以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
複数の画像形成機能を融合する本発明の一実施例に係る画像形成装置は、例えば、図1に示すような機能構成を成す。図1は、本発明の一実施例に係る複数の画像形成機能を融合する画像形成装置の全体機能構成を示すブロック図である。
図1において、画像形成装置1200は、プリンタ処理を行うためのハードウェア資源であるプロッタ1201と、スキャナ処理を行うためのハードウェア資源であるスキャナ1202と、その他ハードウェアリソース1203などを有するとともに、プラットフォーム1220とアプリケーション1230とから構成されるソフトウェア1210と、起動部1240とを備えている。
起動部1240は、画像形成装置1200の電源投入時に先ず始めに実行され、プラットフォーム1220やアプリケーション1230を起動する。
API(Application Program Interface)1205は、アプリケーション1230とプラットフォーム1220とのインターフェイスを提供する。プラットフォーム1220は、API1205を介して通知されるアプリケーション1230からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生させる下記に示すコントロールサービス1250と、一または複数のハードウェア資源の管理をおこない、コントロールサービス1250からの獲得要求を調停するシステムリソースマネージャー(SRM(System Resource Manager)1223)と、OS1221とを有する。
このコントロールサービス1250は、複数のサービスモジュールにより形成され、具体的には、SCS(System Control Service)1222と、ECS(Engine Control Service)1224と、MCS(Memory Control Service)1225と、OCS(Operation panel Control Service)1226と、FCS(FAX Control Service)1227と、NCS(Network Control Service)1228と、IMH(Imaging Memory Handler)1229とがある。
OS1221は、UNIX(登録商標)などのオペレーティング・システムであり、プラットフォーム1220並びにアプリケーション1230の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。オープンソースのUNIX(登録商標)を用いることにより、プログラムの安全性を確保できるとともに、ネットワーク対応可能となり、ソースコードの入手も容易となる。さらに、OS、TCP/IPのロイヤリティが不要であり、アウトソーシングも容易となる。OS1221は、このように画像処理に使用される各ハードウェア資源を直接制御する点において、パーソナルコンピュータ(PC)等のオペレーティングシステムとは異なっている。なせなら、通常、PCは、接続されるスキャナやプリンタ等の画像形成装置を制御することはできるが、それら画像形成装置内のハードウェア資源を制御することができないからである。
SRM1223は、SCS1222とともにシステムの制御およびリソースの管理をおこなうものであり、スキャナ1202やプロッタ1201などのエンジン部、メモリ、HDDファイル、ホストI/O(セントロI/F、ネットワークI/F、IEEE1394I/F、RS232CI/Fなど)のハードウェア資源を利用する上位層からの要求にしたがって調停をおこない、実行制御する。
具体的には、このSRM1223は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるかどうか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングをおこない、要求内容(たとえば、プリンタエンジン(プロッタ1201)による紙搬送と作像動作、メモリ確保、ファイル生成など)を直接実施するようにしてもよい。
SCS1222は、アプリ管理(機能1)、操作部制御(機能2)、システム画面表示(ジョブリスト画面、カウンタ表示画面など)(機能3)、LED表示(機能4)、リソース管理(機能5)、割り込みアプリ制御(機能6)等の複数の機能を行なう。具体的には、アプリ管理(機能1)では、アプリの登録と、その情報を他のアプリに通知する処理をおこなう。操作部制御(機能2)では、アプリの操作部使用権の排他制御をおこなう。システム画面表示(機能3)では、操作部使用権を持つアプリからの要求内容に応じて、エンジン部の状態に対応する警告画面の表示をおこなう。LED表示(機能4)では、警告LED、アプリキーなどのシステムLEDの表示制御をおこなう。リソース管理(機能5)では、アプリ(ECS)がジョブを実行するにあたって、排他しなければならないエンジンリソース(スキャナ、ステープルなど)の排他制御のためのサービスをおこなう。割り込みアプリ制御(機能6)では、特定のアプリを優先動作させるための制御及びサービスをおこなう。
ECS1224は、プロッタ1201と、スキャナ1202と、その他ハードウェアリソース1203などのエンジン部を制御するものであり、画像読み込みと印刷動作、状態通知、ジャムリカバリなどをおこなう。
MCS1225は、メモリ制御をおこなうものであり、具体的には、画像メモリの取得および開放、ハードディスク装置(HD)の利用、画像データの圧縮および伸張などをおこなう。
OCS1226は、オペレータと本体制御間の情報伝達手段となる操作パネルを制御するモジュールであり、オペレータのキー操作イベントを本体制御に通知する処理、各アプリがGUIを構築するためのライブラリ関数を提供する処理、構築されたGUI情報をアプリ別に管理する処理、操作パネル上への表示反映処理などをおこなう。
FCS1227は、システムコントローラの各アプリ層からPSTN/ISDN網を使ったファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読み取り、ファクシミリ受信印刷、融合送受信をおこなうためのAPI1205を提供する。
NCS1228は、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのモジュール群であり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介をおこなう。NCS1228は、例えば、少なくとも、ネットワークを介して接続された装置との通信を制御するhttpd(Hypertext Transfer Protocol Daemon)2と、USB(Universal Serial Bus)接続による通信を制御するusbd(Universal Serial Bus Daemon)2−1と、IEEE1349接続による通信を制御する1349d(Daemon)2−2と、セントロニクス接続による通信を制御するcentrod(Centronics Daemon)2−3と、ブルートゥース接続による通信を制御するbrts(Bluetooth Daemon)2−4と、赤外線による通信を制御するird(Infrared Daemon)2−5と、SCSI接続による通信を制御するscsid(SCSI Daemon)2−6と、ファイル転送プロトコルftpd(File Transfer Protocol Daemon)3とを有する。
IMH1229は、イメージデータを仮想メモリ領域から物理メモリ領域へマップする。プロセスの起動に応じて、システムコールを行ない、プロセス用の仮想メモリ領域をマップしたり、マップした仮想メモリ領域をプロセスの終了時に開放する処理等を行なう。
アプリケーション1230は、ページ記述言語(PDL)、PCLおよびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ1211と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ1212と、ファクシミリ用アプリケーションであるファックスアプリ1213と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ1214と、ネットファイル用アプリケーションであるネットファイルアプリ1215と、別装置との連携処理を行うための処理シーケンスを制御する文書処理制御部300を有する文書管理Webサービスアプリ1216と、文書処理毎にチケットを発行し管理するチケット管理Webサービスアプリ1217とを有する。各アプリケーション1211〜1217は、プラットフォーム1220上の各プロセスを利用して動作実行し得るため、画面制御、キー操作制御およびジョブ生成などをおこなう画面表示制御プログラムがその主体となる。なお、NCS1228により接続されたネットワークを介して新たなアプリケーションをネットワーク経由で搭載することもできる。また、各アプリケーションはアプリケーションごとに追加または削除することができる。
このように、画像形成装置1200は、各アプリで共通的に必要となる処理をプラットフォーム1220で一元的に処理する。
次に、画像形成装置1200のハードウェア構成について説明する。図2は、図1に示す画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、この画像形成装置1200は、オペレーションパネル1310と、FCU(ファックスコントロールユニット)1320、プロッタ1201、スキャナ1202及びその他ハードウェア1203とで構成されるエンジン部1350と、コントローラ1300のASIC1301とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続した構成となる。
FCU1320は、受信したファックスデータを格納するための不揮発性メモリ(NVM)1321と、FCU1320内での時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)1322とを有し、通常G3規格に従ってファックスデータの送受信を行う。FCU1320は、オプションとして更にG3規格とG4規格とを搭載しても良い。
コントローラ1300は、ASIC1301にMEM−C1302、HDD(Hard Disk Drive)1303などを接続するとともに、このASIC1301とCPU1304とをCPUチップセットのNB1305を介して接続している。このように、NB1305を介して接続する理由は、CPU1304自体のインターフェイスが公開されていないためである。
ここで、このASIC1301とNB1305は、単にPCIを介して接続されているのではなく、AGP1308を介して接続されている。このようにAGP1308を介して接続することとした理由は、この画像形成装置1200がプラットフォーム1220やアプリケーション1230を形成する複数のプロセスを実行制御する関係上、これらを低速のPCIで接続したのでは、パフォーマンスが低下するからである。
CPU1304は、画像形成装置1200の全体制御をおこなうものであり、具体的には、OS1221上でプラットフォーム1220を形成するSCS1222、SRM1223、ECS1224、MCS1225、OCS1226、FCS1227、NCS1228をそれぞれプロセスとして起動して実行させるとともに、アプリケーション1230を形成するプリンタアプリ1211、コピーアプリ1212、ファックスアプリ1213、スキャナアプリ1214、文書管理Webサービスアプリ1215、チケット管理Webサービスアプリ1217を起動して実行させる。
NB1305は、CPU1304とMEM−P1306、SB1307、ASIC1301とを接続するためのブリッジであり、MEM−P1306は、画像形成装置の描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、MEM−C1302は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、ASIC1301は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。
SB1307は、NB1305とROM、PCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。SB1307は、コントローラ1300での時間を計測するRTC(Real Time Clock)1323を有する。また、SB1307は、内部にUSBホストを有し、例えば、USB接続のカメラを接続することで画像データを取り込むことが可能であり、また、他のUSBターゲットからデータを受け取ることも可能である。
画像形成装置1200では、SB1307、NIC1311、USBターゲット1312、IEEE13941313、セントロニクス1314、シリアル1315、USBホスト1316、FCU1320の標準のG3、G3オプション、G4オプションの複数のポートを介して送受信されるデータがHDD1303に蓄積され一元的に管理される。
HDD1303は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージであり、オペレーションパネル1310は、操作者からの入力操作の受け付け並びに操作者に向けた表示をおこなう操作部である。
したがって、ASIC1301には、MEM−C1302を接続するためのRAMインターフェイスと、HDD1303を接続するためのハードディスクインターフェースが設けられ、これらの記憶部に対して画像データの入出力をおこなう場合には、入出力先がRAMインターフェイスまたはハードディスクインターフェースに切り替えられる。
AGP1308は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェイスであり、システムメモリに高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にする。
以下、上述したような図1に示す全体機能構成、及び、図2に示すハードウェア構成を有する画像形成装置1200がネットワークを介して接続される装置間で連携して蓄積された文書、画像データ等の複写又は印刷をWebサービスとして提供する機能構成例について説明する。ここで、Webサービスとは、ネットワークを介して接続される装置からのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストによるサービス要求に応じて、画像形成装置1200が所定の処理を行ない、その処理結果をHTTPレスポンスとして該装置へ提供することを言う。
先ず、ネットワークを介して、画像形成装置1200からWebサービスが提供される仕組みについて図3で説明する。図3は、本発明の第一実施例に係るネットワークシステム構成例を示す図である。図3において、図1に示す全体機能構成、及び、図2に示すハードウェア構成を有する画像形成装置1200は、画像形成装置1200と同等の図1に示す機能を有する画像形成装置1000と、端末30と、ネットワーク15を介して接続される。ここで、画像形成装置1000は、図1に示す文書管理Webサービスアプリ1216に文書処理制御部300を備えてなくても良い。
端末30は、PC(パーソナルコンピュータ)30−1、携帯電話20−2、又はPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理端末である。説明の便宜のため、以下、端末30は、PC30−1を想定して説明をする。
また、ネットワーク15を介して通信がなされる場合について説明するが、端末30、画像形成装置1000及び1200との通信において、ネットワーク15は、有線LAN又は無線LANのいずれであっても良い。更に、USB接続による通信、IEEE1349接続による通信、セントロニクス接続による通信、ブルートゥース接続による通信、赤外線通信、又は、SCSI接続による通信であっても良い。
図3において、画像形成装置1200のHDD1303に蓄積された文書又は画像データ(以下、総称して文書という)を画像形成装置1000に複写する3パターンが示される。ここで、画像形成装置1200は、文書送り元装置として、蓄積している文書を画像形成装置1000へ送信する。また、画像形成装置1000は、文書送り先装置として、画像形成装置1200から送信された文書をHDD1303Bに蓄積することによって複写する。
先ず、パターン1として、利用者が画像形成装置1000のオペレーションパネル1310Bを利用して画像形成装置1200の文書を画像形成装置1000に複写する場合がある。次に、パターン2として、利用者が画像形成装置1200のオペレーションパネル1310を利用して画像形成装置1200の文書を画像形成装置1000に複写する場合がある。更に、パターン3として、利用者が端末30の表示部13に表示される文書複写を行うための画面を利用して画像形成装置1200の文書を画像形成装置1000に複写する場合がある。
図3に示す画像形成装置1200及び1000、及び端末30の各機能構成について説明する。先ず、上記パターン1から3における利用者による文書の複写要求に応じて、画像形成装置1200から画像形成装置1000へ文書を複写する文書複写シーケンスを制御する文書処理制御部300を有する画像形成装置1200の機能構成について図4で説明する。図4は、本発明の一実施例に係る文書処理制御部を有する画像形成装置の機能構成例を示す図である。図4において、図1に示す画像形成装置1200の機能構成のうち主要な機能構成のみが図示され、他の機能構成は省略される。図4より、画像形成装置1200の文書管理Webサービスアプリ1216は、主に、SOAP(Simple Object Access Protocol)に従ってメッセージ交換を制御するサーバ部100と、Webサービスを提供する機能としてのWebサービスファンクション(WSF)として文書管理に関する処理を文書が蓄積されるHDD1303をアクセスすることによって実行する文書管理Webサービス実行部130と、Webサービスの要求及び提供に関するSOAPに従ったメッセージ交換を行うクライアント部200と、サーバ100からの通知によってクライアント部200が行う文書処理に関して、別装置との連携処理を行うための処理シーケンスを制御する文書処理制御部300とを有する。
サーバ部100は、更に、SOAPに従ったHTTPリクエストに設定された処理要求を示すSOAPコマンドを解析するSOAPコマンド解析部110と、HTTPレスポンスに設定されるメッセージとして、SOAPに従ってレスポンスを構築するSOAPレスポンス構築部120とを有する。
SOAPコマンド解析部110は、HTTPリクエストからSOAPコマンドを解析して、HDD1303に画像形成装置1200にて処理された文書を蓄積する処理、HDD1303に蓄積されている文書に対する更新、削除等の処理、HDD1303に蓄積されている文書の書誌情報を取得する処理等を実行する文書管理Webサービス実行部130に処理を通知する。また、SOAPコマンド解析部110は、HTTPリクエストからSOAPコマンドを取り出して、ネットワーク15を介して接続される画像形成装置1000へ処理対象となる文書を送信することを指定するような、ネットワーク15を介して接続される少なくとも1つの装置間で連携して所定処理を行うSOAPコマンドであるか否かを判断するSOAPコマンド判断部111を有する。SOAPコマンド判断部111は、装置間で連携して所定処理を行うSOAPコマンドである場合、文書処理制御部300のシーケンス制御部310に該SOAPコマンドを通知する。上記実施例において、SOAPコマンド判断部111は、HTTPリクエストで指定されるSOAPコマンドが画像形成装置1200から利用者が指定した文書を画像形成装置1000に複写することを要求する文書書込要求コマンドであるか否かを判断する。
SOAPレスポンス構築部120は、SOAPコマンド解析部110による処理の通知に応じて、文書管理Webサービス実行部130が実行した処理の処理結果を文書管理Webサービス実行部130から受信し、該処理結果を示すSOAPに従ったメッセージを生成して、HTTPレスポンスとしてNCS1228のhttpd2によってネットワーク15上へ送信する。また、SOAPレスポンス構築部120は、文書処理制御部300のシーケンス制御部310から通知された処理結果を示すSOAPに従ったメッセージを生成する。
クライアント部200は、更に、処理要求を示すSOAPコマンドがHTTPリクエスト内に設定されるようにSOAPに従ったメッセージを構築するSOAPコマンド構築部210と、HTTPレスポンスに設定されたSOAPに従ったメッセージを解釈するSOAPレスポンス解釈部220とを有する。
また、文書処理制御部300は、文書を画像形成装置1000へ複写するための画像形成装置1000との処理シーケンスを制御するシーケンス制御部310と、画像形成装置1200と画像形成装置1000とによって処理可能な文書タイプを判断する文書タイプ判断部320とを有する。
シーケンス制御部310は、サーバ部100のSOAPコマンド解析部110から装置間で連携して処理を行うSOAPコマンドの通知を受けると、クライアント部200のSOAPコマンド構築部210に対して、画像形成装置1000から利用者が指定した文書を書き込む際の書込可能な文書タイプリストを画像形成装置1000から取得するように要求する。シーケンス制御部310は、SOAPレスポンス解釈部220から文書タイプリストを取得すると、文書タイプ判断部320に画像形成装置1000と画像形成装置1200とで処理可能な文書タイプの特定を要求する。そして、シーケンス制御部310は、文書タイプ判断部320によって特定された文書タイプを用いてSOAPコマンド構築部210に対して画像形成装置1000にページ画像の要求を指示し、該ページ画像書込要求コマンドに応じて画像形成装置1000から送信されたページ画像をSOAPレスポンス解釈部220から受信すると、クライアント部200のSOAPコマンド構築部210に内部的にページ画像をHDD1303に蓄積するSOAPコマンドをサーバ部100のSOAPコマンド解析部110に発行させる。よって、文書管理Webサービス実行部130は、SOAPコマンド解釈部110からの処理要求に応じて、ページ画像をHDD1303に蓄積する処理を実行する。
文書タイプ判断部320は、シーケンス制御部310から通知された画像形成装置1000から取得可能な文書タイプのリストを示す送り元タイプリスト302と、画像形成装置1200が処理可能な文書タイプのリストを示す送り先タイプリスト304とに共通に処理可能な文書タイプがあるか否かを判断し、最も好ましい文書タイプを1つ特定する。文書タイプ判断部320は、特定した文書タイプをシーケンス制御部310に通知する。
次に、蓄積した文書を画像形成装置1200に送信する文書送り元装置としての文書処理制御部300を持たない画像形成装置1000の機能構成について説明する。図5は、本発明の一実施例に係る文書処理制御部を持たない画像形成装置の機能構成例を示す図である。図5中、説明の便宜上、画像形成装置1200と同等の処理部に同じ符号を付し、その最後に英字のBを付加して示す。つまり、画像形成装置1000の機能構成は、図4に示す画像形成装置1200の文書処理制御部300を除いた他機能は全て同じである。
本実施例において、サーバ部100BのSOAPコマンド解析部110Bは、画像形成装置1200又は端末30からHTTPリクエストをNCS1228Bのhttpd2Bを介して受信すると、HTTPリクエストに設定されているSOAPコマンドを解析し、SOAPコマンドに応じた処理をWebサービスファンクション(WSF)としての文書管理Webサービス実行部130Bに要求する。サーバ部100BのSOAPレスポンス構築部120Bは、文書管理Webサービス実行部130Bから処理結果を受信すると、その処理結果をSOAPレスポンスとして構築し、NCS1228Bのhttpd2Bを介してHTTPレスポンスとして画像形成装置1200又は端末30へ送信することによって、Webサービスの提供を行う。
文書管理Webサービス実行部130Bは、SOAPコマンド解析部110BからのWebサービスとしての処理要求に応じて、HDD1303Bを制御することによって、文書リスト、サムネイルデータ、書誌情報、文書の取得可能タイプリスト、又はページ画像等を処理結果として取得して、SOAPレスポンス構築部120Bへ通知する。
クライアント部200BのSOAPコマンド構築部210Bは、利用者の操作に応じて、チケットを用いた処理要求を画像形成装置1200へ行う。クライアント部200BのSOAPレスポンス解釈部220Bは、画像形成装置1200から受信した処理結果を解釈する。
次に、図3に示す端末30について図6で説明する。図6は、本発明の一実施例に係る文書処理制御部を持たない端末の機能構成例を示す図である。図6において、端末30は、HTTPに従ってネットワーク15を介して通信を制御するネットワーク制御部330と、SOAPに従ったメッセージ交換を制御するクライアント部200Cと、利用者との間で行われるデータの入出力を制御する入出力制御部340と、入出力制御部340から出力される表示用データを表示する表示部13とを有する。
利用者は、端末30を利用して、表示部13に表示される画像形成装置1200の文書リストから複写する文書をマウス又はキーボード等の入力装置(図示せず)を用いて選択し、複写先として画像形成装置1000を選択する。この場合、利用者によって入力されたデータは、入出力制御部340によってSOAPコマンド構築部210Cに通知される。SOAPコマンド構築部210Cは、入出力制御部340から通知されたデータに基づいて、画像形成装置1200に対して画像形成装置1000へ文書を書き込む処理要求を示すSOAPコマンドを作成しネットワーク制御部330に通知する。ネットワーク制御部330は、HTTPリクエストとして画像形成装置1200へ送信する。
端末30のネットワーク制御部330は、画像形成装置1200からHTTPレスポンスを受信すると、クライアント部200CのSOAPレスポンス解釈部220Cに通知する。SOAPレスポンス解釈部220Cは、通知されたHTTPレスポンスから処理結果を取り出して、表示部13に表示させるため、入出力制御部340にその処理結果を通知する。入出力制御部340は、表示部13へ処理結果を表示させる。
上述したような画像形成装置1200及び画像形成装置1000の機能構成において実現される図3に示すパターン1の場合の文書複写シーケンスを説明する。パターン1では、利用者が画像形成装置1000のオペレーションパネル1310Bで文書を複写する場合である。図7は、パターン1に示す文書送り先装置から操作した場合の第一の文書複写シーケンスの例を示す図である。
図7において、画像形成装置1000を利用する利用者がオペレーションパネル1310Bに表示されるネットワーク15を介して接続される装置の一覧を示す装置一覧から所望文書が格納されている画像形成装置1200を選択すると(ステップS130)、画像形成装置1000は、文書リストを要求する文書リスト要求コマンドを画像形成装置1200に送信する(ステップS131)。画像形成装置1200は、文書管理Webサービス実行部130によってHDD1303から取得した文書リストを画像形成装置1000に送信する(ステップS131−2)。
画像形成装置1000は、文書リストを受信すると、オペレーションパネル1310Bに表示すべきサムネイルデータを要求するサムネイル要求コマンドを画像形成装置1200に送信する(ステップS132)。画像形成装置1200は、サムネイル要求コマンドに応じた処理を文書管理Webサービス実行部130にて行う。文書管理Webサービス実行部130から通知された文書のサムネイルデータを画像形成装置1000へ送信する(ステップS132−2)。サムネイルデータとは、例えば、文書の先頭ページを縮小した画像見本である。
画像形成装置1000のオペレーションパネル1310Bに、画像形成装置1200が蓄積している文書の一覧が、ステップS132−2にて受信した各文書を表現するサムネイルによって表示されると、利用者は、所望文書のサムネイルを装置一覧で示される所望する装置へドラッグ&ドロップ操作して、複写すべき文書及びその文書が複写される装置を特定する(ステップS133)。この場合、利用者は、画像形成装置1200に蓄積される文書を画像形成装置1000へドラッグ&ドロップ操作する。
画像形成装置1000は、複写すべき文書に関する書誌情報を要求する書誌情報要求コマンドを画像形成装置1200へ送信する(ステップS134)。画像形成装置1200は、画像形成装置1000からの書誌情報要求コマンドに応じて、文書管理Webサービス実行部130によって文書に関する書誌情報をHDD1303から取得し、その書誌情報を画像形成装置1000へ送信する(ステップS134−2)。
画像形成装置1000は、書誌情報を受信すると、システム情報を内部的に取得し、チケットによる処理が行えることを確認する(ステップS135)。そして、画像形成装置1000は、オペレーションパネル1310Bに複写確認ダイアログを表示する(ステップS136)。利用者が複写処理の実行を示すOKを選択すると(ステップS137)、画像形成装置1000に文書を書き込むための利用許可を示すチケットを内部的に発行し、チケットを取得する(ステップS138)。画像形成装置1000は、発行されたチケットによって、画像形成装置1200に文書を書き込ませるための文書書込要求コマンドを画像形成装置1200へ送信する(ステップS139)。
画像形成装置1200にて文書書込要求コマンドを取得すると、シーケンス制御部310は、画像形成装置1000と連携して処理を行うための制御を開始する。シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、空ファイルの作成を要求する空ファイル作成要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS140)。画像形成装置1000は、空ファイルを生成し、そのファイルIDを画像形成装置1200へ送信する(ステップS140−2)。
更に、シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、書込可能な文書タイプのリストを要求する文書書込可能タイプリスト要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS141)。画像形成装置1000は、文書書込可能タイプリストを画像形成装置1200へ送信する(ステップS141−2)。画像形成装置1200において、文書書込可能タイプリストを画像形成装置1000から受信すると、文書書込可能タイプリストは、送り先タイプリスト304として保持される。シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、取得可能な文書タイプのリストを要求する文書取得可能タイプリスト要求コマンドを内部的に発行して、文書取得可能タイプリストを取得して送り元タイプリスト302として保持する(ステップS142)。
シーケンス制御部310は、文書タイプ判断部320によって、画像形成装置1200で取得可能な文書タイプが示される送り元タイプリスト302と画像形成装置1000で書込可能な文書タイプが示される送り先タイプリスト304とに基づいて、画像形成装置1000から取得可能であって、画像形成装置1200で書込可能な文書タイプが存在するか否かを判断し、最適な文書タイプを特定する(ステップS143)。文書タイプ判断部320は、この判断結果に基づいて、複数の文書タイプが存在する場合、その中から最適な一つの文書タイプを特定する。文書タイプが存在しない場合、予め設定された文書タイプを最適な文書タイプとする。
シーケンス制御部310は、ステップS140−2で受信したファイルIDを指定したチケットによるページ画像の書き込みを要求するページ画像書込要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS144)。画像形成装置1000は、文書管理Webサービス実行部130Bによって、ファイルIDによって特定されるファイルに画像形成装置1200から受信したページ画像を格納する(ステップS145)。画像形成装置1000は、ページ画像をファイルに格納すると、画像形成装置1200に対して、終了応答を送信する(ステップ145−2)。ページ画像書込要求コマンドでは、例えば、利用者が選択した文書の複数のページ画像を指定するようにしても良いし、又は、1ページ分のページ画像を指定し、ページ画像を画像形成装置1200から受信する毎にファイルに格納する処理を繰り返しても良い。
画像形成装置1200は、全てのページ画像が格納されたことを示す終了応答を受信すると、ステップS139による文書書込要求コマンドによる処理が終了したことを示す終了応答を画像形成装置1000に送信する。画像形成装置1000は、複写終了ダイアログをオペレーションパネル1310Bに表示する。
図7における説明中、文書送り元装置としての画像形成装置1200において、画像形成装置1000へ送信される要求コマンドは、クライアント部200のSOAPコマンド構築部210によってHTTPリクエストのメッセージにSOAPコマンドとして設定され(ステップS140、S141及びS144)、そのHTTPリクエストに応じた処理結果を示すHTTPレスポンスは、クライアント部200のSOAPレスポンス解釈部220によって取り出される。
また、文書送り先装置としての画像形成装置1000において、受信した要求コマンドは、サーバ部100BのSOAPコマンド解析部110BでSOAPコマンドとして解析され、対応する処理が文書管理Webサービス実行部130Bによって実行される。文書管理Webサービス実行部130Bによる処理結果がサーバ部100BのSOAPレスポンス構築部120BによってWebサービスとして画像形成装置1200へ提供される(ステップS131−2、S132−2、S134−2、S140−2、S141−2及びS145−2)。
上記より、図3に示すパターン1において、文書処理制御部300を有する画像形成装置1200は、画像形成装置1000を利用する利用者が指定した画像形成装置1200の文書を適切な文書タイプにて画像形成装置1000のHDD1303Bに書き込むことによって文書複写を実現することができる。
図4に示す画像形成装置1200及び図5に示す画像形成装置1000の機能構成において実現される図3に示すパターン2の場合の文書複写シーケンスを説明する。パターン2では、利用者が画像形成装置1200のオペレーションパネル1310で文書を複写する場合である。図8は、パターン2に示す文書送り元装置から操作した場合の第二の文書複写シーケンスの例を示す図である。
図8において、画像形成装置1200を利用する利用者がオペレーションパネル1310に表示されるネットワーク15を介して接続される装置の一覧を示す装置一覧から所望文書が格納されている画像形成装置1200自身を選択すると(ステップS230)、画像形成装置1200は、文書リストを要求する文書リスト要求コマンドを内部的に発生させ、文書管理Webサービス実行部130によってHDD1303から画像形成装置1200自身が管理している文書を示す文書一覧を取得する(ステップS231)。更に、画像形成装置1200は、文書リストを受信すると、オペレーションパネル1310に表示すべきサムネイルデータを要求するサムネイル要求コマンドを内部的に発生させ、文書管理Webサービス実行部130Bによって取得したサムネイルデータに基づいて、各文書を表現するサムネイルをオペレーションパネル1310に表示する(ステップS232)。
オペレーションパネル1310にサムネイルによって文書一覧が表示されると、利用者は、画像形成装置1200に蓄積される文書を画像形成装置1000へドラッグ&ドロップ操作する(ステップS233)。利用者によるドラッグ&ドロップ操作に応じて、画像形成装置1200は、複写すべき文書に関する書誌情報を要求する書誌情報要求コマンドを内部的に発行して、文書管理Webサービス実行部130によって文書に関する書誌情報をHDD1303から取得する(ステップS234)。
画像形成装置1200は、システム情報を要求するシステム情報要求コマンドを画像形成装置1000へ送信する(ステップS235)。そして、画像形成装置1000は、チケットによる利用を行えるか否かを示すチケット情報を含むシステム情報を取得して、画像形成装置1200へ送信する(ステップS235−2)。そして、画像形成装置1200は、オペレーションパネル1310に複写確認ダイアログを表示する(ステップS236)。利用者が複写処理の実行を示すOKを選択すると(ステップS237)、画像形成装置1000に文書を書き込むためのチケットを要求する文書書込チケット要求コマンドを送信する(ステップS238)。画像形成装置1000は、画像形成装置1200の文書書込チケット要求コマンドに応じて発行したチケットを画像形成装置1200へ送信する(ステップS239)。
画像形成装置1200は、内部的に文書書込みコマンドを発行し、文書処理制御部300による別装置との連携処理を行うための処理シーケンスの制御を開始する。シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、空ファイルの作成を要求する空ファイル作成要求コマンドを画像形成装置に送信する(ステップS240)。画像形成装置1000は、空ファイルを生成し、そのファイルIDを画像形成装置1200へ送信する(ステップS240−2)。
更に、シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、書込可能な文書タイプのリストを要求する文書書込可能タイプリスト要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS241)。画像形成装置1000は、文書書込可能タイプリストを画像形成装置1200へ送信する(ステップS241−2)。画像形成装置1200において、文書書込可能タイプリストを画像形成装置1000から受信すると、文書書込可能タイプリストは、送り先タイプリスト304として保持される。シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、取得可能な文書タイプのリストを要求する文書取得可能タイプリスト要求コマンドを内部的に発行して、文書取得可能タイプリストを取得して送り元タイプリスト302として保持する(ステップS242)。
シーケンス制御部310は、文書タイプ判断部320によって、画像形成装置1200で取得可能な文書タイプが示される送り元タイプリスト302と画像形成装置1000で書込可能な文書タイプが示される送り先タイプリスト304とに基づいて、画像形成装置1000から取得可能であって、画像形成装置1200で書込可能な文書タイプが存在するか否かを判断し、最適な文書タイプを特定する(ステップS243)。文書タイプ判断部320は、この判断結果に基づいて、複数の文書タイプが存在する場合、その中から最適な一つの文書タイプを特定する。文書タイプが存在しない場合、予め設定された文書タイプを最適な文書タイプとする。
シーケンス制御部310は、ステップS240−2で受信したファイルIDを指定したチケットによるページ画像の書き込みを要求するページ画像書込要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS244)。画像形成装置1000は、文書管理Webサービス実行部130Bによって、ファイルIDによって特定されるファイルに画像形成装置1200から受信したページ画像を格納する(ステップS245)。画像形成装置1000は、ページ画像をファイルに格納すると、画像形成装置1200に対して、終了応答を送信する(ステップ245−2)。ページ画像書込要求コマンドでは、例えば、利用者が選択した文書の複数のページ画像を指定するようにしても良いし、又は、1ページ分のページ画像を指定し、ページ画像を画像形成装置1200から受信する毎にファイルに格納する処理を繰り返しても良い。
画像形成装置1200は、全てのページ画像が格納されたことを示す終了応答を受信すると、複写終了ダイアログをオペレーションパネル1310に表示する。
図8における説明中、文書送り元装置としての画像形成装置1200において、画像形成装置1000へ送信される要求コマンドは、クライアント部200のSOAPコマンド構築部210によってHTTPリクエストのメッセージにSOAPコマンドとして設定され(ステップS238、S240、S241及びS244)、そのHTTPリクエストに応じた処理結果を示すHTTPレスポンスは、クライアント部200のSOAPレスポンス解釈部220によって取り出される。また、画像形成装置1000から受信した要求コマンドは、サーバ部100のSOAPコマンド解析部110でSOAPコマンドとして解析され、そのSOAPコマンドがチケットを用いた文書書込要求コマンドであるか否かを判断する。
また、文書送り先としての画像形成装置1000において、画像形成装置1200へ送信される要求コマンドは、クライアント部200BのSOAPコマンド構築部210BによってHTTPリクエストのメッセージにSOAPコマンドとして設定され(ステップS235、S238、S240、S241及びS244)、そのHTTPリクエストに応じた処理結果を示すHTTPレスポンスは、クライアント部200BのSOAPレスポンス解釈部220Bによって取り出される。また、画像形成装置1200から受信した要求コマンドは、サーバ部100BのSOAPコマンド解析部110BでSOAPコマンドとして解析される。
上記より、図3に示すパターン2において、文書処理制御部300を有する画像形成装置1200は、画像形成装置1000を利用する利用者が指定した画像形成装置1000の文書を適切な文書タイプにて取得し、HDD1303に格納することによって文書複写を実現することができる。
図4に示す画像形成装置1200、図5に示す画像形成装置1000、及び、図6に示す端末30の機能構成において実現される図3に示すパターン3の場合の文書複写シーケンスを説明する。パターン3では、利用者が端末30の表示部13に表示される画面上で文書を複写する場合である。図9は、パターン3に示す端末から操作した場合の第三の文書複写シーケンスの例を示す図である。
図9において、端末30を利用する利用者が表示部13に表示されるネットワーク15を介して接続される装置の一覧を示す装置一覧から所望文書が格納されている画像形成装置1000を選択すると(ステップS330)、端末30は、文書リストを要求する文書リスト要求コマンドを画像形成装置1200に送信する(ステップS331)。画像形成装置1200は、文書管理Webサービス実行部130によってHDD1303から取得した文書リストを端末30に送信する(ステップS331−2)。
端末30は、文書リストを受信すると、表示部13に表示すべきサムネイルデータを要求するサムネイル要求コマンドを画像形成装置1200に送信する(ステップS332)。画像形成装置1200は、サムネイル要求コマンドに応じた処理を文書管理Webサービス実行部130にて行う。文書管理Webサービス実行部130から通知された文書のサムネイルデータを端末30へ送信する(ステップS332−2)。サムネイルデータとは、例えば、文書の先頭ページを縮小した画像見本である。
端末30の表示部13に、画像形成装置1200が蓄積している文書の一覧が、ステップS332−2にて受信したサムネイルデータに基づいて各文書を表現するサムネイルによって表示されると、利用者は、所望文書のサムネイルを装置一覧で示される所望する装置へドラッグ&ドロップ操作して、複写すべき文書及びその文書が複写される装置を特定する(ステップS333)。この場合、利用者は、画像形成装置1200に蓄積される文書を画像形成装置1000へドラッグ&ドロップ操作する。
端末30は、複写すべき文書に関する書誌情報を要求する書誌情報要求コマンドを画像形成装置1200へ送信する(ステップS334)。画像形成装置1200は、端末30からの書誌情報要求コマンドに応じて、文書管理Webサービス実行部130によって文書に関する書誌情報をHDD1303から取得し、その書誌情報を端末30へ送信する(ステップS334−2)。
端末30は、書誌情報を受信すると、システム情報を要求するシステム情報要求コマンドを画像形成装置1200に送信する(ステップS335)。端末30は、画像形成装置1200からシステム情報を受信すると(ステップS335−2)、チケットによって複写処理が行えることを確認する。そして、端末30は、表示部13に複写確認ダイアログを表示する(ステップS336)。
利用者が複写処理の実行を示すOKを選択すると(ステップS337)、端末30は、画像形成装置1200に蓄積された文書を書き込むためのチケットを要求する文書書込チケット要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS338)。画像形成装置1000からチケットを受信すると(ステップS338−2)、端末30は、画像形成装置1200に対して、画像形成装置1000へ利用者の所望文書を書き込むことを要求するチケットを用いた文書書込要求コマンドを送信する(ステップS339)。
画像形成装置1200において、チケットを用いた文書書込要求コマンドを端末30から受信すると、画像形成装置1000と連携して処理を行うための文書処理制御部300のシーケンス制御部310が制御を開始する。シーケンス制御部310によって、シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、空ファイルの作成を要求する空ファイル作成要求コマンドを画像形成装置に送信する(ステップS340)。画像形成装置1000は、空ファイルを生成し、そのファイルIDを画像形成装置1200へ送信する(ステップS340−2)。
更に、シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、書込可能な文書タイプのリストを要求する文書書込可能タイプリスト要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS341)。画像形成装置1000は、文書書込可能タイプリストを画像形成装置1200へ送信する(ステップS341−2)。画像形成装置1200において、文書書込可能タイプリストを画像形成装置1000から受信すると、文書書込可能タイプリストは、送り先タイプリスト304として保持される。シーケンス制御部310によって、画像形成装置1200は、取得可能な文書タイプのリストを要求する文書取得可能タイプリスト要求コマンドを内部的に発行して、文書取得可能タイプリストを取得して送り元タイプリスト302として保持する(ステップS342)。
シーケンス制御部310は、文書タイプ判断部320によって、画像形成装置1200で取得可能な文書タイプが示される送り元タイプリスト302と画像形成装置1000で書込可能な文書タイプが示される送り先タイプリスト304とに基づいて、画像形成装置1000から取得可能であって、画像形成装置1200で書込可能な文書タイプが存在するか否かを判断し、最適な文書タイプを特定する(ステップS343)。文書タイプ判断部320は、この判断結果に基づいて、複数の文書タイプが存在する場合、その中から最適な一つの文書タイプを特定する。文書タイプが存在しない場合、予め設定された文書タイプを最適な文書タイプとする。
シーケンス制御部310は、ステップS140−2で受信したファイルIDを指定したチケットによるページ画像の書き込みを要求するページ画像書込要求コマンドを画像形成装置1000に送信する(ステップS344)。画像形成装置1000は、文書管理Webサービス実行部130Bによって、ファイルIDによって特定されるファイルに画像形成装置1200から受信したページ画像を格納する(ステップS345)。画像形成装置1000は、ページ画像をファイルに格納すると、画像形成装置1200に対して、終了応答を送信する(ステップ345−2)。ページ画像書込要求コマンドでは、例えば、利用者が選択した文書の複数のページ画像を指定するようにしても良いし、又は、1ページ分のページ画像を指定し、ページ画像を画像形成装置1200から受信する毎にファイルに格納する処理を繰り返しても良い。
画像形成装置1200は、全てのページ画像が格納されたことを示す終了応答を受信すると、ステップS339による文書書込要求コマンドによる処理が終了したことを示す終了応答を端末30に送信する(ステップS345−4)。端末30は、複写終了ダイアログを表示部13に表示する(ステップS346)。
図9における説明中、操作側としての端末30において、画像形成装置1000又は画像形成装置1200へ送信される要求コマンドは、クライアント部200CのSOAPコマンド構築部210CによってHTTPリクエストのメッセージにSOAPコマンドとして設定され(ステップS331、S332、S334、S335、S338及びS339)、そのHTTPリクエストに応じた処理結果を示すHTTPレスポンスは、クライアント部200CのSOAPレスポンス解釈部220Cによって取り出される。
また、文書送り先装置としての画像形成装置1000において、受信した要求コマンドは、サーバ部100BのSOAPコマンド解析部110BでSOAPコマンドとして解析され、対応する処理が文書管理Webサービス実行部130Bによって実行される。文書管理Webサービス実行部130Bによる処理結果がサーバ部100BのSOAPレスポンス構築部120BによってWebサービスとして端末30又は画像形成装置1200へ提供される(ステップS335−2、S338−2、S340−2、S341−2及びS345−2)。
更に、文書送り元装置としての画像形成装置1200において、画像形成装置1000へ送信される要求コマンドは、クライアント部200のSOAPコマンド構築部210によってHTTPリクエストのメッセージにSOAPコマンドとして設定され(ステップS340、S341及びS344)、そのHTTPリクエストに応じた処理結果を示すHTTPレスポンスは、クライアント部200のSOAPレスポンス解釈部220によって取り出される。また、受信した要求コマンドは、サーバ部100のSOAPコマンド解析部110でSOAPコマンドとして解析され、そのSOAPコマンドに応じた処理を実行した処理結果は、サーバ部100のSOAPレスポンス構築部120によってWebサービスとして端末30へ提供される(ステップS331−2、S332−2、S334−2及びS345−4)。
上記より、図3に示すパターン3において、文書処理制御部300を有する画像形成装置1200は、端末30を利用する利用者が指定した画像形成装置1000のHDD1310Bに適切な文書タイプにて書き込むことによって文書複写を実現することができる。
上述された文書書込要求コマンドについて図10で説明する。図10は、SOAPによるチケットを用いた文書書込要求コマンドを示すHTTPリクエストの例を示す図である。図10に示すHTTPリクエストにおいて、記述31は、POSTメソッドによってHTTPリクエストが送信されるURL(Uniform Resource Locator)を示し、例えば、「netdoc」である。更に、記述32で、リクエストの目的を表すURLが示され、例えば、「http://foo.bar.com/netdoc/documentmanagement」によって「文書管理」が指定される。
記述33はSOAPヘッダを示し、ルート要素が示される。記述34は、SOAPボディを示す。記述34において、<ns:documentmanagement>から</ns:documentmanagement>で示される記述35にて、要求する処理を特定するSOAPコマンドと、処理する際に参照される情報等が設定される。例えば、チケットを用いた文書書込要求コマンドの場合、記述36がチケットの番号を<ticketId>で特定すると共に、記述37がSOAPコマンドを<operation>で特定する。例えば、チケット番号として「456」、SOAPコマンドとして「insertFileByTicket」が設定される。
図10に示すHTTPリクエストに応じたHTTPレスポンスについて図11で説明する。図11は、SOAPによるチケットを用いた文書書込要求コマンドに対するHTTPレスポンスの例を示す図である。図11に示すHTTPレスポンスにおいて、記述42は、リクエストが成功したことを示す。記述43はSOAPヘッダを示し、ルート要素が示される。記述44は、SOAPボディを示す。記述44において、<ns:documentmanagementResponse>から</ns:documentmanagementResponse>で示される記述45にて、処理結果が示される。例えば、<result>で示される記述46にて処理が正常終了したことを示す「success」が設定される。
また、上述された文書取得可能タイプリスト要求コマンドについて図12で説明する。図12は、SOAPによる文書取得可能タイプリスト要求コマンドを示すHTTPリクエストの例を示す図である。図12中、図10と同じ記述には同一の符号を付し、その説明を省略する。図12に示すHTTPリクエストの記述34によるSOAPボディにおいて、記述50に<operation>によってSOAPコマンド「getFileVariation」が指定される。
図12に示すHTTPリクエストに応じたHTTPレスポンスについて図13で説明する。図13は、SOAPによるチケットを用いた文書書込要求コマンドに対するHTTPレスポンスの例を示す図である。図13中、図11と同じ記述には同一の符号を付し、その説明を省略する。図13に示すHTTPレスポンスの記述44によるSOAPボディにおいて、<type>による記述52、53及び54によって、画像形成装置1000から書き込み可能な3つの文書タイプが設定される。記述52では、<format>によって画像データの圧縮形式「Tiff」、<imageType>によってイメージタイプ「1bit/dot」、<binary>によって解像度「600×600」が指定される。記述53では、<format>によって画像データの圧縮形式「Jpeg」、<imageType>によってイメージタイプ「8bit/dot」、<binary>によって解像度「300×300」が指定される。記述54では、<format>によって画像データの圧縮形式「Jpeg2000」、<imageType>によってイメージタイプ「8bit/dot」、<binary>によって解像度「600×600」が指定される。
このようなHTTPレスポンスを画像形成装置1200が受信すると、記述52〜54で示される文書タイプがSOAPレスポンス解釈部220によって取り出され、送り先タイプリスト304として、例えば、{“Tiff”,“1bit/dot”,600×600}、{“Jpeg”,“8bit/dot”,300×300}、{“Jpeg2000”,“8bit/dot”,600×600}のように設定される。また、送り元タイプリスト302として、例えば、画像形成装置1200にて文書取得可能タイプリスト要求コマンドを内部的に発行することによって取得した{“Tiff”,“1bit/dot”,300×300}、{“Jpeg”,“8bit/dot”,300×300}が、設定される。文書タイプ判断部320は、これら送り元タイプリスト302と送り先タイプリスト304とを比較して一致する文書タイプがあるか否かを判断する。この場合、{“Jpeg”,“8bit/dot”,300×300}が一致する文書タイプであると判断され、唯一一致する文書タイプであるためこの文書タイプに特定される。特定された文書タイプは、図14に示すようなHTTPリクエストに設定される。
更に、上述されたページ画像書込要求コマンドを示すHTTPリクエストの例について図14で説明する。図14は、SOAPによるページ画像書込要求コマンドを示すHTTPリクエストの例を示す図である。図14中、図10と同じ記述には同一の符号を付し、その説明を省略する。図14に示すHTTPレリクエストの記述81において、形式の異なる複数のデータがあることを示し、記述86の「XX_boundary」によって複数のデータ間の境界を示すことが記述されている。記述82は、テキストデータに関するテキストの記述形式、コード、テキストデータ長等の情報が設定される。記述34のSOAPボディにおける記述80は、SOAPコマンドを<operation>で特定する。例えば、SOAPコマンド「putFile(FileID)」が指定されることによって、画像形成装置1000にてページ画像をFileIDで指定されるファイルに書き込む処理が行われる。
記述84において、イメージデータに関するイメージのデータ形式、テキスト又はバイナリ等を示す転送データ種別、イメージデータ長等の情報が設定され、続いてイメージデータ85が設定される。例えば、データ形式がTiffで転送データ種別がバイナリ(binary)であれば、イメージデータ85には、バイナリのTiffイメージデータが設定される。
このような図14示すHTTPリクエストによって、画像形成装置1000は、バイナリのTiffイメージデータをHTTPリクエストから取り出して、HDD1303Bに格納することによって、画像形成装置1200に蓄積された文書の複写を行う。
図14に示すHTTPリクエストに応じたHTTPレスポンスについて図15で説明する。図15は、SOAPによるページ画像書込要求コマンドに対するHTTPレスポンスの例を示す図である。図15中、図11と同じ記述には同一の符号を付し、その説明を省略する。図15に示すHTTPレスポンスにおいて、SOAPボディを示す記述44の<ns:documentmanagementResponse>から</ns:documentmanagementResponse>で示される記述87にて、印刷処理の結果が示される。例えば、<result>で示される記述88にて処理が正常終了したことを示す「success」が設定される。
上記例では、HTTPリクエストに画像データを組み込んで画像形成装置1000に送信する方法を説明したが、画像データの送受信は、ファイル転送プロトコル(ftpd3)によって行うようにしても良い。
上記実施例において、以下のSOAPコマンドが使用される。
上記SOAPコマンドは、図10、図12及び図14で説明したように、SOAPボディの<operation>で指定される。
次に、オペレーションパネル1310、1310B、及び表示部13に表示される画面例について図16から図19で説明する。図16は、複写操作画面の例を示す図である。図16において、画面400は、ネットワーク15を介して接続される装置を示す装置一覧を表示する表示域401と、表示域401で利用者が選択した装置が蓄積している文書を示す文書一覧を1つ1つの文書を表現するサムネイルによって表示する表示域402とを有する。画面400において、例えば、利用者が画像形成装置1200を送り元装置として表示域401から選択すると、表示域402に画像形成装置1200が蓄積する文書の一覧が表示される。利用者は文書Aを表示域402で選択し、ドラッグ&ドロップ操作によって矢印403で画像形成装置1000を送り先装置として指定する。ここで、利用者は、複数の文書を選択することも可能である。
利用者のドラッグ&ドロップ操作によって画像形成装置1000が指定されると、図17に示すような複写を確認するための複写確認ダイアログが表示される。図17は、複写確認ダイアログの例を示す図である。図17より、複写確認ダイアログ410は、利用者へのメッセージが表示される表示域411と、複写処理をキャンセルするためのキャンセルボタン412と、複写処理を実行するためのOKボタン413とを有する。例えば、利用者は図16の複写操作画面400にて複数の文書A、B、C、及びDを選択した場合、表示域411には、「文書A、文書B、文書C、文書Dを画像形成装置1000に複写しますか?」等のメッセージが表示され、利用者に複写する文書と複写する装置とを確認する。
利用者が複写確認ダイアログ410にてOKボタン413を選択すると、図18に示すような複数の文書の複写モードを指定するダイアログが表示される。一方、例えば、利用者が図16の複写操作画面にて文書Aのみを選択した場合、図17の複写確認ダイアログにてOKボタン413を選択すると、複写処理が実行される。
図18は、複数文書複写モード指定ダイアログの例を示す図である。図18より、複数文書複写モード指定ダイアログ440は、複写モードを選択する選択域441と、順序を指定するための順序指定ボタン442と、複写処理をキャンセルするためのキャンセルボタン443と、複写処理を実行するためのOKボタン444とを有する。選択域441は、例えば、「選択した文書を ○別文書として複写する ○1つの文書として複写する」等のメッセージが表示され、利用者がいずれか一方を選択すると、○印が◎で表示される。更に、利用者が、複数文書の複写順序を指定するために、順序指定ボタン442を選択すると、図19に示すような複数の文書の複写順序を指定するダイアログが表示される。
図19は、複数文書順序指定ダイアログの例を示す図である。図19より、複数文書順序指定ダイアログ450は、利用者が選択した複数文書の文書一覧を表示する表示域451と、文書の順番を前にする(上げる)ためのボタン452と、文書の順番を後にする(下げる)ためのボタン453と、複写処理をキャンセルするためのキャンセルボタン454と、複写処理を実行するためのOKボタン455とを有する。
複数文書順序指定ダイアログ450において、利用者が文書Bの複写順序を変更したい場合、表示域451から文書Bを選択して、ボタン452を選択することによって、文書Bを例えば文書Aより前に複写するように設定することができる。また、ボタン453を選択することによって、文書C又は文書Dの後に複写するように設定することができる。このような操作によって、複写順を設定しOKボタン455を選択すると、複写処理が実行され、利用者が設定した複写順で文書A〜Dが画像形成装置1200から画像形成装置1000へ複写される。
上記実施例において、文書処理制御部300を有する画像形成装置1200が、画像形成装置1000と画像形成装置1200における処理可能な文書タイプに基づいて、画像形成装置1000に利用者が設定した文書の書き込みを要求することによって、適切な処理を画像形成装置1000において実行することができ、ネットワークを介して装置間で連携した処理を行うことができる。例えば、文書送り元装置としての画像形成装置1200の文書が文書送り先装置としての画像形成装置1000で保存できる最大サイズより大きい場合、文書処理制御部300の文書タイプ判断部320による判断によって、画像の縮小機能を用いて縮小したページ画像を指定することができる。
また、文書処理制御部300が画像形成装置1200と画像形成装置1000との処理シーケンスを複写処理に応じて制御するため、ネットワークを介して装置間で連携した種々の処理を行うことができる。
上記実施例において、ネットワークを介して装置間で行われる複写処理について説明したが、複写処理に限定されるものではない。本発明は、ファイル管理、スキャナ制御等に適応することも可能である。更に、本発明は、画像形成装置1000又は1200に関する情報を処理するために適用することも可能である。
また、端末30、画像形成装置1000及び1200とでなされる通信は、有線によるLANに限定されるものではない。つまり、SOAPによるメッセージ交換は、無線LAN、ブルートゥース等のネットワーク系では、ネットワークの物理層が異なるものの、TCP/IPで通信可能であるため、WebサービスのようにhttpとSOAPの形態によって実現可能である。更に、IEEE1394、USB、赤外線通信等のシリアル通信系では、いずれもIP接続が可能であるので、ネットワーク系と同様に、WebサービスのようにhttpとSOAPの形態によって実現可能である。また、セントロニクス、SCSI等のパラレル系では、いずれも通信する内容について独自拡張が許されているため、通信する両者で同意しておくことによって、SOAPによるメッセージ交換が実現可能である。