JP4430068B2 - 燃焼キャンドルからの揮発性物質の拡散システムおよび方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、燃焼しているキャンドルからの揮発性物質の拡散、制御を行える装置に関するものである。即ち、本発明は、燃焼しているキャンドルの中にある揮発性物質の熱による損失を最小にして、融解しているプールサイズを増加または調整することにより揮発性物質の拡散を改善するものである。
【背景技術】
【0002】
いろいろな目的のためにフレグランス、アロマ、さらには殺虫剤や抗菌化合物でさえも、広く空気中に放散されている。フレグランスやアロマは、場所の気分やフィーリングを改善したり、本来的な感情、心理状態を改善したり、特別な感情、心理状態を作りだしたりする。このことによって、フレグランスやアロマは、小売店での店の売り上げを上げたり、顧客が買い物に集中できるように仕向けたり、心理状態を落ち着かせる感情療法(例えばアロマテラピー療法)に使われたり、職場での気分の活性化に使われたり、ストレスの多い環境下の病院では患者や医療従事者を落ち着かせて治療効果を上げるためなどに使われている。
【0003】
害虫駆除剤や害虫忌避剤などは、厄介な虫などの除去に使われている。害虫駆除剤は商業施設、小売店、病院などで、虫害の予防や建物の保全に使われる。害虫忌避剤は、商業施設、医療機関、家庭などで広く使われていて、虫の侵害を予防して、清潔にして、働いたり、遊んだり、休息したりするのに快適な環境を作るために使われている。
【0004】
抗菌化合物は、病院や医療機関で、さらには老人ホームや個人の家庭で、病気の拡大の予防や健康の改善のために有害微生物の除去や駆除に使われている。
【0005】
フレグランス、アロマ、精油、害虫駆除剤、殺虫剤、害虫忌避剤や抗菌化合物でさえが上記のように使用され、それらは異なる分子量の化合物で構成されていて、便宜的に揮発性物質としてまとめられている。揮発性物質は使用されるまで、適当な形で保管されている。揮発性物質を含む源泉と同物質の配送や拡散を行う方法が本発明のシステムとして参照される。
【0006】
多くの揮発性物質の放散システムが市場で入手可能である。例えば、エアロゾル、気体用ボンベ、オイルを加熱するシステム、インセンス、電気あるいはガスを使った加熱パッド、燃えるトーチ、空気フィルターとブロワーの組合わせ、オイルランプ、匂いのついたキャンドルシステムなどである。
【0007】
残念なことに市場のシステムには欠陥がある。例えば、エアロゾルは香りや殺虫剤を噴霧する一般的なシステムであるが、噴霧時間は非常に短く、範囲も狭く、揮発性物質は空中に留まらずに、ほぼ直ちに表面にくっついてしまうのである。更に目的の揮発性物質を継続して出そうとすれば、エアロゾルでは繰り返し手動で行う必要がある。手動で繰り返す必要があるということは、エアロゾルによって揮発性物質の空気中の濃度は最大から最小へ正弦曲線に従うことである。
【0008】
第2の例は、電気加熱パッドを使って芳香剤を出す、プラグイン・エアフレッシュナーで、揮発性物質を含む媒体を加熱して、放散させるものである。残念なことに、このタイプのシステムは長時間揮発性物質を放散できるが、携帯型ではなくて、電源につなげておく必要があり、揮発性物質の媒体には互換性がない。最も一般的な市販のプラグイン・タイプの芳香剤は壁の電気コンセントの近くの狭い限られた空間にのみ使用が可能である。
【0009】
第3の例は、フィルターとブロワーを組み合わせたものであり、揮発性物質または匂いを含む孔状の固形物をブローするものである。残念なことに、このタイプのシステムも電源を必要として、多くのものは高価で、重たく、常に高価な孔状の固形物を常に必要としている。
【0010】
第4の例は、原料としての固形ワックス基材に特定の揮発性物質を分散させたキャンドルである。固形ワックス基材はある変態温度〔tg〕で液体に変化するものである。使用時、使用者は固形ワックスのベース素材に入れられた芯に点火する。燃焼する芯の周囲は2000℃にもなり、基材部分が融け始め、固形ワックス基材は液体となる。基材が融けると、融解基材のプールが明確となり、そこから特定の揮発性物質が周辺の大気中に放出される。通常のキャンドル・システムは必要に応じて、設置位置を変更でき、廉価であり、普通の形の賦香されたキャンドルが一般的に入手できるようになっている。
【0011】
以下、図1を参照して説明する。燃焼キャンドル11はワックス・プール12とキャンドル炎13を含んでいる。キャンドル11は揮発性物質を含有しており、揮発性物質はフレグランス、精油、虫忌避剤、殺虫剤や抗菌剤などから構成されている。使用中、最も強い外気流A1、A2がキャンドル炎13に引き込まれる。キャンドル炎13は、約2000℃になり、気流A1、A2を温め、2つの気流A1、A2の圧力が合成されて、幅の広くて強い熱い上昇気流A6を生み出す。次に説明するように、合成圧をもった上昇気流A6は、キャンドル炎13の数単位の長さの範囲内にある大部分の揮発性物質を損傷し、効果のないものとするに十分なほど熱いままである。
【0012】
使用時熱エネルギーA5がキャンドル炎13から放出されてワックス・プール12を生み出す。ワックス・プール12から複数の揮発性物質が経路A3、A4に沿って揮発して、キャンドル炎13の周辺あるいは内部を通る外部気流A1、A2の影響を受けて相当量が消費され、効果のないあるいは壊されて有害な素子になる。経路A3に沿う方向の極く小量の揮発性物質だけが不規則に、キャンドル炎13あるいはそれ以降の上昇気流A6のどちらかでの熱による消費を受けることを免れる。経路A4に沿う揮発性物質は完全に消費される。
【0013】
この通常のシステムでは、気流A2は気流A1とほぼ同等あるいはより強い。従って、気流A1、A2のベクトル力が合成されると揮発性物質が出て行くことを本質的に妨げるようなキャンドル炎13に向かう内方向の圧力ベクトルが存在する。さらに、気流A1、A2の圧力ベクターがキャンドル炎13の周辺に存在するので、キャンドル炎13と上昇気流A6の周りに大きな乱気流が存在する。この乱気流は、さらに燃焼しているキャンドル11の近くの狭い範囲から放出された揮発性物質が広がるのを最小にしている。言い換えれば、気流A1、A2はキャンドル炎13から揮発性物質が移動して去っていくことを助けたり、生き残った揮発性物質を広めていったりするために効果的に利用されない。
【0014】
上のように、通常のキャンドルシステムでは多くの不利な点があり、揮発性物質、極く一般的に選択されるフレグランスやアロマを解放していくのに不満足である。既存の良く知られているキャンドルシステムの主たる欠点は揮発性物質の解放が不規則であり、予測できない揮発性物質の燃焼であり、即ち揮発性物質は高い割合で摂氏2000度の炎の中を通過して行き、小さな分子や物質に熱分解されるのである。小分子の多くは害があるか、フレグランスやアロマとしての価値のないものである。この種の規定できない燃焼の2番目の原因は不規則な融解プールであり、多くの揮発性化合物が炎の直ぐ近く、あるいは直接炎中に放出され、一層大きな割合で熱分解される。
【0015】
通常の解放キャンドルシステムの固有の多重的欠点の結果、製造者は(1)基本物質の中で活性揮発性成分の熱抵抗性を改善したり、(2)基本物質中の揮発性成分の濃度を高価で不必要なまで高レベルに上げたり、(3)燃焼によって有害成分を生成しない揮発性化合物を選択したり、(4)第二の望ましくない高価な揮発性成分を増やす一方望ましい揮発性物質(フレグランス)成分を変更したり、制限したり(5)より高価な材料にワックス素材を変更したり、(6)より低温で燃焼する、より高価な芯材に変更したり、(7)融解プールが不規則な形にできるだけならないように、芯が燃え上がったりできるだけならないように、再加熱の熱が下に行かないように芯の上にフッドを置いたりしている。
【0016】
残念なことに、商業的に入手できるキャンドルの基本システムは、キャンドルの炎が燃え上がらないようにしたり、楽しい飾りやデザインの目的にためにある。キャンドルフッドの多くはその不適切なデザインと使用によって本質的に揮発性物質のパーフォーマンスを減少させているものである。
【0017】
米国特許第6,190,439号で開示されたキャンドルフッドは下端部よりも上端部の方が狭く、融解プールの上部に延びる壁の中にキャンドルは置かれている。従って、融解プールから出る揮発性物質は熱い燃焼気体を含む狭いコーンの中に強制的に入れられ、熱的に消費される。熱い燃焼気体を逃れてくる揮発性物質は、フッドの広い下端部と狭い上端部との間の圧力勾配による乱気流に更に出会うことになる。米国特許第6,190,430号には、揮発性物質の拡散を更に制限し、揮発性物質の燃焼の危険性を増し、逆流圧を生み出すことによって燃焼している芯からの層流を劇的に最小化したりするようなフッドの上端部にフィルターを設けたものを開示している。
【0018】
米国特許第6,152,728号は、製造が複雑で高価な環状の肩部とキャンドルのサイズを制限するホルダーを必要とするフレグランス分散キャンドルホルダーを開示している。従って、このデザインでは異なるメーカーのいろいろなキャンドルに対して互換性がなく、気流の乱れから芯が適切に保護されていない。
【0019】
米国特許第6,354,710号に似たような芳香システムが開示されているが、高価で、電力を必要として、ベースのワックスを温めて操作するようになっている。このタイプの芳香システムでは通常に使われるキャンドルシステムとはことなる揮発性化合物を必要とし、各揮発性化合物について高価な科学的なリビューが必要であり、さらに使用時の持ち運びが容易でなく、さらには、効果的に操作するには炎のない熱源を必要とする。
【0020】
リーらにより米国特許第5,197,454号に開示されたキャンドルホルダーはいろいろな方法でフレグランスや揮発性物質のパーフォーマンスを減じるだけのものである。固定手段は融解プールの上部に延びることが必要であり、空気が揮発性物質を取り込むことと燃焼する前に炎から逃すことを妨げている。一方で、同時に融解プールから出るどの揮発性物質も燃焼させてしまう可能性を増している。揮発性物質と煙が出てゆく速度は非常に遅く、ほとんど室内フレグランスの真の解放を妨げている。りーのシステムはさらにボール(とカップ)の下端で揮発性物質と燃焼気体を捕集によって揮発性物質の配送がさらに最小化し、さらに揮発性物質の配送をさらに最小化するような下方への陽圧を生み出し、乱気流を増大させている。
【特許文献1】
米国特許第6,190,439号
【特許文献2】
米国特許第6,152,728号
【特許文献3】
米国特許第6,354,710号
【特許文献4】
米国特許第5,197,454号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、燃焼するキャンドルからの揮発性物質の解放を改善し、上記の制限を克服するシステム、装置と方法を提供することである。
【0022】
さらに、本発明の目的は、揮発性物質の燃焼を最小化するために、層気流を規制して改善することによってキャンドルからの揮発性物質の解放を改善する方法とシステムを提供することであり、生産と製造のコスト維持し、あるいは削減しつつ、揮発性物質の放出のために液体ワックスプールをより大きくすることである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は, 揮発性物質を含む融解プールに隣接して安定な層気流を供給することにより、燃焼キャンドルからの揮発性物質の解放を改善するシステムと方法に関するものであって、一つのモノリシックなキャンドルの塊と周辺の大気との間での熱の移動を周到に規制することにより、大きな融解プールを確保することであり、不規則な熱勾配による揮発性物質の損失を最小化するものである。
【0031】
本発明の実施例によれば、基盤の第一表面上にキャンドルを有し、前記キャンドルが芯と、ワックス中に配置された複数の揮発性物質とを具備し、前記基盤は外側表面上に複数の空気導入口を具備し、前記第一表面から上に延びる、前記キャンドルの外側表面に等距離にあるチムニーを有し、前記チムニーは上端と下端開口部を規定し、前記上端の開口部は制限のない開口部であり、前記キャンドルの前記外側表面に近接する前記第一表面上に、前記基盤を通って各複数の内部開口部に延びる複数の空気導入口を有し、前記チムニーの高さ対前記チムニーの直径の比であるアスペクト比Yが1.0以上で、2.50を超えない範囲にあって、使用の間、前記芯に点火した時に、前記外側表面の近傍に層気流を形成し、前記芯から揮発性物質を引き離し、上端開口部から出すことを特徴とする。
【0032】
本発明の別の実施例によれば、前記上端開口部の直径と前記下端開口部の直径の比Xが60%以上であって160%を超えない範囲にあることを特徴とする。
【0033】
さらに、本発明の別の実施例によれば、前記比Xが80%以上であって120%を超えない範囲にあることを特徴とする。
【0034】
さらに、本発明の別の実施例によれば、前記比Xが95%以上であって105%を超えない範囲にあることを特徴とする。
【0035】
本発明の別の実施例によれば、各複数の前記空気導入口と前記内部開口部が、前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面と前記基盤の外縁表面との間をつなぐ複数の閉鎖経路を規定することを特徴とする。
【0036】
本発明の別の実施例によれば、更に、前記第一表面上の凹部を有し、前記凹部は前記チムニーの下端開口部の縁を受けるために有効であり、これにより前記凹部は前記使用中の前記基盤に関連する前記チムニーの移動を防止することを特徴とする。
【0037】
さらに、本発明の別の実施例によれば、各複数の前記空気導入口と前記内部開口部が、前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面と前記基盤の外縁表面との間をつなぐ複数の各解放チャンネルを規定することを特徴とする。
【0038】
本発明の上記目的及びその他の目的、特徴と利点は図を用いた以下の説明から明らかであり、参照とする同じ手段では同じ番号である。
【0039】
図2に示すように、チューブ15は、上端開口部16と下端開口部16aから成る略外円周に配設された複数の導入口14から構成されている。チューブ15はキャンドル11、キャンドル炎13と後述する大きなサイズのワックスプール12Bを囲んでいる。上端開口部16と下端開口部16aは垂直に配置され、上端開口部16、導入口14と下端開口部16aを繋げているチューブ15の壁部とは滑らかであり、並行または一般的に外向きに開いたコーン型で配置されている。導入口14はキャンドル11の上端表面の下方にある。導入口14は、キャンドル炎13の通常の燃焼を超えるのに必要な空気の全てを供給するようなサイズである。
【0040】
上端開口部16は下端開口部16aより直径で略20%まで大きくすることができると理解されるが、それ以上では、後述するように、本発明システムの効果は減少し、外部の乱気流が悪い方向に影響する。更に、チューブ15の壁は導入口14の上端とキャンドル11の上端の間の距離の少なくとも2倍はあるものと理解されるべきである。
【0041】
使用時、本発明のデザインは空気中により大量の活性揮発性物質を供給するものであって、ワックスプール12Bとキャンドル炎13の周囲の気流を決定的に供給し、方向付けることによって破壊される揮発性物質の割合を大きく減少させるものである。
【0042】
使用時、複数の新鮮な気流A21は各導入口14を通過して、キャンドル11に向かい、キャンドル11を囲む薄層チューブの形のものの中で垂直の上昇気流A22に一義的に方向変換される。上昇気流A22は上昇するので、それらはキャンドル11とチムニー15の壁の間を通過することによって運動エネルギーと干渉されないモーメントを獲得する。かかる条件下、上昇気流A22は外部圧力に影響されないしっかりとした層流となる。同時に、熱気流A26はキャンドル炎13から直接上昇して、非並行で非層流の流れによって影響されないで、上端開口部16を通過する。更に、影響を受けないキャンドル炎13は影響を受けない、一定の放射エネルギーA25をキャンドル11の下方向に生み出し、大きな一定のワックスプール12Bを作る。従って、ワックスプール12Bは量的に通常のワックスプールよりさらに大きくなり、大量の活性揮発性物質A24を拡散する。
【0043】
上昇気流A22はキャンドル11の上端に達したとき、全く、そして、僅かな陰圧の低下も起こらずに、図のように、単にマイナーで、デタラメな内方向の気流22Bが存在するだけとなる。上昇気流A22の大部分は連続的に垂直に上昇するので、上昇気流A22は活性揮発性物質A24をキャンドル炎13から遠ざけ、それを幅の広い上昇気流A23に取り込むのである。新鮮な上昇気流A22、活性揮発性物質A24を含む幅の広い上昇気流A23は速度と運動量を上げ、強くなって上昇する。
【0044】
広い開口部16によって、幅の広い上昇気流A23は素早くシステムから放散し、下方に引き込まれることを免れる。チムニーの上端が狭いと幅の広い上昇気流A23は自分の上に戻り熱気流A26 と合体して、熱消費と他の望ましくないあるいは有害な揮発性物質の発生となるように、直ちに活性揮発性物質A24を消費するか、あるいはキャンドル炎13の下方向に向かうことになる。さらに、キャンドル11の上端をブロックする固定器具要素の使用は、内部圧力低下を増大させ、ワックスプール12Bにおける揮発性物質A24 の消費を増加させることになる。
【0045】
図3に示すように、チューブ32は上端開口部31と下端開口部33からなる。複数の導入口34が、組み立てた時にキャンドル11の上端より下になるように、芳香キャンドル11の外周に合わせて調整された、高さを有するチューブ32の外周の周りに設けられれている。チューブ32の内壁には、乱気流の原因となるようなものを制限するために導入口34以外のもので邪魔されていない。
【0046】
使用時、キャンドル炎13は点火され、平面(図示されていない)上に置かれたキャンドル11の上にチューブ32が中心をとって、置かれる。幅広く、安定なワックスプール12Bが出来、新鮮な空気が導入口34に入り、キャンドル11の壁に当たり、キャンドル11の外周を囲む層チューブとして上方に方向を変えられる。新鮮な空気がチューブ32の壁に沿ってスムーズに上昇するので、揮発性物質はワックスプール12Bから外に引き出され、キャンドル炎13の中で破壊されたり、下降気流に再捕獲されたりされない。従って、新鮮な空気内の揮発性物質は容易に開口部31を逃れ、それは使用可能な生きた揮発性物質を増加させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
図4から6に示されるように、本発明の実施例はチューブ62とチューブベース65から構成されている。チューブ62は広い上端開口部61とそれと等しい下端開口部63から構成されている。ベース65の中心にはチューブ62の外周と似たような形の凹部67が設けられている。組み立て時、チューブ62は凹部67の中に置かれ、凹部67の壁(示されているが記載はない)によってベース65の方へ相対的に横ずれしないようになっている。このようにして、ベース65が確かにチューブ62を支持することが出きる。
【0048】
ベース65は、ベース65の各外部表面から芳香キャンドル11の各壁に近接する、各内部開口部66に新鮮な空気が入るように複数の導入口トンネル64から構成されている。内部開口部66はキャンドル11の外周近くに位置している。
【0049】
使用時、キャンドル11は点火され、ベース65の中心に置かれる。チューブ62はキャンドル11の上から下ろされて、凹部67の中に置かれる。続いて、新鮮な空気が導入口トンネル64に入り、通過して、既存内部開口部66で垂直の流れに方向が変えられる。既存内部開口部66の上で、新鮮な気流がキャンドル11の外周に沿って均一に上昇するキャンドル11の周りの層流チューブを形成する。このようなデザインの結果、安定なワックスプール12Bを過ぎて、チューブ62の壁に沿ってスムーズに新鮮な空気が上昇し、キャンドル11の上端に低圧の勾配が生じて、揮発性物質(図示せず)がワックスプール12Bから外側に引き出され、キャンドル炎13の中で破壊され、下降気流に捕獲されることを免れることができる。従って、新鮮空気中の揮発性物質は上端開口部31から容易に逃げ、使用可能な揮発性物質を増加させる。
【0050】
さて、図7と8に示されるように、本発明の別の実施例は、チューブ62Bとベース65Bから構成されている。チューブ62B は広い上端開口部61と同じように広い下端開口部63Bから構成されている。ベース65Bが下端開口部63B を支えるしっかりした、平面を提供している。
【0051】
ベース65Bは各導入開口部64Bから新鮮な空気が入り、ベース65Bの外側領域の上に行き、下端開口部63Bの下へ通るように、複数の内部開口部66Bから構成されている。内部開口部66Bと導入開口部64Bはベース65B に形成された各トンネルの部分である。各内部開口部66Bはチューブ62B の各内壁とキャンドル11の外周に近接している。製造の容易さから、本実施例では、チューブ62Bの壁の近傍に、内部開口部66Bを設けていて、従って、チューブ62Bに開口部を設ける必要がなく、製造のコストを減らすことができる。
【0052】
この実施例では、キャンドル11の外周とチューブ62Bの内壁との間の距離2分の1以上に内部開口部62Bが拡張している。従って、内部開口部66Bは効果的にキャンドル11の外周の周りを上昇する層流チューブの中に新鮮な空気を供給することができ、キャンドル炎13から安全に離れて、使用時に拡散される揮発性物質を移動させることができる。
【0053】
組み合わせによって、上記実施例はこれまでの設計以上に本質的な利益をもたらすことができる。即ち、上記実施例では通常の芳香(揮発性)キャンドルを使うことができるので、キャンドルと揮発性物質の組成物の組成を変える必要がなく、追加の研究や開発のコストを削減することができる。さらに、上記実施例では、電気的なファンや高価なフィルターを必要とすることなく、システムの容易な再配置が維持できる一方、通常の芳香キャンドルだけを使用する場合に比べてより効果的に揮発性物質を配送することできる。最後に、本発明によれば、使用毎の揮発性物質の経済性を大きくすることが出きるので、メーカーはキャンドルに加える必要のある揮発性物質の割合を減らすことができ、更に、製造コストを減らすことができる。
【0054】
実験例1
市販のキャンドル(Glade、ス,トロベリー・クリームの香り、SC Johnson & Sons社, レイシン、ウイスコンシン州)を購入して、訓練を受けたパネリストによる揮発性物質(フレグランス)のパーフォーマンスを評価し、専門の調香師が揮発性物質(フレグランス)を記述した。この実験では香りが揮発性物質である。
【0055】
2種類のワンピース・チューブ(チムニー)を評価試験に使用した。チューブAは15cmの高さで、下端開口部は直径は11cm、上端開口部は7cmで、導入口がない構成であった。チューブBは15cmの高さで、下端開口部は直径は11cm、上端開口部は7cmで、4つの導入口がキャンドルに近接する下端の直径の周りに等しく設けられ構成であった。チューブCは20cmの高さで、下端開口部は直径は9cm、狭い上端開口部は2cmで、4つの導入口がキャンドルに近接する下端の直径の周りに等しく設けられた構成であった。各チューブのアスペクト比は(高さと下端部の直径の比)はチューブAでは(15cm/11cm)= 1.36、チューブBでは(15cm/11cm) = 1,36、チューブCでは(20cm/9cm) = 2.22であった。結果が表1に示されている。
【0056】
【表1】
【0057】
実験例2
同様に、市販のキャンドル(Glade、ベリーの香り、SC Johnson & Sons社, レイシン、ウイスコンシン州)を購入して、訓練を受けたパネリストによる揮発性物質(フレグランス)のパーフォーマンスを評価し、専門の調香師が揮発性物質(フレグランス)を記述した。この実験では香りが揮発性物質である。
【0058】
同様に、3種類のチューブをチムニーをとして、ベース65Bと一緒に使用した。チューブDは15cmの高さで、直径は10cmであった。チューブEは23cmの高さで、直径は10cmであった。チューブFは19cmの高さで、直径は13cmであった。各チューブは石英ガラス(パイレックス)で作られていた。市販の煙装置を導入口64Bの近接部に置いて気流の速度の測定を実施した。測定は定性的であった。各チューブのアスペクト比は(高さと下端部の直径の比)はチューブDでは(16cm/10cm)= 1.60、チューブEでは(23cm/10cm) = 2.30、チューブFでは(19cm/13cm) = 1.46であった。結果が表2に示されている。
【0059】
【表2】
【0060】
実験例1と実験例2から明らかなことは(1)パーフォーマンスを上げるには新鮮な空気の導入口が必須であり、(2)ワックスプールから揮発性物質引き出すために層流タイプの気流がパーフォーマンスの増大あるいは経済的な利益のために必要であり、(3)炎への逆圧を最小化するためにはキャンドルの上端表面の直ぐ近くに障害物がなく、(4)上昇気流が早すぎる場合には、揮発性物質と新鮮な空気との混合が乏しい結果単に限られた量の揮発性物質が適切に配送され、(5)上昇気流が非常に遅い場合には揮発性物質の配送が僅かであり、燃焼が大きく、揮発性物質の損失があり、(6) チムニーのアスペクト比(高さ/直径)は1.00から2.50の間にあれば、キャンドルの高さなどに関連する他の要因に依存する揮発性物質の配送を向上させるための改善のために望ましく、(7)上端と下端の直径の比が60%から160%の間にあることが制限を受けない滑らかな層流を促進するためには望ましく、(8)上昇気流が適度である場合には新鮮な空気の混合と揮発性物質の配送も優れたものとなることである。最後に、明らかなことは適度に混合された新鮮な空気と揮発性物質のチューブとキャンドル炎からの素早い離脱が再混合、揮発性物質の分解、追加の乱気流を最小化し、低コストで揮発性物質のパーフォーマンスを最大化するためには必要であるということである。
【0061】
これまでと請求項で使われている高度な技術的なことの意味において、揮発性物質とは各種のフレグランス、アロマ、精油、農薬、殺虫剤、ペスト忌避剤、抗菌剤などであると理解されるべきである。
【0062】
同様に、これまでと請求項で使われている高度な技術的なことの意味において、チューブ(チムニー)とキャンドルは、キャンドルを中心にするあるいはキャンドルから等距離にあって、キャンドルの側面の周りに円滑な気流をもたらすものであれば、円筒形から角度を持つのものなど異なる形のものであっても構わないと理解されるべきである。
【0063】
上記のように本発明の一つあるいは、ニ、三の典型的な実施例について説明したが、これらの優れた技術は、本発明の新規に教えるところあるいは利点から実質的に逸脱することなく典型的実施例において多くの変形が容易に考えられる。従って、全てのそのような変形は請求項に記載の本発明の精神と範囲の中に含まれることができる。
【0064】
付随の図を参照して、本発明のこのましい実施例の少なくとも一つで記載されるように、本発明はこれらの精密な実施例に制限されるものではなく、いろいろな変化、変形、適応が、添付の請求項に記載の本発明の精神と範囲の中から逸脱することなく、優れた技術によって成立させられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】通常の燃焼するキャンドル周辺の気流を示す模式図。
【図2】燃焼するキャンドルとチムニー周辺の気流を示す模式図。
【図3】図2の模式図の分解図。
【図4】図2の模式図の斜視図。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る図4のI-I線における断面図。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る分解図。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る斜視図。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る分解側面図。
Claims (12)
- 基盤の第一表面上にキャンドルを有し、
前記キャンドルが芯と、ワックス中に配置された複数の揮発性物質とを具備し、
前記基盤は外側表面上に複数の空気導入口を具備し、
前記第一表面から上に延びる、前記キャンドルの外側表面に等距離にあるチムニーを有し、
前記チムニーは上端と下端開口部を規定し、
前記上端の開口部は制限のない開口部であり、
前記キャンドルの前記外側表面に近接する前記第一表面上に、前記基盤を通って各複数の内部開口部に延びる複数の空気導入口を有し、
前記チムニーの高さ対前記チムニーの直径の比であるアスペクト比Yが1.0以上で、2.50を超えない範囲にあって、使用の間、前記芯に点火したときに、前記外側表面の近傍に層気流を形成し、前記芯から揮発性物質を引き離し、上端開口部から出すことを特徴とする揮発性物質拡散システム。 - 前記上端開口部の直径と前記下端開口部の直径の比Xが60%以上であって160%を超えない範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の揮発性物質拡散システム。
- 前記比Xが80%以上であって120%を超えない範囲にあることを特徴とする請求項2に記載の揮発性物質拡散システム。
- 前記比Xが95%以上であって105%を超えない範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の揮発性物質拡散システム。
- 各複数の前記空気導入口と前記内部開口部が、前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面と前記基盤の外縁表面との間をつなぐ複数の閉鎖経路を規定することを特徴とする請求項1に記載の揮発性物質拡散システム。
- 更に、前記第一表面上の凹部を有し、
前記凹部は前記チムニーの下端開口部の縁を受けるために有効であり、これにより前記凹部は前記使用中の前記基盤に関連する前記チムニーの移動を防止することを特徴とする請求項5に記載の揮発性物質拡散システム。 - 各複数の前記空気導入口と前記内部開口部が、前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面と前記基盤の外縁表面との間をつなぐ複数の各解放チャンネルを規定することを特徴とする請求項1に記載の揮発性物質拡散システム。
- 前記アスペクト比Yが1.0以上であって2.0を超えない範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の揮発性物質拡散システム。
- 前記アスペクト比Yが1.2以上であって1.8を超えない範囲にあることを特徴とする請求項8に記載の揮発性物質拡散システム。
- 基盤上の第一表面上にキャンドルを供給し、
前記キャンドルが芯と、ワックス中に配置された複数の揮発性物質とを具備し、
前記基盤は外側表面上に複数の空気導入口を具備し、
前記複数の空気導入口は、前記基盤を通して前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面上の各複数の内部開口部に延び、
前記芯に点火し、
前期第一表面から上に延びる、前記キャンドルの外側表面に等距離にあるチムニーを供給し、
前記チムニーは、
前記チムニー上に上端開口部と下端開口部とを有し、前記上端開口部は制限のない開口部であり、前記チムニーは前記キャンドルの上端表面より上に延び、
前記チムニーの高さと前記チムニーの直径の比であるアスペクト比Yが1.0以上で2.50を超えない範囲にあって、前記芯に点火し、チムニーを供給後、前記外側表面近辺に層気流を形成し、前記芯から離れている前記揮発性物質を引き出し、前記上端開口部から出す段階を特徴とする揮発性物質を拡散する方法。 - 基盤の第一表面上のキャンドルを提供する前記段階において、
各複数の前記空気導入口と前記内部開口部が、前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面と前記基盤の外縁表面との間をつなぐ複数の閉鎖経路であることを特徴とする請求項10に記載の揮発性物質を拡散する方法。 - 基盤の第一表面上にキャンドルを提供する前記段階において、
各複数の前記空気導入口と前記内部開口部が、前記キャンドルの外側表面に近接する前記第一表面と前記基盤の外縁表面との間をつなぐ複数の解放チャンネルを規定することを特徴とする請求項11に記載の揮発性物質を拡散する方法。
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