以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の光イメージング装置の第1の実施の形態の内視鏡装置の全体構成を示し、図2は制御装置の内部構成を示し、図3はジンバルミラーの構成を示し、図4はモニタでの表示例を示し、図5は変形例の制御装置の内部構成を示す。
図1に示すように本発明の光イメージング装置を実現する第1の実施の形態としての内視鏡装置1は、体腔内に挿入可能な内視鏡2と、この内視鏡2と接続され、内視鏡2に照明光等を供給したり、画像処理及び制御動作等を行う制御装置3と、この制御装置3に接続され、内視鏡画像と高精細な拡大画像とを表示するモニタ4とから構成される。
この内視鏡2は体腔内に挿入される硬質の挿入部5と、この挿入部5の後端に太幅に形成され、術者により把持操作がされる操作部6とを有する。この挿入部5の外被は硬質製の円筒管で形成され、その内側に以下に説明するように照明光を伝送する導光部材や結像等すると共に後方側に伝送する機能を持つ光学系が配置されている。
この内視鏡2は挿入部5内及び操作部6内には通常観察を行うための照明光(具体的には白色光)を伝送するライトガイドとしてのファイババンドル7が挿通され、このファイババンドル7は操作部6から外部に延出され、その端部は制御装置3に接続される。
図2に示すように制御装置3の内部に設けた光源装置8は白色光を発生するランプ9とこの光をファイババンドル7の端面に集光する集光レンズ10とを有し、このファイババンドル7の端面に入射された光はこのファイババンドル7により伝送され、挿入部5内の先端部に固定された先端面からさらに照明光学系11を経て前方に拡開して出射され、被検体12側を照明する。
なお、ファイババンドル7は操作部6において、2本に分岐され、挿入部5内では2本に分岐されて挿通され、従って2つの先端面に対向して2つの照明光学系11が配置されている。なお、後述する他の実施の形態で説明するようにファイババンドル7は挿入部5内で円環状にして挿通しても良い。
挿入部5の先端部における2つの照明光学系11の間の中央部には対物光学系13が配置され、この対物光学系13により像を結ぶ光は挿入部5内に配置されたリレー光学系15によって後方側にリレーするように伝送(導光)される。なお、図1ではリレー光学系15を1つのみ示しているが、挿入部5の長さに応じてその数を多くしても良い。
リレー光学系15によって後方側に像をリレーするように伝送する光は、操作部6内でハーフミラー16により分岐される。このハーフミラー16で反射された光は、第1の瞳結像光学系17a及び第1の絞り18aを介し、さらにカメラ結像光学系19を介して撮像素子20に結像する。
この撮像素子20に結像された像は光電変換され、信号線21を経て図2に示す制御装置3の内部のカメラコントロールユニット(以下,CCUと略記)22に入力され、このCCU22で相関二重サンプリングにより、撮像素子20で撮像した画像信号成分が抽出され、さらに色分離されて標準的な映像信号を生成する処理が行われた後、演算回路23に送られる。
演算回路23に送られた(撮像素子20で撮像した)画像信号は後述する拡大画像と合成されてモニタ4に出力され、モニタ4の表示面では例えば図4(A)に示すように撮像素子20の画像4aが内視鏡画像として表示される。
また、本実施の形態では、制御装置3の内部には、例えば低干渉性の光を発生すると共に、被検体12側からの戻り光を検出する光源&検出部24が設けてある。
この光源&検出部24は、低干渉性の光を発生する例えば超高輝度発光ダイオード(以下、SLDと略記)25を有し、このSLD25からの低干渉性の光は集光レンズ26で集光されて光ファイバ27aの一方の端面に入射される。この光ファイバ27aは制御装置3から外部に延出され、その他端は内視鏡2の操作部6内部に固定されている。
この光ファイバ27aは制御装置3の内部の途中でファイバカップラ部28で他方の光ファイバ27bと光結合している。従って、光ファイバ27aに入射されたSLD25からの低干渉性の光は、操作部6側の他方の端面に伝送されると共に、ファイバカップラ部28で光結合し、参照側光路を形成する光ファイバ27b側にも分岐し、この光は途中のピエゾ素子等で形成されるファイバ変調器29で変調される。
このファイバ変調器29は演算回路23により駆動されることにより光ファイバ27bで導光される光が変調される。なお、ファイバカップラ部28から操作部6側への光ファイバ27a等による光路長側が測定側光路長となる。
上記ファイバ変調器29を経て光ファイバ27bで伝送された光は、この光ファイバ27bの一方の端面に対向配置され、参照光側光路長調整機構30を形成するコリメータレンズ31によりステージ32に配置されたミラー33に平行ビームで入射し、このミラー33で反射される。
このミラー33で反射された光は上記ファイバ変調器29を経て、ファイバカップラ部28により光ファイバ27a側の戻り光と混合される。この場合、参照光側光路長と測定側光路長との光路長の差がSLD25による低干渉性の光のコヒーレンス長以内であると干渉光となり、低干渉性の光のコヒーレンス長以上であると干渉しない。
このファイバカップラ部28で混合された光は光ファイバ27bの他方の端面から集光レンズ34により集光され、光検出器(図2等ではPDと略記)35で受光される。
上記のように、光ファイバ27bは途中のファイバカップラ部28で他方の光ファイバ27aと光結合しているので、参照光側光路長調整機構30での反射光は光ファイバ27aの他方の端面で受光した戻り光とファイバカップラ部28で光混合される。つまり、ファイバカップラ部28から参照光側光路長調整機構30側に至る光路長が参照側光路長となっている。そして、参照側光路長と測定側光路長とが低干渉性の光のコヒーレンス長以内のずれであると、光検出器35で干渉光として検出されることになる。
従って、光源&検出部24における検出部は干渉計としての機能を持つ。
光検出器35により光電変換された信号は演算回路23に入力され、この演算回路23は光検出器35で検出された信号に対して復調し、干渉光成分を抽出する。
また、この演算回路23は、制御装置3のフロントパネル部或いは制御装置3に接続したキーボード36等からの指示操作により、ステージ32に制御信号を送り、ステージ32を矢印Aで示すように移動してミラー33の位置を変えて参照側光路長を変更できるようにしている。
また、この制御装置3内部にはスキャナ駆動装置37が設けてあり、このスキャナ駆動装置37は信号線38を介して図1に示すジンバルスキャナ39を駆動する。このスキャナ駆動装置37は演算回路23と接続されている。
そして、演算回路23は光検出器35からの信号から干渉光成分の信号を復調して抽出すると共に、その信号をA/D変換して内部のメモリに、スキャナ駆動装置37による光走査と関連付けて格納することにより、低干渉性の光による断層像の2次元画像データを生成する。
図1に示すように光ファイバ27aにおける操作部6の内部に固定された端面に対向してコリメータ光学系41が配置され、このコリメータ光学系41により光ファイバ27aの端面から出射された光は平行ビームされて、スキャナ駆動装置37により駆動される2次元的スキャナとしてのジンバルスキャナ39に入射される。このジンバルスキャナ39のミラー面はコリメータ光学系41の光軸と45°の角度に設定されている。
このジンバルスキャナ39の概略の構成を図3に示す。
このジンバルスキャナ39は中央部のミラー面39aを、第1のヒンジ部39bで例えば水平方向に傾動可能に保持すると共に、この第1のヒンジ部39bの外側にこの第1のヒンジ部39bによる保持方向と直交する第2のヒンジ部39cで上下方向に傾動可能に保持し、スキャナ駆動装置からのスキャナ駆動信号により、磁気的或いは静電的な駆動機構によりミラー面39aを2次元的に傾動し、コリメータ光学系41により入射される光を2次元的にスキャンする。
図1に示すようにこのジンバルスキャナ39で反射された光は対にした凸レンズからなる瞳径変換光学系42により、光ビームの径が大きくされた平行ビームに変換される。この瞳径変換光学系42により、光ビームの径を拡大する構成にして、ジンバルスキャナ39としては小さいサイズのものを採用できるようにしている。
この平行ビームは、第2の絞り18bを経て第2の瞳結像光学系17bにより集光され、上記ハーフミラー16によりその一部が透過してリレー光学系15に入射され、このリレー光学系15を経てさらに対物光学系13に入射され、この対物光学系13により集光されて被検体12側に集光照射される。
そして、被検体12からの反射光を逆の経路を経て光ファイバ27aの端面に導くようにしている。この光ファイバ27aにより伝送された被検体12側からの戻り光はファイバカップラ部28でその一部が光ファイバ27b側に分岐し、光検出器35で受光される。
本実施の形態では、図1に示すように挿入部5内には通常照明を行う照明手段(具体的にはファイババンドル7及び照明光学系11)の他に、この照明手段で照明された被検体12を結像する対物光学系13及びその光学像を後方の操作部6側に伝送するリレー光学系15とが配置されている。
この対物光学系13及びリレー光学系15は通常の光学式内視鏡の構成と類似した構成であるが、操作部6内部において、ハーフミラー16により光を反射光側と透過光側とに分岐する分岐手段が設けてあり、この分岐手段により、反射光側には通常観察のための撮像を行う撮像手段に導くようにし、透過光側には低干渉光を被検体12側に導光すると共に被検体12側からの戻り光を(干渉計として機能する検出器35側)に導光する低干渉光側光学系が配置されている。
そして、分岐手段により、通常観察の画像情報と、低干渉光(を走査させること)による拡大画像情報とを得られるようにしている。
このように本実施の形態では、挿入部5内に配置した対物光学系13及びリレー光学系15を通常観察(マクロ観察)及び低干渉光による拡大観察(ミクロ観察)とに共通使用するようにして、挿入部5を細径化できるようにしている。
また、本実施の形態では、操作部6内部におけるハーフミラー16により分岐された各光路上に第1の瞳結像光学系17a及び絞り径の小さい第1の絞り18aと、第2の瞳結像光学系17b及び絞り径の大きい第2の絞り18bとをそれぞれ配置し、第1の絞り18aの像43a及び第2の絞り18bの像43bを対物光学系13の瞳位置に結ぶようにしている。
つまり、図1では第1の絞り18aの像(開口像)43aは点線で示すように光軸O上で小さいサイズの開口像となり、これに対して第2の絞り18bの像(開口像)43bは実線で示すように光軸O上で大きなサイズの開口像となるようにしている。
そして、通常観察用の撮像素子20には、上記第1の絞り18aの像43aの開口部分を通った光のみが結像に機能するように対物光学系13の開口数(以下、NAと略記)を実質的に小さなものとし、これに対して低干渉性の光に対しては上記第2の絞り18bの像43bの大きな開口部分を通った光が集光するように高分解能の対物光学系13のNAとして機能するようにしている。
本実施の形態では、低干渉性の光を用いた場合には、NAを大きくして高分解能にし、通常観察の範囲における中心部分の小さな領域を拡大観察できるような構成にしている。
なお、図1では長い点線で低干渉性光を用いた場合における軸外の主光線を示し、この場合には被写体12の観察範囲は1点鎖線で示す光軸Oと(長い点線で示す)主光線とで示す小さな範囲となる。なお、ジンバルスキャナ39は図1の紙面に垂直な方向にも走査されるので、紙面に垂直な方向にも小さなサイズで観察可能となる。
また、ジンバルスキャナ39の走査に応じて干渉光成分の多数の強度データにより画像データを生成することにより、高分解能かつ高精細な画像を構築できるようにしている。
一方、通常観察に対してはその対物光学系13のNAを実質的に小さくして、広範囲の領域を、その視野の周辺側が(光線のけられで)暗くなるようなこともなく、観察しやすい良好な画像が得られるように撮像素子20に結像できるようにしている。
そして、図4(A)に示すように撮像素子20による通常画像(マクロ画像)4aと低干渉性光による(高精細な)拡大画像4bとを隣接するように表示し、その場合通常画像における中央部に低干渉性光を用いた場合における拡大画像4bの観察範囲4cを表示し、通常画像4aから拡大画像4bの観察範囲4cを容易に分かるようにしている。
また、ジンバルスキャナ39を例えば水平方向に1次元的に駆動し、その場合参照光側光路長調整機構30のステージ32を同期させてスキャンすることにより、被検体12の深さ方向にスキャンした場合の断層画像も得られるようにしている。
この場合には、例えば図4(B)に示すように通常画像4aに隣接して断層画像4dを表示し、その場合、通常画像4a側では断層画像4dにおける例えば断面位置を示す線4eを表示する。なお、ジンバルスキャナ39を水平方向でなく、垂直方向に1次元的に駆動し、これに同期してステージ32をスキャンすることにより、被検体12に対して縦方向の面に沿ってその深さ方向にスキャンした場合の断層画像も得ることができる。
このような構成による本実施の形態の作用を以下に説明する。
制御装置3の電源を投入した場合、光源装置8による照明光で被検体12側は照明され、照明された被検体12は小さなNAとして機能する対物光学系13により結像され、リレー光学系15で後方側に伝送される。
そして、ハーフミラー16により反射され、瞳結像光学系17a、絞り18a、カメラ結像光学系19を経て撮像素子20に結像され、光電変換される。この撮像素子20により出力信号はCCU22により映像信号に変換され、演算回路23を経てモニタ4に出力され、図4(A)或いは図4(B)に示すように撮像素子20で撮像したマクロ画像としての通常画像4aを表示する。
一方、SLD25から出た低干渉性の光は集光されて光ファイバ27aに入射され、この光はファイバカップラ部28でその一部が光ファイバ27b側に分岐し、その光は参照光側の光路を往復する。
光ファイバ27aでその先端側に導光された光は操作部6内の端面から出射され、コリメータ光学系41で平行ビームにされてジンバルスキャナ39に入射し、このジンバルスキャナ39はスキャナ駆動装置37により、2次元的に傾動駆動され、その反射光は2次元的にスキャンされる。
このジンバルスキャナ39での反射光は瞳径変換光学系42を経てビーム径が拡大され、第2の絞り18bを経て大きなビーム径で瞳結像光学系17b、ハーフミラー16を経てリレー光学系15側に導光される。リレー光学系15を経て、さらに対物光学系13により、その対物光学系13のほぼ外径を開口とする如くに被検体12側に集光照射される。
被検体12側での反射光は逆の光路を通り、光ファイバ27aの先端面に集光して入射され、その光はファイバカップラ部28で参照光側の光路長と低干渉性光のコヒーレンス長以内のものが干渉光として、光検出器35で受光される。
この光検出器35で光電変換された信号は演算回路23に入力され、この演算回路23では2次元的にスキャンされ、ファイバ変調器29で変調された干渉光成分を抽出するように復調し、内部のA/D変換器でデジタルデータに変換してメモリに時経列で入力される信号を格納し、2次元画像データを生成する。
その画像データはD/A変換器によりアナログの映像信号として読み出され、CCU22側から入力される映像信号と共に、モニタ4に出力され、モニタ4の表示面には図4(A)に示すように、撮像素子20による通常画像4aと共に、高精細な拡大画像4bとして表示される。
また、キーボード36から走査の変更指示入力を行うと、スキャナ駆動装置37は1次元的に駆動信号を発生し、信号線38により伝送しスキャナ39を1次元的に駆動する。さらに演算回路23はステージ32をスキャナ39と同期して往復移動させることで光検出器35からの信号で断層画像を構築する。
この場合にはモニタ4の表示面には図4(B)に示すように、撮像素子20による通常画像4aと共に、断層画像4dとが表示される。
本実施の形態によれば、通常画像として広範囲の部分の被検体12を通常の内視鏡のように観察できると共に、その中央部の狭い領域を低干渉性光による拡大画像により高分解能で観察することもできる。
次に、本実施の形態におけるNAの代表的な場合を説明する。以下の式(1)は対物光学系13の分解能の関係を示す。
r=0.56λ/NA (1)
ここで、rは分解できる長さを示し、λは使用する光の波長を示す。
例えばマクロ画像の場合には、2mm角の正方形に500×500画素を配置した撮像素子20で撮像する場合で考えると、1画素は4μm角の長さの画素となる。この場合には、サンプリング定理によりその半分の長さ2μmを分解できれば良いことになり、また波長λとしては白色光の中心付近の波長0.5μmとする。
この場合には、(1)式は
2=0.56×0.5/NA
となり、NA=0.14となる。
一方、ミクロ画像としては分解できる長さrとして、少なくとも1μm程度は必要であるとすると、(1)式は
1=0.56×0.8/NA
となる。ここで、波長λとしては赤外光付近の波長0.8μmとする。
この場合にはNA=0.448以上となる。
従って、ミクロ画像の場合のNAはマクロ画像の場合の0.448/0.14≒3となる。つまり、ミクロ画像の場合のNAはマクロ画像のNAの3倍以上となる。
本実施の形態によれば、マクロ画像における中央部の狭い領域に低干渉性光による拡大されたミクロ画像を表示する構成となっているので、マクロ画像により通常の内視鏡診断を行うことができると共に、その中央部を高NAの分解能が高いミクロ画像を拡大表示できるようにしているので、細胞レベルでより詳しく診断し易い環境を提供できる。
この場合、マクロ画像で観察する場合とミクロ画像で観察する場合とは共通の対物光学系13を用いてそのNAが実質的に異なる状態で観察するので、マクロ画像中におけるミクロ画像を観察する位置がその中心部の所定範囲で不変となり、ミクロ画像で観察する場合の位置合わせが容易となる。
また、本実施の形態では挿入部5内部には通常の内視鏡と同様に対物光学系13及びリレー光学系15を挿通配置し、その光学系を低干渉性光の場合にも共通に使用する構成にしているので、挿入部5を細径化できる。
従って、小さな挿入孔により本実施の形態の挿入部5を挿入でき、患者に与える苦痛を軽減することができる。
以上の説明では低干渉性光を用いた場合で説明したが、本実施の形態は共焦点光学系を用いた場合にも同様に適用できる。
図5は共焦点光学系を用いた場合における制御装置3Bの構成を示す。この場合には、内視鏡2は図1と同様の構成である。
この場合には図2の光源&検出部24の代わりにより簡単な構成の光源&検出部24Bを採用している。光源としての例えばレーザダイオード45の光は集光レンズ46により集光されて光ファイバ27aの一端に入射され、その光は光ファイバ27aにより伝送され、図1に示す操作部6内部の他方の端面(先端面)から出射される。
この場合、光ファイバ27aの先端面のサイズは十分に小さく、ピンホールと同等の機能を果たすことができる。そして、上述したのと同様にジンバルスキャナ39等を経て対物光学系13から被検体12側に高NAで集光照射される。
そして、被検体12側での反射光は対物光学系13のフォーカス位置(焦点)からのものだけが逆の光路をたどり、光ファイバ27aの先端面に入射し、対物光学系13の焦点以外の部分からの反射光が対物光学系13等を経て戻る成分があるが、それらは光ファイバ27aの周囲に届くが、光ファイバ27aの小さな端面には入射しない。
つまり、光ファイバ27aの先端面と対物光学系13の焦点とはその間の光学系に介して共役関係にある。そして、この共役関係にある部分以外からの光は排除される。
光ファイバ27aに入射した戻り光は光源&検出部24Bに設けたファイバサーキュレータ部47により他方の光ファイバ27cに導光され、集光レンズ48を経て光検出器49で受光される。
この光検出器49で光電変換された信号は演算回路23に入力される。この演算回路23は図2の演算回路23における復調処理を省いたのとほぼ同様の処理を行う。CCU22による撮像素子20で撮像した信号と合成され、モニタ4には図4(A)に示すように通常画像4aと高精細な拡大画像4bとが表示される。
本変形例も第1の実施の形態とほぼ同様の効果を有する。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態を図6を参照して説明する。図6は本発明の第2の実施の形態における内視鏡装置1Cを示す。この内視鏡装置1Cは内視鏡2Cと制御装置3(或いは3B)と、モニタ4とから構成される。
図6に示す内視鏡2Cは図1の内視鏡2において、挿入部5は同じ構成であり、操作部6内部の光学系が一部異なる。具体的には、第1の実施の形態ではリレー光学系15を経た光はハーフミラー16で分岐された後、2つの分岐された光路上に配置された瞳結像光学系17a、17bと2つの絞り18a、18bが配置していたが、本実施の形態では分岐する手前側(リレー光学系15側)の共通の光路上に瞳結像光学系17と可変絞り51とを配置している。
可変絞り51は信号線52により制御装置3或いは3B内部の例えば演算回路23に接続され、演算回路23を介して絞り径を可変できるようにしている。例えば通常は小さい絞り径51a状態に設定されており、その状態ではモニタ4には撮像素子20で撮像した通常画像を表示し、図2に示すキーボード36等から切替指示操作を行うと、大きな絞り径51b状態に設定される。その切替と共に、演算回路23はモニタ4に表示する画像を光検出器35或いは49で受光した信号、つまり低干渉性の光による拡大画像(又は断層画像)或いは共焦点光学系による拡大画像を表示する。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。本実施の形態では、可変絞り51は通常は小さい絞り径51a状態に設定されており、通常の内視鏡と同様の観察を行うことができる。そして、より拡大して観察したい部分に対しては、その部分を観察視野の中心部に設定して切替指示操作を行うことにより、演算回路23は可変絞り51を大きな絞り径51b状態に設定し、低干渉性光による拡大画像(又は断層画像)或いは共焦点光学系による拡大画像を表示する。
本実施の形態は第1の実施の形態における共通の光学系部分をより多く使用するようにしているので、光学系全体を小さくすることができる。その他はほぼ同様の効果を有する。
なお、可変絞り51の絞り径の大きさを分解能や観察範囲等により変更できるようにしても良い。
具体的には、低干渉性光による拡大画像(又は断層画像)或いは共焦点光学系による拡大観察を行う場合、最大の分解能は最大にしたNAで決定されるが、その場合における観察範囲よりも広い範囲を観察しようとするような場合には、キーボード等から指示操作を行うことにより、信号線52を介して可変絞り51によるNAを小さくすると共に、ジンバルスキャナ39による2次元走査範囲を広く走査して広い範囲を観察範囲にできるようにし、その際、NAを小さくしたことにより周辺側も中央側と同じような明るさで観察できるようにしても良い。
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態を図7及び図8を参照して説明する。図7は本発明の第3の実施の形態における内視鏡装置1Dを示す。この内視鏡装置1Dは内視鏡2Dと制御装置3(或いは3B)と、モニタ4とから構成される。
図7に示す内視鏡2Dは図1の内視鏡2において、対物光学系13として2重焦点レンズ54を備えている。
また、本実施の形態では光ファイバ27aの先端面、つまり光を出射すると共に結像面となる位置をピエゾ素子55による2次元スキャナで保持し、このピエゾ素子55をスキャナ駆動装置37により信号線56を介して駆動し、図7の実線及び太くて長い点線で示すように駆動する。なお、紙面に垂直方向にも駆動できるようにしている。
図7の場合には、光ファイバ27aの先端面からの光は結像光学系57、第2の絞り18b及び第2の瞳結像光学系17bを経てハーフミラ16の前方側のリレー光学系15側に導光する。
図8は2重焦点レンズ54の構成例を示す。図7に示す対物光学系13における例えば前レンズ側は凸レンズ57とその前に配置した回折レンズ58とから構成される。
回折レンズ58は同心状に凹凸部が形成され、通常観察光に対しては0次光を利用して焦点位置Paでフォーカスさせるようにして対物光学系13を長焦点距離として機能させ、これに対して低干渉性の光或いは共焦点光学系の光に対しては1次回折光を利用して焦点位置Pbでフォーカスさせるようにして、この場合には対物光学系13を短焦点距離として機能させるようにしている。
なお、代表的な例として、焦点位置Paにフォーカスする場合の焦点距離は、1次回折光を利用して焦点位置Pbでフォーカスさせる場合の焦点距離の3倍以上にする(第1の実施の形態で説明した場合と同様の分解能等の要請から)。 その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、通常観察の場合には、焦点距離が長くてNAが小さい対物光学系13として機能させ、一方低干渉性光或いは共焦点光学系で観察する場合には焦点距離が短くてNAが大きい分解能が高い対物光学系13として機能させる。
なお、本実施の形態では被検体12を観察する距離が通常観察の場合と低干渉性光或いは共焦点光学系で観察する場合とで異なっている。
しかし、本実施の形態の場合は、通常観察の場合、焦点距離が長く、非テレセントリックにしているため、第1の実施の形態よりも広範囲の観察が容易である。その一部をより詳しく拡大観察したい場合には、低干渉性光或いは共焦点光学系でミクロ画像で拡大表示でき、細胞レベルでより詳しく診断し易い環境を提供できる。
また、本実施の形態でも挿入部5内部には、通常観察の場合と低干渉性光或いは共焦点光学系の場合にも共通に使用する構成にしているので、挿入部5を細径化できる。
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態を図9を参照して説明する。図9は本発明の第4の実施の形態における内視鏡装置1Eを示す。この内視鏡装置1Eは内視鏡2Eと制御装置3Eと、モニタ4とから構成される。
図9に示す内視鏡2Eは図1の内視鏡2において、対物光学系13として例えばその前レンズを液晶レンズ61として制御装置3Eから信号線62を介して電圧の印加のON/OFFでその屈折率を変化させて焦点距離を変更できるようにしている。
また、本実施の形態では、制御装置3Eは図5の制御装置3Bにおける光源&検出部24Bに相当する機能を持つ光源&検出部24Eを操作部6内部に移した構成にすると共に、光ファイバ27aを用いない構成にしている。
つまり、レーザダイオード45の光はコリメータレンズ64により平行ビームにされた後、ハーフミラー65でその一部が透過して、集光レンズ66で集光され、そのフォーカス位置に配置されたピンホール形成素子67のピンホールを通りコリメータ光学系41に入射される。
このコリメータ光学系41による平行ビームは第2の絞り18bで所定のビーム径にされた後、ジンバルスキャナ39により反射されて第2の瞳結像光学系17bに入射され、さらにハーフミラー16を経てリレー光学系15側に導光される。
このリレー光学系15で導光された後、対物光学系13の液晶レンズ61により、短焦点で被検体12側に集光照射される。そして、被検体12側での反射光は逆の経路を通り、ピンホール形成素子67に入射する。この場合、対物光学系13の焦点位置での反射光のみがピンホールを通って集光レンズ66に入射し、さらにハーフミラー65でその一部が反射されて集光レンズ68で集光されて、光検出器49で受光される。
この光検出器49の信号はアンプ69で増幅された後、信号線70により制御装置3E内部の演算回路23に入力される。
その他の構成は第1の実施の形態(の変形例)と同様の構成である。
本実施の形態では、通常観察する場合には、液晶レンズ61の屈折率を小さくする等して、対物光学系13の焦点距離を長くし、一方、共焦点光学系を使用する場合には液晶レンズ61の屈折率を大きくする等して、対物光学系13の焦点距離を短くする。また、通常観察する場合には、絞り18aにより小さなNAにし、一方共焦点光学系を使用する場合には絞り18bにより大きななNAにして高分解能にしている。
本実施の形態では、通常観察と共焦点光学系によるミクロ観察とを同時観察ではなく、時分割で使用できる。そして、この場合の効果は第3の実施の形態とほぼ同様のものとなる。
なお、本実施の形態では、操作部6の内部に共焦点光学系により光源&検出部24Eを設けた構成にしているが、図2の光源&検出部24を操作部6内部に設けるようにして低干渉性光を用いた場合にも適用できるようにすることもできる。
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態を図10を参照して説明する。図10は本発明の第5の実施の形態における内視鏡装置1Fを示す。この内視鏡装置1Fは内視鏡2Fと制御装置3(又は3B)と、モニタ4とから構成される。
図10に示す内視鏡2Fは図1の内視鏡2において、対物光学系13として例えばその前レンズ群をズーム光学系71としてその近傍に配置したアクチュエータ72によりその光軸O方向に移動できるようにしている。
つまり、アクチュエータ72は信号線73によって、制御装置3(又は3B)内部の演算回路23と接続され、キーボード等から切替指示操作を行うことにより、通常観察の場合と低干渉性光或いは共焦点光学系による観察の状態にズーム光学系71を設定できるようにしている。
具体的にはこのズーム光学系71は凸レンズの正パワーと凹レンズの負パワーのレンズ群で構成され、通常観察の場合には図10の点線で示す状態の位置に設定され、この場合には対物光学系13の焦点距離は長くなる。
一方、低干渉性光或いは共焦点光学系による観察の指示がされた場合には、ズーム光学系71は点線で示す状態から実線で示す状態の位置に可変設定され、この場合には対物光学系13の焦点距離は短くなる。
この場合、図10で示すように挿入部5の先端面から同じ距離でフォーカスするように設定されている。
また、本実施の形態の内視鏡2Fにおける操作部6内の構成は図1の内視鏡2の操作部6内の光学系において、瞳径変換光学系42を省いたのとほぼ同様の構成にしている。
具体的には、、光ファイバ27aの先端面から出射された光はコリメータ光学系41で平行ビームにされ、第2の絞り18bで所定のビーム径にされてジンバルスキャナ39に入射され、その反射光は瞳径変換光学系42を用いることなく、第2の瞳結像光学系17bに入射される。
本実施の形態によれば、時分割ではあるが、第4、第5の実施の形態と同様に第1の実施の形態より、通常観察(マクロ画像)の観察範囲を広くすることが容易であり、マクロ画像とミクロ画像の観察する距離を等しくすることができる効果を有する。
(第6の実施の形態)
次に本発明の第6の実施の形態を図11を参照して説明する。図11は本発明の第6の実施の形態における内視鏡装置1Gを示す。この内視鏡装置1Gは内視鏡2Gと制御装置3(又は3B)と、モニタ4とから構成される。
図11に示す内視鏡2Gは図1の内視鏡2において、挿入部5と操作部6とを着脱自在にしたものにしている。
このため、挿入部5の後端と操作部6の前端部分とを取り付け部(接続部)75にて着脱自在に接続可能としている。
この場合、取り付け部75で(挿入部5側と操作部6側とに)ファイババンドル7が2つに分割されるので、本実施の形態では操作部6側のファイババンドル7aの前端部分に拡散板76を設け、この拡散板76を介して挿入部5側のファイババンドル7bに照明光を伝送するようにしている。そして、挿入部5内部で2本に分岐している。
また、挿入部5内のリレー光学系15と操作部6内のハーフミラ16との間の光路上に第2のリレー光学系77を配置している。この第2のリレー光学系77における一方の凸レンズ77aを挿入部側に、他方の凸レンズ77bをを操作部6側に配置し、対にしたレンズ77a、77bにより取り付け部75では平行ビームで光を導光するようにしている。
なお、本実施の形態では光ファイバ27aの先端部は、例えば図7で示したようにピエゾ素子55で2次元的に駆動され、光ファイバ27aの先端から出射される光は結像光学系57で平行ビームにされ、第2の絞り18bで所定のビーム径にされた後、第2の瞳結像光学系17bにより集光され、ハーフミラー16を経て第2のリレー光学系77の一方のレンズ77bを経て挿入部5側のレンズ77aに導光される。
その他は第1の実施の形態と同様の構成である。
本実施の形態は挿入部5を操作部6に着脱自在にしたことにより、例えば挿入部5の長さが異なるものを装着して使用することができる。
従って、使用する部位に応じて挿入部長が異なる内視鏡2Gを使用することができる。また、対物光学系13の焦点距離が異なる挿入部5を装着して、分解能をより高くしたりする等して、使用する部位に応じて分解能を適切なものに変更して使用することもできる。
従って、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果の他に、さらにより広い用途で使用することができるし、また使用する用途に適した状態で観察画像を得ることもできる。
なお、本実施の形態は例えば第1の実施の形態に類似した構成の場合で説明したが、第1の実施の形態において、挿入部5と操作部6とを着脱自在の構成にしても良いし、その他の実施の形態に適用することもできる。
図12(A)、図12(B)は本実施の形態の変形例における挿入部5及び操作部6を取り付け部側から見た図をそれぞれ示す。
本変形例では挿入部5内には図12(A)に示すように挿入部5の硬質の外套管81の内側に円環(リング)状にファイババンドル7bが挿通され、その内側の中心軸に沿って図示しないレンズ管に(リレー光学系15及びその後端付近に配置した)レンズ77aが取り付けられている。
一方、操作部6における挿入部5の後端が例えば嵌入して取り付けられるように円環状の取り付け部82が設けてあり、その内側における(挿入部5側の)ファイババンドル7bに対向する円環状部分には白色LED83が配置され、その内側には挿入部5側のレンズ77aに対向してレンズ77bが配置されている。 本変形例は第6の実施の形態とほぼ同様の効果を有する。
(第7の実施の形態)
次に本発明の第7の実施の形態を図13を参照して説明する。図13は本発明の第7の実施の形態における内視鏡装置1Hを示す。この内視鏡装置1Hは内視鏡2Hと制御装置3(又は3B)と、モニタ4とから構成される。
図13に示す内視鏡2Hは、例えば図11の内視鏡2Gにおいて、挿入部5内に設けたファイババンドル7b及びその先端の照明光学系11を除去した構成にし、また操作部6内のファイババンドル7aの先端面から出射される照明光を照明光学系85で集光し、第2のハーフミラー86でその一部を反射し、第2のリレー光学系77側に照明光を導光するようにしている。
なお、ファイババンドル7aの先端面から出射される照明光の出射角度は撮像素子20に結像される場合の視野角程度に設定されており、撮像範囲を効率良く照明できるようにしている。その他は図11と同様の構成である。
本実施の形態によれば、挿入部5内に配置した照明光伝送手段及び照明光学系を不要にできるので、挿入部5を細径化することができる。その他は第1の実施の形態とほぼ同様の効果を有する。
(第8の実施の形態)
次に本発明の第8の実施の形態を図14を参照して説明する。図14は本発明の第8の実施の形態における内視鏡装置1Iを示す。この内視鏡装置1Iは内視鏡2Iと制御装置3(又は3B)と、モニタ4とから構成される。
図14に示す内視鏡2Iは、例えば図1の内視鏡2において、光ファイバ27aの先端部付近と、コリメータ光学系41、ジンバルスキャナ39及び瞳径変換光学系42におけるジンバルスキャナ39側のレンズ(42aで示す)とをXYステージ91に配置している。
このXYステージ91は信号線92を介して制御装置3(又は3B)(内部の演算回路23)に接続され、キーボード等からの指示操作により光軸Oと直交するX、Y方向に2次元的に移動できるようにしている。
第1〜第7の実施の形態までは、低干渉性光或いは共焦点光学系による観察範囲は通常観察の場合の観察範囲における光軸O付近の中心部の決められた位置付近であったが、本実施の形態ではX或いはY方向の1次元的、或いはX及びY方向の2次元的に移動できるようにして、低干渉性光或いは共焦点光学系による観察範囲を変更できるようにしている。
なお、XYステージ91による移動量を図示しないエンコーダ等の検出手段で検出して、その場合における低干渉性光或いは共焦点光学系による観察範囲を通常観察の画像に枠等でユーザに分かるように表示するようにしても良い。
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態では、拡大観察する範囲を移動変更できるようにしているので、ユーザは拡大観察する範囲を診断しやすいように変更設定ができ、操作性を向上できる。その他は第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
なお、上述した各実施の形態等を部分的等で組み合わせて構成される実施の形態等も本発明に属する。
例えば、第8の実施の形態では移動ステージ91を第1の実施の形態に設けた構成にしたが、他の実施の形態に適用しても良い。また、例えば図11では取り付け部75で挿入部5と操作部6とを着脱自在にしているが、その場合の挿入部5及び操作部6等の構成を図11で示す構成でなく、他の実施の形態の構成にしても良い。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施し得ることが可能であることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。