JP4426824B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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特に、[特許文献1]の第4図に示されているように、室内空気を導く風路(ダクト)中に、熱源水を導くファンコイル(水対空気熱交換器)および冷凍サイクルの室内熱交換器に相当する空気熱交換器(冷媒対空気熱交換器)が配置される。冷凍サイクルは、圧縮機、四方弁、減圧装置、上記空気熱交換器の他に、室外熱交換器に相当する水対冷媒熱交換器を備えている。そして、蓄熱源から導かれる熱源水をファンコイルもしくは水対冷媒熱交換器、もしくはその両方に切換え案内する三方弁を備えた回路を備えている。
冷凍サイクルによる冷暖房運転時に、さらに冷暖房能力の性能アップが要求されると、三方弁は熱源水をファンコイルおよび水対冷媒熱交換器の両方に同時に流すよう制御される。ファンコイルと空気熱交換器を併用することになり、より大きな熱負荷に対処できる、とある。
また、ファンコイルもしくは/および空気熱交換器による暖房中に、室温制御によってファンコイルもしくは/および空気熱交換器が所定温度以下に低下する場合がある。このときは暖房作用を中断すべく送風機を停止する制御をなすのが理想である。
以下、図面を参照して本発明の実施例1に係る空気調和装置について説明する。図1は、空気調和装置の構成を概略的に示す図である。
図中1は、被空調室に連通する通風路(ダクト)であり、この通風路1内における風上側に、熱源水の導通路を備えたファンコイル2が配置されていて、熱源水と通風路1に導かれる室内空気とを熱交換できる。上記通風路1内のファンコイル2風下側には、冷凍サイクルRの室内熱交換器に相当する空気熱交換器3が配置され、冷媒と通風路1に導かれる室内空気とを熱交換できる。さらに、ファンコイル2および空気熱交換器3の風下側には被空調室内の空気を送風する送風機4が設置される。
熱源水循環回路Nとして、蓄熱源から熱源水入口部5に導かれる熱源水を、後述する水/水熱交換器6を介して上記ファンコイル2に導き、このファンコイル2から導出される熱源水を三方弁7の切換え動作にもとづいて、図中破線矢印に示すように再び上記水/水熱交換器6へ導き、さらに上記水/冷媒熱交換器9に導いてから熱源水出口部10を介して蓄熱源へ戻す第1の流路Aを備えている。
上記水/水熱交換器6には、2本の熱源水導通路が互いに交差して備えられている。上記熱源水入口部5と上記ファンコイル2に連通する熱源水導通路と、三方弁7と水/冷媒熱交換器9導入側とを連通する熱源水導通路であり、これら熱源水導通路を導かれる間に互いの熱源水は熱交換されるようになっている。
温度センサSとして、ファンコイルユニット2の熱源水導通路出口部に第1の温度センサS1が取付けられていて、ファンコイル2から導出される直前部位の熱源水の温度を検知するようになっている。
さらに、通風路1のファンコイル2室内空気導入側に第3の温度センサS3が取付けられる。熱源水循環回路Nにおいては、熱源水入口部5と水/水熱交換器6との間の配管に第4の温度センサS4が、かつ水/冷媒熱交換器9と熱源水出口部10との間の配管に第5の温度センサS5が取付けられる。冷凍サイクルRにおいては、圧縮機13の冷媒吐出部近傍に第6の温度センサS6が、電子膨張弁11と水/冷媒熱交換器9の間には第7の温度センサS7が、かつ圧縮機13の冷媒吸込み部近傍には第8の温度センサS8が取付けられる。
これら第3の温度センサS3〜第8の温度センサS8は、それぞれが取付けられる部位の空気温度もしくは熱源水の温度もしくは冷媒の温度を検知して、上記制御部15へ検知信号を送るようになっている。
つぎに、このようにして構成される空気調和装置の各運転モードでの作用を説明する。運転モードは使用者のリモコンに対する運転モード指示と、設定温度と、現在の被空調空間の温度および、熱源水入口部5における水温により決定される。以下の[表1]は、各運転モードと、それぞれの運転モードに対応する制御条件を示している。
(1)通常冷房運転と通常暖房運転
必要冷暖房能力がそれほど大きくなく、かつ冷房時に25℃未満の冷水が供給され、暖房時に25℃以上の温水が供給されている場合は、制御部15から圧縮機13の停止が指令されて空気熱交換器3は熱交換作用せず、ファンコイル2のみ機能する。
このとき制御部15は三方弁7を切換えて第2の流路Bに熱源水を循環させ、第1の流路Aには熱源水が流れないように制御する。蓄熱源の熱源水は熱源水入口部5から水/水熱交換器6を介してファンコイル2へ導かれる。ファンコイル2から導出される熱源水は、三方弁7から水/冷媒熱交換器9に導かれ、さらに熱源水出口部10から排出されて蓄熱源に戻される。
上記(1)通常冷暖房の運転条件を継続している間に、設定温度と現在室温の差が大きくなりファンコイル機能のみでは能力不足になった場合、冷凍サイクル運転をなして能力を増加させる高能力冷暖房運転を行う。
このとき、熱源水循環回路Nにおける三方弁7の切換え方向に変化がなく先に説明した通常の冷暖房運転と同様であるが、制御部15は冷凍サイクルRを構成する圧縮機13の駆動を開始するとともに、四方弁12の切換え制御をなす。
なお、ファンコイル2で吸熱を終了した冷水は三方弁7から第2の流路Bを経由して水/冷媒熱交換器9に導かれる。この水/冷媒熱交換器9では冷媒の凝縮作用が行われているので、冷水は冷媒と熱交換して凝縮熱を吸収する。水/冷媒熱交換器9は水熱交換器として用いられることになり、ここでの吸熱が冷凍サイクルRにおける冷房熱量として利用され、ファンコイル機能のみと比べて利用温度差が取れ効率のよい冷房となる。
同時に冷凍サイクル運転が行われて、水/冷媒熱交換器9で冷媒が蒸発し、空気熱交換器3では冷媒が凝縮して、ファンコイル2から導かれる暖気へ凝縮熱を放出する。暖気はさらに温度上昇した暖気に変わり、室内へ送風される。したがって、高能力暖房が得られる。
蓄熱源から25℃以上の温水が供給されているが、被空調室における何らかの事情により冷房運転を強調したい要求がある。また、蓄熱源から25℃未満の冷水が供給されているが、被空調室における何らかの事情により暖房運転を強調したい要求がある。
すなわち、ファンコイル機能による冷房と暖房は使用者の指示によって決定されるが、温水の供給中に冷房運転が要求された場合に、温水をそのままファンコイル2に導いては冷房ができないし、冷水の供給中に暖房運転が要求された場合に、冷水をそのままファンコイル2に導いては暖房ができない。そこで、制御部15は三方弁7に対して熱源水の導通方向を第2の流路Bから第1の流路Aに切換え制御したうえで、冷凍サイクル運転を開始する。
ファンコイル2での暖房能力が無効化し、その一方で冷凍サイクルRに対する運転が開始される。水/冷媒熱交換器9では冷やされて温度低下した温水と冷媒が熱交換し、冷媒は凝縮して空気熱交換器3に導かれ、ここで蒸発する冷房運転が行われる。空気熱交換器3では、ファンコイル2を流通したあとの空気から蒸発潜熱を奪って冷気に変える、いわゆる“逆冷房”作用を得る。
ファンコイル2での冷房能力が無効化し、その一方で冷凍サイクルRに対する運転が開始される。水/冷媒熱交換器9では温められて温度上昇した冷水と冷媒が熱交換し、冷媒は蒸発して空気熱交換器3に導かれ、ここで凝縮する冷房運転が行われる。空気熱交換器3では、ファンコイル2を流通したあとの空気へ凝縮熱を付与し暖気に変える、いわゆる“逆暖房”作用を得る。
すなわち、通常暖房が選択された場合には冷凍サイクルRの運転がなく、ファンコイル2に熱源水である温水が供給されるが、運転開始時において制御部15はファンコイル2に取付けられる第1の温度センサS1からの検知信号を判断基準として選択し、第2の温度センサS2からの検知信号を無視する。
なお、暖房運転時における室温制御は吸込み温度センサである第3の温度センサS3の検知信号にもとづいて制御部15がコントロールするが、たとえば負荷要求を15段階に設定して、最小負荷をT1とし、最大負荷をTFとして、T0をサーモオフ(運転停止)とする、暖房設定温度と吸込み温度の関係を制御データテーブルにて制御する。
このようにして、冷風吹出し防止制御に採用する温度センサを運転状態で切換えるが、ファンコイル2と空気熱交換器3におけるいずれの温度センサ検出値も、図2に示すような温度(℃)で風量タップを制限する。
ファンコイル2(空気熱交換器3)が引き続いて温度上昇し、対応する温度センサS1(S2)が28℃を検出すると制御部15は送風機4に一段階上げた微風運転をなすよう制御する。以下、2℃毎に1段階ずつ風量が上がって弱風から強風になる。32℃以上は強風が保持される。
このように本発明によれば、熱源水の温度に応じて冷暖房能力を発揮するファンコイル機能に対して、冷凍サイクルRにおける空気冷却加熱用熱交換器である空気熱交換器3を加えるとともに水/水熱交換器6を備えている。そして、熱源水を略空気温度に近いファンコイル2を導出された熱源水と選択的に熱交換することで、ファンコイル能力を選択的に小さくすることができる。
本発明の実施例2を図面にもとづいて説明する。
図3に示すような構成であってもよい。ここでは送風機4の位置が通風路1内の先に説明した実施例1での位置とは異なるが、通風路1内に配置されるファンコイル2と空気熱交換器3に対して送風して熱交換させ、熱交換後の空気を室内へ導くようにしていることは変りがない。
以下の[表2]は、各運転モードと、それぞれの運転モードに対応する制御条件を示している。
高能力冷房の場合は、熱源水として冷水が導かれ、通常冷房と同様に冷水が循環され、同時に冷凍サイクルRの運転が開始される。ファンコイル2による冷熱の放出と、空気熱交換器3による冷熱の放出があって、高能力の冷房運転が得られる。
熱源水として温水が導かれるときの冷房運転、すなわち逆冷房の場合は、三方弁7を図中破線矢印に示す方向に切換える。熱源水入口部5から導入される温水は上記三方弁7の切換え方向に沿って水/冷媒熱交換器9へ導かれ、そのまま熱源水出口部10から排出される。
冷凍サイクルRは暖房運転をなし、空気熱交換器3において凝縮熱が放出される。冷水はファンコイル2に導かれないので、ファンコイル2においては何らの機能もしない。冷水は水/冷媒熱交換器9に導かれ、蒸発潜熱を奪われてから排出される。すなわち、冷水を水/冷媒熱交換器9に導くことにより、ある程度低圧を高くする機能を得られる。
また、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を越えない範囲内でさらに種々変形実施が可能であり、本願発明はこれらの全てを完全に包含するものである。
Claims (4)
- 室内空気の通風路の上流側に配置され、熱源水の導通路を備えたファンコイルと、
上記ファンコイルの下流側に配置され、冷媒の導通路を備えた空気熱交換器および
上記ファンコイルと上記空気熱交換器へ送風する送風機と、
圧縮機、四方弁、上記空気熱交換器、減圧装置、熱源水と冷媒の導通路を備えた水/冷媒熱交換器が順次冷媒管を介して連通されるヒートポンプ式の冷凍サイクルと、
2本の熱源水導通路を熱交換可能な状態で備えた水/水熱交換器と、三方弁を備えるとともに、熱源水入口部−水/水熱交換器の一方の熱源水導通路−ファンコイル−三方弁−水/水熱交換器の他方の熱源水導通路−水/冷媒熱交換器−熱源水出口部を連通する第1の流路および、熱源水入口部−水/水熱交換器の一方の熱源水導通路−ファンコイル−三方弁−水/冷媒熱交換器−熱源水出口部を連通する第2の流路を備えた熱源水循環回路と、
上記ファンコイルの温度を検出する第1の温度センサおよび、上記空気熱交換器の温度を検出する第2の温度センサと、
これら第1の温度センサと第2の温度センサの検出温度にもとづいて、上記送風機の風量を制御するとともに、
上記ファンコイルのみ機能させる通常冷房運転もしくは通常暖房運転と、上記ファンコイルおよび冷凍サイクルを機能させる高能力冷房運転もしくは高能力暖房運転が要求されたとき、熱源水を上記熱源水循環回路の第2の流路に導くよう上記三方弁を切換え制御し、
熱源水が温水で冷凍サイクルが冷房運転である逆冷房運転を要求されたとき、もしくは、熱源水が冷水で冷凍サイクルが暖房運転である逆暖房運転を要求されたとき、熱源水を上記熱源水循環回路の第1の流路に導くよう上記三方弁を切換え制御する制御手段と
を具備することを特徴とする空気調和装置。 - 上記制御手段は、
上記ファンコイルによる暖房時には、上記第1の温度センサの検出信号にもとづいて送風機を制御し、
上記空気熱交換器を用いての暖房時には、上記第2の温度センサの検出信号にもとづいて送風機を制御することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。 - 上記制御手段は、いずれの暖房運転に係らず、検出温度に対する風量制御の関係を同一とすることを特徴とする請求項2記載の空気調和装置。
- 上記第1の温度センサは、上記ファンコイルにおける熱源水導通路の出口部に取付けられ、
上記第2の温度センサは、上記空気熱交換器における冷媒導通路の中間部に取付けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の空気調和装置。
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