JP4426100B2 - ドリンク容器用の容器載着ヘッド、該容器載着ヘッド用の弁体インサート部分及びドリンク容器 - Google Patents

ドリンク容器用の容器載着ヘッド、該容器載着ヘッド用の弁体インサート部分及びドリンク容器 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野:
本発明は、少なくとも1つのドリンク一方向弁に近接して位置する少なくとも1つのドリンクオリフィスと、容器載着ヘッドの主平面に対して実質的に直角に延びる弁座と、閉弁位置で前記弁座に当接する弁体とを備えた形式のドリンク容器用の容器載着ヘッド、例えば螺合締結部とドリンク注出ピース又は吸出ピースを有する容器蓋に関する。更に本発明は、前記のようなドリンク容器の容器載着ヘッド用の弁体インサート部分並びにドリンク容器に関する。
【0002】
背景技術:
ドリンク容器用の前記形式の容器載着ヘッドは、乳幼児或いは、肉体的な欠陥に基づいてドリンクの難しい身障者に、ドリンクを容易にするために使用される。またスポーツマンによって使用されるドリンクボトルの場合にも、このような容器載着ヘッドが使用される。容器載着ヘッドは容器を密閉しているので、容器内に存在している液体は、ドリンクオリフィスを通ってしか流出することができない。しかもその場合に重要な点は、容器を傾けたり揺さ振ったりした際に液体が不都合に流出しないことである。この目的を達成するために、ドリンクオリフィス、例えばドリンク注出ピースを吸引した場合にだけ開弁して液体の通流を可能にするドリンク弁が装備される。
【0003】
更にまた容器から液体を吸引する際に容器内部に発生する負圧を補償するために、容器に空気弁を使用することも公知である。例えば米国特許第4545491A号明細書には、ボトムに空気弁を備えた吸飲ボトルが開示されている。しかしながら該吸飲ボトルの欠点は、空気弁が、その組付け及び洗浄の点で、吸引ピースを有する上部ボトル蓋に加えて、独自のボトム部分を必要とし、かつ空気弁が、ボトムに配置されているために比較的粘着し易いことである。
【0004】
米国特許第5542670A号明細書に開示されているように、1つのドリンク弁と1つの空気弁が並列的に容器載着ヘッドに装着されていることもある。容器載着ヘッドはこの場合、ドリンク弁を介して容器内部に接続している1つのドリンク注出ピースを有しており、かつドリンク弁の傍に空気弁が装着されている。ドリンク弁と空気弁は共にエラストマー体によって実現されており、該エラストマー体は、容器載着ヘッドから該容器載着ヘッドの主平面に対して直角な方向に容器内部へ侵入する円筒形エレメント上に座着している。具体的にはこれらの弁は次のように構成されている。すなわちエラストマー体の比較的薄いダイヤフラム部分内に十字スリットが設けられており、前記ドリンク注出ピースを吸引し、もしくは容器内部に負圧を発生させると前記十字スリットは拡張し、従って液体もしくは空気がそれぞれの十字スリットを通過することができる。圧力差が存在しなくなると、これらのダイヤフラム部分は再び閉鎖し、液体もしくは空気の通過を阻止する。これらの弁構造は、洗浄が簡便ではあるが、一連の欠点を有している。すなわちドリンク容器を比較的強く揺さぶると、その際に幾分開放する十字スリットを通って液体が流出してこぼれることがある。また幾分時間が経過すると機能が保証されていない。それというのはエラストマー体の弾性特性が、時間の経過につれて減退し、こうして十字スリットの申し分のない開閉が不確実になるからである。更にまた例えば粥又は粒子を含んだ果汁の場合には、なんらかの物質が十字スリット内にこびりつき易く、これによって弁は開いたままになるので、その他の物質も妨げなく容器から流出することになる。更に前記の弁構造に基づいてドリンク容器を完全には飲み干せないことも不利な点である。それというのは、ドリンク吸飲時に容器を旋回させると、円筒形エレメント及びエラストマー体の高さに応じて常に液体残分が容器内に残留するからである。そればかりか吸引を止めると、比較的多量の液体体積が、ドリンク弁の外側のドリンク注出ピース内部に残留することがあり、この液体残留分は、容器を逆さにした場合又は揺すった場合にドリンク注出ピースからこぼれ出ることになる。
【0005】
また米国特許第5079013A号明細書(及び類似の英国特許第2314497A号明細書)においても、1つのドリンク弁と1つの空気弁が、ドリンク容器の容器載着ヘッドに並列的に装着されている。ドリンク弁はこの場合、皿形弁(もしくは円錐弁)として形成されており、該ドリンク弁はコイルばねのばね力によって閉弁状態に保持される。前記ドリンク弁の上位に装着されたドリンク注出ピースを吸引すると、弁体はばね力に抗して弁座から離間され、これによって容器内部から液体を流出させるためのポートが解放される。空気弁は、米国特許第5079013A号明細書によれば玉弁であり、該玉弁のボールはコイルばねのばね力によって、容器載着ヘッドに装着された弁座に圧着される。前記玉弁は、容器内部へ侵入する円筒形エレメント内に設けられている。これに対して英国特許第2314497A号明細書によれば空気弁は、通気性ダイヤフラムによって形成されている。ドリンク弁は、その規定の役割を果たし、つまり容器を傾けたり揺すったりした場合でも密封を保証しはするものの、この公知の構成は、重大な別の欠点を有している。つまりこの公知の弁は、組付けしにくく、特にほとんど洗浄することができず、つまり、このドリンク容器から吸引する人にとって極めて非衛生的であることを意味している。徹底的に洗浄するためには弁は分解されねばならず、このような分解を使用のために要求することは到底不可能である。その上に、このように多数の構成部品から成る弁の製造費及びその組立費は極めて割高になる。更なる欠点は、この公知技術の場合も液体を容器から完全には吸引することができず、それに加えて閉弁後には液体残分がドリンク注出ピース内に残留し、容器を逆さにした場合或いは揺さぶった場合にこぼれ出ることになり、これは、乳幼児によって保持されるドリンク容器の場合には、特に好ましいことではない。
【0006】
発明の開示:
そこで本発明の課題は、明細書冒頭で述べた形式のドリンク容器用の容器載着ヘッドを改良して、弁構造を単純にし、それにも拘わらず開弁・閉弁を確実にすると共に弁構造を容易に組付け・組外し可能にして問題なく良好に洗浄できるようにし、しかも特にまたドリンク時には容器を完全に空にできるようにすることである。
【0007】
明細書冒頭で述べた形式の本発明の容器載着ヘッドは、弁体が、閉弁位置で弁座に当接するエラストマー材料から成る少なくとも1つのシールリップを有していることを特徴としている。この場合シールリップは、単数又は複数の弁ポートを有する弁座の出口側に位置するように構成されている。ドリンク弁の出口端部に負圧が生じると、要するに例えばドリンク注出ピースを吸引すると、この構成の場合シールリップは弁座から離間し、これによって、ドリンクしようとする液体(粘稠性液体であれ粥状液体であれ)のための通流通路が形成される。負圧が消滅すると即座にシールリップは再び元の閉弁位置へ復帰するので、通流通路は再び中断されることになる。
【0008】
ドリンク弁もしくはその弁座を形成する場合、方形横断面を有する室を形成することはそれ自体可能であり、その場合シールリップは例えば、互いに向き合った弁座壁に内側から当接しかつ舌片状である。しかし簡便に製造可能なかつ確実な機能を保証する構造を得るためには、弁座はそれ自体閉じるように形成されており、かつシールリップはチューブ状に形成されており、かつ閉弁位置において内側から前記弁座に当接するのが有利である。その場合、楕円形横断面の弁座も考えられるが、製造の点から見れば、円形横断面の弁座の方が有利である。また弁座は円筒形状並びに円錐形形状を有することもできる。要するにシールリップ及び弁座は、一定の直径をもって真直ぐ軸方向に延在することも、横断面積もしくは直径を漸増又は漸減することも可能である。
【0009】
組立を簡便にするためにシールリップはベース部分と一体に結合されているのが有利である。ベース部分はその場合、弁体を固定するために役立ち、その場合、シールリップを洗浄のために弁座から簡単に取り外す可能性が得られ、しかもシールリップに直接引張り負荷を及ぼす(これによってシールリップに損傷を与える)ような事態は避けられる。
【0010】
本発明は、前記容器載着ヘッドとの関連において、簡便に製造可能かつ容易に組付け可能で問題なく洗浄できる弁体インサート部分にも関わり、かつ、少なくとも1つの例えばチューブ状のシールリップが、固定のために使用されるベース部分と一体に結合されていることを特徴としている。
【0011】
弁座に弁体を簡便に、それにも拘わらず安定的に固着するために有利な構成を得るために、弁体のベース部分は、接続管片状の弁座延長部に被せ嵌め可能であり又は被せ嵌められている。弁座延長部はその場合、容器内部へ侵入しており、かつベース部分は、充分に深い凹みもしくは、場合によっては内壁に対して距離をおいた充分な高さの外壁を有することができ、こうしてベース部分の端面側端部から弁座延長部に被せ嵌めることができる。またベース部分が、弁座延長部を全く又は僅かしか超えないようにすること、すなわち弁座延長部の内部に実質的に配置されているようにすることも考えられ、その場合ベース部分は、例えばその外面に設けた瘤状のスナップ突起によって、接続管片状の弁座延長部の内面に形状嵌合式に保持されていてもよい。
【0012】
接続管片状の弁座延長部は、弁体のベース部分にスナップ嵌合するために、例えば終端側に少なくとも1つの厚肉部又は凹所を有しているのが、特に有利である。また係止ビード又は概ね係止突起を別の領域に設けること、例えば弁座延長部の中央域に設けることも考えられるが、本発明のように終端側に配置することによって、ベース部分の構成が単純になる。厚肉部もしくは係止突起は全周にわたって延びることができるが、個別部位にだけ、例えば接続管片状の弁座延長部の、直径方向で対向する部位にだけ設けておくことも可能である。係止突起は、それ自体自明のように、ベース部分に設けられて、弁座延長部に設けた係止凹所と協働することもできる。接続管片状の弁座延長部にベース部分をスナップ嵌合させたことによって、弁座に沿ってのシールリップの(軸方向)ずれスリップが大きな確実性をもって回避されるので、弁座におけるシールリップの正しい位置が確保され、それに加えて又、弁座延長部における弁体の組付け時のスナップ嵌合音によって、弁座にシールリップが正しく位置していることを感知させる可聴「信号」が与えられるので、例えば洗浄後の組立が(不慣れな人によっても)容易になる。
【0013】
また弁体用ベース部分に対応片を設けることなしに、接続管片状の弁座延長部の外面及び/又は内面に係止用厚肉部を形成して、ベース部分の弾性的な材料圧入に基づいて安定的な座着を確保することも当然考えられる。しかしながら弁座に沿ってシールリップが不都合にスリップする可能性を最小限にするためには、弁体のベース部分が、弁座延長部の厚肉部に対応して少なくとも1つの係止溝を有しているのが特に有利である。弁座延長部の終端側に厚肉部が設けられている場合には、ベース部分に少なくとも1つの、アンダーカットの施された係止溝が設けられ、組付け位置では該係止溝内に、接続管片状の弁座延長部の端面部分が受容されているのが有利である。ベース部分の係止溝は、部位とサイズの点で、弁座延長部の厚肉部に正確に適合されているのが有利である。これによって特定位置においてシールリップと弁座との間には、安定した正確な座着が得られる。
【0014】
特に有利な実施形態では、弁体のベース部分は、上下に設けられた少なくとも2つの係止溝を有しており、これらの係止溝は、異なった係止位置を得るために弁座延長部の同一の厚肉部と協働する。これによって弁座延長部の厚肉部は例えば、より上位又はより外位に位置する係止溝に係合することができ、この係合に伴ってシールリップの前部部分だけが弁座(殊に有利には円錐形弁座)に当接し、これによって比較的低いシール圧が得られ、従ってドリンク時には、より僅かな吸引圧を発生させればよいことになる。これは、まだ充分強く吸込めない乳幼児にとって特に有利である。また弁座延長部の厚肉部が、より内位に位置する、より深い係止溝内に係合する場合には、弁体をもっと弁座内へ押し込むことも可能である。その場合シールリップの著しく大きな部分が弁座に当接するので、シールリップを弁座から離間させて容器から液体を吸出するためには、より強い吸引圧が必要になる。この調整は、すでにより強く吸引できる幼児に適しており、これは、このような幼児の場合には、ドリンク容器を振ったり投げたりするリスクが大であり、ひいてはドリンク容器から液体が流出するリスクも大になるからである。
【0015】
幼児にとって特に有利な実施形態は、エラストマー製のシールリップが、通流通路を開けた状態で容器載着ヘッドのドリンク注出ピース内に侵入している押し退け体と一体に結合されている点にある。該押し退け体はほぼピストン状に形成され、かつドリンク注出ピースの内壁の形状にできるだけ適合した形態を有し、従ってできるだけ小さな間隙、場合によっては円環状の間隙が残存するようにするのが有利である。これによって、吸引終了後のドリンク注出ピース内における液体残分の残留が著しく減少され、かつその後ドリンク容器が振り回されたりしても、液体が事実上こぼれたり或いは噴出したりすることはなく、このためには残留液の表面張力も寄与する。
【0016】
接続管片状の弁座延長部は、液体を通すための少なくとも1つの縦スリットを備えているのが有利である。該縦スリットは、シールリップがこの領域でベース部分に一体的に結合されている場合でも本来の弁への液体の通流を保証し、かつ該縦スリットは液体の粘稠性に応じて、より広く又はより狭く形成することができる。前記縦スリットは、接続管片状の弁座延長部の端面側自由端部の方へ向かって開放又は閉鎖することもでき、しかも該縦スリットはより長く又はより短く形成することができる。これによって液体は弁座へ容易に達することができるので、充分な液量を容器から吸出することが可能になる。
【0017】
弁座延長部に設けた2つの係止溝の外位係止溝にも厚肉部を簡単にスナップ嵌合できるようにするために、少なくとも1つの半径方向ウェブが、より内位に位置する係止溝内に設けられており、該半径方向ウェブが、前記内位の係止溝と同じ高さでありかつ端面側で少なくとも1つの縦スリット内に嵌合するようにするのが有利である。前記半径方向ウェブは、縦スリットに整合されている場合には、該縦スリット内に侵入することができるので、弁座延長部へのベース部分の完全な押し嵌めが可能であり、従って厚肉部は、より太い係止溝内へ係合し、かつシールリップがその全長にわたって弁座に当接する。しかしベース部分が回動されると、前記半径方向ウェブは、弁座延長部の厚肉部がより外位に位置する係止溝にスナップ嵌合する位置に達すると即座に、弁座延長部上へのベース部分の押し嵌め時のストッパを形成するので、厚肉部は、前記係止溝内に係合して、シールリップの最上位部分だけが弁座に当接することになる。
【0018】
弁座への液体の通流を良好にするために、2つの縦スリットもしくは該縦スリットに整合した縦通路が、弁座に隣接した周方向に延びる凹みを介して互いに接続されているのが有利である。しかし又、軸方向の凹みが縦スリットを起点として形成されて弁座に境を接するようにすることも考えられる。縦スリットの個数がより大である場合には、複数の又はすべての縦スリットを、例えば円環状の1つの凹みを介して互いに接続することも可能である。この凹みは、弁座への充分な量の液体の通流を助成する。
【0019】
容器を完全に空にするために、いずれにしても、縦スリットが、接続管片状の弁座延長部と容器載着ヘッドの主平面との交差点にまで達しているのが有利である。
【0020】
有利な実施形態によれば、ベース部分は結合体を介して、公知のように更に別個に設けられた空気弁の少なくとも1つのエラストマー製チューブ状弁体のためのベース部分と一体に結合されており、該ベース部分は、少なくとも1つの通気オリフィスの領域で容器載着ヘッドの主平面に対して実質的に直角に延びる管状の弁座に被せ嵌められている。ドリンク時、つまり容器からの液体吸飲時に容器内には、周辺外気圧と比較して負圧が発生し、かつ、より高い外部空気圧が、エラストマー製チューブ状弁体の内面側を押圧し、これに基づいて該弁体は弁座から僅かに離間される。これによって弁体と弁座との間の空気が容器の内室へ流入し、その結果、圧力平衡が生じる。ところで空気弁用の弁体とドリンク弁用の弁体が一体に結合されかつエラストマー材料から製作されていることによって、両弁体は同時に1回の操作で、本来の容器載着ヘッド上に載着され、かつ再び取り外すことができるので、これによって組立及びとりわけ洗浄を、特に簡便に行うこととが可能になる。またこの実施形態の製作も煩雑になることはない。
【0021】
複数の、例えば2つの係止位置を有するドリンク弁の構成に関して特に有利な実施形態は、結合体が、空気弁の複数の、例えば2つのエラストマー製チューブ状弁体用のベース部分を形成している点にある。その場合、複数のチューブ状弁体の1つがドリンク弁のベース部分の回動位置に応じてその都度、空気弁の管状弁座の上へ被せられるので、ドリンク弁の各係止位置において1つの完全な空気弁が供用される。
【0022】
圧力差が以前には僅かな場合でも容器内への空気流入を確実にするための有利な実施形態は、空気弁用の管状弁座が、少なくとも1つのスリット状の空気通過口を有するように形成されている点にある。その場合、空気通過口の個数は、該空気通過口の幅及び長さと同様に可変である。機能を良好にすると共に製作を簡便にするためには、実際のテストの結果、弁座の端部の方へ開いた2つのスリットを、互いに対向して設けるのが特に有利と判った。その場合は吸飲が著しく急速であっても負圧の補償が可能である。
【0023】
通気を最適化するためには、スリット状の空気通過口のスリット長さが、弁座高さの半分に等しいのが特に有利である。
【0024】
このようにして生じた一体的な弁体インサート部分を特に簡便に引き出せるようにするため、結合体から少なくとも1つのつまみが張出しているのが有利である。例えばプレート状のつまみは、該つまみを掴んで引き出す際に全ての弁体が同時に弁座から解離するように設けられているのが有利である。このつまみによって操作が容易になり、かつ引き裂き又は変形の発生が防止される。それのみならず、全体的に見て弁体インサート部分の「嵩高」な構成が得られるので、幼児による呑み込みが確実に防止され、かつ、このために種々規定されているいわゆる「スモール・パート」テストにも合格である。
【0025】
自動食器洗い機で簡便に洗浄するために有利な構造は、結合体又はつまみが少なくとも1つの穴を有している点にある。その場合、2つの穴を、つまみの両側にそれぞれ1つずつ設けることも考えられる。弁体インサート部分は前記穴を介して、自動食器洗い機の挿入バスケットの棒に装着することができる。
【0026】
弁体(弁体インサート部分)は一般にゴムもしくはゴム状プラスチックから成り、特に有利にはシリコーンゴム又は熱可塑性エラストマーから成っている。これによって、弁体インサート部分には、飲料及び食品に対して安定した特性、かつ又、健康に対する危惧を要しない適用及び長い耐用寿命が与えられている。また他面において容器載着ヘッドは例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又はポリカーボネート(PC)から成っている。
【0027】
発明を実施するための最良の形態:
次に図面に基づいて本発明の有利な実施例を詳説する。なお本発明は、図示の実施例にのみ限定されるものではない。
【0028】
図1には、目下の時点では本発明の格別有利な実施形態と目される容器載着ヘッド2を備えたドリンク容器1が図示されており、しかも容器載着ヘッド2には1つのドリンク弁3と1つの空気弁4が装着されている。ドリンク弁3は、円筒状に閉じられた弁座5と弁体6から成り、該弁体は、閉弁位置(図1参照)で内部から弁座5に接触するチューブ状に形成されたシールリップ7を有している。該シールリップ7はベース部分8と一体に結合されており、該ベース部分は、接続管片状の弁座延長部9に差し嵌められている。その場合、弁座延長部9の終端厚肉部10が、ベース部分8の、係止溝11aを形成するために外寄り内壁にアンダーカットの施された差込み凹所11に受容されている。
【0029】
更に前記シールリップ7もしくはベース部分8には、押し退け体12が一体に結合されている。該押し退け体12は図示の実施例では中空である(清浄化の理由から中実であってもよい)が、上面12aでは閉じられており、かつ該押し退け体は、通流通路14を開けた状態で、容器載着ヘッド2のドリンク注出ピース13内へ侵入している。この通流通路14を形成するために、図8から判るように押し退け体12は、そのベースにおける円形横断面形状から、上面12aにおける細長い楕円形横断面形状へ移行し、つまり2つの対向側面に「扁平面取り部」を有することができ、これによって通流通路14は押し退け体12の両側に画成される。しかし又、リング状の通流通路を設けることも可能である。
【0030】
弁座延長部9は、液体を通流させるために複数の(全部で4つの)縦スリット15を有し(図3、図5及び図6参照)、しかもそれぞれ2つの縦スリット15は、周方向に延びて弁座5に接する1つの凹み16を介して接続されている。図3及び図6によれば、それぞれ2つの縦スリット15を接続する周方向に延びる2つの凹み16は端部で、弁座延長部9の傾斜内壁9aに接続する内壁部分9bによって制限されており、該内壁部分9bは軸整合して弁座5へ移行している。傾斜内壁9aは、弁体6をより容易に導入できるようにするために、接続管片状の弁座延長部9の端面側端部から狭くなっている。ドリンク容器1を完全に空にできるようにするために、前記縦スリット15は、接続管片状の弁座延長部9が容器載着ヘッド2の本来の蓋体2aの下面と交差する部位で終わっている。縦スリット15は接続管片状の弁座延長部9の端面側端部へ向かって開いている。液体は、縦スリット15及び凹み16を通流して弁座5に達することができるので、充分な液体をドリンク容器1から吸出することが可能である。
【0031】
ベース部分8は、図1、図2及び図8から判るように、エラストマー製のプレート状の結合体17と一体に形成されており、該結合体は、空気弁4の、端面側に小斜面を有するエラストマー製のチューブ状の弁体19用のベース部分18を同時に形成しており、該ベース部分18は、管形の弁座20に被せ嵌められている。該弁座20はやはり容器載着ヘッド2の主平面に対して直角に接続管片状に容器内部へ侵入しており、しかも該弁座20の直径は、ドリンク弁3の弁座延長部9の直径よりも小であるが、弁座20及び弁座延長部9は共に容器内部へ同じ深さに突入している。弁座20は2つのスリット状の空気通過口21を有しており(図3及び図6参照)、該空気通過口は、接続管片状の弁座20の端面側端部20aへ向かって開いている。弁座20の端面側端部20aは厚肉にされており、かつベース部分18の係止溝18a内に受容されている。
【0032】
このように形成された一体的なエラストマー製の弁体インサート部分23の結合体17上では、ドリンク弁3と空気弁4間にプレート状つまみ22が装着されている。該つまみ22を簡単に引張ることによって、弁体インサート部分23は、一挙にかつ極めて簡便に弁座5,20から引き外すことができる。更にまた結合体17は2つの穴24を有しており、これによって弁体インサート部分23は、自動食器洗い機内の挿入バスケットの棒に装着することができる(図8参照)。また前記穴を1つだけ又は2つ以上設けることももちろん可能である。
【0033】
ドリンク弁3の上位でドリンク注出ピース13には例えば3つのドリンクオリフィス25が設けられている(図1、図2及び図7参照)。これらのドリンクオリフィス25はドリンク注出ピース13の最高部位13aに設けられており、しかもドリンク注出ピース1の直径は容器載着ヘッド2の蓋体2aの上面へ向かって増大している。空気弁4の上位で容器載着ヘッド内には、少なくとも1つの通気オリフィス26が設けられている(図3、図6及び図7)。これらのドリンクオリフィス25及び通気オリフィス26は、一方ではドリンク弁3からの液体の流出(ドリンクオリフィス25)を、他方では空気弁4の弁座20への空気の流入(通気オリフィス26)を可能にする。従ってドリンク注出ピース13を吸うと、シールリップ7が弁座5から離間して半径方向内向きに移動するので(図2参照)、液体は通流通路14を通ってドリンクオリフィス25から流出することができる。ドリンク容器1からの液体吸出時に、ドリンク容器1内には、周辺圧に比較して負圧が発生し、従って、より高い外気圧が弁体19の内壁を圧迫し、これによって該弁体は弁座20から半径方向外向きに僅かに離間され、かつ空気は、圧力平衡が生じるまで、通気オリフィス26並びに弁体19と弁座20との間の通路を通ってドリンク容器1の内室へ流入する。
【0034】
図9によれば結合体17は、空気弁4の2つのエラストマー製のチューブ状の弁体19a,19bのためのベース部分18を同時に形成している。ドリンク弁3の弁体6のベース部分8には、例えば2つの(場合によってはそれ以上の)上下に設けられた係止溝11a,11b(図10〜図12参照)が形成されており、前記係止溝のうち、内寄りに位置している内位の係止溝11bは4つの半径方向ウェブ27を有している(図9参照)。
【0035】
図11に示した位置ではベース部分8は、前記半径方向ウェブ27が縦スリット15に対して周方向にずれるような回動位置で、接続管片状の弁座延長部9に被せ嵌められているので、半径方向ウェブ27は、弁座延長部9とベース部分8の係止時に弁座延長部9のためのストッパを形成することになり、つまり弁座延長部9に対するベース部分8の圧着は、図11に示した係止位置までしか行うことができない。ベース部分8の前記回動位置でチューブ状の弁体19a(図9参照)は、空気弁4の弁座20(図11では図示を省いたが、例えば図1〜図3及び図6参照)上に被せ嵌められている。図11に示したこの係止位置ではシールリップ7の最前位部分だけしか弁座5に当接していないので、ドリンク弁3によってドリンク容器1から液体を流出させるためには、比較的僅かな吸込み圧が必要になるにすぎない。
【0036】
これに対して図12に示したベース部分8の回動位置では、チューブ状の弁体19b(図9参照)は、空気弁4の弁座20上に被せ嵌められており(図1〜図3及び図6参照)、かつウェブ27は縦スリット15と直接整合されているので、弁座延長部9は支障無く全体的に、深い係止溝11b内へ押込まれて、そこで係止される。今度はシールリップ7の著しく大きな部分が弁座5に当接し、これによって、ドリンク弁3によってドリンク容器1から液体を流出させるためには、比較的大きな吸込み圧が必要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 標準的な閉弁位置にあるドリンク弁及び空気弁と共に図3のII−II断面線に沿って示した容器載着ヘッドを備えたドリンク容器の軸方向断面図である。
【図2】 ドリンク弁を開弁位置で示したドリンク容器の容器載着ヘッドの、図3のII−II断面線に沿った相当断面図である。
【図3】 弁体インサート部分を省いて図2の矢印IIIの方向に見た容器載着ヘッドの下面図である。
【図4】 図3のIV−IV断面線に沿って示したドリンク弁と注出口の断面図である。
【図5】 図4のV−V断面線に沿って示したドリンク弁の断面図である。
【図6】 弁体を省いて図3のII−II断面線に沿って示した容器載着ヘッドの断面図である。
【図7】 容器載着ヘッドの平面図である。
【図8】 弁体インサート部分の単独平面図である。
【図9】 2つのドリンク弁位置と2つのチューブ状の空気弁用弁体を備えた弁体インサート部分の変化実施形態の平面図である。
【図10】 図9のX−X断面線に沿って示した弁体インサート部分の断面図である。
【図11】 弁座延長部を外側の係止溝内に係止した状態で示したドリンク弁の断面図である。
【図12】 弁座延長部をより深い係止溝内に係止した状態で示したドリンク弁の相当断面図である。
【符号の説明】
1 ドリンク容器、 2 容器載着ヘッド、 2a 蓋体、 3 ドリンク弁、 4 空気弁、 5 弁座、 6 弁体、 7 シールリップ、 8 ベース部分、 9 弁座延長部、 9a 傾斜内壁、 9b 内壁部分、 10 終端厚肉部、 11 差込み凹所、 11a,11b 係止溝、 12 押し退け体、 12a 上面、 13 ドリンク注出ピース、 13a 最高部位、 14 通流通路、 15 縦スリット、 16 凹み、 17 結合体、 18 ベース部分、 19、19a,19b 弁体、 20 弁座、 20a 端面側端部、 21 空気通過口、 22 プレート状つまみ、 23 弁体インサート部分、 24 穴、 25 ドリンクオリフィス、 26 通気オリフィス、 27 半径方向ウェブ

Claims (28)

  1. ドリンク容器(1)用の容器載着ヘッド(2)であって、ドリンク一方向弁(3)の上方に配置された少なくとも1つのドリンクオリフィス(25)を備えたドリンク注出ピース(13)が設けられており、該ドリンク一方向弁(3)が、弁座(5)と弁体(6)とから成っており、該弁座(5)が、容器載着ヘッド(2)の主平面に対して実質的に直角に延びており、エラストマー材料から成る前記弁体(6)が、閉弁位置で前記弁座(5)に当接するようになっている、ドリンク容器(1)用の容器載着ヘッド(2)において、
    弁体(6)が、ベース部分(8)からドリンクオリフィスの方向に延びる少なくとも1つのシールリップ(7)を有し、該シールリップが、前記ドリンクオリフィスの方に向かって開いておりかつ押し退け体(12)と一体に結合されており、該押し退け体が、通流通路(14)を開けた状態で、ドリンクオリフィス(25)に向かってシールリップ(7)を越えて容器載着ヘッド(2)のドリンク注出ピース(13)内へ侵入しており、ドリンクオリフィス(25)に負圧が生じると、シールリップ(7)が弁座(5)から離間し、ドリンクオリフィス(25)に向かってドリンクしようとする液体のための通流通路がドリンク注出ピース(13)と押し退け体(12)との間に形成されることを特徴とする、ドリンク容器(1)用の容器載着ヘッド(2)。
  2. 弁座(5)がそれ自体閉じて形成されており、かつシールリップ(7)がチューブ状に成形されており、かつ閉弁位置において内側から前記弁座(5)に当接する、請求項1記載の容器載着ヘッド(2)。
  3. シールリップ(7)がベース部分(8)と一体に結合されている、請求項1又は2記載の容器載着ヘッド(2)。
  4. 弁体(6)のベース部分(8)が、接続管片状の弁座延長部(9)に被せ嵌め可能であり又は被せ嵌められている、請求項3記載の容器載着ヘッド(2)。
  5. 接続管片状の弁座延長部(9)が、弁体(6)のベース部分(8)にスナップ嵌合するために、例えば終端側に少なくとも1つの厚肉部(10)又は凹所を有している、請求項4記載の容器載着ヘッド(2)。
  6. 弁体(6)のベース部分(8)が、弁座延長部(9)の厚肉部(10)に対応して少なくとも1つの係止溝(11)を有している、請求項5記載の容器載着ヘッド(2)。
  7. 弁体(6)のベース部分(8)が、上下に複数例えば2つ設けられた係止溝(11a,11b)を有しており、該係止溝が、異なった係止位置を得るために弁座延長部(9)の同一の厚肉部(10)と協働する、請求項6記載の容器載着ヘッド(2)。
  8. 接続管片状の弁座延長部(9)が、液体を通すための少なくとも1つの縦スリット(15)を備えている、請求項5から7までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  9. 接続管片状の弁座延長部(9)が、液体を通すための少なくとも1つの縦スリット(15)を備えており、少なくとも1つの半径方向ウェブ(27)が、下側の係止溝(11b)内に設けられており、該半径方向ウェブが、前記下側の係止溝(11b)と同じ高さでありかつ端面側で縦スリット(15)内に嵌合している、請求項7記載の容器載着ヘッド(2)。
  10. 2つの縦スリット(15)もしくは該縦スリットに整合した縦通路が、弁座(5)に隣接した周方向に延びる凹み(16)を介して互いに接続されている、請求項8又は9記載の容器載着ヘッド(2)。
  11. 縦スリット(15)が、接続管片状の弁座延長部(9)と容器載着ヘッド(2)の主平面との交差点にまで達している、請求項8から10までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  12. ベース部分(8)が結合体(17)を介して、別に設けられた空気弁(4)の少なくとも1つのエラストマー製チューブ状弁体(19)のためのベース部分(18)と一体に結合されており、該ベース部分が、少なくとも1つの通気オリフィス(26)の領域で容器載着ヘッド(2)の主平面に対して実質的に直角に延びる管状の弁座(20)に被せ嵌められている、請求項3から11までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  13. 結合体(17)が、空気弁(4)の複数の、例えば2つのエラストマー製チューブ状弁体(19a,19b)用のベース部分(18a,18b)を形成している、請求項12記載の容器載着ヘッド(2)。
  14. 空気弁用の管状弁座(20)が、少なくとも1つのスリット状の空気通過口(21)を有するように形成されている、請求項12又は13記載の容器載着ヘッド(2)。
  15. スリット状の空気通過口(21)のスリット長さが、弁座高さの半分に等しい、請求項14記載の容器載着ヘッド(2)。
  16. 結合体(17)から少なくとも1つのつまみ(22)が張出している、請求項12から15までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  17. 結合体(17)又はつまみ(22)が少なくとも1つの穴(24)を有している、請求項12から16までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  18. 単数又は複数の弁体(6;19)がシリコーンゴム又は熱可塑性エラストマーから成っている、請求項1から17までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  19. 容器載着ヘッド(2)が、ドリンク注出ピース(13)を備えた螺合締結蓋である、請求項1から18までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  20. 当該容器載着ヘッド(2)が、弁体インサート部分(23)を備えており、該弁体インサート部分(23)に、弁体(6)が形成されており、弁体(6)の少なくとも1つのチューブ状のシールリップ(7)が、固定のために使用されるベース部分(8)と一体に結合されており、しかも前記シールリップが、ベース部分から離反した方の反対側では開いておりかつ押し退け体(12)と一体に結合されている、請求項1から19までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)。
  21. ベース部分(8)が少なくとも1つの係止溝(11)を有している、請求項20記載の容器載着ヘッド(2)
  22. 弁体(6)のベース部分(8)が、上下に設けられた複数の、例えば2つの係止溝(11a,11b)を有しており、該係止溝が、異なった係止位置を得るために弁座延長部(9)の同一の厚肉部(10)と協働する、請求項21記載の容器載着ヘッド(2)
  23. ベース部分(8)が結合体(17)を介して、空気弁(4)のために設けられた少なくとも1つの別のチューブ状弁体(19)のためのベース部分(18)と一体に結合されている、請求項20から22までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)
  24. 結合体(17)が、空気弁の複数の、例えば2つの、エラストマー製チューブ状弁体(19a,19b)用のベース部分(18)を形成している、請求項22又は23記載の容器載着ヘッド(2)
  25. 結合体(17)から少なくとも1つのつまみ(22)が張出している、請求項23又は24記載の容器載着ヘッド(2)
  26. 結合体(17)又はつまみ(22)が少なくとも1つの穴(24)を有している、請求項23から25までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)
  27. 弁体インサート部分(23)がシリコーンゴム又は熱可塑性エラストマーから成る、請求項20から26までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)
  28. 請求項1から19までのいずれか1項記載の容器載着ヘッド(2)を有することを特徴とする、ドリンク容器(1)。
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