JP4425745B2 - 搬送用ベルト及びこの搬送用ベルトの製造方法 - Google Patents

搬送用ベルト及びこの搬送用ベルトの製造方法 Download PDF

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本発明は取扱いが容易で、特別な工具や技術を必要とすることなしにエンドレスに連結、取り外し、分解可能な搬送用ベルトに関する。
搬送用ベルトは、食品や金属部品、生活雑貨、精密部品等様々な製品や部品を搬送する目的に使用されており、従来から用途や目的に応じた構成、材質のものが広く使用されている。例えば食品の冷却、乾燥、洗浄等の用途に広く使用されている搬送用ベルトとしては、搬送面がロッドで形成されている空間率の大きなものがあり、特開平9−315536号公報にはプラスチック製の搬送用ベルトが示されている。該搬送用ベルトは2つのベルト構成単位片の連結孔を組み合わせて形成された共通孔にロッドを挿通することでエンドレスに連結したものである。つまりロッド端部を連結軸としている。この搬送用ベルトのロッドは芯部が金属棒状体、鞘部がプラスチック製であり、連結孔またはロッド端部を弾性変形させて連結するものである。プラスチックで形成されているため軽量でありながら強度に優れたものである。
しかし、該公報に示された図3、図4および図13のようなロッドでは芯部の金属棒状体と鞘部のプラスチックが一体構造となっており、それらを分解することは非常に困難である。近年ではリサイクル等の目的から金属とプラスチックを分別させることが強く求められており、材質ごとに分解できることがユーザーから要求されている。そして、公報に示された搬送用ベルトの破損といえば連結部に最も力が掛かるためベルト構成単位片の開口部の割れ、および連結軸であるロッド端部の凸部の潰れ等があげられる。構成部品が割れると破片が搬送物に混入したり、あるいは凸部の潰れ等によってもエンドレス状のベルトが破断したりする。コマの開口部の割れが生じたときはそれを1つだけ取り替えればよいが、ロッド端部の凸部が潰れたり削れた場合にはロッドの搬送部は特に損傷はないのにもかかわらず、芯部と鞘部が一体となっているためロッド1本丸ごと取り替えなくてはならない。このように従来の搬送用ベルトでは芯部の金属棒状体と鞘部のプラスチック樹脂が一体となっていたことによりコスト面、廃棄面でのデメリットがあった。
また特開平9−315536号公報のプラスチック製コンベアベルトの他に構成部材の全てが金属製のものも古くから使用されている。それらは全て金属製のため分別の問題はないが、重量が重いため取り扱いが困難でありエンドレスに連結する際も大がかりな溶接機械や熟練した技術が必要となる。そして重いベルトを搬送するため装置本体、ロール、フレーム、駆動装置等の強度も上げなければならなく、錆や音、金属粉の発生等の問題点もあった。
特開平9−315536号公報
本発明は従来技術の問題点に鑑み、連結、分解、修理が簡単で錆や金属粉の発生の問題もない軽量で取扱いやすい搬送用ベルト及びこれを使用したコンベア装置を提供するものである。
本発明は、
「1. 巾方向に伸びる金属棒状体を用いた搬送部と、搬送部の両端にあり巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを用いた連結部とによって構成される搬送用ベルトにおいて、コマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔に他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンを頭部を外側にして挿入し、該ジョイントピンの中空に前記金属棒状体の端部を挿入して結合しエンドレス状としたことを特徴とする搬送用ベルト。
2. 搬送部は巾方向に伸びる金属棒状体が複数本並列しており、該金属棒状体を軸にその周囲にプラスチック製鞘部を配設してなることを特徴とする1項に記載の搬送用ベルト。
3. 金属棒状体間に搬送部構成補助部材を渡設したことを特徴とする1項または2項に記載の搬送用ベルト。
4. 3項に記載の搬送部構成補助部材が、スパイラル線、織物、平板、リンク部材であることを特徴とする搬送ベルト。
5. 樹脂製ジョイントピンと連結する金属棒状体の一端または両端の表面に1または複数の凹凸を配設したことを特徴とする1項ないし4項に記載の搬送用ベルト。
6. 金属棒状体と連結する樹脂製ジョイントピンの中空の内壁に1または複数の凹凸を配設したことを特徴とする1項ないし5項に記載の搬送用ベルト。
7. 金属棒状体の一端または両端の表面、および共通孔に挿入する樹脂製ジョイントピンの中空の内壁に1または複数の凹凸を配設し、金属棒状体の端部に配設された凹凸と、ジョイントピンの中空の内壁に配設された凹凸を噛み合わせることにより金属棒状体とジョイントピンを連結した1項ないし6項に記載の搬送用ベルト。
8. コマの外形がU字型であり、U字型の対向する2つの片の開口側付近にそれぞれ巾方向に開口した連結孔を配設し、2つの片の閉鎖側付近にも巾方向に開口した連結孔を配設した構造であり、1つのコマの2つの片で他のコマの閉鎖側片を挾持するようにして長さ方向に組み合わせ、コマの開口側付近にある2つの連結孔と、他のコマの閉鎖側付近にある連結孔を連通させ、該共通孔に樹脂製ジョイントピンを頭部を外側にして挿入し、ジョイントピンの中空にロッド芯部の金属棒状体を挿入して搬送部と連結部を結合してエンドレス状としたことを特徴とする1項ないし7項に記載の搬送用ベルト。
9. 巾方向に伸びる金属棒状体を用いた搬送部と、搬送部の両端にあり巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを用いた連結部とによって構成される搬送用ベルトにおいて、コマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔に他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンを頭部を外側にして挿入し、該ジョイントピンの中空に前記金属棒状体の端部を挿入し搬送部と連結部を結合してエンドレス状としたことを特徴とする搬送用ベルトの製造方法。」に関する。
巾方向に伸びる金属棒状体を用いた搬送部と、搬送部の両端にあり巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを用いた連結部とによって構成される搬送用ベルトであり、コマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔に他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンの頭部を外側にして挿入し、該ジョイントピンの中空に前記金属棒状体の端部を挿入し搬送部と連結部を結合してエンドレス状としたものであり、取り付けや取り外し、そして材料の分別が簡単で、プラスチック部材を多く使用することで軽量で錆の発生の問題も削減することができる。
本発明の搬送用ベルトの搬送部は金属棒状体からなり、使用環境や用途等によって金属棒状体を芯部とし、その周りに鞘部を配設した搬送部としてもよい。搬送部の両側には連結部があり、連結部は巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマと、前記金属棒状体の端部による連結からなる。連結部は巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔に他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンの頭部を外側にして挿入し、該ジョイントピンの中空に前記金属棒状体の端部を挿入し結合させる。
コマはどのような材質であってもよく、錆の発生しやすい環境等においてはプラスチック製のコマを使用すればよい。また、その他金属製、セラミック製等があり、材質については特に限定しない。コマの形状は巾方向に開口した連結孔を2つ以上有していればどのような形状であってもよく特開平9−315536の図2にあるようなクランク形状であっても、図6のような棒状体であってもよい。特にU字型状とすると2つの片により他のコマを狭持して連結するためコマがはずれにくくなり、またU字型の2つの片の間にスプロケットを配置できるためスプロケットもはずれにくくなり好ましい。そしてU字型の2つの片の開口側にそれぞれ巾方向に開口した連結孔を配設し、閉鎖側付近にも巾方向に開口した連結孔を配設した形状とし、1つのコマの2つの片で他のコマの閉鎖側片を挾持するようにして長さ方向に組み合わせ、コマの開口側付近にある2つの連結孔と、他のコマの閉鎖側の連結孔を連通させ、ジョイントピンを用いて回動自在に連結してエンドレス状とするとよい。ここで示すU字型とはきちんとU字に整形されていないくてもよく、2つの開口側の片が徐々にひらいていくものや、階段状に角張っているもの、またV字状であっても構わない。
コマに配設された連結孔の大きさや形状は挿通するジョイントピンの大きさに合致し、製造や取り扱いのしやすいものであればよく、例えばコマが回動自在に動きやすい断面円形状とし大きさもジョイントピンの外形を連結孔とほぼ同じか若干小径とするとよい。その他にも回動しやすく、またコマの抜けを防止するためにジョイントピンの外周に円周に沿って一周凸部を設けてもよい。
連結部と搬送部の連結は、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンの頭部を外側にして挿入して連結し、該ジョイントピンの中空にロッド芯部の金属棒状体の端部を挿入して搬送部と連結部を結合する。連結部での直接的な連結はジョイントピンと金属棒状体の接続であるため、使用時には抜けにくい構造とする必要がある。例えば接合部となる金属棒状体の端部の径をジョイントピンの内径より大きくして、ジョイントピンの内壁を弾性変形させながら金属棒状体を挿入、係止させるとよい。それ故、ジョイントピンの材質は弾性変形の限界が大きく、ある程度の強度、硬さ、剛性があり、さらに摩擦抵抗が小さいプラスチック製のものが好ましい。大きく弾性変形する材質でも、強度や剛性がなければ連結部の強度が弱くて使用できない。そして摩擦係数が大きいものは押し込み難く、たとえ係止できたとしてもジョイントピンとコマとがスムーズに回動できないため柔らかいゴム等は好ましくない。アセタールやABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、超高分子ポリエチレン等が好ましい。その他、場合によっては金属製のジョイントピンとしてもよく、ネジ状に回して締結してもよい。
そして金属棒状体の一端または両端の表面に1または複数の凹凸を配設し、ジョイントピンの中空に挿入、係止する方法を用いてもよい。金属棒状体の凹凸がプラスチック製のジョイントピンの内壁に食い込みながら引っかかることで使用時にははずれにくく、取り外し時には特別な工具や技術を必要とすることなしに一般的な工具、例えばプラスチックハンマー、ニッパー、マイナスドライバー、プライヤー等を用いれば誰でも簡単に取り外しできる。もちろん金属棒状体、中空の内壁のどちらか一方に凹凸を配設したものであってもよいが、さらに好ましくは金属棒状体と樹脂製ジョイントピンの内壁の両方に互いに噛み合わせるような凹凸を配設してもよい。これによりベルト使用時にはさらに外れにくく、取り外し時には工具で簡単に取り外しできるものとなる。金属棒状体の端部表面と樹脂製ジョイントピンの内壁の凹凸は連続であっても不連続であってもよく、簡単且つ強固にするためには円周に沿った連続したネジ状の切り欠き等がよい。
金属棒状体は搬送部の芯部となるため剛性があり軽量のものが好ましく、例えば鉄やステンレス等があげられるが、耐錆性、リサイクルの有益性を考慮するとステンレスがより好ましい。金属は、弾性変形する範囲が小さいためにジョイントピンの中空の径よりも若干大きめの径とした方が使用時に抜けにくく好ましい。
搬送部を構成する金属棒状体の長さ、配置間隔は、搬送物や装置の大きさ、連結孔の配置等を考慮して決めればよいが、もし金属棒状体の周りにプラスチック樹脂製の鞘部を設けるようならば、金属棒状体の長さをそれを覆うプラスチック鞘部の長さよりも長くするとよい。金属棒状体の端部はコマの連結孔に軸通するものであるからである。しかし、プラスチック鞘部が短すぎるとコマが走行時に内側に移動してしまうことがあるため、コマとプラスチック鞘部の間に大きな隙間が開かない程度の長さとするのが好適である。芯部と鞘部を適当な長さとしておくことでプラスチック鞘部がストッパーとして機能し、コマが内側に移動することが防止される。適当な長さでないならば、プラスチック鞘部が巾方向に移動しないようなストッパーを設けた方がよい。
そして、金属棒状体を軸にプラスチック製鞘部が適宜回転するような構造とした場合には、搬送中には物を搬送することができ、清掃時には搬送部表面に着いた搬送物のカスやゴミ等を落としやすく、洗浄もしやすくなる。また、傾斜コンベアのような場合には、鞘部や金属棒状体が回転する構造であると搬送物が滑り落ち、搬送物を上部に搬送すること、下部に搬送することが困難となるため鞘部や金属棒状体が回転しないような構造とした方がよい。また傾斜コンベアでは、ロッドの代わりに搬送物が滑り落ちないようなストッパー付きの搬送部材を所々に配置しても構わない。しかし、このような場合であっても芯部の金属棒状体と鞘部のプラスチック樹脂は取り外しのできるセパレート状であった方が好ましく、従来のような一体型でない方がよい。例えば中空状のプラスチック鞘部に金属棒状体を挿入したものが好ましい。
鞘部のプラスチック樹脂の内径は金属棒状体の直径よりもやや大きくすればよく、隙間が大き過ぎない方が異音や内部への浸水等がなく好ましい。鞘部は単に金属棒状体のカバーとして使用されるため、それ程厚みをもたせる必要もなく材質や搬送物、芯部の径を考慮して選択すればよい。
また、搬送部は上記のようなプラスチック製鞘部を組み合わせたものであっても構わないが、その他搬送物に合わせて金属棒状体間に搬送部構成補助部材を渡設した物であっても構わない。搬送部構成補助部材としては、例えばスパイラル線、織物、平板、リンク部材がある。これらを金属棒状体間に渡設することで空間を小さくすることができるため、小さな搬送物の搬送等に好適である。このように、搬送部として金属棒状体を有していればその他どのようなものを用いてもよい。
本発明のコンベアベルトの連結方法は、巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔と他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成した共通孔に中空状の樹脂製ジョイントピンを挿通し、さらにジョイントピンの中空に金属棒状体を挿入し連結する。ジョイントピンは連結孔とほぼ同径の外径で一端には連結孔よりも大径の頭部を有する。ジョイントピンによる2つのコマの連結は、ジョイントピンの頭部を外側にしてコマの連結孔に挿入すればよい。ジョイントピンの頭部はコマがそれよりも外側に移動してはずれないためのストッパーとして機能するものである。もちろん、先にコマの共通孔に金属棒状体を挿入しておいてから、ジョイントピンを連結孔に挿入し、そしてジョイントピントと金属棒状体を連結させても構わない。連結は搬送部の両端に配置されたコマにより行うため、鞘部や搬送部構成補助部材を使用する場合には両端を連結する前に芯部の金属棒状体にそれらを配設しておく必要がある。本発明の連結方法はエンドレスにするための取り付けが非常に簡単であるため、短時間で誰でも容易に連結させることができる。また一端を別の方法で連結しておき、もう一端を本発明の連結としてもよいが、同じパーツを用いた方が取り付け、取り外し、取り替え修理等が簡単であるため両側とも同じ連結とする方がよい。
本発明の搬送用ベルトは従来の搬送用ベルトと比べ、エンドレスにする際にも金属製のもののように溶接する必要がない。部品を交換したり、分解処分する場合にもコマ、ジョイントピン、金属棒状体、プラスチック製鞘部、搬送部構成補助部材に容易に分解することができ、交換、分解処理等も簡単に行える。さらに、搬送部金属棒状体を使用しているため軽量であるが曲げ強度が高く搬送面の強度も十分に確保される。さらに、コマ、ロッド鞘部等をプラスチックとすれば、金属性の重いベルトと比べロールやフレーム等のコンベア装置の強度をそれ程強くする必要はないため、軽量で小型化することができ、巾の広く長いコンベアベルトも容易に駆動することができる。
本発明のコンベアベルトを使用したコンベア装置としては、コンベアベルトをロール等の間に掛け渡して使用していればよく、その他は特に限定されないが、ロッドのピッチと噛み合うスプロケットで駆動させるとスリップが発生しなくてよい。このようなコンベア装置は、大きな空間を得ることができ、洗浄、乾燥、冷却等の用途に広く利用できる。例えば、パンの冷却搬送用コンベアに好適である。
次に本発明を実施例について具体的に説明する。
実施例1
次に本発明を実施例について具体的に説明する。
図1は本発明のコンベアベルトの一部を示す平面図であり、1はコンベアベルト、2はコマ、3はロッドである。コマは外形がU字型であり、1つのコマの開口側の2つの片で他のコマの閉鎖側片を挾持するようにして長さ方向に組み合わせ、4のジョイントピンにより連結している。
図2はコマの1つを上面から見た平面図である。下向きに開口したU字型であるが、完全なるU字ではなく、2つのクランク状の片を一部でつなぎ合わせたような階段状になっている。そして、U字型の開口側の2つの片にそれぞれ巾方向に開口した連結孔5a、5bを有し、開口側の2つの片に対して垂直方向にあるU字型の閉鎖側の片にも巾方向に開口した連結孔6を有する。2つの連結孔5、6には同形、同径の樹脂製ジョイントピンを挿通するため同じ形状、大きさとするとよい。
そして、図3はロッドの芯部である金属棒状体7であり、その両端部8にジョイントピンとしっかりと連結させるための連続した複数の凹凸9がネジ状に設けられている。
図4はジョイントピンを縦方向に割った断面図であり、ジョイントピン自体は連結孔と同じ断面円形の外形を有しており、大きさは連結孔とほぼ同径かそれよりも若干小さめとした。そして円柱状のピンの一端には連結孔よりも大径の頭部10を設けた。ジョイントピンの頭部はコマがそれよりも外側に移動してはずれないためのストッパーとして機能するものである。そしてジョイントピンの内部は中空状になっており、内壁には金属棒状体の連結端部8の凹凸9に対応した連続する複数の凹凸11がネジ状にあり、ジョイントピンの中空の内径は連結端部8の直径よりも若干小さいか同等とした。ジョイントピンの内径を金属棒状体7の連結端部の径よりも小さくすることでベルト使用時にははずれにくくし、ジョイントピンの外形をコマ2の連結孔5、6よりも若干小さくすることでコマが回動しやすくなる。本実施例において、金属棒状体7の連結端部8と、ジョイントピン4の中空の内壁に複数のネジ状の凹凸9と凹凸11が設けられているが、その他にも使用時に係止できる構造であればどのようなものであっても構わない。
図5は芯部の金属棒状体7にプラスチック製鞘部を被せ、そして金属棒状体の一端の連結端部にジョイントピン4を嵌め込んだものである。通常は2つのコマの共通孔に樹脂製ジョイントピンの頭部を外側にして挿入するのであるが、図5では接続状況がわかりやすいようにコマは省略してある。
図6は1本のロッドの両端で2つのコマを配置した図である。まだ共通孔にジョイントピンが挿入されていないため連結はしていない。この後、図5のように2つのコマで形成された共通孔にジョイントピンを挿入して回動自在に連結する。このように全ての部品が独立であるため、修理や処分の場合には簡単に分解して交換、処分することができ、それぞれのパーツも特別な技術や工具を用いることなく容易に組み合わせることができる。
本発明のコンベアベルトは、食品や金属部品、生活雑貨、精密部品等様々な製品や部品の搬送に有効に利用される。
本発明の一実施例のコンベアベルトの一部を示す平面図である。 コマの平面図である。 金属棒状体の側面図である。 ジョイントピンの断面図である。 金属棒状体とジョイントピンの接続を示した側面図である。 1本のロッドの両端部にコマを配置した平面図である。
符号の説明
1 コンベアベルト
2 コマ
3 ロッド
4 ジョイントピン
5a 開口側の連結孔
5b 開口側の連結孔
6 閉鎖側の連結孔
7 金属棒状体
8 連結端部
9 凹凸
10 頭部
11 凹凸
12 鞘部

Claims (9)

  1. 巾方向に伸びる金属棒状体を用いた搬送部と、搬送部の両端にあり巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを用いた連結部とによって構成される搬送用ベルトにおいて、コマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔に他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンを頭部を外側にして挿入し、該ジョイントピンの中空に前記金属棒状体の端部を挿入して結合しエンドレス状としたことを特徴とする搬送用ベルト。
  2. 搬送部は巾方向に伸びる金属棒状体が複数本並列しており、該金属棒状体を軸にその周囲にプラスチック製鞘部を配設してなることを特徴とする請求項1に記載の搬送用ベルト。
  3. 金属棒状体間に搬送部構成補助部材を渡設したことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送用ベルト。
  4. 請求項3に記載の搬送部構成補助部材が、スパイラル線、織物、平板、リンク部材であることを特徴とする搬送ベルト。
  5. 樹脂製ジョイントピンと連結する金属棒状体の一端または両端の表面に1または複数の凹凸を配設したことを特徴とする請求項1ないし4に記載の搬送用ベルト。
  6. 金属棒状体と連結する樹脂製ジョイントピンの中空の内壁に1または複数の凹凸を配設したことを特徴とする請求項1ないし5に記載の搬送用ベルト。
  7. 金属棒状体の一端または両端の表面、および共通孔に挿入する樹脂製ジョイントピンの中空の内壁に1または複数の凹凸を配設し、金属棒状体の端部に配設された凹凸と、ジョイントピンの中空の内壁に配設された凹凸を噛み合わせることにより金属棒状体とジョイントピンを連結した請求項1ないし6に記載の搬送用ベルト。
  8. コマの外形がU字型であり、U字型の対向する2つの片の開口側付近にそれぞれ巾方向に開口した連結孔を配設し、2つの片の閉鎖側付近にも巾方向に開口した連結孔を配設した構造であり、1つのコマの2つの片で他のコマの閉鎖側片を挾持するようにして長さ方向に組み合わせ、コマの開口側付近にある2つの連結孔と、他のコマの閉鎖側付近にある連結孔を連通させ、該共通孔に樹脂製ジョイントピンを頭部を外側にして挿入し、ジョイントピンの中空にロッド芯部の金属棒状体を挿入して搬送部と連結部を結合してエンドレス状としたことを特徴とする請求項1ないし7に記載の搬送用ベルト。
  9. 巾方向に伸びる金属棒状体を用いた搬送部と、搬送部の両端にあり巾方向に開口した連結孔を2つ以上有するコマを用いた連結部とによって構成される搬送用ベルトにおいて、コマを長さ方向に組み合わせ、1つのコマの連結孔に他のコマの連結孔を連通させ、2つのコマの連結孔により形成された共通孔に、一端に連結孔よりも大径の頭部を持った連結孔とほぼ同径の外径を有する中空状の樹脂製ジョイントピンを頭部を外側にして挿入し、該ジョイントピンの中空に前記金属棒状体の端部を挿入し搬送部と連結部を結合してエンドレス状としたことを特徴とする搬送用ベルトの製造方法。
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