JP4429483B2 - 回転センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転センサに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
絶縁磁性材層と導体層とを有する回転体(ロータ)と、励磁コイルを有する固定体とを備え、相対回転する二本の回転軸、例えば、トーションジョイントを介して二本の回転軸が連結された自動車のハンドルシャフトにおける回転角を検出する回転センサが知られている(例えば、特開平7−139905号公報参照)。
【0003】
ところで、上記した従来の回転センサは、左右方向180°以内(1回転以内)の回転角を測定できるが、180°を越える回転角は測定できなかった。また、測定した回転角が左右いずれの位置の角度であるかについては測定できず、別途回転位置を測定する必要があった。
この場合、回転センサは、用途によっては回転角ではなく回転トルクの測定が求められることもある。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、左右いずれの回転位置であるかを識別可能で、180°を超える回転角であっても測定でき、回転角及び/又は回転トルクの測定が可能な回転センサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記目的を達成するため、周方向に沿って所定間隔で配列される複数の第1の導体層を有する第1のロータ、絶縁磁性材層と第2の導体層とを有し、前記第1のロータと一体に回転すると共に、前記第1のロータに対して所定の角度内を相対回転する第2のロータ、励磁コイルと、絶縁磁性材から成形され、前記励磁コイルを保持するコアとを有する固定体及び前記励磁コイルと接続され、特定周波数の発振信号を発振する発振手段を備えた回転センサにおいて、前記第2のロータの回転に伴って該ロータの回転軸方向に移動する可動磁心と、前記発振手段と接続され、前記可動磁心と協働するコイルとを有し、前記可動磁心の回転軸方向の移動に基づくコイルインダクタンスの変化を検出する変位センサを設けた構成としたのである。
【0006】
好ましくは、前記励磁コイルとして、前記第1及び第2のロータの相対回転に伴う相対回転角を検出する相対回転角コイルまたは前記第1あるいは第2のロータの前記固定体に対する回転角を検出する回転角コイルの少なくとも一方を備える構成とする。
また好ましくは、前記相対回転角コイルからの出力信号を処理する第1の信号処理手段と前記相対回転角の測定手段あるいは前記回転角コイル及び変位センサからの出力信号を処理する第2の信号処理手段と回転角の測定手段とを備える構成とする。
【0007】
また、本発明においては上記目的を達成するため、周方向に沿って所定間隔で配列される複数の第1の導体層を有する第1のロータ、絶縁磁性材層と第2の導体層とを有し、前記第1のロータと一体に回転すると共に、前記第1のロータに対して所定の角度内を相対回転する第2のロータ、前記第1及び第2のロータの相対回転に伴う相対回転角を検出する相対回転角コイル及び前記第1あるいは第2のロータの回転角を検出する回転角コイルと、絶縁磁性材から成形され、前記相対回転角コイルと回転角コイルとを保持するコアとを有する固定体及び前記相対回転角コイル及び回転角コイルと接続され、特定周波数の発振信号を発振する発振手段を備えた回転センサにおいて、前記第2のロータの回転に伴って該ロータの回転軸方向に移動する可動磁心と、前記発振手段と接続され、前記可動磁心と協働するコイルとを有し、前記可動磁心の回転軸方向の移動に基づくコイルインダクタンスの変化を検出する変位センサを設けた構成としたのである。
【0008】
好ましくは、前記相対回転角コイルからの出力信号を処理する第1の信号処理手段と前記相対回転角の測定手段並びに前記回転角コイル及び変位センサからの出力信号を処理する第2の信号処理手段と回転角の測定手段とを備える構成とする。
また好ましくは、導体片及び絶縁層と、前記発振手段と接続され、前記導体片と協働するコイルとを有し、一方が前記固定体に、他方が前記第2のロータに、それぞれ設けられ、前記第2のロータの回転に基づくコイルインダクタンスの変化を検出するピッチセンサが設けられている構成とする。
【0009】
更に好ましくは、前記第2の信号処理手段は、前記回転角コイルからの出力信号の上限点及び下限点付近では、前記上限点及び下限点時の出力信号と同じ信号を出力するように信号処理する構成とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転センサに係る一実施形態を図1乃至図11に基づいて詳細に説明する。
回転センサ1は、図1乃至図4,図6に示すように、第1ロータ2、第2ロータ3、固定ケース4、変位センサ6、本発明に係る発振手段を構成する発振回路11、本発明に係る第1の信号処理手段を構成する信号処理増幅回路15、本発明に係る相対回転角度の測定手段を構成する相対回転角度測定部22、本発明に係る第2の信号処理手段を構成する信号処理増幅回路16〜18及び本発明に係る回転角度の測定手段を構成する回転角度測定部23を備えている。回転センサ1は、回転軸、例えば、主動シャフトと従動シャフトがトーションバーを介して連結された自動車のステアリングシャフトにおける回転角と回転トルクを検出する。
【0011】
ここで、第1ロータ2と第2ロータ3は、図1に示す回転軸Artに対して一体に回転すると共に、前記主動シャフトが前記従動シャフトに対して相対回転するのに対応して所定角度内を相対回転する。両ロータ2,3は、例えば、前記主動シャフトが前記従動シャフトに対して±8°の範囲内で相対回転するとき、同じく±8°の範囲内で相対回転する。
【0012】
また、図4は、回転センサ1を構成する主要な部材の位置関係を示すため、一部の構成部材を省略して描いてある。
第1ロータ2は、成型性に優れた電気絶縁性の合成樹脂から成形された内筒2aと、図1及び図2に示すように、内筒2aから延出する複数、本実施形態では6枚の銅片2bとを有し、内筒2aには前記主動シャフトとの回り止めとなる係止片2cの上部が固定されている。複数の銅片2bは、第1の導体層で、内筒2aの周方向に沿って中心角30°の間隔で回転軸Art方向に延出している。但し、銅片2bは、導体であれば、例えば、アルミニウム,銀,鉄等の素材を使用することができ、高周波磁界を遮蔽するうえで、第1ロータ2と固定ケース4との半径方向のギャップに基づく磁気抵抗を考慮すると、0.1〜0.5mm程度の厚さが望ましい。更に、銅片2bは、理論上、中心角を小さくして配置間隔を小さくする程、前記導体層としての数が多くなり、誘導されるトータル渦電流の変化量(導体層の数に比例する)が大きくなって、相対回転角の検出感度が高くなるが、測定できる相対回転角範囲が小さくなる。
【0013】
第2ロータ3は、成型性に優れた電気絶縁性の合成樹脂から成形され、図1及び図2に示すように、内筒3a、フランジ3d、支持部3e及び係止片3hを有している。内筒3aは、第1絶縁磁性材層3bの外周に銅箔3cが複数の銅片2bと対応するピッチで設けられている。銅箔3cは、後述する銅箔3gと共に第2の導体層となる。フランジ3dは、内筒3aから水平方向へ延出し、半径方向中間から立ち上がる支持部3eが筒状に形成されると共に、外周近傍の上面に周方向へ中心角180°の範囲で後述するピッチセンサ7の銅箔7aが設けられている。また、フランジ3dは、外周下部に後述する変位センサ6のスクリュー部材6aが連結されている。支持部3eは、第2絶縁磁性材層3fを支持する部分で、第2絶縁磁性材層3fの外周に周方向へ中心角180°の範囲で銅箔3gが設けられている。係止片3hは、前記従動シャフトの回り止めで、下部で内筒3aの下部に取り付けられている。
【0014】
ここで、第1絶縁磁性材層3b及び第2絶縁磁性材層3fの素材は、ナイロン,ポリプロピレン(PP),ポリフェニレンスルフィド(PPS),ABS樹脂等の電気絶縁性を有する熱可塑性合成樹脂に、Ni−ZnやMn−Zn系のフェライトからなる軟磁性材粉を10〜70体積%混合したものを使用する。
固定ケース4は、交流磁界の遮蔽性を有するアルミニウム,銅等の非鉄金属によって形成される固定体で、図1及び図2に示すように、内筒部4a、上フランジ4b、第1支持部4c及び第2支持部4dを有している。内筒部4aは、内筒2aを位置決めして第1ロータ2を回転自在に配置する部分である。上フランジ4bは、上部に回路基板5が取り付けられ、下面の半径の異なる同心円上の位置に第1支持部4c及び第2支持部4dが形成され、外周近傍に開口4eが設けられている。第1支持部4cは、図1及び図2に示すように、第2ロータ3の支持部3eよりも半径方向内側に位置し、内周には回転トルク検出用の励磁コイルである相対回転角コイル4fを保持したコア4gが設けられている。第2支持部4dは、図示のように、第2ロータ3の支持部3eよりも半径方向外側に位置し、内周には回転トルク検出用の励磁コイルである回転角コイル4hを保持したコア4jが設けられ、回転角コイル4h及びコア4jの銅箔3gと対向する表面には、周方向へ中心角180°の範囲で銅箔4kが設けられている。ここで、相対回転角コイル4f及び回転角コイル4hは、後述する変位センサ6のコイル6f及びピッチセンサ7のコイル7cと共に、固定ケース4から外部へ延出させた電線(図示せず)によって発振手段11と接続され、発振手段11から交流電流が流されている。これにより、回転センサ1においては、コア4gと第1絶縁磁性材層3b並びにコア4jと第2絶縁磁性材層3fとの間に、図2に点線で示す磁気回路Cmが形成される。
【0015】
また、固定ケース4は、図1及び図2に示すように、上部と下部にそれぞれ上カバー9aと下カバー9bを有するカバー9が取り付けられる。
変位センサ6は、後述するスライダコア6eの回転軸方向の移動に基づくコイルインダクタンスの変化を検出するセンサで、図1及び図2に示すように、スクリュー部材6a、スライダ6c、スライダコア6e及びコイル6fを有している。スクリュー部材6aは、下部が第2ロータ3の外周下部と連結されたリング状の部材で、外周にねじ部6bが形成されている。スライダ6cは、図1乃至図4に示すように、周方向に長い部材で、固定ケース4の外周側に周方向に形成された収容部4mに配置され、半径方向内側にねじ部6bと螺合するねじ部6dが形成されている。スライダ6cは、第2ロータ3と共に回転するスクリュー部材6aによって収容部4m内を上下動し、図1,図2に示す位置がその中間位置である。スライダコア6eは、絶縁磁性材から形成されたピン状の部材で、スライダ6cに上下方向に取り付けられている。コイル6fは、スライダコア6eと協働して磁気回路を形成するもので、コア6g内に保持されている。コア6gは、第1及び第2絶縁磁性材層3b,3f並びにスライダコア6eと同一の素材から形成され、固定ケース4に設けた開口4eに取り付けられている。従って、変位センサ6においては、コイル6fによってコア6gに図2に点線で示す磁気回路Cmが形成され、第2ロータ3の回転に伴うスライダ6cの上下動によってスライダコア6eがコイル6f内に出入りすると、コイル6fのインダクタンスが変化する。
【0016】
ここで、回路基板5は、図1,図2には示していないが、発振手段、相対回転角コイル4fからの出力信号を処理する第1信号処理手段、相対回転角の測定手段、回転角コイル4h及び変位センサ6からの出力信号を処理する第2信号処理手段及び回転角の測定手段が配置されると共に、これらに関する電気回路が形成されている。
【0017】
また、ピッチセンサ7は、第1及び第2ロータ2,3が基準位置から左方向180内あるいは右方向180内のどちらの回転位置にあるかを検出する。ピッチセンサ7は、第2ロータ3に設けられ、一方となる銅箔7aと、図2に示すように第2支持部4dの半径方向外側に配置され、ピッチセンサ7の他方となる図5に示すコア7b、コイル7c及び銅箔7dを有している。銅箔7dには、図示のようにスリット7eが形成されている。ここで、ピッチセンサ7は、実用上所定の精度を確保するうえで、コイル7cの直径をD、スリット7eの幅をWsとしたとき、幅Wsの対直径比(=Ws/D)を以下の範囲に設定する。
1/50≦Ws/D≦1/3
好ましくは、対直径比(=Ws/D)は1/10以上とする。
【0018】
次に、図6及び図7を用いて第1実施形態に係る回転センサによる相対回転角度及び回転角度測定を説明する。図6は、回転センサの回転角度測定装置10の一例を示すブロック図である。図において、測定装置10は、発振信号を発振する発振回路11と、発振信号を分周して特定周波数のパルス信号を出力する分周回路12と、上述した複数の銅片2b、第1絶縁磁性材層3b、銅箔3c、相対回転角コイル4f及びコア4gを有するトルクセンサ13と、上述した第2絶縁磁性材層3f、銅箔3g、回転角コイル4h、コア4j及び銅箔4kを有する回転角センサ14と、変位センサ6と、ピッチセンサ7と、トルクセンサ13からの信号を処理する信号処理増幅回路15と、回転角センサ14、変位センサ6及びピッチセンサ7からの信号をそれぞれ処理する信号処理増幅回路16〜18と、信号処理増幅回路15〜17からの信号をそれぞれアナログ/デジタル変換するA/Dコンバータ19〜21と、A/Dコンバータ19からのデジタル信号に基づいて相対回転角度を測定する相対回転角度測定部22と、信号処理増幅回路18及びA/Dコンバータ20,21からのデジタル信号に基づいて回転角度を測定する回転角度測定部23とを有して構成される。
【0019】
以上のように構成される回転センサ1は、例えば、主動シャフトと従動シャフトがトーションバーを介して連結された自動車のステアリングシャフトにおける回転角、回転数及び回転トルクを検出するときに、以下のようにして使用される。
まず、前記測定装置10において、発振回路11は、分周回路12を介して特定周波数のパルス信号を各センサ6,7,13,14に出力している。
【0020】
相対回転角コイル4fには、交流電流が流され、第2ロータの第1絶縁磁性材層3bと協働して磁気回路を形成している。トルクセンサ13は、ロータに発生する渦電流の大きさに応じて、相対回転角コイル4fに接続された分周回路12から入力するパルス信号の位相シフト量を検出する。つまり、トルクセンサ13は、相対回転角コイル4f両端のパルス信号の位相ずれ量を検出している。
【0021】
信号処理増幅回路15は、検出された位相シフト量を対応する電圧値の信号に処理し、前記信号をA/Dコンバータ19を介して相対回転角度測定部22に出力する。
相対回転角度測定部22は、例えば図6に示すように、変換された信号の電圧値0.5V〜4.5Vに基づき、2つのロータの相対回転角度を−8°〜+8°の範囲で測定できる。
【0022】
回転角コイル4hには、交流電流が流され、第2ロータの第2絶縁磁性材層3fと協働して磁気回路を形成している。回転角センサ14は、ロータに発生する渦電流の大きさに応じて、回転角コイル4hに接続された分周回路12から入力するパルス信号の位相シフト量を検出する。つまり、回転角センサ14は、回転角コイル4h両端のパルス信号の位相ずれ量を検出しており、回転時に第2絶縁磁性材層3fの銅箔3gとコア4jの銅箔4kの円周方向の重なり代が変化し、これに伴うコイル4hとコア4j間の磁束の変化により、図7(a)に示すように左右180°内の回転角度を検出している。
【0023】
信号処理増幅回路16は、検出された位相シフト量を対応する電圧値の信号に処理し、前記信号をA/Dコンバータ20を介して回転角度測定部23に出力する。
変位センサ6は、スクリュー部材6aの回転に伴うスライダ6cの回転軸方向の移動に基づいて、スライダコア6eが上下動することにより、コイル6fのインダクタンスの変化を検出している。すなわち、図8に示すように、スライダコア6eの移動量をH、コイルインダクタンスをLとすると、スクリュー部材6aの回転に伴って、HとLの関係は、コイル6f内ではほぼ線形な関係になり、回転角度検出の一構成部分になり得る。なお、図7(c)に示した変位センサ6の出力は、図1,図2に示したスライダ6cの中間位置を0°とした場合の有限回転の回転角度900°〜−900°の検出に利用する場合の一例を示したものであり、図7(c)と図8の出力は、同一のものである。
【0024】
信号処理増幅回路17は、検出されたコイルインダクタンスの変化量を対応する電圧値の信号に処理して変換し、前記信号をA/Dコンバータ21を介して回転角度測定部23に出力する。
ピッチセンサ7は、第2ロータ3の回転に基づくコイル7bのインダクタンスの変化を検出する。すなわち、ピッチセンサ7における第2ロータ3の銅箔7aとスリット7eの相対位置関係(重なっているかいないかの関係)によるコイル7cとコア7d間の磁束の変化により、図7(b)に示すような“1”又は“0”のデジタル信号を180°毎に出力している。特許2599438号と同様に、スリットによりシャープな磁界が形成される。
【0025】
信号処理増幅回路18は、検出された相対位置関係の変化量を対応する電圧値のデジタル信号に処理し、前記信号を回転角度測定部23に出力する。
回転角度測定部23は、変位センサ6、ピッチセンサ7及び回転角センサ14から入力する信号の組み合わせによって、例えば主動シャフトと従動シャフトがトーションバーを介して連結された自動車のステアリングシャフトにおける回転角度を測定する。すなわち、本実施形態では、上述したスライダ6cの中間位置0°から変化する回転角センサ14とピッチセンサ7の出力の関係によって、−180°〜0°と0°〜180°のいずれの範囲内の変化か認識でき、さらにその時の変位センサ6の出力との関係によって実際の回転角度が測定される。図7(d)は、変位センサ6、ピッチセンサ7及び回転角センサ14からの信号の関係を、有限の回転角度900°〜−900°の範囲内で表した波形であり、これによって回転角度を測定する。
【0026】
このように、本実施形態の回転センサでは、トルクセンサで検出されるパルス信号の位相シフト量から主動シャフトと従動シャフトに作用する回転トルクを求めることができ、また変位センサ、ピッチセンサ及び回転角センサの出力の関係から、これらシャフトにおける回転角度を正確に測定することができる。
ところで、実際に回転センサに各センサを取り付ける際に、ピッチセンサ7の信号の切り替え位置と、回転角センサ14の出力(角度信号)が例えば0°、180°、360°、…になる位置とをできるだけ一致させるが、現実には取り付け精度の差によって若干誤差が生じてしまう。すなわち、図9の回転角センサとピッチセンサの出力波形の関係に示すように、例えばピッチセンサの“0”から“1”の切り替え位置と、回転角センサの180°の位置間に、εというずれがある場合、180°までは、正確に実際の回転角度を出力できるが、180°から180°+εまでは、180°−(S−180°)となる。ここで、Sは、角度信号に基づいて求める回転角度Sである。
【0027】
つまり、実際の角度信号は180°を超えているのに180°より小さい角度信号が逆に出力され、180°+εを過ぎると、実際の角度信号が出力されて回転角度が180°近辺で検出できない角度が存在してしまって連続性が損なわれるという問題点があった。
このεが小さいほど取り付け精度が上がるが、そのためにこのセンサの取り付けを高精度にすると、センサの製作コストが高くなってしまう。
【0028】
そこで、本実施形態における信号処理増幅回路16では、回転角センサ14からの信号を取り込むと、前記信号に基づいて求める回転角度Sが、例えば179.5°≦S≦180.5°の範囲かどうか判断し、前記範囲内ならば求める回転角度を180°として、対応する電圧値の信号を出力し、また前記範囲外ならばピッチセンサ7からの信号を取り込み前記信号が“1”かどうか判断し、“1”ならば(360−S)の回転角度に対応する電圧値の信号を出力し、“1”でなければ回転角度Sに対応する電圧値の信号を出力するようにする。なお、上記信号処理は、回転角センサが出力する三角波形からなる角度信号の上限点及び下限点として示される回転角度である−720°、−540°、−360°、−180、0°、180°、360°、540°、720°付近において同様に行う。
【0029】
これにより、本実施形態では、前記三角波形の上限点及び下限点の回転角度近辺でのピッチセンサの信号の切り替え位置と、回転角センサの信号の位置が一致するようになり、取り付け精度が向上し、連続性のある回転角度検出が可能となる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施形態が可能である。例えば、前記実施形態の回転センサ1においては、ロータ2,3の相対回転角に基づいて回転トルクを検出すると共に、ロータ2,3の固定ケース4に対する回転角及び回転数を高精度に求めたが、実用上の検出精度に問題がなければ、図10の回転センサの回転角度測定装置10の一例を示す回路図に示すように、ピッチセンサ7を省略してもよい。
【0030】
この場合には、図11に示すように、それほど高くない検出精度において、予め回転角度に対応する変位センサ6の出力信号を設定しておき、この関係によって簡易的に回転角度を検出することが可能となる。
また、上記実用上の検出精度を問題にしないのであれば、回転角センサを省いて、変位センサと少なくとも1つピッチセンサの出力の組み合わせによっても回転角(回転数)を検出することが可能である。
【0031】
一方、回転センサ1は、所望に応じて一方を所略し、回転トルクあるいは回転角のいずれか一方を検出する構成としてもよい。
更に、本発明の回転センサは、上記実施形態で説明した自動車のステアリングシャフトの他、例えば、ロボットアームのように、互いに回転する回転軸間の相対回転角度,回転角度,回転トルクを求めるものであれば、どのようなものにも使用できる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1乃至7の発明によれば、左右いずれの回転方向であるかを識別可能で、180°を超える回転角であっても測定でき、回転角及び/又は回転トルクの測定が可能な回転センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転センサの一実施形態を示す断面正面図である。
【図2】図1の右半側を拡大した断面正面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿った断面平面図である。
【図4】図1の回転センサを構成する主要な部材の位置関係を示すもので、一部の構成部材を省略して描いた断面平面図である。
【図5】ピッチセンサと銅箔との配置を、他の構成部材を省略して示す断面正面図である。
【図6】回転センサにおける回転角度測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】図6に示した各センサと回転角度測定部での出力波形を示す波形図である。
【図8】同じく、変位センサにおけるスライダコアの移動量とコイルインダクタンスの関係を示す関係図である。
【図9】同じく、回転角センサとピッチセンサの出力の関係を説明するための部分波形図である。
【図10】回転センサにおける回転角度測定装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【図11】変位センサの出力と回転角度を簡易的に表した関係図である。
【符号の説明】
1 回転センサ
2 第1ロータ
2b 銅片(複数の第1の導体層)
3 第2ロータ
3b 第1絶縁磁性材層
3c 銅箔(第2の導体層)
3f 第2絶縁磁性材層
3g 銅箔(第2の導体層)
4 固定ケース(固定体)
4f 相対回転角コイル(励磁コイル)
4g コア
4h 回転角コイル(励磁コイル)
4j コア
5 回路基板
6 変位センサ
6a スクリュー部材
6c スライダ
6e スライダコア(可動磁心)
6f コイル
7 ピッチセンサ
7a 銅箔(導体片)
7c コイル
10 測定装置
11 発振回路(発振手段)
12 分周回路
13 トルクセンサ
14 回転角センサ
15〜18 信号処理増幅回路
19〜21 A/Dコンバータ
22 相対回転角度測定部
23 回転角度測定部
Claims (7)
- 周方向に沿って所定間隔で配列される複数の第1の導体層を有する第1のロータ、
絶縁磁性材層と第2の導体層とを有し、前記第1のロータと一体に回転すると共に、前記第1のロータに対して所定の角度内を相対回転する第2のロータ、
励磁コイルと、絶縁磁性材から成形され、前記励磁コイルを保持するコアとを有する固定体及び
前記励磁コイルと接続され、特定周波数の発振信号を発振する発振手段を備えた回転センサにおいて、
前記第2のロータの回転に伴って該ロータの回転軸方向に移動する可動磁心と、前記発振手段と接続され、前記可動磁心と協働するコイルとを有し、前記可動磁心の回転軸方向の移動に基づくコイルインダクタンスの変化を検出する変位センサを設けたことを特徴とする回転センサ。 - 前記励磁コイルとして、前記第1及び第2のロータの相対回転に伴う相対回転角を検出する相対回転角コイルまたは前記第1あるいは第2のロータの前記固定体に対する回転角を検出する回転角コイルの少なくとも一方を備える、請求項1の回転センサ。
- 前記相対回転角コイルからの出力信号を処理する第1の信号処理手段と前記相対回転角の測定手段あるいは前記回転角コイル及び変位センサからの出力信号を処理する第2の信号処理手段と回転角の測定手段とを備える、請求項2の回転センサ。
- 周方向に沿って所定間隔で配列される複数の第1の導体層を有する第1のロータ、
絶縁磁性材層と第2の導体層とを有し、前記第1のロータと一体に回転すると共に、前記第1のロータに対して所定の角度内を相対回転する第2のロータ、
前記第1及び第2のロータの相対回転に伴う相対回転角を検出する相対回転角コイル及び前記第1あるいは第2のロータの回転角を検出する回転角コイルと、絶縁磁性材から成形され、前記相対回転角コイルと回転角コイルとを保持するコアとを有する固定体及び
前記相対回転角コイル及び回転角コイルと接続され、特定周波数の発振信号を発振する発振手段を備えた回転センサにおいて、
前記第2のロータの回転に伴って該ロータの回転軸方向に移動する可動磁心と、前記発振手段と接続され、前記可動磁心と協働するコイルとを有し、前記可動磁心の回転軸方向の移動に基づくコイルインダクタンスの変化を検出する変位センサを設けたことを特徴とする回転センサ。 - 前記相対回転角コイルからの出力信号を処理する第1の信号処理手段と前記相対回転角の測定手段並びに前記回転角コイル及び変位センサからの出力信号を処理する第2の信号処理手段と回転角の測定手段とを備える、請求項4の回転センサ。
- 導体片及び絶縁層と、前記発振手段と接続され、前記導体片と協働するコイルとを有し、一方が前記固定体に、他方が前記第2のロータに、それぞれ設けられ、前記第2のロータの回転に基づくコイルインダクタンスの変化を検出するピッチセンサが設けられている、請求項1乃至5いずれかの回転センサ。
- 前記第2の信号処理手段は、前記回転角コイルからの出力信号の上限点及び下限点付近では、前記上限点及び下限点時の出力信号と同じ信号を出力するように信号処理する、請求項3又は5に記載の回転センサ。
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