようにすることが可能である。
【0105】
次に、図27は、本発明を適用した認証装置の第3実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図24における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図27の認証装置は、基準画像更新部8が新たに設けられている他は、図24における場合と同様に構成されている。
【0106】
基準画像更新部8には、比較部6および動き画像抽出部51の出力が供給されるようになっており、基準画像更新部8は、比較部6の出力に基づいて、認証結果が正しいかどうかを判定し、正しいと判定した場合には、動き画像抽出部51の出力を用いて、基準画像保存部2に記憶された新基準画像を更新するようになっている。
【0107】
即ち、図28は、基準画像更新部8の構成例を示している。
【0108】
更新制御部31には、比較部6の出力が供給されるようになっており、更新制御部31は、比較部6の出力に基づいて、いま認証の対象となっている人物の認証結果の正しさを判定する。即ち、比較部6は、各新基準画像に対する評価値から閾値を減算した減算値を出力するが、上述したことから、小さい減算値が得られる新基準画像に対する人物ほど、認証結果としては確からしい。そこで、更新制御部31は、比較部6からの、各新基準画像に対する評価値から閾値を減算した減算値のうちの最小値(以下、適宜、最小減算値という)を検出し、その最小値が、ある閾値以下であるかどうかを判定する。そして、その最小減算値が、ある閾値以下である場合には、更新制御部31は、その最小減算値を与える新基準画像に対する人物(以下、適宜、更新対象人物という)であるという認証結果が正しいとして、その更新対象人物の新基準画像の更新を、新基準画像作成部32に指令する。
【0109】
新基準画像作成部32は、更新制御部31から、更新対象人物の新基準画像の更新の指令を受信すると、共通特徴画像記憶部33および自己特徴包含画像記憶部34の記憶内容を更新し、さらに、その更新した記憶内容を用いて、更新対象人物の新基準画像を更新する。
【0110】
即ち、共通特徴画像記憶部33は、図25に示した動き画像抽出部51を構成する共通特徴画像記憶部16と同一のものであり、従って、そこには、共通特徴画像が記憶されている。また、自己特徴包含画像記憶部34には、新基準画像を作成するのに用いた各人物の自己特徴包含画像が記憶されている。さらに、新基準画像作成部32には、動き画像抽出部51が出力する動き画像が供給されるようになっている。ここで、認証結果が正しい場合には、動き画像抽出部51が出力する動き画像に対応する人物が、更新対象人物に一致している。
【0111】
そこで、新基準画像作成部32は、まず、共通特徴画像記憶部33から共通特徴画像を読み出し、動き画像抽出部51が出力する動き画像と加算する。さらに、新基準画像作成部32は、その加算の結果得られる画像(以下、適宜、加算画像という)と、共通特徴画像記憶部33に記憶された共通特徴画像とを平均化し(それらの平均値を演算し)、その結果得られる画像を、新たな共通特徴画像として、共通特徴画像記憶部33に記憶させる(上書きする)。
【0112】
その後、新基準画像作成部32は、自己特徴包含画像記憶部34から、更新対象人物の自己特徴包含画像を読み出し、上述の加算画像との平均値を求める。そして、新基準画像作成部32は、その平均値を画素値とする画像を、更新対象人物の、新たな自己特徴包含画像として、自己特徴包含画像記憶部34に記憶させる(上書きする)。
【0113】
さらに、新基準画像作成部32は、更新対象人物の、新たな自己特徴包含画像から、共通特徴画像記憶部33に記憶された新たな共通特徴画像を減算し、その減算値を画素値とする画像を、更新対象人物の、新たな新基準画像として、基準画像保存部2に供給して記憶させる(上書きする)。
【0114】
以上のように、共通特徴画像および自己特徴包含画像を更新することで、共通特徴画像は、全人物に共通の特徴を、より反映したものとなり、また、自己特徴包含画像も、各個人に固有の特徴を、より反映したものとなる。従って、そのような共通特徴画像および自己特徴包含画像を用いて、新基準画像を更新することで、新基準画像は、各個人に固有の特徴を、より端的に表すものとなり、その結果、認証の精度を向上させることができる。
【0115】
次に、図29のフローチャートを参照して、図27の認証装置が行う処理(認証処理)について説明する。
【0116】
まず最初に、ステップS41において、動き画像抽出部51は、上述したようにして、対象人物についての動き画像を作成する。そして、差分計算部3、差分和計算部4、比較部6、および結果出力部7では、ステップS42乃至S44において、図14のステップS2乃至S4における場合とそれぞれ同様の処理が行われ、これにより、認証結果が出力される。
【0117】
その後、ステップS45に進み、基準画像更新部8において、比較部6の出力に基づいて、認証結果が正しいかどうかが判定される。ステップS45において、認証結果が正しいと判定された場合、ステップS46に進み、基準画像更新部8は、上述したようにして、基準画像保存部2に記憶された新基準画像を更新し、処理を終了する。
【0118】
一方、ステップS45において、認証結果が正しくないと判定された場合、ステップS46をスキップして、処理を終了する。即ち、この場合、基準画像保存部2に記憶された新基準画像の更新は行われない。
【0119】
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0120】
そこで、図30は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0121】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク105やROM103に予め記録しておくことができる。
【0122】
あるいはまた、プログラムは、フロッピーディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0123】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体111からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部108で受信し、内蔵するハードディスク105にインストールすることができる。
【0124】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)102を内蔵している。CPU102には、バス101を介して、入出力インタフェース110が接続されており、CPU102は、入出力インタフェース110を介して、ユーザによって、キーボードやマウス等で構成される入力部107が操作されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU102は、ハードディスク105に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部108で受信されてハードディスク105にインストールされたプログラム、またはドライブ109に装着されたリムーバブル記録媒体111から読み出されてハードディスク105にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)104にロードして実行する。これにより、CPU102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース110を介して、LCD(Liquid CryStal Display)やスピーカ等で構成される出力部106から出力、あるいは、通信部108から送信、さらには、ハードディスク105に記録等させる。
【0125】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0126】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0127】
なお、上述した認証装置は、例えば、コンピュータにおいて、そのユーザの認証を行う場合等に用いることができる。即ち、一般に、コンピュータを使用するときには、ユーザは、コンピュータの前に腰掛けるが、その腰掛ける動作に基づいて、上述したような認証を行うことにより、特定のユーザにのみ、コンピュータの使用を許可すること等が可能となる。また、この場合、認証結果によって、コンピュータのスクリーンセーバを解除するようなことも可能となる。
【0128】
なお、本実施の形態では、人が座るときの動きに基づいて、認証を行うようにしたが、その他、人が、腰掛けている状態から立つときの動きや、歩いているときの動き等に基づいて、認証を行うことが可能である。
【0129】
また、本実施の形態では、人物の動きをビデオカメラで撮影して得られる動画像に基づいて、認証を行うようにしたが、認証は、その他、例えば、熱センサ等で得られる動画像に基づいて行うようにすることが可能である。
【0130】
さらに、図27の実施の形態では、基準画像更新部8において、比較部6の出力に基づいて、認証結果が正しいかどうかを判定するようにしたが、認証結果が正しいかどうかは、認証の対象となった人物から、認証結果の正否を入力してもらうことによって判定するようにすることが可能である。
【0131】
また、本実施の形態では、動き画像と、基準画像(新基準画像)との差分を計算し、その結果得られる対基準差分画像に基づいて、認証を行うようにしたが、認証は、その他、例えば、基準画像を、所定の閾値(例えば、10など)で2値化し、その結果得られる2値化画像と、動き画像との論理積をとって得られる画像に基づいて行うことが可能である。さらに、認証は、動き画像の各画素値に対して、基準画像の、対応する画素値に応じた重み付けを行って得られる画像等に基づいて行うことも可能である。
【0132】
さらに、本実施の形態では、差分計算部12(差分計算部22についても同様)において、隣接するフレームどうしの差分を演算するようにしたが、差分計算部12では、その他、例えば、1フレームや2フレームおき等の差分を演算するようにすることも可能である。
【0133】
【発明の効果】
本発明の第1及び第2の側面によれば、人物が比較的遠方に位置していても、その認証が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人物認証の概要を説明する図である。
【図2】人が座るときの動きを示す図である。
【図3】本発明を適用した認証装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図4】動き画像抽出部1の構成例を示すブロック図である。
【図5】動画像を構成するフレームを示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図6】動画像を構成するフレームを示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図7】動画像を構成するフレームを示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図8】動画像を構成するフレームを示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図9】フレーム間差分画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図10】フレーム間差分画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図11】フレーム間差分画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図12】フレーム間差分画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図13】動き画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図14】図3の認証装置の処理を説明するフローチャートである。
【図15】図3のステップS1の処理のより詳細を説明するフローチャートである。
【図16】本発明を適用した基準画像作成装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図17】図16の基準画像作成装置の処理を説明するフローチャートである。
【図18】シミュレーション結果を示す図である。
【図19】本発明を適用した基準画像作成装置の第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図20】図19の基準画像作成装置の処理を説明するフローチャートである。
【図21】自己特徴包含画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図22】共通特徴画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図23】個人特徴画像を示すディスプレイ上に表示された中間階調の写真である。
【図24】本発明を適用した認証装置の第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図25】動き画像抽出部51の構成例を示すブロック図である。
【図26】シミュレーション結果を示す図である。
【図27】本発明を適用した認証装置の第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図28】基準画像更新部8の構成例を示すブロック図である。
【図29】図27の認証装置の処理を説明するフローチャートである。
【図30】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 動き画像抽出部, 2 基準画像保存部, 3 差分計算部, 4 差分和計算部, 5 閾値保存部, 6 比較部, 7 結果出力部, 8 基準画像更新部, 11 画像入力部, 12 差分計算部, 13 最大値検出部,14 動き画像作成部, 15 画像出力部, 16 共通特徴画像記憶部,21 画像入力部, 22 差分計算部, 23 最大値検出部, 24 基準画像作成部, 25 基準画像記憶部, 26 差分計算部, 31 更新制御部, 32 新基準画像作成部, 33 共通特徴画像記憶部, 34 自己特徴包含画像記憶部, 51 動き画像抽出部, 101 バス, 102 CPU, 103 ROM, 104 RAM, 105 ハードディスク, 106 出力部, 107 入力部, 108 通信部, 109 ドライブ, 110 入出力インタフェース, 111 リムーバブル記録媒体
Claims (20)
- 注目人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記注目人物の認証を行う認証装置であって、
前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成手段と、
人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定を行う判定手段と
を備える認証装置。 - 前記動き画像作成手段は、前記動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きの軌跡を表示する1枚の動き画像を作成する
請求項1に記載の認証装置。 - 前記動き画像作成手段は、
前記注目人物の動画像を構成する複数枚の画像のうちの、時間的に近接するものどうしの差分を演算し、複数の差分画像を求める差分演算手段と、
前記複数の差分画像それぞれを構成する、空間的に同一位置にある画素から、所定の画素を検出する画素検出手段と、
前記所定の画素で構成される画像を生成し、前記動き画像として出力する動き画像生成手段と
を有する
請求項1に記載の認証装置。 - 前記基準画像を更新する更新手段をさらに備える
請求項1に記載の認証装置。 - 前記更新手段は、前記注目人物が所定の人物である場合に、その所定の人物の前記基準画像を、前記動き画像に基づいて更新する
請求項4に記載の認証装置。 - 前記比較手段は、前記動き画像と基準画像との差分を演算し、
前記更新手段は、前記差分と所定の閾値とを比較し、その比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかを認識する
請求項5に記載の認証装置。 - 前記更新手段は、外部からの入力に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかを認識する
請求項5に記載の認証装置。 - 前記基準画像記憶手段は、1以上の人物それぞれから得られた前記動き画像を、前記基準画像として記憶している
請求項1に記載の認証装置。 - 前記動き画像作成手段は、前記注目人物の動画像を構成する複数枚の画像から作成された前記動き画像と、複数の人物それぞれから得られた前記動き画像を平均化した平均化画像とから画像を生成し、その画像を、前記注目人物についての最終的な動き画像として出力する
請求項1に記載の認証装置。 - 前記注目人物を撮影し、前記動画像を出力する撮影手段をさらに備える
請求項1に記載の認証装置。 - 前記基準画像を記憶している前記基準画像記憶手段をさらに備える
請求項1に記載の認証装置。 - 注目人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記注目人物の認証を行う認証装置の認証方法であって、
前記認証装置が、
前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、
人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定を行う判定ステップと
を備える認証方法。 - 注目人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記注目人物の認証処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、
前記注目人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記注目人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、
人物ごとの基準画像を記憶している基準画像記憶手段に記憶されている前記基準画像と、前記動き画像とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップによる比較結果に基づいて、前記注目人物が所定の人物であるかどうかの判定を行う判定ステップと
を備える認証処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている
記録媒体。 - 人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記人物の認証を行うのに用いられる前記人物の基準画像を作成するデータ処理装置であって、
前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成手段と、
前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像を作成する基準画像作成手段と
を備えるデータ処理装置。 - 前記動き画像作成手段は、前記動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きの軌跡を表示する1枚の動き画像を作成する
請求項14に記載のデータ処理装置。 - 前記動き画像作成手段は、
前記動画像を構成する複数枚の画像のうちの、時間的に近接するものどうしの差分を演算し、複数の差分画像を求める差分演算手段と、
前記複数の差分画像それぞれを構成する、空間的に同一位置にある画素から、所定の画素を検出する画素検出手段と、
前記所定の画素で構成される画像を生成し、前記動き画像として出力する動き画像生成手段と
を有する
請求項14に記載のデータ処理装置。 - 前記基準画像作成手段は、複数の人物それぞれから得られた前記動き画像を平均化した平均化画像と、所定の人物から得られた1以上の前記動き画像とから、前記所定の人物の前記基準画像を作成する
請求項14に記載の認証装置。 - 前記人物を撮影し、前記動画像を出力する撮影手段をさらに備える
請求項14に記載のデータ処理装置。 - 人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記人物の認証を行うのに用いられる前記人物の基準画像を作成するデータ処理装置のデータ処理方法であって、
前記データ処理装置が、
前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、
前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像を作成する基準画像作成ステップと
備えるデータ処理方法。 - 人物の動きを撮影した動画像に基づいて、前記人物の認証を行うのに用いられる前記人物の基準画像を作成するデータ処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている記録媒体であって、
前記人物が座るときの動きを撮影した動画像を構成する複数枚の画像から、前記人物の動きを表す1枚の動き画像を作成する動き画像作成ステップと、
前記動き画像を用いて、前記人物の基準画像を作成する基準画像作成ステップと
を備えるデータ処理を、コンピュータに行わせるプログラムが記録されている
記録媒体。
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