JP4429050B2 - タイヤ用ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、良好な耐摩耗性を有しかつ転がり抵抗が低減されたタイヤを得ることが可能なタイヤ用ゴム組成物およびこれを用いたタイヤに関する。
近年地球環境の保護のため自動車の低燃費化が進められており、自動車用タイヤについても転がり抵抗の低いタイヤが望まれている。排気量が大きく燃料消費の激しいトラック、バス等の重車両に用いられる重車両用タイヤについては、転がり抵抗の低減が特に望まれている。一方、ストップ・スタートが多く月間走行距離が1万km以下であるような高スリップ条件、および、高速走行が主体で月間走行距離が1万km以上であるような低スリップ条件のいずれにおいても耐摩耗性が一定以上得られることもまたタイヤの必要性能として求められている。
タイヤの転がり抵抗は、走行時の繰返し変形に伴うエネルギー損失に大きく起因する。したがって、従来、転がり抵抗を軽減する目的で、転がり抵抗に対する寄与率が最も高い(たとえばおよそ34%)トレッド部のゴムを2層構造とし、内側にエネルギー損失の小さいゴム、外側に耐摩耗性に優れるゴムを配した構造等が提案されている。
トレッド部は、転がり抵抗の低減に対する寄与率が大きい反面、耐摩耗性に対する寄与率も大きい。タイヤにおける転がり抵抗の低減と耐摩耗性の確保は一般に二律背反の関係にあり、転がり抵抗を低減させようとすると耐摩耗性が低下してしまうという問題があった。
転がり抵抗を低減させる方法としては、たとえばタイヤ用ゴム組成物にシリカを配合する方法等が従来提案されているが、この場合、ストップ・スタートが多数回繰り返されるような高スリップ条件での耐摩耗性が特に大きく低下してしまう傾向がある。
たとえば特許文献1には、タイヤのトレッドゴム成分に無機発泡体を配合することによって凍結路面及び雪上での制動性能を向上させる方法が提案されているが、この方法では耐摩耗性を十分得ることが困難である。
特許文献2には、ジエン系ゴムと天然ゴムよりなるゴム成分に中空粒状体およびカーボンブラックを配合したゴム組成物を用いることによりタイヤのミクロスパイク効果、摩擦係数増大効果および耐摩耗性を改良する方法が提案されている。
特許文献3には、ジエン系ゴムと天然ゴムよりなるゴム成分に無機3次元網目状多孔質粒体およびカーボンブラックを配合したゴム組成物を用いることにより凝着摩擦増大効果、摩擦係数増大効果を発揮して耐摩耗性に優れるスタッドレスタイヤを提供する方法が提案されている。
特許文献4には、ジエン系ゴムに対して天然ガラスを配合し、かつショアA硬度を所定の範囲内に設定したゴム組成物を用いることによりタイヤの操縦安定性、制動性およびグリップ性さらに耐摩耗性を総合的に改善する方法が提案されている。
特許文献5には、圧縮強度を制御したセラミック中空体を配合したタイヤ用ゴム組成物を用いることによって、ゴム混合時の剪断力による中空体の破壊を防止しつつ、氷上摩擦性能を向上させたタイヤを得る方法が提案されている。
特許文献6には、ジエン系ゴムに対して短繊維および特定のモース硬度と粒子径を有する粒子を配合したゴム組成物を用いることによりタイヤの氷雪性能を向上させる方法が提案されている。
しかし特許文献2〜6に提案される方法においても、特に高スリップ条件での耐摩耗性を十分に得ることは困難である。
特開平4−55443号公報 特開2001−302848号公報 特開2001−329114号公報 特開2002−53704号公報 特開2002−293997号公報 特開2003−105131号公報
本発明は上記の課題を解決し、低スリップ条件および高スリップ条件のいずれにおいても良好な耐摩耗性を有し、かつ転がり抵抗が低減されたタイヤを得ることが可能なタイヤ用ゴム組成物およびこれを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、シス1,4−ブタジエン含有率が98質量%以上、分子量分布Mw/Mnが2.6〜3.0の範囲内であり、かつ100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が38以下であるポリブタジエンゴムを含有するゴム成分が配合されてなるタイヤ用ゴム組成物およびこれを用いたタイヤに関する。
ゴム成分100質量部のうち該ポリブタジエンゴムの配合量は5質量部以上40質量部以下であることが好ましい。
また本発明においては、ゴム成分100質量部に対して、パーミス(軽石)が2質量部以上20質量部以下で配合され、該パーミス全体の50質量%以上が45μm以上250μm以下の粒径を有することが好ましい。
本発明においては、ゴム成分の100質量部に対してシリカが10質量部以上30質量部以下で配合されることが好ましい。
特定のポリブタジエンゴムが配合された本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いることにより、低スリップ条件および高スリップ条件のいずれにおいても良好な耐摩耗性を有しかつ転がり抵抗が低減されたタイヤを得ることが可能である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、シス1,4−ブタジエン含有率が98質量%以上、分子量分布Mw/Mnが2.6〜3.0の範囲内であり、かつ100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が38以下であるポリブタジエンゴムを含有するゴム成分が配合される。上記のポリブタジエンゴムを含有するタイヤ用ゴム組成物のtanδ(損失正接)は適正な範囲内に制御されるため、該タイヤ用ゴム組成物をタイヤに用いた場合転がり抵抗を低減させることができる。
シス1,4−ブタジエン含有率が98質量%以上であるポリブタジエンゴムは、シス1,4−ブタジエン含有率が高いいわゆるハイシスポリブタジエンゴムの中でも特に物理的強度の点で優れるため本発明において好ましく配合される。
本発明においては、分子量分布Mw/Mnが2.6〜3.0の範囲内であるポリブタジエンが使用される。ポリブタジエンのMw/Mnが2.6以上である場合、比較的高分子量のポリブタジエンと比較的低分子量のポリブタジエンが共存することとなり、比較的高分子量のポリブタジエンの寄与によって高スリップ条件における耐摩耗性の向上が可能であるとともに、比較的低分子量のポリブタジエンの寄与によって耐摩耗性の維持とムーニー粘度の低減が可能である。ここで、ムーニー粘度が低い場合、カーボンの分散性を向上させることが容易になる傾向があること等により、加工性および耐摩耗性を向上させることが可能となる。よって、ポリブタジエンのMwが2.6以上である場合、優れた耐摩耗性と加工性を両立できる。一方、ポリブタジエンのMw/Mnが3.0以下であれば、ポリブタジエンの分子量のばらつきが一定以下であることによって、タイヤ用ゴム組成物の物性の制御が十分正確に行なえるため好ましい。Mw/Mnは、特に2.65以上であることが好ましく、また2.95以下であることが好ましい。
Mw/Mnが2.6〜3.0の範囲内であるポリブタジエンとしては、特殊な製造方法により、分子量のリニアリティが高い高分子量の分子と、分子量のリニアリティが高い低分子の分子をブレンドすることによって得られるもの等が好ましく用いられる。
本発明には、100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が38以下であるポリブタジエンゴムが使用される。使用されるポリブタジエンゴムのムーニー粘度ML(1+4)が38以下であれば、加工性が良好であるとともに、タイヤ用ゴム組成物に対して良好な耐摩耗性が付与される。
本発明においては、シス1,4−ブタジエン含有率が98質量%以上、分子量分布Mw/Mnが2.6〜3.0の範囲内であり、かつ100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が38以下であるポリブタジエンゴムが、ゴム成分100質量部のうち5質量部以上40質量部以下となるように配合されることが好ましい。該ポリブタジエンゴムの配合量が5質量部以上であればタイヤ用ゴム組成物に良好な耐摩耗性を付与できる他、タイヤ走行時の発熱が小さく抑えられるという利点を有する。また40質量部以下であれば、ゴム組成物が硬くなり過ぎることを防止し、たとえば天然ゴムやイソプレンゴム等の他のゴムとのブレンドにより耐屈曲性を向上させることができるという利点を有する。
本発明においては、ゴム成分の100質量部に対して、パーミスが2質量部以上20質量部以下、特に5質量部以上17質量部以下で配合されることが好ましい。パーミスは、シラスのような天然に産生する火山砕屑物のうち、極めて多孔質の発泡体である焼成体を指し、氷より硬く、アスファルトより軟らかい。したがって、タイヤ用ゴム組成物にパーミスを含有させた場合、アスファルトを損傷することなく、タイヤの氷表面に対するグリップ力を十分得ることができる。パーミスは多孔質であるため、ゴム組成物中にパーミスが存在することによって、タイヤと氷表面との間に生じる水は、パーミスが有する多数の小孔に吸着される。また、トレッドゴム表面のパーミスは使用とともに脱落して脱落口を生じるため、タイヤと氷表面との間に生じる水は脱落口にも吸着される。一方、脱落していないパーミスは、氷表面を引っ掻くことによってグリップ性能に寄与する。これらの作用によって、タイヤと氷表面との間の水が除去され、タイヤが氷表面を直接グリップできるようになるため、パーミスを含有するゴム組成物から製造されたタイヤは良好な氷上性能を発揮する。
ゴム成分の100質量部に対するパーミスの配合量が2質量部以上であれば、パーミスをゴム組成物中に含有させることによる氷上性能の改善効果を十分得ることができ、20質量部以下であれば、ゴム組成物の加工性および耐摩耗性を損なう危険性が少ない。
本発明において使用されるパーミスは、45μm以上250μm以下の粒径を有する粒子の含有率がパーミス全体の50質量%以上、さらに65質量%以上、特に80質量%以上であることが好ましい。パーミス全体の50質量%以上が45μm以上の粒径を有する場合、トレッドゴム表面からパーミスが脱落した後、その脱落口が十分な大きさを有するため、水を効果的に取り込み、優れた氷上性能を得ることが可能である。また、パーミス全体の50質量%以上が250μm以下の粒径を有する場合、ゴム組成物の加工性および耐摩耗性を損なう危険性が少ない。
パーミスにおいては、45μm以上250μm以下の粒径を有する粒子の含有率がパーミス全体の50質量%以上であることに加え、たとえばパーミスの平均粒径が250μm以下の場合には、良好な加工性、耐摩耗性が実現できるため好ましい。
本発明における粒径の評価は、以下の方法で行なうことができる。すなわち、パーミス全体の質量に対し、48メッシュの篩を通過し、かつ325メッシュの篩を通過しない粒子の質量の割合を百分率で求め、粒径が45μm以上250μm以下である粒子の含有率(%)とする。また平均粒径は、走査型電子顕微鏡の観察像において粒径と個数を計測する方法によって求めることができる。
パーミス中の酸化ケイ素成分の含有量は、30質量%以上、さらに50質量%以上、特に70質量%以上とされることが好ましい。パーミス中の酸化ケイ素が30質量%以上である場合、パーミスの過度の脱落が防止されるため、タイヤの氷表面に対するグリップ力が十分確保される。
本発明に用いることができるパーミスとしては、たとえば共立マテリアル(株)製のKPパーミス等が挙げられる。
本発明においては、ゴム成分の100質量部に対してシリカがたとえば10質量部以上30質量部以下で配合されることが好ましい。シリカの配合量が10質量部以上である場合、タイヤの転がり抵抗を低減させる効果が得られるとともにタイヤに良好なグリップ性能を付与することができ、30質量部以下である場合タイヤの耐摩耗性を損なう危険性が少ない。好適に使用されるシリカとしては、窒素吸着比表面積が150〜200m2/gであるもの等が挙げられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物にシリカを配合する場合、ゴム成分とシリカとを結合させる補強剤として、たとえばシラン系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、チタン系カップリング剤等のカップリング剤を、シリカ配合量に対して1質量%以上10質量%以下となるように添加しても良い。
本発明のゴム成分としては、天然ゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等のうちの1種類、または2種類以上を混合したものを用いることができる。上記のうち、たとえばEPDMは、エチレン−プロピレンゴム(EPM)に第3成分としてジエン成分を含有させたものであって、第3成分としては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン等の炭素数5〜20の非共役ジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン等の環状ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等のアルケニルノルボルネン等が使用できる。上記のゴム成分のうち、低温での物性が良好で、路面への密着性にも優れる等の点で、特に天然ゴム、ポリブタジエンゴム(BR)が好ましく用いられる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、ゴム成分100質量部に対して、たとえば加硫剤を0.5質量部以上5.0質量部以下で、加硫促進剤を0.5質量部以上4.0質量部以下で、それぞれ配合することができる。
加硫剤としては、硫黄、硫黄化合物等が挙げられ、たとえば硫黄化合物としてはモルフォリンジスルフィド等が挙げられる。また加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、グアニジン系、チアゾール系、チラウム系、チオウレア系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、キサンテート系等の化合物を用いることができる。
また本発明においては、加硫剤および/または加硫促進剤とともに架橋開始剤を用いてもよく、たとえば有機過酸化物、アゾ化合物、オキシム化合物等が挙げられる。これらは1種で用いても2種以上の混合物として用いてもよいが、タイヤ用ゴム組成物の所望の物性を損なわない範囲で配合する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記の成分以外に、ゴム組成物の製造に一般的に配合される添加剤を、所望の特性が損なわれない範囲で添加することができる。たとえば、ゴム成分100質量部に対して、シリカ以外にも充填剤を10質量部以上200質量部以下で配合することができる。配合量が上記の範囲内であれば、タイヤ用ゴム組成物のJIS−A硬度が適正な範囲内に調整され、操縦安定性および耐摩耗性が良好となる。また、軟化剤をたとえば1.0質量部以上10質量部以下で配合することも好ましい。その他、老化防止剤、可塑剤、粘着剤等を適当量添加することができる。
充填剤としてはたとえばカーボンブラックを配合することができる。カーボンブラックは、たとえば窒素吸着比表面積が50〜200m2/g、DBP吸油量が50〜130ml/100g、CTAB吸着比表面積が50〜170m2/gとなるような凝集サイズ、および多孔性を有することが特に好ましい。この場合、タイヤ用ゴム組成物は硬くなり過ぎず、良好な氷上性能が得られる一方、十分な耐摩耗性も得ることができる。
軟化剤としては、ステアリン酸、リノール酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の他、流動パラフィン、プロセスオイル、ワセリン等の石油系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、蜜ロウ、カルナバロウ等のワックス、等が挙げられる。また粘着剤としては、ロジン系、テルペン系、フェノール系の化合物、石油樹脂等が添加され得る。
老化防止剤としては、アミン系化合物、フェノール系化合物、イミダゾール系化合物、カルバミン酸金属塩、ワックス等を使用できる。
可塑剤としては、DMP(フタル酸ジメチル)、DEP(フタル酸ジエチル)、DBP(フタル酸ジブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、無水ヒドロフタル酸エステル、TCP(リン酸トリクレジル)、TEP(トリエチルホスフェート)、オクチルジフェニルホスフェート、DOA(ジオクチルアジペート)、DOS(セバシン酸ジオクチル)等を使用できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、所望の物性を損なわない範囲でパーミス以外の有機または無機の粒子を添加してもよく、たとえば石英、金剛砂、ガラス、酸化鉄、アルミナ、シリコンカーバイド等が挙げられる。上記の粒子は、1種でも2種以上の混合物でもよい。
さらにタイヤ用ゴム組成物には、アクリル繊維、ナイロン繊維、フッ素繊維、ポリウレタン繊維、アルミナ繊維、ガラス繊維、セラミックファイバー等の短繊維、アイオノマー樹脂、AAS樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂等の樹脂粉体、亜鉛化合物、アルミニウム化合物、銅化合物、シリコン化合物、フッ素化合物等の無機物粉体、および植物セルロース粉体等を配合し、グリップ性能をより向上させることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物のJIS−A硬度は、たとえば55以上75以下に好ましく設定される。JIS−A硬度が55以上である場合タイヤ用ゴム組成物の耐摩耗性とタイヤの操縦安定性が特に良好であり、JIS−A硬度が75以下である場合タイヤ用ゴム組成物の加工性とタイヤのグリップ性能が特に良好である。なお上記に例示するJIS−A硬度は、JISK6301に準拠し、25℃で測定した場合の値である。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物のtanδ(損失正接)が、たとえば温度70℃、周波数10Hz、動歪み±2%の測定条件において0.02以上0.15以下、特に0.05以上0.10以下である場合、転がり抵抗の低減と良好な耐摩耗性の維持がともに可能であるため好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、一般的に使用される公知の方法を用いて製造でき、ロール、バンバリーミキサー等によって混練し、たとえば140〜150℃で25〜35分間加硫する方法等を用いることができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、乗用車用タイヤ、バス用、トラック用等の大型冬用タイヤ、再生用タイヤ、スノーモービル用クローラ、除雪機クローラ等のトレッド部に好適に用いられる。以下に、空気入りラジアルタイヤを例として本発明の典型的な適用の形態について説明する。図1は、トラック・バス用の空気入りラジアルタイヤの断面図の右半分を示す図である。空気入りラジアルタイヤTは、1対のビード部1と、1対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、1対のビード部1内に埋設したビードコア4相互間にわたるカーカス5と、カーカス5の外周でトレッド部3を強化するベルト6とを備える。カーカス5は1対のビードコア4相互間にわたり延びるカーカス本体部と、ビードコア4の周りをタイヤ半径方向の内側から外側に向け巻き上げた折り返し部5aとを有する。カーカス5は、スチールコードまたはアラミドのような超高強度有機繊維コードのラジアル配列コードをゴム被覆したサプライからなる。本発明のタイヤ用ゴム組成物は、このような基本構造を有する空気入りラジアルタイヤのトレッド部3等に好適に使用される。
<実施例>
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1、または、表2および表3に示す配合成分のうち硫黄および加硫促進剤を除いた成分を、バンバリーを用い約150℃で5分間混練した後、硫黄および加硫促進剤を加え、2軸オープンロールを用い約80℃で5分間練り込んだ。得られたゴム組成物を用いてゴムシートを作製し、150℃で35分間、25kgf(245.16625N)の条件にて加硫を行ない、試験用サンプルを作製した。なお表2におけるBRの種類は表3に示している。使用したポリブタジエンゴムの特性を表4に示す。
上記のゴム組成物を用い、厚さ40mmのゴムシートをトレッド部として成型・加硫し、タイヤサイズが11R22.5 14P.R.であるタイヤを作製した。
(1) 転がり抵抗
参考例1〜5において作製したタイヤを正規リム(22.5×8.25の15°深底リム)に装着し、転がり抵抗試験機を用い、内圧700kPa、時速80km/h、荷重24.52kNで転がり抵抗を測定した。転がり抵抗の測定値を荷重で除した転がり抵抗係数(RRC)につき、参考例2のタイヤを100として指数で表わした。数値が小さいほど転がり抵抗が小さく性能が良好である。結果を表1に示す。
(2) ゴム物性
参考例1〜5において作製した試験用サンプルから、幅4mm×長さ30mm×厚さ1.5mmの短冊状試料を作製し、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、動歪み±2%の条件で、E*(複素弾性率)およびtanδ(損失正接)を測定した。結果を表1に示す。
(3) 氷上性能
実施例1〜5および比較例1〜6において作製したタイヤを10t車に装着し、北海道旭川テストコース(気温−6〜−1℃)にて氷上の実車性能を評価した。時速30km/hでロックブレーキを踏み、停止させるまでに要した氷上の移動距離を測定した。また、氷上での発進・加速・停止のフィーリングテストを行なった。上記の2つの試験結果から氷上性能を総合的に判定し、比較例1を100として指数で表わした。数値が大きい程氷上性能に優れる。結果を表3に示す。
(4) 耐摩耗性
岩本製作所(株)製のランボーン摩耗試験機を用い、参考例1〜5については、表面回転速度50m/min、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/min、スリップ率20%(低スリップ条件)および40%(高スリップ条件)の条件、実施例1〜5および比較例1〜6については、表面回転速度50m/min、負荷荷重3.0kg、落砂量15g/min、スリップ率30%の条件で、それぞれ試験片の摩耗を測定し、参考例1〜5については参考例2実施例1〜5および比較例1〜6については比較例1をそれぞれ100として指数で表わした。数値が大きい程耐摩耗性に優れる。結果を表1および表3に示す。
Figure 0004429050
Figure 0004429050
Figure 0004429050
Figure 0004429050
注1:IRは、日本ゼオン(株)製の商品名「Nipol IR2200」である。
注2:BR Aは、宇部興産(株)製のポリブタジエンゴム「BR700」である。
注3:BR Bは、宇部興産(株)製のポリブタジエンゴム「BR150L」である。
注4:BR Cは、宇部興産(株)製のポリブタジエンゴム「BR150B」である。
注5:BR Dは、宇部興産(株)製のポリブタジエンゴム「BR701」である。
注6:カーボンブラックは、三菱化学(株)製の「ダイヤブラックN110」である。
注7:シリカは、日本シリカ(株)製の「ニプシルVN3」である。
注8:シランカップリング剤は、デグサジャパン(株)製の「Si266」である。
注9:老化防止剤は、精工化学工業(株)製の「オゾノン6C」である。
注10:ワックスは、大内新興化学(株)製の「サンノックワックス」である。
注11:ステアリン酸は、日本油脂(株)製の「桐」である。
注12:酸化亜鉛は、東邦亜鉛(株)製の「銀嶺R」である。
注13:硫黄は、鶴見化学(株)製の硫黄である。
注14:加硫促進剤NSは、大内新興化学(株)製の「ノクセラーNS」(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)である。
注15:加硫促進剤DPGは、大内新興化学(株)製の「ノクセラーD」(ジフェニルグアニジン)である。
注16:NRは、テックビーハング社製の商品名「RSS♯3」である。
注17:パーミスは、共立マテリアル(株)製である。
注18:BR Eは、宇部興産(株)製のポリブタジエンゴム「BR130B」である。
表1に示す結果より、本発明のポリブタジエンゴムを配合した参考例1においては、低スリップ条件および高スリップ条件においていずれも良好な耐摩耗性を維持しつつ、転がり抵抗係数(RRC)が著しく低減されていることが分かる。
また表3に示す結果より、本発明のポリブタジエンゴムを配合した実施例1〜5および比較例1〜4のうち、特に、ゴム成分100質量部に対してパーミスが2質量部以上20質量部以下で配合され、該パーミス全体の50質量%以上が45μm以上250μm以下の粒径を有する実施例1〜5においては、耐摩耗性を大きく損なうことなく良好な氷上性能が得られていることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、特定のポリブタジエンゴムを配合することによって、良好な耐摩耗性を維持しつつ転がり抵抗が低減されたタイヤを得ることが可能なタイヤ用ゴム組成物およびこれを用いたタイヤを提供することが可能となる。
トラック・バス用の空気入りラジアルタイヤの断面図の右半分を示す図である。
符号の説明
T 空気入りラジアルタイヤ、1 ビード部、2 サイドウォール部、3 トレッド部、4 ビードコア、5 カーカス、6 ベルト。

Claims (4)

  1. シス1,4−ブタジエン含有率が98質量%以上、分子量分布Mw/Mnが2.6〜3.0の範囲内であり、かつ100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)が38以下であるポリブタジエンゴムを含有するゴム成分が配合されてなり、
    ゴム成分100質量部に対して、パーミスの2〜20質量部が配合され、前記パーミス全体の50質量%以上が45〜250μmの粒径を有する、タイヤ用ゴム組成物。
  2. ゴム成分100質量部のうち前記ポリブタジエンゴムの配合量が5〜40質量部の範囲内である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. ゴム成分の100質量部に対してシリカが10〜30質量部の範囲内で配合されてなる、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いたタイヤ。
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