JP4424638B2 - Anchor bolt seismic construction method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎コンクリート中に埋設されたアンカーボルトを介してベースプレート等を締付け固定することにより、鉄骨柱を基礎コンクリートの所定位置に立設する露出型柱脚などに好適なアンカーボルト耐震工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
基礎コンクリート中に埋設したアンカーボルトを用いて鉄骨柱のベースプレートを基礎コンクリートに対して締付け固定する露出型柱脚の場合においては、アンカーボルトの上部露出部に螺合した締付けナットを用いてベースプレートの上面を直接的に締付けることにより、基礎コンクリート上の所定位置に鉄骨柱を立設するという手法が広く採用されている。
【0003】
ところで、以上の従来技術においては、アンカーボルトに螺合した締付けナットによりベースプレートの上面を直接的に締付けるという手法を採用していたことから、地震時の躯体の揺れによって柱脚部に作用する回転モーメントがアンカーボルトに引張荷重として直接的に伝達された。そして、地震に基づいて作用するアンカーボルトに対する引張荷重がアンカーボルトの降伏耐力以下であれば弾性変形の範囲で収るが、降伏耐力を超えれば塑性変形が生じ、さらに最大引張耐力に達した場合には、やがて破断することになる。したがって、地震規模が小さく弾性変形の範囲内で収れば、柱脚部や躯体に及ぼす地震の影響は少なく、あとに残る損傷もなく特に問題はないが、地震規模が大きくなるにつれて、アンカーボルトに塑性変形が生じるようになると、地震後にアンカーボルトを掘起して交換する等の厄介な修復作業が必要とされる場合も生じた。また、更に損傷が大きくなると、建直しが必要となる場合もあった。いずれにしても、地震後の対処に大きな費用負担が必要とされた。さらに、アンカーボルトが破断するような事態に至れば、建物の倒壊などによる人命等に対する被害も問題になった。
【0004】
他方、塑性変形能力の低い材質からなるアンカーボルトを使用した場合には、地震エネルギを吸収しきれずに破断して建物が倒壊する危険を伴うという問題があった。このため、例えば塑性変形能力の低い高張力鋼をアンカーボルトの素材として使用する場合には、その降伏耐力の50〜60%の強度として設計せざるを得ないのが実状であった。すなわち、高張力鋼としての優れた能力を十分に活用することはできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような従来技術の地震に対する問題点に鑑みて開発したものであり、アンカーボルトに対する地震作用を緩和して、地震によるアンカーボルトの損傷や破断を軽減ないし遅延し、さらには地震後の補修工事にかかる費用負担等を削減し得る耐震工法を提供することを目的とする。また、高張力鋼等の塑性変形能力の低い素材をアンカーボルトに使用する場合に、その素材の有する優れた特性を十分に活用することの可能なアンカーボルト耐震工法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、コンクリート中に埋設したアンカーボルトの上部露出部に螺合した締付けナットと鉄骨柱のベースプレートなどの締付け対象部材との間に、前記アンカーボルトに嵌合可能な中空部を有する筒状本体と該筒状本体の少なくとも下端部に一体的に形成したフランジ部とから構成され、金属塑性体からなるエネルギ吸収部材を介在させた状態で、前記締付けナットを用いて締付け対象部材を前記コンクリートに対して締付け固定することにより、前記エネルギ吸収部材の塑性変形によって地震エネルギを吸収させて、アンカーボルトに対する地震作用を緩和するという技術手段を採用した。前記エネルギ吸収部材としては、前記アンカーボルトの降伏耐力より小さく、その降伏耐力の60%以上の塑性耐力を有する金属塑性体や、前記アンカーボルトの降伏耐力とほぼ同等の塑性耐力又は前記アンカーボルトの降伏耐力より大きく、最大引張耐力より小さい塑性耐力を有する金属塑性体などが用いられる。また、それらの特性を有する金属塑性体からなるエネルギ吸収部材を組合わせてなる2個のエネルギ吸収部材を1本のアンカーボルトに対して適用することも可能である。なお、ここで、塑性耐力とは、金属塑性体が塑性変形領域に至る荷重を指すものとする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、鉄骨柱の露出型柱脚部の耐震工法として好適であるが、コンクリート中に埋設したアンカーボルトの上部露出部に螺合した締付けナットを用いて締付け固定する形態のものであれば広く適用が可能である。前記エネルギ吸収部材を構成する金属塑性体は、例えば、鉄、鋳鋼、極低降伏点鋼、銅、鉛、亜鉛、アルミニウム、真鍮、錫や、それらの合金などのアンカーボルトに比較して塑性変形によるエネルギ吸収作用の大きい材料から構成される。そして、エネルギ吸収部材としての塑性耐力の大きさに関しては、アンカーボルトの降伏耐力より小さく、その降伏耐力の60%以上の範囲内に入るように設定したり、アンカーボルトの降伏耐力とほぼ同等の塑性耐力又は前記アンカーボルトの降伏耐力より大きく、最大引張耐力より小さい塑性耐力を有するように設定したりすることができる。また、それらの特性を有する金属塑性体からなるエネルギ吸収部材を組合わせてなる2個のエネルギ吸収部材を1本のアンカーボルトに対して適用することも可能である。さらに、エネルギ吸収部材の具体的形状としては、例えばアンカーボルトに外嵌可能、すなわちアンカーボルトの外側に嵌合可能な中空部を有する円筒状のものが用いられ、その円筒部の上端部あるいは下端部にフランジ部を形成したもの、あるいは同様の中空部を有し、外形がテーパ状に形成されたものなどが使用される。また、それらの具体的寸法に関しては、アンカーボルトの材質や寸法、コンクリートに対する定着の仕方などから決るアンカーボルト側の強度との関係において、前記エネルギ吸収部材としての耐震機能を充足し得るように設定することになる。
【0008】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例に関して説明する。図1及び図2は本発明の耐震工法を鉄骨柱の露出型柱脚部に適用した実施例を示したもので、図1は地震作用を受ける前の状態を示した状態説明図、図2は大きな地震作用を受けた際の状態を示した状態説明図である。図中、1は基礎コンクリート、2は基礎コンクリート1中に埋設されたアンカーボルトである。図示のように、鉄骨柱3の下部に溶接等により固定されたベースプレート4は、アンカーボルト2の上部に螺合した締付けナット5を用いて、それらの間に金属塑性体からなるエネルギ吸収部材6を介在した状態で締付け固定される。図1に示したように、地震作用を受ける前、あるいは地震作用を受けても、エネルギ吸収部材6の塑性耐力を超えるような大きな地震作用を受ける前には、柱脚部は損傷を受けていないから設置当時の状態が維持される。一方、エネルギ吸収部材6の塑性耐力を超えるような大きな地震作用を受けた際には、図2に示したように、まずエネルギ吸収部材6が塑性変形を起してアンカーボルト2に対する地震作用を緩和する。その結果、後述のようにアンカーボルト2の損傷や破断が軽減ないし遅延されることになる。なお、本実施例では、エネルギ吸収部材6を下部に形成したフランジ部を介してベースプレート4の上面に直接設置する形態を採用したが、それらのエネルギ吸収部材6の下部とベースプレート4との間に適宜の座金を介在させるようにしてもよい。図中、7は基礎コンクリート1とベースプレート4との間に充填された無収縮性のグラウト材、8は前記締付けナット5のロック用ナットである。
【0009】
図3は前記エネルギ吸収部材6を拡大して示した片側断面図である。図示のように、本実施例のエネルギ吸収部材6は、内部にアンカーボルト2が挿通可能な中空部9が形成され、外形が円筒状に形成された筒状本体10と、該筒状本体10の下部に形成されたフランジ部11とから構成される。これらの筒状本体10とフランジ部11は、前述の塑性特性を有する金属塑性材から一体形成される。しかして、エネルギ吸収部材6は、図1に示したように、その中空部9を介してアンカーボルト2の外側に嵌合した状態で使用されることになる。図4は地震作用を想定して実験的に圧縮荷重を加えた場合のエネルギ吸収部材6の変形状態を示したものであり、図示のように、筒状本体10の部分のみが大きく塑性変形を起すことが確認された。図5は他の実施例に係るエネルギ吸収部材12を拡大して示した片側断面図である。本実施例のエネルギ吸収部材12は、前記実施例の変形例で、内部にアンカーボルト2に対して外嵌可能な中空部13が形成され、外形が先細のテーパ状に形成された筒状本体14と、該筒状本体14の下部に一体形成されたフランジ部15とから構成されている。なお、以上の説明では、筒状本体10,14の下部にフランジ部11,15を一体形成したものを例示したが、フランジ部を筒状本体の上下双方に設けた形態も可能である。さらに、筒状本体部分の外形を中間部を太く形成した和太鼓形に形成した形態も可能である。
【0010】
次に、本発明に係るアンカーボルト耐震工法の耐震作用に関して説明する。図6はアンカーボルト単体の引張荷重Pと変位δとの関係を概略的に例示した荷重−変位特性曲線図である。また、図7はエネルギ吸収部材単体の圧縮荷重Pと変位δとの関係を概略的に例示した荷重−変位特性曲線図である。図6に示したように、アンカーボルト単体の荷重−変位特性から、地震によってアンカーボルトに作用する引張荷重が、降伏耐力Paに至るまでの間は弾性変形を繰返すことになる。引張荷重Pが降伏耐力Paに達すると、その荷重Pをほぼ一定に維持しながら所定の塑性変形を起す降伏状態を経由した後、前記塑性変形によるひずみ硬化によって変形抵抗が増大して荷重Pが再び上昇を開始する。そして、最大引張耐力Pbに達した後、荷重を支えきれなくなり、破断耐力Pcまで降下して破断することになる。一方、エネルギ吸収部材単体の方は、図7に理想化して例示したように、弾完全塑性体に近い特性を有し、塑性耐力Pdに至るまでの荷重Pに対しては弾性変形をし、それ以上の荷重Pに対しては降伏して塑性変形を継続することになる。因みに、それぞれの特性曲線の下方のハッチングを施した部分の面積が、その間の変形によって吸収される地震エネルギ等の外部エネルギを表している。なお、本例では、0.6×Pa<Pd<Paの場合に関して例示した。
【0011】
図8は、以上の特性を有するアンカーボルト単体とエネルギ吸収部材単体とを組合わせて使用した場合の荷重−変位特性曲線図を例示したものである。すなわち、図6の特性曲線と図7の特性曲線とを合成したものである。なお、この合成特性曲線図における荷重Pは、前記締付けナット5を介してアンカーボルト2とベースプレート4等の締付け対象部材との間に作用する荷重であり、アンカーボルト2に対しては引張荷重、エネルギ吸収部材6,12に対しては圧縮荷重として作用することになる。以下に示す荷重−変位特性曲線図においては、それぞれ荷重Pがゼロの点からの特性を表示しているが、アンカーボルト2には設置時の締付け力による引張荷重が初期荷重として作用していることから、地震によって発生する実際の変位δは、地震による引張荷重が前記初期荷重としての締付け力による引張荷重を超えた超過分に対して生じることになる。
【0012】
しかして、図示のように、荷重Pがエネルギ吸収部材の塑性耐力Pdに至るまでの間は、アンカーボルトの弾性引張変形とエネルギ吸収部材の弾性圧縮変形とが共存する弾性領域となる。この弾性領域で変形により吸収される吸収エネルギは、ハッチング(A)の部分の面積で表される。次に、荷重Pが塑性耐力Pdに達すると、エネルギ吸収部材の塑性領域に入り、荷重Pをほぼ一定に維持しながら塑性変形が継続されることになる。この塑性領域における吸収エネルギは、ハッチング(B)の部分の面積で表される。そして、エネルギ吸収部材の塑性変形が限界に達して、例えば前記ベースプレート4から締付けナット5を介してアンカーボルト2に荷重Pが直接的に伝達されるような状態になると、アンカーボルトの残りの特性曲線に従って推移することになる。すなわち、前記塑性変形後の降伏耐力Paまでの間は弾性変形をし、その後、荷重Pが上昇しながら塑性変形をして最大引張耐力Pbに達し、しかる後、荷重Pを支えきれなくなり、破断耐力Pcまで降下して破断することになる。この間における吸収エネルギは、ハッチング(C)の部分の面積で表される。なお、地震の規模が比較的小さく、アンカーボルトに対する引張荷重が降伏耐力Paに達する前に収れば、アンカーボルトが損傷を受けることはないから、地震後の対処は、エネルギ吸収部材の交換という簡便な補修作業で済む。
【0013】
図9は本発明の他の実施例における荷重Pと変位δとの関係を概略的に例示した荷重−変位特性曲線図であり、アンカーボルト単体の引張特性曲線とエネルギ吸収部材単体の圧縮特性曲線を同時に表示したものである。本実施例では、図示のように、エネルギ吸収部材単体の塑性耐力Peを前記アンカーボルト単体の降伏耐力Paより大きく、最大引張耐力Pbより小さく設定した場合を例示した。図10は、それらのアンカーボルト単体とエネルギ吸収部材単体とを組合わせて使用した場合の荷重−変位特性曲線図を例示したもので、双方の特性曲線を合成して示したものである。図示のように、荷重Pがアンカーボルトの降伏耐力Paに至るまでの間は、アンカーボルトの弾性引張変形とエネルギ吸収部材の弾性圧縮変形とが共存する弾性領域となる。この弾性領域において変形により吸収される吸収エネルギは、ハッチング(D)の部分の面積で表される。次に、荷重Pが降伏耐力Paに達すると、アンカーボルトの降伏領域に入り、その荷重Pをほぼ一定に維持しながら所定の塑性変形が生じる。この間の変形により吸収される吸収エネルギは、ハッチング(E)の部分の面積で表される。その後、塑性変形によるひずみ硬化によってアンカーボルトの変形抵抗が増大して荷重Pが再び上昇し始める。そして、エネルギ吸収部材の塑性耐力Peに至るまでは、アンカーボルトの塑性変形とエネルギ吸収部材の弾性変形とが共存する変形領域となり、この間の変形によって吸収される吸収エネルギは、ハッチング(F)の部分の面積で表される。さらに、荷重Pがエネルギ吸収部材の塑性耐力Peに達すると、エネルギ吸収部材の塑性領域に入り、荷重Pをほぼ一定に維持しながら塑性変形が継続される。この塑性領域における吸収エネルギは、ハッチング(G)の部分の面積で表される。そして、エネルギ吸収部材の塑性変形が限界に達すると、アンカーボルトの残りの特性曲線に従って推移することになる。すなわち、荷重Pを再び上昇しながら塑性変形をして最大引張耐力Pbに達した後、荷重を支えきれなくなり、破断耐力Pcまで降下して破断することになる。なお、この間における吸収エネルギは、ハッチング(H)の部分の面積で表される。
【0014】
前述のように、本発明では、アンカーボルト2に螺合した締付けナット5と鉄骨柱3のベースプレート4などの締付け対象部材との間に金属塑性体からなるエネルギ吸収部材6,12を介在させたことから、図8あるいは図10に例示した荷重−変位特性を備えることになる。例えば、エネルギ吸収部材6,12の塑性耐力Pdを0.6×Pa<Pd<Paの条件を充足するように設定した場合には、図8の特性曲線に従い、エネルギ吸収部材6,12の塑性耐力Pdに至るまでの弾性領域(A)と塑性耐力Pdに達した後の塑性領域(B)において、エネルギ吸収部材6,12自体の変形によるエネルギ吸収が加算される。したがって、それらのエネルギ吸収部材6,12自体の弾性変形及び塑性変形によるエネルギ吸収が加算された分、アンカーボルト2に対して作用する地震エネルギ等の外部エネルギの影響が緩和されることになる。また、エネルギ吸収部材6,12の塑性耐力PeをPa≦Pe<Pbの条件を充足するように設定した場合には、図10の特性曲線に従い、ハッチング(D)及び(F)を施した領域においてエネルギ吸収部材6,12自体の弾性変形によるエネルギ吸収が加算されるとともに、ハッチング(G)を施した領域においてエネルギ吸収部材6,12自体の塑性変形によるエネルギ吸収が加算される。したがって、この場合も、エネルギ吸収部材6,12自体の弾性変形及び塑性変形によるエネルギ吸収が加算された分、アンカーボルト2に対して作用する地震エネルギ等の外部エネルギの影響が緩和されることになる。
【0015】
本発明によれば、以上のように、エネルギ吸収部材6,12自体の弾性変形及び塑性変形によるエネルギ吸収が加算され、アンカーボルト2に対して作用する地震エネルギの影響が緩和されることから、図示のようにアンカーボルト2の降伏耐力Paへの到達や、最大引張耐力Pbへの到達を遅延させることができる。したがって、延いては建物の損壊や倒壊を遅延させることができ、避難時間を増やすことも可能なことから、人命等に対する被害を低減することができる。また、アンカーボルト2の降伏耐力Paへの到達が免れた場合には、アンカーボルト2が損傷を受けないことから、エネルギ吸収部材6,12の交換による補修によって簡便に対処できる。
【0016】
なお、以上の説明では、1本のアンカーボルト2に対して1個のエネルギ吸収部材6,12を用いた場合に関して説明したが、前述の図8に示した特性を有するエネルギ吸収部材と、図10に示した特性を有するエネルギ吸収部材とを組合わせて、1本のアンカーボルト2に対して2個ずつのエネルギ吸収部材を適用することも可能である。図11は、その場合の荷重Pと変位δとの関係を概略的に例示した荷重−変位特性曲線図である。本実施例では、第1エネルギ吸収部材として塑性耐力Pfが0.6×Pa<Pf<Paの条件を充足するものを用いるとともに、第2エネルギ吸収部材として塑性耐力PgがPa≦Pg<Pbの条件を充足するものを用いた場合を例示した。
【0017】
図示のように、本実施例では、先ず荷重Pが第1エネルギ吸収部材の塑性耐力Pfに至るまでのハッチング(I)の領域では、アンカーボルト2と第1及び第2の双方のエネルギ吸収部材の弾性変形とが共存する形で推移する。荷重Pが第1エネルギ吸収部材の塑性耐力Pfに到達すると、第1エネルギ吸収部材が塑性変形を開始するハッチング(J)の領域に入る。その後、荷重Pが再び上昇してアンカーボルト2の降伏耐力Paに至るまでのハッチング(K)の領域では、アンカーボルト2と第2エネルギ吸収部材の弾性変形とが共存する形で推移する。なお、地震がこの間で収れば、アンカーボルト2及び第2エネルギ吸収部材は損傷を受けないことから、地震後の対処は第1エネルギ吸収部材の交換という簡便な補修作業で済む。荷重Pがアンカーボルト2の降伏耐力Paに達すると、ハッチング(L)の領域で示したように、降伏による塑性変形が現れる。その降伏による塑性変形が終ると、荷重Pが再び上昇を開始し、第2エネルギ吸収部材の塑性耐力Pgに至るまでのハッチング(M)の領域では、アンカーボルト2の塑性変形と第2エネルギ吸収部材の弾性変形とが共存した形で推移する。荷重Pが第2エネルギ吸収部材の塑性耐力Pgに達すると、ハッチング(N)の領域で示したように、第2エネルギ吸収部材の塑性変形が開始する。そして、第2エネルギ吸収部材の塑性変形が終了すると、荷重Pが再び上昇を開始し、ハッチング(O)の領域で示したように、荷重Pがアンカーボルトの最大引張耐力Pbに達した後、破壊耐力Pcまで低下してアンカーボルト2が破壊されることになる。
【0018】
以上のように、本実施例によれば、地震エネルギがハッチング(I)の領域における弾性変形とハッチング(J)の領域における塑性変形によって緩和され、アンカーボルト2に作用する引張荷重が降伏耐力Paに至る前に地震が収った場合には、地震後の対処が第1エネルギ吸収部材の交換という簡便な補修作業で済むという、第1エネルギ吸収部材の荷重−変位特性から派生する利点を享受することができる。同時に、アンカーボルト2に作用する荷重が降伏耐力Paを超えた場合においても、第2エネルギ吸収部材に係るハッチング(M)における弾性変形とハッチング(N)の領域における塑性変形によって地震エネルギが吸収され、アンカーボルト2に対する地震作用が緩和されるので、荷重が最大引張耐力Pbに達する時点を遅延させることができ、避難の時間的余裕を付加することができる。
【0019】
図12は高張力鋼をアンカーボルトに使用する本発明の他の実施例に関する荷重Pと変位δとの関係を概略的に例示した荷重−変位特性曲線図であり、アンカーボルト単体の引張特性曲線とエネルギ吸収部材単体の圧縮特性曲線を同時に表示したものである。本実施例では、図示のように、高張力鋼から形成されたアンカーボルト単体の塑性変形の始る降伏耐力Phの近傍にエネルギ吸収部材単体の塑性耐力Piを設定した場合を例示した。図13は、それらのアンカーボルト単体とエネルギ吸収部材単体とを組合わせて使用した場合の荷重−変位特性曲線図を例示したもので、双方の特性曲線を合成して示したものである。図12に示し、また前述したように、高張力鋼から形成されたアンカーボルト単体の場合には塑性変形能力が低いため、地震エネルギを吸収しきれずに早期に最大引張耐力Pjに達して破断されてしまうという問題があった。しかし、本実施例によれば、図13に示したように、エネルギ吸収部材の塑性変形能力によって高張力鋼からなるアンカーボルトの低い塑性変形能力が補完されることから、地震エネルギの吸収能力が増大し、アンカーボルトの破断に至る事態は大幅に低減される。したがって、高張力鋼としての伸びが小さく降伏耐力Phが高いという優れた特性を十分に活用することが可能になる。すなわち、小規模の地震の範囲ではハッチング(P)で示した伸びが比較的小さい弾性領域で対応し、また大きな地震に対しては、ハッチング(Q)で示した塑性変形による地震エネルギの吸収作用が良好な塑性領域で対応することができ、しかも弾性と塑性が共存したハッチング(R)で示した領域を経て高い最大引張耐力Pjで破断するまでもちこたえることができるという信頼性の高いアンカーボルト耐震構造を提供することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を得ることができる。
(1)アンカーボルトに螺合した締付けナットと鉄骨柱のベースプレート等の締付け対象部材との間に介在させた金属塑性体からなるエネルギ吸収部材の塑性変形によって地震エネルギが吸収されるので、アンカーボルトに対する地震作用が緩和され、耐振性を向上することができる。したがって、柱脚部等に及ぼす地震の影響が少なくなる分、建物としての損傷や倒壊が軽減される。
(2)地震がアンカーボルトの降伏耐力以下で収った場合には、塑性変形したエネルギ吸収部材を交換するという、きわめて簡便な補修作業により地震後の修復が可能である。
(3)高張力鋼等の塑性変形能力の低い素材をアンカーボルトとして使用する場合には、前記エネルギ吸収部材の塑性変形によって地震エネルギが吸収され、その低い塑性変形能力が補完されるので、素材の有する優れた特性を十分活用できる形態でアンカーボルトとして使用できる。例えば、高張力鋼の高い降伏耐力とエネルギ吸収部材の塑性変形能力との組合わせにより、小規模の地震では伸びが小さく、大きな地震では塑性変形による地震エネルギの吸収作用が良好な信頼性の高いアンカーボルト耐震構造を提供することができる。
(4)とりわけ、前記エネルギ吸収部材をアンカーボルトに嵌合可能な中空部を有する筒状本体と該筒状本体の少なくとも下端部に一体的に形成したフランジ部とから構成したので、前記中空部に嵌合したアンカーボルトによって筒状本体の内方への変形が拘束されると同時に、前記フランジ部によって筒状本体の下端部の変形が拘束されることから、前記エネルギ吸収部材に圧縮力が作用した場合には、図3に示したように筒状本体が常に安定して外側へ膨らむ変形性状が得られる。したがって、そのエネルギ吸収部材の有する変形性状からしてエネルギ吸収に関する変動が小さく、常に安定的なエネルギ吸収が実現可能となる。しかも、前記フランジ部の変形は小さいので、地震等の前後を通じて、前記フランジ部を介してより安定した圧縮応力の伝達が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の地震作用を受ける前の状態を示した状態説明図である。
【図2】 同実施例の大きな地震作用を受けた際の状態を示した状態説明図である。
【図3】 同実施例におけるエネルギ吸収部材を拡大して示した片側断面図である。
【図4】 同エネルギ吸収部材の変形状態を示した片側断面図である。
【図5】 エネルギ吸収部材に関する他の実施例を拡大して示した片側断面図である。
【図6】 アンカーボルト単体に関する荷重−変位特性曲線図である。
【図7】 エネルギ吸収部材単体に関する荷重−変位特性曲線図である。
【図8】 アンカーボルト単体とエネルギ吸収部材単体とを組合わせて使用した場合の荷重−変位特性曲線図である。
【図9】 本発明の他の実施例におけるアンカーボルト単体及びエネルギ吸収部材単体に関する荷重−変位特性曲線図である。
【図10】 同実施例のアンカーボルト単体とエネルギ吸収部材単体とを組合わせて使用した場合の荷重−変位特性曲線図である。
【図11】 本発明の他の実施例に関する荷重−変位特性曲線図である。
【図12】 本発明の他の実施例におけるアンカーボルト単体及びエネルギ吸収部材単体に関する荷重−変位特性曲線図である。
【図13】 同実施例のアンカーボルト単体とエネルギ吸収部材単体とを組合わせて使用した場合の荷重−変位特性曲線図である。
【符号の説明】
1…基礎コンクリート、2…アンカーボルト、3…鉄骨柱、4…ベースプレート、5…締付けナット、6…エネルギ吸収部材、7…グラウト材、8…ロック用ナット、9…中空部、10…筒状本体、11…フランジ部、12…エネルギ吸収部材、13…中空部、14…筒状本体、15…フランジ部、Pa…アンカーボルトの降伏耐力、Pb…アンカーボルトの最大引張耐力、Pc…アンカーボルトの破断耐力、Pd〜Pg…エネルギ吸収部材の塑性耐力、Ph…アンカーボルトの降伏耐力、Pi…エネルギ吸収部材の塑性耐力、Pj…アンカーボルトの最大引張耐力[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to an anchor bolt seismic method suitable for an exposed type column base for standing a steel column at a predetermined position of a foundation concrete by fastening and fixing a base plate or the like via an anchor bolt embedded in the foundation concrete. .
[0002]
[Prior art]
In the case of an exposed-type column base that uses an anchor bolt embedded in the foundation concrete to fasten and fix the steel column base plate to the foundation concrete, the base plate is fixed using a tightening nut screwed into the upper exposed part of the anchor bolt. A method of standing a steel column at a predetermined position on the foundation concrete by directly tightening the upper surface is widely adopted.
[0003]
By the way, in the above prior art, since the method of directly tightening the upper surface of the base plate with the tightening nut screwed to the anchor bolt was adopted, the rotation acting on the column base due to the shaking of the frame during the earthquake The moment was transmitted directly to the anchor bolt as a tensile load. And if the tensile load on the anchor bolt acting on the basis of the earthquake is less than the yield strength of the anchor bolt, it will fit within the range of elastic deformation, but if it exceeds the yield strength, plastic deformation will occur, and if the maximum tensile strength is reached It will eventually break. Therefore, if the magnitude of the earthquake is small and within the range of elastic deformation, the impact of the earthquake on the column base and the frame will be small, and there will be no damage after the damage. When plastic deformation occurs, troublesome repair work, such as excavating and replacing anchor bolts after an earthquake, may occur. In addition, when damage is further increased, rebuilding may be required. In any case, a large cost was required to deal with the post-earthquake. Furthermore, when an anchor bolt breaks, damage to human life due to the collapse of the building has become a problem.
[0004]
On the other hand, when an anchor bolt made of a material having a low plastic deformation capacity is used, there is a problem that the building cannot be collapsed without being able to absorb the seismic energy and the building collapses. For this reason, for example, when high tensile steel with low plastic deformation ability is used as the material of the anchor bolt, the actual condition is that it must be designed with a strength of 50 to 60% of its yield strength. That is, the excellent ability as a high-strength steel could not be fully utilized.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been developed in view of the above-described problems with respect to earthquakes of the prior art, and mitigates or delays the damage and breakage of anchor bolts due to earthquakes by mitigating the seismic action on anchor bolts. The purpose is to provide a seismic method that can reduce the cost burden for repair work after an earthquake. Another object of the present invention is to provide an anchor bolt seismic construction method that can fully utilize the excellent characteristics of the material when a material with low plastic deformation ability such as high-tensile steel is used for the anchor bolt. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention is provided between a tightening nut screwed into an upper exposed portion of an anchor bolt embedded in concrete and a member to be tightened such as a base plate of a steel column.A cylindrical main body having a hollow portion that can be fitted to the anchor bolt, and a flange portion formed integrally with at least the lower end of the cylindrical main body,With the energy absorbing member made of metal plastic interposed, the member to be tightened is fastened and fixed to the concrete using the tightening nut to absorb the seismic energy by plastic deformation of the energy absorbing member. Adopted technical means to mitigate seismic action on anchor bolts. in frontAs the energy absorbing member, a metal plastic body having a plastic yield strength smaller than the yield strength of the anchor bolt and 60% or more of the yield strength, a plastic yield strength substantially equal to the yield strength of the anchor bolt, or the anchor bolt A metal plastic body having a plastic strength greater than the yield strength and smaller than the maximum tensile strength is used. Also, combining energy absorbing members made of metal plastics with these characteristicsThe two energy absorbing members are applied to one anchor boltIt is also possible. Here, the plastic proof stress refers to the load that the metal plastic body reaches the plastic deformation region.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is suitable as a seismic construction method for the exposed column base of a steel column, but if it is of a form that is tightened and fixed using a tightening nut screwed to an upper exposed portion of an anchor bolt embedded in concrete Widely applicable. The metal plastic constituting the energy absorbing member is, for example, plastic deformation compared to anchor bolts such as iron, cast steel, extremely low yield point steel, copper, lead, zinc, aluminum, brass, tin, and alloys thereof. It is made of a material having a large energy absorption effect. And as for the magnitude of the plastic yield strength as the energy absorbing member, it is set to be smaller than the yield strength of the anchor bolt and within the range of 60% or more of the yield strength, or almost equal to the yield strength of the anchor bolt. It can be set so as to have a plastic strength greater than the yield strength of the anchor bolt or the anchor bolt and smaller than the maximum tensile strength. Also, combining energy absorbing members made of metal plastics with these characteristicsThe two energy absorbing members are applied to one anchor boltIt is also possible. Furthermore, as a specific shape of the energy absorbing member, for example, an anchor boltCan be externally fitted, that is, fitted outside the anchor boltA cylindrical shape having a hollow portion that can be used is used, a flange portion is formed at the upper end portion or the lower end portion of the cylindrical portion, or a similar hollow portion is formed and the outer shape is tapered. Is used. In addition, the specific dimensions of these are set so that the seismic function as the energy absorbing member can be satisfied in relation to the anchor bolt side strength determined by the material and dimensions of the anchor bolt and the manner of anchoring to the concrete. Will do.
[0008]
【Example】
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1 and 2 show an embodiment in which the seismic construction method of the present invention is applied to an exposed column base of a steel column. FIG. 1 is a state explanatory view showing a state before receiving an earthquake action, FIG. FIG. 6 is a state explanatory diagram showing a state when a large earthquake action is received. In the figure, 1 is foundation concrete, and 2 is an anchor bolt embedded in the
[0009]
FIG. 3 is an enlarged side sectional view showing the
[0010]
Next, the seismic effect of the anchor bolt seismic construction method according to the present invention will be described. FIG. 6 is a load-displacement characteristic curve diagram schematically illustrating the relationship between the tensile load P and the displacement δ of the anchor bolt alone. FIG. 7 is a load-displacement characteristic curve diagram schematically illustrating the relationship between the compression load P and the displacement δ of the energy absorbing member alone. As shown in FIG. 6, from the load-displacement characteristics of the anchor bolt alone, elastic deformation is repeated until the tensile load acting on the anchor bolt due to the earthquake reaches the yield strength Pa. When the tensile load P reaches the yield strength Pa, after passing through a yield state in which a predetermined plastic deformation occurs while maintaining the load P substantially constant, the deformation resistance increases due to strain hardening due to the plastic deformation, and the load P increases. Start rising again. Then, after reaching the maximum tensile strength Pb, the load cannot be supported, and it falls to the breaking strength Pc and breaks. On the other hand, the energy absorbing member alone, as idealized and illustrated in FIG. 7, has a characteristic close to an elastic perfect plastic body, and elastically deforms with respect to a load P up to the plastic proof stress Pd, For loads P beyond that, it yields and plastic deformation continues. Incidentally, the area of the hatched portion below each characteristic curve represents the external energy such as seismic energy absorbed by the deformation therebetween. In this example, the case of 0.6 × Pa <Pd <Pa is illustrated.
[0011]
FIG. 8 shows an example of a load-displacement characteristic curve when an anchor bolt having the above characteristics and an energy absorbing member are used in combination. That is, the characteristic curve of FIG. 6 and the characteristic curve of FIG. 7 are synthesized. The load P in this composite characteristic curve diagram is a load acting between the
[0012]
Thus, as shown in the drawing, the elastic tension deformation of the anchor bolt and the elastic compression deformation of the energy absorbing member coexist until the load P reaches the plastic yield strength Pd of the energy absorbing member. The absorbed energy absorbed by deformation in this elastic region is represented by the area of the hatched (A) portion. Next, when the load P reaches the plastic yield strength Pd, it enters the plastic region of the energy absorbing member, and plastic deformation is continued while maintaining the load P substantially constant. The absorbed energy in this plastic region is represented by the area of the hatched (B) portion. When the plastic deformation of the energy absorbing member reaches the limit, for example, when the load P is directly transmitted from the
[0013]
FIG. 9 is a load-displacement characteristic curve diagram schematically illustrating the relationship between the load P and the displacement δ in another embodiment of the present invention. The tensile characteristic curve of the anchor bolt alone and the compression characteristic curve of the energy absorbing member alone. Is displayed at the same time. In the present embodiment, as shown in the figure, the case where the plastic yield strength Pe of the energy absorbing member alone is set larger than the yield strength Pa of the anchor bolt alone and smaller than the maximum tensile strength Pb is illustrated. FIG. 10 exemplifies a load-displacement characteristic curve when the anchor bolt and the energy absorbing member are used in combination, and shows both characteristic curves synthesized. As illustrated, until the load P reaches the yield strength Pa of the anchor bolt, an elastic region in which the elastic tensile deformation of the anchor bolt and the elastic compression deformation of the energy absorbing member coexist is provided. The absorbed energy absorbed by deformation in this elastic region is represented by the area of the hatched (D) portion. Next, when the load P reaches the yield strength Pa, it enters the yield region of the anchor bolt, and predetermined plastic deformation occurs while maintaining the load P substantially constant. The absorbed energy absorbed by the deformation during this period is represented by the area of the hatched (E) portion. Thereafter, the strain resistance due to plastic deformation increases the deformation resistance of the anchor bolt, and the load P begins to rise again. And until it reaches the plastic yield strength Pe of the energy absorbing member, it becomes a deformation region where the plastic deformation of the anchor bolt and the elastic deformation of the energy absorbing member coexist, and the absorbed energy absorbed by the deformation during this time is the hatching (F). It is represented by the area of the part. Further, when the load P reaches the plastic yield strength Pe of the energy absorbing member, it enters the plastic region of the energy absorbing member, and plastic deformation is continued while maintaining the load P substantially constant. The absorbed energy in this plastic region is represented by the area of the hatched (G) portion. Then, when the plastic deformation of the energy absorbing member reaches the limit, the energy absorbing member changes according to the remaining characteristic curve of the anchor bolt. That is, after the plastic deformation is performed while increasing the load P again to reach the maximum tensile strength Pb, the load cannot be supported, and the load falls to the breaking strength Pc and breaks. The absorbed energy during this period is represented by the area of the hatched (H) portion.
[0014]
As described above, in the present invention, the
[0015]
According to the present invention, as described above, energy absorption due to elastic deformation and plastic deformation of the
[0016]
In the above description, the case where one
[0017]
As shown in the drawing, in this embodiment, in the hatching (I) region until the load P reaches the plastic yield strength Pf of the first energy absorbing member, both the
[0018]
As described above, according to the present embodiment, the seismic energy is alleviated by the elastic deformation in the hatching (I) region and the plastic deformation in the hatching (J) region, and the tensile load acting on the
[0019]
FIG. 12 is a load-displacement characteristic curve diagram schematically illustrating the relationship between the load P and the displacement δ according to another embodiment of the present invention in which high-strength steel is used for the anchor bolt, and the tensile characteristic curve of the anchor bolt alone. And a compression characteristic curve of the energy absorbing member alone. In the present embodiment, as shown in the figure, the case where the plastic yield strength Pi of the energy absorbing member alone is set in the vicinity of the yield strength Ph where the plastic deformation of the anchor bolt alone formed from high-tensile steel starts. FIG. 13 exemplifies a load-displacement characteristic curve when the anchor bolt and the energy absorbing member are used in combination, and shows both characteristic curves synthesized. As shown in FIG. 12 and as described above, in the case of a single anchor bolt made of high-strength steel, the plastic deformation ability is low, so that it does not absorb the seismic energy and reaches the maximum tensile strength Pj at an early stage and breaks. There was a problem that. However, according to the present embodiment, as shown in FIG. 13, the low plastic deformation capability of the anchor bolt made of high-strength steel is complemented by the plastic deformation capability of the energy absorbing member. Increasing the situation leading to anchor bolt breakage is greatly reduced. Therefore, it is possible to fully utilize the excellent characteristic that the elongation as a high-tensile steel is small and the yield strength Ph is high. That is, in the range of small-scale earthquakes, the elongation indicated by hatching (P) corresponds to the elastic region, and for large earthquakes, the seismic energy absorption action by plastic deformation shown by hatching (Q). Can be dealt with in a good plastic region, and through a region indicated by hatching (R) where elasticity and plasticity coexist, it can be held until it breaks with a high maximum tensile strength Pj. Can provide seismic structure.
[0020]
【The invention's effect】
According to the present invention,The following effects can be obtained.
(1)Seismic energy is absorbed by the plastic deformation of the energy absorbing member made of a metal plastic body interposed between the tightening nut screwed to the anchor bolt and the member to be tightened such as the base plate of the steel column. Is relaxed and vibration resistance can be improved. Therefore, damage and collapse of the building are reduced by the amount of the influence of the earthquake on the column base and the like.
(2)When the earthquake falls below the yield strength of the anchor bolt, the post-earthquake repair is possible by a very simple repair work of replacing the plastically deformed energy absorbing member.
(3)When using a material with low plastic deformation capacity such as high-tensile steel as an anchor bolt, seismic energy is absorbed by the plastic deformation of the energy absorbing member, and the low plastic deformation capacity is complemented. It can be used as an anchor bolt in a form that can fully utilize its characteristics. For example, the combination of the high yield strength of high-strength steel and the plastic deformation ability of the energy absorbing member makes the elongation small for small earthquakes, and the seismic energy absorption effect due to plastic deformation is good for large earthquakes. An anchor bolt seismic structure can be provided.
(4) In particular, the energy absorbing member is composed of a cylindrical main body having a hollow portion that can be fitted to an anchor bolt and a flange portion integrally formed at least at the lower end of the cylindrical main body. Since the inward deformation of the cylindrical body is restrained by the anchor bolts fitted to the flange, the deformation of the lower end portion of the tubular body is restrained by the flange portion, so that the compression force is applied to the energy absorbing member. In the case of acting, a deformable property is obtained in which the cylindrical main body always stably swells outward as shown in FIG. Therefore, fluctuations relating to energy absorption are small in view of the deformation properties of the energy absorbing member, and stable energy absorption can always be realized. In addition, since the deformation of the flange portion is small, more stable compression stress can be transmitted through the flange portion before and after an earthquake or the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a state explanatory view showing a state before an earthquake action according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a state explanatory view showing a state when receiving a large seismic action of the embodiment.
FIG. 3 is an enlarged side sectional view showing an energy absorbing member in the same embodiment.
FIG. 4 is a half sectional view showing a deformed state of the energy absorbing member.
FIG. 5 is an enlarged side sectional view showing another embodiment of the energy absorbing member.
FIG. 6 is a load-displacement characteristic curve for an anchor bolt alone.
FIG. 7 is a load-displacement characteristic curve diagram for a single energy absorbing member.
FIG. 8 is a load-displacement characteristic curve diagram when an anchor bolt alone and an energy absorbing member alone are used in combination.
FIG. 9 is a load-displacement characteristic curve diagram regarding an anchor bolt alone and an energy absorbing member alone according to another embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a load-displacement characteristic curve when the anchor bolt alone and the energy absorbing member alone according to the embodiment are used in combination.
FIG. 11 is a load-displacement characteristic curve for another embodiment of the present invention.
FIG. 12 is a load-displacement characteristic curve diagram regarding an anchor bolt alone and an energy absorbing member alone according to another embodiment of the present invention.
FIG. 13 is a load-displacement characteristic curve diagram when the anchor bolt alone and the energy absorbing member alone of the embodiment are used in combination.
[Explanation of symbols]
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