JP4428033B2 - プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、鋼板成分と熱延条件及び連続溶融亜鉛めっきラインにおける熱処理条件を規定することにより、良好なプレス加工性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得る方法が提案されている。また、特許文献2には、連続溶融亜鉛めっきラインにおける焼鈍条件を最適化し、鋼板組織を制御することで良好な伸びフランジ性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得る方法が提案されている。
これに対して特許文献3には、合金化溶融亜鉛めっきに伴う伸びフランジ性の低下に着目し、これを制御する方法が提案されている。この方法は、めっき皮膜中のFe濃度を最適化することで、下地鋼板表面の結晶粒界へのZnの侵入欠陥数を60個/mm以下とし、鋼板とめっき皮膜との密着力を一定範囲内に規定することによって、伸びフランジ性の改善を図ろうとするものである。しかしながら、後述するように本発明者らの知見によれば、この方法によっても伸びフランジ性を十分に改善することはできない。
(1) 溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板が、同等の強度を持つ冷延鋼板に較べて伸びフランジ性に劣る主な原因は、めっき金属であるZnの鋼板結晶粒界への侵食である。すなわち、溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板に加工を加えると、Znに侵食された部分(結晶粒界)が起点となって鋼板に亀裂が発生及び伝播し、Znによる侵食のない場合に較べてより早く破断に至るため、伸びフランジ性が低下する。図2は合金化溶融亜鉛めっき鋼板の母材鋼板面の結晶粒界に生じたZn侵食部分(写真中の矢印部分)の断面拡大写真(SEMによる断面拡大写真)である。
また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき皮膜中のFe濃度は伸びフランジ性の直接的な決定因子ではない。めっき皮膜と鋼板の間のFe−Zn合金化反応が進行するとZn侵食部分の深さが大きくなり、伸びフランジ性は低下する。したがって、見掛け上ではめっき皮膜中のFe濃度が増加すると伸びフランジ性が低下するが、伸びフランジ性の低下はZn侵食部分の深さに依存したものである。したがって、特定の方法によりZnによる鋼板結晶粒界の侵食を抑制し、高い伸びフランジ性を維持しつつ、Fe−Zn合金化反応を進行させることが可能である。
(a) 鋼板にBを添加すると結晶粒界が強化され、その結果、Znによる鋼板結晶粒界の侵食を抑制することができる。
(b) Znの鋼板結晶粒界への侵食は粒界酸化部で起こることから、鋼板表面の粒界酸化深さが小さい下地鋼板を用いることにより、Znの鋼板結晶粒界への侵食深さを小さく抑えることができる。
(c) スラブ加熱時にスラブ表層の内部に酸化が起こり、このとき生成した内部酸化物が酸洗、冷圧、再結晶焼鈍を経た後も鋼板表層の結晶粒界に存在していると結晶粒界が脆弱になり、その結果、Znによる鋼板結晶粒界の侵食が促進される。したがって、スラブ加熱時の内部酸化物の生成を抑えることにより、Znによる鋼板結晶粒界の侵食を抑制することができる。スラブ表層の内部酸化物の生成は、スラブ加熱温度と加熱時間を制御することで抑制することができる。
(d) 酸洗後の熱延鋼板表面を研削することにより、上記内部酸化物の一部を除去することができ、これによってもZnによる鋼板結晶粒界の侵食を抑制することができる。
(e) 溶融亜鉛めっき時の浴中Al濃度を低くすることにより、鋼板結晶粒内の合金化反応を促進し、鋼板結晶粒界における選択的な合金化反応の進行を抑制することにより、Znによる鋼板結晶粒界の侵食を抑制することができる。
[1]めっき金属であるZnの母材鋼板面における結晶粒界中への侵食深さ(但し、めっき鋼板の板厚断面において、幅10mmの任意の部分に生じたZnの結晶粒界中への侵食部分のうち深さの大きい順に10点を選び、その10点の平均値)が2.0μm以上30μm以下であることを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
[2]上記[1]のめっき鋼板において、めっき金属であるZnの母材鋼板面における結晶粒界中への侵食深さ(但し、めっき鋼板の板厚断面において、幅10mmの任意の部分に生じたZnの結晶粒界中への侵食部分のうち深さの大きい順に10点を選び、その10点の平均値)が2.0μm以上10μm以下であることを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
[3]上記[1]又は[2]のめっき鋼板において、母材鋼板が、Bを0.0001〜0.01mass%含有することを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
先に述べたように溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板の伸びフランジ性を支配する因子はZnの鋼板面結晶粒界への侵食深さであり、この侵食深さ(上記定義による侵食深さ)を30μm以下、好ましくは10μm以下に規制することにより、優れた伸びフランジ性を得ることができる。
各供試材の伸びフランジ性の評価は、穴拡げ率の測定によって行い、穴拡げ率λ(%)は下式により求めた。
λ={(割れ発生時の穴径d−初期穴径do)/初期穴径do}×100
測定に用いたポンチは先端角度60°の円錐ポンチとし、初期穴径は10mmとした。
Δλ={(λS−λG)/λS}×100(%)
一方、母材鋼板面の結晶粒界中へのZnの侵食深さは、以下の方法で求めた。溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板の板厚断面を幅10mmにわたって走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、観察されたZn侵食部分の中から深さの大きい順に10点を選び、その10点の平均値を求め、この値をZnの結晶粒界中への侵食深さとした。なお、Zn侵食部分の断面形態は楔型をしていることが多く、先端位置を決定しにくい。そこで、図4に示すようにZn侵食部分の幅が0.5μmとなる位置を先端とした。
なお、概して溶融亜鉛めっき鋼板の方が合金化溶融亜鉛めっき鋼板よりも伸びフランジ性の低下量は小さかった。これは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、合金化処理の過程でZnの鋼板面結晶粒界への侵食が進行するためであると考えられる。しかしながら、溶融亜鉛めっき鋼板においても、Znの侵食深さが深い場合には、Znの侵食深さが浅い合金化溶融亜鉛めっき鋼板に比べて伸びフランジ性の低下量は大きかった。すなわち、溶融亜鉛めっき或いは合金化溶融亜鉛めっきというめっき種の違いに拘りなく、伸びフランジ性はZnの鋼板面結晶粒界への侵食深さにより一義的に決まることが判った。
Cは鋼板の強度を確保するための基本的な成分である。また、必要に応じて、Si、Mnなどの他成分との組合せにより鋼板の焼入性を高め、鋼板を二相組織とすることも可能である。Cが0.0005mass%未満では鋼板の強度が不十分であるが、0.2mass%を超えるCの過剰な添加は溶接性及び加工性を劣化させる。このためC量は0.0005〜0.2mass%とすることが適当である。
Pは鋼の強度を向上させる効果があるが、反面、鋼板の加工性、めっき密着性及びめっき皮膜の合金化処理性を劣化させる元素でもある。Pを0.1mass%を超えて添加すると、鋼板の加工性、めっき密着性及びめっき皮膜の合金化処理性が劣化するため、Pは0.1mass%以下とすることが適当である。
Sは、加工性を確保する観点から0.05mass%以下とすることが望ましい。
その他、Znによる結晶粒界の侵食を抑制できる元素としては、結晶粒界に偏析しやすく、結晶粒界へのZn侵食の障害となる働きをする元素であればよく、N,C,Pなども適量が添加されれば同様の効果を発揮する。
まず、Znによる鋼板結晶粒界の侵食は粒界酸化部で起こることから、Znの鋼板結晶粒界中への侵食深さを小さく抑えるためには、鋼板表面の粒界酸化深さが小さい母材鋼板(下地鋼板)を用いることが好ましい。具体的には、鋼板表面の粒界酸化深さ(板厚方向での深さ)が30μm以下、好ましくは10μm以下の母材鋼板に溶融亜鉛めっきを施すことが好ましい。
特に、Znの鋼板結晶粒界への侵食深さを小さく抑えるためには、熱間圧延されるスラブの加熱条件を下式を満足するように制御することが好ましい。
(T−1170)×M≦17000
但し T:スラブ加熱炉の最高到達雰囲気温度(℃)
M:スラブがスラブ加熱炉内において1170℃以上の雰囲気温度で加熱される時間(分)
先に述べたようにスラブ加熱時に生成した内部酸化物が鋼板表層の結晶粒界に存在していると結晶粒界が脆弱になり、Znによる結晶粒界の侵食が促進される。これに対してスラブ加熱条件を低温・短時間にすれば結晶粒界での内部酸化物の生成を抑制することができ、結晶粒界中へのZnの侵食を抑制することができる。
以上、母材鋼板面における結晶粒界中へのZn侵食深さを小さくするために有効な方法を述べたが、Znの鋼板結晶粒界中への侵食深さを30μm以下、好ましくは10μm以下とするには上記方法を適宜組み合わせて実施することが好ましい。
この母材鋼板を連続式溶融亜鉛めっきラインにおいて溶融亜鉛めっきし、必要に応じて合金化処理することにより、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
また、上記した以外の溶融亜鉛めっき条件、合金化処理条件などにも特別な制約はなく、通常行われている方法でよい。また、めっき鋼板の板幅、板厚、めっき皮膜の付着量、皮膜中Fe濃度も特に制約はない。また、溶融亜鉛めっき前の母材鋼板にFe、Ni等のプレめっきを行い、合金化反応の均一化を図るようにしてもよい。
表1に示す鋼種a〜dを溶製してスラブに鋳造し、このスラブを表2に示す条件で加熱して熱間圧延し、板厚2.6mmの熱延板とした。この熱間圧延では、仕上圧延温度を870℃、巻取温度を600℃とした。熱間圧延後、酸洗し、一部の鋼板については鋼板表面をブラシで研削した。この熱延板の一部はそのまま溶融亜鉛めっき用の下地鋼板(母材鋼板)とし、残りは冷間圧延を施して板厚1.0mmの冷延板とし、これを溶融亜鉛めっき用の下地鋼板(母材鋼板)とした。
上記焼鈍・還元の雰囲気は15%H2−85%N2とし、均熱温度は850℃、均熱時間は60秒とした。めっき浴温度は465℃とし、鋼板両面に溶融亜鉛めっきを施した後、ガスワイピングにより皮膜付着量を片面当たり60g/m2に調整した。溶融亜鉛めっき後、高周波誘導加熱炉を用いて皮膜中のFe濃度が9〜11mass%になるように合金化処理を行った。合金化処理後、室温まで冷却し、コイルに巻き取った。
λ={(割れ発生時の穴径d−初期穴径do)/初期穴径do}×100
この試験の測定に用いたポンチは先端角度60°の円錐ポンチであり、初期穴径は10mmとした。穴拡げ率は鋼板の強度レベルにより異なるため、伸びフランジ性の評価は以下の方法で行った。
Δλ={(λS−λG)/λs}×100(%)
このΔλが30%以下であれば、合金化溶融亜鉛めっきによる伸びフランジ性の低下量は十分小さく、実用上問題ないと考えられる。
また、製造された合金化溶融亜鉛めっき鋼板の引張強度を測定した。この測定は、圧延方向と直角をなす方向から切り出したJIS−5号引張試験片を用いて行った。
表2及び表3において、No.1〜15は本発明例である。いずれもΔλは30%以下であり、めっき皮膜の合金化処理に伴う伸びフランジ性の低下が抑制され、伸びフランジ性の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られている。
No.1〜15の本発明例のうち、No.1は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用いているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.2は、スラブ加熱条件が好ましい範囲にあるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.3は、酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.5は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つスラブ加熱条件が好ましい範囲にあるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.6は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つ酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.8は、スラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、且つ酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.9は、スラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、且つめっき浴中のAl濃度が0.14mass%以下であるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.11は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つスラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、しかも酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.12は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つ酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削し、さらにめっき浴中のAl濃度が0.14mass%以下であるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.14及びNo.15は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つスラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、また酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削し、さらにめっき浴中のAl濃度が0.14mass%以下であるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
一方、No.16〜No.19は比較例であり、これらはいずれもZn侵食深さが30μm超であるためΔλが30%を超えている。
表1に示す鋼種a〜dを溶製してスラブに鋳造し、このスラブを表2に示す条件で加熱して熱間圧延し、板厚2.6mmの熱延板とした。この熱間圧延では、仕上圧延温度を870℃、巻取温度を600℃とした。熱間圧延後、酸洗し、一部の鋼板については鋼板表面をブラシで研削した。この熱延板の一部はそのまま溶融亜鉛めっき用の下地鋼板(母材鋼板)とし、残りは冷間圧延を施して板厚1.0mmの冷延板とし、これを溶融亜鉛めっき用の下地鋼板(母材鋼板)とした。
上記焼鈍・還元の雰囲気は15%H2−85%N2とし、均熱温度は850℃、均熱時間は60秒とした。めっき浴温度は465℃とし、鋼板両面に溶融亜鉛めっきを施した後、ガスワイピングにより皮膜付着量を片面当たり60g/m2に調整した後、室温まで冷却し、コイルに巻き取った。
λ={(割れ発生時の穴径d−初期穴径do)/初期穴径do}×100
この試験の測定に用いたポンチは先端角度60°の円錐ポンチであり、初期穴径は10mmとした。穴拡げ率は鋼板の強度レベルにより異なるため、伸びフランジ性の評価は以下の方法で行った。
Δλ={(λS−λG)/λs}×100(%)
このΔλが30%以下であれば、溶融亜鉛めっきによる伸びフランジ性の低下量は十分小さく、実用上問題ないと考えられる。
また、製造された溶融亜鉛めっき鋼板の引張強度を測定した。この測定は、圧延方向と直角をなす方向から切り出したJIS−5号引張試験片を用いて行った。
表4に、各供試材の結晶粒界中へのZnの侵食状況及び特性評価の緒果を示す。なお、各供試材の製造条件は、合金化処理を行わない以外は実施例1と同じであり、表2に示される製造条件とした。
No.1〜15の本発明例のうち、No.1は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用いているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.2は、スラブ加熱条件が好ましい範囲にあるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.3は、酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.5は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つスラブ加熱条件が好ましい範囲にあるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.6は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つ酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.8は、スラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、且つ酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.9は、スラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、且つめっき浴中のAl濃度が0.16mass%以下であるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.11は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つスラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、しかも酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削しているため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.12は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つ酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削し、さらにめっき浴中のAl濃度が0.16mass%以下であるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
No.14及びNo.15は、Bを0.0001mass%以上含有する下地鋼板を用い、且つスラブ加熱条件が好ましい範囲にあり、また酸洗後の熱延鋼板表面を0.3g/m2以上研削し、さらにめっき浴中のAl濃度が0.16mass%以下であるため、Zn侵食深さが30μm以下となり、Δλが30%以下となっている。
一方、No.16〜No.19は比較例であり、これらはいずれもZn侵食深さが30μm超であるためΔλが30%を超えている。
Claims (3)
- めっき金属であるZnの母材鋼板面における結晶粒界中への侵食深さ(但し、めっき鋼板の板厚断面において、幅10mmの任意の部分に生じたZnの結晶粒界中への侵食部分のうち深さの大きい順に10点を選び、その10点の平均値)が2.0μm以上30μm以下であることを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- めっき金属であるZnの母材鋼板面における結晶粒界中への侵食深さ(但し、めっき鋼板の板厚断面において、幅10mmの任意の部分に生じたZnの結晶粒界中への侵食部分のうち深さの大きい順に10点を選び、その10点の平均値)が2.0μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- 母材鋼板が、Bを0.0001〜0.01mass%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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