JP4428611B2 - Aqueous pollution control coating composition - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、建築仕上塗材などとして有用であり、具体的には、建築物、鋼構造物、建材、モルタル、コンクリート、プラスチック、自動車への塗料、建築仕上塗材などの上塗りとして塗装するかあるいは、建材、モルタル、コンクリート、鋼材、自動車、プラスチックへ直接塗装するクリアーコート剤、トップコート剤、塗料などとして各種用途に利用することができる汚染防止性に優れた水性被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築物の壁面に見られる雨筋あるいは雨だれの汚染は、雨水が流れ落ちる箇所に発生し、雨筋が付いていない場所との汚れの差が建築物の美観を損ねてしまうことが問題視されている。通常この雨筋汚染を防ぐには、塗膜表面の親水性を高めることによって達成できる。溶剤系塗料においては、アルコキシシランを塗膜表面へ配位させ、経時的に加水分解することによって塗膜表面を親水性化させる技術が提案されている。この技術の問題点は塗膜形成直後の1ヶ月間前後の気象条件により、加水分解の程度が左右されるため、とくに乾燥した条件が続くことで加水分解が遅れ、塗膜が汚れてしまうという欠点があった。
【0003】
水系塗料において、この雨筋汚染を防ぐ方法として特開平9−52974号公報では、特定の溶剤を水性エマルジョンへ添加することによりその塗膜の水接触角が小さくなり、雨筋を低減できることが提案されているが、その効果は充分なものではなく、長期にわたりその効果を持続することが充分でなかった。
特開平10−46099号公報では、特定の不飽和単量体と重合性界面活性剤にて乳化重合により雨筋を低減できることが提案されているが、長期にわたりその効果を持続することが充分でなかった。
特開平10−298489号公報では、特定のブロックコポリマーの架橋剤とジヒドラジド化合物架橋剤を併用し、ポリカルボニル化合物との架橋塗膜により雨筋を低減できることが提案されているが、耐水性が充分なものではなく、その持続性にも充分でなかった。
【0004】
特開平11−217480号公報では、重合乳化剤にオキシアルキレン基を使用する方法が開示されているが、汚染防止には充分なものではなかった。
特開昭54−139938号公報では、アクリル系樹脂とコロイダルシリカの混合物の上塗り塗料を、無機質充填剤を含有するコロイダルシリカ水分散体無機塗料の塗膜上に塗装する方法が提案されているが、上塗り塗料だけでは、充分な表面硬度と汚染性は得られなかった。
特開平7−26165号公報では耐熱ブロッキング性と塗液の貯蔵安定性改良を目的に、反応性界面活性剤を使用して乳化重合して得たエマルジョンにコロイダルシリカをブレンドすることが提案されているが、コロイダルシリカの添加量が多く、得られる塗膜の耐水性が充分でなかった。
【0005】
特開昭56−57860号公報では無機建材用の下塗り塗料として密着性の改善を目的に、また特開平11−116885号公報では塗料塗膜の耐汚染性を付与する目的で、両者ともエチレン性基を持つアルコキシシランを乳化重合時に共重合したエマルジョンと、コロイダルシリカとをブレンドすることが提案されているが、当該混合塗液は保存すると凝集を起こし塗装が不可能となるか、安定化のために多量の乳化剤を添加すると塗膜の耐水性が充分ではなかった。
特公平3−47669号公報では、エマルジョンに対してコロイダルシリカの添加量が多く、得られる塗膜の耐水性が充分ではく、またエマルジョンとコロイダルシリカの混合塗液を保存すると凝集を起こし塗装が不可能となった。
特開平7−118573号公報では、防滑性を目的にコロイダルシリカ含有エマルジョンとコロイダルシリカのブレンド品をコーティングすることが提案されているが、塗料へ利用した場合、充分な光沢を得ることができなかった。
【0006】
特開昭59−217702号公報では、コロイダルシリカと乳化能のある重合性モノマーの存在下での乳化重合で得られた水分散体樹脂組成物が提案されているが、重合安定性と耐水性が劣りまたコロイダルシリカ含有量が少なく低汚染性を発揮するに至らなかった。
特開平11−1893号公報では、コロイダルシリカ、活性剤と水の存在下でのエチレン性不飽和化合物を乳化重合して得られた水性コーティング組成物が提案されているが、コロイダルシリカ含有量が多く、重合安定性と耐水性が劣った。
特開平9−165554号公報では、ジメチルシロキサン単位を多く含み、およびケト基を含有するラテックスと、ヒドラジド化合物と、コロイダルシリカとからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中のコロイダルシリカを多く必要とするため、塗液の貯蔵安定性が充分なものではなかった。
特開平10−168393号公報では、ケト基およびシラノール基含有エマルジョンと、ヒドラジド化合物と、加水分解性シランで表面処理したコロイダルシリカとからなる組成物が開示されているが、耐汚染性を発現させるには塗液中の表面処理コロイダルシリカを多く必要とするため、塗液の貯蔵安定性が充分なものではなかった。
【0007】
特開2001−335721号公報では、表面をノニオン系界面活性剤やビニルポリマーで被覆したコロイダルシリカとエマルジョンをブレンドした組成物が開示されているが、安定性を維持するために多くの界面活性剤を必要とし、結果として耐水性が劣るものになってしまった。また安定性も充分なものでなかった。
特開2000−319579号広報では、フェニル基含有ポリシロキサン単位により橋かけされたビニル重合体よりなる水性分散粒子が開示されているが、耐水性が充分ではなく、塗膜の水接触角は低いものとはならなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−52974号公報
【特許文献2】
特開平10−46099号公報
【特許文献3】
特開平10−298489号公報
【特許文献4】
特開平11−217480号公報
【特許文献5】
特開昭54−139938号公報
【特許文献6】
特開平7−26165号公報
【特許文献7】
特開昭56−57860号公報
【特許文献8】
特開平11−116885号公報
【特許文献9】
特公平3−47669号公報
【特許文献10】
特開平7−118573号公報
【特許文献11】
特開昭59−217702号公報
【特許文献12】
特開平11−1893号公報
【特許文献13】
特開平9−165554号公報
【特許文献14】
特開平10−168393号公報
【特許文献15】
特開2001−335721号公報
【特許文献16】
特開2000−319579号広報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、水系塗料からなる塗膜において屋外に曝露されたとき従来に比べ雨筋状汚染や雨じみの汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、さらにこれら効果の持続性に優れ、かつ塗液の保存安定性が良好な水性汚染防止被覆組成物を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記のような問題点を解決するため鋭意検討をかさねた結果、特定の水性分散体と、コロイド状無機粒子と、特定の界面活性剤とからなる組成物から得られる塗膜は水に対する接触角を75°以下に低下でき、塗膜の雨筋状汚染や雨じみの汚染を低減できるという効果を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明の第1は、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が(F)フェニル基含有加水分解性シランと下記式(b)で表されるシリコーン構造を有するシランとの存在下で(E)エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョンであり、該水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を0.5〜10質量部含有し、光触媒能を有する粒子を含まず、成膜した塗膜の水接触角が75°以下であることを特徴とする水性汚染防止被覆組成物。
(R −Si−(R - (b)
(式中nは0,1または3の整数であり、Rは水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、フェニル基以外の炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR1は同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR2は同一であっても、異なっても良い。)
本発明の第2は、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が、(B)コロイド状無機粒子(但し、光触媒能を有する粒子を除く)を含むことを特徴とする発明の第1の水性汚染防止被覆組成物。
本発明の第3は、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が(D)アルキレンオキサイド基を有する界面活性剤を含むことを特徴とする発明の第1又は2の水性汚染防止被覆組成物。
本発明の第4は、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤が、(A)フェニル基を含有しシリコーン構造を有する水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して、1.0〜5質量部用いることを特徴とする発明の第1〜3のいずれかの水性汚染防止被覆組成物。
【0012】
本発明の第は、(B)コロイド状無機粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする発明の第2〜のいずれかに記載の水性汚染防止被覆組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明において詳細に説明する。
本発明において、塗膜の水接触角を低くするためには、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が必須である。
本発明において(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体として、水性分散体がアクリル系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン、フッ素系エマルジョン等であるものがあげられるが、本発明においてアクリル系エマルジョンであることが好ましい。アクリル系エマルジョンはウレタン系エマルジョンに比べて安価であり、単独でも耐汚染性が良い。また、アクリル系エマルジョンはフッ素系エマルジョンと比べてもは安価であり、リコート性、耐汚染性が良い。
【0014】
本発明の上記アクリル系エマルジョンは、アクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルが重合した構造を含む重合体のエマルジョンであり、該エマルジョン粒子中にシリコーン、シラノール基またはアルコキシシラン基の構造を共存しているエマルジョンならいずれでもよい。
例えば、アルコキシシランの脱水縮合乳化重合により得られたシロキサン乳濁液に、重合触媒およびアクリレート単量体を加えてシロキサンとアクリレートとを酸性条件下で共重合させることにより得られた水性乳濁液(例えば、特公昭51−25369号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
【0015】
また、有機系重合体粒子にアルコキシシランを吸収させた後縮合反応を進行させることによりポリシロキサンを複合化させたポリシロキサン複合重合体粒子(例えば、特開平3−45628号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
また、レドックス触媒を用い60℃以下の温度で、pH5〜8で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアルコキシシラン基を有する重合性単量体とを乳化重合してなる常温架橋型エマルジョン(例えば、特開平3−227312号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
【0016】
また、特定のオルガノシロキサンと共重合可能な他のビニル系単量体とを乳化共重合することにより得られる乳化共重合体(例えば、特開平4−202515号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
また、シリコーン系マクロモノマーと(メタ)アクリレートと共重合性モノマーよりなる単量体組成物を、乳化重合して得られるシリコン含有アクリル酸エステル共重合体エマルジョンとアクリルエマルジョンの混合することにより得られた水性トップコート剤(例えば、特開平5−194911号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
【0017】
また、レドックス触媒を用い60℃以下の温度で、pH5〜8で、シクロアルキル基含有重合性単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアルコキシシラン基を有する重合性単量体とを乳化重合してなる耐久性塗料用合成樹脂水性エマルジョン(例えば、特開平6−122734号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
また、アルコキシシランおよび環状シロキサン、アルコキシシラン基を有する重合性単量体を共縮合して得たポリオルガノシラン系重合体エマルジョンの存在下に、アルキル(メタ)クリレートおよびエチレン性不飽和単量体を重合し、さらにこの重合によって得られるポリオルガノシラン系重合体エマルジョンの存在下に、アルコキシシランおよび環状シロキサンを縮合反応させて得るポリシラン複合重合体エマルジョン(例えば、特開平6−157758号公報と同様に製造できる)が挙げられる。
【0018】
また、エマルション粒子の芯部分の単量体組成がシリル基を有するビニル系単量体、シクロアルキルメタクリレートおよび親水性でない他のビニル系単量体からなり、エマルションの最外殻部分の単量体組成がシリル基を有するビニル系単量体、シクロアルキルメタクリレート親水性でない他のビニル系単量体、および親水性ビニル系単量体からなり、これらの単量体成分を多段乳化重合して得られたエマルション(例えば、特開平6−306123号公報と同様に製造できる)等が挙げられる。
【0019】
本発明において、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を持つ物質としては、フェニル基含有ポリシロキサン乳濁液を利用することが好ましい。該乳濁液の製造方法としては、フェニル基含有環状低分子シロキサンの開環乳化重合、環状低分子アルキルシロキサン開環乳化重合中にフェニル基含有アルコキシシランを反応させる方法、フェニル基含有ポリシロキサンの機械的乳化方法等が挙げられる。フェニル基含有量の調節、ポリシロキサン乳濁液の粒子径制御の点からフェニル基含有環状低分子シロキサンの開環乳化重合、環状低分子シロキサン開環乳化重合中にフェニル基含有アルコキシシランを反応させる方法を用いることが好ましい。環状低分子シロキサン化合物の乳化重合は、乳化分散系で強酸あるいは強アルカリを触媒として開環して行われ、末端シラノール基高分子ポリシロキサンの水性分散体が得られる。この方法については公知(特公昭41−13995号公報、特公昭44−20116号公報)であり、広く実用化されている。本発明における重合についてもこの方法が適用できる。該(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体の製造方法としては、ラジカル重合中または重合後に酸性状態でシロキサンを再分配反応させる方法も用いることができる。(A)フェニル基を含むシリコーン構造を持つ物質が、好ましくは、(F)フェニル基含有加水分解性シランの縮合物であるのが好ましい。また(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が(F)フェニル基含有加水分解性シランの存在下、(E)エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョンであることが好ましい。(F)フェニル基含有加水分解性シランを存在下で乳化重合させることにより、塗膜の水接触角を低下させ塗膜の高耐久性化を可能となる。
【0020】
本発明において、(F)フェニル基含有加水分解性シランは、具体的にはトリアルコキシフェニルシランとしてフェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランが挙げられ、ジアルコキシフェニルシランとしてジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシランが挙げられ、モノアルコキシフェニルシランとして、ジフェニルエトキシメチルシラン、エトキシトリフェニルシラン、ジフェニルメトキシメチルシラン、メトキシトリフェニルシランが挙げられ、その他にフェニル基を含有するアルコキシシランオリゴマー、ジフェニルシロキサン単位を含むアルコキシシランオリゴマー、フェニル基を含有し加水分解基を有する線状シロキサン等が挙げられ、フェニルシラノールとしてフェニルシラントリオール、ジフェニルシランジオール、トリフェニルシラノールが挙げられる。その中で、(F)フェニル基含有加水分解性シランとして、ジフェニルシランの単位を含むものを用いることが、塗膜の水接触角を低下させ、塗膜の柔軟性付与することを可能にするため、好ましい。ジフェニルシランの単位を含むフェニル基含有加水分解性シランとしては、具体的にはジアルコキシフェニルシランであるジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジフェニルシランジオール、ジフェニルシロキサン単位を含むアルコキシシランオリゴマー、フェニル基を含有し加水分解基を有する線状シロキサン等が挙げられる。
【0021】
フェニル基含有環状低分子シロキサンとしては、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロテトラシロキサンなどがある。
フェニル基を含有し加水分解基を有する線状シロキサンとしては、下記の一般式(1)、(2)、(3)で表される化合物が挙げられる。
【0022】
【化1】

Figure 0004428611
【0023】
【化2】
Figure 0004428611
【0024】
【化3】
Figure 0004428611
【0025】
(式中、R の10%以上がフェニル基、Rの90%以下が水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、フェニル基以外の炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、各R はそれぞれ、独立して炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、アルキレンオキサイド基又はポリアルキレンオキサイド基から選ばれ、mは1〜999の正の整数を表す。)
【0026】
フェニル基を含有するアルコキシシランオリゴマーとしては、信越化学(株)製KR−9218、KR−213、KR−510、X−40−9227、X−40−9247などがある。
本発明において(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランは、下記式(a)で表される、シロキサン構造を有するシラン、環状シラン、加水分解基を有する線状シロキサンから選ばれる。
(R−Si−(R4−n (a)
(式中nは0〜3の整数であり、Rは水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、フェニル基以外の炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のRは同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のRは同一であっても、異なっても良い。)
【0027】
好ましくは、(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランは、下記式(b)で表されるシリコーン構造を有するシランから選ぶことにより、塗膜の水接触角を低下させる。
(R−Si−(R4−n (b)
(式中nは0,1または3の整数であり、Rは水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、フェニル基以外の炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のRは同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のRは同一であっても、異なっても良い。)
【0028】
上記式(b)においてn=0のテトラアルコキシシランのRはそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。テトラアルコキシシランの好ましい具体例として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどがある。
上記式(b)においてn=1のトリアルコキシシランのRとしてはメチル基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基が好ましく、Rはそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。トリアルコキシシランの好ましい具体例としては、メチルトリメトシキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランなどがある。また3官能シランのラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランとしてビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどがある。
【0029】
上記式(b)においてn=3のモノアルコキシシランのRとしてはメチル基、ビニル基、γ−(メタ)アクリロキシプロピル基が好ましく、Rはそれぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、水酸基が好ましい。モノアルコキシシランの好ましい具体例としては、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシランなどがある。上記式(b)で表されるこれらは単独または二種以上含んでいてもよく、好ましくはラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランとラジカル重合性二重結合を有しない加水分解性シランを併用できる。
【0030】
環状シランの具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタフェニルシクロシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンなどが挙げられる。
ジアルコキシシランの具体例として、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが挙げられる。
【0031】
加水分解基を有する線状シロキサンの例としては、下記の一般式(4)、(5)、(6)で表される化合物が挙げられる。
【0032】
【化4】
Figure 0004428611
【0033】
【化5】
Figure 0004428611
【0034】
【化6】
Figure 0004428611
【0035】
(式中、R は水素、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、フェニル基以外の炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基又は炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれ、各R はそれぞれ、独立して炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基、水酸基、エポキシ基、アルキレンオキサイド基又はポリアルキレンオキサイド基から選ばれ、mは1〜999の正の整数を表す。)
【0036】
本発明において、塗膜柔軟性および塗膜耐久性に問題があるときは、上記の(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランより選ばれる少なくとも1種を併用することが好ましい。その量は、(F)フェニル基含有加水分解性シランと該フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとのモル比が100/1〜10/100であることが好ましく、100/1〜35/100であることがより好ましい。(F)フェニル基含有加水分解性シランが10/100以上でシランの重合性に問題が無く、シランの低分子量物の残留が実質的に問題ない
【0037】
その他の加水分解性シランとして、クロロシラン、例えばメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、ビニルクロルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジクロロメチルシランを含むことができる。
【0038】
上記したシラン縮合物の存在は、29SiNMR(29Si核磁気共鳴スペクトル)または HNMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)によって知ることができる。例えば、シラン(II)の縮合物は、29SiNMRのケミカルシフトが−40〜−80PPMにピークを示すことで同定することができる。また、シラン(IV)あるいは環状シランの縮合物は29SiNMRのケミカルシフトが−16〜−26PPMにピークを示すことで同定することができる。
【0039】
本発明において、アクリル系エマルジョンはアクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルが重合した構造を含む重合体のエマルジョンを指す。当該アクリル系エマルジョンの重合に用いる(E)エチレン性不飽和単量体として、まずアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(本願においてアクリル酸および又はメタクリル酸をまとめて(メタ)アクリル酸と表す)が挙げられる。当該(メタ)アクリルエステルと共重合可能な単量体は、特に制限がないが、その具体例を示せば、カルボン酸基を持つ単量体、メタクリルアミド系単量体、シアン化ビニル類等が挙げられる。
【0040】
カルボン酸基を持つ単量体としてはイタコン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸およびこれらのモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルの例としては、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アルキル部の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド基の数が1〜100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0041】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
【0042】
(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレートの具体例としては、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
【0043】
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルは、(E)エチレン性不飽和単量体の総質量に対して好ましくは80質量%〜100質量%、より好ましくは90質量%〜100質量%用いることが望ましい。
【0044】
本発明において、(E)エチレン性不飽和単量体としてシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むことが、特に耐久性に優れるため好ましい。(E)エチレン性不飽和単量体の5質量%以上、より好ましくは5質量%以上99質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上80質量%以下が、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、あるいはそれらの混合物であることが好ましい。シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸が5質量%以上で耐久性に優れ、80%以下で成膜性が良好である。
【0045】
(メタ)アクリルアミド系単量体類としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどがあり、シアン化ビニル類としては、例えば(メタ)アクリロニトリルなどがある。
アルド基またはケト基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、ホルミルスチロール等や、その併用が挙げられる。
【0046】
また、上記以外の(E)エチレン性不飽和単量体の具体例としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、ブタジエン等のジエン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類、アリルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類、さらに、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2,3−シクロヘキセンオキサイド、(メタ)アクリル酸アリル等やそれらの併用が挙げられる。
【0047】
本発明において(F)フェニル基含有加水分解性シランおよび加水分解性シランは、(E)エチレン性不飽和単量体の質量に対して0.01質量%〜300質量%用いることができる。
本発明において、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤は、下記式(7)で表されるスルフォコハク酸系化合物が挙げられる。
【0048】
【化7】
Figure 0004428611
【0049】
{式中、R,Rは同一でも、異なっていてもよく、水素、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基またはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基であり、Mはアルカリ金属、アンモニウム、有機アミン塩基または有機第四級アンモニウム塩基を示す。)
【0050】
さらに詳しくは、上記式(7)で表される化合物のR,Rにおいて、Rおよび/またはRが下記式(8)、(9)、(10)で表される化合物が挙げられる。
【0051】
【化8】
Figure 0004428611
【0052】
【化9】
Figure 0004428611
【0053】
【化10】
Figure 0004428611
【0054】
{式(8)、(9)、(10)、のそれぞれにおいて、R81は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基、炭素数6〜19アラルキル基等の炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシアルキレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が2〜4、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基であり、Aは炭素数2〜4個のアルキレン基または置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R82は水素またはメチル基である。)}
【0055】
本発明において、一般式(7)〜(10)で表されるものとして、例えばスルフォコハク酸ジオクチルナトリウム{花王(株)製ペレックス(商標)OT−P、または三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)OT−75など}、スルフォコハク酸ジヘキシルナトリウム{三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)MA−80など}、三洋化成(株)製エレミノール(商標)JS−2,JS−5、花王(株)製ラテムル(商標)S−120,S−180,S−180A、三井サイテック(株)製エアロゾル(商標)TR−70、A−196−85、AY−100、IB−45、A−102,A−103、501などがある。
【0056】
本発明において、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤は、(A)フェニル基を含有しシリコーン構造を有する水性分散体の固形分100質量部に対して、0.1〜20質量部用いられ、好ましくは、0.5〜10質量部、さらに好ましくは1.0〜5質量部用いる。この範囲で使用すると、塗膜の水接触角が65°以下であり耐水性良好なフィルムが形成される。
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤、ノニオン性の界面活性剤、分子内にラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0057】
(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であってアニオン性界面活性剤は下記式(11)、(12)で表される化合物が挙げられる。
【0058】
【化11】
Figure 0004428611
【0059】
【化12】
Figure 0004428611
【0060】
(上記式(11)、(12)中、R111は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0061】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤は下記式(13)、(14)、(15)で表される化合物が挙げられる。
【0062】
【化13】
Figure 0004428611
【0063】
(式中、R131は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R132は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R133は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0064】
【化14】
Figure 0004428611
【0065】
(式中、R141は水素またはメチル基、R142は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜50の整数、mは0〜20の整数、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムである。)
【0066】
【化15】
Figure 0004428611
【0067】
(式中、R151は炭素数8〜30のアルキル基、R152は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウムもしくはアルカノールアミン残基である。)
【0068】
上記式(13)で表されるアルキルフェノールエーテル系化合物として、例えば第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)HS−10などがあり、上記式(14)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)SE−1025A、SR−1025A、SR−10N、SR−20Nなどがあり、上記式(15)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)KH−5、KH−10などが挙げられる。その他アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するアニオン性界面活性剤として例えば、日本乳化剤(株)製Antox(商標)−MS−60などがあり、花王(株)製ラテムルPD−101、PD−104などがあり、三洋化成(株)製エレミノール(商標)RS−30などがある。
【0069】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤において、ノニオン性の界面活性剤は下記式(16)、(17)で示される化合物が挙げられる。
【0070】
【化16】
Figure 0004428611
【0071】
【化17】
Figure 0004428611
【0072】
(上記式(16)、(17)中、R161は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20アルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜19のアラルキル基などの炭化水素基、またはその一部が水酸基、カルボン酸基などで置換されたもの、もしくはポリオキシエチレンアルキルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル基(アルキル部分の炭素数が0〜20、およびアルキレン部分の炭素数が2〜4)などのアルキレンオキサイド化合物を含む有機基である。Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは0〜200の整数であり、R162は水素またはメチル基である。)
【0073】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤であって分子内にラジカル重合性二重結合を有するノニオン性界面活性剤は下記式(18)、(19)、(20)で表される化合物が挙げられる。
【0074】
【化18】
Figure 0004428611
【0075】
(式中、R181は炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基またはアラルキル基であり、R182は水素、炭素数6〜18のアルキル基、アルケニル基、またはアラルキル基、R183は水素またはプロペニル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基または一部が置換されたアルキレン基であり、nは1〜200の整数である。)
【0076】
【化19】
Figure 0004428611
【0077】
(式中、R191は水素またはメチル基、R192は炭素数8〜24のアルキル基またはアシル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0〜100の整数、mは0〜50の整数である。)
【0078】
【化20】
Figure 0004428611
【0079】
(式中、R201は炭素数8〜30のアルキル基、R202は水素またはメチル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基もしくは置換アルキレン基、nは0または1〜200の整数である。)
上記式(18)で表される化合物として例えば、第一工業製薬(株)製アクアロン(商標)RN−10、RN−20、RN−30、RN−50などが挙げられる。上記式(19)で表される化合物として例えば、旭電化工業(株)製アデカリアソープ(商標)NE−20、NE−30、NE−40、ER−10、ER−20、ER−30、ER−40などが挙げられる。
【0080】
本発明において、(D)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤の使用量は、特に限定はしないが、耐水性良好なフィルムを得るためには使用量が少ないことが好ましく、(A)フェニル基を含有しシリコーン構造を有する水性分散体の固形分100質量部に対し、0.1〜5質量%使用することができる。
本発明において乳化重合に使用される界面活性剤として(C)スルフォコハク酸系界面活性剤、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤以外には、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸カリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(2−スルホエチル)エステルカリウム、メタクリル酸−(2−スルホエチル)エステルナトリウム、アクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルカリウム、メタクリル酸−(3−スルホプロピル)エステルナトリウム、脂肪酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマーなどが挙げられる。
【0081】
本発明における本発明における(B)コロイド状無機粒子としては、(B)コロイド状無機粒子としては、コロイダルシリカが入手が容易で、安価であり好ましい。コロイダルシリカは、ゾル−ゲル法で調製して使用することもでき、市販品を利用することもできる。コロイド状シリカをゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al;J.Colloid and Interface Sci., 26, 62-69 (1968)、Rickey D.Badley et al;Lan g muir 6, 792-801 (1990)、色材協会誌,61 [9] 488-493 (1988) などを参照できる。コロイダルシリカは、二酸化ケイ素を基本単位とするシリカの水または水溶性溶媒の分散体であり、その平均粒子径は好ましくは5〜120nm、より好ましくは10〜80nmである。粒子径が5nm以上では塗液の貯蔵安定性が良く、120nm以下では耐水白化性が良い。上記範囲の粒子径のコロイダルシリカは、水性分散液の状態で、酸性、塩基性のいずれであっても用いることができ、混合する(A)水性分散体の安定領域に応じて、適宜選択することができる。水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、例えば市販品として日産化学工業(株) 製スノーテックス(商標)−O、スノーテックス−OL、旭電化工業(株)製アデライト(商標)AT-20Q、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール(商標)20H12、クレボゾール30CAL25などが利用できる。
【0082】
塩基性のコロイダルシリカとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミンの添加で安定化したシリカがあり、例えば日産化学工業(株)製スノーテックス−20、スノーテックス−30、スノーテックス−C、スノーテックス−C30、スノーテックス−CM40、スノーテックス−N、スノーテックス−N30、スノーテックス−K、スノーテックス−XL、スノーテックス−YL、スノーテックス−ZL、スノーテックスPS−M、スノーテックスPS−Lなど、旭電化工業(株)製アデライトAT−20、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−30N、アデライトAT−20A、アデライトAT−30A、アデライトAT−40、アデライトAT−50など、クラリアントジャパン(株)製クレボゾール30R9、クレボゾール30R50、クレボゾール50R50など、デュポン社製ルドックス(商標)HS−40、ルドックスHS−30、ルドックスLS、ルドックスSM−30などを挙げることができる。
【0083】
また、水溶性溶剤を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製MA−ST−M(粒子径が20〜25nmのメタノール分散タイプ)、IPA−ST(粒子径が10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)、EG−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)、EG−ST−ZL(粒子径が70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)、NPC−ST(粒子径が10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)などを挙げることができる。
また、これらの一種または二種類以上組み合わせてもよい。少量成分として、アルミナ、アルミン酸ナトリウムなどを含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニアなど)や有機塩基(テトラメチルアンモニウムなど)を含んでいてもよい。
【0084】
また、(B)コロイド状無機粒子としては、シリカ以外のコロイド状粒子を与える無機化合物を使用してもよく、当該無機化合物の具体例としては、Al 、AlGa、As、Al(OH)、Sb、Si、Sn−In、Sb−In、MgF、CeF、CeO、3Al・2SiO、BeO、SiC、AlN、Fe、Co、Co−FeO、CrO、FeN、BaTiO、BaO−Al−SiO、Baフェライト、SmCO、YCO、CeCOPrCO、SmCO17、NdFe14B、Al、α−Si、SiN、CoO、Sb−SnO、Sb、MnO、MnB、Co、CoB、LiTaO、MgO、MgAl、BeAl、ZrSiO、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi、CrSi、CoSi、MnSi1.73、MgSi、β−B、BaC、BP、BaC、BP、TiB、ZrB、HfB、RuSi、TiO(ルチル型)、TiO、PbTiO、AlTiO、ZnSiO、ZrSiO、2MgO−Al−5SiO、Nb、LiO−Al−4SiO、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなど挙げられる。これらは単独または2種以上を混合して使用することができる。
【0085】
本発明で用いるコロイド状無機粒子(B)は有機ポリマーで被覆されていても良い。 有機ポリマーで被覆されたコロイド状無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えばエチレン性不飽和単量体、ラジカル重合性二重結合を有する加水分解性シランを、コロイダルシリカを乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−71316号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、陰イオン性重合性単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法により得られる粒子(例えば、特開昭59−217702号公報に開示)、無機粒子に水溶性高分子化合物を吸着させついでラジカル重合性モノマーの重合物で被覆する方法より得られる粒子(例えば、特開昭60−58237号公報に開示)、エチレン性不飽和単量体、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体をコロイダルシリカの存在下乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平6−199917号公報で開示)、コア/シェル構造を有し、コア中に有機高分子と有機高分子と共有結合していないシリカおよび/またはコロイダルシリカを配し、シェル中に有機高分子を配し、コア有機高分子/シェル有機高分子間に三次元架橋網目構造および/またはIPN構造を形成せしめることにより、コア中のシリカおよび/またはコロイダルシリカを共有結合によることなく物理化学的に粒子内に保持した粒子(例えば、特開平8−290912号公報に開示)、コロイダルシリカ、活性剤および水の存在下、エチレン性不飽和化合物を乳化重合する方法より得られる粒子(例えば、特開平11−1893号公報に開示)、カチオン性残基を介して、コロイド状シリカ粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開平11−209622号公報に開示さ)、直接またはノニオン界面活性剤を介して無機または有機粒子表面にビニル重合体が結合した粒子(例えば、特開2000−290464号公報に開示)、無機または有機粒子表面にノニオン界面活性剤が集合または凝集して沈着しているコロイド状微粒子(例えば、特開2001−335721号公報に開示)などであることが好ましい。
【0086】
本発明において、(B)コロイド状無機粒子は、(A)フェニル基を含むしシリコーン構造を有する水性分散体の固形分100質量部に対し、好ましくは0.1〜95質量部用いられ、より好ましくは0.1〜50質量部、さらに好ましくは0.5〜20質量部用いる。
本発明において、(A)フェニル基を含むしシリコーン構造を有する水性分散体、(B)コロイド状無機粒子、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および(D)アルキレンオキサイド基を含有する界面活性剤を混合する順序はとくに限定されるものではないが、(A)、(B)、(C)、(D)を混合する方法として具体的には、(A)へ(B)、(C)、(D)の順に混合する方法、(A)へ(B)、(D)、(C)の順に混合する方法、(A)へ(C)、(B)、(D)の順に混合する方法、(A)へ(C)、(D)、(B)の順に混合する方法、(A)へ(D)、(B)、(C)の順に混合する方法、(A)へ(D)、(C)、(B)の順に混合する方法、(A)へ、(B)と(C)の混合物、(D)の順に混合する方法、(A)へ、(D)、(B)と(C)の混合物の順に混合する方法、(A)へ、(B)と(D)の混合物、(C)の順に混合する方法、(A)へ、(C)、(B)と(D)の混合物の順に混合する方法、(A)へ、(C)と(D)の混合物、(B)の順に混合する方法、(A)へ、(B)、(C)と(D)の混合物の順に混合する方法、(A)へ、(B)、(C)、(D)の混合物を混合する方法が挙げられる。
【0087】
(A)を製造する際に(C)および/または(D)を使用した具体例としては、(A)を製造する際に(C)および/または(D)を使用し、その後(B)を混合する方法、(A)を製造する際に(C)および/または(D)を使用し、その後(B)、(C)を混合する方法{この場合(C)は同一であっても異なっていてもよい}、(A)を製造する際に(C)および/または(D)を使用し、その後(B)、(D)を混合する方法{この場合(D)は同一であっても異なっていてもよい}、(A)を製造する際に(C)および/または(D)を使用し、その後(B)、(C)、(D)を混合する方法{この場合(C)、(D)は同一であっても異なっていてもよい}が挙げられる。混合する際、室温で混合すること、または90℃を上限として加熱混合することもできる。
【0088】
本発明において、(A)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対し、好ましくは(B)コロイド状無機粒子の固形分が0.1〜95質量部であり、より好ましくは(A)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対し、(B)コロイド状無機粒子の固形分が0.1〜50質量部、さらに好ましくは(A)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対し、(B)コロイド状無機粒子の固形分が0.5〜20質量部である。(B)コロイド状無機粒子がこの範囲内であると得られる塗膜の耐水性が良好であり、かつ塗膜の雨筋が目立たない。
【0089】
本発明において、(A)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対し、好ましくは(C)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.1〜20質量部であり、より好ましくは(A)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対し、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤が0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは(A)水性分散体の樹脂固形分100質量部に対し、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤が1.0〜5質量部である。(C)スルフォコハク酸系界面活性剤がこの範囲内であると得られる塗膜の耐水性が良好であり、かつ塗膜の雨筋が目立たない。また塗液の貯蔵安定性が良好となる。
【0090】
本発明において、混合時にあるいは塗料顔料の前分散時に(C)スルフォコハク酸系界面活性剤や、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤、重合時に加えることのできるその他の界面活性剤の他、必要により以下の界面活性剤を併用することができる。具体的には、例えばヘキサメタリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、トリポリリン酸のナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を持つポリマーのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩。その他、例えば、高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、スルホン酸アルキルアリル、スルホン化ひまし油等の塩に代表されるアニオン性界面活性剤、あるいはエチレンオキサイドと長鎖脂肪アルコールまたはフェノール類、リン酸類との公知の反応生成物に代表されるノニオン性界面活性剤、4級アンモニウム塩等を含有するカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0091】
本発明において(F)フェニル基を含有加水分解性シランの存在下、(E)エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョンであることが好ましい。(F)フェニル基を含有加水分解性シランの存在下で乳化重合させることにより、塗膜の耐汚染性と耐久性の向上を可能としている。
本発明において、(E)エチレン性不飽和単量体および(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤とをプレ乳化液とし、該プレ乳化液と(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物とを混合した後、水性媒体中において、重合されている反応系へ連続的または間欠的に逐次添加することが好ましい。
【0092】
本発明において、(E)エチレン性不飽和単量体および(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤とからなるプレ乳化液は、ホモジナイザー等の高せん断力のかかる撹拌機によりプレ乳化液とするのが好ましい。また任意に水、重合開始剤とともにプレ乳化液とすることができる。
本発明において、(E)エチレン性不飽和単量体および(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤とからなる乳化液とした後、該プレ乳化液と(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物とを連続的または間欠的に混合しながら、水性媒体中において乳化重合することにより得られ、重合は重合されている反応系へ連続的または間欠的に逐次添加することが必要である。
【0093】
本発明において、該プレ乳化液と(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物とを連続的または間欠的に混合しながらという混合方法とは、混合後1分以内、好ましくは30秒以内、さらに好ましくは10秒以内に重合されている反応系へ逐次添加するか、最も好ましくは反応系に添加される直前に混合された後、重合されている反応系へ連続的または間欠的に逐次添加される。
【0094】
このときの該プレ乳化液と(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物の混合方法としてホモジナイザー等を高速回転により高せん断力のかかる撹拌で乳化すると、(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物が加水分解し、アルコール等の発生により乳化液の乳化状態が破壊されてしまう。従って該プレ乳化液と(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物の混合方法は緩やかな撹拌とすることが必要であり、具体的には(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物は、平均粒径で10μm以上の乳化状態に留めるべきで、好ましくは(F)フェニル基含有加水分解性シランまたは(F)フェニル基含有加水分解性シランと併用できる加水分解性シランとの混合物が混合液中で目視可能な平均粒径100μm以上の乳化状態に留めるべきである。
【0095】
本発明において具体的な混合方法としては、例えばスタティックミキサーN10シリーズ、N16シリーズ、N60シリーズ(製品名、ノリタケ(株)製)、その他Y字間の出口末端へ金属網、ラシヒリングあるいは沸石等を充填する方法が挙げられる。インラインミキサーとしては125L、275L(製品名、Silverson Machines,Inc.製)、T.K.パイプラインホモミキサー(製品名、特殊機化工業(株)製)、T.K.ホモミックラインミキサー(製品名、特殊機化工業(株)製)等の撹拌機を利用する場合は、撹拌回転数をできるだけ抑えて使用することも可能である。混合時の温度としては60℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下である。前記条件を満たさない場合には、ラジカル重合性単量体乳化液の酸性あるいは塩基性によって多くの加水分解性シランが加水分解を起こし、プレ乳化液を破壊し、プレ乳化液は単量体層部と水層部とに分離を生じてしまう。その結果、重合中の反応系では多くの凝集物を発生してしまう。
【0096】
本発明のエマルジョンは、乳化重合、すなわちラジカル重合性単量体のラジカル重合による乳化重合と、加水分解性シランの加水分解・縮合反応による乳化重合を同時に水性媒体中で行うことにより得られる。ここにいう水性媒体としては、主に水が用いられるが、炭素数1〜3の低級アルコールまたはアセトンなどの水に可溶な溶媒を水に 添加したものも含む。この際添加する水以外の溶媒の量はエマルジョン中に20%以下であることが好ましい。
【0097】
(F)フェニル基含有加水分解性シランの存在下、(E)エチレン性不飽和単量体を乳化重合するには、乳化重合中の乳化重合系の水素イオン濃度(pH)は、pH4.0以下で実施することが好ましく、さらにpH1.5以上3.5以下が好ましい。上限以下で乳化重合を実施することにより、加水分解性シランの縮合反応が促進し、乳化重合後は縮合反応が進まないため、製品としての貯蔵安定性が良くなる。
【0098】
乳化重合においては、ラジカル重合触媒として、熱または還元性物質などによってラジカル分解してエチレン性不飽和単量体の付加重合を起こさせることができ、水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物などを有利に使用することができる。
その例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など挙げることができるが、加水分解性シランの加水分解反応および縮合反応を促進させるための触媒としても効果のある過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。ラジカル重合触媒の量としては、(E)エチレン性不飽和単量体の質量に対して通常0.05質量%〜1質量%を用いることができる。
【0099】
通常、重合反応は常圧下、65〜90℃の重合温度で行うことが好ましいが、モノマーの重合温度における蒸気圧などの特性に合わせ、高圧下でも実施することができる。重合時間としては、導入時間と、導入後の熟成(cooking)時間がある。導入時間は、各種原料を反応系へ同時に導入する場合は通常数分であり、各種原料を反応系へ逐次導入する場合は重合による発熱が除熱可能な範囲で反応系へ逐次導入するため、最終的に得られるエマルジョン中の重合体濃度によっても異なるが、通常10分以上である。導入後の熟成時間としては、少なくとも10分以上であることが好ましい。この重合時間以下では、各原料がそのまま残留したり、加水分解性シランが縮合せずに加水分解物のまま残留してしまう恐れがある。
【0100】
なお、重合速度の促進、および70℃以下での低温での重合が望まれるときには、例えば重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリットなどの還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。さらに、分子量を調整するために、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動剤を任意に添加することも可能である。
なお、加水分解性シランを用いた乳化重合において、乳化重合終了後、成膜時の硬化触媒として、例えばジブチルすずジラウレート、ジオクチルすずジラウレート、ジブチルすずジアセテート、オクチル酸すず、ラウリン酸すず、オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、テトラブチルチタネートなどの有機酸の金属塩、n−ヘキシルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどのアミン化合物を、本発明の高耐久性エマルジョンへ添加することができる。なおこれらの硬化用触媒が水溶性でない場合には、その使用に際して、界面活性剤と水を用いてエマルジョン化しておくことが望ましい。
【0101】
本発明に係わるエマルジョンは、分散質の平均粒子径として、10〜1000nmであることが好ましい。
本発明に係わるエマルジョンの各々の不揮発分としては、20〜70%であることが好ましく、30〜65%であることがさらに好ましい。
本発明の上塗り用組成物、または下塗り用組成物は、エマルジョンの長期の分散安定性を保つため、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ジメチルアミノエタノールなどのアミン類を用いてpH5〜10の範囲に調整することが好ましい。
【0102】
その他、本発明の水性汚染防止被覆組成物には、通常水系塗料に添加配合される成分、例えば、増粘剤、成膜助剤、可塑剤、凍結防止剤、消泡剤、染料、防腐剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を任意に配合することができる。
増粘剤として具体的には、(部分鹸化)ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の高分子分散安定剤等、その他ポリエーテル系、ポリカルボン酸系増粘剤等が挙げられる。
【0103】
成膜助剤として具体的には、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート、グルタル酸ジイソプロピル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、等が挙げられる。これら成膜助剤は、単独または併用など任意に配合することができる。
【0104】
可塑剤として具体的には、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル等が挙げられる。
凍結防止剤として具体的には、プロピレングリコール、エチレングルコール等が挙げられる。
紫外線吸収剤にはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系があり、非反応型ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ステアリルオキシベンゾフェノンなどがある。
【0105】
ラジカル重合性ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤として具体的には、2−ヒドロキシ−4−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−アクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メタクリロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−エトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタクリロキシ−ジエトキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(アクリロキシ−トリエトキシ)ベンゾフェノンなどがある。
【0106】
非反応型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α’−ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール)、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとポリエチレングリコール(分子量300)との縮合物(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN1130)、イソオクチル−3−〔3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN384)、2−(3−ドデシル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN571)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN900)などがある。
【0107】
ラジカル重合性ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤として具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学(株)製、製品名:RUVA−93)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチル−3−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリリルオキシプロピル−3−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、3−メタクリロイル−2−ヒドロキシプロピル−3−〔3’−(2’’−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル〕フェニルプロピオネート(日本チバガイギー(株)製、製品名:CGL−104)などがある。
【0108】
非反応型トリアジン系紫外線吸収剤として具体的には、TINUVIN400(製品名、日本チバガイギー(株)製)などがある。
非反応型光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤の中で塩基性の低いものが好ましく、具体的には塩基定数(pKb)が8以上のものが好ましい。
具体的には、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)サクシネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、1−〔2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−セバケートの混合物(日本チバガイギー(株)製、製品名:TINUVIN292)、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、TINUVIN123(製品名、日本チバガイギー(株)製)などがある。
【0109】
ラジカル重合性ヒンダードアミン系光安定剤として具体的には、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルアクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、2,2,6,6,−テトラメチル−4−イミノピペリジルメタクリレート、4−シアノ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−シアノ−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートなどがある。
【0110】
本発明において、紫外線吸収剤および/または光安定剤は、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体を製造する乳化重合時に存在させることにより(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体に導入する方法、紫外線吸収剤および/または光安定剤を成膜助剤などと混合して(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体に添加することにより導入する方法、紫外線吸収剤および/または光安定剤を成膜助剤と混合し、界面活性剤、水を加え乳化させた後、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体に添加することにより導入する方法が挙げられる。また、紫外線吸収剤と光安定剤を併用すると、相乗効果により卓越した耐久性を示す。
【0111】
本発明の好ましい1つの態様は、(E)エチレン性不飽和単量体が同じか異なった(E)および(E)よりなり、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤が、互いに同じか異なった界面活性剤(C)および/または(D)、(C)および/または(D)よりなり、上記乳化重合をステップ(1)、ステップ(2)の順で行い、ステップ(1)においては(E)エチレン性不飽和単量体を、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤乳化剤の存在下、水性媒体中において乳化重合に付すことにより、ステップ(1)エマルジョンを得、ステップ(2)においては、(E)エチレン性不飽和単量体を、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤乳化剤を、必要に応じて水性媒体と共に、ステップ(1)エマルジョンに添加することによって、乳化重合を行い、(F)フェニル基含有加水分解性シランを使用しシリコーン変性することによって、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体を得る。得られた(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体に(B)コロイド状無機粒子、必要に応じて(C)スルフォコハク酸系界面活性剤、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を配合することにより水性汚染防止被覆組成物が提供される。
【0112】
また、本発明の好ましいもう1つの態様は、(E)エチレン性不飽和単量体が同じか異なった(E)、(E)および(E)よりなり、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤が、互いに同じか異なった界面活性剤(C)および/または(D)、(C)および/または(D)(C)および/または(D)よりなり、上記乳化重合をステップ(1)、ステップ(2)、ステップ(3)の順で行い、ステップ(1)においては(E)エチレン性不飽和単量体を、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤乳化剤の存在下、水性媒体中において乳化重合し、(F)フェニル基含有加水分解性シランを使用しシリコーン変性することにより、ステップ(1)エマルジョンを得、ステップ(2)においては、(E)エチレン性不飽和単量体を、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤乳化剤を、必要に応じて水性媒体と共に、ステップ(1)エマルジョンに添加することによって、乳化重合を行いステップ(2)エマルジョンを得、ステップ(3)においては、(E)エチレン性不飽和単量体を、(C)スルフォコハク酸系界面活性剤および/または(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤乳化剤を、必要に応じて水性媒体と共に、ステップ(2)エマルジョンに添加することによって、乳化重合を行い、(F)フェニル基含有加水分解性シランを使用しシリコーン変性することによって、(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体を得る。得られた(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体に(B)コロイド状無機粒子、必要に応じて(C)スルフォコハク酸系界面活性剤、(D)アルキレンオキサイド基を含む界面活性剤を配合することにより水性汚染防止被覆組成物が提供される。
【0113】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部および%は、それぞれ質量部および質量%を示す。また、得られた水性汚染防止被覆組成物の物性試験については、該水性汚染防止被覆組成物を用いて下記に示す配合組成で塗料を調整し、以下に示す試験方法に従って試験を実施した。
<塗料配合組成>
Figure 0004428611
上記、配合物を卓上サンドミルにて20分分散させ、顔料ディスパージョンを得た。
Figure 0004428611
【0114】
<試験方法>
・水性分散体等の固形分
水性分散体等固形分測定対象物を105℃にて3時間乾燥させた後の乾燥質量である。
・水性分散体等の固形分率の測定
予め質量の分かっているアルミ皿に、約1gの水性分散体等固形分率測定対象物を正確に秤量し、恒温乾燥機で105℃にて3時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中で、30分放冷後に精秤する。当該物質の乾燥後質量を乾燥前質量で割ったものを固形分率とした。
・塗膜の水接触角
上記クリアー塗料配合物をガラス板上に、乾燥膜厚100g/mとなるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。試験体の水接触角を、協和界面科学(株)製CA−X150型接触角測定器にて測定した。
【0115】
・雨染み汚染性
図1に示したアルマイト板上に、各実施例、比較例の配合物を塗料としたものを、乾燥膜厚100g/m となるようにワイヤーコーターで塗布し、室温にて4週間乾燥させて試験体を得た。この試験体を屋外にて地面に塗膜面が垂直に、かつ北方向になるように固定し、曝露開始後3カ月後について雨染み汚染を目視判定した。判定基準は以下の通り。
◎;雨筋が全く見られない。
〇;全体の汚れてはいるが、雨筋が見られない。
△;全体の汚れ、やや雨筋が見られる。
×;雨筋が著しく見られる。
【0116】
[水性分散体の製造例1]
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)〕を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。反応容器に水296部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10部添加した5分後に、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸シクロヘキシル50部、アクリル酸ブチル15部、メタクリル酸10部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ペレックスOT−P(有効分:約70%)、花王(株)製)を3部、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤(製品名:アデカリアソープSR−1025A(有効分:約25%)、旭電化工業(株)製)を4部、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液5部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15部、水44部からなる乳化混合液を滴下槽より40分かけて流入させる。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0117】
次に、メタクリル酸メチル109部、メタクリル酸シクロヘキシル160部、アクリル酸ブチル123部、メタクリル酸8部、ペレックスOT−Pを11部、アデカリアソープSR−1025Aを16部、エマルゲン120の20%水溶液20部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60部、水177部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、メチルトリメトキシシラン20部、ジフェニルジメトキシシラン20部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して160分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保つ。
【0118】
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.06%とわずかであった。得られたアクリル系エマルジョンの固形分率は44.7%、粒子径98nmで単一分布であった。
【0119】
[水性分散体の製造例2]
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)〕を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。反応容器に水296部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10部添加した5分後に、メタクリル酸メチル32部、メタクリル酸シクロヘキシル60部、メタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル74部、メタクリル酸4部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)8部、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤(製品名:アクアロンアKH−1025(有効分:約25%)、第一工業製薬(株)製)を8部、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水86部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、フェニルトリメトキシシラン10部、ジフェニルジメトキシシラン10部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0120】
次に、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸シクロヘキシル50部、メタクリル酸ブチル15部、アクリル酸ブチル9部、メタクリル酸10部、ラテムルS−180Aを4部、アクアロンアKH−1025を4部、エマルゲン120の20%水溶液を5部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15部、水43部からなる乳化混合液を滴下槽より40分かけて流入させる。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0121】
次に、メタクリル酸メチル42部、メタクリル酸シクロヘキシル100部、メタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル24部、メタクリル酸4部、ラテムルS−180Aを8部、アクアロンアKH−1025を8部、エマルゲン120の20%水溶液を10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水86部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、フェニルトリメトキシシラン10部、ジフェニルジメトキシシラン10部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保つ。
【0122】
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであった。得られたアクリル系エマルジョンの固形分率は45.2%、粒子径98nmで単一分布であった。
【0123】
[水性分散体の製造例3]
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)〕を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。反応容器に水296部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10部添加した5分後に、メタクリル酸メチル32部、メタクリル酸シクロヘキシル60部、メタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル74部、メタクリル酸4部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)8部、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤(製品名:アクアロンアKH−1025(有効分:約25%)、第一工業製薬(株)製)を8部、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水86部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、メチルトリメトキシシラン5部、フェニルトリメトキシシラン5部、ジフェニルジメトキシシラン10部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0124】
次に、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸シクロヘキシル50部、メタクリル酸ブチル15部、アクリル酸ブチル9部、メタクリル酸10部、ラテムルS−180Aを4部、アクアロンアKH−1025を4部、エマルゲン120の20%水溶液を5部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15部、水43部からなる乳化混合液を滴下槽より40分かけて流入させる。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0125】
次に、メタクリル酸メチル42部、メタクリル酸シクロヘキシル100部、メタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル24部、メタクリル酸4部、ラテムルS−180Aを8部、アクアロンアKH−1025を8部、エマルゲン120の20%水溶液を10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水86部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、メチルトリメトキシシラン5部、フェニルトリメトキシシラン5部、ジフェニルジメトキシシラン10部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保つ。
【0126】
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであった。得られたアクリル系エマルジョンの固形分率は45.3%、粒子径100nmで単一分布であった。
【0127】
[水性分散体の製造例4]
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)〕を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。反応容器に水296部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10部添加した5分後に、メタクリル酸メチル32部、メタクリル酸シクロヘキシル60部、メタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル74部、メタクリル酸4部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(製品名:TINUVIN384、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製)1部、ヒンダードアミン系光安定剤(製品名:TINUVIN123、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)1部の混合物とスルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:エアロゾルOT−75(有効分:約75%)、三井サイテック(株)製)を5.5部、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤(製品名:ラテムルPD−104(有効分:約20%)、花王(株)製)を10部、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液を10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水86.5部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、メチルトリメトキシシラン10部、ジフェニルジメトキシラン10部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0128】
次に、メタクリル酸メチル16部、メタクリル酸シクロヘキシル50部、メタクリル酸ブチル15部、アクリル酸ブチル9部、メタクリル酸10部、TINUVIN384を0.5部、TINUVIN123を0.5部の混合液とエアロゾルOT−75を3部、ラテムルPD−104を5部、エマルゲン120の20%水溶液を5部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15部、水43部からなる乳化混合液を滴下槽より40分かけて流入させる。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0129】
次に、メタクリル酸メチル42部、メタクリル酸シクロヘキシル100部、メタクリル酸ブチル30部、アクリル酸ブチル24部、メタクリル酸4部、TINUVIN384を1部、TINUVIN123を1部の混合物とエアロゾルOT−75を5.5部、ラテムルPD−104を10部、エマルゲン120の20%水溶液を10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水86.5部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、メチルトリメトキシシラン10部、ジフェニルジメトキシラン10部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保つ。
【0130】
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.05%とわずかであった。得られたアクリル系エマルジョンの固形分率は45.4%、粒子径99nmで単一分布であった。
【0131】
[水性分散体の製造例5]
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)〕を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。反応容器に水296部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10部添加した5分後に、メタクリル酸メチル35部、メタクリル酸シクロヘキシル60部、アクリル酸ブチル101部、メタクリル酸4部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ペレックスOT−P(有効分:約70%)、花王(株)製)を6部、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤(製品名:アクアロンアKH−1025(有効分:約25%)、第一工業製薬(株)製)を16部、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液を10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水82部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、メチルトリメトキシシラン45部、ジフェニルジメトキシシラン15部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0132】
次に、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸シクロヘキシル50部、アクリル酸ブチル15部、メタクリル酸10部、ペレックスOT−Pを3部、アクアロンKH−1025を8部、エマルゲン120の20%水溶液を5部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15部、水41部からなる乳化混合液を滴下槽より40分かけて流入させる。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0133】
次に、メタクリル酸メチル49部、メタクリル酸シクロヘキシル100部、アクリル酸ブチル47部、メタクリル酸4部、ペレックスOT−Pを6部、アクアロンKH−1025を16部、エマルゲン120の20%水溶液を10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液30部、水82部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.5部、メチルトリメトキシシラン45部、ジフェニルジメトキシシラン15部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して80分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保つ。
【0134】
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.12%とわずかであった。得られたアクリル系エマルジョンの固形分率は45.5%、粒子径102nmで単一分布であった。
【0135】
[水性分散体の製造例6]
撹拌機、還流冷却器、2つ滴下槽および温度計を取り付けた反応容器を用意し、2つ滴下槽はY字管〔Y字管の出口には100メッシュの金網を詰め2つ滴下槽の液が混じり合うところまで、モレキュラシーブス3A(製品名:和光純薬(株)製)〕を充填し、ラジカル重合性単量体を含むプレ乳化液と加水分解性シランとの緩やかな混合ができるように調整した。〕を介して反応系へ流入できるように組み立てた。反応容器に水296部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)4部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液を10部添加した5分後に、メタクリル酸メチル25部、メタクリル酸シクロヘキシル50部、アクリル酸ブチル15部、メタクリル酸10部、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ペレックスOT−P(有効分:約70%)、花王(株)製)を3部、アルキレンオキサイド基を含むアニオン性界面活性剤(製品名:アデカリアソープSR−1025A(有効分:約25%)、旭電化工業(株)製)を4部、アルキレンオキサイド基を含むノニオン性界面活性剤(製品名:エマルゲン120、花王(株)製)の20%水溶液5部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液15部、水44部からなる乳化混合液を滴下槽より40分かけて流入させる。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして30分保つ。
【0136】
次に、メタクリル酸メチル109部、メタクリル酸シクロヘキシル160部、アクリル酸ブチル123部、メタクリル酸8部、ペレックスOT−Pを11部、アデカリアソープSR−1025Aを16部、エマルゲン120の20%水溶液20部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液60部、水177部からなる乳化混合液、およびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、メチルトリメトキシシラン20部、ジメチルジメトキシシラン20部からなる混合液とを別々の滴下槽より上記のY字管を介して160分かけて流入させる。シリコーン変性反応中のpHは4以下に維持した。流入中は反応容器の温度を80℃に保つ。流入が終了してから反応容器の温度を80℃にして120分保つ。
【0137】
室温まで冷却後、水素イオン濃度を測定したところpH2.0であった。25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網でろ過した。ろ過された凝集物の乾燥質量は全単量体に対して0.06%とわずかであった。得られたアクリル系エマルジョンの固形分率は44.5%、粒子径96nmで単一分布であった。
【0138】
[実施例1]
水性分散体の製造例1により得られた水性分散体について、前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0139】
[実施例2]
水性分散体の製造例1により得られた水性分散体223.7部に、コロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率42.8%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した、各試験を行い、結果を表1に示した。
【0140】
[実施例3]
水性分散体の製造例1により得られた水性分散体223.7部に、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ラテムルS−180A(有効分:約50%)、花王(株)製)2部、コロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.0%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0141】
[実施例4]
水性分散体の製造例2により得られた水性分散体221.2部に、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ペレックスOT−P(有効分:約70%)、花王(株)製)3部、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.5%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0142】
[実施例5]
水性分散体の製造例3により得られた水性分散体220.8部に、スルフォコハク酸系界面活性剤(製品名:ペレックスOT−P(有効分:約70%)、花王(株)製)を3部、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.6%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0143】
[実施例6]
水性分散体の製造例4により得られた水性分散体220.3部に、コロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.4%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0144】
[実施例7]
水性分散体の製造例4により得られた水性分散体について、前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0145】
[実施例8]
水性分散体の製造例5により得られた水性分散体219.8部にコロイダルシリカ(製品名:アデライトAT−30A、旭電化工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率43.5%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0146】
[比較例1]
水性分散体の製造例6により得られた水性分散体について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0147】
[比較例2]
水性分散体の製造例6により得られた水性分散体224.7部に、コロイダルシリカ(製品名:スノーテックス−30、日産化学工業(株)製)33.3部の順に均一に混合して、固形分率42.6%の水性汚染防止被覆組成物を得た。この水性汚染防止被覆組成物について前記した各試験を行い、結果を表1に示した。
【0148】
【表1】
Figure 0004428611
【0149】
【発明の効果】
本発明の水性汚染防止被覆組成物は、水系塗料に利用され、該組成物からなる塗膜が屋外に曝露されたとき雨筋状汚染を低減でき、とくに塗膜形成直後からの汚れが防止でき、および雨筋状汚染の低減化を長期にわたり維持することができる。またその塗液の貯蔵安定性は良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例で用いた屋外曝露板の形状の概略図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
INDUSTRIAL APPLICABILITY The present invention is useful as a paint, a finish coating material, and the like. Specifically, it is applied as a top coat for a building, steel structure, building material, mortar, concrete, plastic, automobile paint, a building finish coating material, etc. In addition, the present invention relates to an aqueous coating composition having excellent antifouling properties that can be used in various applications as a clear coat agent, a top coat agent, a paint, and the like that are directly applied to building materials, mortar, concrete, steel materials, automobiles, and plastics.
[0002]
[Prior art]
In recent years, rain streaks or raindrop contamination found on the walls of buildings has occurred in places where rainwater flows down, and the difference in dirt from places without rain streaks can damage the aesthetics of buildings. Has been. Usually, this rain stripe contamination can be prevented by increasing the hydrophilicity of the coating surface. In solvent-based paints, a technique has been proposed in which alkoxysilane is coordinated to the surface of the coating film and hydrolyzed with time to render the coating film surface hydrophilic. The problem with this technology is that the degree of hydrolysis depends on the weather conditions for about one month immediately after the formation of the coating film, so that the hydrolysis is delayed especially when the dry condition continues, and the coating film becomes dirty. There were drawbacks.
[0003]
As a method for preventing this rain streak contamination in water-based paints, Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-52974 proposes that by adding a specific solvent to an aqueous emulsion, the water contact angle of the coating film can be reduced and rain streaks can be reduced. However, the effect was not sufficient, and it was not sufficient to maintain the effect for a long time.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-46099 proposes that rain stripes can be reduced by emulsion polymerization with a specific unsaturated monomer and a polymerizable surfactant, but it is sufficient to maintain the effect over a long period of time. There wasn't.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-298489 proposes that a specific block copolymer crosslinking agent and dihydrazide compound crosslinking agent can be used in combination, and rain stripes can be reduced by a crosslinked coating film with a polycarbonyl compound. It was not good and its sustainability was not enough.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-217480 discloses a method of using an oxyalkylene group as a polymerization emulsifier, but it is not sufficient for preventing contamination.
Japanese Patent Laid-Open No. 54-13938 proposes a method of applying a top coating of a mixture of an acrylic resin and colloidal silica onto a coating film of a colloidal silica aqueous dispersion inorganic coating containing an inorganic filler. However, sufficient surface hardness and contamination were not obtained with the top coating alone.
JP-A-7-26165 proposes blending colloidal silica into an emulsion obtained by emulsion polymerization using a reactive surfactant for the purpose of improving heat blocking resistance and coating solution storage stability. However, the amount of colloidal silica added was large, and the resulting coating film had insufficient water resistance.
[0005]
JP-A-56-57860 discloses an ethylenic coating for the purpose of improving adhesion as an undercoat for inorganic building materials, and JP-A-11-116885 for the purpose of imparting stain resistance to a paint film. It has been proposed to blend an emulsion obtained by copolymerizing an alkoxysilane having a group at the time of emulsion polymerization with colloidal silica. Therefore, when a large amount of emulsifier is added, the water resistance of the coating film is not sufficient.
In Japanese Patent Publication No. 3-47669, the amount of colloidal silica added to the emulsion is large, the water resistance of the resulting coating film is not sufficient, and if the mixed coating liquid of the emulsion and colloidal silica is stored, it causes agglomeration and coating. It became impossible.
In JP-A-7-118573, it is proposed to coat a blend of colloidal silica-containing emulsion and colloidal silica for the purpose of anti-slip properties. However, when used in paints, sufficient gloss cannot be obtained. It was.
[0006]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-217702 proposes an aqueous dispersion resin composition obtained by emulsion polymerization in the presence of colloidal silica and a polymerizable monomer capable of emulsification. However, polymerization stability and water resistance are proposed. However, the content of colloidal silica was low and the low contamination was not achieved.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-1893 proposes an aqueous coating composition obtained by emulsion polymerization of colloidal silica, an ethylenically unsaturated compound in the presence of an activator and water. Many have poor polymerization stability and water resistance.
JP-A-9-165554 discloses a composition comprising a latex containing a large amount of dimethylsiloxane units and containing a keto group, a hydrazide compound, and colloidal silica. Requires a large amount of colloidal silica in the coating liquid, so that the storage stability of the coating liquid is not sufficient.
Japanese Patent Laid-Open No. 10-168393 discloses a composition comprising a keto group and silanol group-containing emulsion, a hydrazide compound, and colloidal silica surface-treated with a hydrolyzable silane. Requires a large amount of surface-treated colloidal silica in the coating liquid, so that the storage stability of the coating liquid was not sufficient.
[0007]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-335721 discloses a composition in which a colloidal silica whose surface is coated with a nonionic surfactant or a vinyl polymer and an emulsion are blended. In order to maintain stability, many surfactants are disclosed. As a result, the water resistance is poor. Also, the stability was not sufficient.
JP-A-2000-319579 discloses water-dispersed particles made of a vinyl polymer crosslinked with phenyl group-containing polysiloxane units, but the water resistance is not sufficient and the water contact angle of the coating film is low. It did not become a thing.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-9-52974
[Patent Document 2]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-46099
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-298489
[Patent Document 4]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-217480
[Patent Document 5]
JP 54-139938 A
[Patent Document 6]
JP-A-7-26165
[Patent Document 7]
JP-A-56-57860
[Patent Document 8]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-116885
[Patent Document 9]
Japanese Patent Publication No. 3-47669
[Patent Document 10]
JP-A-7-118573
[Patent Document 11]
JP 59-217702 A
[Patent Document 12]
JP-A-11-1893
[Patent Document 13]
JP-A-9-165554
[Patent Document 14]
Japanese Patent Laid-Open No. 10-168393
[Patent Document 15]
JP 2001-335721 A
[Patent Document 16]
JP 2000-319579 A
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
It is an object of the present invention to reduce rain streak contamination and rain stain contamination when exposed outdoors in a paint film made of a water-based paint, and in particular, prevent contamination immediately after the paint film is formed. It is an object of the present invention to provide a water-based antifouling coating composition having excellent durability and excellent storage stability of a coating liquid.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive investigations to solve the above problems, the present inventors have found that a coating obtained from a composition comprising a specific aqueous dispersion, colloidal inorganic particles, and a specific surfactant is used. It has been found that the film can reduce the contact angle with respect to water to 75 ° or less and can exhibit the effect of reducing rain streak-like contamination and rain stain contamination of the coating film, thereby completing the present invention.
[0011]
  That is, according to the first aspect of the present invention, (A) an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group comprises (F) a phenyl group-containing hydrolyzable silane and a silane having a silicone structure represented by the following formula (b): (E) an acrylic emulsion obtained by emulsion polymerization of an ethylenically unsaturated monomer in the presence,Water of the coating film formed by containing 0.5 to 10 parts by mass of (C) sulfosuccinic acid-based surfactant with respect to 100 parts by mass of resin solid content of the aqueous dispersion, without containing particles having photocatalytic activity. Contact angle is 75 ° or lessA water-based antifouling coating composition characterized by the above.
    (R1  )n  -Si- (R2  )4 - n                      (B)
(Wherein n is an integer of 0, 1 or 3, R1Is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 16 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms other than a phenyl group, a cycloalkyl group having 5 to 6 carbon atoms, a vinyl group, and an acrylic acid having 1 to 10 carbon atoms. It is selected from an alkyl group or an alkyl methacrylate group having 1 to 10 carbon atoms. The n R1s may be the same or different. R2Is selected from an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an acetoxy group or a hydroxyl group. 4-n R2 may be the same or different. )
  The second aspect of the present invention is that (A) an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group is (B) colloidal inorganic particles.(Excluding particles with photocatalytic activity)A first water-based antifouling coating composition of the invention characterized by comprising:
  According to a third aspect of the present invention, (A) the aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group contains (D) a surfactant having an alkylene oxide group. Coating composition.
  4th of this invention is 1.0-5 mass with respect to 100 mass parts of resin solid content of the aqueous dispersion in which (C) sulfosuccinic-acid type-surfactant contains (A) phenyl group and has a silicone structure. The water-based antifouling coating composition according to any one of the first to third aspects of the invention, characterized in that it is used in part.
[0012]
  First of the present invention5(B) The colloidal inorganic particles are colloidal silica.4The water-based antifouling coating composition according to any one of the above.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the present invention, in order to reduce the water contact angle of the coating film, (A) an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group is essential.
Examples of the aqueous dispersion having a silicone structure containing (A) a phenyl group in the present invention include those in which the aqueous dispersion is an acrylic emulsion, a urethane emulsion, a fluorine emulsion, and the like. Preferably there is. Acrylic emulsions are less expensive than urethane emulsions, and even when used alone, they have good stain resistance. Acrylic emulsions are cheaper than fluorine emulsions, and have good recoatability and stain resistance.
[0014]
The acrylic emulsion of the present invention is an emulsion of a polymer containing a structure obtained by polymerizing acrylic acid ester or methacrylic acid ester, and the structure of silicone, silanol group or alkoxysilane group coexists in the emulsion particles. Any emulsion can be used.
For example, an aqueous emulsion obtained by adding a polymerization catalyst and an acrylate monomer to a siloxane emulsion obtained by dehydration condensation emulsion polymerization of alkoxysilane and copolymerizing siloxane and acrylate under acidic conditions. (For example, it can be produced in the same manner as Japanese Patent Publication No. 51-25369).
[0015]
Also, polysiloxane composite polymer particles in which polysiloxane is compounded by allowing the organic polymer particles to absorb alkoxysilane and then proceeding the condensation reaction can be produced in the same manner as in JP-A-3-45628, for example. ).
In addition, a room temperature cross-linking emulsion obtained by emulsion polymerization of a (meth) acrylic acid alkyl ester and an alkoxysilane group-containing polymerizable monomer at a temperature of 60 ° C. or less using a redox catalyst at a pH of 5 to 8 (for example, Can be produced in the same manner as in JP-A-3-227312.
[0016]
In addition, an emulsion copolymer obtained by emulsion copolymerization with another vinyl monomer copolymerizable with a specific organosiloxane (for example, it can be produced in the same manner as in JP-A-4-202515) can be mentioned. It is done.
In addition, it is obtained by mixing a silicone-containing acrylate copolymer emulsion and an acrylic emulsion obtained by emulsion polymerization of a monomer composition comprising a silicone-based macromonomer, (meth) acrylate, and a copolymerizable monomer. And an aqueous topcoat agent (for example, it can be produced in the same manner as in JP-A-5-194911).
[0017]
Also, emulsion polymerization of a cycloalkyl group-containing polymerizable monomer, a (meth) acrylic acid alkyl ester, and a polymerizable monomer having an alkoxysilane group at a temperature of 60 ° C. or less at a temperature of 60 ° C. or less using a redox catalyst. And a synthetic resin aqueous emulsion for durable paints (for example, it can be produced in the same manner as in JP-A-6-122734).
Alkyl (meth) acrylate and ethylenically unsaturated monomer in the presence of polyorganosilane polymer emulsion obtained by cocondensation of alkoxysilane, cyclic siloxane and polymerizable monomer having alkoxysilane group And a polysilane composite polymer emulsion obtained by condensation reaction of alkoxysilane and cyclic siloxane in the presence of the polyorganosilane polymer emulsion obtained by this polymerization (for example, as in JP-A-6-157758) Can be manufactured).
[0018]
In addition, the monomer composition of the core part of the emulsion particles is composed of a vinyl monomer having a silyl group, a cycloalkyl methacrylate, and another vinyl monomer that is not hydrophilic, and the monomer of the outermost shell part of the emulsion The composition consists of a vinyl monomer having a silyl group, another vinyl monomer that is not cycloalkyl methacrylate hydrophilic, and a hydrophilic vinyl monomer. These monomer components are obtained by multi-stage emulsion polymerization. Obtained emulsion (for example, it can be produced in the same manner as in JP-A-6-306123).
[0019]
In the present invention, (A) a phenyl group-containing polysiloxane emulsion is preferably used as the substance having a silicone structure containing a phenyl group. Examples of the method for producing the emulsion include ring-opening emulsion polymerization of phenyl group-containing cyclic low molecular siloxane, a method of reacting phenyl group-containing alkoxysilane during cyclic low-molecular alkylsiloxane ring-opening emulsion polymerization, Examples thereof include a mechanical emulsification method. From the viewpoint of adjusting the phenyl group content and controlling the particle size of the polysiloxane emulsion, the ring-opening emulsion polymerization of the phenyl group-containing cyclic low molecular siloxane is reacted with the phenyl group-containing alkoxysilane during the cyclic low molecular siloxane ring-opening emulsion polymerization. The method is preferably used. Emulsion polymerization of a cyclic low molecular siloxane compound is carried out by ring-opening in an emulsion dispersion system using a strong acid or strong alkali as a catalyst, and an aqueous dispersion of terminal silanol group polymer polysiloxane is obtained. This method is publicly known (Japanese Patent Publication No. 41-13995, Japanese Patent Publication No. 44-20116) and is widely put into practical use. This method can also be applied to the polymerization in the present invention. As the method for producing the aqueous dispersion having a silicone structure containing (A) phenyl group, a method of redistributing siloxane in an acidic state during or after radical polymerization can also be used. (A) The substance having a silicone structure containing a phenyl group is preferably a condensate of (F) a phenyl group-containing hydrolyzable silane. And (A) an acrylic emulsion obtained by emulsion polymerization of (E) an ethylenically unsaturated monomer in the presence of (F) a phenyl group-containing hydrolyzable silane, in which an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group. It is preferable that (F) By carrying out emulsion polymerization in the presence of a phenyl group-containing hydrolyzable silane, the water contact angle of the coating film is reduced, and the coating film can be made highly durable.
[0020]
In the present invention, the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane specifically includes phenyltrimethoxysilane and phenyltriethoxysilane as trialkoxyphenylsilane, and dimethoxymethylphenylsilane and diethoxy as dialkoxyphenylsilane. Examples include methylphenylsilane, dimethoxydiphenylsilane, and diethoxydiphenylsilane. Examples of monoalkoxyphenylsilane include diphenylethoxymethylsilane, ethoxytriphenylsilane, diphenylmethoxymethylsilane, and methoxytriphenylsilane. Examples include alkoxysilane oligomers containing, alkoxysilane oligomers containing diphenylsiloxane units, and linear siloxanes containing phenyl groups and hydrolyzing groups. Is, phenyl silane triol as phenyl silanol, diphenyl silane diol, triphenyl silanol. Among them, as the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane, it is possible to reduce the water contact angle of the coating film and impart flexibility to the coating film by using one containing diphenylsilane units. Therefore, it is preferable. As the phenyl group-containing hydrolyzable silane containing diphenylsilane units, specifically, dialkoxyphenylsilane dimethoxydiphenylsilane, diethoxydiphenylsilane, diphenylsilanediol, alkoxysilane oligomer containing diphenylsiloxane unit, phenyl group And linear siloxane having a hydrolyzable group.
[0021]
Examples of the phenyl group-containing cyclic low molecular siloxane include hexaphenylcyclotrisiloxane, 1,3,5,7-tetramethyl-1,3,5,7-tetraphenylcyclotetrasiloxane, and octaphenylcyclotetrasiloxane.
Examples of the linear siloxane containing a phenyl group and having a hydrolyzable group include compounds represented by the following general formulas (1), (2), and (3).
[0022]
[Chemical 1]
Figure 0004428611
[0023]
[Chemical 2]
Figure 0004428611
[0024]
[Chemical Formula 3]
Figure 0004428611
[0025]
(Wherein R1 10% or more of the1Is 90% or less of hydrogen, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 16 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms other than a phenyl group, a cycloalkyl group having 5 to 6 carbon atoms, a vinyl group, and 1 to 10 carbon atoms. Selected from an alkyl acrylate group or an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, and each R2 Are each independently selected from an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an acetoxy group, a hydroxyl group, an epoxy group, an alkylene oxide group or a polyalkylene oxide group, and m represents a positive integer of 1 to 999. )
[0026]
Examples of the alkoxysilane oligomer containing a phenyl group include KR-9218, KR-213, KR-510, X-40-9227, and X-40-9247 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.
In the present invention, the hydrolyzable silane that can be used in combination with the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane is represented by the following formula (a): a silane having a siloxane structure, a cyclic silane, and a linear siloxane having a hydrolyzable group. To be elected.
(R1)n-Si- (R2)4-n                    (A)
(Wherein n is an integer of 0 to 3 and R1Is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 16 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms other than a phenyl group, a cycloalkyl group having 5 to 6 carbon atoms, a vinyl group, and an acrylic acid having 1 to 10 carbon atoms. It is selected from an alkyl group or an alkyl methacrylate group having 1 to 10 carbon atoms. n R1May be the same or different. R2Is selected from an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an acetoxy group or a hydroxyl group. 4-n R2May be the same or different. )
[0027]
Preferably, (F) the hydrolyzable silane that can be used in combination with the phenyl group-containing hydrolyzable silane is selected from silanes having a silicone structure represented by the following formula (b), thereby reducing the water contact angle of the coating film. .
(R1)n-Si- (R2)4-n                    (B)
(Wherein n is an integer of 0, 1 or 3, R1Is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 16 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms other than a phenyl group, a cycloalkyl group having 5 to 6 carbon atoms, a vinyl group, and an acrylic acid having 1 to 10 carbon atoms. It is selected from an alkyl group or an alkyl methacrylate group having 1 to 10 carbon atoms. n R1May be the same or different. R2Is selected from an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an acetoxy group or a hydroxyl group. 4-n R2May be the same or different. )
[0028]
R of tetraalkoxysilane in which n = 0 in the above formula (b)2Are each independently preferably a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, a butoxy group, a methoxyethoxy group or a hydroxyl group. Preferred examples of tetraalkoxysilane include tetramethoxysilane and tetraethoxysilane.
R of trialkoxysilane with n = 1 in the above formula (b)1Are preferably a methyl group, a vinyl group, or a γ- (meth) acryloxypropyl group, and R2Are each independently preferably a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, a butoxy group, a methoxyethoxy group or a hydroxyl group. Preferable specific examples of trialkoxysilane include methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, isobutyltrimethoxysilane and the like. Moreover, as a hydrolyzable silane having a radically polymerizable double bond of trifunctional silane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, γ-acryloxypropyltrimethoxysilane, γ-acryloxypropyltriethoxysilane, γ-methacryloxy Examples include propyltrimethoxysilane and γ-methacryloxypropyltriethoxysilane.
[0029]
R of the monoalkoxysilane with n = 3 in the above formula (b)1Are preferably a methyl group, a vinyl group, or a γ- (meth) acryloxypropyl group, and R2Are each independently preferably a methoxy group, an ethoxy group, a propoxy group, a butoxy group, a methoxyethoxy group or a hydroxyl group. Preferable specific examples of monoalkoxysilane include methoxytrimethylsilane and ethoxytrimethylsilane. These represented by the above formula (b) may be contained alone or in combination of two or more, preferably a hydrolyzable silane having a radical polymerizable double bond and a hydrolyzable silane having no radical polymerizable double bond. Can be used together.
[0030]
Specific examples of the cyclic silane include octamethylcyclotetrasiloxane, octaphenylcyclosiloxane, hexamethylcyclotrisiloxane, decamethylcyclopentasiloxane, tetramethyltetravinylcyclotetrasiloxane, and the like.
Specific examples of dialkoxysilane include dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, and γ-methacryloxypropylmethyldimethoxysilane.
[0031]
Examples of the linear siloxane having a hydrolyzable group include compounds represented by the following general formulas (4), (5), and (6).
[0032]
[Formula 4]
Figure 0004428611
[0033]
[Chemical formula 5]
Figure 0004428611
[0034]
[Chemical 6]
Figure 0004428611
[0035]
(Wherein R1 Is hydrogen, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 16 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms other than a phenyl group, a cycloalkyl group having 5 to 6 carbon atoms, a vinyl group, and an alkyl acrylate having 1 to 10 carbon atoms. Selected from a group or an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, each R2 Are each independently selected from an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an acetoxy group, a hydroxyl group, an epoxy group, an alkylene oxide group or a polyalkylene oxide group, and m represents a positive integer of 1 to 999. )
[0036]
In the present invention, when there is a problem with the coating film flexibility and the coating film durability, it is possible to use at least one selected from hydrolyzable silanes that can be used in combination with the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane. preferable. The molar ratio of (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane and hydrolyzable silane that can be used in combination with the phenyl group-containing hydrolyzable silane is preferably 100/1 to 10/100, It is more preferable that it is 1-35 / 100. (F) The phenyl group-containing hydrolyzable silane is 10/100 or more, and there is no problem in the polymerizability of the silane, and there is substantially no problem with the low molecular weight residue of the silane.
[0037]
Other hydrolyzable silanes include chlorosilanes such as methylchlorosilane, methyldichlorosilane, dimethyldichlorosilane, trimethylchlorosilane, phenyltrichlorosilane, diphenylchlorosilane, vinylchlorosilane, γ- (meth) acryloxypropyltrichlorosilane, γ- ( It may contain (meth) acryloxypropyldichloromethylsilane.
[0038]
The presence of the above silane condensate is29SiNMR (29Si nuclear magnetic resonance spectrum) or1It can be known by HNMR (proton nuclear magnetic resonance spectrum). For example, the condensate of silane (II) is29The chemical shift of SiNMR can be identified by showing a peak at −40 to −80 PPM. Also, silane (IV) or cyclic silane condensate is29The chemical shift of SiNMR can be identified by showing a peak at −16 to −26 PPM.
[0039]
In the present invention, an acrylic emulsion refers to a polymer emulsion containing a structure in which an acrylic ester or a methacrylic ester is polymerized. Examples of the (E) ethylenically unsaturated monomer used for polymerization of the acrylic emulsion include acrylic acid ester and methacrylic acid ester (in this application, acrylic acid and / or methacrylic acid are collectively referred to as (meth) acrylic acid). It is done. The monomer copolymerizable with the (meth) acrylic ester is not particularly limited, and specific examples thereof include a monomer having a carboxylic acid group, a methacrylamide monomer, vinyl cyanides, and the like. Is mentioned.
[0040]
Examples of the monomer having a carboxylic acid group include itaconic acid, fumaric acid, maleic acid, maleic anhydride, maleic acid and monoesters thereof, acrylic acid, methacrylic acid, and crotonic acid.
Examples of (meth) acrylic acid esters include (meth) acrylic acid alkyl esters having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl part, (meth) acrylic acid hydroxyalkyl esters and ethylene oxide having 1 to 18 carbon atoms in the alkyl part. (Poly) oxyethylene (meth) acrylate having 1 to 100 groups, (poly) oxypropylene (meth) acrylate having 1 to 100 propylene oxide groups, and 1 to 100 ethylene oxide groups (Poly) oxyethylene di (meth) acrylate and the like.
[0041]
Specific examples of the (meth) acrylic acid alkyl ester include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, and (meth) acrylic acid. Examples include cyclohexyl, methyl cyclohexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) acrylate, and the like.
Specific examples of the (meth) acrylic acid hydroxyalkyl ester include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, 2-hydroxycyclohexyl (meth) acrylate, and dodecyl (meth) acrylate. Etc.
[0042]
Specific examples of (poly) oxyethylene (meth) acrylate include ethylene glycol (meth) acrylate, ethylene glycol methoxy (meth) acrylate, diethylene glycol (meth) acrylate, diethylene glycol methoxy (meth) acrylate, (meth) Examples include tetraethylene glycol acrylate and tetraethylene glycol methoxy (meth) acrylate.
Specific examples of (poly) oxypropylene (meth) acrylate include propylene glycol (meth) acrylate, propylene glycol methoxy (meth) acrylate, dipropylene glycol (meth) acrylate, dipropylene glycol methoxy (meth) acrylate , (Meth) acrylic acid tetrapropylene glycol, methoxy (meth) acrylic acid tetrapropylene glycol, and the like.
[0043]
Specific examples of (poly) oxyethylene di (meth) acrylate include ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol methoxy (meth) acrylate, tetraethylene glycol di (meth) acrylate Etc. The (meth) acrylic acid ester is preferably used in an amount of 80% by mass to 100% by mass, more preferably 90% by mass to 100% by mass, based on the total mass of the (E) ethylenically unsaturated monomer.
[0044]
In the present invention, it is preferable to include (E) a (meth) acrylic acid ester having a cycloalkyl group as the ethylenically unsaturated monomer because it is particularly excellent in durability. (E) 5% by mass or more, more preferably 5% by mass or more and 99% by mass or less, and more preferably 5% by mass or more and 80% by mass or less of the ethylenically unsaturated monomer has a cycloalkyl group. An acid ester or a mixture thereof is preferred. When (meth) acrylic acid having a cycloalkyl group is 5% by mass or more, the durability is excellent, and when it is 80% or less, the film formability is good.
[0045]
Examples of (meth) acrylamide monomers include (meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide, and N-butoxymethyl (meth) acrylamide. Examples of vinyl cyanides include (meth) acrylonitrile. and so on.
Examples of the ethylenically unsaturated monomer having an aldo group or keto group include acrolein, diacetone acrylamide, diacetone methacrylamide, vinyl methyl ketone, vinyl ethyl ketone, acetoacetoxyethyl methacrylate, acetoacetoxyethyl acrylate, formylstyrol, and the like. And the combination thereof.
[0046]
Specific examples of (E) ethylenically unsaturated monomers other than the above include olefins such as ethylene, propylene and isobutylene, dienes such as butadiene, haloolefins such as vinyl chloride and vinylidene chloride, acetic acid, and the like. Carboxylic acid vinyl esters such as vinyl, vinyl propionate, n-vinyl butyrate, vinyl benzoate, vinyl pt-butylbenzoate, vinyl pivalate, vinyl 2-ethylhexanoate, vinyl versatate, vinyl laurate, Carboxylic acid isopropenyl esters such as isopropenyl acetate and isopropenyl propionate, vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, isobutyl vinyl ether and cyclohexyl vinyl ether, aromatic vinyl compounds such as styrene and vinyl toluene, allyl acetate and allyl benzoate Esters, allyl ethers such as allyl ethyl ether, allyl glycidyl ether, allyl phenyl ether, 4- (meth) acryloyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine, 4- (meth) acryloyloxy- 1,2,2,6,6-pentamethylpiperidine, perfluoromethyl (meth) acrylate, perfluoropropyl (meth) acrylate, perfluoropropylmethyl (meth) acrylate, vinylpyrrolidone, trimethylolpropane tri (meth) Examples thereof include acrylate, glycidyl (meth) acrylate, 2,3-cyclohexene oxide (meth) acrylate, allyl (meth) acrylate, and the like and combinations thereof.
[0047]
In the present invention, (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane and hydrolyzable silane can be used in an amount of 0.01% by mass to 300% by mass with respect to the mass of (E) the ethylenically unsaturated monomer.
In the present invention, examples of the (C) sulfosuccinic acid-based surfactant include a sulfosuccinic acid-based compound represented by the following formula (7).
[0048]
[Chemical 7]
Figure 0004428611
[0049]
{Where R isa, RbMay be the same or different, hydrogen, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkenyl group having 1 to 20 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 12 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms, carbon A hydrocarbon group such as an aralkyl group or a part thereof substituted with a hydroxyl group, a carboxylic acid group, or the like, or a polyoxyalkylene alkyl ether group (the alkyl part has 2 to 4 carbon atoms, polyoxyalkylene) Organic group or alkali metal, ammonium, organic amine base, or organic quaternary ammonium containing an alkylene oxide compound such as an alkylphenyl ether group (wherein the alkyl portion has 0 to 20 carbon atoms and the alkylene portion has 2 to 4 carbon atoms) M is an alkali metal, ammonium, organic amine base or organic quaternary ammonium base. It is.)
[0050]
More specifically, R of the compound represented by the above formula (7)a, RbRaAnd / or RbAre compounds represented by the following formulas (8), (9) and (10).
[0051]
[Chemical 8]
Figure 0004428611
[0052]
[Chemical 9]
Figure 0004428611
[0053]
[Chemical Formula 10]
Figure 0004428611
[0054]
{In each of formulas (8), (9), (10), R81Is a hydrocarbon group such as an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkenyl group having 1 to 20 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 12 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms, or an aralkyl group having 6 to 19 carbon atoms. Or a part of which is substituted with a hydroxyl group, a carboxylic acid group, or the like, or a polyoxyalkylene alkyl ether group (wherein the alkyl moiety has 2 to 4 carbon atoms, a polyoxyalkylene alkyl phenyl ether group (the alkyl moiety has a carbon number of An organic group containing an alkylene oxide compound such as 0 to 20 and an alkylene moiety having 2 to 4 carbon atoms, wherein A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a substituted alkylene group, and n is 0 An integer of ~ 200, R82Is hydrogen or a methyl group. )}
[0055]
In the present invention, as represented by the general formulas (7) to (10), for example, dioctyl sodium sulfosuccinate {Perex (trademark) OT-P manufactured by Kao Corporation, or Aerosol (trademark) manufactured by Mitsui Cytec Co., Ltd. OT-75, etc.}, sodium dihexyl sulfosuccinate {Aerosol (trademark) MA-80, etc., manufactured by Mitsui Cytec Co., Ltd.}, Sanyo Kasei Co., Ltd., Eleminol (trademark) JS-2, JS-5, manufactured by Kao Laterum (trademark) S-120, S-180, S-180A, aerosol (trademark) TR-70, A-196-85, AY-100, IB-45, A-102, A- manufactured by Mitsui Cytec Co., Ltd. 103, 501 and the like.
[0056]
In the present invention, (C) the sulfosuccinic acid-based surfactant is used in an amount of 0.1 to 20 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the solid content of the aqueous dispersion containing (A) a phenyl group and having a silicone structure. Preferably, 0.5 to 10 parts by mass, more preferably 1.0 to 5 parts by mass is used. When used in this range, the water contact angle of the coating film is 65 ° or less, and a film with good water resistance is formed.
In the present invention, (D) a surfactant containing an alkylene oxide group includes an anionic surfactant, an anionic surfactant having a radical polymerizable double bond in the molecule, a nonionic surfactant, And nonionic surfactants having a radically polymerizable double bond.
[0057]
(D) A surfactant containing an alkylene oxide group, and examples of the anionic surfactant include compounds represented by the following formulas (11) and (12).
[0058]
Embedded image
Figure 0004428611
[0059]
Embedded image
Figure 0004428611
[0060]
(In the above formulas (11) and (12), R111Is a hydrocarbon group such as an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkenyl group having 1 to 20 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 12 carbon atoms, an aralkyl group having 6 to 19 carbon atoms, or a part thereof is a hydroxyl group, Substituted with a carboxylic acid group or the like, or a polyoxyethylene alkyl ether group (wherein the alkyl part has 0 to 20 carbon atoms and the alkylene part has 2 to 4 carbon atoms), a polyoxyalkylene alkylphenyl ether group (an alkyl part) Is an organic group containing an alkylene oxide compound such as 0 to 20 carbon atoms and 2 to 4 carbon atoms of an alkylene moiety. A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a partially substituted alkylene group, n is an integer of 0 to 200, and M is ammonium, sodium, or potassium. )
[0061]
In the present invention, (D) an anionic surfactant having an alkylene oxide group and having a radical polymerizable double bond in the molecule is represented by the following formulas (13), (14) and (15). The compound which is made is mentioned.
[0062]
Embedded image
Figure 0004428611
[0063]
(Wherein R131Is an alkyl group, alkenyl group or aralkyl group having 6 to 18 carbon atoms, and R132Is hydrogen, an alkyl group having 6 to 18 carbon atoms, an alkenyl group, or an aralkyl group, R133Is a hydrogen or propenyl group, A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a partially substituted alkylene group, n is an integer of 1 to 200, and M is ammonium, sodium, or potassium. )
[0064]
Embedded image
Figure 0004428611
[0065]
(Wherein R141Is hydrogen or methyl group, R142Is an alkyl group or acyl group having 8 to 24 carbon atoms, A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms, n is an integer of 0 to 50, m is an integer of 0 to 20, and M is ammonium, sodium, or potassium. )
[0066]
Embedded image
Figure 0004428611
[0067]
(Wherein R151Is an alkyl group having 8 to 30 carbon atoms, R152Is hydrogen or a methyl group, A is an alkylene or substituted alkylene group having 2 to 4 carbon atoms, n is 0 or an integer of 1 to 200, and M is an ammonium, sodium, potassium or alkanolamine residue. )
[0068]
Examples of the alkylphenol ether compound represented by the above formula (13) include Aqualon (trademark) HS-10 manufactured by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., and examples of the compound represented by the above formula (14) include Asahi Denka. There are Adeka Soap (trademark) SE-1025A, SR-1025A, SR-10N, SR-20N, etc. manufactured by Kogyo Co., Ltd., and examples of the compound represented by the above formula (15) include Daiichi Kogyo Seiyaku Examples include Aqualon (trademark) KH-5 and KH-10. Other examples of the anionic surfactant having an alkylene oxide group and having a radical polymerizable double bond in the molecule include Antox (trademark) -MS-60 manufactured by Nippon Emulsifier Co., Ltd., Kao. There are Latemul PD-101 and PD-104 manufactured by Co., Ltd., and there is Eleminol (trademark) RS-30 manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.
[0069]
In the present invention, in the surfactant containing (D) an alkylene oxide group, examples of the nonionic surfactant include compounds represented by the following formulas (16) and (17).
[0070]
Embedded image
Figure 0004428611
[0071]
Embedded image
Figure 0004428611
[0072]
(In the above formulas (16) and (17), R161Is a hydrocarbon group such as an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an alkenyl group having 1 to 20 carbon atoms, a cycloalkyl group having 5 to 12 carbon atoms, an aralkyl group having 6 to 19 carbon atoms, or a part thereof is a hydroxyl group, Substituted with a carboxylic acid group or the like, or a polyoxyethylene alkyl ether group (wherein the alkyl part has 0 to 20 carbon atoms and the alkylene part has 2 to 4 carbon atoms), a polyoxyalkylene alkylphenyl ether group (an alkyl part) Is an organic group containing an alkylene oxide compound such as 0 to 20 carbon atoms and 2 to 4 carbon atoms of an alkylene moiety. A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a partially substituted alkylene group, n is an integer of 0 to 200, and R162Is hydrogen or a methyl group. )
[0073]
In the present invention, (D) a surfactant containing an alkylene oxide group and having a radical polymerizable double bond in the molecule is represented by the following formulas (18), (19) and (20). The compound which is made is mentioned.
[0074]
Embedded image
Figure 0004428611
[0075]
(Wherein R181Is an alkyl group, alkenyl group or aralkyl group having 6 to 18 carbon atoms, and R182Is hydrogen, an alkyl group having 6 to 18 carbon atoms, an alkenyl group, or an aralkyl group, R183Is a hydrogen or propenyl group, A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a partially substituted alkylene group, and n is an integer of 1 to 200. )
[0076]
Embedded image
Figure 0004428611
[0077]
(Wherein R191Is hydrogen or methyl group, R192Is an alkyl or acyl group having 8 to 24 carbon atoms, A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms, n is an integer of 0 to 100, and m is an integer of 0 to 50. )
[0078]
Embedded image
Figure 0004428611
[0079]
(Wherein R201Is an alkyl group having 8 to 30 carbon atoms, R202Is hydrogen or a methyl group, A is an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms or a substituted alkylene group, and n is 0 or an integer of 1 to 200. )
Examples of the compound represented by the formula (18) include Aqualon (trademark) RN-10, RN-20, RN-30, and RN-50 manufactured by Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. As the compound represented by the above formula (19), for example, Adeka Soap (trademark) NE-20, NE-30, NE-40, ER-10, ER-20, ER-30, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., ER-40 etc. are mentioned.
[0080]
In the present invention, the amount of (D) the surfactant containing an alkylene oxide group is not particularly limited, but the amount used is preferably small in order to obtain a film with good water resistance. 0.1-5 mass% can be used with respect to 100 mass parts of solid content of the aqueous dispersion containing a silicone structure.
In addition to (C) a sulfosuccinic acid type surfactant and (D) a surfactant containing an alkylene oxide group as surfactants used for emulsion polymerization in the present invention, p-styrene sulfonic acid sodium, p-styrene sulfonic acid Potassium, acrylic acid- (2-sulfoethyl) ester sodium, acrylic acid- (2-sulfoethyl) ester potassium, methacrylic acid- (2-sulfoethyl) ester sodium, acrylic acid- (3-sulfopropyl) ester potassium, methacrylic acid- (3-sulfopropyl) ester sodium, fatty acid soap, alkyl sulfonate, alkyl sulfosuccinate, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, oxyethylene oxypropylene block copolymer and the like.
[0081]
As the (B) colloidal inorganic particles in the present invention, colloidal silica is easily available, inexpensive and preferred as the (B) colloidal inorganic particles. Colloidal silica can be prepared and used by a sol-gel method, and a commercially available product can also be used. When colloidal silica is prepared by the sol-gel method, Werner Stober et al; J. Colloid and Interface Sci., 26, 62-69 (1968), Rickey D. Badley et al; Lang muir 6, 792 -801 (1990), Color Material Association Journal, 61 [9] 488-493 (1988). Colloidal silica is a dispersion of silica or water-soluble solvent containing silicon dioxide as a basic unit, and the average particle size is preferably 5 to 120 nm, more preferably 10 to 80 nm. When the particle diameter is 5 nm or more, the storage stability of the coating liquid is good, and when it is 120 nm or less, the water whitening resistance is good. Colloidal silica having a particle size in the above range can be used in the state of an aqueous dispersion, whether acidic or basic, and is appropriately selected according to the stable region of the aqueous dispersion to be mixed (A). be able to. Examples of acidic colloidal silica using water as a dispersion medium include, as commercial products, Snowtex (trademark) -O manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd., Snowtex-OL, and Adelite (trademark) AT- manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. 20Q, Clariant Japan Co., Ltd. clebosol (trademark) 20H12, clebosol 30CAL25, etc. can be used.
[0082]
Examples of basic colloidal silica include silica stabilized by addition of alkali metal ions, ammonium ions, and amines. For example, SNOWTEX-20, SNOWTEX-30, SNOWTEX-C, and SNOWTEX-C manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd. Tex-C30, Snowtex-CM40, Snowtex-N, Snowtex-N30, Snowtex-K, Snowtex-XL, Snowtex-YL, Snowtex-ZL, Snowtex PS-M, Snowtex PS-L Adelite AT-20, Adelite AT-30, Adelite AT-20N, Adelite AT-30N, Adelite AT-20A, Adelite AT-30A, Adelite AT-40, Adelite AT-50, etc. manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd. Clariant Japan Co., Ltd. Kurebozoru 30R9, Kurebozoru 30R50, such Kurebozoru 50R50, DuPont Ludox (TM) HS-40, Ludox HS-30, Ludox LS, and the like Ludox SM-30.
[0083]
Examples of colloidal silica using a water-soluble solvent as a dispersion medium include MA-ST-M (methanol dispersion type having a particle size of 20 to 25 nm), IPA-ST (particle size of 10) manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd. ˜15 nm isopropyl alcohol dispersion type), EG-ST (ethylene glycol dispersion type with particle diameter of 10 to 15 nm), EG-ST-ZL (ethylene glycol dispersion type with particle diameter of 70 to 100 nm), NPC-ST (particles) And ethylene glycol monopropyl ether dispersion type having a diameter of 10 to 15 nm).
Moreover, you may combine these 1 type, or 2 or more types. As a minor component, alumina, sodium aluminate or the like may be contained. Colloidal silica may contain an inorganic base (such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, or ammonia) or an organic base (such as tetramethylammonium) as a stabilizer.
[0084]
  Moreover, as (B) colloidal inorganic particles, inorganic compounds that give colloidal particles other than silica may be used. As specific examples of the inorganic compounds,Al 2 O 3 , AlGa, As, Al (OH)3, Sb2O5, Si3N4, Sn-In2O3, Sb-In2O3, MgF, CeF3, CeO23Al2O3・ 2SiO2, BeO, SiC, AlN, Fe, Co, Co-FeOX, CrO2, Fe4N, BaTiO3, BaO-Al2O3-SiO2, Ba ferrite, SmCO5, YCO5, CeCO5PrCO5, Sm2CO17, Nd2Fe14B, Al4O3, Α-Si, SiN4, CoO, Sb-SnO2, Sb2O5, MnO2, MnB, Co3O4, Co3B, LiTaO3, MgO, MgAl2O4, BeAl2O4, ZrSiO4ZnSb, PbTe, GeSi, FeSi2, CrSi2CoSi2, MnSi1.73, Mg2Si, β-B, BaC, BP, BaC, BP, TiB2, ZrB2, HfB2, Ru2Si3TiO2(Rutile type), TiO3, PbTiO3, Al2TiO5, Zn2SiO4, Zr2SiO42MgO2-Al2O2-5SiO2, Nb2O5, Li2O-Al2O3-4SiO2Mg ferrite, Ni ferrite, Ni-Zn ferrite, Li ferrite, Sr ferrite and the like. These can be used individually or in mixture of 2 or more types.
[0085]
The colloidal inorganic particles (B) used in the present invention may be coated with an organic polymer. Colloidal inorganic particles coated with an organic polymer are not particularly limited. For example, an ethylenically unsaturated monomer, a hydrolyzable silane having a radically polymerizable double bond, and an emulsion polymerization of colloidal silica. It is obtained by emulsion polymerization of particles obtained by the method (for example, disclosed in JP-A-59-71316), an ethylenically unsaturated monomer, and an anionic polymerizable monomer in the presence of colloidal silica. Particles (for example, disclosed in JP-A-59-217702), particles obtained by a method in which a water-soluble polymer compound is adsorbed onto inorganic particles and then coated with a polymer of a radical polymerizable monomer (for example, JP-A-60 -58237), an ethylenically unsaturated monomer and an ethylenically unsaturated monomer having a hydroxyl group are emulsion-polymerized in the presence of colloidal silica. Particles obtained by the method (for example, disclosed in JP-A-6-199917), silica and / or colloidal silica having a core / shell structure and not having an organic polymer and an organic polymer covalently bonded in the core By arranging an organic polymer in the shell and forming a three-dimensional crosslinked network structure and / or IPN structure between the core organic polymer / shell organic polymer, the silica and / or colloidal silica in the core is formed. A method of emulsion-polymerizing an ethylenically unsaturated compound in the presence of particles (for example, disclosed in JP-A-8-290912), colloidal silica, activator and water that are physicochemically held in the particles without being based on covalent bonds Particles obtained by the method (for example, disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-1893), vinyl ion is formed on the surface of the colloidal silica particles via a cationic residue. Particles having a polymer bound thereto (for example, disclosed in JP-A-11-209622), particles having a vinyl polymer bound to the surface of inorganic or organic particles directly or via a nonionic surfactant (for example, JP-A 2000-2000) 290464), colloidal fine particles in which nonionic surfactants are aggregated or aggregated and deposited on the surface of inorganic or organic particles (for example, disclosed in JP 2001-335721 A).
[0086]
In the present invention, (B) the colloidal inorganic particles are preferably used in an amount of 0.1 to 95 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the solid content of the aqueous dispersion containing a phenyl group and having a silicone structure. Preferably it is 0.1-50 mass parts, More preferably, 0.5-20 mass parts is used.
In the present invention, (A) an aqueous dispersion containing a phenyl group and having a silicone structure, (B) a colloidal inorganic particle, (C) a sulfosuccinic acid type surfactant, and (D) a surfactant containing an alkylene oxide group The order of mixing is not particularly limited, but as a method of mixing (A), (B), (C), (D), specifically, (A) to (B), (C) , (D) mixing method, (A) to (B), (D), (C) mixing method, (A) to (C), (B), (D) mixing in this order. Method, (A) to (C), (D), (B) in order, (A) to (D), (B), (C) in order, (A) to (D) ), (C), a method of mixing in order of (B), to (A), a mixture of (B) and (C), a method of mixing in the order of (D), to (A) (D), a method of mixing in the order of the mixture of (B) and (C), to (A), a mixture of (B) and (D), a method of mixing in the order of (C), (A), (C ), A method of mixing in the order of the mixture of (B) and (D), (A), a mixture of (C) and (D), a method of mixing in the order of (B), (A), (B), The method of mixing in order of the mixture of (C) and (D) and the method of mixing the mixture of (B), (C), (D) to (A) are mentioned.
[0087]
As a specific example of using (C) and / or (D) in producing (A), (C) and / or (D) is used in producing (A), and then (B) (C) and / or (D) in the production of (A), and then (B) and (C) are mixed (in this case, (C) may be the same) May be different}, the method of using (C) and / or (D) in the production of (A) and then mixing (B) and (D) {in this case (D) was the same Or may be different}, a method of using (C) and / or (D) in the production of (A) and then mixing (B), (C), (D) {in this case ( C) and (D) may be the same or different}. When mixing, mixing at room temperature or heating and mixing up to 90 ° C. can be performed.
[0088]
In the present invention, the solid content of (B) colloidal inorganic particles is preferably 0.1 to 95 parts by mass, more preferably (A) aqueous, with respect to (A) 100 parts by mass of resin solids of the aqueous dispersion. (B) The solid content of the colloidal inorganic particles is 0.1 to 50 parts by mass, more preferably (A) the resin solid content of 100 parts by mass of the aqueous dispersion. (B) The solid content of the colloidal inorganic particles is 0.5 to 20 parts by mass. (B) The water resistance of the coating film obtained when the colloidal inorganic particles are within this range is good, and the rain stripes of the coating film are not conspicuous.
[0089]
In the present invention, (A) the resin solid content of 100 parts by mass of the aqueous dispersion is preferably 0.1 to 20 parts by mass of (C) the sulfosuccinic surfactant, more preferably (A) the aqueous dispersion. (C) sulfosuccinic acid-based surfactant is 0.5 to 10 parts by mass with respect to 100 parts by mass of resin solid content of the body, and more preferably (A) with respect to 100 parts by mass of resin solid content of the aqueous dispersion. (C) The sulfosuccinic acid surfactant is 1.0 to 5 parts by mass. (C) The water resistance of the coating film obtained when the sulfosuccinic acid surfactant is within this range is good, and the rain streaks of the coating film are inconspicuous. In addition, the storage stability of the coating liquid is improved.
[0090]
In the present invention, (C) a sulfosuccinic acid type surfactant during mixing or pre-dispersion of the paint pigment, (D) a surfactant containing an alkylene oxide group, other surfactants that can be added during polymerization, If necessary, the following surfactants can be used in combination. Specifically, for example, sodium salt, potassium salt or ammonium salt of hexametaphosphoric acid, sodium salt, potassium salt or ammonium salt of tripolyphosphoric acid, sodium salt or potassium salt of a polymer having a carboxylic acid group such as polyacrylic acid, Or ammonium salt. Other examples include anionic surfactants typified by salts such as higher fatty acids, resin acids, acidic fatty alcohols, sulfate esters, higher alkyl sulfonic acids, alkyl allyl sulfonates, sulfonated castor oil, or ethylene oxide and long chain fats. Nonionic surfactants represented by known reaction products with alcohol, phenols, and phosphoric acids, and cationic surfactants containing quaternary ammonium salts and the like can be mentioned.
[0091]
In the present invention, an acrylic emulsion obtained by emulsion polymerization of (E) an ethylenically unsaturated monomer in the presence of (F) a hydrolyzable silane containing a phenyl group is preferred. (F) By carrying out emulsion polymerization in the presence of a hydrolyzable silane containing a phenyl group, the stain resistance and durability of the coating film can be improved.
In the present invention, (E) an ethylenically unsaturated monomer and (C) a sulfosuccinic acid surfactant and / or (D) a surfactant containing an alkylene oxide group are used as a pre-emulsion liquid, (F) a phenyl group-containing hydrolyzable silane or (F) a mixture of a phenyl group-containing hydrolyzable silane and a hydrolyzable silane that can be used in combination with a hydrolyzable silane. It is preferable to add continuously or intermittently.
[0092]
In the present invention, a pre-emulsion liquid comprising (E) an ethylenically unsaturated monomer and (C) a sulfosuccinic acid-based surfactant and / or (D) a surfactant containing an alkylene oxide group is a high-emulsifier such as a homogenizer. The pre-emulsion liquid is preferably used with a stirrer that requires a shearing force. Moreover, it can be set as a pre-emulsion liquid with water and a polymerization initiator arbitrarily.
In the present invention, the pre-emulsification is obtained after preparing an emulsion comprising (E) an ethylenically unsaturated monomer and (C) a sulfosuccinic acid-based surfactant and / or (D) a surfactant containing an alkylene oxide group. Emulsification in an aqueous medium while continuously or intermittently mixing the liquid and (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane or (F) a hydrolyzable silane that can be used in combination with phenyl group-containing hydrolyzable silane The polymerization is obtained by polymerization, and the polymerization needs to be continuously or intermittently added successively to the polymerization reaction system.
[0093]
In the present invention, the pre-emulsion and (F) a phenyl group-containing hydrolyzable silane or (F) a hydrolyzable silane that can be used in combination with a phenyl group-containing hydrolyzable silane are mixed continuously or intermittently. In the mixing method, the mixture is added sequentially to the reaction system which is polymerized within 1 minute, preferably within 30 seconds, more preferably within 10 seconds after mixing, or most preferably mixed immediately before being added to the reaction system. And then successively added to the polymerization system continuously or intermittently.
[0094]
As a method of mixing the pre-emulsion and the hydrolyzable silane that can be used in combination with the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane, a homogenizer or the like is increased by high-speed rotation. When emulsified with agitation with shearing force, (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane or (F) a hydrolyzable silane that can be used in combination with phenyl group-containing hydrolyzable silane is hydrolyzed and alcohol is generated. The emulsified state of the emulsion will be destroyed. Therefore, the method of mixing the pre-emulsified liquid with the hydrolyzable silane that can be used in combination with the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane or the (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane requires gentle stirring. Yes, specifically, (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane or (F) a hydrolyzable silane that can be used in combination with phenyl group-containing hydrolyzable silane remains in an emulsified state with an average particle size of 10 μm or more. Preferably, (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane or (F) phenyl group-containing hydrolyzable silane and a mixture of hydrolyzable silane that can be used in combination with the hydrolyzable silane have an average particle diameter of 100 μm or more visible in the mixture. Should remain emulsified.
[0095]
As a specific mixing method in the present invention, for example, a static mixer N10 series, N16 series, N60 series (product name, manufactured by Noritake Co., Ltd.), and other metal ends, Raschig rings, zeolites, etc. are filled at the outlet end between Y-shaped. The method of doing is mentioned. 125L, 275L (product name, manufactured by Silverson Machines, Inc.), T.C. K. Pipeline homomixer (product name, manufactured by Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.) K. In the case of using a stirrer such as a homomic line mixer (product name, manufactured by Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.), it is possible to use the mixer with the number of stirring rotations suppressed as much as possible. The mixing temperature is 60 ° C. or lower, preferably 50 ° C. or lower, more preferably 40 ° C. or lower. When the above conditions are not satisfied, many hydrolyzable silanes are hydrolyzed by the acidity or basicity of the radical polymerizable monomer emulsion to destroy the pre-emulsion, and the pre-emulsion is the monomer layer. And the water layer are separated. As a result, many aggregates are generated in the reaction system during the polymerization.
[0096]
The emulsion of the present invention can be obtained by simultaneously performing emulsion polymerization, that is, emulsion polymerization by radical polymerization of a radical polymerizable monomer and emulsion polymerization by hydrolysis / condensation reaction of a hydrolyzable silane in an aqueous medium. As the aqueous medium here, water is mainly used, but also includes a water-soluble solvent such as a lower alcohol having 1 to 3 carbon atoms or acetone added to water. The amount of solvent other than water added at this time is preferably 20% or less in the emulsion.
[0097]
(E) In the presence of phenyl group-containing hydrolyzable silane, (E) In order to emulsion polymerize an ethylenically unsaturated monomer, the hydrogen ion concentration (pH) of the emulsion polymerization system during emulsion polymerization is pH 4.0. It is preferable to carry out below, and pH 1.5 or more and 3.5 or less are more preferable. By carrying out the emulsion polymerization below the upper limit, the condensation reaction of the hydrolyzable silane is promoted and the condensation reaction does not proceed after the emulsion polymerization, so that the storage stability as a product is improved.
[0098]
In emulsion polymerization, as a radical polymerization catalyst, it can be radically decomposed by heat or reducing substances to cause addition polymerization of ethylenically unsaturated monomers. Water-soluble or oil-soluble persulfate, peroxidation Products, azobis compounds and the like can be advantageously used.
Examples include potassium persulfate, sodium persulfate, ammonium persulfate, hydrogen peroxide, t-butyl hydroperoxide, t-butyl peroxybenzoate, 2,2-azobisisobutyronitrile, 2,2-azobis. (2-diaminopropane) hydrochloride, 2,2-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile) can be mentioned, but it is also effective as a catalyst for promoting the hydrolysis reaction and condensation reaction of hydrolyzable silane. It is preferable to use potassium persulfate, sodium persulfate or ammonium persulfate. As a quantity of a radical polymerization catalyst, 0.05 mass%-1 mass% can be normally used with respect to the mass of (E) ethylenically unsaturated monomer.
[0099]
Usually, the polymerization reaction is preferably carried out at a polymerization temperature of 65 to 90 ° C. under normal pressure, but can also be carried out under high pressure in accordance with the characteristics such as vapor pressure at the polymerization temperature of the monomer. The polymerization time includes introduction time and aging time after introduction. The introduction time is usually several minutes when various raw materials are simultaneously introduced into the reaction system, and when sequentially introducing various raw materials into the reaction system, the heat is gradually introduced into the reaction system in a range where heat generated by polymerization can be removed. Although it depends on the polymer concentration in the finally obtained emulsion, it is usually 10 minutes or longer. The aging time after introduction is preferably at least 10 minutes. Below this polymerization time, the raw materials may remain as they are, or the hydrolyzable silane may not be condensed and may remain as a hydrolyzate.
[0100]
When acceleration of the polymerization rate and polymerization at a low temperature of 70 ° C. or lower are desired, for example, when a reducing agent such as sodium bisulfite, ferrous chloride, ascorbate, Rongalite is used in combination with the radical polymerization catalyst It is advantageous. Furthermore, a chain transfer agent such as dodecyl mercaptan can be optionally added to adjust the molecular weight.
In emulsion polymerization using hydrolyzable silane, after completion of emulsion polymerization, as a curing catalyst at the time of film formation, for example, dibutyltin dilaurate, dioctyltin dilaurate, dibutyltin diacetate, tin octylate, tin laurate, octyl acid Metal salts of organic acids such as iron, lead octylate, and tetrabutyl titanate, and amine compounds such as n-hexylamine and 1,8-diazabicyclo [5,4,0] -7-undecene are used for the high durability of the present invention. Can be added to the emulsion. When these curing catalysts are not water-soluble, it is desirable to emulsify with a surfactant and water when using them.
[0101]
The emulsion according to the present invention preferably has an average particle size of the dispersoid of 10 to 1000 nm.
The nonvolatile content of each emulsion according to the present invention is preferably 20 to 70%, and more preferably 30 to 65%.
The topcoat composition or undercoat composition of the present invention has a pH of 5 to 10 using amines such as ammonia, sodium hydroxide, potassium hydroxide and dimethylaminoethanol in order to maintain long-term dispersion stability of the emulsion. It is preferable to adjust to the range.
[0102]
In addition, the water-based antifouling coating composition of the present invention is usually added and blended with water-based paints, such as thickeners, film-forming aids, plasticizers, antifreezing agents, antifoaming agents, dyes, and preservatives. In addition, an ultraviolet absorber, a light stabilizer and the like can be arbitrarily blended.
Specific examples of the thickener include polymer dispersion stabilizers such as (partially saponified) polyvinyl alcohol, methylcellulose, hydroxyethylcellulose, and polyvinylpyrrolidone, and other polyether-based and polycarboxylic acid-based thickeners.
[0103]
Specific examples of film forming aids include diethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, diethylene glycol diethyl ether, diethylene glycol dibutyl ether, ethylene glycol mono 2-ethylhexyl ether, 2,2,4-trimethyl-1,3-butanediol iso Examples include butyrate, diisopropyl glutarate, propylene glycol n-butyl ether, dipropylene glycol n-butyl ether, tripropylene glycol n-butyl ether, dipropylene glycol methyl ether, and tripropylene glycol methyl ether. These film-forming aids can be arbitrarily blended alone or in combination.
[0104]
Specific examples of the plasticizer include dibutyl phthalate and dioctyl phthalate.
Specific examples of the antifreezing agent include propylene glycol and ethylene glycol.
There are benzophenone, benzotriazole, and triazine UV absorbers. Specific examples of non-reactive benzophenone UV absorbers include 2,4-dihydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxybenzophenone, and 2-hydroxy. -4-methoxybenzophenone-5-sulfonic acid, 2-hydroxy-4-n-octoxybenzophenone, 2-hydroxy-4-n-dodecyloxybenzophenone, 2-hydroxy-4-benzyloxybenzophenone, bis (5-benzoyl) -4-hydroxy-2-methoxyphenyl) methane, 2,2'-dihydroxy-4-methoxybenzophenone, 2,2'-dihydroxy-4,4'dimethoxybenzophenone, 2,2 ', 4,4'-tetrahydroxy Benzophenone, 4-dodecyl Carboxymethyl-2-hydroxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methoxy-2'-carboxy benzophenone, and the like 2-hydroxy-4-stearyloxy benzophenone.
[0105]
Specific examples of radical polymerizable benzophenone-based UV absorbers include 2-hydroxy-4-acryloxybenzophenone, 2-hydroxy-4-methacryloxybenzophenone, 2-hydroxy-5-acryloxybenzophenone, and 2-hydroxy-5. -Methacryloxybenzophenone, 2-hydroxy-4- (acryloxy-ethoxy) benzophenone, 2-hydroxy-4- (methacryloxy-ethoxy) benzophenone, 2-hydroxy-4- (methacryloxy-diethoxy) benzophenone, 2-hydroxy-4- (Acryloxy-triethoxy) benzophenone.
[0106]
Specific examples of non-reactive benzotriazole ultraviolet absorbers include 2- (2′-hydroxy-5′-methylphenyl) benzotriazole and 2- (2′-hydroxy-5′-tert-butylphenyl) benzotriazole. 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-butylphenyl) benzotriazole, 2- (2-hydroxy-5-tert-octylphenyl) benzotriazole, 2- (2-hydroxy-3) , 5-Di-tert-octylphenyl) benzotriazole, 2- [2′-hydroxy-3 ′, 5′-bis (α, α′-dimethylbenzyl) phenyl] benzotriazole), methyl-3- [3- tert-Butyl-5- (2H-benzotriazol-2-yl) -4-hydroxyphenyl] propionate and poly Condensate with ethylene glycol (molecular weight 300) (product name: TINUVIN 1130, manufactured by Ciba-Geigy Corporation), isooctyl-3- [3- (2H-benzotriazol-2-yl) -5-tert-butyl-4- Hydroxyphenyl] propionate (manufactured by Ciba Geigy Japan, product name: TINUVIN 384), 2- (3-dodecyl-5-methyl-2-hydroxyphenyl) benzotriazole (manufactured by Ciba Geigy Japan, product name: TINUVIN 571), 2- (2′-hydroxy-3′-tert-butyl-5′-methylphenyl) -5-chlorobenzotriazole, 2- (2′-hydroxy-3 ′, 5′-di-tert-amylphenyl) benzo Triazole, 2- (2′-hydroxy-4′-octoxyphenyl) ben Triazole, 2- [2′-hydroxy-3 ′-(3 ″, 4 ″, 5 ″, 6 ″ -tetrahydrophthalimidomethyl) -5′-methylphenyl] benzotriazole, 2,2-methylenebis [ 4- (1,1,3,3-tetramethylbutyl) -6- (2H-benzotriazol-2-yl) phenol], 2- (2H-benzotriazol-2-yl) -4,6-bis ( 1-methyl-1-phenylethyl) phenol (manufactured by Nippon Ciba-Geigy Co., Ltd., product name: TINUVIN900).
[0107]
Specifically, as a radical polymerizable benzotriazole-based ultraviolet absorber, 2- (2′-hydroxy-5′-methacryloxyethylphenyl) -2H-benzotriazole (manufactured by Otsuka Chemical Co., Ltd., product name: RUVA-) 93), 2- (2′-hydroxy-5′-methacryloxyethyl-3-tert-butylphenyl) -2H-benzotriazole, 2- (2′-hydroxy-5′-methacrylyloxypropyl-3-tert) -Butylphenyl) -5-chloro-2H-benzotriazole, 3-methacryloyl-2-hydroxypropyl-3- [3 '-(2 "-benzotriazolyl) -4-hydroxy-5-tert-butyl] Phenyl propionate (manufactured by Nippon Ciba-Geigy Co., Ltd., product name: CGL-104).
[0108]
Specific examples of the non-reactive triazine-based ultraviolet absorber include TINUVIN400 (product name, manufactured by Ciba Geigy Japan, Inc.).
As the non-reactive light stabilizer, those having a low basicity among hindered amine light stabilizers are preferred, and specifically those having a base constant (pKb) of 8 or more are preferred.
Specifically, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) succinate, bis (2,2,6,6-tetramethylpiperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6, 6-pentamethyl-4-piperidyl) 2- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxybenzyl) -2-butylmalonate, 1- [2- [3- (3,5-di-tert- Butyl-4-hydroxyphenyl) propynyloxy] ethyl] -4- [3- (3,5-di-tert-butyl-4-hydroxyphenyl) propynyloxy] -2,2,6,6-tetramethylpiperidine, A mixture of bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate and methyl-1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl-sebacate (Nippon Ciba Geigy ( ), Product name: TINUVIN292), bis (1-octyloxy-2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, TINUVIN123 (product name, manufactured by Nihon Ciba-Geigy Corporation), and the like.
[0109]
Specific examples of the radical polymerizable hindered amine light stabilizer include 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl methacrylate, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl acrylate, 2, 2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl methacrylate, 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl acrylate, 1,2,2,6,6-pentamethyl-4-iminopiperidyl methacrylate, 2, 2,6,6, -tetramethyl-4-iminopiperidyl methacrylate, 4-cyano-2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl methacrylate, 4-cyano-1,2,2,6,6- Examples include pentamethyl-4-piperidyl methacrylate.
[0110]
In the present invention, the ultraviolet absorber and / or light stabilizer has (A) a silicone structure containing a phenyl group by being present during emulsion polymerization for producing an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group (A). A method of introducing into an aqueous dispersion, a method of introducing by mixing an ultraviolet absorber and / or a light stabilizer with a film-forming aid and the like, and adding the mixture to an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group, Introduced by mixing UV absorber and / or light stabilizer with film forming aid, adding surfactant and water to emulsify, and then adding to (A) aqueous dispersion having phenyl group-containing silicone structure. The method of doing is mentioned. In addition, when an ultraviolet absorber and a light stabilizer are used in combination, it exhibits excellent durability due to a synergistic effect.
[0111]
One preferred embodiment of the present invention is that (E) the ethylenically unsaturated monomer is the same or different (E1) And (E2(C) a sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D) a surfactant containing an alkylene oxide group is the same or different from each other (C1) And / or (D1), (C2) And / or (D2The emulsion polymerization is performed in the order of step (1) and step (2). In step (1), (E1) Ethylenically unsaturated monomer (C1) Sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D1) Emulsion polymerization in an aqueous medium in the presence of a surfactant emulsifier containing an alkylene oxide group to obtain a step (1) emulsion. In step (2), (E2) Ethylenically unsaturated monomer (C2) Sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D2) Emulsion polymerization is performed by adding a surfactant emulsifier containing an alkylene oxide group to the emulsion in step (1) with an aqueous medium as necessary. (F) A silicone using a hydrolyzable silane containing a phenyl group By modifying, (A) an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group is obtained. The aqueous dispersion having a silicone structure containing (A) a phenyl group is added to (B) colloidal inorganic particles, if necessary (C) a sulfosuccinic acid type surfactant, and (D) a surfactant containing an alkylene oxide group. A water-based antifouling coating composition is provided by blending the agent.
[0112]
Another preferred embodiment of the present invention is that (E) the ethylenically unsaturated monomer is the same or different (E1), (E2) And (E3(C) a sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D) a surfactant containing an alkylene oxide group is the same or different from each other (C1) And / or (D1), (C2) And / or (D2) (C3) And / or (D3The emulsion polymerization is performed in the order of step (1), step (2), and step (3). In step (1), (E1) Ethylenically unsaturated monomer (C1) Sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D1) Emulsion polymerization in an aqueous medium in the presence of a surfactant emulsifier containing an alkylene oxide group, and (F) a silicone modification using a phenyl group-containing hydrolyzable silane to obtain a step (1) emulsion; In (2), (E2) Ethylenically unsaturated monomer (C2) Sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D2) A surfactant emulsifier containing an alkylene oxide group is added to the step (1) emulsion together with an aqueous medium as necessary to perform emulsion polymerization to obtain an emulsion (step 2), and in step (3), (E3) Ethylenically unsaturated monomer (C3) Sulfosuccinic acid type surfactant and / or (D3) Emulsion polymerization is carried out by adding a surfactant emulsifier containing an alkylene oxide group to the step (2) emulsion together with an aqueous medium as necessary, and (F) a silicone using a hydrolyzable silane containing a phenyl group By modifying, (A) an aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group is obtained. The aqueous dispersion having a silicone structure containing (A) a phenyl group is added to (B) colloidal inorganic particles, if necessary (C) a sulfosuccinic acid type surfactant, and (D) a surfactant containing an alkylene oxide group. A water-based antifouling coating composition is provided by blending the agent.
[0113]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of examples and comparative examples. In addition, the part and% in an Example and a comparative example show a mass part and mass%, respectively. Moreover, about the physical-property test of the obtained aqueous | water-based antifouling coating composition, the coating material was adjusted with the compounding composition shown below using this aqueous | water-based antifouling coating composition, and the test was implemented according to the test method shown below.
<Coating composition>
Figure 0004428611
The above blend was dispersed for 20 minutes in a tabletop sand mill to obtain a pigment dispersion.
Figure 0004428611
[0114]
<Test method>
・ Solid content such as aqueous dispersion
It is a dry mass after drying solid content measuring objects, such as an aqueous dispersion, at 105 degreeC for 3 hours.
・ Measurement of solids content such as aqueous dispersion
About 1 g of an aqueous dispersion or other solid content measurement object is accurately weighed in an aluminum dish whose mass is known in advance, dried at 105 ° C. for 3 hours with a constant temperature dryer, and then in a desiccator containing silica gel. , Weigh precisely after cooling for 30 minutes. The solid content was obtained by dividing the mass after drying of the substance by the mass before drying.
・ Water contact angle of paint film
The above clear paint composition is dried on a glass plate with a dry film thickness of 100 g / m.2Then, it was applied with a wire coater and dried at room temperature for 4 weeks to obtain a test specimen. The water contact angle of the test specimen was measured with a CA-X150 type contact angle measuring device manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.
[0115]
・ Rain stain contamination
On the alumite plate shown in FIG. 1, the coating composition of each Example and Comparative Example was used, and the dry film thickness was 100 g / m.2 Then, it was applied with a wire coater and dried at room temperature for 4 weeks to obtain a test specimen. The test specimen was fixed outdoors on the ground so that the coating surface was vertical and northward, and rain stain contamination was visually determined about 3 months after the start of exposure. Judgment criteria are as follows.
A: No rain streaks are seen.
〇: Although the whole is dirty, no rain streaks are seen.
Δ: Overall dirt and slight rain streaks are observed.
×: Rain streaks are noticeable.
[0116]
[Production Example 1 of Aqueous Dispersion]
Prepare a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, two dripping tanks, and a thermometer. The two dripping tanks are Y-shaped pipes. Filled with molecular sieves 3A (product name: Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)] to the point where the liquid is mixed, it is possible to gently mix the pre-emulsified liquid containing the radical polymerizable monomer and the hydrolyzable silane. Adjusted as follows. It was assembled so that it could flow into the reaction system via 296 parts of water and 4 parts of a sulfosuccinic acid type surfactant (product name: Latemulu S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) were charged into the reaction vessel, and the temperature in the reaction vessel was 80 ° C. 5 minutes after adding 10 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 25 parts of methyl methacrylate, 50 parts of cyclohexyl methacrylate, 15 parts of butyl acrylate, 10 parts of methacrylic acid, a sulfosuccinic acid type surfactant ( Product name: Perex OT-P (effective content: about 70%), an anionic surfactant containing 3 parts of an alkylene oxide group (product name: Adecalia Soap SR-1025A (effective content: about 70%), manufactured by Kao Corporation) About 25%), 4 parts of Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., 20% of nonionic surfactant containing alkylene oxide group (product name: Emulgen 120, manufactured by Kao Corporation) Solution 5 parts of a 2% aqueous solution of 15 parts of ammonium persulfate, the emulsion mixture to flow over a period of 40 minutes from the dropping tank consisting of 44 parts of water. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0117]
Next, 109 parts of methyl methacrylate, 160 parts of cyclohexyl methacrylate, 123 parts of butyl acrylate, 8 parts of methacrylic acid, 11 parts of Pelex OT-P, 16 parts of ADEKA rear soap SR-1025A, 20% aqueous solution of Emulgen 120 20 parts, an emulsified mixed solution composed of 60 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate and 177 parts of water, and a mixed solution composed of 1 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 20 parts of methyltrimethoxysilane and 20 parts of diphenyldimethoxysilane From a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 160 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 120 minutes.
[0118]
After cooling to room temperature, the hydrogen ion concentration was measured and found to be pH 2.0. A 25% aqueous ammonia solution was added to adjust the pH to 8, followed by filtration through a 100 mesh wire net. The dry mass of the filtered aggregate was as small as 0.06% with respect to the total monomers. The resulting acrylic emulsion had a solid content of 44.7%, a particle size of 98 nm, and a single distribution.
[0119]
[Production Example 2 of Aqueous Dispersion]
Prepare a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, two dripping tanks, and a thermometer. The two dripping tanks are Y-shaped pipes. Filled with molecular sieves 3A (product name: Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)] to the point where the liquid is mixed, it is possible to gently mix the pre-emulsified liquid containing the radical polymerizable monomer and the hydrolyzable silane. Adjusted as follows. It was assembled so that it could flow into the reaction system via 296 parts of water and 4 parts of a sulfosuccinic acid type surfactant (product name: Latemulu S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) were charged into the reaction vessel, and the temperature in the reaction vessel was 80 ° C. 5 minutes after adding 10 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 32 parts of methyl methacrylate, 60 parts of cyclohexyl methacrylate, 30 parts of butyl methacrylate, 74 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, sulfosucci Acid surfactant (product name: Latemul S-180A (effective part: about 50%), manufactured by Kao Corporation) 8 parts, anionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Aqualon A KH-1025 ( (Effective amount: about 25%), Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) 8 parts, a nonionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Emulgen 120, Hana 10 parts of 20% aqueous solution, 30 parts of 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 86 parts of water, and 0.5 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, phenyltrimethoxysilane 10 And a mixed solution consisting of 10 parts of diphenyldimethoxysilane are allowed to flow from separate dropping tanks through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0120]
Next, 16 parts of methyl methacrylate, 50 parts of cyclohexyl methacrylate, 15 parts of butyl methacrylate, 9 parts of butyl acrylate, 10 parts of methacrylic acid, 4 parts of Latemul S-180A, 4 parts of Aqualon KH-1025, Emulgen 120 An emulsified mixed solution consisting of 5 parts of a 20% aqueous solution, 15 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate and 43 parts of water is allowed to flow in over 40 minutes from the dropping tank. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0121]
Next, 42 parts of methyl methacrylate, 100 parts of cyclohexyl methacrylate, 30 parts of butyl methacrylate, 24 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, 8 parts of Latemul S-180A, 8 parts of Aqualon A KH-1025, Emulgen 120 10 parts of a 20% aqueous solution, 30 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 86 parts of water, 0.5 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 10 parts of phenyltrimethoxysilane, diphenyldimethoxy A mixed solution composed of 10 parts of silane is allowed to flow in from a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 120 minutes.
[0122]
After cooling to room temperature, the hydrogen ion concentration was measured and found to be pH 2.0. A 25% aqueous ammonia solution was added to adjust the pH to 8, followed by filtration through a 100 mesh wire net. The dry mass of the filtered aggregate was only 0.05% with respect to the total monomers. The resulting acrylic emulsion had a solid content of 45.2%, a particle size of 98 nm, and a single distribution.
[0123]
[Production Example 3 of Aqueous Dispersion]
Prepare a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, two dripping tanks, and a thermometer. The two dripping tanks are Y-shaped pipes. Filled with molecular sieves 3A (product name: Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)] to the point where the liquid is mixed, it is possible to gently mix the pre-emulsified liquid containing the radical polymerizable monomer and the hydrolyzable silane. Adjusted as follows. It was assembled so that it could flow into the reaction system via 296 parts of water and 4 parts of a sulfosuccinic acid type surfactant (product name: Latemulu S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) were charged into the reaction vessel, and the temperature in the reaction vessel was 80 ° C. 5 minutes after adding 10 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 32 parts of methyl methacrylate, 60 parts of cyclohexyl methacrylate, 30 parts of butyl methacrylate, 74 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, sulfosucci Acid surfactant (product name: Latemul S-180A (effective part: about 50%), manufactured by Kao Corporation) 8 parts, anionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Aqualon A KH-1025 ( (Effective amount: about 25%), Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.) 8 parts, a nonionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Emulgen 120, Hana 10 parts of a 20% aqueous solution, 30 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 86 parts of water, 0.5 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, methyltrimethoxysilane 5 Part, 5 parts of phenyltrimethoxysilane, and 10 parts of diphenyldimethoxysilane are allowed to flow in from a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0124]
Next, 16 parts of methyl methacrylate, 50 parts of cyclohexyl methacrylate, 15 parts of butyl methacrylate, 9 parts of butyl acrylate, 10 parts of methacrylic acid, 4 parts of Latemul S-180A, 4 parts of Aqualon KH-1025, Emulgen 120 An emulsified mixed solution consisting of 5 parts of a 20% aqueous solution, 15 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate and 43 parts of water is allowed to flow in over 40 minutes from the dropping tank. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0125]
Next, 42 parts of methyl methacrylate, 100 parts of cyclohexyl methacrylate, 30 parts of butyl methacrylate, 24 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, 8 parts of Latemul S-180A, 8 parts of Aqualon A KH-1025, Emulgen 120 10 parts of a 20% aqueous solution, 30 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 86 parts of water, 0.5 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 5 parts of methyltrimethoxysilane, phenyltri A mixed liquid consisting of 5 parts of methoxysilane and 10 parts of diphenyldimethoxysilane is allowed to flow in from a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 120 minutes.
[0126]
After cooling to room temperature, the hydrogen ion concentration was measured and found to be pH 2.0. A 25% aqueous ammonia solution was added to adjust the pH to 8, followed by filtration through a 100 mesh wire net. The dry mass of the filtered aggregate was only 0.05% with respect to the total monomers. The resulting acrylic emulsion had a solid content of 45.3%, a particle size of 100 nm, and a single distribution.
[0127]
[Production Example 4 of Aqueous Dispersion]
Prepare a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, two dripping tanks, and a thermometer. The two dripping tanks are Y-shaped pipes. Filled with molecular sieves 3A (product name: Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)] to the point where the liquid is mixed, it is possible to gently mix the pre-emulsified liquid containing the radical polymerizable monomer and the hydrolyzable silane. Adjusted as follows. It was assembled so that it could flow into the reaction system via 296 parts of water and 4 parts of a sulfosuccinic acid type surfactant (product name: Latemulu S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) were charged into the reaction vessel, and the temperature in the reaction vessel was 80 ° C. 5 minutes after adding 10 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 32 parts of methyl methacrylate, 60 parts of cyclohexyl methacrylate, 30 parts of butyl methacrylate, 74 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, benzoate Mixture of 1 part of triazole ultraviolet absorber (product name: TINUVIN 384, manufactured by Ciba Specialty Chemicals), 1 part of hindered amine light stabilizer (product name: TINUVIN 123, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) And sulfosuccinic acid type surfactant (Product name: Aerosol OT-75 (effective part: approx. 75%), Mitsui SA) Tech Co., Ltd.) 5.5 parts, anionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Latemul PD-104 (effective content: about 20%), Kao Co., Ltd.) 10 parts, alkylene An emulsion mixture comprising 10 parts of a 20% aqueous solution of a nonionic surfactant containing an oxide group (product name: Emulgen 120, manufactured by Kao Corporation), 30 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, and 86.5 parts of water. , And 0.5 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 10 parts of methyltrimethoxysilane, and 10 parts of diphenyldimethoxylane, and 80 minutes from the separate dripping tank through the Y-shaped tube. Let it flow. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0128]
Next, a mixed solution and aerosol of 16 parts of methyl methacrylate, 50 parts of cyclohexyl methacrylate, 15 parts of butyl methacrylate, 9 parts of butyl acrylate, 10 parts of methacrylic acid, 0.5 part of TINUVIN 384 and 0.5 part of TINUVIN 123 An emulsion mixture consisting of 3 parts of OT-75, 5 parts of Latemul PD-104, 5 parts of 20% aqueous solution of Emulgen 120, 15 parts of 2% aqueous solution of ammonium persulfate, and 43 parts of water is taken from the dropping tank over 40 minutes. Inflow. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0129]
Next, 42 parts of methyl methacrylate, 100 parts of cyclohexyl methacrylate, 30 parts of butyl methacrylate, 24 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, 1 part of TINUVIN 384, 1 part of TINUVIN 123 and 5 parts of aerosol OT-75 0.5 parts, 10 parts of Latemul PD-104, 10 parts of 20% aqueous solution of Emulgen 120, 30 parts of 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 86.5 parts of water, and γ-methacryloxypropyltri A mixed liquid consisting of 0.5 part of methoxysilane, 10 parts of methyltrimethoxysilane and 10 parts of diphenyldimethoxylane is allowed to flow in from a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 120 minutes.
[0130]
After cooling to room temperature, the hydrogen ion concentration was measured and found to be pH 2.0. A 25% aqueous ammonia solution was added to adjust the pH to 8, followed by filtration through a 100 mesh wire net. The dry mass of the filtered aggregate was only 0.05% with respect to the total monomers. The resulting acrylic emulsion had a solid content of 45.4%, a particle size of 99 nm, and a single distribution.
[0131]
[Production Example 5 of aqueous dispersion]
Prepare a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, two dripping tanks, and a thermometer. The two dripping tanks are Y-shaped pipes. Filled with molecular sieves 3A (product name: Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)] to the point where the liquid is mixed, it is possible to gently mix the pre-emulsified liquid containing the radical polymerizable monomer and the hydrolyzable silane. Adjusted as follows. It was assembled so that it could flow into the reaction system via 296 parts of water and 4 parts of a sulfosuccinic acid type surfactant (product name: Latemulu S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) were charged into the reaction vessel, and the temperature in the reaction vessel was 80 ° C. 5 minutes after adding 10 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 35 parts of methyl methacrylate, 60 parts of cyclohexyl methacrylate, 101 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, a sulfosuccinic acid surfactant ( Product name: Perex OT-P (effective content: about 70%), 6 parts of Kao Corporation, an anionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Aqualon A KH-1025 (effective content: about 25) %), 16 parts by Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd., 20% water of a nonionic surfactant containing an alkylene oxide group (product name: Emulgen 120, manufactured by Kao Corporation) 10 parts of liquid, 30 parts of 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 82 parts of water emulsified mixture, 0.5 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 45 parts of methyltrimethoxysilane, 15 parts of diphenyldimethoxysilane The mixed liquid consisting of is allowed to flow from a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0132]
Next, 25 parts of methyl methacrylate, 50 parts of cyclohexyl methacrylate, 15 parts of butyl acrylate, 10 parts of methacrylic acid, 3 parts of Perex OT-P, 8 parts of Aqualon KH-1025, 5 parts of 20% aqueous solution of Emulgen 120 Part, 15 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate and 41 parts of water are allowed to flow in over 40 minutes from the dropping tank. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0133]
Next, 49 parts of methyl methacrylate, 100 parts of cyclohexyl methacrylate, 47 parts of butyl acrylate, 4 parts of methacrylic acid, 6 parts of Perex OT-P, 16 parts of Aqualon KH-1025, and 10% 20% aqueous solution of Emulgen 120 Part, 30 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 82 parts of water, and a mixture of 0.5 parts of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 45 parts of methyltrimethoxysilane and 15 parts of diphenyldimethoxysilane The liquid is allowed to flow from a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 80 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 120 minutes.
[0134]
After cooling to room temperature, the hydrogen ion concentration was measured and found to be pH 2.0. A 25% aqueous ammonia solution was added to adjust the pH to 8, followed by filtration through a 100 mesh wire net. The dry mass of the filtered aggregate was as small as 0.12% based on the total monomers. The resulting acrylic emulsion had a solid content of 45.5%, a particle size of 102 nm, and a single distribution.
[0135]
[Production Example 6 of Aqueous Dispersion]
Prepare a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, two dripping tanks, and a thermometer. The two dripping tanks are Y-shaped pipes. Filled with molecular sieves 3A (product name: Wako Pure Chemical Industries, Ltd.)] to the point where the liquid is mixed, it is possible to gently mix the pre-emulsified liquid containing the radical polymerizable monomer and the hydrolyzable silane. Adjusted as follows. It was assembled so that it could flow into the reaction system via 296 parts of water and 4 parts of a sulfosuccinic acid type surfactant (product name: Latemulu S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) were charged into the reaction vessel, and the temperature in the reaction vessel was 80 ° C. 5 minutes after adding 10 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate, 25 parts of methyl methacrylate, 50 parts of cyclohexyl methacrylate, 15 parts of butyl acrylate, 10 parts of methacrylic acid, a sulfosuccinic acid type surfactant ( Product name: Perex OT-P (effective content: about 70%), an anionic surfactant containing 3 parts of an alkylene oxide group (product name: Adecalia Soap SR-1025A (effective content: about 70%), manufactured by Kao Corporation) About 25%), 4 parts of Asahi Denka Kogyo Co., Ltd., 20% of nonionic surfactant containing alkylene oxide group (product name: Emulgen 120, manufactured by Kao Corporation) Solution 5 parts of a 2% aqueous solution of 15 parts of ammonium persulfate, the emulsion mixture to flow over a period of 40 minutes from the dropping tank consisting of 44 parts of water. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 30 minutes.
[0136]
Next, 109 parts of methyl methacrylate, 160 parts of cyclohexyl methacrylate, 123 parts of butyl acrylate, 8 parts of methacrylic acid, 11 parts of Pelex OT-P, 16 parts of ADEKA rear soap SR-1025A, 20% aqueous solution of Emulgen 120 20 parts, an emulsified mixed solution consisting of 60 parts of a 2% aqueous solution of ammonium persulfate and 177 parts of water, and a mixed solution consisting of 1 part of γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 20 parts of methyltrimethoxysilane and 20 parts of dimethyldimethoxysilane From a separate dropping tank through the Y-shaped tube over 160 minutes. The pH during the silicone modification reaction was maintained at 4 or less. During the inflow, the temperature of the reaction vessel is maintained at 80 ° C. After the inflow is completed, the temperature of the reaction vessel is raised to 80 ° C. and maintained for 120 minutes.
[0137]
After cooling to room temperature, the hydrogen ion concentration was measured and found to be pH 2.0. A 25% aqueous ammonia solution was added to adjust the pH to 8, followed by filtration through a 100 mesh wire net. The dry mass of the filtered aggregate was as small as 0.06% with respect to the total monomers. The resulting acrylic emulsion had a solid content ratio of 44.5%, a particle size of 96 nm, and a single distribution.
[0138]
[Example 1]
Each test described above was performed on the aqueous dispersion obtained in Production Example 1 of the aqueous dispersion, and the results are shown in Table 1.
[0139]
[Example 2]
To 223.7 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 1 of the aqueous dispersion, 33.3 parts of colloidal silica (product name: Adelite AT-30A, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) were mixed uniformly in this order. An aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 42.8% was obtained. Each test described above was carried out on this aqueous pollution control coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0140]
[Example 3]
To 223.7 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 1 of the aqueous dispersion, a sulfosuccinic acid-based surfactant (product name: Latemul S-180A (effective content: about 50%), manufactured by Kao Corporation) 2 Part, colloidal silica (product name: Adelite AT-30A, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) in the order of 33.3 parts was mixed uniformly to obtain an aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 43.0%. . Each test described above was performed on this water-based antifouling coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0141]
[Example 4]
To 221.2 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 2 of the aqueous dispersion, a sulfosuccinic acid surfactant (product name: Perex OT-P (effective content: about 70%), manufactured by Kao Corporation) 3 Part, colloidal silica (product name: Snowtex-30, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.) 33.3 parts in this order was mixed uniformly to obtain an aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 43.5%. . Each test described above was performed on this water-based antifouling coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0142]
[Example 5]
Sulfosuccinic acid surfactant (product name: Perex OT-P (effective content: about 70%), manufactured by Kao Corporation) was added to 220.8 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 3 of the aqueous dispersion. 3 parts and 33.3 parts of colloidal silica (product name: Snowtex-30, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.) are mixed uniformly in this order to obtain an aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 43.6%. It was. Each test described above was performed on this water-based antifouling coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0143]
[Example 6]
To 220.3 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 4 of the aqueous dispersion, 33.3 parts of colloidal silica (product name: Adelite AT-30A, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) were mixed uniformly in this order. An aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 43.4% was obtained. Each test described above was performed on this water-based antifouling coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0144]
[Example 7]
Each test described above was performed on the aqueous dispersion obtained in Production Example 4 of the aqueous dispersion, and the results are shown in Table 1.
[0145]
[Example 8]
To 219.8 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 5 of the aqueous dispersion, 33.3 parts of colloidal silica (product name: Adelite AT-30A, manufactured by Asahi Denka Kogyo Co., Ltd.) are mixed uniformly in this order. An aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 43.5% was obtained. Each test described above was performed on this water-based antifouling coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0146]
[Comparative Example 1]
Each test described above was performed on the aqueous dispersion obtained in Production Example 6 of the aqueous dispersion, and the results are shown in Table 1.
[0147]
[Comparative Example 2]
To 224.7 parts of the aqueous dispersion obtained in Production Example 6 of the aqueous dispersion, 33.3 parts of colloidal silica (product name: Snowtex-30, manufactured by Nissan Chemical Industries, Ltd.) were mixed uniformly in this order. An aqueous contamination-preventing coating composition having a solid content of 42.6% was obtained. Each test described above was performed on this water-based antifouling coating composition, and the results are shown in Table 1.
[0148]
[Table 1]
Figure 0004428611
[0149]
【The invention's effect】
The water-based antifouling coating composition of the present invention is used in water-based paints, and can reduce rain streak-like contamination when a coating film made of the composition is exposed to the outdoors, and in particular, can prevent contamination immediately after the coating film is formed. , And the reduction of rain streak contamination can be maintained over a long period of time. The storage stability of the coating liquid is good.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of the shape of an outdoor exposure plate used in Examples and Comparative Examples.

Claims (5)

(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体を含有する水性汚染防止被覆組成物であって、該(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が(F)フェニル基含有加水分解性シランと下記式(b)で表されるシリコーン構造を有するシランとの存在下で(E)エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるアクリル系エマルジョンであり、該水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して(C)スルフォコハク酸系界面活性剤を0.5〜10質量部含有し、光触媒能を有する粒子を含まず、成膜した塗膜の水接触角が75°以下であることを特徴とする水性汚染防止被覆組成物。
(R −Si−(R - (b)
(式中nは0,1または3の整数であり、Rは水素原子、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基、フェニル基以外の炭素数5〜10のアリール基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、ビニル基、炭素数1〜10のアクリル酸アルキル基、または炭素数1〜10のメタクリル酸アルキル基から選ばれる。n個のR1は同一であっても、異なっても良い。Rは炭素数1〜8のアルコキシ基、アセトキシ基または水酸基から選ばれる。4−n個のR2は同一であっても、異なっても良い。)
(A) A water-based antifouling coating composition comprising an aqueous dispersion having a phenyl group-containing silicone structure, wherein (A) the aqueous dispersion having a phenyl group-containing silicone structure comprises (F) (E) an acrylic emulsion obtained by emulsion polymerization of an ethylenically unsaturated monomer in the presence of a decomposable silane and a silane having a silicone structure represented by the following formula (b), the aqueous dispersion (C) 0.5 to 10 parts by mass of a sulfosuccinic acid-based surfactant with respect to 100 parts by mass of the resin solid content of the resin, no particles having photocatalytic activity, and a water contact angle of the formed coating film is 75 A water-based antifouling coating composition characterized by having a temperature of 0 ° or less.
(R 1) n -Si- (R 2) 4 - n (b)
(In the formula, n is an integer of 0, 1 or 3, and R 1 is a hydrogen atom, an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 16 carbon atoms, an aryl group having 5 to 10 carbon atoms other than a phenyl group, or 5 to 5 carbon atoms. 6 cycloalkyl groups, a vinyl group, an alkyl acrylate group having 1 to 10 carbon atoms, or an alkyl methacrylate group having 1 to 10 carbon atoms, n R1s may be the same or different. R 2 is selected from an alkoxy group having 1 to 8 carbon atoms, an acetoxy group or a hydroxyl group, and 4-n R2s may be the same or different.
(A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が、(B)コロイド状無機粒子(但し、光触媒能を有する粒子を除く)を含むことを特徴とする請求項1記載の水性汚染防止被覆組成物。2. The aqueous pollution control coating according to claim 1, wherein the aqueous dispersion having a silicone structure containing a phenyl group contains (B) colloidal inorganic particles (excluding particles having photocatalytic activity). Composition. (A)フェニル基を含むシリコーン構造を有する水性分散体が(D)アルキレンオキサイド基を有する界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載の水性汚染防止被覆組成物。  (A) The aqueous | water-based antifouling coating composition of Claim 1 or 2 in which the aqueous dispersion which has a silicone structure containing a phenyl group contains surfactant (D) which has an alkylene oxide group. (C)スルフォコハク酸系界面活性剤が、(A)フェニル基を含有しシリコーン構造を有する水性分散体の樹脂固形分100質量部に対して、1.0〜5質量部用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性汚染防止被覆組成物。  (C) Sulfosuccinic acid-based surfactant is used in an amount of 1.0 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of resin solid content of an aqueous dispersion containing a phenyl group and having a silicone structure (A). The aqueous pollution control coating composition according to any one of claims 1 to 3. (B)コロイド状無機粒子がコロイダルシリカであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の水性汚染防止被覆組成物。  (B) Colloidal inorganic particles are colloidal silica, The aqueous | water-based antifouling coating composition in any one of Claims 2-4 characterized by the above-mentioned.
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